JP2017117742A - フレキシブルケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】人が手で取り回す時に引っ掛かりを感じ難く、しかも、オートクレーブを使用して滅菌処理を実施する際に外被の損傷が発生する虞が低いフレキシブルケーブルを提供する。【解決手段】最外に外被１０６を備えるフレキシブルケーブル１００において、外被１０６は、ポリプロピレン樹脂を含有するゴムエラストマで形成される内層１０７と、内層１０７の周囲に設けられると共にポリプロピレン樹脂で形成される外層１０８と、を有するフレキシブルケーブル１００である。【選択図】図１

Description

本発明は、人の手で取り回されるフレキシブルケーブルに関する。
例えば、医療の現場においては、医師や看護師等の医療従事者が手でケーブルを取り回す必要のある場面が幾つか存在する。例を挙げると、超音波診断を実施する際は、探触子を患部に宛がう時に医療従事者が手で探触子ケーブルを取り回す必要があるし、内視鏡検査を実施する際は、内視鏡を体内に挿入する時に医療従事者が手で内視鏡ケーブルを取り回す必要がある。故に、人の手でケーブルを取り回す必要のある場面においては、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、スチレン系ゴムとポリプロピレン樹脂との混合物、スチレン系ゴムとポリスチレン樹脂との混合物、又は軟質ポリ塩化ビニル樹脂等の柔軟性が高い材料からなる外被を備えるフレキシブルケーブルが使用されている（例えば、特許文献１を参照）。
特開平５−２０５５３７号公報
しかしながら、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、スチレン系ゴムとポリプロピレン樹脂との混合物、又はスチレン系ゴムとポリスチレン樹脂との混合物からなる外被を備えるフレキシブルケーブルは、外被の表面がベタ付くため、人が手でフレキシブルケーブルを取り回す時に引っ掛かりを感じるという課題を抱えている。また、軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなる外被を備えるフレキシブルケーブルは、外被の表面がベタ付くことは無いものの、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、スチレン系ゴムとポリプロピレン樹脂との混合物、又はスチレン系ゴムとポリスチレン樹脂との混合物からなる外被と比較して軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなる外被は耐熱性が劣るため、オートクレーブを使用して滅菌処理を実施する際に外被の損傷が発生する虞があるという課題を抱えている。
従って、本発明は、人が手で取り回す時に引っ掛かりを感じ難く、しかも、オートクレーブを使用して滅菌処理を実施する際に外被の損傷が発生する虞が低いフレキシブルケーブルを提供することを目的としている。
本発明は、最外に外被を備えるフレキシブルケーブルにおいて、前記外被は、ポリプロピレン樹脂を含有するゴムエラストマで形成される内層と、前記内層の周囲に設けられると共にポリプロピレン樹脂で形成される外層と、を有するフレキシブルケーブルである。
前記外層は、表面に無数の亀裂を有することが望ましい。
前記外層は、層厚が０μｍ超１００μｍ以下であることが望ましい。
前記外層は、前記内層と熱融着されることが望ましい。
本発明によれば、人が手で取り回す時に引っ掛かりを感じ難く、しかも、オートクレーブを使用して滅菌処理を実施する際に外被の損傷が発生する虞が低いフレキシブルケーブルを提供することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るフレキシブルケーブルの断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に順って説明する。
図１に示す通り、本発明の実施の形態に係るフレキシブルケーブル１００は、例えば、複数本の芯線１０１を撚り合わせてなる撚線１０２と、撚線１０２の周囲に巻き付けられる第一テープ１０３と、第一テープ１０３の周囲に設けられる編組シールド１０４と、編組シールド１０４の周囲に巻き付けられる第二テープ１０５と、第二テープ１０５の周囲に設けられる外被１０６と、を備えている。
本発明の実施の形態に係るフレキシブルケーブル１００は、少なくとも最外に外被１０６を備えており、外被１０６は、ポリプロピレン樹脂を含有するゴムエラストマで形成される内層１０７と、内層１０７の周囲に設けられると共にポリプロピレン樹脂で形成される外層１０８と、を有する二層構造となっている。
ポリプロピレン樹脂を含有するゴムエラストマとしては、スチレン系ゴムとポリプロピレン樹脂との混合物であるラバロン（登録商標）が挙げられる。ラバロンは、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、スチレン系ゴムとポリスチレン樹脂との混合物、又は軟質ポリ塩化ビニル樹脂等と同様に柔軟性が高い材料であり、しかも、シリコーンゴム、スチレン系ゴムとポリプロピレン樹脂との混合物、又はスチレン系ゴムとポリスチレン樹脂との混合物と同様に耐熱性が高い材料であるため、ラバロンからなる内層１０７を採用することにより、外被１０６の柔軟性を確保することができると共に外被１０６の耐熱性をも確保することができる。
ところが、ラバロンは、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、スチレン系ゴムとポリプロピレン樹脂との混合物、又はスチレン系ゴムとポリスチレン樹脂との混合物等と同様に滑性が低い材料であるため、ラバロンからなる内層１０７のみを外被として採用すると、外被の表面がベタ付いて人が手でフレキシブルケーブルを取り回す時に引っ掛かりを感じる。そのため、本発明の実施の形態に係るフレキシブルケーブル１００においては、ラバロンからなる内層１０７の周囲に耐熱性が高く滑性も高い材料であるポリプロピレン樹脂からなる外層１０８を薄く被覆している。
外層１０８は、表面に無数の亀裂１０９を有することが望ましい。外層１０８が表面に無数の亀裂１０９を有することにより、外被１０６と他部材との接触面積を減少させて外被１０６の摩擦係数を更に小さくすることができるため、人が手でフレキシブルケーブル１００を取り回す時に引っ掛かりを感じ難くなる。
また、外層１０８は、層厚が０μｍ超１００μｍ以下であることが望ましく、０μｍ超５０μｍ以下であることが更に望ましい。外層１０８の層厚が０μｍ超１００μｍ以下であることが望ましい理由は、外層１０８の層厚が１００μｍを超えると、フレキシブルケーブル１００の屈曲に伴い外被１０６に節（折り目）が形成され易くなるため、所定の箇所に折り癖が付いて断線が発生する虞があるからである。また、外層１０８の層厚が０μｍ超５０μｍ以下であることが更に望ましい理由は、外層１０８の層厚が薄い程、外層１０８の表面に無数の亀裂１０９が自然的に発生し易くなるからである。
更に、外層１０８は、内層１０７と熱融着されることが望ましい。第二テープ１０５の周囲に外層１０８を内層１０７と同時にチューブ押出することにより、押出熱を利用して外層１０８を内層１０７と熱融着させることができる。外層１０８が内層１０７と熱融着されることにより、外層１０８が内層１０７と密着されるため、外層１０８の表面に無数の亀裂１０９が発生しても、外層１０８が内層１０７から剥離することが無いため、外層１０８が自身の役割を確実に果たすことができる。
以上の通り、本発明の実施の形態に係るフレキシブルケーブル１００によれば、全体的に柔軟性や耐熱性が高いながらも表面がベタ付かない外被１０６を備えるため、人が手で取り回す時に引っ掛かりを感じ難く、しかも、オートクレーブを使用して滅菌処理を実施する際に外被１０６の損傷が発生する虞が低い。
１００ フレキシブルケーブル
１０１ 芯線
１０２ 撚線
１０３ 第一テープ
１０４ 編組シールド
１０５ 第二テープ
１０６ 外被
１０７ 内層
１０８ 外層
１０９ 亀裂

Claims (4)

  1. 最外に外被を備えるフレキシブルケーブルにおいて、
    前記外被は、
    ポリプロピレン樹脂を含有するゴムエラストマで形成される内層と、
    前記内層の周囲に設けられると共にポリプロピレン樹脂で形成される外層と、
    を有する
    ことを特徴とするフレキシブルケーブル。
  2. 前記外層は、表面に無数の亀裂を有する
    請求項１に記載のフレキシブルケーブル。
  3. 前記外層は、層厚が０μｍ超１００μｍ以下である
    請求項１又は２に記載のフレキシブルケーブル。
  4. 前記外層は、前記内層と熱融着される
    請求項１乃至３の何れか一項に記載のフレキシブルケーブル。
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