JP2017122960A - 車両位置推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両の走行状態検出データを積算して車両位置を推定する車両位置推定装置において、周囲にマップマッチングの対象となる特徴物が存在しない場合や、路面状況が変化して走行状態検出データの検出値と実際値が乖離してしまった場合でも、高精度に車両位置を推定することができる車両位置推定装置を提供する。【解決手段】 デッドレコニングにおいて用いられる車両の走行状態検出データ(車両速度及びヨーレート)を、車両と周辺物との関係から算出された走行状態算出データに基づいて補正する。車両速度の補正係数CSは、タイヤスリップ率λと車両加速度aXの関係の蓄積データから、関係式λ=K・aX+bにおける係数K及びbを求め、関係式CS=1/(1−K・aX−b)を用いて算出する。タイヤスリップ率λは、車両と周辺物との関係から算出された車両速度VMと、車輪速センサ1によって検出された車輪速VCと、車両加速度aXとから算出する。【選択図】 図3
Description
本発明は、車両の走行状態検出データを積算して車両位置を推定する車両位置推定装置に関するものである。
従来から、車両の走行状態検出データ(車両の走行状態を示す検出データ、例えば車両速度及びヨーレート)を積算して車両位置を推定する技術(いわゆるデッドレコニング(オドメトリ))を用いた車両位置推定装置が知られている。また、環境地図とのマッチングにより車両位置を同定する技術(いわゆるマップマッチング(例えばSLAM技術))をデッドレコニングと組み合わせて用いることにより、車両位置推定の精度を高めた車両位置推定装置も知られている。
図4には、デッドレコニングとマップマッチングを組み合わせて用いた従来の車両位置推定の概要を示す。図の(A)に示されるように、デッドレコニングは、10ms毎に実行される。デッドレコニングにおいては、走行状態検出データとして車両速度とヨーレートが検出され、ヨーレートの方向に車両速度を積算することにより、推定走行ルート102が求められる。
一方、マップマッチングによる車両位置の同定は80ms毎に実行される。図示されるように、このマップマッチングのタイミングにおいて、デッドレコニングにおける車両推定位置103は、誤差の蓄積によって、マップマッチングによって同定される正しい位置104からずれている。したがって、デッドレコニングにおける車両推定位置を正しい位置104に修正し、デッドレコニングを正しい位置104から継続する。同様に、次のマップマッチングのタイミングにおいては、デッドレコニングにおける車両推定位置105が、正しい位置106に修正される。図の(B)には、このようにしてマップマッチングを用いて修正された推定走行ルート107を示している。このように、デッドレコニングにおいて車両推定位置に誤差が蓄積したとしても、マップマッチングが行なわれるタイミングで車両推定位置が正しい位置に修正されるので、車両位置推定の精度が維持されるようになっている。また、デッドレコニングは高頻度で実行される一方で、計算量の多いマップマッチングは低頻度で実行されるので、全体として演算負荷も抑制されるようになっている。
また、このような技術としては、例えば特許文献1に、オドメトリとマップマッチングを組み合わせて移動***置を推定する方法において、オドメトリによる推定がずれやすい場所を通過したときにのみ、マップマッチングを実行するようにするようにして、演算コストを低減した発明が開示されている。また、特許文献2には、マップ情報から特定された位置情報と、所定の検出ラインを検出する第1と第2の時間差とに基づいて、基準点に対する移動体の相対的な位置と移動方向を算出する移動体制御システムが開示されている。
しかしながら、上記のような従来の車両位置推定装置には、以下に述べるような問題点があった。まず第1に、進行方向に特徴の乏しい直線路のような場所においては、マップマッチングによって幅方向の補正を行うことはできるが、進行方向の補正を行うことができないので、車両位置推定精度が悪化してしまう。また第2に、車両の周囲にマッチング対象となる周辺物(構造物等)が存在しない場合や、渋滞時に隣接車両が邪魔になるとき等、マッチング対象物の検出が阻害されてしまう場合には、マップマッチング自体を行うことができない。また第3に、雨天時等の路面状況の変化によってスリップ率が変化して、車速センサによる車両速度の計測値と実車速の乖離が大きくなった場合には、デッドレコニング自体の精度が低下してしまう。
本発明は、以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、車両の走行状態検出データを積算して車両位置を推定する車両位置推定装置において、周囲にマップマッチングの対象となる特徴物が存在しない場合や、路面状況が変化して走行状態検出データの検出値と実際値が乖離してしまった場合でも、高精度に車両位置を推定することができる車両位置推定装置を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、次のような解決方法を採択している。すなわち、請求項1に記載のように、
車両の走行状態を示す走行状態検出データを検出する検出手段と、前記走行状態検出データを積算して前記車両の位置を推定する車両位置推定手段とを備えた車両位置推定装置において、
前記車両と周辺物との関係に基づいて、車両の走行状態を示す走行状態算出データを算出する走行状態算出データ演算手段と、
前記走行状態検出データと前記走行状態算出データを比較することにより、前記走行状態検出データを補正する走行状態検出データ補正手段と
を備えている。
車両の走行状態を示す走行状態検出データを検出する検出手段と、前記走行状態検出データを積算して前記車両の位置を推定する車両位置推定手段とを備えた車両位置推定装置において、
前記車両と周辺物との関係に基づいて、車両の走行状態を示す走行状態算出データを算出する走行状態算出データ演算手段と、
前記走行状態検出データと前記走行状態算出データを比較することにより、前記走行状態検出データを補正する走行状態検出データ補正手段と
を備えている。
上記解決手法によれば、車両位置推定手段による車両位置推定(デッドレコニング)において用いられる走行状態検出データ(例えば車両速度の検出データ)は、走行状態算出データ演算手段により算出された走行状態算出データ(例えばマップマッチングに基づいて算出された車両速度)に基づいて補正されるので、実際の走行状態をより正しく反映したものとなる。すなわち、走行状態算出データ演算手段により算出された走行状態算出データは、車両と周辺物との関係に基づいて(例えばマップマッチングを用いて)算出されたものであり、実際の走行状態をほぼ正しく反映したものであるので、走行状態算出データに基づいて走行状態検出データを補正することにより、走行状態検出データを、より実際値に近いものとできる。このように、走行状態検出データ自体が、より実際値に近い値に補正されるので、デッドレコニングにおける誤差の蓄積が抑制され、デッドレコニング自体の精度が向上し、また、走行状態検出データと実際値との乖離が大きくなるような走行環境においても、デッドレコニングの精度が低下しないようにできる。また、この場合、走行状態算出データの取得(マップマッチング)は、車両と周辺物との関係が検出可能なとき(マッチング対象物が存在するとき)に行っておけばよいので、マップマッチングを実行できないときでも、それまでに取得されていた走行状態算出データに基づいて、走行状態検出データを補正することができ、高精度の車両位置推定を継続的に行うことができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載の通りである。すなわち、前記走行状態検出データは、前記車両の車両速度及びヨーレートである(請求項2対応)。この場合、走行状態検出データである車両速度及びヨーレートは、車両内部のセンサにより、容易に検出することができる。また、車両位置の推定は、車両速度をヨーレートの方向に積算することにより、比較的少ない計算量で容易に行うことができる。
前記走行状態検出データ補正手段は、前記走行状態検出データ及び前記走行状態算出データを蓄積データとして蓄積するとともに、前記蓄積データに基づいて、前記走行状態検出データの補正方法を決定する(請求項3対応)。この場合、走行状態検出データの補正方法の決定(例えば補正係数の算出)が蓄積データに基づいて行われるので、走行状態検出データの補正は、常時実行することができ、またデータの蓄積により補正の精度が向上する。
前記走行状態検出データ補正手段は、前記走行状態算出データ演算手段により算出された車両速度VMと、前記車両の車輪回転速度から算出された車両速度VCと、車両加速度aXとからタイヤスリップ率λを算出するとともに、前記タイヤスリップ率λと前記車両加速度aXのデータを前記蓄積データとして蓄積し、前記蓄積データの線形補間により、スリップ率と車両加速度aXの関係式
λ=K・aX+b
における係数K及びbを算出し、車両速度データに乗じるべき補正係数CSを、関係式
CS=1/(1−K・aX−b)
から算出する(請求項4対応)。この場合、車両速度の補正係数CSは、走行状態算出データ演算手段により算出された車両速度VMと、車両の車輪回転速度から算出された車両速度VCと、車両加速度aXとから、容易に算出することができ、また車両加速度aXを適切に反映したものとできる。
λ=K・aX+b
における係数K及びbを算出し、車両速度データに乗じるべき補正係数CSを、関係式
CS=1/(1−K・aX−b)
から算出する(請求項4対応)。この場合、車両速度の補正係数CSは、走行状態算出データ演算手段により算出された車両速度VMと、車両の車輪回転速度から算出された車両速度VCと、車両加速度aXとから、容易に算出することができ、また車両加速度aXを適切に反映したものとできる。
前記走行状態検出データ補正手段は、前記蓄積データが所定数以上蓄積されたときに、前記補正方法を更新する(請求項5対応)。この場合、補正方法の更新(例えば補正係数の更新)は、所定数以上の蓄積データに基づいて行われることになるので、適切に行うことができる。また、所定数以上のデータの蓄積毎に補正方法が更新されていくので、走行環境の変化に適切に対応していくことができる。
前記走行状態検出データ補正手段は、前記車両の走行環境の変化に応じて前記補正方法を変更する(請求項6対応)。この場合、走行状態検出データの補正方法(補正係数)を、走行環境に応じて選択することにより、走行環境が変化した場合でも適切な補正を行うことができる。
前記走行状態検出データ補正手段は、前記車両の走行環境が雨の降っている状態から雨が降り止んだ状態に変化した場合に、雨が降っている状態における補正方法を、雨が降り止んでから所定時間にわたって継続する(請求項7対応)。この場合、雨が降り止んだばかりで、雨が降っているときと同様に路面がスリップしやすいときには、雨が降っているときと同様の補正方法が採用されるので、走行状態検出データの補正を適切に行うことができる。
本発明によれば、車両の内部状態を検出して得られる走行状態検出データに基づいて、デッドレコニング(オドメトリ)による車両位置推定を行う車両位置推定装置において、外界情報(車両と周辺物との関係)から算出される走行状態算出データに基づいて、走行状態検出データを補正するので、デッドレコニング自体の精度が向上する。また、走行状態検出データの補正のための外界情報の取得は、取得可能なときに行っておけばよいので、外界情報が取得できないとき(マッピング対象物が存在しないとき)でも、走行状態検出データの補正を継続することができ、車両位置推定の精度を維持することができる。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態の車両位置推定装置における制御系を示すブロック図である。図示されるように、制御系は、マイクロコンピュータを利用して構成された演算装置Uを備えている。
また、制御系には、車両内部の状態を検出するための検出装置として車輪速センサ1及びヨーレートセンサ2が、また、車両外部の状態を検出するための検出装置としてカメラ3が備えられている。演算装置Uには、車輪速センサ1、ヨーレートセンサ2、カメラ3の各種検出装置からの信号が入力されるようになっている。
また、制御系には、車両内部の状態を検出するための検出装置として車輪速センサ1及びヨーレートセンサ2が、また、車両外部の状態を検出するための検出装置としてカメラ3が備えられている。演算装置Uには、車輪速センサ1、ヨーレートセンサ2、カメラ3の各種検出装置からの信号が入力されるようになっている。
車輪速センサ1は、車両の車輪回転速度を検出するセンサであり、演算装置Uは、車輪速センサ1の検出値から車両速度を算出する。また、ヨーレートセンサ2は、車両のヨーレートを検出するセンサである。また、カメラ3は、車両周辺の外界情報(マップマッチングのためのマッチング対象物)を検出するための撮影手段である。
また、制御系には、環境地図データを記憶した記憶装置Mが備えられている。なお、記憶装置Mに記憶されている環境地図データは、予め用意された地図データでもよいし、SLAM技術を用いた場合のように、走行中に取得された情報に基づいて作成(変更)されるものであってもよい。
演算装置Uは、車輪速センサ1及びヨーレートセンサ2の検出値から求められた走行状態検出データ(車両速度及びヨーレート)を積算することにより、車両位置を推定する(デッドレコニングによる車両位置推定)。すなわち、演算装置Uは、ヨーレートにより決まる車両の方向に、車両速度により決まる車両の移動量を積算していくことにより、車両の移動ルートを算出し、これにより車両の位置を推定するようになっている。
また、演算装置Uは、カメラ3から取得された外界情報(車両の周辺物に対する関係)に基づいて、走行状態算出データ(例えばマップマッチングで算出される車両速度及び車両進行方向)を算出する。この場合、外界情報の取得は所定の周期で実行されるが、走行状態算出データの算出は、取得された外界情報に走行状態算出データの算出のために必要な特徴物(マッチング対象物)が含まれている場合にのみ実行されることになる。
演算装置Uは、マップマッチングにより算出された走行状態算出データと、車両内部のセンサ(車輪速センサ1及びヨーレートセンサ2)による検出に基づいて算出された走行状態検出データとを比較することにより、これら2つのデータ間の関係式(例えば補正係数)を算出し、走行状態検出データを、この関係式(補正係数)を用いて補正する。すなわち、マップマッチングにより算出された走行状態算出データ(車両速度及びヨーレート)は、実際値(現実の車両速度及びヨーレート)にほぼ等しい高精度のものであると考えられるのに対し、車両内部のセンサ(車輪速センサ1及びヨーレートセンサ2)による検出で得られた走行状態検出データは、実際値からの乖離が生じやすいものであるので、本発明においては、走行状態検出データを、走行状態算出データに基づく所定の関係式(補正係数)によって補正するようになっている。これにより、デッドレコニングで用いられる走行状態検出データは、より実際値に近いものとなり、デッドレコニングの精度が向上する。
なお、デッドレコニング(走行状態検出データの取得及び積算)は、高頻度(例えばサンプルレート=10ms)で実行されるのに対して、マップマッチング(外界情報の取得及び補正係数の算出)は、低頻度(例えばサンプルレート=80ms)で実行される。これにより、計算量の多いマップマッチングの実行頻度を少なくして、演算装置Uの演算負荷が低減されるようになっている。
次に、本実施形態における車両速度の補正係数CSの算出方法について、詳細に説明する。
車両の加速時においては、タイヤの内側と外側では内側の方が速く回転するため、タイヤには捩じれが生じ、このタイヤの捩じれにより発生する力(ばね力)により、車を進行方向に進める力(加速力)FXが発生する。ここで、車両に働く力FXは、タイヤにかかる荷重FZと路面の摩擦係数μから、
FX=FZ・μ…(1)
と表すことができる。
FX=FZ・μ…(1)
と表すことができる。
一方、路面の摩擦係数μとタイヤスリップ率λは、通常の車両速度の領域では線形関係を有していると考えられ、
μ=k・λ…(2)
と表すことができる。また、車両に働く力Fxと車重m及び車両加速度axの関係式は、
FX=m・ax…(3)
であるので、式(1)及び式(3)より、
FZ・μ=m・aX…(4)
の関係が得られる。さらに、この式(4)に式(2)を代入することにより、
FZ・k・λ=m・aX…(5)
となるので、定数であるFz、k、mをまとめて、
λ=K・aX…(6)
という関係が得られる。ここで、K=FZ・k/mである。
μ=k・λ…(2)
と表すことができる。また、車両に働く力Fxと車重m及び車両加速度axの関係式は、
FX=m・ax…(3)
であるので、式(1)及び式(3)より、
FZ・μ=m・aX…(4)
の関係が得られる。さらに、この式(4)に式(2)を代入することにより、
FZ・k・λ=m・aX…(5)
となるので、定数であるFz、k、mをまとめて、
λ=K・aX…(6)
という関係が得られる。ここで、K=FZ・k/mである。
タイヤスリップ率λは、実車速VA及び車輪速から求められる車両速度(車輪速)VCを使って、
λ=(VA−VC)/VA…(7)
と表すことができる。したがって、上記式(6)及び式(7)から、
(VA−VC)/VA=K・aX…(8)
の関係式が得られる。
λ=(VA−VC)/VA…(7)
と表すことができる。したがって、上記式(6)及び式(7)から、
(VA−VC)/VA=K・aX…(8)
の関係式が得られる。
ここで、実車速VAは、実際の車両速度であるが、マップマッチングにより算出された車両速度VMは実車速VAとほぼ等しいと考えられるので、以下の補正係数の計算においては、上記式(7)及び(8)の実車速VAとして、マップマッチングにより算出された実測値である車両速度VMを用いる。また、車輪速VCは、車輪速センサ1の検出値に基づいて算出された車両速度であり、同じく実測値である。また、加速度aXは、車両速度VA又は車輪速VCの変化率として求めることができる実測値である。
このように、VA及びVAから決まるタイヤスリップ率λと車両加速度aXは、実測データとして取得できるので、これらの実測データから、上記式(6)の係数Kを求めることができる。具体的には、タイヤスリップ率λと車両加速度axの関係を蓄積データとして蓄積していき、この蓄積データをグラフ上にプロットしていき、線形補間により加速度aXとスリップ率λの線形関係式を求める。図2には、このようなグラフ上へのプロット及び線形補間の一例を示す。
この場合、一定速度での走行中(ax=0)であっても、実際のスリップ率λはゼロとならないため、加速度aXとスリップ率λの関係式は、このずれ分を含む以下の式となる。
λ=K・aX+b…(9)
式(9)における傾きK及び切片bを求めることにより、これらの係数K及びbを用いて、実車速VAと車輪速VCの間の補正係数CSが算出される。すなわち、上記式(7)及び(9)から、関係式
VA=VC/(1−K・aX−b)…(10)
が得られるので、補正係数CSは、1/(1−K・aX−b)となる。
λ=K・aX+b…(9)
式(9)における傾きK及び切片bを求めることにより、これらの係数K及びbを用いて、実車速VAと車輪速VCの間の補正係数CSが算出される。すなわち、上記式(7)及び(9)から、関係式
VA=VC/(1−K・aX−b)…(10)
が得られるので、補正係数CSは、1/(1−K・aX−b)となる。
このようにして、デッドレコニングで用いられる車両速度データとしては、車輪速VC(すなわち車輪速センサ1の検出値から算出された車両速度)に補正係数CSを乗じた値が採用される。これにより、デッドレコニングで用いられる車両速度データは、路面状況(スリップ率)が変化した場合等でも、実車速VAに近く精度の高い値に補正されるので、デッドレコニングの精度が向上する。また、補正係数CSは、マップマッピングにより外界情報から車両速度を算出可能なタイミングで計算され、蓄積されたデータに基づいて決められるので、マップマッピングを実行できないときでも、常時、補正係数CSによる車両速度データの適切な補正を行うことができる。
補正係数は、所定のタイミングで更新される。本実施形態では、蓄積データ(グラフ上へのタイヤスリップ率λと車両加速度axの関係のプロット数)が所定数以上蓄積される毎に、補正係数を新たな値に更新し、次回の更新まで、その補正係数を使用するようになっている。
補正係数の更新(変更)は、車両の走行環境の変化に応じて行うようにしてもよい。例えば、車両走行場所の天候をモニターしておき、天候の変化に応じて、補正係数を変更するようにしてもよい。一例として、走行環境が雨の降っている状態から雨が降り止んだ状態に変化した場合、補正係数の更新を、雨が降り止んでからも所定時間にわたって行わないようにする。これにより、雨が降り止んだばかりで、路面状況(スリップ率)が降雨時に近い状態にある間は、降雨時と同じ補正係数が用いられることになり、適切な補正を行うことができる。
また、補正係数決定のためのデータの蓄積を、異なる走行環境(例えば天候)毎に実行し、走行環境が変化した場合には、対応する走行環境時に蓄積されたデータに基づいて決定された補正係数を用いるようにしてもよい。これにより、走行環境に応じて、適切な走行状態検出データの補正を行うことができる。
なお、上述の説明では、走行状態検出データのうち、車両速度(車輪速VC)の補正について説明してきたが、ヨーレートについても、補正を行うことができる。例えば、ヨーレートセンサにより検出された車両のヨーレートYSと、マップマッチングにより算出された車両のヨーレートYMの間に、補正係数CYを乗じた線形関係: YM=CY・YSがあると仮定して、ヨーレートYSとヨーレートYMの比較により補正係数CYを算出し、ヨーレートYSにこの補正係数CYを乗じた値(CY・YS)を、デッドレコニングに用いるヨーレートとしてもよい。
次に、図3のフローチャートを用いて、本実施形態における車両速度の補正係数演算処理の処理手順について、より詳細に説明する。本実施形態の車両位置制御装置においては、デッドレコニングによる車両位置推定に加えて、本フローチャートに示される補正係数演算処理(デッドレコニングで用いられる補正係数の算出)が繰り返し実行される。
補正係数演算処理においては、まずステップS1で、検出装置(カメラ3)からの差分情報(走行ルートの各地点における外界情報)を取得する。続くステップS2においては、ステップS1において取得された差分情報が、マップマッチング(例えばSLAM技術)を用いて車両速度を算出するために利用可能な特徴量を含むものであるか否か(すなわち、車両速度を計算するために利用可能な特徴物が走行地点の環境地図に存在するか)の判断を行い、利用可能な特徴量が存在しない場合には、ステップS1に戻って、検出装置からの差分情報の取得を継続する。
一方、利用可能な特徴量が存在する場合には、ステップS3に進み、上記差分情報からマップマッチングを用いて車両速度VMを算出する。続くステップS4においては、車両速度VMと車輪速VC(車輪速センサ1から求められた車両速度)から求められるスリップ率λと、車両速度VM又は車輪速VCを微分して求められる車両加速度aXを、蓄積データとしてグラフ上にプロットする。
ステップS5においては、所定数以上の蓄積データ(グラフ上へのプロット数)が蓄積されたか否かの判定がなされ、蓄積数が所定数に達していない場合には、ステップS1に戻り、ステップS1からステップS4の処理を繰り返す。
一方、ステップS5において、所定数以上のデータが蓄積されたと判定された場合には、ステップS6に進み、グラフ上にプロットされたスリップ率λ及び車両加速度aXを線形補間することにより、スリップ率の関係式(上記式(9):λ=K・ax+b)における傾きK及び切片bを求め、これらの値を用いて補正係数CS(=1/(1−K・ax−b))を算出(更新)して、1サイクルの処理を終了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲において適宜の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、走行状態検出データの補正を、補正係数を乗じて行うようにしたが、走行状態検出データの補正方法は、これに限られるものではなく、走行状態検出データと走行状態算出データとの間に一次式以外の関数関係を仮定して、この関数関係を用いて走行状態検出データの補正を行うようにしてもよい。また、上記実施形態では、マップマッチングを、デッドレコニングに用いられる走行状態検出データの補正にのみ利用しているが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、必要に応じて、デッドレコニングにおける車両推定位置を、マップマッチングによって算出された車両推定位置に修正する制御を併用してもよい。
本発明は、デッドレコニングを用いた車両位置推定装置において、推定精度向上のために利用できる。
1 車輪速センサ
2 ヨーレートセンサ
3 カメラ
U 演算装置
M 記憶装置
2 ヨーレートセンサ
3 カメラ
U 演算装置
M 記憶装置
Claims (7)
- 車両の走行状態を示す走行状態検出データを検出する検出手段と、前記走行状態検出データを積算して前記車両の位置を推定する車両位置推定手段とを備えた車両位置推定装置において、
前記車両と周辺物との関係に基づいて、車両の走行状態を示す走行状態算出データを算出する走行状態算出データ演算手段と、
前記走行状態検出データと前記走行状態算出データを比較することにより、前記走行状態検出データを補正する走行状態検出データ補正手段と
を備えた車両位置推定装置。 - 請求項1に記載の車両位置推定装置において、
前記走行状態検出データは、前記車両の車両速度及びヨーレートである車両位置推定装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両位置推定装置において、
前記走行状態検出データ補正手段は、前記走行状態検出データ及び前記走行状態算出データを蓄積データとして蓄積するとともに、前記蓄積データに基づいて、前記走行状態検出データの補正方法を決定する車両位置推定装置。 - 請求項3に記載の車両位置推定装置において、
前記走行状態検出データ補正手段は、前記走行状態算出データ演算手段により算出された車両速度VMと、前記車両の車輪回転速度から算出された車両速度VCと、車両加速度aXとからタイヤスリップ率λを算出するとともに、前記タイヤスリップ率λと前記車両加速度aXのデータを前記蓄積データとして蓄積し、前記蓄積データの線形補間により、スリップ率と車両加速度aXの関係式
λ=K・aX+b
における係数K及びbを算出し、車両速度データに乗じるべき補正係数CSを、関係式
CS=1/(1−K・aX−b)
から算出する車両位置推定装置。 - 請求項3又は請求項4に記載の車両位置推定装置において、
前記走行状態検出データ補正手段は、所定数以上の前記蓄積データが蓄積されたときに、前記補正方法を更新する車両位置推定装置。 - 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の車両位置推定装置において、
前記走行状態検出データ補正手段は、前記車両の走行環境の変化に応じて前記補正方法を変更する車両位置推定装置。 - 請求項5に記載の車両位置推定装置において、
前記走行状態検出データ補正手段は、前記車両の走行環境が雨の降っている状態から雨が降り止んだ状態に変化した場合に、雨が降っている状態における補正方法を、雨が降り止んでから所定時間にわたって継続する車両位置推定装置。
Priority Applications (1)
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