JP2017127578A - 撮像方法、撮像装置、および該撮像方法を実行するプログラム - Google Patents

撮像方法、撮像装置、および該撮像方法を実行するプログラム Download PDF

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海史 大橋
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Abstract

【課題】眼の不随意運動によらず、撮像者が意図した撮像位置の画像を得る。
【解決手段】検査装置の制御方法において、被検査物の所定の撮像範囲の画像を、被検査物の動きを測定する際の基準画像として取得する工程と、基準画像として取得する工程とは異なる時間において取得される複数の被検出画像と、基準画像との位置ずれを検出する工程と、位置ずれを検出する工程によって検出された位置ずれに統計処理を施して位置ずれの中心位置を演算する工程と、中心位置と、中心位置を演算する工程の後に得られる被検出画像とに基づいて被検査物の画像の取得位置を補正する工程と、を配する。
【選択図】図4

Description

本発明は、眼底に例示される被検査物を撮像する撮像方法、撮像装置および該撮像方法を実行するプログラムに関する。
近年、眼科用の撮像装置として、SLO(Scanning Laser Ophthalmoscope:走査型レーザ検眼鏡)や、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層装置)が用いられる。SLOは、例えば眼底へ照射されるレーザ光を2次元的に走査し、その反射光を受光して画像化して眼底の画像を得ている。また、OCTは、低コヒーレンス光の干渉を利用して例えば眼底における網膜の断層画像を生成するイメージング装置である。これら装置は、特に眼底の画像あるいは眼底の近傍の断層像を得る目的で用いられている。
このような眼科用の撮像装置は、近年、照射レーザの高NA化等によって、高解像度化が進められている。
しかしながら、眼底を撮像する場合には、角膜や水晶体等の眼の光学組織を通して撮像をしなければならない。そのため、高解像度化が進むに連れて、これら角膜や水晶体の収差による撮像画像の画質への影響が顕著になってきた。
そこで、眼の収差を測定し、その収差を補正する補償光学(Adaptive Optics:AO)機能を光学系に組み込んだ、AO−SLOやAO−OCTの研究が進められている。収差の測定では、一般的にはシャックハルトマン方式の波面センサーによって、眼の収差が表現される波面分布を測定する。シャックハルトマン方式とは、眼に照明光を入射させ、マイクロレンズアレイを通してその反射光を分光かつ集光してCCDカメラで受光し、複数の集光位置から反射光の波面分布を測定するものである。測定した波面分布に対しては、これを補正する可変形状ミラーや空間位相変調器といった波面補正装置を光路上に配して、その補正を行っている。このような補償光学系を通して眼底の撮像を行うことにより、AO−SLOやAO−OCTでは、眼の収差の影響を低減した高分解能な撮像が可能となる。
また、これらの眼科用の撮像装置では、眼の動きによって、眼底の撮像位置が意図した位置にならないという課題も存在する。眼底撮像時において、被検者の視線が固定されるように、固視標と呼ばれる指標を提示し、この指標を被検者に注視させることで眼の動きを小さくする事が一般的に行われている。しかし、このような状態であっても、固視微動と言われる眼の動きが常に生じている。この固視微動は、視覚を維持するために眼球が不随意的に常に繰り返している微小な運動のことである。また、固視標を注視し続ける事は集中力の維持や疲労等の問題で難しい。更に、眼に疾患をもっている被検者では、視力低下や視野狭窄などがあって、眼の動きが大きくなってしまう。
このような眼の動きへの対応として、眼の動きを測定し、この動きに追尾(トラッキングとも言う)するように眼底へのレーザ光の照射位置をリアルタイムに変更する眼底追尾技術がある。
特許文献1には、この追尾技術の一例が開示されている。この追尾技術では、基準となる画像としてリファレンスイメージ(以降、基準画像と称する。)をまず設定する。その後、撮像により時々刻々得られるターゲットイメージ(以降、被検出画像を称する。)と、基準画像との相対的な位置ずれを演算する。照明光であるレーザ光は、スキャナーによって被検眼上での走査位置が変更され、このレーザ光の走査によって平面的な画像を得ている。この演算された相対的な位置ずれを入力して、眼底にて該レーザ光の走査するスキャナーの動作位置を補正することで、眼の動きへの追尾が可能となっている。
US2015/0077710A1
撮像者は、固視標の位置に対応した眼底位置を撮像する意思を持って、装置を使用する。しかしながら、前述した眼の動きの中には、サッケードと呼ばれ不随意的に生じる大きな動きがある。例えば前述した追尾技術を用いた場合に、このサッケードが生じた時に取得した画像を基準画像とした場合を考える。この場合、一時的に意図する位置を大きく外れた位置を中心とする画像が基準画像とされ、この中心位置を追尾の目標位置として追尾機能が働くこととなる。その結果、適切な相対的な位置ずれを得ることができなくなり、撮像者が意図した位置と大きく異なる位置を撮像することになってしまう。
本発明はこのような状況に鑑みて為されたものであって、眼の不随意運動によらず、撮像者が意図した撮像位置の画像を得ることができる撮像方法、撮像装置および該撮像方法を実行するプログラムを提供する。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る撮影方法は、
被検査物の所定の撮像範囲の画像を、被検査物の動きを測定する際の基準画像として取得する工程と、
前記基準画像として取得する工程とは異なる時間において取得される複数の被検出画像と、前記基準画像との位置ずれを検出する工程と、
前記位置ずれを検出する工程によって検出された位置ずれに統計処理を施して前記位置ずれの中心位置を演算する工程と、
前記中心位置と、前記中心位置を演算する工程の後に得られる前記被検出画像とに基づいて前記被検査物の画像の取得位置を補正する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、眼の不随意運動によらず、撮像者が意図した撮像位置の画像を得ることができる。
本発明の実施例1に係る眼底撮像装置の構成を示す模式図である。 WF−SLO画像における基準画像と被検出画像との関係を説明する図である。 従来の追尾機能を動作させた場合の処理手順を示すフローチャートである。 眼の動き、AO−SLOの撮像可能な範囲、およびAO−SLOの撮像画角の関係を模式的に表した図である。 本発明の実施例1に係る追尾機能を動作させた場合の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る追尾機能を動作させた場合の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例3におけるAO−SLOの画像の画角を模式的に表した図である。 本発明の実施例3に係る追尾機能を動作させた場合の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例4に係る追尾機能を動作させた場合の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施例に係る眼底撮像装置における操作画面の表示例を示す図である。 本発明の一実施例に係る眼底撮像装置における処理全体のフローチャートである。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下で述べる実施例は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
本発明は、被検眼の動きを測定して、撮像位置を補正する眼底撮像方法、および眼底撮像装置に関する。より詳細には、本発明では、眼の運動による継時的な照明光照射位置のずれを検知して、眼の運動の影響を補正するように照明光の照射方向を変更することで眼底での撮像位置を補正する追尾機能を、眼底撮像方法および装置に配している。
[実施例1]
以下、本発明の実施例1に係る眼底撮像方法が搭載された走査型レーザ検眼鏡(SLO)について、その構成を示す模式図である図1を用いて説明する。
図1において、撮像構成は二つある。一方は、補償光学系を用いた高精細画像を得るための走査型レーザ検眼鏡のAO−SLO(Adaptive Optics −SLO)である。他方は、補償光学系を用いない走査型レーザ検眼鏡のWF−SLO(Wide Field −SLO)である。WF−SLOは、AO−SLOに対して画質的には劣るが、撮像画角が広いという特徴を有している。
ここで、AO−SLOの主要構成について図1を用いて更に詳細に説明する。
本実施例では、光源101として、波長840nmのSLD光源(Super Luminescent Diode)を用いた。なお、光源101の波長は特に制限されるものではないが、眼底撮像用としては被検者の眩しさの軽減と分解能維持のために、800〜1500nm程度が好適に用いられる。また、本実施例においては、光源101にSLD光源を用いたが、その他の光源を用いる事も可能である。
光源101から照射された光は、単一モード光ファイバー102を通って、コリメータレンズ103により、平行光線(照明光105)として照射される。
照射された照明光105はビームスプリッターからなる光分割部104を透過し、収差補正を行うための補償光学系に導光される。補償光学系は、光分割部106、波面測定装置115、波面補正装置108、およびそれらに導光するための反射ミラー107−1〜4から構成される。ここで、反射ミラー107−1〜4は、少なくとも被検眼111の瞳と波面測定装置115、および該瞳と波面補正装置108とが光学的に共役関係になるように配置されている。また、光分割部106として、本実施例ではビームスプリッターを用いている。
光分割部106を透過した照明光105は、反射ミラー107−1、2で反射されて波面補正装置108に入射する。波面補正装置108で反射された照明光105は、反射ミラー107−3に向けて出射される。
本実施例では、波面補正手段を有する波面補正装置108として液晶素子を用いた反射型液晶空間位相変調器を用いた。しかし、波面補正装置としては、ミラーの形状が可変となっている可変形状ミラー(デフォーマブルミラーとも言う。)を用いてもよく、波面が補正できるものであれば、いずれのものを用いてもよい。
図1において、反射ミラー107−3、4で反射された照明光105は、走査光学系109によって、1次元もしくは2次元に被検眼111の眼底上で走査される。本実施例では走査光学系109に主走査用(眼底の水平方向)と副走査用(眼底の鉛直方向)として2つのスキャナー109−1、2(本実施例ではガルバノスキャナー)を用いた。なお、この走査光学系109として、より高速な撮像のために主走査用に共振スキャナーを用いることもある。また、走査光学系109内の各スキャナーを光学的な共役状態にするために、各スキャナーの間にミラーやレンズといった光学素子を配置する場合もある。これら走査光学系109のスキャナーは各々追尾制御部202に接続されており、通常の照明光の走査に加えて、眼の運動の影響を取得画像において補正するように照明光の走査位置の変更の指示を受け付ける。
走査光学系109で走査された照明光105は、接眼レンズ110−1および110−2を通して被検眼111に照射される。被検眼111に照射された照明光105は、眼底で反射もしくは散乱される。接眼レンズ110−1、2の位置を調整することによって、被検眼111の視度にあわせて照明光105の最適な照射を行うことが可能となる。なお、本実施例では、接眼部として接眼レンズ110−1、2を用いたが、これらを球面ミラー等で構成してもよい。
被検眼111の眼底の網膜から反射もしくは散乱された反射光は、入射した時の経路を逆向きに進行し、一部は光分割部106によって波面測定装置115に反射され、光線の波面分布を測定するために用いられる。なお、本実施例では、波面測定手段を有する波面測定装置115としてシャックハルトマンセンサーを用いた。しかし、波面測定装置はそれに限定されるものではなく、曲率センサーのような他の波面測定手段や、結像させた点像から波面収差を逆計算で求めるような方法を適用した装置を用いてもよい。
図1において、光分割部106を透過した反射光は光分割部104によって反射され、コリメータ112、および光ファイバー113を通して光強度センサー114に導光される。反射光は光強度センサー114で電気信号に変換され、制御部117によって検出された光の強度が配列化されて、該強度に基づいて画像に構成される。構成された画像は、眼底画像としてディスプレイ118に表示される。
波面測定装置115は補償光学制御部116に接続され、測定した光の波面分布を補償光学制御部116に伝える。波面補正装置108も補償光学制御部116に接続されており、これを経る光に対して補償光学制御部116から指示された空間的な位相変調を行う。より詳細には、補償光学制御部116は波面測定装置115で測定された波面分布を基に、収差のない波面分布へと補正するような補正量を計算し、波面補正装置108に補正条件を指令する。
なお、AO−SLOでは、光学系の一部に被検眼が含まれていることで、光学系が不確定な状態となっている。このため、一般的に1回の波面分布の測定および補正では、小さな収差の波面分布に到達することは困難である。従って、波面分布の測定と補正とを繰り返して実行し、撮像可能な収差まで収束するまでこの繰り返しを継続している。これによって、照明光が眼底に至るまでの光路の収差を小さくでき、眼底に集光するスポットの大きさを小さくでき、空間的な分解能が高い画像を得る事が可能となる。
次に、WF−SLOについて説明する。WF−SLOの構成は、基本的には、これまで説明してきたAO−SLOと同じである。WF−SLOは、AO−SLOに対して、波面測定装置や波面補正装置や補償光学制御部が無いことにおいて異なっている。また、WF−SLOで撮像する画像の画角は、AO−SLOの画角よりも広くなっている。また、WF−SLOで撮像する画像の解像度は、AO−SLOの解像度よりも劣っている。つまり、WF−SLOは低解像度で広画角な画像が得られ、AO−SLOは高解像度で狭画角な画像が得られる。また、上述した眼の不随意運動はAO−SLOの画角を超える場合があり、追尾のための情報を得るためには広画角なWF−SLOの画像を通常用いている。
図1に示す構成におけるWF−SLO201において使用している光源の波長は、900nmとなっている。AO−SLO中にダイクロイックミラー200があり、WF−SLO201からの照明光とAO−SLOの照明光105とが合波されて、被検眼111に照射される。被検眼111に照射された光は、眼のレンズである水晶体によって、眼底上に集光される。この集光された光が、眼底で反射され、装置に戻ってくる。被検眼111より戻ってきた光は、ダイクロイックミラー200により、光りの波長の帯域に応じて、WF−SLO201の光とAO−SLOの光とに分離され、各々の光学系に導光される。
WF−SLO201により取得される画像(WF画像と呼ぶ)の一例を図2に示す。同図に示すように、眼底画像において、視神経乳頭300、血管301、および中心窩の存在する領域303が同時に画像化されている。
また、眼の動きを小さくするために被検者に注視させる固視標が、被検者の眼に対して表示される。固視標は、例えば有機ELディスプレイ(不図示)を用いて表示される。固視標の形状は十字型が一般的であるが、丸形状でもよいしリング形状でもよい。この固視標の位置や大きさは、変更できることが好ましい。この固視標の表示位置を変えることで、被検者が注視する方向、すなわち眼の向きを変更する。これによって、WF−SLO201とAO−SLOの光が眼底上で集光する箇所を変更し、撮像する位置を変更できるようになっている。
ここで、図10を用いて、ディスプレイ118に表示される画像等の詳細な内容について説明する。また、表示内容に付随して、撮像者の撮像手順やこれに応じた走査型レーザ検眼鏡(SLO)等の眼底撮像装置の挙動についても説明する。
ディスプレイ118には、後述する各種画像等を含めたディスプレイ全体の画像700が表示される。実際の眼底画像等の撮影に際しては、不図示の前眼部カメラを用いて、被検眼111の前眼部の画像を撮像する。この画像が前眼部画像として前眼部表示画面701に表示される。
固視標位置画面702は、固視標の表示位置を表示する。また、該固視標位置画面702に表示される印702-1、2は、実際に被検眼に提示される固視標の位置を示す。撮像者が制御部117に接続されているマウス等を用いて、固視標位置画面702の任意の位置に表示される指標を移動させてクリック動作をすると、上述した有機ELディスプレイ上のその位置に対応した場所に固視標が移動する。この固視標を被検者が注視する事で、被検眼を所望の向きに向かせる事ができ、眼底の撮像位置を変更できる。
WF−SLOリアルタイム表示画面703では、WF−SLO201によって撮像された画像がリアルタイムに表示される。WF−SLOリアルタイム表示画面703の中の矢印は、ある瞬間の被検者の眼の動きによる、眼底の移動の方向および量を表している。また、同表示中の丸は乳頭を模擬しており、そこから伸びている二本の曲線はアーケード血管を模擬している。これらも眼の動きに対応して移動する。また、WF−SLOリアルタイム表示画面703に重畳表示される枠900(900−1、2)は、AO−SLOで撮像する領域であるAO−SLO撮像枠である。
本実施例では後述の追尾機能によって、被検眼の動きが検出され、常に眼底の同じ位置をAO−SLOで撮影できるようになっている。そのため、この追尾の操作に対応して、AO−SLO撮像枠900も900−1から900−2に移動している。撮像者は、トラッキングONボタン710やトラッキングOFFボタン711をクリックする事で、任意にトラッキングのONやOFFを切り替えられる。
起動ボタン708は、WF−SLO201の撮像において照明光を眼底に合焦させるオートフォーカス機能を起動するボタンである。撮像者は、WF−SLO201の撮像が開始されたら、この起動ボタン708をクリックし、眼底にオートフォーカスして良好なWF−SLO画像を得ることが可能となっている。本実施例における実際のオートフォーカスの操作では、画像のコントラストがピークとなるように、不図示のフォーカスレンズの位置を変更する。
ここで、WF−SLOによる静止画の記録について述べる。
WF−SLO静止画表示画面705には、所定の時間分のWF−SLOの動画を基に作成されたWF−SLO静止画が表示される。この所定の時間は、WF−SLO記録時間指示部707に数値を入力することで指定される。WF−SLO記録開始ボタン709がクリックされると、WF−SLOの動画の記録が開始され、指示された時間分の動画が記録される。WF−SLO静止画はその動画の各フレームを重ね合せる事で作成され、各フレームに含まれるランダムノイズが相殺されて、ランダムノイズが低減される。この重ね合わされた画像が、WF−SLOによる静止画となり、画像700上のWF−SLO静止画表示画面705に表示される。
AO−SLOリアルタイム表示画面704では、AO−SLOによって撮像された画像がリアルタイムに表示される。
AO−SLOは、眼底上での撮像位置を調整するためのステアリングと呼ぶ機能を有している。該ステアリングは、スキャナー109−1、109−2による照明光105の走査位置にオフセット値を重畳させる事で、撮像位置を任意に調整する機能である。予め、撮像する複数の位置が決まっている場合に、ステアリングを用いれば、被検者に目を意図的に動かしてもらう必要が無くなる。具体的には、撮像予定位置の情報に基づいて、スキャナー109−1、109−2による照明光105の走査位置を変える事で、複数の位置の撮像を自動で行うことが可能となる。また、撮像者の意図と異なる位置が撮像されている時にも、このステアリングの機能を用いて、撮像位置の調整を行う事もできる。
本実施例では、ステアリング操作ボタン714を用いて、このステアリングの操作を実行する。撮像者は、このボタン(矢印部分)をクリックする事で、被検眼111の眼軸に直交した平面のXY等の二方向に撮像位置を変更する事が可能となっている。この撮像位置の変更は、WF−SLO静止画表示画面705の中の、AO−SLO撮像枠900(900−1、3)の位置に反映される。即ち、このステアリング操作で、AO−SLO撮像枠900は、例えば、枠900−1の位置から枠900−3の位置に変更される。
AO−SLOフォーカス調整ボタン712、713は、AO−SLOのフォーカスを調整するボタンであり、これをクリックすることによって、照明光105の眼底での合焦位置を変更する事が可能である。本実施例では、この操作に応じて、波面補正装置108のフォーカス成分にオフセットを付与する。これにより、眼底の視細胞の層や血管の層など、撮像者の意図する層の撮像が可能となっている。なお、本実施例では波面補正装置108を主にフォーカス調整を行う例を示しているが、これらボタンによって接眼レンズ110の位置調整を行い、これによってフォーカス調整を行うこととしてもよい。また、これら構成を組み合わせてもよい。
AO−SLO静止画表示画面706には、所定の時間分のAO−SLOの動画を基に作成されたAO−SLO静止画が表示される。この所定の時間は、AO−SLO記録時間指示部715に数値を入力することで指定される。AO−SLO記録開始ボタン716がクリックされると、この記録を開始し、指示された時間分の動画を記録する。AO−SLO静止画はその動画の各フレームを重ね合せる事で作成され、各フレームに含まれるランダムノイズが相殺されて、ランダムノイズが低減される。この重ね合わされた画像が、AO−SLOによる静止画となり、画像700上のAO−SLO静止画表示画面706に表示される。
次に、本実施例に係る眼底撮像装置における処理全体のフローチャートを示す図11を用いて、撮像者の操作、装置の処理、画面表示の流れについて説明する。なお、同図中の左の列が撮像者の操作、真ん中の列が装置の処理、右の列が画面表示を示している。
まず、ステップS1301にて、撮像者が装置の電源をONした後に、制御部117によって撮像プログラムが起動される。次に、ステップS1302にて、制御部117は、装置の立上げ処理、固視標の表示、WF−SLOの撮像の開始、およびAO−SLOの撮像の開始の各操作を行う。なお、立上げ処理には、上述した不図示の眼底カメラ等を用いた前眼部画像の撮像の開始の操作も含まれる。
これらの処理の直後に、ステップS1303において、ディスプレイ118上の前眼部表示画面701、固視標位置画面702、WF−SLOリアルタイム表示画面703、およびAO−SLOリアルタイム表示画面704による各々の画像の表示が実行される。これら各画面においては、フローチャートにおける最終ステップであるステップS1320に至るまで、画像更新が継続される。
ステップS1303の後のステップS1304では、撮像者が、前眼部表示画面701に表示される前眼部像を参照しながら、不図示の位置調整機構によって可能となっている装置の接眼部と被検眼との位置調整を行う。位置調整機構としては、例えばジョイスティックが例示されるが、他の公知の手段を用いても構わない。続くステップS1305で、撮像者がオートフォーカス機能を起動する起動ボタン708をクリックすると、ステップS1306において、眼底撮像装置はWF−SLOのオートフォーカスを開始する。
オートフォーカスが一旦終了した後、ステップS1307で撮像者がWF−SLO記録開始ボタン709をクリックする。この操作に応じて、ステップS1308では、眼底撮像装置が改めてWF−SLOのオートフォーカスを行い、当該操作終了後に、WF−SLO静止画が取得される。このWF−SLO静止画は、WF−SLO静止画表示画面705に表示される。
これと同時に、後述する追尾操作(トラッキング)を開始する。ステップS1309では、WF−SLO静止画表示画面705にWF−SLO静止画が表示される。また、この表示の操作と共にトラッキングONボタン710が点灯し、操作者にトラッキングがONになっている事を通知する。
ステップS1310では、撮像者による固視標位置画面702での指標の移動およびクリック、もしくは、WF−SLO静止画表示画面705上で指標の移動およびクリックによって、AO−SLOにより撮像する眼底上の位置を指定する。ステップS1311では、眼底撮像装置が、この位置の指定に対応した固視標の提示位置の変更を行う。この際、フォーカスが所望の層に追従するように、WF−SLO201におけるオートフォーカスが再度行われ、フォーカス状態の追従も行われる。
ステップS1312では、WF−SLO静止画表示画面705の表示画像、これに重畳表示されるAO−SLO撮像枠900、およびAO−SLOリアルタイム表示画面704の画像を見ながら、撮像者がステアリング操作ボタン714をクリックする。このクリックによって、AO−SLOの撮像位置を調整する。また、この操作に伴って、AO−SLOフォーカス調整ボタン712および713をクリックして、AO−SLOのフォーカス位置を調整する。更にこれら動作に対応して、ステップS1313では、眼底撮像装置が、AO−SLOの撮像位置とフォーカス状態とを変更、調整する。
これらの調整の後に、ステップS1314で、撮像者がAO−SLO記録開始ボタン716をクリックすると、ステップS1315で、眼底撮像装置は高精細な画像を得るために画角を縮小すると共に画素ピッチを狭める。その後、ステップS1316からS1319の、AO−SLO撮像位置の変更、AO−SLO画像の取得、AO−SLO画像の位置合わせ、およびAO−SLO静止画の表示、の操作が繰り返される。以上により、ステアリング動作を用いた撮像位置の変更と、AO−SLOによる静止画記録、撮像した画像の位置合わせ、位置合わせ後の画像の結合、AO−SLOによる静止画の表示が繰り返される。これらの撮像操作の繰り返しが完了すると、ステップS1320にて一連の撮像が終了する。
次に、眼の運動に伴って継時的に移動する眼底における撮像領域の位置変化を検知して、この位置変化を補正するように照明光の向きを変更して、撮像位置(照明光の走査位置)を補正する追尾機能について説明する。
まず、従来の追尾機能を動作させた場合についての処理手順を、図3に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここで述べる処理は、追尾制御部202によって制御、実行される。
ステップS100で、追尾機能を動作させる眼底追尾プログラムを開始する。続くステップS101で、WF−SLO201を用いて、図2に示すWF−SLO画像の全体を画像化した基準画像305を取得する。更に、ステップS102で、WF−SLO201を用いて、被検出画像306−1を取得する。本例において、被検出画像306−1は、WF−SLO画像(基準画像305)の一部の領域となっている。被検出画像306−1の取得後、ステップS103で、基準画像305と被検出画像306−1との相対的な位置ずれを検出する。検出アルゴリズムは、位相限定相関法を用いる。
なお、本例では位相限定相関法を用いているが、検出アルゴリズムは他の如何なる方法でも構わない。相対的な位置ずれの検出結果は、図2中のX方向(眼底の水平方向)の検出値ΔXと、Y方向(眼底の鉛直方向)の検出値ΔYとして求められる。AO−SLOにおける追尾動作において、これら検出値は、WF−SLOにおける測定光の照射位置の補正ではなく、AO−SLOにおける測定光の照射位置の補正に用いられる。ステップS104では、検出したΔXをAO−SLOのスキャナー109-1が眼底に照明光105を照射する際の位置補正の補正値として指令し、ΔYをAO−SLOのスキャナー109−2の位置補正の補正値として指令する。これによって、AO−SLOの撮像位置は、眼の運動に対してX方向(眼底の水平方向)もY方向(眼底の鉛直方向)も補正され、撮像位置の追尾ができる。
ステップS104での処理が終わると、フローはステップS102に移行して、この追尾する操作を繰り返す。この繰り返しの際には、被検出画像306−2、306−3、306−4、および306−5と示される順に、被検出画像を次々に変更していく。被検出画像306−5に対する処理が終了すると、被検出画像306−1に対応する画像を新たな被検出画像とするように画像の取得位置が基に戻る。その後、被検出画像306−2、3、4、および5に対応する位置での画像取得とその後の処理とが順次実行される。即ち、被検出画像306の位置を変更していく動作を、被検出画像306−1〜306−5各々に対して順次繰り返す。
ここで述べた例では、WF−SLO画像のフレーム更新期間をTとすると、撮像位置のずれの検出およびAO−SLOにおける照明光105の照射位置に対する位置補正の指令が、更新期間Tの間に5回できる。被検出画像として基準画像305と同様の撮像範囲の画像を用いるのではなく、このように被検出画像306をWF−SLO画像の一部とする事で、位置ずれの検出および位置補正の指令の出力の単位時間当たりの頻度を増やすことが可能となる。これにより、眼の動きに対して追尾する際の時間遅れを短くする効果が得られ、眼の動きに対する追尾の残差を小さくする効果が得られる。
ステップS102からS104の操作の繰り返しと並行して、AO−SLOを用いたAO−SLO画像の取得が行われる。以上で述べた追尾機能が通常通り動作し、眼の動きに対しスキャナー109−1、2による照明光105の照射位置が追従していれば、このΔXおよびΔYを用いたAO−SLO画像の取得においても適宜照射位置の補正が実行される。従って、良好なAO−SLOの画像が得られる。AO−SLO画像が取得されるまで上述した繰り返しは行われ、ステップS105にて、眼底追尾プログラムを終了する。
ここで、従来の追尾機能について、詳細に説明する。
図4は、眼の動き400、AO−SLO画像の撮像可能な範囲500、およびAO−SLO画像の撮像画角501の関係を模式的に表した図となっている。同図において、眼の動き400の軌跡は、矢印によって模式的に表されている。なお、実際には、被検眼眼底におけるAの位置にある点(撮像画角501Aの中心)がこの矢印に沿って観察画面上を移動している。これに対して、AO−SLOの撮影光学系等は被検眼に対して動いておらず、従って撮像可能な範囲500も位置移動を行わない。
ここで、眼の不随意的な動き400には、トレマ401、ドリフト402、フリック403、およびサッケード404といった種類がある。トレマ401は、被検眼の非常に小さな振幅の高周波の動きである。ドリフト402は、被検眼の小さな滑らかな動きである。フリック403は、被検眼の小さな跳ぶような動きである。サッケード404は跳躍運動とも呼ばれ、被検眼の大きな跳ぶような動きである。
AO−SLOによる撮像可能な範囲500は、同図において、眼底上でL×Lのサイズとなっている。光学系の構成によってこの範囲500外の画像を得ようとすると、眼底からの反射光の画像情報が部分的に無くなってしまう所謂ケラレの発生や、光学系の収差が大きい部分を経た光に基づいた画像化が生じる。その結果として、生成される画像では、著しい画質の劣化が起こり得る。なお、ここで示す例では、AO−SLOにおける撮像画角501は、眼底上でM×Mのサイズとなっている。
従来の追尾機能では、ステップS100の眼底追尾プログラムが開始されると、その直後のステップS101で取得されるWF−SLO画像が基準画像305になる。その際、不図示の固視標の提示によって被検眼の固視が促されており、基準画像305は眼底上の所望の範囲における略中心部の画像として得られる。そして、基準画像取得時においてAO−SLOによって画像を得ようとする撮像位置は、同様の固視標の提示によって撮像画角501A内の点、より理想的には撮像位置中心が点Aの位置に存在することを前提とし、以降の追尾のプログラムは、この基準画像305が取得され、且つAO−SLOの撮像位置が画角501Aとなっていることを前提として実行される。
しかし、実際には、基準画像取得時の瞬間の眼の動きが、眼の動き400の内のいずれの位置にあるかは不定である。即ち、基準画像305の取得時に、AO−SLOにおいて撮像すべき撮像画角が不随意運動により意図した画角501Aの位置からずれる可能性が有る。具体的には、撮像中心が、点Aの位置ではなく、図4に示される点Bの位置(画角501B)や、点Cの位置(画角501C)、或いは点Dの位置(画角501D)に存在している可能性がある。即ち、この点Bの位置や点Cの位置に画像を得るべき撮像画角501が存在する状態で得られたWF−SLO画像を、基準画像として追尾プログラムの目標位置に設定してしまうことが実際には起こり得る。
この場合、WF−SLO201およびAO−SLOの装置側で定められた撮影用のフレームは動かないが、サッケード等によりフレーム内に存在する眼底の領域は動いてしまう。従って、サッケード発生時においてAO−SLOで撮像する撮像画角の中心は、サッケードが生じて本来意図してない眼底の領域に対して取得したWF−SLO画像を基準として定めた撮像可能な範囲500における点Aの位置となる。その結果、本来得ようとしていた画角501Aに対応する眼底の領域はAO−SLOで撮像可能な範囲500の外にはみ出してしまい、良好な追尾が行われない。また、はみ出した領域では得た画像情報に基づいて画像を生成するため、著しい画質の劣化がおこってしまう。ここで、追尾を精度よく行おうとした場合、より細かく位置補正を行うために撮像可能な範囲500の寸法であるLの値を撮像画角501の寸法のMに対して相対的に小さくすることも考えられる。しかし、撮像可能な範囲500の寸法のLに対して、撮像画角501の寸法のMが占める割合が大きいと、ここで述べた画角のはみ出しといった問題の発生頻度が大きくなる。
また、上述したように、AO−SLOには撮像箇所を調整するためのステアリングと呼ぶ機能を有している。上述したように、ステアリングでは、スキャナー109−1、2による照明光105の照射位置にオフセット値を重畳させる事で、撮像位置を任意に調整する機能である。予め、撮像する複数の位置の撮像位置が決まっている場合に、この撮像位置の情報を基にステアリングによってスキャナー109−1、2による照明光105の照射位置を変えることができる。よって、被検者に目を意図的に動かしてもらうことなく、スキャナー109−1、2各々の位置を変えて複数の撮像位置での撮像を自動で行う事が可能となる。また、撮像者の意図と異なる位置が撮像されている時にも、このステアリングの機能を用いて、撮像位置の調整を行う事もできる。
しかし、例えば、眼の動き400の中で点Dの位置の時にWF−SLO画像の基準画像305が設定されると、図中Y方向のステアリングと追尾とを合わせて行える照射位置調整の許容量は図中のHの量に制限されてしまう。ここで、点Dの位置での図中Y方向の位置をJとすると、H=(L−M)/2−Jの式が成立する。
例えば、撮像可能な範囲のY方向の寸法Lに対して、撮像画角のY方向の寸法Mが寸法Lの50%で、Y方向の寸法Jが寸法Lに対して20%だとする。この場合、ステアリングと追尾とを合わせた照明光照射位置の補正の許容量Hは、撮像可能な範囲におけるY方向の寸法Lの5%と小さくなってしまう。
以上を勘案した本実施例で用いる追尾機能について、次に説明する。図5は、本実施例に係る追尾機能の動作時の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図に示す一連の処理は、追尾制御部202によって制御され、実行される。
ここで、本実施例の特徴部分はステップS202〜S206において実行される処理である。具体的には、本実施例の特徴は、眼の動きを検出してデータとして格納し、眼の動きの略中心位置を演算し、この中心位置を追尾機能の動作時における目標位置として設定することにある。
以下、フローチャートにおける各処理について説明する。ステップS200で、追尾機能を動作させる眼底追尾プログラムを開始する。続くステップS201で、WF−SLO201を用いて、図2に示すWF−SLO画像の全体を画像化した基準画像305を取得する。更に、ステップS202で、被検出画像306−1を取得する。本実施例において被検出画像306−1は、WF−SLO画像(基準画像)の一部の領域となっている。被検出画像306−1の取得後、ステップS203で、基準画像305と被検出画像306−1の相対的な位置ずれを検出する。検出アルゴリズムは、位相限定相関法を用いる。
即ち、ステップS201では、被検眼眼底における基準画像305に対応する所定の撮像範囲の画像を、該眼底の動きを測定する際の基準画像として取得する。この操作は、WF−SLO201および制御部117を含む取得手段と機能する諸構成により実行される。ステップS202では、所定の撮像範囲の内に含まれる領域として、異なる時間に各々取得される複数の被検出画像である306−1〜306−5を取得する。この操作も、WF−SLO201および制御部117を含む諸構成により実行される。なお、ここでは被検出画像は基準画像305をY方向に並ぶ複数の帯状に分割して得ているが、被検出画像の抽出様式はこれに限定されない。時分割的に所定の撮像範囲の領域より被検出画像を抽出、取得することとし、その際に連続して同じ領域の画像を得なければよい。ステップS203では、基準画像305とのこれら被検出画像各々との位置ずれを検出する。この操作は、制御部117におけるずれ検出手段として機能する構成により実行される。
なお、本実施例では位相限定相関法を用いているが、検出アルゴリズムは他の如何なる方法でも構わない。相対的な位置ずれの検出結果は、図2中のX方向(眼底の水平方向)の検出値ΔXと、Y方向(眼底の鉛直方向)の検出値ΔYとして求められる。ステップS204では、検出値のΔXとΔYを追尾制御部202の所定のデータ格納領域に格納する。格納後、フローはS202に戻り、次の被検出画像306−2を取得する。以下、ステップS203およびS204において、被検出画像306−1の場合と同様の操作が実行される。即ち、ステップS202〜S204の各操作を被検出画像306の範囲を変更しながら繰り返し、眼の動きのデータをデータ格納領域に蓄積する。蓄積する期間や回数は、例えば1秒間であったり、例えば100サンプリングであったりと任意でよい。
任意の数のデータを蓄積した後、ステップS205で、これら相対的な位置ずれのデータより、図4の中におけるX方向およびY方向での略中心位置を演算する。即ち、ステップS204において検出された位置ずれに対して以降に詳述する統計処理を施すことにより、基準画像305におけるずれの中心位置を演算する。この操作は、制御部117および追尾制御部202において演算手段として機能する構成において実行される。
なお、本実施例においてこの略中心位置の座標を演算する際に用いた統計処理における演算アルゴリズムは、平均化処理である。しかし、本実施例では平均化処理を用いたが、略中心位置を求めるものであれば、如何なる演算アルゴリズムでも構わない。例えば、中央値を演算しても、最頻値を演算してもよいし、メジアンランクを採用してもよいし、二乗平均平方根でもよい。位置を滞在時間で積分して平均化処理をしてもよい。また、各々の演算の際に、如何なるフィルタを適用してもよい。空間的なフィルタ処理を入れても、時間的なフィルタ処理を入れても、検出値の絶対値に対してでも、周波数成分に対してカットオフフィルタ処理やバンドパスフィルタ処理や移動平均処理を入れてもよい。即ち、蓄積された相対位置或いは相対的な位置ずれの各データに対して統計処理に基づくこれらの演算を行うことで、図4中の眼の動きの略中心として、被検眼における点Aの位置を特定することができる。
点Aの位置を特定後、ステップS206で、追尾の操作における目標位置を、X座標をX0に、Y座標をY0に設定する。即ち、以降の追尾操作における基準画像を、このX0、Y0を中心とするWF−SLOの全体画像に設定する。これにより、追尾機能の目標位置が、眼の動きの略中心に設定される。AO−SLO画像の眼底での撮像可能な範囲500は、この基準画像における座標中心(X0、Y0)に基づくXY座標系において指定される。その際、指定される座標は、撮影可能な範囲500の中心であり且つ撮像画角501Aの中心の点Aの位置として指定される。従って、AO−SLOにおいて画像を得る際に随時位置補正する場合における初期画像の取得位置が撮像画角501Aで得られる画像となる。
以降、ステップS207で被検出画像306を取得し、ステップS208で目標位置を中心として生成される基準画像305と被検出画像306の相対位置を演算する。この演算の方法は位相限定相関法を用いる。検出アルゴリズムは他の如何なる方法でも構わない。即ち、ステップS207以降、中心位置が演算による取得後は、その後に得られる被検出画像306とこの中心位置とに基づいて画像の取得位置(照明光の照射位置)の補正が行われる。この操作は、追尾制御部202において取得位置補正手段として機能する構成により実行される。相対位置の検出結果は、図2中のX方向(眼底の水平方向)の検出値ΔXと、Y方向(眼底の鉛直方向)の検出値ΔYである。
ステップS209で、ΔX+X0を補正後のスキャナー109−1による照明光105の照射位置として指令し、ΔY+Y0をスキャナー109−2による照明光105の照射位置として指令する。これによって、AO−SLOの撮像位置は、眼の運動に対して、X方向(眼底の水平方向)についてもY方向(眼底の鉛直方向)についても追尾の操作が実行できる。ステップS209が終わると、フローはステップS207に戻り、ステップS207〜S209の操作が繰り返される。この際、被検出画像306の位置を、306−1〜306−5の中で変更して、各々の画像取得に応じて追尾の操作を繰り返す。
この操作は従来の追尾機能と同様であり、本実施例では基準画像として用いる画像が従来と異なっている。このように被検出画像を基準画像内で細かく分割して得る操作によって得られる効果は、従来の追尾機能と同様である。即ち、眼の動きに対して追尾する際の時間遅れを短くし、眼の動きに対する追尾の残差を小さくするという効果が得られる。
ステップS207からS209の操作の繰り返しと並行して、AO−SLOを用いて、画像を取得する。本実施例によれば、良好な画質のAO−SLO画像が安定して得られる撮影可能な範囲500の略中心位置に撮像すべき撮像画角501を設定した上で追尾機能が働くことにより、眼の動きに対し追尾機能が効果的に働いて良好なAO−SLO画像が得られる。
所望のAO−SLO画像の取得後、追尾を行う必要が無くなり、ステップS210にて眼底追尾プログラムを終了する。
ここで、本実施例で用いる追尾機能の効果について説明する。
上述したように、従来の追尾機能では、眼の動き400の中で点Dの位置の時に得られるWF−SLO画像を基準画像305と設定する場合が起こり得た。この場合、図4中のY方向のステアリングと追尾を合わせた位置補正の許容量は、図中のHの量に制限されてしまっていた。本実施例で用いた追尾機能では、AO−SLOにおいて眼の動きが撮影可能な範囲500の略中心の図4における点Aの位置にある時に、WF−SLOにおける目標位置を定める画像を得ることが可能となっている。
この場合、図4中におけるY方向のステアリングと追尾を合わせた照明光105の照射位置補正のための許容量は、図中のIの量に拡大する事ができている。即ち、I=(L−M)/2の数式が成立する。従来の追尾機能ではH=(L−M)/2−Jであったので、本実施例に係る追尾機能によればステアリングと追尾とを合わせた上述した許容量はJ(=I−H)だけ拡大できている。
例えば、撮像可能な範囲500のY方向の寸法Lに対して、撮像画角のY方向の寸法Mが50%で、Y方向の許容量となる寸法Jがその20%だとする。この場合、従来の追尾機能では、ステアリングと追尾を合わせた位置補正の許容量Hは、寸法Lの5%と小さくなってしまう。これに対して、本発明の追尾機能を適用すると、ステアリングと追尾とを合わせた位置補正の許容量Iは、寸法Lの25%を確保できる事になる。AO−SLOでは、演算されたWF−SLO基準画像の中心位置に上述したオフセット量を加えて、所定の範囲の基準画像内において取得しようとする画像の位置を設定する。この場合、本実施例によれば追尾およびオフセットの操作において十分な余地を保持してこれらを実行することが可能となる。
なお、以上に述べた効果では、図4中におけるY方向での効果についてのみの説明とした。しかし、本実施例では、X方向についても、追尾機能の目標位置を眼の動きの略中心に設定できる。従って、X方向についてもステアリングと追尾とを合わせた照明光の照射位置の位置補正の許容量の増加が可能であり、Y方向の場合と同様の効果が得られる。
ここで、装置の光学系の構成などによって、撮像可能な範囲は限られている。この範囲を超えた場合は、眼底からの反射光の画像情報が無くなってしまうケラレや、光学系の収差が大きい部分を経た光を基に画像化してしまうことにより、著しい画質の劣化が起こってしまう。本発明が課題とするように、眼が大きく動いたときの画像を基準画像とし、追尾の目標位置が該画像に対して設定された場合、この目標位置が撮像可能な範囲の外になってしまう。装置の撮像可能な範囲が限られる中で、このような目標位置の設定が行われた場合には、ケラレが想定より大きくなる、収差の大きい情報が極端に増加する等が生じ、当然良好な画像は得られない。
これに対し、上述したように、本実施例では固視微動の略中心の位置の情報を得て、この略中心の位置を追尾の目標位置と設定し、これにより意図した撮像位置の画像を得る事が可能となっている。従って、撮像する範囲を、装置の撮像可能な範囲に確実におさめることが可能となり、その結果としてケラレや画質劣化といった問題も回避することが可能となる。即ち、本実施例に係る構成により、眼が大きく動いた場合の位置に基づいて追尾の目標位置が設定されることによって生じる可能性が有る画質低下を抑制できる。
なお、上述した実施例では、眼底画像の取得、被検出画像との位置ずれ検出、および中心位置の演算をWF−SLO201により取得された画像に基づいて実行している。また、第二の画像取得手段としてのAO−SLOにおける画像取得位置の補正を、該中心位置と中心位置の演算後に得られる被検出画像とにより行っている。
[実施例2]
実施例2は、実施例1と同様で、眼の運動に伴って継時的に移動する眼底における撮像領域の位置変化を検知して、この位置変化を補正するように照明光の向きを変更して、眼底での撮像位置を補正する追尾機能を、眼底撮像方法および装置に配している。
以下、本発明の実施例2について、主に実施例1と異なる点について、説明する。本実施例では、実施例1において当初得ていた基準画像に関して、座標(X0、Y0)を求める際に、目標位置を設定した後で相対位置を得る際に用いる基準画像の画質を同時に向上させておく点において異なっている。なお、本実施例2に係る眼底撮像装置における構成は実施例1の装置構成と同じであるため、ここでの説明は省略する。以下、本実施例について、追尾機能を動作させた場合の処理手順を示すフローチャートである図6を用いて説明する。
ステップS300で、追尾機能を動作させる眼底追尾プログラムを開始する。続くステップS301で、WF−SLO201を用いて、図2に示すWF−SLO画像の全体を画像化した基準画像305と同等の基準元画像を取得する。なお、本実施例では、基準画像の元となる画像の取得を繰り返した後にこれら画像に基づいて実施例1の基準画像を決定することから、ステップS301にて取得する画像を以下では基準元画像と称する。
ステップS302では、取得した基準元画像の画質が良好か否かを判定する。画質が不良であれば取得画像を基準元画像に適さないとしてフローはステップS301に戻り、基準元画像の再取得を行う。このステップS301およびS302の操作は、良好な基準元画像が得られるまで繰り返される。後述するステップS305では相対位置の演算を行うが、その際に基準元画像の画質が不良であると、相対位置の演算の精度不良が起こってしまう。本実施例では、この精度不良の発生を防ぐために、画質指標を用いて適当な画質を有する画像を選別し抽出することとしている。
なお、本実施例では、基準元画像の平均輝度が所定値以上になっているか否かによって画質の判定を行っている。しかし、画質の判定はこの方法によらず、この他に、コントラストやヒストグラムやノイズの量が良好かで判定してもよく、その他の画質指標を用いてもよい。
基準以上の画質を有する基準元画像が得られると、フローはステップS303に進みこの基準元画像が格納される。続くステップS304では、実施例1のステップS202と同様に、被検出画像306−1を取得する。ステップS305で基準元画像に対する被検出画像306−1の相対的な位置ずれの演算を行う。相対的な位置ずれは、図2中のX方向(眼底の水平方向)の検出値ΔXと、Y方向(眼底の鉛直方向)の検出値ΔYとして求められる。ステップS306では、演算された相対的な位置ずれ量であるΔXとΔYを追尾制御部202の所定のデータ格納領域に格納する。
ずれ量格納後、ステップS307で相対的な位置ずれの演算が十分に行われたか否かを判定する。本実施例では、演算回数が所定の量以上であるか否かを以て判定している。
なお、判定の基準は演算の回数に限定されず、他の基準であってもよい。例えば、所定の時間演算を行ったか否かで判定してもよいし、相対位置の時間周波数が所定の範囲の時間周波数を網羅するかで判定してもよい。或いは、眼の動きをよりよく捉えるための、他の判定基準を用いてもよい。
ステップS307において相対的な位置ずれの演算がまだ不十分であると判定されると、フローはステップS304に戻り、ステップS304〜S307の操作を繰り返す。この際、実施例1と同じく、被検出画像306−1を被検出画像306−2の位置の画像へと変更する。
ステップS307で相対的な位置ずれの演算が十分に行われたと判定されると、フローはステップS308に移行する。ステップS308で、基準元画像の格納数が十分か否かを判定する。後述するステップS310およびS311では、複数の基準元画像のお互いの相対位置を補正して、これら基準元画像の群の重ね合せ処理をする。この際に、用いる基準元画像は、十分にランダムノイズを低減する枚数とする必要がある。本実施例では、基準元画像の格納数が16枚以上の条件を満たせば、フローはステップS309に移行することとしている。また、条件を満たさない場合には、フローはステップS301に戻って、条件を満足するまで、ステップS301〜S308の操作を繰り返す。
ステップS309では、格納された基準元画像同士の相対的な位置ずれを演算する。ステップS310では、ステップS309の演算結果に基づいて、基準元画像同士の相対的な位置ずれを補正して、重ね合せ処理を行う。これにより、各々の基準元画像が有するランダムノイズが打ち消し合い、ノイズの低減が実現できる。ステップS311では、重ね合せ処理を行うことで得られた画像を基準画像に設定する。
これによって、後述するステップS315で実施する基準画像と被検出画像との相対的な位置ずれの演算時に、ノイズが低減されて画質が向上した基準画像を用いる事ができる。従って、相対的な位置ずれの演算の精度が向上する。
以降に実行されるステップS314からS317の操作は、実施例1におけるS207からS210で行われる操作と同様である。従って、ここでは、その説明を省略する。
本実施例では、基準元画像を位置合わせした上で、重ね合せてランダムノイズの低減を実施し、その結果として基準画像を得ている。しかし、位置合わせを省いた場合であっても、重ね合せの処理を行えばランダムノイズの低減効果は減ってしまうものの、基準画像の画質向上といった効果は得られる。
[実施例3]
実施例3は、実施例1と同様で、眼の運動に伴って継時的に移動する眼底における撮像領域の位置変化を検知して、この位置変化を補正するように照明光の向きを変更して、眼底での撮像位置を補正する追尾機能を、眼底撮像方法および装置に配している。実施例3では、これら追尾機能を活用して、複数のAO−SLO画像を効率的に取得し、これにより合成画像を相対的に短い時間で得るものである。
以下、本発明の実施例3について説明する。本実施例では、実施例1で述べたステアリングでの撮影手順と、それに関係した眼底追尾プログラムにおける基準画像の設定方法が特徴となっている。なお、本実施例3に係る眼底撮像装置における構成は実施例1の装置構成と同じであるためここでの説明は省略する。
図7は、本実施例で得られるAO−SLOの画像の画角を模式的に表した物である。
AO−SLOの撮像1回の画角600に対して、ステアリングを用いて撮像部位を移して4か所の撮像(画角600−1〜600−4での撮像)を行っている。画角600−1〜600−4は、図中の領域602で重なり合っている。この領域602の画像を用いて、画角600−1から600−4の位置合わせを行い、画像を結合する事で、結合画像601を得ている。結合画像601は、ディスプレイ118に提示される。このような画像の結合より、より広い画角のAO−SLOの画像が得られる。本実施例では、各々の画角600を撮像する際に、実施例1で述べた追尾機能を動作させる眼底追尾プログラムを用いている。より詳細には、撮像位置を切り替える毎に、追尾操作で用いる基準画像と目標位置とを順次設定している。
以下、本実施例について、追尾機能を動作させた場合の処理手順を示すフローチャートである図8を用いて説明する。なお、図5に示した実施例1における追尾処理の各ステップと同様のステップに関しては、同様の参照番号を付記することとしてここでの詳細な説明を省略する。
本実施例におけるステップS200〜S209で行われる操作は、実施例1の場合の操作と同じである。ステップS207〜S209の操作が繰り返される間は、図4における点Aの位置を基準として、スキャナー109−1、109−2によるAO−SLO画像の取得のための照明光105の照射位置の補正が行われている。
この状態で、ステップS211において撮影位置(画角600)が設定される。ステップS212では、例えば設定された撮影位置である画角600−1に対応するように、スキャナー109−1、109−2各々のオフセット量を演算し、各々に対する位置指令にその演算結果が反映される。この際の演算では、光学系の収差による撮影位置の変化も反映させることが好ましい。
位置指令に応じてスキャナー109−1、109−2が照明光105の照射位置を変更した後、ステップS213において、設定された撮像画角600−1での眼底画像の撮像を行う。ステップS214では、全ての撮像位置の撮像が完了したかを判定する。本実施例の場合には、図7に示す撮像位置の全て(撮像画角600−1〜600−4)での撮像が完了しているか否かが判定される。完了していなければ、ステップS211に戻り、撮像位置を次の位置に変更して、その後ステップS211〜ステップS213の操作を繰り返す。全ての撮像位置(画角600)が撮像されているとステップS214で判定されると、フローはステップS215に移行する。
ステップS215では、取得した画像(画角600−1〜4)の全てについて画像処理を行って結合し、結合画像601を生成する。結合画像601が生成された後、フローはステップS210に移行し、追尾プログラムを終了させる。
本実施例によれば、4か所の撮像位置の画像を撮像する場合であって、基準画像の設定や追尾機能の目標位置の設定は1回となっている。従って、4か所の撮像ごとにこれらをする方法よりも、処理コストが少なく、トータルの撮像時間が少なくなっている。これにより、被検者の撮像に関わる拘束時間を小さくできる。
[実施例4]
実施例4も、実施例3と同様に追尾機能を活用して、複数のAO−SLO画像を効率的に取得し、これにより合成画像を相対的に短い時間で得るものである。本実施例は、実施例3とは、撮像位置(画角600)を変更するたびに、基準画像と追尾操作において決定される目標位置とを再設定している点で異なっている。
以下、本実施例について、追尾機能を動作させた場合の処理手順を示すフローチャートである図9を用いて説明する。なお、図8に示した実施例3における追尾処理の各ステップと同様のステップに関しては、同様の参照番号を付記することとしてここでの詳細な説明を省略する。
本実施例では、ステップS213で所定の位置(画角600−1に対応)でのAO−SLO画像の撮像がなされた後に、ステップS214で全ての撮像位置(画角600−1〜600−4)の撮像が完了したか否かを判定する。完了していなければ、フローはステップS211に戻り、撮像位置を次の画角に対応する位置に変更して、ステップS211以降の操作を繰り返す。この際、ステップS201〜206の操作によって、基準画像取得と追尾機能による目標位置の再設定とが実行される。
基準画像を設定してから、時間が経過してしまうと、WF−SLO画像の画質が変化し、その影響により位置検出の精度が低下することが考えられる。本実施例では、実施例3との場合と比較し、AO−SLO画像を撮像するタイミングに時間的に最近の基準画像を用いることで、位置検出の精度を向上させる効果を得ている。また、同様に、眼の動きについても最近の情報を得る事が可能となり、追尾操作に要する時間の短縮化の効果も期待できる。
[その他の実施例]
上述した実施例では、追尾機能で作用させるスキャナーとして、主走査用と副走査用に2つのガルバノスキャナー109−1、2を用い、これらによる照明光105の照射位置を変更させた。
これとは異なり、主走査用のスキャナーとして、共振スキャナーを用いる例もある。該共振スキャナーは走査速度が高速である反面、所定の周期を有する往復運動しかできず、眼の動きの様々な周波数(DC成分を含む)に応じて動かす事ができない。このため、追尾機能のために、主走査の方向に動作するガルバノスキャナーを追加する例がある。この構成においても、上述した実施例の構成や方法を適用することで、同様の効果が得られる。
また、追尾機能で除去できなかった眼の動きの成分の補正のために、画像を取得した後に、画像処理による位置合わせ(レジストレーションとも言う)を実施する例もある。これにより、画像同士の相対位置のずれを小さくでき、重ね合せた時の位置ずれによって画像がボケる等の現象の防止が行える。
なお、上述した実施例では、眼底画像の取得、被検出画像との位置ずれ検出、および中心位置の演算をWF−SLO201により取得された画像に基づいて実行している。また、第二の画像取得手段としてのAO−SLOにおける画像取得位置の補正を、該中心位置と演算後に得られる被検出画像とにより行っている。しかし、基準画像等の取得はWF−SLOによらず種々の眼底画像を得る装置によって取得可能であり、第二の画像取得手段もAO−SLOに限定されない。また、照明(測定)光を走査する走査型レーザ検眼鏡のAO−SLOとして実施例を挙げたが、光干渉断層像を取得できるOCTに対しても本発明は適用可能である。即ち、OCTにWF−SLOを付加的に設けて、本発明の追尾機能を持たせることでも同様の効果を得る事ができる。
また、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、更に種々の変形、変更を行って実施することも可能である。例えば、上述した実施例では、被検査物が被検眼眼底の場合について述べているが、被検眼の眼底以外の部位であってもよい。また、被検眼眼以外の皮膚や臓器等の被検査物であっても、高精細狭画角の画像の取得と、その追尾に用いるために低精細広画角の画像を取得する構成であれば本発明を適用することが可能である。この場合、本発明は眼科装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科装置に例示される検査装置として把握され、被検眼は被検査物の一態様として把握されることが望ましい。
また、本発明は、上述した実施例の機能(例えば、上述した各部の処理を各工程に対応させたフローチャートにより示される処理)を実現するソフトウェアのプログラムコード、或いはこれを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても実現できる。この場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が、コンピュータが読み取り可能に記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することにより、上述した機能を実現することもできる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によって実現することもできる。
101:光源
108:波面補正装置
109:走査光学系
111:被検眼
114:光強度センサー
115:波面測定装置
116:補償光学制御部
117:制御部
201:WF−SLO
202:追尾制御部
305:基準画像
306:被検出画像

Claims (11)

  1. 被検査物の所定の撮像範囲の画像を、前記被検査物の動きを測定する際の基準画像として取得する工程と、
    前記基準画像として取得する工程とは異なる時間において取得される複数の被検出画像と、前記基準画像との位置ずれを検出する工程と、
    前記位置ずれを検出する工程によって検出された位置ずれに統計処理を施して前記位置ずれの中心位置を演算する工程と、
    前記中心位置と、前記中心位置を演算する工程の後に得られる前記被検出画像とに基づいて前記被検査物の画像の取得位置を補正する工程と、を含むことを特徴とする撮像方法。
  2. 前記被検査物の画像の群を重ね合せて前記基準画像を得る重ね合わせる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像方法。
  3. 前記画像の群における各々の相対位置のずれ量を演算して前記ずれ量を補正する工程を含み、前記重ね合せる工程は前記補正する工程の後に行われることを特徴とする請求項2に記載の撮像方法。
  4. 前記画像の群は、複数の前記被検査物の画像より画質指標を用いて抽出された画像からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像方法。
  5. 前記中心位置にオフセット量を加えて、前記所定の撮像範囲の内において取得しようとする画像の位置を設定する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像方法。
  6. 前記被検査物の画像を得る工程は、照明光を前記被検査物の上で走査する工程と、前記被検査物からの前記照明光の反射光の強度を検出する工程と、前記強度を基に画像を生成する工程とを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像方法。
  7. 前記反射光の波面分布を検出する工程と、前記波面分布を補正する工程と、を含むことを特徴とする請求項6に記載の撮像方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  9. 被検査物の所定の撮像範囲の画像を、前記被検査物の動きを測定する際の基準画像として取得する画像取得手段と、
    前記基準画像として取得する取得手段とは異なる時間において取得される複数の被検出画像と、前記基準画像との位置ずれを検出するずれ検出手段と、
    前記ずれ検出手段によって検出された位置ずれに統計処理を施して前記位置ずれの中心位置を演算する演算手段と、
    前記中心位置と、前記演算手段の後に得られる前記被検出画像とに基づいて前記被検査物の画像の取得位置を補正する取得位置補正手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
  10. 前記画像取得手段とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得手段を有し、
    前記取得位置補正手段は、前記中心位置と、前記中心位置の演算後に得られる前記被検出画像とに基づいて前記第二の画像の取得位置を補正することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
  11. 前記被検査物は眼の眼底であって、
    前記画像取得手段は前記眼底において前記所定の撮像範囲の前記基準画像、および前記所定の撮像範囲を所定の数に分割して得られる領域の画像である被検出画像を取得し、
    前記第二の画像取得手段は、照明光を前記眼底の上で走査して前記所定の撮像範囲より狭い画角で前記基準画像より高精細な画像を得ることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
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