JP2017124385A - 排ガス処理装置および排ガス処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃熱回収を効率的に行うことができる排ガス処理技術を提供する。【解決手段】排ガスが通過する排ガス経路と、排ガス経路に設けられ、排ガスの熱を回収して蒸気を生成する廃熱回収ボイラ3と、排ガス経路の廃熱回収ボイラ3よりも下流側に設けられ、廃熱回収ボイラ3により熱が回収された後の排ガスに含まれる窒素酸化物を、アンモニア還元剤と脱硝触媒と用いたアンモニア接触還元によって、窒素と水とに変換する脱硝装置6と、を備える。【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、コンバインドサイクル発電が行われる発電所の排ガス処理技術に関する。
コンバインドサイクル発電等が行われる火力発電所では、廃熱回収ボイラ内に脱硝装置が配置される。脱硝装置には、脱硝触媒が配置され、排ガス中に含有する窒素酸化物を水と窒素に無害化する役割がある。
近年、太陽光発電等の再生可能エネルギーによる電力が電力網に供給されることにより、電力の需給変動が生じ、火力発電所の出力調整による電力需給の調整が行われることがある。しかし、需給変動に応じた火力発電所の出力調整(定格外運転)に伴い、排ガスの温度が触媒の働きにくい低温となる。こうした低温での働きを改善した触媒がある(例えば、特許文献1参照)。
また、定格外の運転では低温化と同時に窒素酸化物中の二酸化窒素の比率が増加することにより、現行の脱硝装置による脱硝が十分行われないことが危惧される。そこで、低温の排ガスで高い二酸化窒素比率であっても対応可能な触媒がある(例えば、特許文献2参照)。
このような定格外運転の機会は、例えば、再生可能エネルギーの一つである太陽光発電の場合、太陽光の遮りが頻繁に起こるような限定された気象条件において増加するが、遮りが生じない場合は、通常の定格運転が主となる。従って、気象条件によって異なる温度及び異なる二酸化窒素比率での排ガスの脱硝の両立が必要となっている。
基本工業触媒反応 触媒学会編 p260
廃熱回収ボイラ内に脱硝装置が配置されると、排ガスの熱の一部が脱硝反応に消費される。そのため、廃熱回収ボイラにおいて廃熱回収が効率的に行えなくなる。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、廃熱回収を効率的に行うことができる排ガス処理技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る排ガス処理装置は、排ガスが通過する排ガス経路と、前記排ガス経路に設けられ、前記排ガスの熱を回収して蒸気を生成する廃熱回収ボイラと、前記排ガス経路の前記廃熱回収ボイラよりも下流側に設けられ、前記廃熱回収ボイラにより熱が回収された後の前記排ガスに含まれる窒素酸化物を、アンモニア還元剤と脱硝触媒と用いたアンモニア接触還元によって、窒素と水とに変換する脱硝装置と、を備える排ガス処理装置とする。
本発明の実施形態に係る排ガス処理方法は、排ガス経路を通過する排ガスの熱を回収して蒸気を生成する廃熱回収工程と、前記廃熱回収工程により熱が回収された後の前記排ガスに含まれる窒素酸化物を、アンモニア還元剤と脱硝触媒と用いたアンモニア接触還元によって、窒素と水とに変換する脱硝工程と、を含む排ガス処理方法とする。
本発明の実施形態により、廃熱回収を効率的に行うことができる排ガス処理技術が提供される。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態の脱硝装置が適用された火力発電所の構成を示す図である。本実施形態の火力発電所では、ガスタービンを用いた内燃力発電が行われるとともに、その排熱で汽力発電が行われるコンバインドサイクル発電方式が適用されている。
図1に示すように、本実施形態の火力発電所には、内燃機関としてのガスタービン1が設けられている。このガスタービン1は、空気を圧縮するコンプレッサと、燃料を燃焼する燃焼室と、燃焼室に燃料を供給する燃料供給器と、コンプレッサで圧縮された空気とともに燃料が燃焼されることで回転されるタービンと、を有している。そして、タービンの回転力が第1発電機10に伝達されて内燃力発電が行われる。火力発電所が定格運転を行っているときには、排ガスの温度が300℃から400℃となる。一方、火力発電所が定格外運転を行っているときや、火力発電所の起動時などにおいては、ガスタービン1の出力が抑えられるので、排ガスの温度が250℃以下となる。
ガスタービン1から排出された排ガスは、第1煙道2を介して廃熱回収ボイラ3に送られる。この廃熱回収ボイラ3は、水が導通される水管5を有している。水管5は、廃熱回収ボイラ3の内部で複数箇所が屈曲された細い管であり、屈曲されることで排ガスが当たる表面積が増大されている。廃熱回収ボイラ3の内部の水管5を流れる水が排ガスと熱交換を行うことにより蒸気が発生する。この工程が排ガスの熱を回収して蒸気を生成する廃熱回収工程となっている。なお、後述するように、廃熱回収ボイラ3に送られた排ガスは、第2煙道4に進入する。そして、排ガスは、第2煙道4に設けられた脱硝装置6の脱硝触媒8により脱硝がなされた後に、煙突9から大気中に排出される。
また、廃熱回収ボイラ3から延びる水管5は、蒸気タービン12に接続されている。排ガスと熱交換により水管5の内部で発生した蒸気は、蒸気タービン12に送られる。この蒸気の圧力により蒸気タービン12が回転される。そして、蒸気タービン12の回転力が第2発電機11に伝達されて汽力発電が行われる。
さらに、蒸気タービン12は、復水器13に接続されている。蒸気タービン12を回転させた蒸気は、復水器13で凝縮されて水に戻される。さらに、復水器13から延びる水管5は、廃熱回収ボイラ3に接続されている。そして、復水器13の水は、給水ポンプ(図示略)により再び廃熱回収ボイラ3の内部の水管5に送られる。
このように、内燃力発電に用いるガスタービン1から排出された排ガスの熱を、汽力発電に再利用することで効率的な発電を行うことができる。なお、廃熱回収ボイラ3にて熱交換が行われた後の排ガスの温度は、70℃から100℃程度になる。廃熱回収ボイラ3を通過後の排ガスは、火力発電所が定格運転または定格外運転(起動時等を含む)のいずれの運転状態にあるときでも、常に170℃以下の温度となる。ここで、排ガスの温度が170℃以下であるときを低温であるものとする。
廃熱回収ボイラ3にて熱交換が行われた排ガスは、第2煙道4を介して煙突9に送られる。本実施形態では、第1煙道2と廃熱回収ボイラ3と第2煙道4とで排ガスが通過する排ガス経路が形成されている。さらに、第2煙道4には、排ガスに含まれる窒素酸化物を、アンモニア還元剤と脱硝触媒8と用いたアンモニア接触還元によって、窒素と水とに変換する脱硝を行う脱硝装置6が設けられている。
脱硝装置6は、脱硝触媒8を有するとともに、アンモニア還元剤を脱硝触媒8に向けて噴霧する噴霧手段としてのインジェクタ7を有する。インジェクタ7は、排ガス経路において脱硝触媒8よりも上流側に設けられる。インジェクタ7から噴霧されたアンモニア還元剤は、脱硝触媒8に到達するまでに排ガスと充分に混合される。なお、インジェクタ7は、脱硝触媒8から所定の距離を空けて配置しても良いし、脱硝触媒8の直前に配置しても良い。アンモニア還元剤と混合された排ガスは、脱硝触媒8の脱硝触媒層に達し、以下の反応式(1)〜(3)により窒素と水に変換される。この工程が排ガスの脱硝を行う脱硝工程となっている。
4NO + 4NH3 + O2 → 4N2 + 6H2O…反応式(1)
NO + NO2 + 2NH3 → 2N2 + 3H2O…反応式(2)
6NO2 + 8NH3 → 7N2 + 12H2O…反応式(3)
NO + NO2 + 2NH3 → 2N2 + 3H2O…反応式(2)
6NO2 + 8NH3 → 7N2 + 12H2O…反応式(3)
なお、脱硝反応は、NOx中のNOとNO2の比率に応じて、主反応が変わる。反応式(1)および反応式(2)は、NOx中のNO2比率(NO2/NOx比率)が0.5以下で主反応となり、反応速度が比較的速いため高い脱硝率が得られやすい。一方、反応式(3)は、NO2/NOx比率が0.6以上の高NO2条件下にて主反応となる。
本実施形態の脱硝触媒8は、アルミニウム酸化物の担体に対し、銀およびルテニウムからなる金属を含有成分とした触媒となっている。また、脱硝触媒8には、銀の金属酸化物やルテニウムの金属酸化物を含有成分として用いても良い。このような脱硝触媒8を用いることで、170℃以下の低温の排ガスの脱硝を行うことができる。
脱硝装置6は、排ガス経路における煙突9の直前の位置に設けられている。つまり、脱硝装置6は、排ガスが煙突9に進入する直前の位置で脱硝を行う。このように、排ガスが最も低温となっている煙突9に進入する直前の位置で、インジェクタ7からアンモニア還元剤が噴霧される。そのため、アンモニア還元剤の酸化反応を抑制することができ、アンモニア還元剤の消費量が削減される。
なお、煙突9とは、排ガスを上昇気流の原理で上方へ導くための長い筒状の装置であり、下部から導入された排ガスを上部の開口から大気中に放出するものである。脱硝装置6は、煙突の内側に設けられても良いし、煙突内の下方に設けられても良い。さらに、排ガスが煙突に進入する直前の位置とは、脱硝装置6から煙突9までの間に他の装置がなく、排ガス経路のみとなっている状態を言い、脱硝装置6から煙突9までの間に一定の距離が設けられていても良い。また、煙突9の直前の排ガス経路には、他の装置がないので、このスペースが最も脱硝装置6を設けやすい箇所となっている。そして、脱硝装置6により脱硝された排ガスは、煙突9を介して大気中に放出される。
また、従来技術では、脱硝触媒8の機能する温度の制約から、廃熱回収ボイラ3と脱硝装置6とを一体的に設ける必要があった。これに対して、本実施形態では、廃熱回収ボイラ3から脱硝装置6を独立させ、分離して設けることができる。そのため、廃熱回収ボイラ3や脱硝装置6の運用性やメンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
本実施形態では、脱硝装置6が廃熱回収ボイラ3よりも下流側に設けられる。そして、廃熱回収ボイラ3により熱が回収された後の170℃以下の排ガスに含まれる窒素酸化物を、アンモニア還元剤と脱硝触媒と用いたアンモニア接触還元によって、窒素と水とに変換する脱硝を行う。そのため、本実施形態では、脱硝のためのアンモニア接触還元の反応に熱が奪われる前の排ガスを用いて廃熱回収が行えるので、廃熱回収が効率的に行える。また、廃熱回収がされた後の排ガスは、常に170℃以下の温度となるため、アンモニア還元剤の投入量を頻繁に変更する必要もなくなるので、安定的な脱硝を行うことができる。
本実施形態では、脱硝触媒8は、アルミニウム酸化物の担体に対し、銀およびルテニウムからなる金属または金属酸化物を含有成分とした触媒であることで、低温であっても触媒としての活性が高くなるので、標準気圧において170℃以下の低温の排ガスの脱硝を行うことができる。また、低温の排ガスとは、170℃以下の温度であればいずれの温度でも良い。例えば、150℃以下や130℃以下や125℃以下や110℃以下や100℃以下や90℃以下の温度であっても良い。なお、従来技術の脱硝触媒では、170℃以下の低温の排ガスの脱硝を行うことができないという課題があるが、本実施形態はこのような課題を解決することができる。また、本実施形態の脱硝触媒8は、低温になることで生じる高NO2条件下にある排ガスの脱硝を行うことができる。
次に、第2実施形態に係る脱硝装置6Aにつき、図2から図3を参照して説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
図2に示すように、脱硝装置6Aは、前述した実施形態と同様に第2煙道4に設けられている。この脱硝装置6Aは、複数枚(n枚)の触媒カートリッジ801,802,…80nからなる脱硝触媒8Aを有する。各触媒カートリッジ801,802,…80nは、同一構成をなしており、四角形状をなす板状の部材として形成される。これらの触媒カートリッジ801,802,…80nは、第2煙道4内における排ガスの流れる方向に対して直交するように設けられ、一方の面から排ガスが進入して他方の面から排出されるようになっている。なお、第2煙道4は、断面視で四角形状をなす角管形状をなし、この第2煙道4の内部を仕切るように、各触媒カートリッジ801,802,…80nが着脱自在に取り付けられている。
また、各触媒カートリッジ801,802,…80nは、排ガスが進入する側の面が同一方向を向き、第2煙道4の内部において排ガスの通過方向に沿って順次並んで配置されている。例えば、1の触媒カートリッジ801を通過した排ガスが他の触媒カートリッジ802を通過するようになっている。
なお、排ガスには、窒素酸化物のほか、微量の煤塵や蒸気(湿分)などの脱硝を阻害する阻害成分が含まれている。そのため使用期間が長くなるほど触媒カートリッジ801,802,…80nの脱硝性能が低下する。例えば、排ガスの通過方向に対して上流側に配置される1枚目の触媒カートリッジ801は、排ガスに含まれる阻害成分の影響を受けやすく、耐使用期間は短くなり、交換頻度が増加する。
触媒カートリッジ801,802,…80nが消耗したときには、新しい触媒カートリッジ801,802,…80nに交換することができる。特に図示はしないが、第2煙道4に開閉されるメンテナンス口を設けるようにし、このメンテナンス口を介して触媒カートリッジ801,802,…80nの交換作業が行えるようにしても良い。なお、メンテナンス口を第2煙道4の側方位置に設け、触媒カートリッジ801,802,…80nの交換作業を第2煙道4の側方から行うようにしている。
第2実施形態の脱硝触媒8Aが複数枚の触媒カートリッジ801,802,…80nからなるので、消耗度合に応じて個別に触媒カートリッジ801,802,…80nを交換できる。また、交換作業も容易に行うことができる。また、排ガスが最初に当たる触媒カートリッジ801は消耗が激しくなり、排ガスが最後に当たる触媒カートリッジ80nが消耗し難くなるので、各触媒カートリッジ801,802,…80nの交換時には、消耗の激しい触媒カートリッジ801を交換し、殆ど消耗していない触媒カートリッジ80nは使用を継続できるので、脱硝触媒8Aの消費量を低減できる。
また、触媒カートリッジ801,802,…80nの配列を定期的に変更しても良い。例えば、1枚目の触媒カートリッジ801をn枚目の触媒カートリッジ80nの下流側に入れ替えて、2枚目の触媒カートリッジ802を最初に排ガスが当たるようにしても良く、これを定期的に繰り返すことで、触媒カートリッジ801,802,…80nの使用期間を延ばしても良い。
なお、排ガスが低温であると排ガスに含まれる水分が凝縮されやすくなる。第2実施形態では、排ガスに含まれる水分(湿分)を除去するために、脱硝触媒8Aの上流側に金属フィルタ20(デミスタ)が設けられている。本例では、インジェクタ7と脱硝触媒8Aとの間に金属フィルタ20が設けられている。なお、インジェクタ7よりも上流側に金属フィルタ20を設けるようにしても良い。
この金属フィルタ20は、第2煙道4の内周に沿って取り付けられる外枠23と、この外枠23により保持されるワイヤメッシュ24などの金属繊維の集合体と、で構成される。ワイヤメッシュ24は、排ガス(流体)との接触面積を増やすために繊維状となっている。なお、外枠23は、排ガスの流れに対してワイヤメッシュ24の形状を維持するために設けられる。
この金属フィルタ20(ワイヤメッシュ24)により第2煙道4が仕切られている。第2煙道4を通過する排ガスは、必ず金属フィルタ20を通過した後に、脱硝触媒8Aに当たるようになっている。なお、排ガスは酸性成分を含むため、金属フィルタ20は、耐腐食性に優れる材料、例えば、SUS317などの材料で形成することが望ましい。
第2煙道4に進入した排ガスは、インジェクタ7から噴霧されるアンモニア還元剤と混合された後に、金属フィルタ20を通過する。なお、排ガスは、アンモニア還元剤と混合される前に、金属フィルタ20を通過しても良い。そして、金属フィルタ20によって、排ガスの除湿または除塵がなされる。
また、金属フィルタ20は、外枠23の内側にワイヤメッシュ24とともに設けられる金属配管25を有している。この金属配管25は、複数箇所が屈曲された細い管であり、その内部に冷却媒体が導通される。なお、冷却媒体は、冷却水や冷却用のガス等であれば良い。冷却媒体によりワイヤメッシュ24が冷却されて、排ガスに含まれる蒸気が凝縮され、水となってワイヤメッシュ24を伝って流れ落ちる。さらに、金属フィルタ20の下部には、凝縮された水をためる貯蔵タンク21が設けられる。さらに、貯蔵タンク21に溜まった水を排水するためも排水ドレン22が設けられる。貯蔵タンク21の満水時には、排水ドレン22から適宜排水がなされる。
第2実施形態では、冷却された金属フィルタ20によって排ガスに含まれる水分を凝縮し、排水ドレン22によってスムーズ(継続的)に排水することができるので、脱硝触媒8Aに水分が当たることを防ぐことができる。
第2実施形態では、金属フィルタ20により水分(湿分)を除去できるので、脱硝触媒8Aを保護することができる。また、金属フィルタ20が繊維状のワイヤメッシュ24をゆすることで、排ガスとの接触面積を増加させることができ、湿分の除去を効率的に行うことができる。また、冷却媒体が導通される金属配管25によりワイヤメッシュ24が冷却されるので、排ガスに含まれる湿分の凝縮性を高めることができる。また、貯蔵タンク21に金属フィルタ20から流れた落ちた水を貯めることで、第2煙道4の内部で水が他に移動されることを防ぐことができる。
次に、本実施形態で用いた脱硝触媒の脱硝性能の評価例について図4に示すグラフを参照して説明する。本実施形態の脱硝触媒は、銀(Ag)およびルテニウム(Ru)を含むアルミニウム酸化物(アルミナ)の触媒となっている。この脱硝性能の評価は、前述の第2煙道4の内部の温度を模擬する100℃前後の環境で行う。本例では、97℃と125℃の環境で行う。また、反応ガスとしては、NO2比率の高い排ガスの組成を模擬し、180ppmNOx(NO2/NOx比率0.76)+234ppmNH3(NH3/NOx比率1.3)+模擬燃焼後空気(16%O2+84%N2)を設定した。
脱硝評価装置の構成は、NO/N2とNO2/N2とNH3/N2とO2とN2の各ガスボンベを使って反応ガスを生成する反応ガス調製部と、反応ガスを所定の温度に加熱する反応ガス加熱部と、触媒サンプルを投入する触媒層と、触媒層を通過した後のNO,NO2,NH3濃度を分析するガス分析部より構成される。
反応ガスは、浮き子式流量計を用いて流量を計測し、マスフローコントローラーにより流量が3L/minとなるように制御する。また、触媒量は、10gとし、空間流量は、約15000h−1とした。反応ガス加熱部の下流側と触媒層とには、温度計を設置し、所定の温度となることを確認する。さらに、分析部では、排ガスを採取して分析を行う。この分析は、NO、NO2分離測定用のGASTEC社製ガス検知管を用いて測定を行った。また、脱硝触媒の担体に対する含有成分は、含有率が0.5〜5%程度であることが望ましい。
各ガスボンベから供給されるNO/N2、NO2/N2、NH3/N2、O2、N2ガスは、スタティックミキサーにより混合され、反応温度まで加熱される。加熱後の排ガスは、触媒層に到達し、前述した反応式(1)〜(3)の反応が進行される。触媒層を通過した排ガスは、分析部を経て排ガス処理後排気される。
図4は、反応温度97℃および125℃における脱硝後に反応ガス中に含まれるNH3濃度、NOx濃度、NO濃度、NO2濃度、および脱硝率の結果を示すグラフある。97℃では、触媒層通過後のNOx濃度は、15ppm(14ppmNO+1ppmNO2)、脱硝率91.67%となっている。125℃では、触媒層通過後のNOx濃度は、12ppm(9ppmNO+3ppmNO2)、脱硝率93.56%となっている。本結果により、100℃前後の温度領域であっても脱硝機能が有効に働くことが確認できる。
なお、本実施形態では、銀(Ag)およびルテニウム(Ru)を含むアルミニウム酸化物(アルミナ)の触媒を脱硝触媒として用いているが、脱硝触媒は、この構成に限らずその他の成分を含んでいても良い。例えば、セリウム酸化物、チタン酸化物、およびマグネシウム酸化物のうちの少なくとも1つの担体に対し、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、ロジウム、および鉄のうちの少なくとも1つの金属または金属酸化物を含んだ触媒であっても良い。これらの物質については、熱的に安定性があり、低温での活性が高いという性質があるので、低温の排ガスの脱硝を行うことができる。
以上説明した実施形態の排ガス処理装置によれば、脱硝装置が廃熱回収ボイラよりも下流側に設けられる。そして、廃熱回収ボイラにより熱が回収された後の170℃以下の排ガスに含まれる窒素酸化物を、アンモニア還元剤と脱硝触媒とを用いたアンモニア接触還元によって、窒素と水とに変換する脱硝を行う。そのため、本実施形態では、脱硝のためのアンモニア接触還元の反応に熱が奪われる前の排ガスを用いて廃熱回収が行えるので、廃熱回収が効率的に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…ガスタービン、2…第1煙道、3…廃熱回収ボイラ、4…第2煙道、5…水管、6,6A…脱硝装置、7…インジェクタ、8,8A…脱硝触媒、9…煙突、10…発電機、11…発電機、12…蒸気タービン、13…復水器、20…金属フィルタ、21…貯蔵タンク、22…排水ドレン、23…外枠、24…ワイヤメッシュ、25…金属配管、80…触媒カートリッジ。
Claims (9)
- 排ガスが通過する排ガス経路と、
前記排ガス経路に設けられ、前記排ガスの熱を回収して蒸気を生成する廃熱回収ボイラと、
前記排ガス経路の前記廃熱回収ボイラよりも下流側に設けられ、前記廃熱回収ボイラにより熱が回収された後の前記排ガスに含まれる窒素酸化物を、アンモニア還元剤と脱硝触媒と用いたアンモニア接触還元によって、窒素と水とに変換する脱硝装置と、
を備える排ガス処理装置。 - 前記廃熱回収ボイラにより熱が回収された後の前記排ガスは170℃以下である請求項1に記載の排ガス処理装置。
- 前記脱硝触媒は、アルミニウム酸化物の担体に対し、銀およびルテニウムからなる金属または金属酸化物を含有成分とした触媒である請求項1または請求項2に記載の排ガス処理装置。
- 前記廃熱回収ボイラよりも下流側の排ガス経路に接続され、前記排ガスが大気に排出される煙突を備え、
前記脱硝装置は、前記排ガスが前記煙突に進入する直前の位置に設けられる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。 - 前記脱硝装置は、前記脱硝触媒の上流側に設けられて前記排ガスに含まれる水分を除去するためのフィルタを有する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
- 前記フィルタは、冷却されることで前記排ガスに含まれる水分を凝縮するものであり、前記脱硝装置は、凝縮された水分を排水可能な排水ドレンを有する請求項5に記載の排ガス処理装置。
- 前記脱硝触媒は、複数の板状の触媒カートリッジを有し、それぞれの前記触媒カートリッジは、前記排ガス経路内を流れる排ガスの方向に対して直交し、前記触媒カートリッジを通過した前記排ガスが他の前記カートリッジを通過するように、前記触媒カートリッジが前記排ガスの通過方向に沿って並んで配置される請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
- 前記排ガスは内燃力発電に用いられるガスタービンから排出されたものであり、前記廃熱回収ボイラにより生成された蒸気は、蒸気タービンを回転させ、汽力発電を行う請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
- 排ガス経路を通過する排ガスの熱を回収して蒸気を生成する廃熱回収工程と、
前記廃熱回収工程により熱が回収された後の前記排ガスに含まれる窒素酸化物を、アンモニア還元剤と脱硝触媒と用いたアンモニア接触還元によって、窒素と水とに変換する脱硝工程と、
を含む排ガス処理方法。
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2016
- 2016-01-15 JP JP2016006373A patent/JP2017124385A/ja active Pending
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