JP2017125527A - 流路構造体及び流路構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】流路構造体を構成する部材を高精度に位置合わせし、所定の位置に固定すること。
【解決手段】蓋部材440との間で液体を貯留する液体室511を形成する第1凹部120と、第1凹部120の底面141に形成され液体の流路となる第1の孔111とを有する第1部材110と、底面141と当接する当接面220と、第1の孔111を露出させ液体の流路となる第2の孔211とを有する第2部材210と、を含み、第1部材110は、底面141に沿った方向における第2部材210の位置を決定する第1内壁面121を有することを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】蓋部材440との間で液体を貯留する液体室511を形成する第1凹部120と、第1凹部120の底面141に形成され液体の流路となる第1の孔111とを有する第1部材110と、底面141と当接する当接面220と、第1の孔111を露出させ液体の流路となる第2の孔211とを有する第2部材210と、を含み、第1部材110は、底面141に沿った方向における第2部材210の位置を決定する第1内壁面121を有することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、バルブユニットなどに適用可能な流路構造体、及び当該流路構造体の製造方法に関する。
例えば、液体(インク)を液滴(インク滴)として紙や記録シート等の記録媒体に噴射し、記録媒体に印刷を行うインクジェット式記録装置が知られている。
このようなインクジェット式記録装置には、インクタンクなどの液体貯留手段からチューブ等の供給管を介してインクジェット式記録ヘッドにインクが供給され、液体貯留手段から供給されたインクがインクジェット式記録ヘッドのノズル開口からインク滴として噴射されるものがある。また、液体貯留手段から供給されたインクがインクジェット式記録ヘッドに所定の圧力で供給されるように、インクの流路の途中に圧力調整弁であるバルブユニットが設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
バルブユニットは、弁座と、弁体とを具備し、弁体が弁座に当接することによりインクの流路を閉弁し、弁体が弁座から離間することでインクの流路を開弁するようになっている。このような弁座と弁体との開閉(離当接)は、下流側の流路の圧力によって行われる。
このようなバルブユニットでは、弁座と弁体とが開閉(離当接)を繰り返すことにより、弁座と弁体とが当接する領域(以降、当接領域と称す)にインクが堆積し、インクのリークが発生するおそれがある。このため、特許文献1に記載のバルブユニットでは、弁座の当接領域に撥水処理を施し、インクの堆積を抑制している。詳しくは、当接領域に撥水樹脂を含むシール部材を固定した弁体を、弁座に離当接させることによって、シール部材から溶出した撥水樹脂が弁座の当接領域に付着し、弁座の当接領域に撥水処理が施される。
バルブユニットやバルブユニットを構成する部材(弁座、弁体、シール部材など)は、インクの流路を形成する流路構造体である。当該流路構造体は、インクジェット式記録ヘッドと同様に高精度化や高密度化が要求されている。
ところが、特許文献1では、撥水処理を施すための部材(シール部材)を高精度に位置合わせし、所定の位置に固定する方法が開示されておらず、高精度に位置合わせすることができないおそれがある。例えば流路構造体が撥水処理を施すための部材(シール部材)である場合に、撥水処理を施すための部材(シール部材)が所定の位置に固定されないと、当接領域に撥水処理が施されず、当接領域にインクが堆積するおそれがある。また、流路となる孔を有する部材が複数集まって流路構造体を構成する場合に、複数の部材が所定の位置に固定されないと、孔同士が連通しなかったり、孔が塞がったりしてしまうおそれがある。また、これらの複数の部材を互いに固定する場合に、部材および孔が小型であるほど適切な固定が難しい。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る流路構造体は、蓋部材との間で液体を貯留する液体室を形成する凹部と、前記凹部の底面に形成され前記液体の流路となる第1の孔とを有する第1部材と、前記底面と当接する当接面と、前記第1の孔を露出させ前記流路となる第2の孔とを有する第2部材と、を含み、前記第1部材は、前記底面に沿った方向における前記第2部材の位置を決定する当接部を有することを特徴とする。
第1部材の底面は、第2部材の当接面に当接し、底面に交差する方向における第1部材に対する第2部材の位置を決定する。さらに、第1部材の当接部は、第2部材に当接し、底面に沿った方向における第1部材に対する第2部材の位置を決定する。
本適用例では、第1部材の構成要素(底面、当接部)によって、自己整合的に第1部材に対する第2部材の位置合わせがなされている。従って、例えばアライメント装置を用いなくても、第1部材に対して第2部材を高精度または簡易に位置合わせすることができる。
[適用例2]上記適用例に係る流路構造体では、前記底面と前記当接面との間に、前記第1部材と前記第2部材とを固定する接着剤を有していることが好ましい。
接着剤によって第2部材を第1部材に固定すると、熱溶着や熱かしめなどの方法によって第2部材を第1部材に固定する場合と比べて、第2部材に作用する外力や熱の影響が小さくなるので、第2部材を第1部材に固定する場合に第2部材の第1部材に対する位置ずれが小さくなり、第2部材を第1部材に対して高精度に固定することができる。
[適用例3]上記適用例に係る流路構造体では、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方は、さらに、前記底面へ近づくにつれて前記第1の孔または前記第2の孔の径を大きくするテーパ部を有することが好ましい。
底面へ近づくにつれて第1の孔または第2の孔の径を大きくするテーパ部を設けると、テーパ部によって新たな空間が形成され、例えば第2部材と第1部材との間からはみ出した余分な接着剤を収容し、余分な接着剤をテーパ部によって形成された新たな空間に留めることができる。従って、はみ出した余分な接着剤は、テーパ部から第1の孔または第2の孔の側に流動しにくくなり、はみ出した余分な接着剤が第1の孔または第2の孔の一部を閉塞するという不具合を抑制することができる。
[適用例4]本適用例に係る流路構造体は、蓋部材との間で液体を貯留する液体室を形成する凹部と、前記凹部の底面に形成され前記液体の流路となる第1の孔とを有する第1部材と、前記底面と当接する当接面と、前記第1の孔を露出させ前記流路となる第2の孔とを有する第2部材と、を含み、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方は、さらに、前記底面へ近づくにつれて前記第1の孔または前記第2の孔の径を大きくするテーパ部を有することを特徴とする。
底面へ近づくにつれて第1の孔または第2の孔の径を大きくするテーパ部を設けると、テーパ部によって新たな空間が形成される。当該新たな空間は、第1の孔または第2の孔の一部を閉塞させる不要な構成要素(例えば、はみ出した余分な接着剤)を留め、当該不要な構成要素が第1の孔または第2の孔の側に移動しにくくなる。例えば、不要な構成要素が第1の孔または第2の孔の一部を閉塞するという不具合を抑制することができる。
[適用例5]上記適用例に係る流路構造体では、前記第1部材は、さらに、前記底面に沿った方向における前記第2部材の位置を決定する当接部を有することが好ましい。
第1部材の底面は、第2部材の当接面に当接し、底面に交差する方向における第1部材に対する第2部材の位置を決定する。第1部材の当接部は、第2部材に当接し、底面に沿った方向における第1部材に対する第2部材の位置を決定する。よって、第1部材の構成要素(底面、当接部)によって、自己整合的に第1部材に対する第2部材の位置合わせがなされている。従って、例えばアライメント装置を用いなくても、アライメント装置を用いて位置合わせする場合よりも、第1部材に対して第2部材を高精度または簡易に位置合わせすることができる。
[適用例6]上記適用例に係る流路構造体では、前記第2部材は、前記当接面を挟んで、前記当接面に交差する第1側面と第2側面とを有し、前記第1側面は前記第2の孔を規定し、前記第2側面は前記第2部材の外形を規定し、前記当接部は前記第2側面に当接することが好ましい。
第1側面は、第2の孔の径を規定する第2の孔の内壁面である。第2側面は、第2部材の外形を規定する外壁面であり、第1側面よりも広い。第1部材の当接部を第2側面(第2部材の外壁面)に当接させると、底面に沿った方向における第1部材に対する第2部材の位置を高精度に制御することができる。
さらに、第2側面は第1側面よりも広いので、第1部材の当接部が第1側面に当接する場合と比べて、第1部材と第2部材とが当接する部分の面積が広くなり、より安定して第2部材を第1部材に配置(固定)することができる。
さらに、第2側面は第1側面よりも広いので、第1部材の当接部が第1側面に当接する場合と比べて、第1部材と第2部材とが当接する部分の面積が広くなり、より安定して第2部材を第1部材に配置(固定)することができる。
[適用例7]上記適用例に係る流路構造体では、前記第2部材は、前記当接面を挟んで、前記当接面に交差する第1側面と第2側面とを有し、前記第1側面は前記第2の孔を規定し、前記第2側面は前記第2部材の外形を規定し、前記当接部は前記第1側面に当接することが好ましい。
第2側面は、第2部材の外形を規定する外壁面である。第1側面は、第2の孔の径を規定する第2の孔の内壁面であり、第2側面よりも狭い。第1部材の当接部を第1側面(第2の孔の内壁面)に当接させることによって、底面に沿った方向における第1部材に対する第2部材の位置を高精度に制御することができる。
さらに、第1側面は第2側面よりも狭いので、第2側面が第1側面に当接する場合と比べて、第1部材と第2部材とが当接する部分の面積が狭くなり、よりコンパクトに第2部材を第1部材に配置(固定)することができる。
さらに、第1側面は第2側面よりも狭いので、第2側面が第1側面に当接する場合と比べて、第1部材と第2部材とが当接する部分の面積が狭くなり、よりコンパクトに第2部材を第1部材に配置(固定)することができる。
[適用例8]上記適用例に係る流路構造体では、前記第2部材は、弁部材が当接することにより前記第2の孔を閉塞可能とする部位に撥水面をさらに有していることが好ましい。
弁部材が第2部材に当接することによって、第2の孔が閉塞される。弁部材の第2部材に当接する部分には撥水面が設けられ、液体をはじく。従って、弁部材の第2部材に当接する部分に液体(液体の中の固形成分)が堆積しにくくなる。
[適用例9]上記適用例に係る流路構造体では、前記底面に直交する方向において、前記当接部の長さは、前記第2部材の長さと同じ、または前記第2部材の長さよりも短いことが好ましい。
底面に直交する方向において、第1部材の当接部の長さは、第2部材の長さと同じ、または第2部材の長さよりも短いので、第1部材の当接部を薄型化することができる。
[適用例10]上記適用例に係る流路構造体では、前記第2部材に離当接する弁部材と、前記弁部材に固定され、前記第1の孔及び前記第2の孔を通る軸と、前記軸の位置を変化させて前記弁部材を前記第2部材に離当接させる弾性部材と、をさらに有していることが好ましい。
弾性部材によって軸の位置(弁部材の位置)を変化させ、弁部材を第2部材に離当接させることによって、第2部材に形成された第2の孔(液体の流路)を開閉することができる。すなわち、弁部材と、軸と、弾性部材とを有する流路構造体は、液体の流路を開閉する開閉弁としての機能を有するようになる。
さらに、第2部材の弁部材が離当接する部分に撥水面が形成されているので、第2部材の弁部材が離当接する部分に液体(液体の中の成分)が堆積しにくくなり、液体の流路が安定して開閉されるようになる。
さらに、第2部材の弁部材が離当接する部分に撥水面が形成されているので、第2部材の弁部材が離当接する部分に液体(液体の中の成分)が堆積しにくくなり、液体の流路が安定して開閉されるようになる。
[適用例11]上記適用例に係る流路構造体では、前記凹部は、前記底面を囲むように配置される内壁面を有し、前記内壁面は、前記底面から離れるにつれて前記凹部の開口が広くなるように傾斜したガイド部を有していることが好ましい。
凹部の内壁面は、底面から離れるにつれて凹部の開口が広くなるように傾斜したガイド部を有している。すなわち、凹部の開口が広くなり、底面が狭くなるように、凹部の開口と底面との間に傾斜した斜面を有するガイド部が設けられている。
凹部の開口は広いので、凹部の開口が狭い場合と比べて、凹部の中に第2部材を挿入しやすい。さらに、挿入された第2部材は、傾斜した斜面(ガイド部)に沿って移動し、底面に誘導される。
従って、ガイド部を設けることによって、第1部材の底面に当接するように、第2部材を配置しやすくすることができる。
凹部の開口は広いので、凹部の開口が狭い場合と比べて、凹部の中に第2部材を挿入しやすい。さらに、挿入された第2部材は、傾斜した斜面(ガイド部)に沿って移動し、底面に誘導される。
従って、ガイド部を設けることによって、第1部材の底面に当接するように、第2部材を配置しやすくすることができる。
[適用例12]上記適用例に係る流路構造体では、平面視で、前記第1の孔は前記第2の孔の内側に配置され、前記第2部材は、前記当接面にて前記第1部材に固定され、前記第2の孔の前記当接面側の開口は、前記第1の孔の前記当接面側の開口よりも、広いことが好ましい。
平面視で、第1の孔は第2の孔の内側に配置され、第2の孔は第1の孔よりも広くなっている。従って、第2の孔が第1の孔よりも狭い場合と比べて、第2の孔を流動する液体の流動抵抗を小さくし、第2の孔の中を液体は流動しやすくなる。
[適用例13]上記適用例に係る流路構造体では、前記当接部は、前記第2部材のうち前記当接面と反対側の面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
当接部は、第2部材のうち当接面と反対側の面の少なくとも一部を覆っているので、当接部が第2部材のうち当接面と反対側の面の少なくとも一部を覆っていない場合と比べて、より強く第2部材を第1部材に固定することができる。
[適用例14]本適用例に係る流路構造体の製造方法は、凹部と、前記凹部の底面に形成された第1の孔とを有する第1部材と、前記底面と当接する当接面と、前記第1の孔を露出させる第2の孔とを有する第2部材と、を含む流路構造体の製造方法であって、前記底面に沿った方向における前記第2部材の位置を決定する当接部を、前記凹部の内側に形成する工程と、前記当接部に接するように前記第2部材を前記第1部材に配置する工程と、前記第1部材と前記第2部材とを固定する工程と、を含むことを特徴とする。
第2部材の位置を決定する当接部を第1部材の凹部の内側に形成し、当接部に接するように第2部材を第1部材に配置し、第1部材と第2部材とを固定することによって、底面に沿った方向における第1部材に対する第2部材の位置が自己整合的に決定され、第2部材が第1部材に対して高精度に位置合わせされた状態で、第1部材と第2部材とを固定することができる。
[適用例15]上記適用例に係る流路構造体の製造方法では、前記配置する工程以降に、前記当接部を変形させて、前記第2部材のうち前記当接面と反対側の面の少なくとも一部を覆う工程を有することが好ましい。
第2部材を第1部材に配置した以降に、当接部を変形させて、当接部が第2部材のうち当接面と反対側の面の少なくとも一部を覆うと、当接部が第2部材のうち当接面と反対側の面の少なくとも一部を覆っていない場合と比べて、より強く第2部材を第1部材に固定することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態1)
<プリンターの概要>
図1は、実施形態1に係るインクジェット式記録装置(以降、プリンターと称す)の概略平面図である。
図1に示すように、プリンター1は、略矩形状の本体フレーム2を備えている。本体フレーム2内には記録媒体(図示略)を支持する媒体支持部材3が本体フレーム2の長手方向(主走査方向)に沿って延設されている。媒体支持部材3上には、図示しない紙送り機構により紙などの記録媒体が本体フレーム2の短手方向(副走査方向)に沿って給送されるようになっている。また、本体フレーム2内における媒体支持部材3の上方には、主走査方向に沿って延びる棒状のガイド軸4が架設されている。
以降の説明では、主走査方向をX方向、副走査方向をY方向、及びX方向とY方向とに直交するプリンター1の厚さ方向をZ方向とする。さらに、図中で方向を示す矢印の先端側を「(+)方向」、基端側を「(−)方向」とする。
なお、本願における平面視とは、X方向から見ることに該当する。さらに、Y方向及びZ方向は「底面に沿った方向」の一例である。X方向は「底面に直交する方向」の一例である。
<プリンターの概要>
図1は、実施形態1に係るインクジェット式記録装置(以降、プリンターと称す)の概略平面図である。
図1に示すように、プリンター1は、略矩形状の本体フレーム2を備えている。本体フレーム2内には記録媒体(図示略)を支持する媒体支持部材3が本体フレーム2の長手方向(主走査方向)に沿って延設されている。媒体支持部材3上には、図示しない紙送り機構により紙などの記録媒体が本体フレーム2の短手方向(副走査方向)に沿って給送されるようになっている。また、本体フレーム2内における媒体支持部材3の上方には、主走査方向に沿って延びる棒状のガイド軸4が架設されている。
以降の説明では、主走査方向をX方向、副走査方向をY方向、及びX方向とY方向とに直交するプリンター1の厚さ方向をZ方向とする。さらに、図中で方向を示す矢印の先端側を「(+)方向」、基端側を「(−)方向」とする。
なお、本願における平面視とは、X方向から見ることに該当する。さらに、Y方向及びZ方向は「底面に沿った方向」の一例である。X方向は「底面に直交する方向」の一例である。
ガイド軸4には、キャリッジ5がガイド軸4に沿ってX方向に往復移動可能な状態で支持されている。キャリッジ5は、本体フレーム2に設けられた一対のプーリー6a間に掛装された無端状のタイミングベルト6を介して本体フレーム2に設けられたキャリッジモーター7に連結されている。これにより、キャリッジ5は、キャリッジモーター7の駆動によってガイド軸4に沿って往復移動される。
キャリッジ5には、インクジェット式記録ヘッド(以降、記録ヘッドと称す)20と、バルブユニット50とが搭載されている。
詳しくは後述するが、記録ヘッド20の媒体支持部材3に相対向する面には、複数のノズル開口334(図2参照)が設けられており、記録ヘッド20内に設けられた図示しない圧力発生手段を駆動することにより、各ノズル開口334から媒体支持部材3上に給送された記録媒体にインク滴が噴射されることで、記録媒体に印刷が行われるようになっている。
本体フレーム2のX(+)方向側にはタンクホルダー9が設けられており、タンクホルダー9には液体貯留手段である複数のインクタンク8がそれぞれ着脱可能に装着されている。本実施形態では、インクタンク8が2個設けられている。各インクタンク8には、互いに種類(色)の異なるインクが貯留されている。
なお、インクは「液体」の一例である。
なお、インクは「液体」の一例である。
タンクホルダー9に装着された各インクタンク8は、チューブ等の供給管10を介してバルブユニット50に接続されている。各インクタンク8に貯留された各色のインクは、加圧ポンプ(図示省略)によって加圧され、供給管10を介してバルブユニット50に加圧供給される。
本体フレーム2内におけるX(+)方向側に配置されるキャリッジ5のホームポジション領域には、記録ヘッド20のクリーニング等のメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット11が設けられている。このメンテナンスユニット11は、記録ヘッド20の各ノズル開口334を囲うように該記録ヘッド20に当接したり、各ノズル開口334からフラッシングによって噴射されるインクを受容したりするためのキャップ12と、キャップ12内を吸引可能な吸引ポンプ(図示略)とを備えている。
そして、記録ヘッド20の各ノズル開口334を囲うようにキャップ12が記録ヘッド20に当接した状態でキャップ12内を吸引ポンプによって吸引することで、各ノズル開口334から増粘したインクや気泡などをキャップ12内に強制的に排出させる、いわゆるクリーニング処理が行われるようになっている。
<記録ヘッドの概要>
図2は、記録ヘッド及びバルブユニットの概略断面図である。図3は、ヘッド本体の概略断面図である。
以下、図2及び図3を参照して、記録ヘッド20の概要について説明する。
図2は、記録ヘッド及びバルブユニットの概略断面図である。図3は、ヘッド本体の概略断面図である。
以下、図2及び図3を参照して、記録ヘッド20の概要について説明する。
図2に示すように、記録ヘッド20は、インク滴を噴射するヘッド本体30と、ヘッド本体30にインクを供給する流路部材40と、を具備する。1つの記録ヘッド20に対して種類の異なる2つのインクが供給されるため、流路部材40には、2つのバルブユニット50が固定されている。
図3に示すように、ヘッド本体30は、アクチュエーターユニット31と、アクチュエーターユニット31を内部に収容可能なケース32と、ケース32の一方面に固定された流路ユニット33と、ケース32の他方面に固定された配線基板34と、を具備する。
アクチュエーターユニット31は、複数の圧電アクチュエーターがノズル開口334の並設方向に沿って並設された圧電アクチュエーター形成部材311と、圧電アクチュエーター形成部材311の先端部(一端部)側が自由端となるようにその基端部(他端部)側が固定端として固定される固定板312とを有する。
圧電アクチュエーター形成部材311は、圧電材料313と、電極形成材料314及び電極形成材料315とを交互に挟んで積層することにより形成されている。この圧電アクチュエーター形成部材311には、例えば、ワイヤーソー等によって複数のスリットが形成され、その先端部側が櫛歯状に切り分けられて圧電アクチュエーターが並設されている。
ここで、圧電アクチュエーター形成部材311の固定板312に固定される領域は、振動に寄与しない不活性領域となっており、圧電アクチュエーター形成部材311を構成する電極形成材料314及び電極形成材料315間に電圧を印加すると、固定板312に固定されていない先端部側の領域のみが振動する。そして、圧電アクチュエーター形成部材311の先端面は、振動板331に固定されている。
また、アクチュエーターユニット31の各圧電アクチュエーターには、当該圧電アクチュエーターを駆動するための駆動IC等の駆動回路317が搭載されたCOF等の回路基板318が接続されている。
流路ユニット33は、流路形成基板330、振動板331及びノズルプレート332を具備する。
流路形成基板330には、複数の圧力発生室333が並設され、流路形成基板330の両側は、各圧力発生室333に対応してノズル開口334を有するノズルプレート332と、振動板331とにより封止されている。本実施形態では、圧力発生室333が並設された列が2列設けられている。また、流路形成基板330には、圧力発生室333毎にそれぞれインク供給路335を介して連通されて列毎に複数の圧力発生室333の共通のインク室となるマニホールド336が形成されている。
流路形成基板330には、複数の圧力発生室333が並設され、流路形成基板330の両側は、各圧力発生室333に対応してノズル開口334を有するノズルプレート332と、振動板331とにより封止されている。本実施形態では、圧力発生室333が並設された列が2列設けられている。また、流路形成基板330には、圧力発生室333毎にそれぞれインク供給路335を介して連通されて列毎に複数の圧力発生室333の共通のインク室となるマニホールド336が形成されている。
そして、振動板331の各圧力発生室333に対向する領域には、それぞれ圧電アクチュエーター形成部材311の先端が固定されている。
また、振動板331のマニホールド336に対応する領域は、コンプライアンス部337が設けられている。コンプライアンス部337は、マニホールド336内に圧力変化が生じた時に、コンプライアンス部337が変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド336内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
また、振動板331のマニホールド336に対応する領域は、コンプライアンス部337が設けられている。コンプライアンス部337は、マニホールド336内に圧力変化が生じた時に、コンプライアンス部337が変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド336内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
ケース32には、バルブユニット50からのインクをマニホールド336に供給するインク導入路321が設けられている。本実施形態では、マニホールド336の各々に対して1つずつ、合計2つのインク導入路321が設けられている。そして、インクタンク8からバルブユニット50を介してインク導入路321に供給されたインクは、マニホールド336に供給され、インク供給路335を介して各圧力発生室333に分配される。
また、ケース32には、圧力発生室333の列に対応して、収容部322が設けられている。本実施形態では、2つの収容部322が設けられており、各収容部322内にアクチュエーターユニット31がそれぞれ固定されている。
さらに、ケース32の流路ユニット33とは反対側には、配線基板34が設けられており、アクチュエーターユニット31に一端が接続された回路基板318の他端部が配線基板34に接続されている。
このようなヘッド本体30では、圧電アクチュエーター形成部材311(圧電アクチュエーター)及び振動板331の変形によって各圧力発生室333の容積を変化させて所定のノズル開口334からインク滴を噴射させるようになっている。
図2に示すように、流路部材40は、一方の面にバルブユニット50が固定され、他方の面にヘッド本体30が固定されている。バルブユニット50からのインクは、流路部材40を介してヘッド本体30に供給される。
詳しくは、流路部材40には、インク連通路41が設けられている。インク連通路41が開口する一方面には、インクに含まれるゴミや気泡などの異物を除去するフィルター42と、フィルター42上に設けられた供給針43とが設けられている。供給針43は、詳細を後述するバルブユニット50に挿入される。バルブユニット50からのインクは、供給針43の内部を通過してフィルター42で異物が除去された後、インク連通路41を介してヘッド本体30に供給される。
<バルブユニットの概要>
図4は、インクの流路が閉じられた場合のバルブユニットの要部を拡大した概略断面図である。図5は、インクの流路が開かれた場合のバルブユニットの要部を拡大した概略断面図である。
次に、図4及び図5を参照し、バルブユニット50の概要を説明する。
図4は、インクの流路が閉じられた場合のバルブユニットの要部を拡大した概略断面図である。図5は、インクの流路が開かれた場合のバルブユニットの要部を拡大した概略断面図である。
次に、図4及び図5を参照し、バルブユニット50の概要を説明する。
バルブユニット50は、インクが流れる流路の途中に設けられ、インクの流路を開閉する開閉弁である。
図4及び図5に示すように、バルブユニット50では、蓋部材440と、第1部材110と、フィルム部材410とがX方向に順に配置されている。蓋部材440と第1部材110とフィルム部材410とは、樹脂で構成される。さらに、フィルム部材410は可撓性を有する。蓋部材440とフィルム部材410とは、例えば熱溶着によって第1部材110に接着されている。
なお、フィルム部材410は、「弾性部材」の一例である。
図4及び図5に示すように、バルブユニット50では、蓋部材440と、第1部材110と、フィルム部材410とがX方向に順に配置されている。蓋部材440と第1部材110とフィルム部材410とは、樹脂で構成される。さらに、フィルム部材410は可撓性を有する。蓋部材440とフィルム部材410とは、例えば熱溶着によって第1部材110に接着されている。
なお、フィルム部材410は、「弾性部材」の一例である。
第1部材110は、蓋部材440の側に第1凹部(空部)120を有し、フィルム部材410の側に第2凹部(空部)130を有している。第1凹部120と第2凹部130とは、隔壁140によって区画されている。第1凹部120の開口は蓋部材440によって封止され、第1凹部120が液体室511になる。第2凹部130の開口はフィルム部材410によって封止され、第2凹部130が圧力調整室513になる。
なお、第1凹部120は、「凹部」の一例である。
なお、第1凹部120は、「凹部」の一例である。
第2部材210は、隔壁140のX(−)方向側の面141に配置されている。また、第1部材110と第2部材210とで流路構造体100が形成される。なお、流路構造体100の詳細は後述する。
なお、隔壁140のX(−)方向側の面141は「底面」の一例であり、以降底面141と称す。流路構造体100は「流路構造体」の一例であり、流路構造体100を備えるバルブユニット50も「流路構造体」の一例である。
なお、隔壁140のX(−)方向側の面141は「底面」の一例であり、以降底面141と称す。流路構造体100は「流路構造体」の一例であり、流路構造体100を備えるバルブユニット50も「流路構造体」の一例である。
隔壁140には隔壁140の中央付近を貫く第1の孔111が形成され、第2部材210には第2部材210の中央付近を貫く第2の孔211が形成されている。X方向から見た場合、第1の孔111は第2の孔211に重なり、第1の孔111は第2の孔211の内側に配置されている。液体室511と圧力調整室513とは、第1の孔111と第2の孔211とによって連通されている。
第2の孔211は第1の孔111を露出させ、第1の孔111と第2の孔211とで液体室511と圧力調整室513との間のインクの流路が形成される。
第2の孔211は第1の孔111を露出させ、第1の孔111と第2の孔211とで液体室511と圧力調整室513との間のインクの流路が形成される。
液体室511は、流入路515や供給管10などを介してインクタンク8に連通されている。圧力調整室513は、流出路517を介して流路部材40のインク連通路41に連通されている。インクタンク8に貯留されているインクは、流入路515と、液体室511と、第2の孔211と、第1の孔111と、圧力調整室513と、流出路517とを経由して、記録ヘッド20に供給される。
蓋部材440とフィルム部材410との間には、バネ430と弁体450と受圧板420とが順に配置されている。
バネ430の一方の端は弁体450(フランジ部462)に固定され、バネ430の他方の端は蓋部材440に固定されている。
バネ430の一方の端は弁体450(フランジ部462)に固定され、バネ430の他方の端は蓋部材440に固定されている。
弁体450は、軸460と、弁部材470とで構成される。軸460は、本体部461と、本体部461よりも太くなったフランジ部462とで構成される。本体部461は第1の孔111と第2の孔211とに貫通されている。すなわち、本体部461は、液体室511と圧力調整室513とに跨って配置されている。フランジ部462は、液体室511に配置されている。
フランジ部462の第2部材210に対向する面には、弁部材470が固定されている。弁部材470(弁体450)は、軸460に固定されている。
フランジ部462の第2部材210に対向する面には、弁部材470が固定されている。弁部材470(弁体450)は、軸460に固定されている。
本体部461の端は、受圧板420に接するように配置されている。受圧板420は、フィルム部材410と比べて硬質の材料で構成され、フィルム部材410の中央付近に固定されている。受圧板420は、フィルム部材410の変位による力を弁体450に適正に付勢する役割を有する。
バルブユニット50では、フィルム部材410の変位によって、弁体450の軸460及び弁部材470の位置が変化し、弁部材470が第2部材210の撥水膜213に離当接するようになっている。
このように、バルブユニット50は、第2部材210に離当接する弁部材470と、弁部材470に固定され第1の孔111及び第2の孔211を通る軸460と、軸460の位置を変化させて弁部材470を第2部材210に離当接させるフィルム部材410と、を有している。
このように、バルブユニット50は、第2部材210に離当接する弁部材470と、弁部材470に固定され第1の孔111及び第2の孔211を通る軸460と、軸460の位置を変化させて弁部材470を第2部材210に離当接させるフィルム部材410と、を有している。
インクタンク8に貯留されたインクは、液体室511に加圧供給されている。このため、液体室511内のインクは加圧された状態にある。弁体450の軸460には、液体室511に供給されるインクの加圧力が作用する。さらに、弁体450の軸460には、圧力調整室513内のインクに作用する圧力や受圧板420から付勢される力が作用する。液体室511内のインクに作用する圧力、圧力調整室513内のインクに作用する圧力、及び受圧板420から付勢される力などによって、弁体450の位置が制御され、弁体450がX方向に往復移動する。
図4に示すように、記録ヘッド20から記録媒体にインクが噴射されない非印刷状態では、弁部材470が第2部材210に当接し、第2の孔211が閉塞され、液体室511と圧力調整室513との間のインクの流路が閉じられる。
これに対して、例えばインクの噴射や外部からの吸引(例えば、記録ヘッド20のクリーニング)によってインクが消費され、圧力調整室513内のインクが減少すると、圧力調整室513内でインクに作用する圧力が低下し、フィルム部材410が圧力調整室513側に変位し、フィルム部材410に固定された受圧板420が、弁体450の軸460を押圧する。すると、図5に示すように、弁部材470が第2部材210から離間し、液体室511と圧力調整室513との間のインクの流路が開かれる。
非印刷状態などのインクが消費されない場合、バルブユニット50の中のインクの流路が閉じられているので、バルブユニット50よりも上流側のインクタンク8から加圧供給されるインクは、バルブユニット50よりも下流側の記録ヘッド20に供給されない。
これに対して、印刷状態やクリーニングなどのインクが消費される場合、圧力調整室513のインクが徐々に減少する。圧力調整室513のインクの減少に伴って、圧力が減少して圧力調整室が負圧になる。これによりフィルム部材410がインクの流路が開かれる方向に変位し、液体室511から圧力調整室513にインクが供給される。こうして、インクタンク8から加圧供給されるインクは、バルブユニット50の下流側の記録ヘッド20に供給される。そして、バルブユニット50の圧力調整室513へのインクの流入により圧力調整室513の負圧が解消されると、インクの流路が閉じられた状態になり、記録ヘッド20へのインクの供給が停止される。
印刷動作中においては、インクの消費に従って弁体450が僅かに開弁しつつ、圧力調整室513に対してインクが逐次補給される。さらに、上流側の液体室511内におけるインクの圧力変動は、弁体450の開閉によって、ある一定の範囲内となるように制限され、下流側の圧力調整室513内のインクの圧力変化と切り離される。従って、弁体450よりも上流側に圧力変化が生じていても、下流側はその影響を受けることがない。このため、バルブユニット50の圧力調整室513内でインクに作用する圧力が一定の範囲に制御され、圧力調整室513から記録ヘッド20へのインクの供給が良好に行われる。
このように、バルブユニット50は、圧力調整機能(流動圧調整機構)を有し、記録ヘッド20に供給されるインクの流動圧を適正範囲に制御する。換言すれば、バルブユニット50は、圧力調整機能を有する弁装置である。
バルブユニット50では、第2部材210を第1部材110に対して正しく配置し、固定することが重要である。第1部材110に対する第2部材210の位置が変化した場合、例えば、第2部材210が弁体450に接触し、弁体450が正しく動作せず、記録ヘッド20に適正にインクが供給されないという不具合が生じる。
本実施形態は、第2部材210を第1部材110に対して、容易に正しく配置することが可能な優れた構成を有しているので、以下にその詳細を説明する。
本実施形態は、第2部材210を第1部材110に対して、容易に正しく配置することが可能な優れた構成を有しているので、以下にその詳細を説明する。
<流路構造体の概要>
図6は、図4の二点鎖線で囲まれた領域Aの流路構造体の概略断面図である。すなわち、図6は、本実施形態に係る流路構造体100の概略断面図である。
次に、図6を参照し、本実施形態に係る流路構造体100の概要を説明する。
上述した様に、流路構造体100は、第1部材110と第2部材210とで構成され、バルブユニット50のインクの流路を形成する構成要素である。
図6は、図4の二点鎖線で囲まれた領域Aの流路構造体の概略断面図である。すなわち、図6は、本実施形態に係る流路構造体100の概略断面図である。
次に、図6を参照し、本実施形態に係る流路構造体100の概要を説明する。
上述した様に、流路構造体100は、第1部材110と第2部材210とで構成され、バルブユニット50のインクの流路を形成する構成要素である。
図6に示すように、第1部材110には、底面141と、内壁面121,122,123とを有する第1凹部120が形成されている。内壁面121,122,123は、底面141を囲むように配置されている。第1内壁面121は底面141側に配置され、第3内壁面123は蓋部材440側に配置され、第2内壁面122は第1内壁面121と第3内壁面123との間に配置されている。すなわち、第1凹部120は、底面141と、第1内壁面121と、第2内壁面122と、第3内壁面123とで囲まれた領域(空部)に対応する。
換言すれば、第1部材110は蓋部材440との間でインクを貯留する液体室511を形成する第1凹部120と、第1凹部120の底面141に形成されインクの流路となる第1の孔111とを有する
なお、第1内壁面121は「当接部」の一例であり、第2内壁面122は「ガイド部」の一例である。
換言すれば、第1部材110は蓋部材440との間でインクを貯留する液体室511を形成する第1凹部120と、第1凹部120の底面141に形成されインクの流路となる第1の孔111とを有する
なお、第1内壁面121は「当接部」の一例であり、第2内壁面122は「ガイド部」の一例である。
第1内壁面121及び第3内壁面123は円筒形状を有し、第3内壁面123の径は第1内壁面121の径よりも広く、いずれも底面141に直交するように配置されている。第2内壁面122は、第3内壁面123の側で広く第1内壁面121の側で狭くなった円錐台形状を有している。
換言すれば、底面141を囲むように配置された内壁面121,122,123は、底面141から離れるにつれて開口が広くなるように傾斜した部分(第2内壁面122)を有している。
換言すれば、底面141を囲むように配置された内壁面121,122,123は、底面141から離れるにつれて開口が広くなるように傾斜した部分(第2内壁面122)を有している。
第2部材210は、円筒形状の部材であり、底面141と第1内壁面121とで囲まれた領域の内側に配置されている。第2部材210は、底面141側に配置される本体部212と、底面141と反対側に配置される撥水膜213と、本体部212及び撥水膜213を貫き第1の孔111を露出させる第2の孔211とを有している。上述した様に、弁体450の弁部材470は、第2部材210の撥水膜213に当接し、第2の孔211を閉塞する。換言すれば、第2部材210は、弁部材470が当接することにより第2の孔211を閉塞可能とする部位に撥水膜213を有している。
なお、撥水膜213は「撥水面」の一例である。
なお、撥水膜213は「撥水面」の一例である。
撥水膜213は、本体部212よりもインクに対して撥液性(撥水性)を有し、第2部材210の弁部材470が離当接する面(本体部212の底面141と反対側の面)に形成されている。なお、撥水膜213は、第2部材210の弁部材470が離当接する面以外に形成してもよく、例えば本体部212の全体を覆うように撥水膜213を形成してもよい。
撥水膜213は、インクに対して撥液性を有するものであればよく、例えばフッ素系高分子を含む金属膜や、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜などを用いることができる。フッ素系高分子を含む金属膜からなる撥水膜213は、例えば、本体部212の表面に直接、共析メッキを施すことにより形成することができる。金属アルコキシドの分子膜からなる撥水膜213は、例えば、アルコキシラン等のシランカップリング剤をシンナー等の溶媒と混合して金属アルコキシド溶液を形成し、この金属アルコキシド溶液に本体部212を浸漬することで、金属アルコキシドの重合した分子膜を形成することができる。
第2部材210の弁部材470が離当接する面に撥水膜213を設けると、第2部材210の弁部材470が離当接する面はインクをはじくようになり、インクの堆積が抑制される。仮に、第2部材210の弁部材470が離当接する面にインクが堆積すると、弁部材470が第2部材210に当接しても、堆積したインクによって第2の孔211を閉塞することが難しくなる不具合が生じる。従って、第2部材210の弁部材470が離当接する面にインクが堆積しにくくすると、このような不具合が生じにくくなり、弁部材470を第2部材210に当接させることによって、第2の孔211(液体室511と圧力調整室513との間のインクの流路)を適正に閉塞することができる。
従って、弁装置としてのバルブユニット50は、安定して動作するようになる。
従って、弁装置としてのバルブユニット50は、安定して動作するようになる。
また、第2部材210の本体部212を構成する材料は特に限定されず、例えば、樹脂材料、ステンレス鋼(SUS)等の金属材料、ガラスセラミックスやシリコン単結晶基板等を用いることができる。仮に、本体部212を、インクによって膨潤する材料で構成した場合、本体部212が均一に膨潤せず、膨潤量にばらつきが生じるおそれがある。本体部212の膨潤量にばらつきが生じると、弁部材470が撥水膜213に均一に密着することが難しくなり、シール性を保つことができず、インクのリークが発生するおそれがある。このため、第2部材210の本体部212は、インクによって膨潤し難い材料で構成されることが好ましい。
第2部材210の本体部212は、底面141に当接する当接面220と、当接面220に交差する第1側面221及び第2側面222とを有する。第1側面221は本体部212の中央を貫く第2の孔211の内壁面であり、第1側面221で囲まれた部分が第2の孔211になる。第2側面222は、第2部材210の外壁面である。
換言すれば、第2部材210は、当接面220を挟んで、当接面220に交差する第1側面221と第2側面222とを有し、第1側面221は第2の孔211を規定し、第2側面222は第2部材210の外形を規定する。
換言すれば、第2部材210は、当接面220を挟んで、当接面220に交差する第1側面221と第2側面222とを有し、第1側面221は第2の孔211を規定し、第2側面222は第2部材210の外形を規定する。
第1部材110の底面141は、第2部材210の当接面220に当接し、底面141に直交する方向における第1部材110に対する第2部材210の位置を決定する。第1部材110の第1内壁面121は、第2部材210の第2側面222に当接し、底面141に沿った方向における第1部材110に対する第2部材210の位置を決定する。
すなわち、第1部材110は、底面141に直交する方向における第1部材110に対する第2部材210の位置を決定する底面141と、底面141に沿った方向における第1部材110に対する第2部材210の位置を決定する第1内壁面121と、を有している。
すなわち、第1部材110は、底面141に直交する方向における第1部材110に対する第2部材210の位置を決定する底面141と、底面141に沿った方向における第1部材110に対する第2部材210の位置を決定する第1内壁面121と、を有している。
第2部材210は、第1部材110の構成要素(底面141、第1内壁面121)によって自己整合的に位置合わせされているので、仮にアライメント装置を用いなくても、第1部材110に対して第2部材210を高精度または簡易に位置合わせすることができる。
第1部材110の底面141と第2部材210の当接面220との間には、接着剤240が配置され、第2部材210は接着剤240によって第1部材110に固定されている。すなわち、第2部材210は、当接面220にて第1部材110に固定されている。
なお、第2部材210を第1部材110に固定する方法は、接着剤240によって固定する方法に限定されず、例えば熱や振動による溶着によって固定する方法や、例えば熱かしめなどの方法であってもよい。
なお、第2部材210を第1部材110に固定する方法は、接着剤240によって固定する方法に限定されず、例えば熱や振動による溶着によって固定する方法や、例えば熱かしめなどの方法であってもよい。
なお、接着剤240によって固定する方法は、熱や振動による溶着によって固定する方法や熱かしめなどの方法と比べて、第2部材210に作用する外力や熱の影響を小さくし、第2部材210の第1部材110に対する位置ずれを小さくし、第2部材210を第1部材110に対して高精度に固定することができる。
隔壁140には、隔壁140の中央付近を貫く第1の孔111が形成されている。上述した様に、X方向から見た場合、第1の孔111は第2の孔211に重なり、第1の孔111は第2の孔211の内側に配置されている。さらに、第2の孔211の当接面220側の開口は、第1の孔111の当接面220側の開口よりも広くなっている。よって、第2の孔211は第1の孔111よりも広く、第2の孔211が第1の孔111よりも狭い場合と比べて、第2の孔211を流動するインクの流動抵抗を小さくし、第2の孔211の中をインクが流動しやすくなる。
さらに、第1部材110は、底面141へ近づくにつれて第1の孔111の径を大きくするテーパ部112を有している。
さらに、第1部材110は、底面141へ近づくにつれて第1の孔111の径を大きくするテーパ部112を有している。
<流路構造体の製造方法>
図7は、本実施形態に係る流路構造体の製造方法を示す工程フローである。図8A乃至図8Cは、図4に対応する図であり、図7に示す主要な工程を経た後の流路構造体の状態を示す概略断面図である。また、図8Cでは、弁体450が二点鎖線で図示されている。
以下、図7及び図8A乃至図8Cを参照し、本実施形態に係る流路構造体100の製造方法を説明する。
図7は、本実施形態に係る流路構造体の製造方法を示す工程フローである。図8A乃至図8Cは、図4に対応する図であり、図7に示す主要な工程を経た後の流路構造体の状態を示す概略断面図である。また、図8Cでは、弁体450が二点鎖線で図示されている。
以下、図7及び図8A乃至図8Cを参照し、本実施形態に係る流路構造体100の製造方法を説明する。
図7に示すように、本実施形態に係る流路構造体100の製造方法は、第1部材110に第1凹部120を形成する工程(ステップS1)と、第1凹部120に接着剤240を塗布する工程(ステップS2)と、第1部材110の第1凹部120の中に第2部材210を配置する工程(ステップS3)と、接着剤240を硬化する工程(ステップS4)と、を含む。
なお、ステップS1は、「当接部を凹部の内側に形成する工程」の一例である。ステップS2及びステップS3は、「第2部材を第1部材に配置する工程」の一例である。ステップS4は、「第1部材と第2部材とを固定する工程」の一例である。
なお、ステップS1は、「当接部を凹部の内側に形成する工程」の一例である。ステップS2及びステップS3は、「第2部材を第1部材に配置する工程」の一例である。ステップS4は、「第1部材と第2部材とを固定する工程」の一例である。
図8Aに示すように、ステップS1では、熱可塑性樹脂を複数の金型を使用して成型し、第1凹部120と、第2凹部130と、第1の孔111と、流出路517と、を有する第1部材110を形成する。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂などを使用することができる。本実施形態では、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン樹脂が使用されている。
第1凹部120は、底面141と、第1内壁面121と、第2内壁面122と、第3内壁面123とを有する。第1凹部120では、底面141の側から、第1内壁面121と第2内壁面122と第3内壁面123とが順に配置され、第3内壁面123の径は第1内壁面121の径よりも広く、第2内壁面122は底面141から離れるにつれて第2内壁面122の径が広くなるように傾斜している。底面141へ近づくにつれて第1の孔111の径が大きくなるように、テーパ部112が形成されている。
図8Bに示すように、ステップS2では、熱硬化性を有する接着剤240を、例えばシールディスペンサーを使用して、第1凹部120の底面141に塗布する。
ステップS3では、第2部材210を、第1凹部120の第3内壁面123の開口から挿入する。詳しくは、第2部材210を把持し、第3内壁面123の開口から、図中の矢印で示された方向(X方向)に第2部材210を挿入する。
なお、図中の矢印で示された方向(X方向)は重力が作用する方向である。
なお、図中の矢印で示された方向(X方向)は重力が作用する方向である。
第3内壁面123の内側に挿入された第2部材210には、X方向の力(重力)が作用するので、第2部材210は自重によってX方向に移動する。このため、第2部材210は、第2内壁面122の上を滑ってX方向に移動し、第1内壁面121と底面141とで囲まれた領域に配置される。すなわち、第2部材210は、第2内壁面122によって、第1内壁面121と底面141とで囲まれた領域に誘導される。
第3内壁面123の径は第1内壁面121の径よりも広いので、第2部材210を第3内壁面123の中に容易に挿入することができる。第2内壁面122は、第2部材210を第1内壁面121と底面141とで囲まれた領域に誘導するので、第2内壁面122を設けていない場合と比べて、第2部材210を第1内壁面121と底面141とで囲まれた領域に容易に配置することができる。
なお、第2部材210を第3内壁面123の開口から挿入した後に、第1部材110を振動させると、第2部材210がより円滑に第2内壁面122の上を滑る(移動する)ようになり、第2部材210を、第1凹部120の底面141と第1内壁面121とで囲まれた領域に、さらに容易に配置することができる。
底面141と第1内壁面121とで囲まれた領域に第2部材210を配置すると、底面141に直交する方向における第1部材110に対する第2部材210の位置は、底面141によって決定され、底面141に沿った方向における第1部材110に対する第2部材210の位置は、第1内壁面121によって決定される。
すなわち、第2部材210は、アライメント装置を用いず、第1部材110の構成要素(底面141、第1内壁面121)によって自己整合的に位置合わせされているので、アライメント装置を用いる場合の装置誤差の影響が排除され、アライメント装置を用いて位置合わせする場合よりも高精度に位置合わせされる。
すなわち、第2部材210は、アライメント装置を用いず、第1部材110の構成要素(底面141、第1内壁面121)によって自己整合的に位置合わせされているので、アライメント装置を用いる場合の装置誤差の影響が排除され、アライメント装置を用いて位置合わせする場合よりも高精度に位置合わせされる。
図8Cに示すように、ステップS4では、例えば第2部材210を押圧し、接着剤240を押し広げ、隔壁140の底面141と第2部材210の当接面220との間に接着剤240を配置する。なお、第2部材210の自重によっても接着剤240が押し広げられるので、第2部材210の押圧は省略してもよい。
続いて、接着剤240に熱処理を施し、接着剤240を硬化し、第1部材110と第2部材210とを接着剤240によって固定する。その結果、第2部材210は、当接面220にて第1部材110に固定される。
続いて、接着剤240に熱処理を施し、接着剤240を硬化し、第1部材110と第2部材210とを接着剤240によって固定する。その結果、第2部材210は、当接面220にて第1部材110に固定される。
ステップS4における第2部材210の押圧によって、図中の破線で示すように、余分な接着剤240が第1側面221からはみ出す場合がある。第1側面221からはみ出した余分な接着剤240は、第2の孔211側の第2部材210の端と第1の孔111側の第1部材110の端との間の面を伝わって、図中の二点鎖線で示された弁体450が配置される側に広がる。仮に、第1側面221からはみ出した余分な接着剤240が、弁体450に干渉すると、弁体450の動作が阻害され、バルブユニット50の動作不良を招く。
以降、第2の孔211側の第2部材210の端と第1の孔111側の第1部材110の端との間に配置される面を、接着剤240の移動面と称す。
以降、第2の孔211側の第2部材210の端と第1の孔111側の第1部材110の端との間に配置される面を、接着剤240の移動面と称す。
本実施形態では、接着剤240の移動面は、平面(底面141)と斜面(テーパ部112)とで構成される。接着剤240の移動面を平面(底面141)と斜面(テーパ部112)とで構成すると、接着剤240の移動面が平面(底面141)だけで構成される場合と比べて、接着剤240の移動面を広くし、接着剤240の移動面における接着剤240の移動距離を長くすることができる。さらに、接着剤240の移動面に斜面(テーパ部112)を設けると、接着剤240の移動面が平面(底面141)だけで構成される場合と比べて、接着剤240の移動方向と交差する方向(X方向)の空間を広くし、接着剤240の移動面により多くの接着剤240を留める(収容する)ことができる。その結果、接着剤240の移動面が平面(底面141)だけで構成される場合と比べて、接着剤240の移動面に余分な接着剤240を留め、余分な接着剤240が第1部材110の第1の孔111側の端からはみ出しにくくすることができる。
このように、第1の孔111にテーパ部112を設けることによって、余分な接着剤240を第1部材110の第1の孔111側の端からはみ出しにくくし、余分な接着剤240が弁体450に干渉することによる弁体450(バルブユニット50)の動作不良を抑制することができる。
以上述べたように、本実施形態に係る製造方法によって、第2部材210が第1部材110に対して高精度に位置合わせされ、弁体450(バルブユニット50)が正常に動作することが可能な流路構造体100を、安定して製造することができる。
(実施形態2)
図9は、図6に対応する図であり、実施形態2に係る流路構造体の概略断面図である。なお、図9では、弁体450が二点鎖線で図示されている。
本実施形態に係るバルブユニットと実施形態1に係るバルブユニット50とでは、流路構造体が異なり、他は同じある。
以下、図9を参照し、本実施形態に係る流路構造体100Aを、実施形態1に係る流路構造体100との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図9は、図6に対応する図であり、実施形態2に係る流路構造体の概略断面図である。なお、図9では、弁体450が二点鎖線で図示されている。
本実施形態に係るバルブユニットと実施形態1に係るバルブユニット50とでは、流路構造体が異なり、他は同じある。
以下、図9を参照し、本実施形態に係る流路構造体100Aを、実施形態1に係る流路構造体100との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態に係る流路構造体100Aは、第1部材110Aと第2部材210Aとで構成される。
第1部材110Aは、円筒形状の部材であり、第1凹部120Aと、第2凹部130と、第1の孔111Aとが形成されている。第1部材110Aでは、第1凹部120Aの形状及び第1の孔111Aの形状が、実施形態1と異なる。
第1部材110Aは、円筒形状の部材であり、第1凹部120Aと、第2凹部130と、第1の孔111Aとが形成されている。第1部材110Aでは、第1凹部120Aの形状及び第1の孔111Aの形状が、実施形態1と異なる。
第1凹部120Aは、第1内壁面121Aと、底面141Aと、第4内壁面124と、底面141Bとで囲まれた領域(空部)に対応する。第1凹部120Aは、実施形態1の第1凹部120の構成要素である第2内壁面122と第3内壁面123とが省略され、新たに底面141Bと第4内壁面124とが追加された構成を有している。
なお、第4内壁面124は、「当接部」の一例である。
なお、第4内壁面124は、「当接部」の一例である。
第1内壁面121Aは、実施形態1の第1内壁面121に対応し、実施形態1の第1内壁面121と比べてX方向の長さが長い。底面141Aは、実施形態1の底面141に対応し、実施形態1の底面141と比べてZ方向の長さが短い。
第4内壁面124は、底面141Aを挟んで第1内壁面121Aに対向し、第1内壁面121Aと同様に底面141Aに直交するように配置されている。第4内壁面124のX方向の長さは、第1内壁面121AのX方向の長さよりも短い。
底面141Bは、底面141Aに対して第1の孔111A側に配置され、底面141Aと比べてX(−)方向側に張り出している。このため、底面141Aと底面141Bとの間に段差が形成され、底面141Bと底面141Aとの間の段差の壁面が、第4内壁面124になる。
また、第4内壁面124と底面141Bとで、円筒形状の凸部が形成される。
また、第4内壁面124と底面141Bとで、円筒形状の凸部が形成される。
第1の孔111Aは、第4内壁面124と底面141Bとで形成される円筒形状の凸部の中央付近を貫くように形成されている。第1の孔111Aは、実施形態1の第1の孔111からテーパ部112を削除したものに対応する。このため、第1の孔111Aは、X方向に沿った面で構成される。
第2部材210Aは、中央付近に第2の孔211Aを有する円筒形状の部材である。第2部材210AのZ方向の長さ(外形寸法)は、実施形態1の第2部材210のZ方向の長さ(外形寸法)よりも短い。第2部材210AのX方向の長さ(厚さ)は、実施形態1の第2部材210のX方向の長さ(厚さ)よりも短い(薄い)。従って、第2部材210Aは、実施形態1の第2部材210と比べて、小型化及び薄型化が図られている。
第2部材210Aの第2の孔211Aの径は、第4内壁面124と底面141Bとで形成される円筒形状の凸部の径と略同じである。第4内壁面124と底面141Bとで形成される円筒形状の凸部に第2の孔211Aを嵌め込むことによって、第1部材110Aに対する第2部材210Aの位置が決定される。
第2部材210Aの本体部212Aは、底面141Aに当接する当接面220Aと、当接面220Aに交差する第1側面221A及び第2側面222Aとを有する。第1側面221Aは本体部212Aの中央を貫通する第2の孔211Aの内壁面であり、第1側面221Aで囲まれた部分が第2の孔211Aになり、第1側面221Aが第2の孔211Aを規定する。
第4内壁面124と底面141Bとで形成される円筒形状の凸部に第2の孔211Aを嵌め込むと、第2部材210Aの当接面220Aが底面141Aに当接し、第2の孔211Aの第1側面221Aが第4内壁面124に当接するように配置される。
第1部材110Aの底面141Aは、第2部材210Aの当接面220Aに当接し、底面141Aに直交する方向における第1部材110Aに対する第2部材210Aの位置を決定する。第1部材110Aの第4内壁面124は、第2部材210Aの第1側面221Aに当接(勘合)し、底面141Aに沿った方向における第1部材110Aに対する第2部材210Aの位置を決定する。
第2部材210Aは、アライメント装置を用いず、第1部材110Aの構成要素(底面141A、第4内壁面124)によって自己整合的に位置合わせされているので、アライメント装置の装置誤差の影響が排除され、アライメント装置を用いて位置合わせする場合よりも高精度に位置合わせすることができる。
第2部材210Aは、アライメント装置を用いず、第1部材110Aの構成要素(底面141A、第4内壁面124)によって自己整合的に位置合わせされているので、アライメント装置の装置誤差の影響が排除され、アライメント装置を用いて位置合わせする場合よりも高精度に位置合わせすることができる。
接着剤240は、第2部材210Aの当接面220Aと第1部材110Aの底面141Aとの間に配置され、第1部材110Aと第2部材210Aとは、接着剤240によって固定されている。
実施形態1では、余分な接着剤240は、第1側面221(弁体450が配置されている側の面)からはみ出し、余分な接着剤240の量が多い場合、弁体450に干渉するおそれがあった。
実施形態1では、余分な接着剤240は、第1側面221(弁体450が配置されている側の面)からはみ出し、余分な接着剤240の量が多い場合、弁体450に干渉するおそれがあった。
本実施形態では、余分な接着剤240は、図中の破線で示すように、第2側面222A(弁体450が配置されている側の面(第1側面221A)と反対側の面)からはみ出す。余分な接着剤240は弁体450が配置される側と反対側にはみ出すので、余分な接着剤240の量が多い場合であっても、弁体450に干渉するおそれがない。
さらに、第4内壁面124のX方向の長さは、第2部材210AのX方向の長さと同じ、または第2部材210AのX方向の長さよりも短い。よって、第1部材110Aの底面141Bが第2部材210AからX(−)方向側に張り出すことがない。従って、第1部材110Aの底面141Bが、弁体450の弁部材470と第2部材210Aの撥水膜213Aとの当接を阻害し、第2の孔211Aが閉塞されないという不具合を抑制することができる。従って、実施形態1と比べて、第2部材210Aの小型化及び薄型化を図りつつ、第2の孔211Aを正常に開閉させることができる。
(実施形態3)
<流路構造体の概要>
図10は、図4に対応する図であり、実施形態3に係る流路構造体の概略断面図である。本実施形態に係る流路構造体100Bと実施形態1に係る流路構造体100とでは、第1凹部の形状が異なり、他は同じである。
以下、図10を参照し、本実施形態に係る流路構造体100Bを、実施形態1に係る流路構造体100との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
<流路構造体の概要>
図10は、図4に対応する図であり、実施形態3に係る流路構造体の概略断面図である。本実施形態に係る流路構造体100Bと実施形態1に係る流路構造体100とでは、第1凹部の形状が異なり、他は同じである。
以下、図10を参照し、本実施形態に係る流路構造体100Bを、実施形態1に係る流路構造体100との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態に係る流路構造体100Bは、第1部材110Bと第2部材210とで構成される。第1部材110Bには、第1凹部120Bと、第2凹部130と、第1の孔111と、流出路517とが形成されている。
第1凹部120Bは、第1内壁面121Bと、底面141Cと、凸部150とを有する。第1凹部120Bは、第1内壁面121Bと、底面141Cと、凸部150とで囲まれた領域(空部)に対応する。
なお、凸部150は、「当接部」の一例である。
なお、凸部150は、「当接部」の一例である。
第1内壁面121Bは、実施形態1の第1内壁面121に対応する。底面141Cは、実施形態1の底面141に対応する。すなわち、第1凹部120Bは、実施形態1の第1凹部120の構成要素である第2内壁面122と第3内壁面123とが省略され、新たに凸部150が追加された構成を有している。
凸部150は、第1凹部120Bの内側で底面141Cの上に配置され、底面141CからX(−)方向側に張り出している。第2部材210は、底面141Cと凸部150とで囲まれた領域に配置されている。
第1部材110Bの底面141Cは、第2部材210の当接面220に当接し、底面141Cに直交する方向における第1部材110Bに対する第2部材210の位置を決定する。凸部150は、第2部材210の第2側面222に当接し、底面141Cに沿った方向における第1部材110Bに対する第2部材210の位置を決定する。
第2部材210は、アライメント装置を用いず、第1部材110Bの構成要素(底面141C、凸部150)によって自己整合的に位置合わせされているので、アライメント装置の装置誤差の影響が排除され、アライメント装置を用いて位置合わせする場合よりも高精度に位置合わせすることができる。
さらに、凸部150は、第2部材210の撥水膜213の一部を覆っている。換言すれば、本実施形態に係る流路構造体100Bでは、第1部材110Bの凸部150が、第2部材210の当接面220と反対側の面(撥水膜213)の少なくとも一部を覆う構成を有している。凸部150が第2部材210の撥水膜213の少なくとも一部を覆うことで、第1部材110Bに対して第2部材210をより強く固定することができる。
<流路構造体の製造方法>
図11は、本実施形態に係る流路構造体の製造方法を示す工程フローである。図12A乃至図12Cは、図11に示す主要な工程を経た後の流路構造体の状態を示す概略断面図である。
次に、図11と図12A乃至図12Cとを参照し、本実施形態に係る製造方法を説明する。
図11は、本実施形態に係る流路構造体の製造方法を示す工程フローである。図12A乃至図12Cは、図11に示す主要な工程を経た後の流路構造体の状態を示す概略断面図である。
次に、図11と図12A乃至図12Cとを参照し、本実施形態に係る製造方法を説明する。
図11に示すように、本実施形態に係る流路構造体の製造方法は、第1部材110Bに第1凹部120Bを形成する工程(ステップS11)と、第1凹部120Bに接着剤240を塗布する工程(ステップS2)と、第1部材110Bの第1凹部120Bの中に第2部材210を配置する工程(ステップS3)と、接着剤240を硬化する工程(ステップS4)と、凸部150に熱処理を施す工程(ステップS12)と、を含む。
なお、ステップS11は、「当接部を凹部の内側に形成する工程」の一例である。ステップS2及びステップS3は、「第2部材を第1部材に配置する工程」の一例である。ステップS4は、「第1部材と第2部材とを固定する工程」の一例である。ステップS12は、「当接部を変形させて、第2部材のうち当接面と反対側の面を覆う工程」の一例である。すなわち、本実施形態に係る流路構造体の製造方法は、「第2部材を第1部材に配置する工程」の一例であるステップS2及びステップS3以降に、「当接部を変形させて、第2部材のうち当接面と反対側の面を覆う工程」の一例であるステップS12を有する。
ステップS2、ステップS3、及びステップS4は、実施形態1と同じであるので説明を省略する。
ステップS2、ステップS3、及びステップS4は、実施形態1と同じであるので説明を省略する。
図12Aに示すように、ステップS11では、熱可塑性樹脂を複数の金型を使用して成型し、第1凹部120Bと、第2凹部130と、第1の孔111と、流出路517と、を有する第1部材110Bを形成する。さらに、ステップS11では、第1凹部120Bに、底面141CからX(−)方向に張り出した凸部150を形成する。
ステップS3では、底面141Cと凸部150とで囲まれた領域に第2部材210を配置する。
ステップS3では、底面141Cと凸部150とで囲まれた領域に第2部材210を配置する。
図12Bに示すように、ヒートツール250は、ホルダー251と、通電により発熱する発熱体252とを有している。ホルダー251は、発熱体252を支持し、熱を伝えやすい材料で構成されている。
ステップS12では、発熱体252(ヒートツール250)が発熱した状態で、ヒートツール250の位置を調整しながら、ホルダー251(ヒートツール250)を凸部150に近付ける。
ステップS12では、発熱体252(ヒートツール250)が発熱した状態で、ヒートツール250の位置を調整しながら、ホルダー251(ヒートツール250)を凸部150に近付ける。
凸部150が第2部材210からX(−)方向に張り出した状態で、第2部材210を底面141Cと凸部150とで囲まれた領域に配置し、ホルダー251(ヒートツール250)を凸部150に近付けると、凸部150が選択的に加熱される。
ステップS12では、ヒートツール250を凸部150に接触させ、凸部150を選択的に加熱し、凸部150を熱変形させる。その結果、図12Cに示すように、第2部材210の第2側面222に当接し、第2部材210の撥水膜213の少なくとも一部を覆う凸部150を形成することができる。
なお、ヒートツール250以外に、例えば凸部150にレーザー光を照査することによっても、凸部150を選択的に加熱することができる。
ステップS12では、ヒートツール250を凸部150に接触させ、凸部150を選択的に加熱し、凸部150を熱変形させる。その結果、図12Cに示すように、第2部材210の第2側面222に当接し、第2部材210の撥水膜213の少なくとも一部を覆う凸部150を形成することができる。
なお、ヒートツール250以外に、例えば凸部150にレーザー光を照査することによっても、凸部150を選択的に加熱することができる。
(実施形態4)
図13は開弁状態にある開閉弁の概略断面図である。図14は閉弁状態にある開閉弁の概略断面図である。
実施形態1に係るプリンター1は、インクタンク8と記録ヘッド20との間のインクの流路を開閉する弁装置(バルブユニット50)を有していた。当該弁装置(バルブユニット50)は、記録ヘッド20に適宜インクを供給するためのものであって、記録ヘッド20からインクが噴射され記録ヘッド20内のインク圧が低下すると開弁して記録ヘッド20にインクを供給し、記録ヘッド20にインクが供給され記録ヘッド20内のインク圧が高まると閉弁する開閉弁である。
図13は開弁状態にある開閉弁の概略断面図である。図14は閉弁状態にある開閉弁の概略断面図である。
実施形態1に係るプリンター1は、インクタンク8と記録ヘッド20との間のインクの流路を開閉する弁装置(バルブユニット50)を有していた。当該弁装置(バルブユニット50)は、記録ヘッド20に適宜インクを供給するためのものであって、記録ヘッド20からインクが噴射され記録ヘッド20内のインク圧が低下すると開弁して記録ヘッド20にインクを供給し、記録ヘッド20にインクが供給され記録ヘッド20内のインク圧が高まると閉弁する開閉弁である。
本実施形態に係るプリンターは、インクタンク8とバルブユニット50との間に、他の弁装置(開閉弁60)を有している。他の弁装置(開閉弁60)は、チョーククリーニングを行うときに記録ヘッド20に繋がるインクの流路を閉弁させるためのものである。
すなわち、本実施形態に係るプリンターは、実施形態1に係るプリンター1に対して開閉弁60が付加された構成を有している。
すなわち、本実施形態に係るプリンターは、実施形態1に係るプリンター1に対して開閉弁60が付加された構成を有している。
以下に、図13及び図14を参照して、新たに付加された開閉弁の概要を説明する。
図13及び図14に示すように、開閉弁60は、流路構造体70と、フィルム部材90とを有する。流路構造体70は第1部材71と、第2部材81とで構成される。
図13及び図14に示すように、開閉弁60は、流路構造体70と、フィルム部材90とを有する。流路構造体70は第1部材71と、第2部材81とで構成される。
第1部材71は、例えば熱可塑性樹脂で形成された部材であり、凹部72と、第1の孔73と、流入路61とを有する。第1の孔73は、バルブユニット50の流入路515に接続されている。流入路61は供給管10に接続されている。
凹部72は、底面74と、第1内壁面75と、第2内壁面76とを有する。すなわち、凹部72は、底面74と第1内壁面75と第2内壁面76とで囲まれた領域(空部)に対応する。第1内壁面75は底面74側に配置され、第2内壁面76はフィルム部材90側に配置されている。第1の孔73は、底面74の中央付近を貫くように形成されている。第1の孔73では、底面74の側にテーパ部77が形成されている。テーパ部77によって、第1の孔73の径は底面74へ近づくにつれて大きくなっている。
なお、第1内壁面75は、「当接部」の一例である。
なお、第1内壁面75は、「当接部」の一例である。
第2部材81は、底面74側に配置される本体部82と、底面74と反対側に配置される撥水膜83と、本体部82及び撥水膜83を貫く第2の孔84とを有している。本体部82は、インクによって膨潤し難い材料、例えばステンレス鋼(SUS)で構成されている。撥水膜83は、インクに対して撥液性を有するものであればよく、例えばフッ素系高分子を含む金属膜や、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜などを用いることができる。
第2の孔84は第1の孔73よりも広く、第2の孔84が第1の孔73よりも狭い場合と比べて、第2の孔84の中をインクが流動しやすくなっている。
第2の孔84は第1の孔73よりも広く、第2の孔84が第1の孔73よりも狭い場合と比べて、第2の孔84の中をインクが流動しやすくなっている。
第2部材81は、底面74に当接する当接面85と、第1内壁面75に当接する側面86を有している。第2部材81は、第1部材71の底面74と第1内壁面75とで囲まれた領域に配置されている。
第1部材71の底面74は、第2部材81の当接面85に当接し、底面74に直交する方向における第1部材71に対する第2部材81の位置を決定する。第1部材71の第1内壁面75は第2部材81の側面86に当接し、底面74に沿った方向における第1部材71に対する第2部材81の位置を決定する。
第2部材81は、アライメント装置を用いず、第1部材71の構成要素(底面74、第1内壁面75)によって自己整合的に位置合わせされているので、アライメント装置の装置誤差の影響が排除され、アライメント装置を用いて位置合わせする場合よりも高精度に位置合わせすることができる。
第1部材71の底面74と第2部材81の当接面85との間には、接着剤240が配置され、第1部材71と第2部材81とが接着剤240によって接着されている。すなわち、第2部材81は、当接面85にて第1部材71に接着されている。
フィルム部材90は、例えば合成樹脂フィルムであり、ガスバリア性と可撓性とを有している。フィルム部材90は、フィルム部材90の外面に大気圧がかかる状態で第1部材71の凹部72に接着され、フィルム部材90と凹部72とでインクを貯留する液体室93が形成される。
開閉弁60のフィルム部材90は、図示しない部材等により、撥水膜83から離間したり、撥水膜83に当接したりする。図示しない部材等としては、フィルム部材90を選択的に付勢する偏芯カム、または、ポンプと連通し選択的にフィルム部材90を押圧する圧力室等が挙げられる。
図13に示すように、フィルム部材90が撥水膜83から離間し、第2の孔84が開かれた状態になると、開閉弁60からバルブユニット50に至るインクの流路が開かれる。
図13に示すように、フィルム部材90が撥水膜83から離間し、第2の孔84が開かれた状態になると、開閉弁60からバルブユニット50に至るインクの流路が開かれる。
図14に示すように、フィルム部材90が液体室93の容積を減少させる方向に撓んで、フィルム部材90が撥水膜83に当接し、第2の孔84を閉塞すると、開閉弁60からバルブユニット50に至るインクの流路が閉じられる。
このように、開閉弁60は、フィルム部材90が撥水膜83に離当接することによって開閉する開閉弁である。フィルム部材90が離当接する部分には撥水膜83が設けられ、フィルム部材90が離当接する部分はインクをはじき、インクの堆積が抑制される。従って、フィルム部材90が離当接する部分にインクが堆積し、フィルム部材90による第2の孔84の閉塞が難しくなるという不具合を抑制することができる。
本実施形態に係るプリンターでは、開閉弁60が閉弁している状態で、キャップ12が記録ヘッド20に当接しキャップ12内を吸引ポンプによって吸引し、開閉弁60の閉弁箇所(第2の孔84)から記録ヘッド20のノズル開口334に至るまでのインクの流路内に負圧を蓄積する。この負圧が十分蓄積された所定の段階で、開閉弁60が開弁されるように設定されている。この開閉弁60の開弁によって、液体室93における第2の孔84より下流側の流路に蓄積されていた負圧を解消しようとして、上流側から一気にインクが流れ込み、瞬間的に流速の高められたインクが流れる。この結果、液体室93及びその下流の流路上に留まっていた気泡や異物が、インクとともに一気に記録ヘッド20のノズル開口334から排出される。
すなわち、本実施形態に係るプリンターでは、インクの流路内に負圧を十分蓄積した後に開閉弁60を開弁し、インクの流路内に留まっている気体や増粘したインクを下流側へ一気に押し出すチョーククリーニング処理を実行する。このため、本実施形態に係るプリンターは、実施形態1に係るプリンターと比べて、インクの流路内に留まる気体や増粘したインクを、より強く排出することができる。
なお、本実施形態では、バルブユニット50と別の場所に開閉弁60を設けたが、バルブユニット50の中に開閉弁60を設ける構成であってもよい。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
図15は、図6に対応する図であり、変形例1に係る流路構造体の概略断面図である。
本変形例に係る流路構造体100Cでは、第2部材210Bに形成された第2の孔211Bの形状が実施形態1と異なり、他は実施形態1と同じである。
以下、図15を参照して本変形例を説明する。
図15は、図6に対応する図であり、変形例1に係る流路構造体の概略断面図である。
本変形例に係る流路構造体100Cでは、第2部材210Bに形成された第2の孔211Bの形状が実施形態1と異なり、他は実施形態1と同じである。
以下、図15を参照して本変形例を説明する。
図15に示すように、本変形例に係る流路構造体100Cは、第1部材110と第2部材210Bとで構成される。第2部材210Bは、底面141へ近づくにつれて第2の孔211Bの径を大きくするテーパ部113を有している。この点が本変形例と実施形態1との相違点である。
接着剤240の移動面にテーパ部113を設けると、接着剤240の移動面が底面141(平面)だけで構成される場合と比べて、接着剤240の移動方向(Z方向)と交差する方向の空間を広くし、接着剤240の移動面により多くの接着剤240を留めることができる。すなわち、図中の破線で示すように、底面141と当接面220との間からはみ出した余分な接着剤240は、テーパ部113(底面141と第1側面221との間)に留まり、第1の孔111の側(弁体450が配置される側)に移動しにくくなる。
さらに、第1部材110は、底面141へ近づくにつれて第1の孔111の径を大きくするテーパ部112を有しているので、底面141と当接面220との間からはみ出した余分な接着剤240は、テーパ部112によっても第1の孔111の側(弁体450が配置される側)に移動しにくくなる。
従って、本変形例は、実施形態1と比べて、接着剤240が第1の孔111の側(弁体450が配置される側)に移動しにくくなり、接着剤240が弁体450に干渉したことによる弁体450の動作不良をより強く抑制することができる。
従って、本変形例は、実施形態1と比べて、接着剤240が第1の孔111の側(弁体450が配置される側)に移動しにくくなり、接着剤240が弁体450に干渉したことによる弁体450の動作不良をより強く抑制することができる。
なお、第2の孔211Bにテーパ部113を設け、第1の孔111にテーパ部112を設けない構成であってもよい。この構成であれば、実施形態1と同等の効果を奏することができる。
すなわち、底面141へ近づくにつれて第1の孔111の径を大きくするテーパ部112を第1部材110に設ける構成、及び底面141へ近づくにつれて第2の孔211Bの径を大きくするテーパ部113を第2部材210Bに形成する構成の少なくとも一方を有することで、底面141と当接面220との間からはみ出した余分な接着剤240が弁体450に干渉しにくくなり、弁体450の動作不良(バルブユニット50の動作不良)を抑制することができる。
すなわち、底面141へ近づくにつれて第1の孔111の径を大きくするテーパ部112を第1部材110に設ける構成、及び底面141へ近づくにつれて第2の孔211Bの径を大きくするテーパ部113を第2部材210Bに形成する構成の少なくとも一方を有することで、底面141と当接面220との間からはみ出した余分な接着剤240が弁体450に干渉しにくくなり、弁体450の動作不良(バルブユニット50の動作不良)を抑制することができる。
(変形例2)
図16は、図6に対応する図であり、変形例2に係る流路構造体の概略断面図である。以下、図16を参照して本変形例に係る流路構造体100Dの概要を説明する。
図16は、図6に対応する図であり、変形例2に係る流路構造体の概略断面図である。以下、図16を参照して本変形例に係る流路構造体100Dの概要を説明する。
図16に示すように、本変形例に係る流路構造体100Dは、第1部材110Cと第2部材210Cとで構成される。第1部材110Cには、底面141と第3内壁面123とを有する第1凹部120Cが形成されている。すなわち、第1凹部120Cは、実施形態1の第1凹部120から第1内壁面121と第2内壁面122とが削除された構成を有している。第1部材110Cの底面141には、勘合用凹部160を設けられている。第2部材210Cの当接面220には、勘合用凸部170が設けられている。
なお、勘合用凹部160は、「当接部」の一例である。
なお、勘合用凹部160は、「当接部」の一例である。
第1部材110Cの底面141は、第2部材210Cの当接面220に当接し、底面141に直交する方向における第1部材110Cに対する第2部材210Cの位置を決定する。第1部材110Cの勘合用凹部160は、第2部材210Cの勘合用凸部170に当接(勘合)し、底面141に沿った方向における第1部材110Cに対する第2部材210Cの位置を決定する。
第2部材210Cは、アライメント装置を用いず、第1部材110Cの構成要素(底面141、勘合用凹部160)によって自己整合的に位置合わせされているので、アライメント装置の装置誤差の影響が排除され、アライメント装置を用いて位置合わせする場合よりも高精度に位置合わせすることができる。
第2部材210Cは、アライメント装置を用いず、第1部材110Cの構成要素(底面141、勘合用凹部160)によって自己整合的に位置合わせされているので、アライメント装置の装置誤差の影響が排除され、アライメント装置を用いて位置合わせする場合よりも高精度に位置合わせすることができる。
なお、勘合用凸部170を第1部材110の底面141に設け、勘合用凹部160を第2部材210の当接面220に設け、第1部材110Cの勘合用凸部170が第2部材210Cの勘合用凹部160に当接することによっても、底面141に沿った方向における第1部材110Cに対して第2部材210Cを高精度に位置合わせすることができる。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置全般に適用することができる。例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等における流路構造体に本発明を適用させることができる。
100…流路構造体、110…第1部材、111…第1の孔、112…テーパ部、120…第1凹部、121…第1内壁面、122…第2内壁面、123…第3内壁面、130…第2凹部、140…隔壁、141…底面、210…第2部材、211…第2の孔、212…本体部、213…撥水膜、220…当接面、221…第1側面、222…第2側面、240…接着剤、410…フィルム部材、420…受圧板、430…バネ、440…蓋部材、450…弁体、460…軸、461…本体部、462…フランジ部、470…弁部材、511…液体室、513…圧力調整室、515…流入路、517…流出路。
Claims (15)
- 蓋部材との間で液体を貯留する液体室を形成する凹部と、前記凹部の底面に形成され前記液体の流路となる第1の孔とを有する第1部材と、
前記底面と当接する当接面と、前記第1の孔を露出させ前記流路となる第2の孔とを有する第2部材と、
を含み、
前記第1部材は、前記底面に沿った方向における前記第2部材の位置を決定する当接部を有することを特徴とする流路構造体。 - 前記底面と前記当接面との間に、前記第1部材と前記第2部材とを固定する接着剤を有していることを特徴とする請求項1に記載の流路構造体。
- 前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方は、さらに、前記底面へ近づくにつれて前記第1の孔または前記第2の孔の径を大きくするテーパ部を有することを特徴とする請求項2に記載の流路構造体。
- 蓋部材との間で液体を貯留する液体室を形成する凹部と、前記凹部の底面に形成され前記液体の流路となる第1の孔とを有する第1部材と、
前記底面と当接する当接面と、前記第1の孔を露出させ前記流路となる第2の孔とを有する第2部材と、
を含み、
前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方は、さらに、前記底面へ近づくにつれて前記第1の孔または前記第2の孔の径を大きくするテーパ部を有することを特徴とする流路構造体。 - 前記第1部材は、さらに、前記底面に沿った方向における前記第2部材の位置を決定する当接部を有することを特徴とする請求項4に記載の流路構造体。
- 前記第2部材は、前記当接面を挟んで、前記当接面に交差する第1側面と第2側面とを有し、
前記第1側面は、前記第2の孔を規定し、
前記第2側面は、前記第2部材の外形を規定し、
前記当接部は、前記第2側面に当接することを特徴とする請求項1〜3,5のいずれか1項に記載の流路構造体。 - 前記第2部材は、前記当接面を挟んで、前記当接面に交差する第1側面と第2側面とを有し、
前記第1側面は、前記第2の孔を規定し、
前記第2側面は、前記第2部材の外形を規定し、
前記当接部は、前記第1側面に当接することを特徴とする請求項1〜3,5のいずれか1項に記載の流路構造体。 - 前記第2部材は、弁部材が当接することにより前記第2の孔を閉塞可能とする部位に撥水面をさらに有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の流路構造体。
- 前記底面に直交する方向において、前記当接部の長さは、前記第2部材の長さと同じ、または前記第2部材の長さよりも短いことを特徴とする請求項8に記載の流路構造体。
- 前記第2部材に離当接する弁部材と、
前記弁部材に固定され、前記第1の孔及び前記第2の孔を通る軸と、
前記軸の位置を変化させて前記弁部材を前記第2部材に離当接させる弾性部材と、
をさらに有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の流路構造体。 - 前記凹部は、前記底面を囲むように配置される内壁面を有し、
前記内壁面は、前記底面から離れるにつれて前記凹部の開口が広くなるように傾斜したガイド部を有していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の流路構造体。 - 平面視で、前記第1の孔は前記第2の孔の内側に配置され、
前記第2部材は、前記当接面にて前記第1部材に固定され、
前記第2の孔の前記当接面側の開口は、前記第1の孔の前記当接面側の開口よりも、広いことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の流路構造体。 - 前記当接部は、前記第2部材のうち前記当接面と反対側の面の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の流路構造体。
- 凹部と、前記凹部の底面に形成された第1の孔とを有する第1部材と、
前記底面と当接する当接面と、前記第1の孔を露出させる第2の孔とを有する第2部材と、
を含む流路構造体の製造方法であって、
前記底面に沿った方向における前記第2部材の位置を決定する当接部を、前記凹部の内側に形成する工程と、
前記当接部に接するように前記第2部材を前記第1部材に配置する工程と、
前記第1部材と前記第2部材とを固定する工程と、
を含むことを特徴とする流路構造体の製造方法。 - 前記配置する工程以降に、前記当接部を変形させて、前記第2部材のうち前記当接面と反対側の面の少なくとも一部を覆う工程を有することを特徴とする請求項14に記載の流路構造体の製造方法。
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JP2016004168A JP2017125527A (ja) | 2016-01-13 | 2016-01-13 | 流路構造体及び流路構造体の製造方法 |
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WO2020246359A1 (ja) * | 2019-06-05 | 2020-12-10 | Ckd株式会社 | 流体制御機器の製造方法 |
-
2016
- 2016-01-13 JP JP2016004168A patent/JP2017125527A/ja active Pending
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KR20210153701A (ko) * | 2019-06-05 | 2021-12-17 | 씨케이디 가부시키 가이샤 | 유체 제어 기기의 제조 방법 |
JP7132888B2 (ja) | 2019-06-05 | 2022-09-07 | Ckd株式会社 | 流体制御機器の製造方法 |
TWI779295B (zh) * | 2019-06-05 | 2022-10-01 | 日商Ckd股份有限公司 | 流體控制裝置之製造方法 |
KR102581769B1 (ko) | 2019-06-05 | 2023-09-25 | 씨케이디 가부시키 가이샤 | 유체 제어 기기의 제조 방법 |
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