JP2017137030A - ハイブリッド車両の出力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関と電動機を搭載するハイブリッド車両において、電動機を制御する下位のコントローラが通信異常などにより上位のコントローラからの指示を受けられない場合でも、トルクのバランスを維持して任意の速度での走行を実現すること。
【解決手段】モータジェネレータ4、5と、エンジン2と、動力分割合成機構10と、ドライブシャフト7とを備えるハイブリッド車両100に搭載される制御装置であって、ハイブリッドECU32と、エンジンECU33と、モータECU34とを備えて、ハイブリッドECUの異常発生時あるいは通信異常発生時に、エンジンECUはエンジンの駆動を停止し、モータECUはドライブシャフトを回転させる目標駆動軸トルクを算出して当該目標駆動軸トルクを出力するようにモータジェネレータの駆動を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両の動力源を制御する制御装置に関する。
ハイブリッド車両は、動力源として搭載する内燃機関と電動機とが出力する動力が伝達機構を介してドライブシャフト側に伝達されることによって走行するものがある。このようなハイブリッド車両においては、各動力源に対応するように設置されて各制御処理を実行する下位のコントローラと、動力源全体の統合的な制御処理を実行する上位のコントローラとを備えることにより分散制御を採用することが行われている。
例えば、特許文献1には、内燃機関型のエンジンの駆動を制御するエンジンコントローラと、モータジェネレータの駆動を制御するモータコントローラと、これらを統合的に制御する統合コントローラと、を備えるハイブリッド車両の制御装置が記載されている。
この特許文献1に記載の制御装置は、下位のエンジンコントローラやモータコントローラと、上位の統合コントローラとの間における通信に異常が発生したときに、下位のエンジンコントローラやモータコントローラだけでエンジンやモータジェネレータの駆動を制御して、モータジェネレータで発電を行いつつエンジンからクリープ走行可能な程度のトルクを出力させるようになっている。
特開2007−168564号公報
しかしながら、エンジンとモータジェネレータとが連動する伝達機構に組み付けられているハイブリッド車両は、エンジンとモータジェネレータの回転数やトルクのバランスを取りつつ駆動させる必要がある。このため、下位のコントローラ(制御部)毎の制御処理では、連携させるエンジンとモータジェネレータのトルクのバランスが崩れてしまう可能性がある。
特に、3軸や4軸の伝達機構を介して連携させつつ駆動させる動力源毎に制御する制御装置においては、トルクのバランスを取ることが難しい。例えば、エンジンとモータジェネレータとが異なる回転要素に接続されたハイブリッド車両において、上記特許文献1に記載のハイブリッド車両の制御装置を適用しようとすると、アクセルペダルの踏み込み量に応じた任意の速度で車両を走行させようとしても、エンジンとモータジェネレータとのトルクのバランスが崩れてしまい、任意の車速での走行だけでなく、走行させること自体が難しい、という問題がある。
そこで、本発明は、内燃機関とモータジェネレータを搭載するハイブリッド車両において、モータジェネレータを制御する下位のコントローラが通信異常などにより上位のコントローラからの指示を受けられない場合でも、トルクのバランスを維持して任意の速度での走行を実現することのできる制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するハイブリッド車両の制御装置の発明の一態様は、動力源として、少なくとも1つの電動機と、内燃機関とを備えており、当該動力源がそれぞれ異なる回転速度での回転を許容する回転要素を介してドライブシャフトに接続されたハイブリッド車両に搭載される制御装置であって、前記電動機の駆動を制御する第1の制御部と、前記内燃機関の駆動を制御する第2の制御部と、前記第1の制御部および前記第2の制御部とのそれぞれの間で各種情報を送受信する第3の制御部と、を備え、前記第3の制御部の異常発生時あるいは通信の異常発生時に、前記第2の制御部は、前記内燃機関の駆動を停止し、前記第1の制御部は、前記ドライブシャフトを回転させる目標駆動軸トルクを算出して当該目標駆動軸トルクを出力するように前記電動機の駆動を制御するように構成されている。
このように本発明の一態様によれば、内燃機関とモータジェネレータを搭載するハイブリッド車両において、モータジェネレータを制御する下位のコントローラが通信異常などにより上位のコントローラからの指示を受けられない場合でも、トルクのバランスを維持して任意の速度での走行を実現することのできる制御装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、その概略全体構成を示す概念ブロック図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、その目標駆動軸トルクを算出するマップを示す図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、そのハイブリッドECU、エンジンECU、モータECUにおける相互通信および情報取得を示す関係ブロック図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、そのモータ走行時の前進中かつ加速走行中のエンジン、ドライブシャフト、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータの各回転速度の関係を示す共線図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、そのモータ走行時の前進中かつ減速走行中のエンジン、ドライブシャフト、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータの各回転速度の関係を示す共線図である。 図6は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、そのモータ走行時の後進中かつ減速走行中のエンジン、ドライブシャフト、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータの各回転速度の関係を示す共線図である。 図7は、従来のハイブリッド車両の制御装置のモータ走行時の前進中かつ減速走行中のエンジン、ドライブシャフト、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータの各回転速度の関係を示す共線図である。 図8は、従来のハイブリッド車両の制御装置のモータ走行時の後進中かつ加速走行中のエンジン、ドライブシャフト、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータの各回転速度の関係を示す共線図である。 図9は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、そのモータ走行時の後進中かつ加速走行中のエンジン、ドライブシャフト、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータの各回転速度の関係を示す共線図である。 図10は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、そのハイブリッドECUにおける制御処理を説明するフローチャートである。 図11は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、そのエンジンECUにおける制御処理を説明するフローチャートである。 図12は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、そのモータECUにおける制御処理を説明するフローチャートである。 図13は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、その前進時のモータ走行制御処理を説明するフローチャートである。 図14は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を示す図であり、その後進時のモータ走行制御処理を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図14は本発明の一実施形態に係る制御装置を搭載するハイブリッド車両の一例を説明する図である。
図1において、ハイブリッド車両100は、駆動機構1により駆動輪6を回転させて走行するようになっている。駆動機構1は、連携して駆動する動力源として、内燃機関型のエンジン2と、第1の電動機として機能する第1モータジェネレータ4と、第2の電動機として機能する第2モータジェネレータ5とを備えている。
このハイブリッド車両100は、駆動機構1を制御する制御部として、ハイブリッドECU(Electronic Control Unit)32、エンジンECU33およびモータECU34を搭載して分散制御するように構築されている。
駆動機構1は、エンジンECU33がエンジン2の駆動を制御し、モータECU34が第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5の駆動を制御し、ハイブリッドECU32がエンジンECU33およびモータECU34を統括制御して駆動機構1全体を統合的に制御するように構成されている。すなわち、ハイブリッドECU32が上位のコントローラとして機能し、エンジンECU33およびモータECU34が下位のコントローラとして機能するようになっており、モータECU34が第1の制御部、エンジンECU33が第2の制御部、ハイブリッドECU32が第3の制御部を構成している。
この駆動機構1は、ハイブリッド車両100の駆動輪6に動力を伝達可能に接続されたドライブシャフト(駆動軸)7に、エンジン2の出力軸3と、第1モータジェネレータ4のロータ軸13と、第2モータジェネレータ5のロータ軸16とが動力分割合成機構10を構成する第1遊星歯車機構8および第2遊星歯車機構9の回転要素を介して連結されて構成されている。
エンジン2は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる一連の4行程を行なう4サイクルのエンジンによって構成されている。エンジン2の出力軸3は、第1遊星歯車機構8と第2遊星歯車機構9とに連結されている。
このエンジン2の出力軸3には、固定機構としてのワンウェイクラッチ40が設けられており、ワンウェイクラッチ40は、第1遊星歯車機構8および第2遊星歯車機構9からエンジン2の出力軸3に逆回転のトルクが掛かった場合に、この逆回転のトルクをエンジン2に伝達させないように構成されている。
第1モータジェネレータ4は、ロータ14と、ステータ15とを有している。ロータ14は、第1遊星歯車機構8に連結された回転軸としてのロータ軸13周りに複数の永久磁石が埋め込まれている。ステータ15は、第1インバータ19に接続されている三相コイルがステータコアに巻き掛けられている。
このように構成された第1モータジェネレータ4は、ステータ15の三相コイルに第1インバータ19を介して三相交流電力が供給されると、ステータ15側に回転磁界が形成されて、この回転磁界にロータ14の永久磁石が吸引・反発することにより、ロータ14がロータ軸13と一体に回転して駆動力を発生する。すなわち、第1モータジェネレータ4は、電力を供給されてロータ軸13を回転させることにより駆動力を発生する電動機として機能する。
また、第1モータジェネレータ4は、ロータ軸13が回転されると、ロータ14の永久磁石によって回転磁界が形成され、この回転磁界によりステータ15の三相コイルに誘導電流が流れることにより、三相コイルの両端に電力が発生し、第1インバータ19を介してバッテリ21に充電する電力を生成する。すなわち、第1モータジェネレータ4は、ロータ軸13を回転されることにより電力を生成する発電機としても機能する。
第1インバータ19は、バッテリ21から供給される直流電力を三相交流電力に変換して第1モータジェネレータ4に供給する。第1インバータ19は、モータECU34から入力される制御信号によって第1モータジェネレータ4に供給する三相交流電力を変化させるようになっている。また、第1インバータ19は、第1モータジェネレータ4が発電した三相交流電力を直流電力に変換してバッテリ21に充電可能にする。
第2モータジェネレータ5は、ロータ17と、ステータ18とを有している。ロータ17は、第2遊星歯車機構9に連結された回転軸としてのロータ軸16周りに複数の永久磁石が埋め込まれている。ステータ18は、第2インバータ20に接続されている三相コイルがステータコアに巻き掛けられている。
このように構成された第2モータジェネレータ5は、ステータ18の三相コイルに第2インバータ20を介して三相交流電力が供給されると、ステータ18側に回転磁界が形成されて、この回転磁界にロータ17の永久磁石が吸引・反発することにより、ロータ17がロータ軸16と一体に回転して駆動力を発生する。すなわち、第2モータジェネレータ5は、電力を供給されてロータ軸16を回転させることにより駆動力を発生する電動機として機能する。
また、第2モータジェネレータ5は、ロータ軸16が回転されると、ロータ17の永久磁石によって回転磁界が形成され、この回転磁界によりステータ18の三相コイルに誘導電流が流れることにより、三相コイルの両端に電力が発生し、第2インバータ20を介してバッテリ21に充電する電力を生成する。すなわち、第2モータジェネレータ5は、ロータ軸16を回転されることにより電力を生成する発電機としても機能する。
第2インバータ20は、バッテリ21から供給される直流電力を三相交流電力に変換して第2モータジェネレータ5に供給する。第2インバータ20は、モータECU34から入力される制御信号によって第2モータジェネレータ5に供給する三相交流電力を変化させるようになっている。また、第2インバータ20は、第2モータジェネレータ5が発電した三相交流電力を直流電力に変換してバッテリ21に充電可能にする。
第1遊星歯車機構8は、サンギア22と、サンギア22に噛み合う複数のプラネタリギア23と、複数のプラネタリギア23に噛み合うリングギア25とを有し、プラネタリギア23を自転可能に支持するプラネタリキャリア24が設けられている。
第2遊星歯車機構9は、サンギア26と、サンギア26に噛み合う複数のプラネタリギア27と、複数のプラネタリギア27に噛み合うリングギア29とを有し、プラネタリギア27を自転可能に支持するプラネタリキャリア28が設けられている。
第1遊星歯車機構8のサンギア22は、第1モータジェネレータ4のロータ14と一体に回転するように、ロータ軸13に連結されている。第1遊星歯車機構8のプラネタリキャリア24と、第2遊星歯車機構9のサンギア26とは、エンジン2の出力軸3に一体回転可能に連結されている。
第1遊星歯車機構8のリングギア25は、第2遊星歯車機構9のプラネタリギア27にプラネタリキャリア28を介してロータ軸13周りに公転可能に連結されている。また、第1遊星歯車機構8のリングギア25は、図示しないデファレンシャルギアおよびその他のギアを含む出力伝達機構31を介してドライブシャフト7を回転させるように形成されている。
第2遊星歯車機構9のリングギア29は、第2モータジェネレータ5のロータ17と一体に回転するようにロータ軸16に連結されている。
このように、動力分割合成機構10は、エンジン2の出力軸3と、第1モータジェネレータ4のロータ軸13と、第2モータジェネレータ5のロータ軸16と、ドライブシャフト7とが連結された歯車機構を構成する。
この構造により、動力分割合成機構10は、第1遊星歯車機構8および第2遊星歯車機構9の回転要素がそれぞれ異なる回転速度での回転を許容するように構成されており、連携して駆動するエンジン2、第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5と、ドライブシャフト7との間で駆動力を授受させるようになっている。例えば、動力分割合成機構10は、エンジン2と、第1モータジェネレータ4と、第2モータジェネレータ5とによって生成された動力をドライブシャフト7に伝達するようになっている。
ハイブリッドECU32は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
ハイブリッドECU32のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをハイブリッドECU32として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、ハイブリッドECU32として機能する。ハイブリッドECU32は、エンジンECU33およびモータECU34との間でCAN(Controller Area Network)通信可能に信号線39a、39bにより接続され、これら各ECUと相互にデータのやりとりを行なう。
ハイブリッドECU32の入力ポートには、アクセル開度センサ41、シフトポジションセンサ42、車速センサ43、バッテリ状態検出センサ44、駆動部状態検出センサ45を含む各種センサ類が接続されている。
アクセル開度センサ41は、運転者による図示しないアクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度として検出する。シフトポジションセンサ42は、運転者によるシフトレバーの操作により選択されたシフト位置を検出する。シフト位置は、例えば、前進、後進、停車のいずれかが選択される。
車速センサ43は、例えば、ドライブシャフト7の回転速度から車速を検出する。車速センサ43は、ハイブリッド車両100が前進方向に進んでいる場合は正の車速を出力し、車両が後進方向に進んでいる場合は負の車速を出力する。
バッテリ状態検出センサ44は、バッテリ21の充放電電流、電圧およびバッテリ温度を検出する。ハイブリッドECU32は、バッテリ状態検出センサ44から入力される充放電電流の値、電圧の値およびバッテリ温度の値に基づき、バッテリ21の残容量などを検出する。
バッテリ状態検出センサ44は、例えば、バッテリ21の充放電電流を検出する電流センサに、電圧を検出する電圧センサおよびバッテリ温度を検出するバッテリ温度センサを付設した構成を用いることができる。なお、電流センサと電圧センサとバッテリ温度センサとを別に設けてもよい。
駆動部状態検出センサ45は、エンジン2や第1モータジェネレータ4、第2モータジェネレータ5の回転速度や出力トルクを検出する。
エンジンECU33は、CPUと、RAMと、ROMと、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
エンジンECU33のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをエンジンECU33として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、エンジンECU33として機能する。
エンジンECU33は、ハイブリッドECU32からのトルク指令信号により、エンジン2の出力トルクがトルク指令信号に設定されたトルク指令値になるようにエンジン2を制御する。エンジンECU33は、不図示のインジェクタやスロットルバルブを制御することにより燃料噴射量や吸入空気量を制御させて、エンジン2の出力トルクを制御する。
モータECU34は、CPUと、RAMと、ROMと、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
モータECU34のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをモータECU34として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、モータECU34として機能する。
また、モータECU34の出力ポートには、第1インバータ19と第2インバータ20とが接続されている。第1インバータ19および第2インバータ20には、バッテリ21が接続されている。
モータECU34は、ハイブリッドECU32からのトルク指令信号により、第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5のそれぞれの出力トルクがトルク指令信号に設定されたそれぞれのトルク指令値になるように第1インバータ19および第2インバータ20を制御する。モータECU34は、第1インバータ19および第2インバータ20を制御することにより第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5へ供給される三相交流電力を制御し、第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5の出力トルクを制御する。すなわち、モータECU34が第1インバータ19および第2インバータ20を統合して制御するインバータ用の制御部として機能することにより第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5の駆動を制御するように構成されている。
このようなハイブリッド車両100において、ハイブリッドECU32は、アクセル開度センサ41により検出されたアクセル開度と、シフトポジションセンサ42により検出されたシフト位置と、車速センサ43により検出された車速などに基づいて目標駆動軸トルクを算出し、目標駆動軸トルクをドライブシャフト7に出力させるように、エンジンECU33とモータECU34とを介してエンジン2、第1モータジェネレータ4、第2モータジェネレータ5を制御する。
ハイブリッドECU32は、例えば、アクセル開度と、シフト位置と、車速とをパラメータとしてマップにより目標駆動軸トルクを決定する。ハイブリッドECU32は、図2に示すようなマップに基づいて目標駆動軸トルクを決定する。目標駆動軸トルクを決めるマップは、予め実験等により求められ、ハイブリッドECU32のROMに記憶されている。なお、図2において、目標駆動軸トルクは、ハイブリッド車両100が前進中であっても後進中であっても、進行方向に加わるトルクを正のトルクとしている。
一方、モータECU34は、ハイブリッドECU32との間でCAN通信を実行することにより各種情報を入手するようになっている。例えば、モータECU34は、ハイブリッドECU32との間でのCAN通信の健全性を確認する機能やハイブリッドECU32自体の健全性を確認する機能を備えており、CAN通信プロトコルに従う確認信号をハイブリッドECU32側に適宜送信したときの返信信号の有無や正確性に基づいてCAN通信やハイブリッドECU32の不具合を確認するようになっている。
また、エンジンECU33とモータECU34は、図3に示すように、CAN通信可能に構成されており、それぞれのECUとハイブリッドECU32との間との接続と同様に、専用の信号線39cで接続されている。エンジンECU33とモータECU34は、相互に直接データのやりとりを行なって後述する退避制御処理を実行するようになっている。すなわち、エンジンECU33とモータECU34は、互いの間で各種情報を送受信する機能を備えている。なお、本実施形態では、エンジンECU33とモータECU34との間でもCAN通信を利用する場合を一例として説明するが、これに限るものではなく、他の通信方式を採用しても良い。
この機能を利用して、モータECU34は、エンジンECU33との間でもCAN通信を実行することにより各種情報を入手するようになっている。例えば、モータECU34は、エンジンECU33との間でのCAN通信の健全性を確認する機能を備えており、CAN通信プロトコルに従う確認信号をエンジンECU33側に適宜送信したときの返信信号の有無や正確性に基づいてCAN通信の不具合を確認するようになっている。
また、モータECU34の入力ポートには、ハイブリッドECU32と同様に、少なくともアクセル開度センサ41と車速センサ43とが接続されている。
そして、モータECU34は、ハイブリッドECU32との間でのCAN通信や、ハイブリッドECU32とエンジンECU33との間でのCAN通信や、ハイブリッドECU32自体において不都合が発生する分散制御異常時における退避制御処理を実行するようになっている。例えば、モータECU34は、エンジン2の燃料噴射を停止させるようエンジンECU33と通信を実行し、第1モータジェネレータ4への通電を遮断することを基本とし、第2モータジェネレータ5によりハイブリッド車両100をモータ走行させる退避制御処理を実行するようになっている。
これにより、モータECU34は、第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5とを動力源とするモータ走行性能確保して、非常時時におけるハイブリッド車両100の退避性能(所謂、リンプホーム性能)を高めるようになっている。
モータECU34は、上述の分散制御異常を確認したときに、ハイブリッドECU32の制御下から抜けて、独自に第1モータジェネレータと第2モータジェネレータを制御する。モータECU34は、ハイブリッドECU32と同様に、アクセル開度センサ41により検出されたアクセル開度と、車速センサ43により検出された車速とに基づいて目標駆動軸トルクを算出し、その目標駆動軸トルクを出力するように第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5とを制御するようになっている。このとき、モータECU34は、エンジンECU33にエンジン停止要求信号(停止要求情報)を送ってエンジン2を停止させ、第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5のトルクをドライブシャフト7に出力させるようになっている。ここで、本実施形態では、アクセル開度と車速のみを利用する退避制御処理を一例として説明するが、シフトポジションセンサ42により検出されたシフト位置などの検出情報も利用して、ドライバビリティの高いモータ走行を実現するようにしてもよい。
このモータECU34は、アクセル開度と、車速とをパラメータとして、図2に示すマップに基づいて目標駆動軸トルクを決定し、その目標駆動軸トルクに応じた第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5のそれぞれのトルク指令値を生成して、それぞれの出力トルクがトルク指令値になるように退避制御処理を実行する。言い換えると、モータECU34は、第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5の出力トルクの合成トルクが目標駆動軸トルクになるように第1インバータ19および第2インバータ20のトルクバランスを調整する退避制御処理を実行する。なお、目標駆動軸トルクを決めるマップは、予め実験等により求められ、モータECU34のROMに、この分散制御異常発生時に実行する退避プログラムと共に記憶されている。
具体的に、ハイブリッド車両100は、分散制御異常発生時に実行する退避制御処理において、エンジン2の出力軸3にワンウェイクラッチ40が設置されることにより、エンジン2の一方向の回転のみが許容されて、逆回転が制限されていることを利用するようになっている。そして、モータECU34は、図4〜図6の共線図に示す回転速度(回転数)や出力トルクの連携関係となるように、エンジン2をエンジンECU33により停止させて、第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5を動力源としてモータ走行するようになっている。
(モータ走行時の前進中かつ加速走行中)
図4は、モータ走行時の前進中かつ加速走行中の共線図である。図4の共線図において、各縦軸は、図中、左から第1モータジェネレータ4のロータ軸13の回転速度、エンジン2の出力軸3の回転速度すなわちエンジン回転速度、ドライブシャフト7の回転速度、第2モータジェネレータ5のロータ軸16の回転速度をそれぞれ表している。
なお、共線図上では、第1モータジェネレータ4や第2モータジェネレータ5、ドライブシャフト7の回転速度は、エンジン2の回転方向と同じ向きの回転を正としている。また、トルクの方向と大きさを矢印で示している。トルクは、第1遊星歯車機構8および第2遊星歯車機構9の回転要素を正の回転方向へ回転させる向きを正のトルクとしている。
また、図4の共線図において、横軸における各軸間の距離比は、第1遊星歯車機構8および第2遊星歯車機構9の各ギアの歯数の比により定まる。ここで、K1は、第1遊星歯車機構8におけるリングギア歯数Zr1とサンギア歯数Zs1の比のZr1/Zs1である。また、K2は、第2遊星歯車機構9のサンギア歯数Zs2とリングギア歯数Zr2の比のZs2/Zr2である。
モータ走行時の前進中かつ加速走行中において、モータECU34は、ドライブシャフト7に目標駆動軸トルクを出力させるよう、第2モータジェネレータ5に力行トルクを出力させる。
このとき、図4に示すように、第1モータジェネレータ4にはトルクが発生せず空転し、エンジン2と第2モータジェネレータ5のトルクには、以下の式(1)が成立するため、エンジン2は逆回転方向にトルクを受ける。
Tmg2×K2=Teg×1...(1)
ここで、Tmg2は、第2モータジェネレータから動力分割合成機構10の回転要素に出力されるトルクであり、正回転方向を正とする。また、Tegは、動力分割合成機構10の回転要素からエンジン2に出力されるトルクであり、逆回転方向を正とする。
第2モータジェネレータ5は、力行トルク、すなわち、正回転方向にトルクを出力しており、図4の共線図および式(1)から、動力分割合成機構10の回転要素からエンジン2に出力されるトルクは正の方向(逆回転方向)のトルクであることが分かる。
これは、動力分割合成機構10の回転要素がエンジン2を逆回転させる方向にトルクを出力する状態であるが、本実施形態では、エンジン2の出力軸3が正回転方向のみに回転するようにワンウェイクラッチ40が接続されているため、エンジン2は逆回転することはない。すなわち、エンジン2の回転を制限する方向に第1モータジェネレータ4を駆動させる必要はない。
これにより、モータECU34は、前進加速中に分散制御異常が発生したときに、エンジン2を停止させて、第2モータジェネレータ5を駆動させることにより、動力源間のトルクバランスを取って、ハイブリッド車両100を任意の速度で走行させる退避制御処理を実行することができる。
(本発明の適用なし時のモータ走行時の前進中かつ減速走行中)
ところで、図7は、後述の図5に示すように第1モータジェネレータ4を停止したままでの、モータ走行時の前進中かつ減速走行中の共線図である。減速走行中は、アクセル開度が減少し、目標駆動軸トルクが減少して負の値となる。モータECU34は、ドライブシャフト7に目標駆動軸トルクを出力させるよう、第2モータジェネレータ5に回生トルクを出力させる。
このとき、図7に示すように、第1モータジェネレータ4にはトルクが発生せず空転し、エンジン2と第2モータジェネレータ5のトルクには、上述の式(1)が成立するため、エンジン2は負の方向(正回転方向)にトルクを受ける。
第2モータジェネレータ5は、回生トルク、すなわち、逆回転方向にトルクを出力しており、Tmg2は負の値である。このため、図4の共線図および式(1)から、Tegも負であることが分かる。Tegは、エンジン2が逆回転する方向に受けるトルクを正と定義しているため、動力分割合成機構10の回転要素からエンジン2に出力されるトルクは正回転方向のトルクである。
ワンウェイクラッチ40は、エンジン2が正回転方向にのみ回転するように回転方向を固定する機構であるため、エンジン2はトルクを受け、エンジンフリクショントルクを超えるトルクを受けると正回転してしまう。
すなわち、前進減速中に分散制御異常が発生したときには、停止させたエンジン2を回転させるトルクが発生することから、第2モータジェネレータ5のみを駆動させても、エンジン2の回転を制限することができず(動力源間のトルクバランスを取ることができず)、ハイブリッド車両100を適正な退避制御処理で走行させることができない。
このように、モータ走行時において、通電を遮断することにより第1モータジェネレータ4のトルクがゼロになって、エンジン2の出力軸3にトルクが掛かると、エンジン2が回転してしまい、その回転数によっては車両振動に至って乗員に不快感を与える場合がある。このことから、モータECU34は、次のような退避制御処理を実行するように構成されている。なお、本実施形態に代えて、エンジン2の出力軸3の回転を制限するブレーキ機構を設置しても良いが、その構造が複雑になることから、本実施形態を採用するのが好適である。
(本発明の適用時のモータ走行時の前進中かつ減速走行中)
本実施形態において、モータECU34は、前進中で目標駆動軸トルクがゼロ未満、すなわち減速走行を行なう場合、以下の式(2)および式(3)を満たす目標MG1トルクを第1モータジェネレータ4のトルク指令値として、第1モータジェネレータ4にトルクを出力させる。
目標駆動軸トルク=−目標MG1トルク×K1+目標MG2トルク×(1+K2)...(2)
目標MG1トルク×(K1+1)=目標MG2トルク×K2...(3)
ここで、目標MG1トルクおよび目標MG2トルクは、目標駆動軸トルクをドライブシャフト7に出力させるために第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5に出力させるトルクである。
図5は、本実施形態の退避制御処理を適用したモータ走行時の前進中かつ減速走行中を示す共線図である。上述の式(2)および式(3)を満たすように第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5からトルクが出力され、以下の式(4)のようなドライブシャフト7まわりのトルク釣り合いが成立する。
Tmg1×(K1+1)+Teg=Tmg2×K2...(4)
ここで、Tmg1は、第1モータジェネレータ4から動力分割合成機構10の回転要素に出力されるトルクであり、正回転方向を正とする。
Tegは、逆回転方向を正としているため、トルク釣り合い式である式(4)においてTeg≧0となる場合、動力分割合成機構10の回転要素からエンジン2に正回転方向のトルクが出力されることはなく、エンジン2が回転することを防止(制限)することができる。
式(4)を変形すると、以下の式(5)を導き出せる。
−Tmg1×(K1+1)+Tmg2×K2=Teg≧0...(5)
式(5)を満たすようにTmg1およびTmg2(いずれも正回転方向を正とする)であればよく、以下の式(6)を満たせばよい。
Tmg1≦Tmg2×K2/(K1+1)...(6)
減速走行時は、Tmg2は負であるため式(6)を満たすにはTmg1は負となる。すなわち、第1モータジェネレータ4は力行トルク(第1モータジェネレータ4は逆回転中であり、負のトルクを出力=力行トルク)を出力し、第1モータジェネレータ4の力行トルクが大きいほど動力分割合成機構10の回転要素からエンジン2に逆回転方向にかかるトルクは大きくなるが、ワンウェイクラッチ40によってエンジン2の回転が防止される。
ここで、第1インバータ19の通電を遮断して第1モータジェネレータ4の出力トルクをゼロにする場合、Tmg1=0を代入して式(6)を満たすときエンジン2の回転が防止される。すなわち、Tmg2がゼロ以上である(力行トルクを出力している、または、力行および回生トルクを出力しない)場合は、第1インバータ19の通電を遮断してもエンジン2の回転を防止できることとなる。
これにより、モータECU34は、前進減速中に分散制御異常が発生したときに、エンジン2を停止させて、第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5とを駆動させることにより、動力源間のトルクバランスを取って、ハイブリッド車両100を任意の速度で走行させる退避制御処理を実行することができる。
(モータ走行時の後進中かつ減速走行中)
図6は、モータ走行時の後進中かつ減速走行中の共線図である。減速走行中は、アクセル開度が減少し、目標駆動軸トルクが減少して負の値となる。モータECU34は、ドライブシャフト7に目標駆動軸トルクを出力させるよう、第2モータジェネレータ5に回生トルクを出力させる。
このとき、図6に示すように、第1モータジェネレータ4にはトルクが発生せず空転し、エンジン2と第2モータジェネレータ5のトルクには、上述の式(1)が成立するため、エンジン2は逆回転方向にトルクを受ける。ここで、上述の前進中の場合、Tmg2は、正回転方向つまり力行方向のトルクを正としたが、後進の場合は、共線図による説明の都合上、逆回転方向つまり回生方向のトルクを正とすることで前進の場合と同様に式(1)が満たされる。
式(1)において、後進中かつ減速走行中の場合、第2モータジェネレータ5は回生トルクを出力するため、定義よりTmg2は正の値となる。したがって、式(1)からTegも正の値となり、エンジン2は、動力分割合成機構10の回転要素から逆回転方向のトルクを受けるが、ワンウェイクラッチ40によってエンジン2が逆回転することはない。
これにより、モータECU34は、後進減速中に分散制御異常が発生したときに、エンジン2を停止させて、第2モータジェネレータ5を駆動させることにより、動力源間のトルクバランスを取って、ハイブリッド車両100を任意の速度で走行させる退避制御処理を実行することができる。
(本発明の適用なし時のモータ走行時の後進中かつ加速走行中)
図8は、モータ走行時の後進中かつ加速走行中の共線図である。加速走行中は、アクセル開度が増加し、目標駆動軸トルクが増加して正の値となる。モータECU34は、ドライブシャフト7に目標駆動軸トルクを出力させるよう、第2モータジェネレータ5に力行トルクを出力させる。
このとき、図8に示すように、第1モータジェネレータ4にはトルクが発生せず空転し、エンジン2と第2モータジェネレータ5のトルクには、上述の後進中かつ減速走行中と同様、上述の式(1)が成立するため、エンジン2は正回転方向にトルクを受ける。Tmg2は、後進中には逆回転(回生)方向のトルクを正としており、この場合Tmg2は負の値となるため、Tegも負の値となる。Tegは、エンジン2が逆回転する方向に受けるトルクを正と定義しているため、この場合エンジン2は、エンジン2が正回転する方向にトルクを受ける状態となる。
すなわち、前進中かつ減速走行中と同様に、ワンウェイクラッチ40によってエンジン2の回転が固定されず、エンジン2は、エンジンフリクショントルクを超えるトルクを受けると正回転してしまう。
ここで、第1モータジェネレータ4の出力トルクをゼロにする場合、Tmg1=0を代入して式(6)を満たすときエンジン2の回転が防止される。すなわち、Tmg2がゼロ以上であることだが、後進中では、Tmg2を回生方向のトルクを正としているため、第2モータジェネレータ5が回生トルクを出力している、または、力行および回生トルクを出力しないことが条件となり、これはハイブリッド車両100が減速時または定速走行時ということであり、前進中と制御条件が逆となる。
目標駆動軸トルクは、前進中、後進中ともに進行方向と同方向にはたらく(つまり、力行トルク)を正と定義しているため、後進中は、式(2)とは目標駆動軸トルクと目標MG1トルクおよび目標MG2トルクの正負関係が入れ替わり、以下の式(2-2)のようになる。
目標駆動軸トルク=目標MG1トルク×K1−目標MG2トルク×(1+K2)...(2-2)
第1モータジェネレータ4の出力トルクをゼロにする場合、目標MG2トルクは、−目標駆動軸トルク/(1+K2)となるため、第1インバータ19の通電を遮断して第1モータジェネレータ4をオフにしてもエンジン2が回転しないTmg2の条件はTmg2がゼロ以上であることなので、目標駆動軸トルクはゼロ以下の時であることが確認できる。
すなわち、後進加速中に分散制御異常が発生したときには、停止させたエンジン2を回転させるトルクが発生することから、第2モータジェネレータ5のみを駆動させても、エンジン2の回転を制限することができず(動力源間のトルクバランスを取ることができず)、ハイブリッド車両100を適正な退避制御処理で走行させることができない。
このように、モータ走行時において、通電を遮断することにより第1モータジェネレータ4のトルクがゼロになって、エンジン2の出力軸3にトルクが掛かると、エンジン2が回転してしまい、その回転数によっては車両振動に至って乗員に不快感を与える場合がある。このことから、モータECU34は、次のような退避制御処理を実行するように構成されている。なお、本実施形態に代えて、エンジン2の出力軸3の回転を制限するブレーキ機構を設置しても良いが、その構造が複雑になることから、本実施形態を採用するのが好適である。
(本発明の適用時のモータ走行時の後進中かつ加速走行中)
本実施形態において、モータECU34は、後進中で目標駆動軸トルクがゼロより大きい、すなわち加速走行を行なう場合、上述の式(2-2)および式(3)を満たす目標MG1トルクを第1モータジェネレータ4のトルク指令値として、第1モータジェネレータ4にトルクを出力させる。
図9は、本実施形態の退避制御処理を適用したモータ走行時の後進中かつ加速走行中を示す共線図である。上述の式(2-2)および式(3)を満たすように第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5からトルクが出力される。
後進中の加速走行中は、Tmg2は負であるため式(6)を満たすにはTmg1は負となる。すなわち、第1モータジェネレータ4は回生トルク(第1モータジェネレータ4は正回転中であり、負のトルクを出力=回生トルク)を出力し、第1モータジェネレータ4の回生トルクが大きいほど動力分割合成機構10の回転要素からエンジン2に逆回転方向にかかるトルクは大きくなるが、ワンウェイクラッチ40によってエンジン2の回転が防止される。
なお、以上の説明では、エンジンフリクションを考慮しない場合を示したが、エンジンフリクションを考慮した場合、エンジンフリクショントルク(エンジン2の回転を抑制する方向にはたらくトルク)をTefとすると、前進中の場合、上述の式(5)のTegにTeg−Tefを代入するため、上述の式(6)は以下の式(6-2)のようになる。
Tmg1≦(Tmg2×K2+Tef)/(K1+1)...(6-2)
式(6-2)より、前進中の減速走行中(Tmg2<0)においては、Tmg1はエンジンフリクショントルクを考慮しない場合よりもエンジンフリクショントルク分だけ大きく(負のトルクが小さく)なってもエンジン2が回転することを防ぐことができる。
つまり、エンジンフリクションを考慮すると、前進中の減速走行中(Tmg2<0)である場合、必ずしも第1モータジェネレータ4が負のトルクを出力しなければならないということはない。
すなわち、第1モータジェネレータ4への通電を遮断して第2モータジェネレータ5のみで目標駆動軸トルクを満たす回生トルクを出力した場合において、上述の式(5)のTmg1にゼロ、TegにTeg−Tefを代入した以下の式(5-2)を満たすTmg2であれば、減速走行時において第1モータジェネレータ4への通電を遮断してもエンジン2が回転することを防止することができる。
Tmg2×K2+Tef=Teg≧0...(5-2)
すなわち、第1モータジェネレータ4への通電を遮断してもエンジン2が回転することのないTmg2の下限値は式(5-2)より−Tef/K2である。
これにより、モータECU34は、後進加速中に分散制御異常が発生したときに、エンジン2を停止させて、第2モータジェネレータ5を駆動させることにより、動力源間のトルクバランスを取って、ハイブリッド車両100を任意の速度で走行させる退避制御処理を実行することができる。
(本発明の適用時にエンジン2のフリクションを考慮する際)
ところで、エンジンフリクションを考慮した場合、モータECU34は、ハイブリッド車両100の前進中において、Tmg2が−Tef/K2以下であれば、第1モータジェネレータ4への通電を遮断し、Tmg2が−Tef/K2より大きければ第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5の両方を駆動させる。
また、上述の式(2)より、Tmg2の条件を目標駆動軸トルクに変換すると、目標駆動軸トルクが−(1+K2)Tef/K2以上であれば、第1モータジェネレータ4への通電を遮断してもエンジン2が回転することはなく、目標駆動軸トルクが−(1+K2)Tef/K2より小さい場合は、第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5の両方を駆動することで、エンジン2の回転を防ぐことができる。
一方、後進中の場合、上述の式(6-2)のTmg1にゼロを代入した式を満たすTmg2が、第1モータジェネレータ4への通電を遮断してもエンジン2が回転しない条件である。上述の式(5-2)より、Tmg2が−Teg/K2以上である場合には、第1モータジェネレータ4への通電を遮断してもエンジン2が回転することを防止することができる。
エンジンフリクションを考慮した場合、モータECU34は、ハイブリッド車両100の後進中において、Tmg2が−Teg/K2以上であれば、第1モータジェネレータ4への通電を遮断し、Tmg2が−Tef/K2未満であれば第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5の両方を駆動させる。
また、上述の式(2-2)より、Tmg2の条件を目標駆動軸トルクに変換すると、目標駆動軸トルクがTef×(1+K2)/K2以下であれば、第1モータジェネレータ4への通電を遮断してもエンジン2が回転することはなく、目標駆動軸トルクがTef×(1+K2)/K2より大きい場合は、第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5の両方を駆動させることで、エンジン2の回転を防ぐことができる。
次に、以上のように構成された本実施形態に係るハイブリッド車両100の制御装置による上述の異常発生時における制御処理を、ハイブリッドECU32、エンジンECU33およびモータECU34毎に説明する。なお、以下に説明するモータ走行制御処理は、予め設定された時間間隔で実行される。
ここで、ハイブリッドECU32、エンジンECU33およびモータECU34との間で実行される後述の問い合わせ処理は、互いの健全性やCAN通信の健全性を確認するために実行する制御処理であり、問い合わせの制御信号に対して予め設定されている応答処理により得られる応答信号が適切か否かに応じて判定する。例えば、CAN通信異常により生じる応答信号を受け取ったときには、CAN通信異常発生で健全性なしと判定する。コンピュータユニットにおける演算処理異常により生じる応答信号を受け取ったときには、制御処理異常発生で健全性なしと判定する。CAN通信の途絶あるいはコンピュータユニット自体の異常停止が発生したときの応答信号を受け取ったとき(応答信号の不受信も含む)には、異常停止発生で健全性なしと判定する。
なお、ハイブリッドECU32、エンジンECU33およびモータECU34の制御処理は、通常処理とは別に実行する形で説明するが、これに限るものではなく、通常の制御処理で行われる通信情報を流用しても良い。
(ハイブリッドECU32の制御処理)
ハイブリッドECU32は、図10のフローチャートに示すように、エンジンECU33やモータECU34と連携するなどしてハイブリッド車両100全体を統括制御する通常の制御処理と並行して、エンジンECU33からCAN通信の健全性を問い合わせる制御信号を受け取ったか否かを確認する(ステップS101)。
ステップS101において、ハイブリッドECU32は、エンジンECU33からの問い合わせの制御信号を確認できない場合には、そのままステップS103に進み、問い合わせの制御信号を確認している場合には、その問い合わせの制御信号に応じた応答処理を実行した後に(ステップS102)、次のステップS103に進む。
次いで、ハイブリッドECU32は、モータECU34からCAN通信の健全性やハイブリッドECU32自体の健全性を問い合わせる制御信号が送られてきたか否かを確認する(ステップS103)。
ステップS103において、ハイブリッドECU32は、モータECU34からの問い合わせの制御信号を確認できない場合には、この制御処理を一旦終了し、問い合わせの制御信号を確認している場合には、その問い合わせの制御信号に応じた応答処理を実行して(ステップS104)、この制御処理を一旦終了する。
(エンジンECU33の制御処理)
エンジンECU33は、図11のフローチャートに示すように、ハイブリッドECU32にCAN通信の健全性を問い合わせる制御信号を送って(ステップS201)、そのハイブリッドECU32からの問い合わせの制御信号に対して応答信号を受け取ったか否かを確認する(ステップS202)。
ステップS202において、エンジンECU33は、ハイブリッドECU32からの問い合わせに対する応答信号を確認できない場合には、そのままステップS205に進み、問い合わせに対する応答信号を確認している場合には、その問い合わせの応答信号が問い合わせの制御信号に対して適切で正常なCAN通信の信号で健全であるか否か確認する(ステップS203)。
ステップS203において、エンジンECU33は、ハイブリッドECU32から受け取った問い合わせの制御信号に対する応答信号が適切で健全性が確認できた場合には、モータECU34からエンジン2を停止させるエンジン停止要求信号を受け取っているか否か確認し(ステップS204)、エンジン停止要求信号を受け取っていない場合には、この制御処理を一旦終了し、また、エンジン停止要求信号を受け取っている場合には、ステップS206に進む。
また、ステップS203において、エンジンECU33は、ハイブリッドECU32から受け取った問い合わせの制御信号に対する応答信号がCAN通信異常により適切でなく健全性が確認できない場合、また、先のステップS202において、ハイブリッドECU32からの問い合わせに対する応答信号を確認できない場合には、モータECU34にハイブリッドECU32との間のCAN通信の異常発生(健全性なし)を報告した後に(ステップS205)、ステップS206に進む。
次いで、エンジンECU33は、モータECU34からエンジン停止要求信号を受け取っている場合や、ハイブリッドECU32との間のCAN通信に異常が発生して健全でないことを確認しその旨を報告した後には、エンジン2の停止制御処理を実行して(ステップS206)、モータECU34に対してエンジン2の停止状態を報告して(ステップS207)、この制御処理を終了する。
(モータECU34の制御処理)
モータECU34は、図12のフローチャートに示すように、ハイブリッドECU32にCAN通信やコンピュータユニットの健全性を問い合わせる制御信号を送って(ステップS301)、そのハイブリッドECU32からの問い合わせの制御信号に対して応答信号を受け取ったか否かを確認する(ステップS302)。
ステップS302において、モータECU34は、ハイブリッドECU32からの問い合わせに対する応答信号を確認できない場合には、そのままステップS305に進み、問い合わせに対する応答信号を確認している場合には、その問い合わせの応答信号が問い合わせの制御信号に対して適切で正常なCAN通信の信号、あるいは、コンピュータユニットによる演算処理結果の信号で健全であるか否か確認する(ステップS303)。
ステップS303において、エンジンECU33は、ハイブリッドECU32から受け取った問い合わせの制御信号に対する応答信号が適切でハイブリッドECU32のコンピュータユニットやCAN通信の健全性が確認できた場合には、エンジンECU33からハイブリッドECU32との間のCAN通信異常(健全性なし)の報告を受け取っているか否か確認し(ステップS304)、CAN通信異常報告を受け取っていない場合には、この制御処理を一旦終了し、また、CAN通信異常報告を受け取っている場合には、ステップS305に進む。
また、ステップS303において、モータECU34は、エンジンECU33からハイブリッドECU32との間のCAN通信異常発生で健全でない旨の報告を受け取った後や、ハイブリッドECU32から受け取った問い合わせの制御信号に対する応答信号からハイブリッドECU32のコンピュータユニット異常やCAN通信異常が発生と判定されて健全性なしが確認された後には、エンジンECU32にエンジン停止要求信号を送った後に(ステップS305)、ステップS306に進む。
次いで、モータECU34は、エンジンECU33にエンジン停止要求信号を送った後には、エンジンECU33からの報告を繰り返し確認して、エンジン2を停止状態にした旨の報告を確認した後に(ステップS306)、上述した退避制御処理を実行して、図2に示すマップからアクセル開度と車速に応じた目標駆動軸トルクを算出し(ステップS307)、その目標駆動軸トルクに基づいて第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5とのそれぞれの出力トルクを算出し(ステップS308)、その第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5の駆動を制御してそれぞれの出力トルクを調整する制御処理を実行する(ステップS309)。
これにより、モータECU34は、ドライバのアクセル操作に応じた目標駆動軸トルクに一致する合成トルクを第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5とから出力させてハイブリッド車両100を走行させることができ、ドライバビリティに優れる退避操作で走行することができる。
このときに、第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5との駆動制御処理における前進時のモータ走行制御処理において、図13のフローチャートに示すように、まず、モータECU34は、目標駆動軸トルクがハイブリッド車両100を前進させる所定値より小さいか否かを判定する(ステップS1001)。ここで、所定値は、例えば、エンジンフリクションを考慮していない場合はゼロでよく、エンジンフリクションを考慮する場合は−(1+K2)Tef/K2とするとよい。
目標駆動軸トルクが所定値より小さいと判定した場合、モータECU34は、上述の式(2)および式(3)を満たすように第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5を駆動して目標駆動軸トルクをドライブシャフト7に出力させる(ステップS1002)。
一方、目標駆動軸トルクが所定値より小さくないと判定した場合、モータECU34は、第1モータジェネレータ4への通電を遮断して、第2モータジェネレータ5のみを駆動して目標駆動軸トルクをドライブシャフト7に出力させる(ステップS1003)。
次に、第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5との駆動制御処理における後進時のモータ走行制御処理は、図14のフローチャートに示すように、まず、モータECU34は、目標駆動軸トルクがハイブリッド車両100を後進させる所定値より大きいか否かを判定する(ステップS2001)。ここで、所定値は、例えば、エンジンフリクションを考慮していない場合はゼロでよく、エンジンフリクションを考慮する場合はTef×(1+K2)/K2とするとよい。
目標駆動軸トルクが所定値より大きいと判定した場合、モータECU34は、上述の式(2-2)および式(3)を満たすように第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5を駆動して目標駆動軸トルクをドライブシャフト7に出力させる(ステップS2002)。
一方、目標駆動軸トルクが所定値より大きくないと判定した場合、モータECU34は、第1モータジェネレータ4への通電を遮断して、第2モータジェネレータ5のみを駆動して目標駆動軸トルクをドライブシャフト7に出力させる(ステップS2003)。
なお、図13、図14のフローチャートの所定値は、第1モータジェネレータ4の通電を遮断してもエンジンが正回転することのない目標駆動軸トルクの値であれば一定の効果を得ることができる。
したがって、エンジンフリクションを考慮せず、簡易的に所定値をゼロとして、前進走行の加速および定速走行時、または、後進走行の減速および定速走行時には第1モータジェネレータ4の通電を遮断し、前進走行の減速走行時、または、後進走行の加速走行時には第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5のトルクを制御してエンジン2が正回転することを防止するようにしてもよい。
また、所定値を正の値として、エンジン2が正回転するか否かの境目である閾値にヒステリシスを持たせ、エンジン2が正回転することを防止する確実性を向上させるようにしても、効果の度合は低減するが、ある程度の消費電力の削減効果を得ることができる。
また、目標駆動軸トルクに基づいて第1モータジェネレータ4の通電を遮断するか否かを判定したが、目標MG2トルクがゼロ未満である場合には第1モータジェネレータ4の通電を遮断し、目標MG2トルクがゼロ以上である場合には第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5のトルクを制御するようにしてもよい。
このように、本実施形態のハイブリッド車両100は、ハイブリッドECU32とエンジンECU33またはモータECU34との間のCAN通信異常が発生したり、ハイブリッドECU32に不具合が発生することにより、ハイブリッドECU32から制御信号(指示)を受け取ることができない場合でも、エンジン2を停止して、第1モータジェネレータ4および第2モータジェネレータ5の出力トルクのバランスを調整することによって、アクセル開度や車速に応じた目標駆動軸トルクをドライブシャフト7に伝達して任意の速度で走行することができ、退避性能を向上させることができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 駆動機構
2 エンジン(内燃機関)
4 第1モータジェネレータ(第1電動機)
5 第2モータジェネレータ(第2電動機)
6 駆動輪
7 ドライブシャフト
8 第1遊星歯車機構(回転要素)
9 第2遊星歯車機構(回転要素)
10 動力分割合成機構
13、16 ロータ軸
19 第1インバータ
20 第2インバータ
21 バッテリ
31 出力伝達機構
32 ハイブリッドECU(第3の制御部)
33 エンジンECU(第2の制御部)
34 モータECU(第1の制御部)
39a、39b、39c 信号線
40 ワンウェイクラッチ
41 アクセル開度センサ
42 シフトポジションセンサ
43 車速センサ
44 バッテリ状態検出センサ
45 駆動部状態検出センサ
100 ハイブリッド車両

Claims (7)

  1. 動力源として、少なくとも1つの電動機と、内燃機関とを備えており、当該動力源がそれぞれ異なる回転速度での回転を許容する回転要素を介してドライブシャフトに接続されたハイブリッド車両に搭載される制御装置であって、
    前記電動機の駆動を制御する第1の制御部と、前記内燃機関の駆動を制御する第2の制御部と、前記第1の制御部および前記第2の制御部とのそれぞれの間で各種情報を送受信する第3の制御部と、を備えて、
    前記第3の制御部の異常発生時あるいは通信の異常発生時に、
    前記第2の制御部は、前記内燃機関の駆動を停止し、
    前記第1の制御部は、前記ドライブシャフトを回転させる目標駆動軸トルクを算出して当該目標駆動軸トルクを出力するように前記電動機の駆動を制御する、ハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記電動機は第1の電動機および第2の電動機により構成され、
    前記第1の制御部は、前記第1の電動機および前記第2の電動機のトルクバランスを調整する、請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記第1の制御部は、アクセル開度情報および車速情報に基づいて前記目標駆動軸トルクを算出する、請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記第1の制御部と前記第2の制御部との間で情報を送受信可能に構成されており、
    前記第1の制御部は、前記第3の制御部の異常発生または前記第3の制御部との間の通信の異常発生を検出する機能の一方あるいは双方を有して、
    当該異常発生の検出時に、前記内燃機関の駆動停止を要求する情報を前記第2の制御部に送信する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記第1の制御部と前記第2の制御部との間で情報を送受信可能に構成され、
    前記第2の制御部は、前記第3の制御部の異常発生を検出する機能または前記第3の制御部との間の通信の異常発生を検出する機能の一方あるいは双方を有して、
    当該異常発生の検出時に、前記内燃機関の駆動を停止する制御処理を実行し、前記第1の制御部に該異常発生の検出情報を送信し、
    前記第1の制御部は、前記第2の制御部から前記異常発生の検出情報を受信したときに、前記ドライブシャフトを回転させる目標駆動軸トルクを算出して当該目標駆動軸トルクを出力するように前記電動機の駆動を制御する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記電動機は第1の電動機および第2の電動機により構成され、
    前記第1の制御部は、前記第1の電動機または前記第2の電動機の一方を前記内燃機関の回転を制限するトルクを出力するように駆動を制御する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  7. 前記ハイブリッド車両が前記内燃機関の一方向の回転を制限する機構を備えて、
    前記第1の制御部は、前記第1の電動機または前記第2の電動機の一方を前記内燃機関の前記一方向の反対方向への回転を制限するトルクを出力するように駆動を制御する、請求項6に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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