JP2017139620A - 中継装置および中継システム - Google Patents

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Abstract

【課題】中継装置および中継システムにおいて、リングネットワークにおけるループ経路の発生を防止する。【解決手段】アクティブカード(ACT)およびスタンバイカード(SBY)を含む複数の管理カードMC1,MC2を備える。アクティブカードは、リングプロトコルに基づくイベントに応じてリングポートの開放または閉塞を定め、ラインカードLCへ開放命令または閉塞命令を発行する。ラインカードLCは、開放命令または閉塞命令に応じてリングポートの開閉を制御する。スタンバイカードは、所定の切り換え命令(ステップS601)に応じてアクティブカードに遷移した際に、リングポートの閉塞命令をラインカードLCへ発行する。【選択図】図14

Description

本発明は、中継装置および中継システムに関し、例えば、装置内部に冗長構成を備える中継装置、および、リングプロトコルが適用される中継システムに関する。
例えば、特許文献1には、シャーシ型のネットワーク中継装置において、複数のラインカードのそれぞれが、冗長化された2枚の管理カードからの監視フレームを受信し、その内の一方を選択して装置外部に送信する方式が示されている。また、非特許文献1には、ITU−T G.8032に基づくリングネットワークのリングプロトコルが示されている。
特開2014−195147号公報
ITU−T G.8032/Y.1344(02/2012)
例えば、非特許文献1に示されるようなITU−T G.8032を代表とするリングプロトコルが知られている。また、OSI参照モデルのレイヤ2(L2)の処理を行う中継装置(L2スイッチ)の一形態として、特許文献1に示されるようなシャーシ型の中継装置が知られている。シャーシ型の中継装置は、装置外部との間でフレームの送信または受信を行うラインカードに加えて、当該ラインカードを含めて装置全体を管理する管理カードを備える場合がある。このようなシャーシ型の中継装置にリングプロトコルを実装する場合、主に管理カードにリングプロトコルの制御部を実装することで、装置内の処理を効率化することができる。
ここで、管理カードには、耐障害性を向上させるため、特許文献1に示されるように、アクティブ状態のカードとスタンバイ状態のカードからなる冗長構成を適用することが望ましい。この場合、例えば、アクティブ状態のカード[1]がリングプロトコルを実行している状態で、当該カード[1]に障害が発生した場合であっても、スタンバイ状態のカード[2]が、カード[1]に代わってアクティブ状態に遷移することでリングプロトコルの処理を実行することができる。
一方、例えば、非特許文献1に示されるようなリングプロトコルの処理は、状態遷移に基づいて行われる。例えば、中継装置は、リングネットワークで所定のイベントが発生した場合、現在のリング状態と当該イベントとの組合せに応じてリングネットワークを制御し、当該組合せに応じた次のリング状態に遷移する。ここで、このような状態遷移に基づく処理をカード[1]からカード[2]に移行させる仕組みの一つとして、特許文献1のような方式を利用して、カード[1]とカード[2]に独立して同じ動作を行わせることで、カード[1]とカード[2]を同期させる方式が考えられる。
しかし、現実的には、カード[1]とカード[2]とでは、例えば、各種処理を行うタイミングにズレが生じ得る。その結果、リングネットワークにおけるループ経路の発生といった問題を引き起こす恐れがある。一例として、カード[1]およびカード[2]が個別のタイミングに基づき判定処理を行う場合、所定のポートを対象に、カード[1]は閉塞が必要と判定し、カード[2]は閉塞が不要と判定するような事態が生じ得る。この状態で、カード[1]に代わってカード[2]がアクティブ状態となった場合、本来、閉塞されるべきポートが開放され、リングネットワークに閉塞ポートが存在しないような事態が生じ得る。
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、リングネットワークにおけるループ経路の発生を防止することが可能な中継装置および中継システムを提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本実施の形態による中継装置は、リングネットワークに接続されるリングポートを備えるラインカードと、ラインカードを管理する複数の管理カードとを有する。複数の管理カードには、アクティブ状態で動作するアクティブカードと、スタンバイ状態で動作し、所定の切り換え命令に応じてアクティブカードに遷移するスタンバイカードと、が含まれる。アクティブカードは、リングプロトコルに基づきリングポートの開放または閉塞を定め、ラインカードへリングポートの開放命令または閉塞命令を発行する。ラインカードは、アクティブカードからの開放命令または閉塞命令に応じてリングポートの開閉を制御するポート制御部を備える。スタンバイカードは、所定の切り換え命令に応じてアクティブカードに遷移した際に、リングポートの閉塞命令をラインカードへ発行する。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、リングネットワークにおけるループ経路の発生を防止することが可能になる。
本発明の一実施の形態による中継システムにおいて、その構成例および障害無し時の動作例を示す概略図である。 図1の中継システムにおいて、その障害監視方法の一例を示す概略図である。 図1の中継システムにおいて、障害発生(SF)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。 図1の中継システムにおいて、障害復旧(SF解消)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。 図1の中継システムにおいて、中継装置の主要部の概略構成例を示すブロック図である。 図5における各ラインカードの主要部の概略構成例を示すブロック図である。 図5および図6の中継装置において、ICCM処理部の処理内容の一例を示す説明図である。 図5および図6の中継装置において、前提となる障害発生検出時のリングプロトコル動作の一例を示す説明図である。 図8に続く動作例を示す説明図である。 図9に続く動作例を示す説明図である。 図5および図6の中継装置において、前提となるR−APS(SF)フレーム受信時のリングプロトコル動作の一例を示す説明図である。 図5の中継装置において、スタンバイカードとなる管理カード内のMC用ERP制御部が実行する主要な処理内容の一例を示すフロー図である。 図5および図6の中継装置において、冗長方式に関する主要部の構成例およびリングプロトコル動作の一例を示す概略図である。 図5、図6および図13の中継装置において、アクティブチェンジ発生時のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。 図5、図6および図13の中継装置において、アクティブチェンジ発生時の他のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。 本発明の比較例として検討した中継装置において、冗長方式に関する主要部の構成例およびリングプロトコル動作の一例を示す概略図である。 図16の中継装置において、アクティブチェンジ発生時に問題となり得るリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションに分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
《中継システムの概略構成および障害無し時の概略動作》
図1は、本発明の一実施の形態による中継システムにおいて、その構成例および障害無し時の動作例を示す概略図である。図1に示す中継システムは、リングネットワーク10を構成する複数(ここでは4個)の中継装置SWa〜SWdを備える。中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、ノードとも呼ばれる。中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、2個のリングポートPr[1],Pr[2]と、m個(mは1以上の整数)のユーザポートPu[1]〜Pu[m]と、を備える。この例では、リングネットワーク10を構成する中継装置の数は、4個とするが、これに限らず2個以上であればよい。
リングネットワーク10は、例えば、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルに基づき制御される。言い換えれば、中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、当該リングプロトコルに基づく各種制御機能を備える。中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、OSI参照モデルのレイヤ2(L2)の中継処理を行うL2スイッチや、加えて、レイヤ3(L3)の中継処理を行うL3スイッチ等である。ただし、リングネットワーク10上の中継処理は、L2に基づいて行われるため、ここでは、中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、L2スイッチである場合を例とする。
2個のリングポートPr[1],Pr[2]は、それぞれ、リングネットワーク10に接続される。言い換えれば、中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、リングポートPr[1],Pr[2]を介してリング状に接続され、これによってリングネットワーク10が形成される。図1の例では、中継装置SWa,SWb,SWc,SWdのリングポートPr[1]は、それぞれ、通信回線を介して、隣接する中継装置SWb,SWc,SWd,SWaのリングポートPr[2]に接続される。
ユーザポートPu[1]〜Pu[m]は、所定のユーザ網に接続される。図1の例では、中継装置SWa〜SWdのユーザポートPu[1]〜Pu[m]は、それぞれ、ユーザ網11a〜11dに接続される。ユーザ網11a〜11dのそれぞれの中には、中継装置や各種情報処理装置(サーバ装置や端末装置等)などが適宜配置される。
ここで、ITU−T G.8032に基づき、中継装置SWaは、オーナーノードに設定され、中継装置SWbは、ネイバーノードに設定される。オーナーノードとネイバーノードとの間のリンクは、RPL(Ring Protection Link)と呼ばれる。リングネットワーク10上に障害が無い場合、中継装置SWaは、RPLの一端に位置するリングポートPr[1]を閉塞状態BKに制御し、中継装置SWbは、RPLの他端に位置するリングポートPr[2]を閉塞状態BKに制御する。
閉塞状態BKのリングポートは、フレームの通過を禁止する。リングネットワーク10に障害が無い場合、RPLによって、リングネットワーク10上でのフレームのループ経路が防止される。これによって、中継装置SWaと中継装置SWbとの間では、図1に示すように、中継装置SWd,SWcを介する通信経路12が形成される。ユーザ網11a〜11d間のフレーム転送は、この通信経路12上で行われる。
《中継システムの障害監視方法》
図2は、図1の中継システムにおいて、その障害監視方法の一例を示す概略図である。図2に示すように、中継装置SWa〜SWdは、それぞれ、リングポートPr[1]に対応して監視ポイントMEPa1〜MEPd1を備え、リングポートPr[2]に対応して監視ポイントMEPa2〜MEPd2を備える。
ITU−T G.8032では、中継装置間のリンクの障害有無を監視するため、イーサネット(登録商標)OAMのCC(Continuity Check)機能を用いることが規定されている。イーサネットOAMは、装置間の疎通性を監視するための規格として、「ITU−T Y.1731」や「IEEE802.1ag」等で標準化されている。CC機能では、図2に示すように、MEP(Maintenance End Point)と呼ばれる監視ポイントによって監視区間が設定される。各監視区間の両端のMEPは、疎通性監視フレームであるCCM(Continuity Check Message)フレームを互いに定期的に送受信することで、各監視区間の疎通性を監視する。
図2の例では、中継装置SWaの監視ポイントMEPa1は、他装置(SWb)の監視ポイントMEPb2との間でCCM監視区間15abを設定し、これにより、自装置のリングポートPr[1]と、それに接続される他装置(SWb)のリングポートPr[2]と、の間の疎通性を監視する。その反対に、中継装置SWbの監視ポイントMEPb2も、他装置(SWa)の監視ポイントMEPa1との間でCCM監視区間15abを設定し、これにより、自装置のリングポートPr[2]と、それに接続される他装置(SWa)のリングポートPr[1]と、の間の疎通性を監視する。
これと同様にして、リングネットワーク10上に、順次、CCM監視区間15bc,15cd,15adが設定される。各CCM監視区間(例えば15ab)において、一端の監視ポイント(MEPa1)は、他端の監視ポイント(MEPb2)からのCCMフレームを所定の期間内に受信しない場合、他端の監視ポイント(MEPb2)に対する疎通性をLOC(Loss Of Continuity)状態と判別する。当該所定の期間は、例えば、CCMフレームの送信間隔(代表的には3.3ms)の3.5倍の期間である。
この場合、一端の監視ポイント(MEPa1)は、他端の監視ポイント(MEPb2)に向けてCCMフレームを送信する際に、当該CCMフレームに含まれるRDI(Remote Defect Indication)ビットにフラグを立てた状態で送信する。他端の監視ポイント(MEPb2)は、一端の監視ポイント(MEPa1)からRDIビットにフラグが立てられたCCMフレームを受信することで、一端の監視ポイント(MEPa1)に対する疎通性をRDI状態と判別する。中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、自装置の監視ポイント(MEP)におけるLOC状態またはRDI状態の有無に基づいて、自装置のリングポートPr[1],Pr[2](それに接続されるリンクを含む)の障害有無を判別する。
《中継システムの障害発生(SF)時の動作》
図3は、図1の中継システムにおいて、障害発生(SF)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。図3では、まず、障害発生(ステップS102)の前の状態として、オーナーノードである中継装置SWaのリングポートPr[1]、およびネイバーノードである中継装置SWbのリングポートPr[2]は、共に、閉塞状態BKに制御されている。また、中継装置SWa〜SWdは、共に、リングプロトコルに基づくリング状態がアイドル状態となっている。アイドル状態は、概略的には、障害等を代表とする特殊なイベントが特に発生していないことを表す。
この状態では、オーナーノードである中継装置SWaは、リングネットワーク10上に、ITU−T G.8032に規定されるR−APS(NR,RB)フレームを定期的(例えば5s毎)に送信する(ステップS101)。NR(No Request)は、要求無しを表し、RB(RPL Blocked)は、RPLの閉塞を表す。R−APS(NR,RB)フレームは、リングネットワーク10が障害無しであり、これに伴いRPL(すなわち中継装置SWaのリングポートPr[1])を閉塞状態BKに制御していることを他の中継装置SWb〜SWdに通知するフレームとなる。
このような状態で、ステップS102に示すように、中継装置SWcと中継装置SWdとの間のリンクに障害が生じた場合を想定する。この場合、ステップS103bに示すように、中継装置SWcは、図2に示した監視ポイントMEPc1での監視結果に基づき、リングポートPr[1](それに接続されるリンクを含む)の障害発生(ITU−T G.8032でのSF(Signal Fail))を検出する。これに応じて、中継装置SWcは、当該リングポートPr[1]を閉塞状態BKに制御し、リングポートPr[1],Pr[2]からR−APS(SF)フレームを送信し、リング状態をアイドル状態からプロテクション状態に遷移する。
R−APS(SF)フレームは、障害通知フレームとして機能する。プロテクション状態は、概略的には、リングネットワーク10上に障害が発生していることを表す。また、ステップS103aに示すように、中継装置SWdも中継装置SWcの場合と同様の処理を行う。中継装置SWc,SWdによって送信されたR−APS(SF)フレームは、閉塞状態BKのリングポートに到達するまで、各中継装置によって中継される。
ここで、ステップS104aに示すように、オーナーノードである中継装置SWaは、アイドル状態でR−APS(SF)フレームを受信した場合、リングポートPr[1]の閉塞状態BKを解除する(すなわち開放状態OPに変更する)。開放状態OPのリングポートは、フレームの通過を許可する。また、中継装置SWaは、アイドル状態でR−APS(SF)フレームを受信した場合、リング状態をアイドル状態からプロテクション状態に遷移する。また、ステップS104bに示すように、ネイバーノードである中継装置SWbも、中継装置SWaの場合と同様の処理を行う。
このように、各種R−APSフレームは、リングネットワークを制御するための制御フレームとなる。各種R−APSフレームは、図示は省略しているが、実際には、最初に3.3ms毎に3回送信され、その後は5s毎に送信される。また、ステップS104aにおいて、より詳細には、中継装置SWaは、アイドル状態でR−APS(SF)フレームを受信した場合、R−APS(NR,RB)フレームの送信を停止し、FDB(Forwarding DataBase)のフラッシュを行う。このように、各中継装置SWa〜SWdは、より詳細には、各種リング状態と各種イベントとの組合せに応じてFDBのフラッシュや、R−APSフレームの停止等を含めた様々な処理を行うが、本明細書では、簡略化のためこのような処理に関する記載は省略し、主要な処理のみを記載する。
《中継システムの障害復旧(SF解消)時の動作》
図4は、図1の中継システムにおいて、障害復旧(SF解消)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。図4では、図3に示したように、中継装置SWcと中継装置SWdとの間のリンクに障害が発生した状態で、当該障害が復旧した場合を想定する。まず、障害が発生している状態では、中継装置SWcのリングポートPr[1]および中継装置SWdのリングポートPr[2]は、共に、閉塞状態BKに制御されている。また、中継装置SWa〜SWdは、図3に示したように、共に、リング状態がプロテクション状態となっている。このような状態で、障害が復旧した場合(ステップS201)、以下のような処理が行われる。
ステップS202bに示すように、中継装置SWcは、監視ポイントMEPc1を用いてリングポートPr[1]の障害復旧(ITU−T G.8032でのClear SF)を検出する。そして、中継装置SWcは、リングポートPr[1],Pr[2]からR−APS(NR)フレームを送信し、リング状態をプロテクション状態からペンディング状態に遷移する。R−APS(NR)フレームは、障害復旧フレームとして機能する。ペンディング状態は、概略的には、リングネットワーク10の状態が明確に定まっていないことを表す。また、ステップS202aに示すように、中継装置SWdも中継装置SWcの場合と同様の処理を行う。
ステップS203aに示すように、オーナーノードである中継装置SWaは、プロテクション状態でR−APS(NR)フレームを受信すると、WTR(Wait To Restore)タイマをスタートさせ、リング状態をプロテクション状態からペンディング状態に遷移する。また、ステップS203bに示すように、ネイバーノードである中継装置SWbは、プロテクション状態でR−APS(NR)フレームを受信すると、リング状態をプロテクション状態からペンディング状態に遷移する。
一方、ステップS204に示すように、中継装置SWc,SWdのそれぞれは、図示しないガードタイマの期間で他方からのR−APS(NR)フレームを受信し、当該R−APS(NR)フレームに含まれる優先度の情報に基づいて自装置の閉塞状態BKのリングポートを開放状態OPに変更するか否かを判別する。この例では、このような判別結果に基づき、中継装置SWcのリングポートPr[1]の閉塞状態BKが解除されている。
ステップS205において、中継装置SWaは、ペンディング状態でWTRタイマの期間が満了すると、RPL(すなわちリングポートPr[1])を開放状態OPから閉塞状態BKに変更する。また、中継装置SWaは、リングポートPr[1],Pr[2]からR−APS(NR,RB)フレームを送信し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。
ステップS206aにおいて、中継装置SWdは、ペンディング状態でR−APS(NR,RB)フレームを受信すると、リングポートPr[2]の閉塞状態BKを解除し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。また、ステップS206bにおいて、中継装置SWcは、ペンディング状態でR−APS(NR,RB)フレームを受信すると、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。
一方、ステップS206cにおいて、ネイバーノートである中継装置SWbは、ペンディング状態でR−APS(NR,RB)フレームを受信すると、RPL(すなわちリングポートPr[2])を開放状態OPから閉塞状態BKに変更し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。このような処理の結果、図1および図3のステップS101に示したような通常の状態に復旧する。
以上のように、例えば、ITU−T G.8032に基づくリングプロトコルの処理は、状態遷移に基づいて行われる。補足説明を行うと、まず、リング状態として、図3および図4に示したアイドル状態、プロテクション状態、ペンディング状態の他に、FS(Forced Switch)状態およびMS(Manual Switch)状態が規定される。そして、このリング状態とイベントの組合せに応じてどのような制御を行い何を出力するかや、次にどのリング状態に遷移するかが規定される。イベントとしては、例えば図3のステップS103aに示したSF検出等のように自装置で直接的に発生するローカルイベントと、図3のステップS104aに示したように、他装置で発生しR−APSフレームを介して他装置から通知されるリモートイベントとがある。
ここで、FS状態とは、概略的には、リングネットワーク10上に、FSコマンドに基づく閉塞ポートが存在することを表す。具体的には、ユーザは、閉塞したいリングポートの情報を含むFSコマンドを所定の中継装置に入力することができる。このローカルイベントに応じて、当該中継装置は、FSコマンドで指定されたリングポートを強制的に閉塞状態BKに制御し、他装置へR−APS(FS)フレームを送信すると共に、FS状態に遷移する。また、R−APS(FS)フレームを受信した他装置は、当該リモートイベントに応じてFS状態に遷移する。
一方、ユーザは、FS状態を解除したい場合には、FSコマンドに基づく閉塞ポートが存在する中継装置にクリアコマンドを入力する。このローカルイベントに応じて、当該中継装置は、図4のステップS202aの場合と同様に、他装置へR−APS(NR)フレームを送信すると共に、ペンディング状態に遷移する。以降、各中継装置は、図4に示したSF解消時の場合とほぼ同様な処理を経てFS状態を解消し、RPLが閉塞された状態となるアイドル状態に戻る。
MS状態とは、FS状態の場合と同様に、概略的には、リングネットワーク10上に、MSコマンドに基づく閉塞ポートが存在することを表す。ただし、MS状態は、FS状態やプロテクション状態よりも優先度が低い。例えば、MS状態で所定のリングポートにSFが検出された場合、リング状態はプロテクション状態に遷移し、MSコマンドに基づく閉塞ポートは開放され、その代わりにSFが検出されたリングポートが閉塞される。一方、FS状態は、最も優先度が高い。例えば、FS状態で所定のリングポートにSFが検出された場合であっても、リング状態はFS状態のままであり、FSコマンドに基づく閉塞ポートも閉塞状態を維持し、SFが検出されたリングポートは閉塞されない。FS状態から他のリング状態への遷移は、前述したように、イベントとしてクリアコマンドが発生した場合のみで行われる。
《中継装置の構成》
図5は、図1の中継システムにおいて、中継装置の主要部の概略構成例を示すブロック図である。図6は、図5における各ラインカードの主要部の概略構成例を示すブロック図である。図5に示す中継装置は、図1に示した中継装置SWa〜SWdの中の少なくとも一つに適用される。
図5に示す中継装置は、1個の筐体内に複数のカードを搭載したシャーシ型の中継装置となっている。当該中継装置は、複数(ここではn枚)のラインカードLC[1]〜LC[n]と、複数(ここでは2枚)の管理カードMC1,MC2と、ファブリック経路部20と、を備える。ラインカードLC[1]〜LC[n]のそれぞれは、装置外部との間でフレームの通信(送信および受信)を行う。ファブリック経路部20は、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]間の通信を仲介し、さらに、複数の管理カードMC1,MC2のそれぞれと、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]のそれぞれとの間の通信を仲介する。ファブリック経路部20は、具体的には、例えば、メッシュ状の配線で構成される場合や、ファブリックカードで構成される場合等がある。
管理カードMC1,MC2のそれぞれは、図示は省略するが、例えば、装置管理者等からの指示に基づいて、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]の各種設定や状態等を管理するような一般的な管理機能を備える。管理カードMC1,MC2のそれぞれは、このような一般的な管理機能に加えて、MC用ERP制御部22と、記憶部23と、ファブリックインタフェース部27とを備える。MC用ERP制御部22は、リング制御部として機能し、記憶部23の情報を用いながら、所定のリングプロトコル(ここでは、ITU−T G.8032)に基づく各種処理を主体的に行う。MC用ERP制御部22は、詳細は後述するが、VIDフィルタ制御要求部25と、R−APS生成部26とを備える。
ファブリックインタフェース部27は、ICCM処理部24を備え、自管理カードとファブリック経路部20との間の通信を仲介する。ICCM処理部24は、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]のそれぞれとの間で、ファブリック経路部20を介して内部疎通性監視フレーム(以降、ICCMフレームと呼ぶ)の通信を行うことで複数のラインカードのそれぞれとの間の疎通性有無を監視する。さらに、ICCM処理部24は、ICCMフレームを用いてMC用ERP制御部22と複数のラインカードのそれぞれとの間の通信を仲介する。
ここで、複数の管理カードMC1,MC2には、アクティブ状態(ACT)で動作するアクティブカードと、スタンバイ状態(SBY)で動作し、所定の切り換え命令(具体的には、後述するアクティブチェンジ)に応じてアクティブカードに遷移するスタンバイカードと、が含まれる。例えば、管理カードMC1は、アクティブカードであり、管理カードMC2は、スタンバイカードである。また、管理カードMC1,MC2は、互いに通信を行うための通信経路(例えば通信回線)21を備えている。
複数のラインカードLC[1]〜LC[n]は、図1等に示したリングポートPr[1],Pr[2]と、ユーザポートPu[1]〜Pu[m]とを備える。図5の例では、ラインカードLC[1],LC[2]は、それぞれ、リングポートPr[1],Pr[2]を備え、ラインカードLC[n]は、ユーザポートPu[1]を備えている。ただし、各ポートをどのラインカードに設けるかは、図5の例に限定されるものではなく、任意に定めることが可能である。
複数のラインカードLC[1]〜LC[n]のそれぞれは、詳細には、図6に示すような構成を備える。図6のラインカードLCは、インタフェース部30と、フレーム処理部31と、FDBと、LC用ERP制御部32と、ファブリックインタフェース部33とを備える。また、ここでは、説明の便宜上、当該ラインカードLCは、リングポートPrおよびユーザポートPuを含めた複数のポートを備えるものとする。
インタフェース部30は、受信ポート識別子付加部34と、フレーム判別部35と、VIDフィルタ36と、OAM処理部37とを備え、主に、複数のポートとの間でフレームの送信および受信を行う。受信ポート識別子付加部34は、複数のポートのいずれかでフレームを受信した場合に、その受信ポートを表す受信ポート識別子を当該フレームに付加する。フレーム判別部35は、例えば、受信したフレームがユーザフレームのフォーマットであるか、R−APSフレームのフォーマットであるかといったように、フレームのフォーマットを判別する。
VIDフィルタ36は、設定された条件に基づいて、フレームの通過可否を制御する。例えば、所定のVLAN識別子VIDを持つフレームを所定のポートで受信した場合に当該フレームを破棄するといった条件や、所定のVLAN識別子VIDを持つフレームを所定のポートから送信する場合に当該フレームを送信せずに破棄するといった条件が設定される。VIDフィルタ36は、当該条件に基づく処理を行う。リングポートの実際の閉塞状態BKや開放状態OPは、VIDフィルタ36によって構築される。
OAM処理部37は、図2に示したようなMEPを備え、装置外部との間でリングポートPrを介して疎通性監視フレーム(具体的にはCCMフレーム)の通信を行うことでリングポートPrの障害有無を監視する。インタフェース部30は、受信したフレームがユーザフレームの場合には、当該フレームをフレーム処理部31へ送信し、受信したフレームがR−APSフレームの場合には、当該フレームをLC用ERP制御部32へ送信する。また、インタフェース部30は、フレームの宛先ポートを表す宛先ポート識別子が付加されたフレームを、フレーム処理部31やLC用ERP制御部32から受信した場合に、当該フレームを当該宛先ポートへ送信する。
FDBは、MAC(Media Access Control)アドレスと、VLAN識別子VIDと、ポートとの対応関係を保持する。また、FDBは、ポートがリングポートの場合には、加えてリングIDを保持する。当該リングIDは、FDBフラッシュの対象となるエントリを定める際のキーとして使用される。フレーム処理部31は、FDB処理部38と、FDB同期部39と、ICCM処理部40とを備える。FDB処理部38は、ポートでユーザフレームを受信した場合に、FDBの学習および検索を行う。具体的には、FDB処理部38は、受信したユーザフレームの送信元MACアドレスを、VLAN識別子VIDと、インタフェース部30で付加された受信ポート識別子(ラインカードの識別子を含む)とに対応付けてFDBに学習する。
また、FDB処理部38は、受信したユーザフレームの宛先MACアドレスおよびVLAN識別子VIDを検索キーとしてFDBを検索し、宛先ポート識別子(ラインカードの識別子を含む)を取得する。FDB処理部38は、宛先ポート識別子が自ラインカードのポート識別子の場合、宛先ポート識別子を付加したユーザフレームをインタフェース部30へ直接送信するか、または、ファブリックインタフェース部33やファブリック経路部20で折り返す形でインタフェース部30へ送信する。一方、FDB処理部38は、宛先ポート識別子が他ラインカードのポート識別子の場合、宛先ポート識別子を付加したユーザフレームをファブリックインタフェース部33を介してファブリック経路部20へ送信する。ファブリック経路部20は、当該ユーザフレームを宛先ポート識別子に基づくラインカードへ送信する。
FDB同期部39は、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]間でFDBの保持内容を同期化する機能を備える。具体的には、FDB同期部39は、例えば、自ラインカードのポートでフレームを受信した場合に、受信ポート識別子および当該フレームのヘッダ部分を含む学習用フレームを生成し、ファブリック経路部20を介して他のラインカードへ送信する。他のラインカードのFDB同期部39は、当該学習用フレームに基づいてFDBの学習を行う。
ICCM処理部40は、管理カードMC1,MC2のそれぞれとの間でICCMフレームの通信を行うことで管理カードMC1,MC2のそれぞれとの間の疎通性有無を監視する。さらに、ICCM処理部40は、ICCMフレームを用いてLC用ERP制御部32と管理カードMC1,MC2との間の通信を仲介する。
LC用ERP制御部32は、リング制御部として機能し、MC用ERP制御部22の基で、所定のリングプロトコル(ここでは、ITU−T G.8032)に基づく各種処理を従属的に行う。LC用ERP制御部32は、R−APS中継部41と、ポート制御部42とを備える。R−APS中継部41は、リングポートPrで受信したR−APSフレームを、ファブリックインタフェース部33を介して管理カードMC1,MC2へ中継する。また、R−APS中継部41は、2個のリングポートの一方で受信したR−APSフレームを、2個のリングポートの他方へ中継する。ポート制御部42は、アクティブカードからの開放命令または閉塞命令に応じてリングポートPrの開閉を制御する。
ファブリックインタフェース部33は、フレーム処理部31から送信されたフレーム(ユーザフレーム、ICCMフレーム、学習用フレーム)や、R−APS中継部41によって中継されたR−APSフレームを、ファブリック経路部20へ送信する。また、ファブリックインタフェース部33は、ファブリック経路部20から送信されたフレームをフレーム処理部31またはLC用ERP制御部32へ送信する。
なお、図5の管理カードMC1,MC2において、MC用ERP制御部22は、プロセッサ(CPU)によるプログラム処理等によって実現され、記憶部23は、RAM等で実現され、ファブリックインタフェース部27は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等に実装される。また、図6のラインカードLCにおいて、インタフェース部30およびファブリックインタフェース部33のそれぞれは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等に実装され、フレーム処理部31やLC用ERP制御部32は、FPGA等に実装される。FDBは、CAM(Content Addressable Memory)等に実装される。ただし、各部の具体的な実装形態は、勿論、これに限定されるものではなく、ハードウェアまたはソフトウェアあるいはその組合せを用いて適宜実装されればよい。
《中継装置の内部疎通性監視動作およびアクティブチェンジ動作》
図7は、図5および図6の中継装置において、ICCM処理部の処理内容の一例を示す説明図である。図7において、ラインカードLC[1]のICCM処理部40は、管理カードMC1用の内部監視ポイントIMEP1l[1]と、管理カードMC2用の内部監視ポイントIMEP1l[2]とを備える。同様に、ラインカードLC[2]のICCM処理部40は、管理カードMC1用の内部監視ポイントIMEP2l[1]と、管理カードMC2用の内部監視ポイントIMEP2l[2]とを備える。
以降同様に、図示は省略するが、各ラインカード(例えばLC[n])のICCM処理部40は、管理カードMC1用の内部監視ポイント(IMEPnl[1])と、管理カードMC2用の内部監視ポイント(IMEPnl[2])とを備える。一方、管理カードMC1のICCM処理部24は、内部監視ポイントIMEP1m[1],IMEP2m[1],…,IMEPnm[1]を備える。管理カードMC2のICCM処理部24は、内部監視ポイントIMEP1m[2],IMEP2m[2],…,IMEPnm[2]を備える。
管理カードMC1の内部監視ポイントIMEP1m[1],IMEP2m[1],…は、それぞれ、複数のラインカードにおける管理カードMC1用の内部監視ポイントIMEP1l[1],IMEP2l[1],…との間で、ICCMフレームICCM1[1],ICCM2[1],…の送受信を行うことによって内部疎通性を監視する。同様に、管理カードMC2の内部監視ポイントIMEP1m[2],IMEP2m[2],…は、それぞれ、複数のラインカードにおける管理カードMC2用の内部監視ポイントIMEP1l[2],IMEP2l[2],…との間で、ICCMフレームICCM1[2],ICCM2[2],…の送受信を行うことによって内部疎通性を監視する。
ICCMフレームは、内部疎通性監視フレームであり、前述した疎通性監視フレームであるCCMフレームと同様なフレームである。すなわち、本実施の形態では、装置間の疎通性を監視するイーサネットOAMの規格を利用し、これと同様な方式を、装置内部の疎通性の監視に適用する。そして、装置内部の疎通性を監視するための監視用フレームとして、CCMフレームの代わりにICCMフレームを用いる。ICCMフレームを用いて内部疎通性の監視を行う場合、前述したCCMフレームの場合と同様に、LOC状態やRDI状態の有無に基づいて内部の疎通性有無(障害有無)を判別する。
なお、必ずしも限定はされないが、ICCMフレームの送信間隔は、CCMフレームの送信間隔と比較して、同等もしくは短いことが望ましい。本実施の形態では、例えば、ICCMフレームの送信間隔は1ms等であり、CCMフレームの送信間隔は3.5ms等である。
ここで、図7の例では、管理カードMC1はアクティブ状態ACTで動作しており(すなわちアクティブカードであり)、管理カードMC2はスタンバイ状態SBYで動作している(すなわちスタンバイカードである)。この状態で、例えば、ラインカードLC[1]と管理カードMC1との間の通信経路に障害が発生した場合を想定する。この場合、ラインカードLC[1]および管理カードMC1は、共に、ICCMフレームICCM1[1]のLOC状態またはRDI状態に基づいて当該障害発生を検出することができる。
当該障害発生を検出した場合、例えば、ラインカードLC[1]は、自ラインカードに向けたアクティブチェンジを実行し、以降、管理カードMC1に代わって管理カードMC2をアクティブカードとみなす。また、管理カードMC1は、当該障害発生の検出に応じて、管理カードMC2と、その他のラインカードLC[2],…とにアクティブチェンジを実行する旨を通知する。これに応じて、管理カードMC2は、自身をスタンバイ状態SBYからアクティブ状態ACTに遷移し、その他のラインカードLC[2],…も、ラインカードLC[1]の場合と同様に、自ラインカードに向けたアクティブチェンジを実行する。なお、管理カードMC1は、アクティブチェンジの通知を行ったのち、アクティブ状態ACTからスタンバイ状態SBYに遷移する。
また、例えば、管理カードMC1自体に障害が発生した場合を想定する。この場合、各ラインカードLC[1],LC[2],…は、それぞれ、ICCMフレームICCM1[1],ICCM2[1],…のLOC状態等に基づいて当該障害発生を検出することができる。これに応じて、各ラインカードLC[1],LC[2],…は、それぞれ、自ラインカードに向けたアクティブチェンジを実行し、以降、管理カードMC1に代わって管理カードMC2をアクティブカードとみなす。一方、管理カードMC2も、例えば、通信経路21を用いた管理カードMC1の監視等によって当該障害発生を検出することができる。これに応じて、管理カードMC2は、自身をスタンバイ状態SBYからアクティブ状態ACTに遷移する。
なお、アクティブチェンジは、このような方法を一例として、その他にも様々な方法で実行することができる。さらに、ここでは、障害が有る場合のアクティブチェンジについて説明したが、障害が無い場合でも、例えば、ユーザからのアクティブチェンジコマンドの入力によってアクティブチェンジを行うことも可能である。この場合、例えば、管理カードMC1が当該アクティブチェンジコマンドを受け付け、管理カードMC2と、各ラインカードLC[1],LC[2],…とにアクティブチェンジを実行する旨を通知すればよい。
《中継装置の障害発生検出時のリングプロトコル動作(前提)》
図8は、図5および図6の中継装置において、前提となる障害発生検出時のリングプロトコル動作の一例を示す説明図である。図9は、図8に続く動作例を示す説明図であり、図10は、図9に続く動作例を示す説明図である。図8〜図10には、図3の中継装置SWcを例として、ステップS102,S103bにおける動作例が示されている。また、ここでは、管理カードMC1,MC2のいずれか一方となるアクティブ状態ACTの管理カードMC(アクティブカード)についての動作例を説明する。
図8において、まず、リングポートPr[1]を備えるラインカードLC[1]のOAM処理部37は、リングポートPr[1]の障害発生(例えばLOC状態)を検出する(ステップS102,S102−1)。この場合、ラインカードLC[1]のLC用ERP制御部32は、ICCM処理部40から送信されるICCMフレームICCM1に当該障害情報を格納する(ステップS102−2)。当該障害情報は、例えば、障害発生箇所の識別子(ここでは{LC[1]}/{Pr[1]})等である。なお、本明細書では、例えば、{AA}は「AA」の識別子を表すものとする。
管理カードMCのICCM処理部24は、当該障害情報が格納されたICCMフレームICCM1を受信する(ステップS102−3)。MC用ERP制御部22は、ICCM処理部24で障害情報が格納されたICCMフレームを受信した場合、ITU−T G.8032に基づく障害発生(SF)を検出する(ステップS103b−1)。この場合、図9に示すように、MC用ERP制御部22は、記憶部23に予め設定されたリング管理テーブル45を参照し、障害発生箇所が属するリングネットワークと、当該リングネットワークに接続されるリングポートとを認識する。
図9の例では、リング管理テーブル45は、リングネットワーク毎に割り当てられるリングIDと、各リングIDに属するVLAN識別子VIDおよびリングポートIDと、各リングポートID毎の開閉情報とを保持する。ここでは、VLAN識別子VID=1のリングポートID(具体的にはラインカードID/ポートID){LC[1]}/{Pr[1]}および{LC[2]}/{Pr[2]}が、リングID=1のリングネットワークに属しており、リングポートPr[1],Pr[2]は共に開放状態OPとなっている。MC用ERP制御部22は、障害情報(ここでは{LC[1]}/{Pr[1]})を用いて当該リング管理テーブル45を参照することで、どのリングネットワーク(リングID)に障害が発生したかを認識することができる。
なお、図1等の例では、中継システムは、1個のリングネットワーク10を備えるが、複数のリングネットワークを備える場合、リング管理テーブル45には、各リングネットワーク毎のリングIDと、当該リングIDに属するVLAN識別子VIDおよびリングポートIDとが設定される。例えば、リング管理テーブル45には、リングID=2、VLAN識別子VID=2、リングポートID=“{LC[1]}/{Pr[1]}および{LC[2]}/{Pr[2]}”等が設定される。
MC用ERP制御部22のVIDフィルタ制御要求部25は、受信した障害情報({LC[1]}/{Pr[1]})に基づき、当該障害箇所のリングポートPr[1]およびVLAN識別子VIDを閉塞状態BKに制御するためのVID制御命令(閉塞命令)を発行する(ステップS103b−2)。また、VIDフィルタ制御要求部25は、当該閉塞命令の発行と共に、リング管理テーブル45のリングポートPr[1]の開閉情報を、開放状態OPから閉塞状態BKに変更する。そして、MC用ERP制御部22は、ICCM処理部24から送信される、ラインカードLC[1]に向けたICCMフレームICCM1に、当該VID制御命令(閉塞命令)を格納する(ステップS103b−3)。
また、MC用ERP制御部22は、実際には、当該閉塞命令に加えて、FDBフラッシュの実行命令を発行し(ステップS103b−2)、当該実行命令を、各ICCMフレームICCM1,ICCM2,…に格納する(ステップS103b−3)。この際に、MC用ERP制御部22は、リング管理テーブル45に基づき、FDBフラッシュの対象となるリングID(すなわち障害発生を検出したリングID)を定め、当該リングIDをFDBフラッシュの実行命令の中で指定する。
ラインカードLC[1]のICCM処理部40は、閉塞命令およびFDBフラッシュの実行命令が格納されたICCMフレームICCM1を受信する(ステップS103b−3)。ラインカードLC[1]のLC用ERP制御部32(具体的にはポート制御部42)は、当該ICCMフレームICCM1に含まれる閉塞命令に応じてVIDフィルタ36を制御し、対象となるリングポート(ここではPr[1])およびVLAN識別子VIDを、実際に閉塞状態BKに制御する(ステップS103b−4)。また、当該LC用ERP制御部32は、ICCMフレームICCM1に含まれるFDBフラッシュの実行命令に応じて、指定されたリングIDを含むFDBのエントリをフラッシュする。その他のラインカードLC[2],…も同様に、FDBフラッシュの実行命令を実行する。
さらに、図10に示されるように、MC用ERP制御部22のR−APS生成部26は、前述した閉塞命令の実行に応じて、R−APS(SF)フレームの生成を行う(ステップS103b−5)。具体的には、R−APS生成部26は、リング管理テーブル45に基づき、所定のリングIDおよび所定のVLAN識別子VIDを含む2個のR−APS(SF)フレームを生成する。R−APS生成部26は、生成した2個のR−APS(SF)フレームにそれぞれ宛先ポート識別子(ここでは{LC[1]}/{Pr[1]}および{LC[2]}/{Pr[2]})を付加し、ファブリックインタフェース部27を介してファブリック経路部20へ送信する。
また、MC用ERP制御部22は、自装置のリング状態をアイドル状態からプロテクション状態に遷移する(ステップS103b−6)。一方、ラインカードLC[1],LC[2]のR−APS中継部41は、それぞれ、R−APS(SF)フレームを受信し、それをインタフェース部30を介して宛先のリングポートPr[1],Pr[2]へ送信する。
《中継装置のR−APS(SF)受信時のリングプロトコル動作(前提)》
図11は、図5および図6の中継装置において、前提となるR−APS(SF)フレーム受信時のリングプロトコル動作の一例を示す説明図である。図11には、図3の中継装置SWaを例として、ステップS104aにおける動作例が示されている。また、図8〜図10の場合と同様に、アクティブカードについての動作例を説明する。
図11において、ラインカードLC[2]のLC用ERP制御部32のR−APS中継部41は、リングポートPr[2]で受信したR−APS(SF)フレームをインタフェース部30を介して受信する(ステップS104a−1)。当該R−APS中継部41は、当該受信したフレームを、ファブリック経路部20を介してリングポートPr[1]へ中継する(ステップS104a−2)。
また、当該R−APS中継部41は、例えば、受信したR−APS(SF)フレームが自装置で受信すべきフレームであるか否かを判別し、自装置で受信すべきフレームである場合、当該フレームを管理カードMCへ送信する(ステップS104a−3)。具体的には、R−APS中継部41は、例えば、図9に示したリング管理テーブル45と同様の情報を保持しており、自装置で受信すべきか否かを、受信したR−APSフレームとリングポートとでVLAN識別子VIDが一致するか否かで判別する。
管理カードMCのMC用ERP制御部22は、当該R−APS(SF)フレームを受信する。MC用ERP制御部22のVID制御要求部25は、受信したR−APS(SF)フレームのリングIDを参照することでSFの対象となるリングネットワークを認識する。この例では、MC用ERP制御部22は、当該リングネットワークの中のオーナーノードに属しているため、VID制御要求部25は、RPL(すなわちVLAN識別子VID=1およびリングポートPr[1])を開放状態OPに制御するためのVID制御命令(開放命令)を発行する(ステップS104a−4)。
また、MC用ERP制御部22は、実際には、当該開放命令に加えて、FDBフラッシュの実行命令を発行する(ステップS104a−4)。MC用ERP制御部22は、ICCM処理部24から送信される、ラインカードLC[1]に向けたICCMフレームICCM1に、当該開放命令およびFDBフラッシュの実行命令を格納する(ステップS104a−5)。さらに、MC用ERP制御部22は、自装置のリング状態をアイドル状態からプロテクション状態に遷移する(ステップS104a−6)。
なお、図示は省略されているが、MC用ERP制御部22は、図9の場合と同様に、他のラインカードLC[2],…に向けてはFDBフラッシュの実行命令を発行する。そして、各ラインカードLC[1],LC[2],…のLC用ERP制御部32は、図示は省略されているが、図9の場合と同様に、MC用ERP制御部22からのVID制御命令やFDBフラッシュの実行命令に応じた処理を行う。
以上のように、図5および図6の中継装置では、アクティブカードのMC用ERP制御部22が、リングプロトコル動作を主体的に行う方式となっている。その代表例として、アクティブカードは、リングプロトコルに基づくイベントに応じてリングポートの開放または閉塞を定め、ラインカードへリングポートの開放命令または閉塞命令を発行する。一方、ラインカードのLC用ERP制御部32は、単に、MC用ERP制御部22からの命令を実行することで、リングプロトコル動作を従属的に行う。
《中継装置(比較例)の冗長方式およびその問題点》
図16は、本発明の比較例として検討した中継装置において、冗長方式に関する主要部の構成例およびリングプロトコル動作の一例を示す概略図である。図16の中継装置では、ラインカードLCのICCM処理部40およびR−APS中継部41が、それぞれ、MC選択部55’,56’を備える。
MC選択部55’は、LC用ERP制御部32からの各種情報(例えば、図8のステップS102−2における障害発生箇所)を、ICCMフレームICCM1[1],ICCM1[2]を介して両方の管理カードMC1,MC2へ送信する。一方、MC選択部55’は、両方の管理カードMC1,MC2からICCMフレームICCM1[1],ICCM1[2]を介して各種命令(例えば図9のステップS103b−3におけるVID制御命令等)を受信した場合、アクティブカード(ここでは管理カードMC1)からの命令を選択してLC用ERP制御部32に伝達する。
同様に、MC選択部56’は、リングポートPrでR−APSフレームを受信した場合、それを両方の管理カードMC1,MC2へ送信する。一方、MC選択部56’は、両方の管理カードMC1,MC2からR−APSフレームを受信した場合、アクティブカード(管理カードMC1)からのR−APSフレームを選択して、リングポートPrへ送信する。
このように、図16の冗長方式は、例えば、特許文献1の方式を応用して、両方の管理カードMC1,MC2に同じ入力を与えることで同じ動作を行わせ、両方の管理カードMC1,MC2からの同じ出力に対してアクティブカード側の出力を選択する方式となっている。例えば、図16の状態で、図7で説明したようなアクティブチェンジが発生した場合、MC選択部55’,56’は、共に、両方の管理カードMC1,MC2からの命令等の受信時に管理カードMC2を選択する。
このような冗長方式は、両方の管理カードMC1,MC2が、入出力を含めて常に同じタイミングでリングプロトコル動作を行う場合には、有益な方式となる。ただし、現実的には、両方の管理カードMC1,MC2間で所定のタイムラグが生じる場合があり、そうすると、例えば、図17に示すような問題が生じる恐れがある。
図17は、図16の中継装置において、アクティブチェンジ発生時に問題となり得るリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。図17では、まず、管理カードMC1はアクティブカード(ACT)であり、管理カードMC2はスタンバイカード(SBY)となっている。また、管理カードMC1,MC2は、共に、リングプロトコルに基づくリング状態をアイドル状態と認識している(ステップS700a,S700b’)。この状態で、ラインカードLCによってリングポートのLOC状態(障害)が検出された場合を想定する(ステップS701)。
ラインカードLCは、管理カードMC1,MC2の両方に、リングポートがLOC状態である旨を通知する。ここで、管理カードMC1,MC2は、より詳細には、リングポートのLOC状態が検出されただけでなく、当該LOC状態が所定の期間(ホールドオフ期間と呼ばれる)継続した場合にリングネットワークの障害発生(SF)を検出する。ここで、管理カードMC1,MC2では、当該LOC状態の受信時にタイミング誤差Δt1が生じる場合があり、ホールドオフタイマを開始するタイミングにもズレが生じる恐れがある(ステップS702a,S702b)。
その後、管理カードMC1,MC2は、当該ホールオフ期間thが満了するタイミングの近辺で、ラインカードLCからリングポートがCCM状態(すなわち障害無し)である旨の通知を受信している。ただし、前述したLOC状態の受信時のタイミング誤差Δt1や、または、当該CCM状態の受信時のタイミング誤差Δt2や、あるいは、ホールオフ期間thのタイマ誤差Δt3等によって、管理カードMC1,MC2とで、障害発生(SF)の検出結果が異なる場合が生じ得る。
ここでは、管理カードMC1は、障害発生(SF)を検出し、これに応じて、対象のリングポートの閉塞命令の発行や、R−APS(SF)フレームの生成および送信や、リング状態のアイドル状態からプロテクション状態への遷移を行う(ステップS704a)。ラインカードLCは、アクティブカードからの閉塞命令を受信したため、対象のリングポートを実際に閉塞状態BKに制御する(ステップS705)。また、ラインカードLCは、当該R−APS(SF)フレームをリングネットワークへ送信し、これに応じて、リングネットワーク内のRPLは開放される。
一方、管理カードMC2は、管理カードMC1と異なり、障害発生(SF)を検出していない(ステップS704b)。このような状態で、中継装置に、アクティブチェンジが発生している(ステップS706)。そうすると、管理カードMC2は、アクティブカードとなるが、リング状態を、アクティブチェンジの発生前のプロテクション状態と異なりアイドル状態と認識している(ステップS707’)。その結果、管理カードMC2は、場合によっては、ステップS705での閉塞状態BKのリングポートに対して、開放命令を発行する恐れがある(ステップS708’)。ラインカードLCが、当該アクティブカードからの開放命令に基づいてリングポートを閉塞状態BKから開放状態OPに変更すると、リングネットワークにループ経路が生じることになる(ステップS709’)。
以上のような動作を代表に、図16の冗長方式では、アクティブチェンジの前後で、リングプロトコル動作に不整合が生じる恐れがある。その結果、ループ経路の発生といった問題が生じる恐れがある。そこで、以下に示す本実施の形態の方式を用いることが有益となる。
《中継装置(本実施の形態)の冗長方式》
図12は、図5の中継装置において、スタンバイカードとなる管理カード内のMC用ERP制御部が実行する主要な処理内容の一例を示すフロー図である。図12において、スタンバイカードのMC用ERP制御部22は、リング状態をペンディング待機状態に定めた状態で待機する(ステップS501)。ペンディング待機状態とは、ITU−T G.8032に基づくペンディング状態に遷移する前の状態として、本実施の形態で新たに設けられた状態である。MC用ERP制御部22は、当該ペンディング待機状態では、リングプロトコルに基づく処理を特に実行しない。
この状態で、MC用ERP制御部22は、アクティブチェンジ(所定の切り換え命令)が発生するのを待つ(ステップS502)。アクティブチェンジが発生した場合、MC用ERP制御部22は、アクティブカードに遷移する(ステップS503)。そして、MC用ERP制御部22は、予め定めた所定のリングポートを対象に、ラインカードによって制御されている当該リングポートの開閉の状態に関わらず、当該リングポートの閉塞命令を当該ラインカードへ発行する(ステップS504)。これによって、アクティブチェンジ直後に、リングネットワークに閉塞状態BKのリングポートが存在することを確実に保証することができるため、リングネットワークにおけるループ経路の発生を防止することが可能になる。
また、ステップS504において、MC用ERP制御部22は、必ずしも限定はされないが、リング状態をプロテクション状態に遷移する。具体的には、MC用ERP制御部22は、当該所定のリングポートを対象とした、ITU−T G.8032に基づくローカルSFを内部で生成する。すなわち、この例では、MC用ERP制御部22は、アクティブチェンジ直後の初期状態を、当該所定のリングポートに障害が発生した状態(言い換えれば、障害が発生したとみなした状態)に定めている。そして、MC用ERP制御部22は、この初期状態で、リングプロトコルに基づく処理を開始する(ステップS505)。
その結果、例えば、当該所定のリングポートが実際に障害有りの場合、当該所定のリングポートの閉塞状態BKが維持され、リングプロトコルに基づく障害発生時の処理が行われる。一方、当該所定のリングポートが実際には障害無しの場合、リングネットワークの状態は、リングプロトコルに基づく障害復旧時の処理を経て所望の状態に収束する。
なお、アクティブカードおよびスタンバイカードの記憶部23は、予め共通の情報として、図9に示したようなリング管理テーブル45を保持している。スタンバイカードは、アクティブカードに遷移した際に、当該リング管理テーブル45に基づいて各リングネットワークを認識する。ここで、前述した所定のリングポートは、例えば、各リングネットワークが備える一対のリングポート(図9の例ではPr[1],Pr[2])のいずれか一方に定められる。例えば、初期状態で両方のリングポートを閉塞状態BKに定めることも可能であるが、両方のリングポートが実際には障害無しの場合、リングネットワークの状態が所望の状態に収束するまでに(すなわち障害復旧に)時間を要する恐れがある。この観点からは、所定のリングポートを一方のリングポートとすることが望ましい。
図13は、図5および図6の中継装置において、冗長方式に関する主要部の構成例およびリングプロトコル動作の一例を示す概略図である。図13の中継装置では、ラインカードLCのICCM処理部40およびR−APS中継部41が、それぞれ、図16の場合と異なる動作を行うMC選択部(管理カード選択部)55,56を備える。
MC選択部55は、LC用ERP制御部32からの各種情報をICCMフレームICCM1[1]を介してアクティブカード(ここでは管理カードMC1)へ送信し、図16の場合と異なり、スタンバイカード(ここでは管理カードMC2)へは送信しない。また、MC選択部55は、両方の管理カードMC1,MC2からICCMフレームICCM1[1],ICCM1[2]を受信した場合、アクティブカード側からのICCMフレームICCM1[1]に含まれる各種命令を選択して、LC用ERP制御部32に伝達する。なお、図7で述べたように、各カード間の疎通性を監視するため、IMEP間でのICCMフレームの通信は、各種命令の有無に関わらず定期的に行われる。
同様に、MC選択部56は、リングポートPrでR−APSフレームを受信した場合、当該R−APSフレームをアクティブカード(ここでは管理カードMC1)へ送信し、図16の場合と異なり、スタンバイカード(ここでは管理カードMC2)へは送信しない。また、MC選択部56は、仮に両方の管理カードMC1,MC2からR−APSフレームを受信した場合、アクティブカード(管理カードMC1)からのR−APSフレームを選択して、リングポートPrへ送信する。この際に、図12に示したように、スタンバイカードはペンディング待機状態であるため、図16の場合と異なり、実際にはR−APSフレームの送信を行わない。
なお、図5および図6の中継装置は、必ずしも図13の構成および動作を備える必要はなく、場合によっては図16の構成および動作を備えてもよい。この場合であっても、リングプロトコル動作上の問題は特に生じない。例えば、スタンバイカードは、ペンディング待機状態でR−APSフレームを受信しても特に何も行わない。このように、スタンバイカードへのR−APSフレームの送信は、不必要であるため、ファブリック経路部20の通信量を削減する観点からは、図13の構成および動作を用いる方が望ましい。
《アクティブチェンジ時のリングプロトコル動作》
図14は、図5、図6および図13の中継装置において、アクティブチェンジ発生時のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。ここでは、リングネットワークが通常の状態である状況で、アクティブチェンジが発生した場合を想定する。図14において、まず、アクティブカード(ACT)となる管理カードMC1は、リング状態がアイドル状態となっており(ステップS600a)、リングポートは開放状態OPとなっている。一方、スタンバイカード(SBY)となる管理カードMC2は、リング状態がペンディング待機状態で待機している(ステップS600b)。この状態で、アクティブチェンジが発生している(ステップS601)。
ステップS602aにおいて、アクティブカード(ACT)であった管理カードMC1は、アクティブチェンジに応じてスタンバイカード(SBY)に遷移し、リング状態をペンディング待機状態に遷移する。一方、ステップS602bにおいて、スタンバイカード(SBY)であった管理カードMC2は、アクティブチェンジに応じてアクティブカード(ACT)に遷移する。そして、管理カードMC2は、予め定めた所定のリングポートに障害が発生したとみなし(例えば、当該リングポートを対象とするローカルSFを内部で生成し)、当該所定のリングポートの閉塞命令をラインカードLCへ発行する。これに応じて、ラインカードLCは、当該所定のリングポートを閉塞状態BKに制御する(ステップS603)。
また、ステップS602bにおいて、管理カードMC2は、R−APS(SF)フレームを送信し、リング状態をプロテクション状態に遷移する。ここで、リングポートは実際には障害無しであるため、ラインカードLCは、所定のタイミングで、リングポートのCCM状態(障害無し)を検出し、その情報をアクティブカードである管理カードMC2へ送信する(ステップS604)。これを受けて、管理カードMC2は、クリアSFを検出し、R−APS(NR)フレームを送信し、リング状態をペンディング状態に遷移する(ステップS605)。
その後、リングネットワークでは、オーナーノードがRPLを閉塞後、R−APS(NR,RB)フレームを送信する(ステップS606)。管理カードMC2は、当該R−APS(NR,RB)フレームをラインカードLCを介して受信する。これに応じて、管理カードMC2は、所定のリングポートの開放命令をラインカードLCへ発行し、リング状態をアイドル状態に遷移する(ステップS607)。また、ラインカードLCは、当該開放命令に応じて、所定のリングポートを閉塞状態BKから開放状態OPに変更する(ステップS608)。このような処理を経て、リングネットワークは、不整合が生じない状態に収束する。
図15は、図5、図6および図13の中継装置において、アクティブチェンジ発生時の他のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。図15は、前述した図17の問題を解決したシーケンスとなっている。ここでは、図17との相違点に着目して説明を行う。まず、スタンバイカード(SBY)となる管理カードMC2は、図17の場合と異なり、リング状態がペンディング待機状態で待機している(ステップS700b)。この状態で、図17の場合と同様に、LOC状態が検出される(ステップS701)。
これに応じて、アクティブカード(ACT)となる管理カードMC1は、図17の場合と同様に、ホールドオフ期間(ステップS702)を経てSFを検出し、対象のリングポートの閉塞命令を発行し、R−APS(SF)フレームを送信し、プロテクション状態に遷移する(ステップS704)。ラインカードLCは、当該閉塞命令に応じて、リングポートを閉塞状態BKに制御する(ステップS705)。この状態で、アクティブチェンジが発生している(ステップS706)。
ステップS707aにおいて、アクティブカード(ACT)であった管理カードMC1は、アクティブチェンジに応じてスタンバイカード(SBY)に遷移し、リング状態をペンディング待機状態に遷移する。一方、ステップS707bにおいて、スタンバイカード(SBY)であった管理カードMC2は、アクティブチェンジに応じてアクティブカード(ACT)に遷移する。そして、管理カードMC2は、予め定めた所定のリングポートに障害が発生したとみなし、当該所定のリングポートの閉塞命令をラインカードLCへ発行する。ただし、ラインカードLCは、ステップS705において当該所定のリングポートを既に閉塞済みであるため、当該閉塞状態BKを維持する(ステップS708)。
また、ステップS707bにおいて、管理カードMC2は、R−APS(SF)フレームを送信し、リング状態をプロテクション状態に遷移する。ここで、リングポートは、ステップS703において、実際には、既に障害無しとなっている。このため、ラインカードLCは、所定のタイミングで、リングポートのCCM状態(障害無し)を検出し、その情報をアクティブカードである管理カードMC2へ送信する(ステップS709)。これを受けて、管理カードMC2は、クリアSFを検出し(ステップS710)、以降、図14のステップS605以降の処理と同様な処理を経て、リングネットワークは、不整合が生じない状態に収束する。このように、図15では、図17の場合と異なり、本来閉塞されるべきリングポートが開放されるような事態を防止できるため、リングネットワークにおけるループ経路の発生を防止できる。
《本実施の形態の主要な効果》
以上、本実施の形態の中継装置および中継システムを用いることで、代表的には、リングネットワークにおけるループ経路の発生を防止することが可能になる。具体的には、前述したように、アクティブチェンジの発生後に新たにアクティブカードとなった管理カードは、例えば、所定のリングポートに障害が発生した状態(言い換えれば、障害が発生したとみなした状態)を初期状態としてリングプロトコルに基づく処理を開始する。これによって、ループ経路の発生を防止しつつ、リングネットワークを、不整合が生じない状態に収束させることができる。すなわち、リングプロトコルでは、一般的に、障害発生時の処理手順と障害復旧時の処理手順とが定められている。前述したみなし状態が正しければ障害発生時の処理手順が適用され、間違っていれば障害復旧時の処理手順が適用されることになる。
ただし、所定のリングポートの閉塞要因は、必ずしも障害発生(SF)に限定されるものではなく、場合によっては、その他の要因であってよい。すなわち、概念上は、初期状態として、ある閉塞要因(言い換えればリング状態)に基づき所定のリングポートを閉塞している状態を構築し、その後に、リングプロトコルで定められる当該閉塞状態を解除する手順を実行するように構成すればよい。これによって、リングネットワークにループ経路や不整合を生じさせることなく、リングネットワークを所望の状態に収束させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、ここでは、中継システムのリングプロトコルとして、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルを用いる場合を例としたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他のリングプロトコルを用いる場合であっても、同様に適用して同様の効果が得られる場合がある。
10 リングネットワーク
20 ファブリック経路部
22 MC用ERP制御部
24,40 ICCM処理部
25 VIDフィルタ制御要求部
26 R−APS生成部
32 LC用ERP制御部
36 VIDフィルタ
41 R−APS中継部
42 ポート制御部
45 リング管理テーブル
55,56 MC選択部
ACT アクティブ状態
BK 閉塞状態
LC,LC[1]〜LC[n] ラインカード
MC,MC1,MC2 管理カード
OP 開放状態
Pr,Pr[1],Pr[2] リングポート
SBY スタンバイ状態
SWa〜SWd 中継装置

Claims (10)

  1. リングネットワークに接続されるリングポートを備えるラインカードと、
    前記ラインカードを管理する複数の管理カードと、
    を有する中継装置であって、
    前記複数の管理カードには、アクティブ状態で動作するアクティブカードと、スタンバイ状態で動作し、所定の切り換え命令に応じて前記アクティブカードに遷移するスタンバイカードと、が含まれ、
    前記アクティブカードは、リングプロトコルに基づき前記リングポートの開放または閉塞を定め、前記ラインカードへ前記リングポートの開放命令または閉塞命令を発行し、
    前記ラインカードは、前記アクティブカードからの前記開放命令または前記閉塞命令に応じて前記リングポートの開閉を制御するポート制御部を備え、
    前記スタンバイカードは、前記所定の切り換え命令に応じて前記アクティブカードに遷移した際に、前記リングポートの閉塞命令を前記ラインカードへ発行する、
    中継装置。
  2. 請求項1記載の中継装置において、
    前記スタンバイカードは、前記アクティブカードに遷移した際に、前記リングポートに障害が発生した状態で前記リングプロトコルに基づく処理を開始する、
    中継装置。
  3. 請求項2記載の中継装置において、
    前記中継装置は、前記リングポートを一対備え、
    前記スタンバイカードは、前記アクティブカードに遷移した際に、前記一対のリングポートのいずれか一方に障害が発生した状態で前記リングプロトコルに基づく処理を開始する、
    中継装置。
  4. 請求項2記載の中継装置において、
    前記リングプロトコルは、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルであり、
    前記スタンバイカードは、前記アクティブカードに遷移した際に、前記ラインカードへ前記リングポートの閉塞命令を発行し、前記リングプロトコルに基づくリング状態をプロテクション状態に定める、
    中継装置。
  5. 請求項1記載の中継装置において、
    前記ラインカードは、さらに、前記リングネットワークを制御するための制御フレームを前記リングポートで受信した場合に、前記制御フレームを前記アクティブカードへ送信し、前記スタンバイカードへは送信しない管理カード選択部を備える、
    中継装置。
  6. リングネットワークを構成する複数の中継装置を備える中継システムであって、
    前記複数の中継装置の少なくとも一つは、
    前記リングネットワークに接続されるリングポートを備えるラインカードと、
    前記ラインカードを管理する複数の管理カードと、
    を有し、
    前記複数の管理カードには、アクティブ状態で動作するアクティブカードと、スタンバイ状態で動作し、所定の切り換え命令に応じて前記アクティブカードに遷移するスタンバイカードと、が含まれ、
    前記アクティブカードは、リングプロトコルに基づき前記リングポートの開放または閉塞を定め、前記ラインカードへ前記リングポートの開放命令または閉塞命令を発行し、
    前記ラインカードは、前記アクティブカードからの前記開放命令または前記閉塞命令に応じて前記リングポートの開閉を制御するポート制御部を備え、
    前記スタンバイカードは、前記所定の切り換え命令に応じて前記アクティブカードに遷移した際に、前記リングポートの閉塞命令を前記ラインカードへ発行する、
    中継システム。
  7. 請求項6記載の中継システムにおいて、
    前記スタンバイカードは、前記アクティブカードに遷移した際に、前記リングポートに障害が発生した状態で前記リングプロトコルに基づく処理を開始する、
    中継システム。
  8. 請求項7記載の中継システムにおいて、
    前記複数の中継装置の少なくとも一つは、前記リングポートを一対備え、
    前記スタンバイカードは、前記アクティブカードに遷移した際に、前記一対のリングポートの一方に障害が発生した状態で前記リングプロトコルに基づく処理を開始する、
    中継システム。
  9. 請求項7記載の中継システムにおいて、
    前記リングプロトコルは、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルであり、
    前記スタンバイカードは、前記アクティブカードに遷移した際に、前記ラインカードへ前記リングポートの閉塞命令を発行し、前記リングプロトコルに基づくリング状態をプロテクション状態に定める、
    中継システム。
  10. 請求項6記載の中継システムにおいて、
    前記ラインカードは、さらに、前記リングネットワークを制御するための制御フレームを前記リングポートで受信した場合に、前記制御フレームを前記アクティブカードへ送信し、前記スタンバイカードへは送信しない管理カード選択部を備える、
    中継システム。
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