JP2017119373A - 複合成形品の製造方法 - Google Patents

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【課題】連続強化繊維と熱可塑性樹脂からなる連続強化繊維基材と射出樹脂を、とくに3次元形状にて、射出樹脂成形品の所望位置に高接合強度と高精度をもって同一金型内で一体化可能な複合成形品の製造方法を提供する。【解決手段】連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aからなる連続強化繊維基材を、スライド機構を備えた金型内に設定された、3次元形状を有する第1のキャビティ内に挿入した後、該第1のキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂組成物Bを射出充填して1次成形品を成形する1次成形工程と、第1のキャビティを1次成形品とともに第2のキャビティにスライドさせ、1次成形品を第2のキャビティ内に配置し、該第2のキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂組成物Cを射出充填して該樹脂組成物Cと1次成形品とを一体化する2次成形工程と、を有することを特徴とする複合成形品の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、複合成形品の製造方法に関し、とくに、連続強化繊維と熱可塑性樹脂からなる連続強化繊維基材と射出樹脂とを、3次元形状にて高接合強度と高精度をもって同一金型内で一体化可能な複合成形品の製造方法に関する。
繊維強化樹脂基材と他の樹脂成形品、特に他の熱可塑性樹脂成形品とを一体化した複合成形品の製造方法は各種知られている。例えば特許文献1には、炭素繊維強化樹脂(CFRP)シート材状基材を型外で仮賦形し、それを型内にインサートして高速昇降温することで賦形し、賦形体を型内にインサートし、樹脂を射出して複合成形品を得る方法が開示されている。しかしこの方法は、少なくとも仮賦形が成形型外で行われるので、同一型内で複合化できるプロセスではなく、成形プロセスが複雑になっている。
また、特許文献2には、CFRP基材を射出成形型内に固定し、樹脂を射出して複合化する方法が開示されているが、単純な層状の複合成形品の記載しかなく、とくに3次元形状のCFRP基材を賦形する方法については触れられていない。
また、特許文献3には、CFRPを型内でスタンピング成形し、型をバックさせて空間を作り、同一型内に樹脂を射出する複合成形品の製造方法が開示されている。しかし、この方法は、強化繊維がランダムに配されたランダム繊維基材の成形には適しているが、スタンピング成形のための予熱が必要であり、連続繊維基材を成形する場合には、繊維が折れる、配向が乱れるという問題が発生するとともに、基材を複数、あるいは所定の位置に貼りあわようとする場合には、射出時にCFRPが樹脂とともに流れてしまい、CFRPを成形品の望ましい位置に精度よく貼り合わせることが困難であるという問題がある。
さらに、特許文献4には、射出成形品とCFRP基材を成形機内で熱溶着するようにした複合成形品の製造方法が開示されている。しかし、この方法では、射出成形品を作製した後、レーザー溶着、プレス成形等でCFRP基材を貼り合わせることとなるので、とくに射出成形品の3次元形状部分にCFRP基材を貼り合わせることが困難である。
特開2012−153069号公報 特開2013−252644号公報 特開平5−185466号公報 特開2011−143559号公報
そこで本発明の課題は、上記のような従来技術における問題点に着目し、連続強化繊維と熱可塑性樹脂からなる連続強化繊維基材と射出樹脂を、とくに3次元形状にて、射出樹脂成形品の所望位置に高接合強度と高精度をもって同一金型内で一体化可能な複合成形品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る複合成形品の製造方法は、連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aからなる連続強化繊維基材を、スライド機構を備えた金型内に設定された、3次元形状を有する第1のキャビティ内に挿入した後、該第1のキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂組成物Bを射出充填して1次成形品を成形する1次成形工程と、
前記第1のキャビティを1次成形品とともに第2のキャビティにスライドさせ、前記1次成形品を前記第2のキャビティ内に配置し、該第2のキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂組成物Cを射出充填して該溶融熱可塑性樹脂組成物Cと前記1次成形品とを一体化する2次成形工程と、
を有することを特徴とする方法からなる。
このような本発明に係る複合成形品の製造方法においては、先ず、1次成形工程において、連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aからなる連続強化繊維基材が、3次元形状を有する第1のキャビティ内の所定位置に挿入され、連続強化繊維基材が挿入された第1のキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂組成物Bが射出充填されて、射出樹脂圧によって連続繊維基材が3次元形状に賦形されると同時に熱可塑性樹脂組成物Bが溶着し、連続強化繊維基材と熱可塑性樹脂組成物Bが同一金型内で一体化された3次元形状の1次成形品が成形される。そして、2次成形工程において、第1のキャビティが先に成形された1次成形品とともに第2のキャビティに(より具体的には第2のキャビティ形成位置に)スライド機構によりスライドされ、1次成形品が第2のキャビティ内に(つまり、新たに設定された第2のキャビティ内に)配置され、該第2のキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂組成物Cが射出充填されて、該溶融熱可塑性樹脂組成物Cと1次成形品とが一体化され、目標とする複合成形品が成形される。このように、先に3次元形状を有する第1のキャビティを用いて3次元形状の1次成形品が成形されるので、連続繊維基材と1次成形品の双方は2次成形の前に精度よく目標とする3次元形状に成形される。先に高精度に成形された1次成形品は、第2のキャビティ内にて射出充填された熱可塑性樹脂組成物Cと溶着一体化されるが、第1のキャビティが先に成形された1次成形品とともに第2のキャビティに(より具体的には第2のキャビティ形成位置に)スライド機構によりスライドされることで、1次成形品を第2のキャビティの所定の位置に精度良く設置することができ、かつ1次成形品は既に所望の3次元形状に成形済みのものであるから、溶融熱可塑性樹脂組成物Cが射出充填される際にも形状が崩れたり、流出したりすることはなく、射出充填された溶融熱可塑性樹脂組成物Cにより成形されようとする成形部分に対し、所定の位置に高精度で位置決めされた状態にて高い接合強度をもって一体化される。したがって、最終的に成形される複合成形品においては、2次成形工程で溶融した熱可塑性樹脂組成物Cによって成形された成形部分に対し、目標とする3次元形状を有する1次成形品、とくに該1次成形品を構成する連続強化繊維基材が、目標とする所定の位置に高精度で高い接合強度をもって一体化された形態の複合成形品が実現されることになる。また、3次元形状の1次成形品が成形される1次成形工程と、最終的な複合成形品が成形される2次成形工程とは、スライド機構を備えた同一の金型内で実行できるので、成形工程全体の簡素化が可能になり、自動化も可能になる。
上記本発明に係る複合成形品の製造方法において、好ましい形態として、上記連続強化繊維基材が、連続強化繊維を一方向に配列させた一方向基材からなる形態を挙げることができる。このような一方向基材は、連続強化繊維が配列された特定の方向に対して特に高い機械特性を発現できるので、複合成形体に用いるのに最も適している。その一方で、3次元形状への賦形性に劣る課題があったが、本発明の製造方法を用いることにより、3次元形状への賦形性が大幅に向上するとともに、連続強化繊維基材が目標とする所定の位置にて高精度で貼り合わせ一体化されることで、複合成形品全体として所望の特定の方向に対して効率よく高い機械特性を発現できるようになる。この一方向基材としては、布帛状の広く面方向に広がる基材とすることも可能であるが、一方向基材がテープ状基材からなる場合、最終的に成形される複合成形品に対し、補強が要求される部位に的を絞って効率良く所定の補強を行うことが可能になる。
また、本発明に係る複合成形品の製造方法においては、上記熱可塑性樹脂組成物Bとしては、樹脂単独であってもよく、必要に応じて機械強度その他の特性を付与するために、さらに充填材を配合することが可能である。充填材は特に限定されるものでないが、繊維状、非繊維状(板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など)などのいずれの充填剤も使用することができる。
本発明に係る複合成形品の製造方法においては、上記熱可塑性樹脂組成物Bに用いる熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、機械特性に優れることから、ポリアミド系樹脂、ポリアリーレンサルファイド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。また、上記熱可塑性樹脂組成物Cに用いる熱可塑性樹脂としては、上記熱可塑性樹脂組成物Bと同様のものを用いることができる。
また、本発明に係る複合成形品の製造方法において、上記熱可塑性樹脂Aとしては、連続強化繊維基材を構成できるものであれば特に限定されないが、機械特性、軽量性に優れることから、ポリアミド系樹脂、ポリアリーレンサルファイド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げることができる。中でもナイロン6が特に好ましい。ポリアリーレンサルファイド系樹脂の代表例としては、ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと略す場合もある)、ポリフェニレンサルファイドスルホン、ポリフェニレンサルファイドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物などが挙げられ、中でもポリフェニレンサルファイドが特に好ましく使用される。また、ポリオレフィン系樹脂の代表例としては、ポリプロピレン系樹脂が挙げられ、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、またはプロピレンとエチレンもしくは炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体である。また、ポリオレフィン系樹脂として、炭素数が4〜20のα−オレフィン系樹脂が挙げられ、炭素数が4〜20のα−オレフィンとしては、1 −ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらの中ではエチレンまたは炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、またブロック共重合体を形成してもよい。
また、本発明に係る複合成形品の製造方法において、連続強化繊維基材に用いられる強化繊維の種類としては、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維、あるいは他の強化繊維、さらにはこれら強化繊維の組み合わせのいずれも採用可能であるが、最終的に成形される複合成形品の特定の部位の機械特性を連続強化繊維基材によって効率よく向上させるためには、連続強化繊維として炭素繊維を含むことが好ましい。
さらに、本発明に係る複合成形品の製造方法においては、上記1次成形工程において、第1のキャビティ内に挿入した連続強化繊維基材を、必要に応じて、該第1のキャビティ内でピン等の固定具により固定することが好ましい。1次成形品を高精度で効率よく所望の3次元形状に成形するためには、連続強化繊維基材が第1のキャビティ内で第1のキャビティの内面に沿って所定の3次元形状に保たれていることが好ましいので、連続強化繊維基材を第1のキャビティ内に挿入した後、その位置や姿勢をピン等の固定具により固定しておくのである。このように固定しておくと、溶融熱可塑性樹脂Bの射出充填の際にも、連続強化繊維基材の第1のキャビティ内での位置ずれを防ぐことができる。
このように、本発明に係る複合成形品の製造方法によれば、連続繊維基材を3次元形状に賦形すると同時に熱可塑性樹脂組成物Bと高い接合強度をもって一体化することができるとともに、1次成形品の形状精度を高めることができる。さらに、高精度で目標とする3次元形状に賦形される1次成形品を成形する1次成形工程と、射出成形を伴う2次成形工程とを同一型内で行うことができるので、最終的に成形される複合成形品においては、3次元形状の連続強化繊維基材を目標とする特定の部位に高精度をもって一体化することができる。連続強化繊維基材の高精度配置により、複合成形品の機械特性を効率よく向上させることが可能になる。また、連続強化繊維基材が3次元形状を有する場合にあっても、複合成形品における連続強化繊維基材位置の設計自由度も高い。なお、射出成形品を一旦作製した後、レーザー溶着、プレス成形等で強化繊維基材を溶着する場合、3次元形状部分に強化繊維基材を溶着することは困難である。
また、本発明に係る複合成形品の製造方法では、2次成形工程の前に行われる1次成形工程において、溶融した熱可塑性樹脂組成物Bの射出により、予め高精度の3次元形状を有する1次成形品が成形されるので、予めプリフォームした強化繊維基材を金型内にインサートして射出成形する場合と比べて、プリフォームのための専用設備を用いる必要がなくなるだけでなく、1次成形品と2次成形工程における射出樹脂、ひいては、連続強化繊維基材と溶融熱可塑性樹脂組成物B、さらには溶融熱可塑性樹脂組成物Cで形成される樹脂部とが良好に溶着できるようになり、高い溶着強度を達成できることもできる。
本発明の一実施態様に係る複合成形品の製造方法における1次成形工程を示す概略縦断面図である。 図1に示した1次成形工程に続いて行われる2次成形工程を示す概略縦断面図(図2(A))および縦断面図とは直角方向の概略横断面図(図2(B)〜(D))である。 1次成形品の一例を示す斜視図である。 2次成形品としての複合成形品の一例を示す斜視図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る複合成形品の製造方法は、1次成形工程と2次成形工程を有する。1次成形工程では、連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aからなる連続強化繊維基材が、スライド機構を備えた金型内に設定された、3次元形状を有する第1のキャビティ内に挿入された後、該第1のキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂組成物Bが射出充填されて1次成形品が成形され、2次成形工程では、第1のキャビティが1次成形品とともに第2のキャビティにスライドされ、1次成形品が第2のキャビティ内に配置され、該第2のキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂組成物Cが射出充填されて該溶融熱可塑性樹脂組成物Cと1次成形品とが一体化される。
(1)1次成形工程(1次成形品の成形)
本発明に係る複合成形品の製造方法に用いられる金型は、例えば図1(A)に示すように構成されている。図1(A)に型開きされた状態の金型1を示すように、金型1は、複数の構成部材で構成されているが、これら構成部材を大きく分けて、金型1は上型2と下型3から構成されている。また、金型1は、後述するようなスライド機構を備えている。本実施態様では、上型2内に、3次元形状を有する第1のキャビティ4を形成する空間を有しており、下型3内には、溶融熱可塑性樹脂組成物Bの射出用樹脂注入路5を有している。第1のキャビティ4は、本実施態様では、横断面が狭幅板状の空間で、それが環状に、あるいは環状形状の一部分として延び、該延設部位の一部において図に示す縦断面における姿勢、とくに傾きが変わるように形成されている。
上記金型1が開かれた状態にて、図1(B)に示すように、金型1内に設定された第1のキャビティ4内に、連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aからなる連続強化繊維基材6が挿入される。このとき、第1のキャビティ4内に挿入された連続強化繊維基材6を、例えば次の型閉じまで、第1のキャビティ4内でピン等の固定具(図示略)により固定しておくこともできる。連続強化繊維基材6は、本実施態様では、テープ状に延び、そのテープ状長手方向に連続強化繊維(例えば、連続炭素繊維)が一方向に配列された一方向基材に構成されている。
連続強化繊維基材6が第1のキャビティ4内に挿入された後、図1(C)に示すように、金型1が閉じられ、連続強化繊維基材6は第1のキャビティ4内に保持される。金型1が所定温度に加熱されるとともに、閉じられた金型1の第1のキャビティ4内に、図1(D)に示すように、下型3に設けられた射出用樹脂注入路5を通して溶融熱可塑性樹脂組成物B(7)が射出されて充填され、1次成形品8が成形される。
例えば、連続強化繊維基材6の熱可塑性樹脂A(マトリクス樹脂)がポリアミド6からなり、熱可塑性樹脂組成物B(7)がガラス繊維40%強化ポリアミド6からなる場合、射出成形機のシリンダー温度は270℃、金型1の温度は150℃程度に設定され、充填された溶融熱可塑性樹脂B(7)の熱と樹脂圧および金型1の熱により、1次成形品8が賦形されて成形される。
この1次成形工程においては、3次元形状を有する第1のキャビティ4内の所定位置に挿入された連続強化繊維基材6が、第1のキャビティ4内に射出充填される溶融熱可塑性樹脂組成物B(7)の射出樹脂圧によって第1のキャビティ4内面に押し付けられて所定の3次元形状に精度よく賦形される同時に熱可塑性樹脂組成物Bが溶着され、連続強化繊維基材6と熱可塑性樹脂組成物Bが一体化された3次元形状の1次成形品8が高精度で成形される。
(2)2次成形工程(2次成形品としての複合成形品の成形)
上記のような1次成形工程に続き、同一の金型1を使用して、例えば図2に示すように2次成形工程が実施される。図2(A)に示すように、1次成形後に金型1が開かれ、図2(B)(図2(A)に対し直角方向(90度異なる方向)からみた横断面図)に示すように、金型1のスライド機構(あるいはスライド兼回動機構)により、金型部位11が金型部位12に対し矢印のように回動されるとともに紙面における手前側にスライド移動され、これら金型部位11、12に対し金型部位13が開かれる。
次いで、図2(C)に示すように、金型1が閉じられて、該金型1内に上記1次成形品8とともに第1のキャビティ4がスライドされて形成される2次成形用の第2のキャビティ14が設定され、該第2のキャビティ14内の所定位置に、1次成形品8が配置され、第2のキャビティ14内に射出用樹脂注入路15を介して溶融熱可塑性樹脂組成物C(16)が射出されて充填され、該溶融熱可塑性樹脂組成物C(16)と1次成形品8が一体化され、2次成形品としての複合成形品17が成形される。
成形された複合成形品17は、図2(D)に示すように、金型1が開かれて、外部に取り出される。このとき、より容易に取り出すことができるように、金型1に取り出し用の押し出しピン18等を設けておいてもよい。なお、図2(D)における取り出された複合成形品17に一点鎖線を付してあるのは、この一点鎖線に対し反対側にも対称に複合成形品17の部位が存在していることを示しており、複合成形品17の一形状例を示すためである。
このような2次成形工程においては、先に1次成形工程で高精度に3次元形状を有する1次成形品8が成形されており、先に高精度に成形された1次成形品8は、第2のキャビティ14内にて射出充填された溶融熱可塑性樹脂組成物C(16)と一体化される際に、形状が崩れたり、流出したりすることはなく、射出充填された溶融熱可塑性樹脂組成物C(16)と所定の位置にて、つまり、高精度で位置決めされた状態にて、高い接合強度をもって一体化される。したがって、最終的に成形される2次成形品としての複合成形品17においては、3次元形状を有する1次成形品8、とくに該1次成形品8を構成する連続強化繊維基材6が、目標とする所定の位置に高精度で高い接合強度をもって一体化された形態の複合成形品17が実現される。
上記のような成形工程により成形される成形品の例を図3、図4に示す。図3は、1次成形工程により成形された1次成形品21の一例を示しており、図4は、2次成形工程により成形された最終的な複合成形品22の一例を示している。図3、図4に例示されるように、本発明では複雑な3次元形状を有し、その3次元形状の所望の部位、とくに3次元形状を有する所望の部位に高精度で高い接合強度をもって連続強化繊維基材を一体化した複合成形品を得ることができる。
本発明に係る複合成形品の製造方法は、連続強化繊維基材を3次元形状にて高接合強度と高精度をもって射出樹脂成形品と一体化することが望まれるあらゆる複合成形品の製造に適用可能である。
1 金型
2 上型
3 下型
4 第1のキャビティ
5 射出用樹脂注入路
6 連続強化繊維基材
7 溶融熱可塑性樹脂組成物B
8 1次成形品
11、12、13 金型部位
14 第2のキャビティ
15 射出用樹脂注入路
16 溶融熱可塑性樹脂組成物C
17 複合成形品
18 押し出しピン
21 1次成形品
22 複合成形品

Claims (9)

  1. 連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aからなる連続強化繊維基材を、スライド機構を備えた金型内に設定された、3次元形状を有する第1のキャビティ内に挿入した後、該第1のキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂組成物Bを射出充填して1次成形品を成形する1次成形工程と、
    前記第1のキャビティを1次成形品とともに第2のキャビティにスライドさせ、前記1次成形品を前記第2のキャビティ内に配置し、該第2のキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂組成物Cを射出充填して該溶融熱可塑性樹脂組成物Cと前記1次成形品とを一体化する2次成形工程と、
    を有することを特徴とする複合成形品の製造方法。
  2. 前記連続強化繊維基材が、連続強化繊維を一方向に配列させた一方向基材からなる、請求項1に記載の複合成形品の製造方法。
  3. 前記一方向基材が、テープ状基材からなる、請求項2に記載の複合成形品の製造方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物Bが、不連続強化繊維を含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形品の製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂Aが、ポリアミド系樹脂、ポリアリーレンサルファイド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の複合成形品の製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物Bに用いる熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリアリーレンサルファイド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の複合成形品の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂組成物Cに用いる熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリアリーレンサルファイド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる、請求項1〜6のいずれかに記載の複合成形品の製造方法。
  8. 前記連続強化繊維が炭素繊維を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の複合成形品の製造方法。
  9. 前記1次成形工程において、前記第1のキャビティ内に挿入した連続強化繊維基材を該第1のキャビティ内でピン等の固定具により固定する、請求項1〜8のいずれかに記載の複合成形品の製造方法。
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