JP2017116499A - 高速炉炉心および高速炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速炉の制御棒挿入失敗事象の発生時に、炉心へ負の反応度を投入する。
【解決手段】実施形態によれば、高速炉炉心は、複数の炉心燃料集合体と、複数の炉心損傷防止構造体100と、複数の制御棒集合体とを備える。複数の炉心損傷防止構造体100のそれぞれは、核***性物質を収納する第1の液体燃料要素110aと、第1の液体燃料要素110に連通する流路を介した液体燃料108の第1の液体燃料要素110aからの流出を阻止するとともに、事故時にその周囲温度が上昇することにより溶融し液体燃料108の流出を許容する溶融プラグを有する。
【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、高速炉炉心および高速炉に関する。
一般的に大型高速炉において、制御棒挿入失敗事象が発生した際には何らかの方法で炉心に負の反応度を投入する必要がある。負の反応度を投入する方法として、原子炉冷却材の温度上昇を利用して中性子吸収材を炉心内に投入する方法がある。さらに、燃料排出ダクトを備えた燃料集合体を用い、溶融した核燃料をダクトから炉心外へ排出する方法がある。
特開2013−120119号公報 特開2009−85650号公報 特開2002−55187号公報 特開平08−297185号公報
M. Schikorr, E. Bubelis, B. Carluec, J. Champigny, "Assessment of SFR reactor safety issues. Part I: Analysis of the unprotected ULOF, ULOHS and UTOP transients for the SFR (v2b-ST) reactor design and assessment of the efficiency of a passive safety system for prevention of severe accidents" Nuclear Engineering and Design, 285, 249-262 (2015) H. Endo , M. Kawashima and A. Shimizu, "Safety Features of Liquid metal Fueled Core", Potential of Small Nuclear Reactors for Future Clean and Safe Energy Sources (Editor; H. Sekimoto), p273-p282, 1992, ELSEVIER, ISBN-0444894322 M. Kawashima, H. Endo and A. Shimizu, "A Conceptual Study on a Liquid Metallic Fueled Core", p283-p289, 1992, ELSEVIER, ISBN-0444894322 T. Sawada, H. Ninokata, H. Taneichi and H. Endo, "CHARACTERISTICS OF FUEL MELTING AND RELOCATION IN METALLIC=FUELED FAST REACTOR CORE AND ITS FEASIBILITY FOR ELIMINATING RECRITICALITY", Progress in Nuclear Energy, Vol. 37, No. 1-4, p157-162, 2000, Pergamon
上述した高速炉の炉心損傷防止要素の例においては、中性子吸収材が投入されるまでの時間遅れ、あるいは温度上昇による誤作動などや、負の反応度が加わる時点ではすでに燃料が破損した状態となるなどの課題があった。
本発明の実施形態は、上述した課題を解決するためになされたものであり、高速炉の制御棒挿入失敗事象の発生時に、炉心へ負の反応度を投入し、炉心損傷を防止することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る高速炉炉心は、核***性物質を含んだ燃料を有し、液体金属を原子炉冷却材とする高速炉の高速炉炉心であって、互いに並列に配され鉛直方向に延びて固体状の燃料を有する複数の炉心燃料集合体と、前記炉心燃料集合体と並列に配され通常運転時に液体状の燃料を有し鉛直方向に延びる複数の炉心損傷防止構造体と、中性子を吸収する物質を含み、前記複数の炉心燃料集合体および前記複数の炉心損傷防止構造体と並列に配されて上下に移動可能な複数の制御棒集合体と、を備え、前記複数の炉心損傷防止構造体のそれぞれは、鉛直方向に筒状に延びて上下を閉止されて核***性物質を収納する第1の液体燃料要素と、通常運転時には固体状であって前記第1の液体燃料要素に連通する流路を介しての前記液体燃料の前記第1の液体燃料要素からの流出を阻止するとともに、事故時にその周囲温度が上昇することにより溶融し前記液体燃料の流出を許容する溶融プラグと、を有することを特徴とする。
また、本実施形態に係る高速炉は、核***性物質を含んだ燃料を有し、液体金属を原子炉冷却材とする高速炉炉心と、前記高速炉炉心を収納し、前記原子炉冷却材を保持する原子炉容器と、前記原子炉容器の上部を覆い、前記高速炉炉心の反応度を制御する制御棒を駆動する制御棒駆動機構を支持する遮へいプラグと、を備え、前記高速炉炉心は、互いに並列に配され鉛直方向に延びて固体状の前記燃料を有する複数の炉心燃料集合体と、前記炉心燃料集合体と並列に配され液体状の前記燃料を有し鉛直方向に延びる複数の炉心損傷防止構造体と、中性子吸収物質を含み、前記複数の炉心燃料集合体および前記複数の炉心損傷防止構造体と並列に配された複数の制御棒集合体と、を備え、前記複数の炉心損傷防止構造体のそれぞれは、鉛直方向に筒状に延びて上下を閉止されて核***性物質を収納する第1の液体燃料要素と、前記第1の液体燃料要素に連通する流路を介しての前記液体燃料の前記第1の液体燃料要素からの流出を阻止するとともに、その周囲温度がその融点への到達をもたらすまでに上昇することにより溶融し前記液体燃料の流出を許容する溶融プラグと、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、高速炉の制御棒挿入失敗事象の発生時に、炉心へ負の反応度を投入し、炉心損傷を防止することができる。
第1の実施形態に係る高速炉の構成を示す立断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の構成を示す図1のII−II矢視平面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心燃料集合体の構成を示す立断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の構成を示す概念的立断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す平断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す立断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素の結合体の構成を示す立断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素との連結部の平面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素との連結部の立断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素の結合体において溶融プラグが開口した時の状態を示す立断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の効果を説明するための炉心燃料集合体の炉心損傷防止構造体への置換反応度の例を示すグラフである。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の効果を説明するための熱膨張による反応度効果の例を示すグラフである。 第2の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素の結合体の構成を示す立断面図である。 第2の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素との連結部の平面図である。 第2の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素との連結部の立断面図である。 第3の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素の結合体の構成を示す立断面図である。 第3の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素の結合体において溶融プラグが開口した時の状態を示す立断面図である。 第3の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素の結合体の変形例の構成を示す立断面図である。 第4の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す平断面図である。 第4の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の構成を示す立断面図である。 第4の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素において溶融プラグが開口した時の状態を示す立断面図である。 第5の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の結合体の構成を示す立断面図である。 第5の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の結合体において溶融プラグが開口した時の状態を示す立断面図である。 第6の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す立断面図である。 第6の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の変形例の第1の液体燃料要素の結合体の構成を示す立断面図である。 第7の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す平断面図である。 第7の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の構成を示す立断面図である。 第8の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の構成を示す立断面図である。 第8の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の溶融プラグセットを示す立断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る高速炉炉心および高速炉について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る高速炉の構成を示す立断面図である。高速炉1は、高速炉炉心10、高速炉炉心10を支持する炉心支持板4、これらを収納しかつ原子炉冷却材150を内部に保持する原子炉容器2、原子炉容器2の上部を覆う遮へいプラグ11を有する。ここで、原子炉冷却材150は、液体金属でありたとえばナトリウム(Na)である。
炉心燃料集合体30等で構成される高速炉炉心10の上方には、遮へいプラグ11を貫通して、遮へいプラグ11に支持された炉心上部機構7が、原子炉容器2内に向けて吊り下げられている。炉心上部機構7は、制御棒集合体15(図2)を駆動する制御棒駆動機構7aや、図示しない高速炉炉心計装等を有する。
原子炉容器2には、原子炉冷却材150を原子炉容器2に送り込む冷却材入口配管8と、原子炉冷却材150を原子炉容器2から送り出す冷却材出口配管9とが接続されている。
冷却材入口配管8から原子炉容器2内に流入した原子炉冷却材150は、下部プレナム2aに流入する。下部プレナム2aに流入した原子炉冷却材150は、上方に方向転換した後に、炉心支持板4から高速炉炉心10に流入し、高速炉炉心10で熱を受け高速炉炉心10を通過後に、上部プレナム2bに流入する。上部プレナム2bに流入した原子炉冷却材150は、冷却材出口配管9を通って、外部との熱交換のために原子炉容器2から流出する。
図2は、第1の実施形態に係る高速炉炉心の構成を示す図1のII−II矢視平面図である。高速炉炉心10には、炉心燃料集合体30、炉心損傷防止構造体100、制御棒集合体15、および径方向ブランケット燃料集合体12、反射体13、および中性子遮へい体14が設けられている。これらの要素は、いずれも複数体存在している。
白抜きで表示している炉心燃料集合体30は、平面的にほぼ円形に配されている。なお、炉心燃料集合体30は、燃料富化度の異なる2種類として、複数の内側炉心燃料集合体とその径方向外側に複数の外側炉心燃料集合体が径方向に2層に配列、あるいはそれ以上の層で配列されていてもよい。
炉心損傷防止構造体100は、炉心燃料集合体30に並行して鉛直方向に延びており、炉心燃料集合体30が配列されている領域内に分散して配されている。
黒塗りで表示している制御棒集合体15は、炉心燃料集合体30が配列されている領域に互いに間をおいて点在するように配置されている。制御棒集合体15は、高速炉炉心10への挿入、引き抜きの程度により高速炉炉心10の出力を制御するとともに、異常時には、高速炉炉心10に挿入され炉心の反応度を低下させる。
径方向ブランケット燃料集合体12は、中性子を吸収することにより核***性物質となる燃料親物質を収納し、炉心燃料集合体30の径方向外側を囲むように配されている。
炉心燃料集合体30から径方向外側への中性子の漏れを抑制するための反射体13は、径方向ブランケット燃料集合体12のさらに径方向外側を囲むように配されている。
高速炉炉心10の中心側から外部への、中性子の漏えいを抑制するために設けられた中性子遮へい体14は、反射体13のさらに径方向外側を囲むように配されている。
図3は、第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心燃料集合体の構成を示す立断面図である。炉心燃料集合体30は、複数の炉心燃料要素32と、これを収納し、径方向に囲むラッパ管31を有する。炉心燃料集合体30は、下部にエントランスノズル33、上部にハンドリングヘッド34を有する。
エントランスノズル33およびハンドリングヘッド34は、ラッパ管31に接続されており、ラッパ管31とともに、炉心燃料集合体30に流入する原子炉冷却材150の通路を形成する。エントランスノズル33から流入した原子炉冷却材150は、複数の炉心燃料要素32のそれぞれの径方向外側を上昇し、炉心燃料要素32を冷却し自身は温度上昇した後に、ハンドリングヘッド34に形成された出口開口34aから流出する。
それぞれの炉心燃料要素32は、軸方向の中間部に、たとえば劣化ウランにPu239などの核***性プルトニウムを富化したものを主成分とする炉心燃料を収納している。また、それぞれの炉心燃料要素32は、炉心燃料を有する中間部の軸方向下方に、たとえば劣化ウランなどを主成分とする下部ブランケット燃料を収納している。また、それぞれの炉心燃料要素32は、炉心燃料を有する中間部の軸方向上方に、たとえば同様に劣化ウランなどを主成分とする上部ブランケット燃料を収納している。
ここで、炉心燃料、下部および上部ブランケット燃料は、それぞれ、複数の焼結ペレットで形成されている。それぞれの燃料の形態は酸化物であるが、炭化物あるいは窒化物でもよい。また、焼結ペレットには限定されない。たとえば、これらが金属燃料であってもよい。金属燃料の場合は、通常、ジルコニウムを付加する。
この結果、複数の炉心燃料要素32を収納する炉心燃料集合体30の内部は、炉心燃料要素32内の収納物に対応して、軸方向に、下側から、下部ブランケット部30b、炉心燃料部30a、および上部ブランケット部30cに区分できる。
図4は、第1の実施形態に係る高速炉炉心の構成を示す概念的立断面図である。図4は、円柱形状の炉心をその上下方向に延びる軸中心を含む平面で切断した状態を示している。
中央の領域の径方向外側には、径方向ブランケット領域23が形成され、その径方向外側には反射体領域24が形成され、さらにその径方向外側には中性子遮へい体領域25が形成されている。径方向ブランケット領域23は径方向ブランケット燃料集合体12が設けられている領域であり、反射体領域24は反射体13が設けられている領域である。また中性子遮へい体領域25は中性子遮へい体14が設けられている領域である。
中央の領域は、軸方向の下側から、下部軸方向ブランケット領域22a、燃料領域21、および上部軸方向ブランケット領域22bに分割されている。これらの領域は、図3で示した炉心燃料集合体30内の軸方向の領域に対応している。すなわち、下部軸方向ブランケット領域22aは下部ブランケット部30bに対応し、燃料領域21は炉心燃料部30aに対応し、また上部軸方向ブランケット領域22bは上部ブランケット部30cに対応する。
すなわち、図4における燃料領域21は、各炉心燃料集合体30が収納する炉心燃料を含む領域である。同様に、下部軸方向ブランケット領域22aおよび上部軸方向ブランケット領域22bは、それぞれ下部ブランケット燃料および上部ブランケット燃料を含み、かつ、事故時でない正常な状態においては炉心燃料を含まない領域である。
炉心損傷防止構造体100が収納する燃料部分は、後述するように、軸方向についての燃料領域21内に存在する。
図5は、第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す平断面図である。炉心損傷防止構造体100は、複数の結合体105aおよびこれを収納するラッパ管101を有する。それぞれの結合体105aは、第1の液体燃料要素110a、第2の液体燃料要素120a、およびこれらを連結する連結部106を含む。ラッパ管101内の結合体105aの径方向外側には、原子炉冷却材150が流れる。
図6は、第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す立断面図である。図6では、便宜上、結合体105aの1つのみを図示しているが、実際は、図5に示したように、炉心損傷防止構造体100には、複数の結合体105aが収納されている。
炉心損傷防止構造体100は、ラッパ管101の下方に設けられたエントランスノズル103、およびラッパ管101の上方に設けられたハンドリングヘッド104を有する。また、炉心損傷防止構造体100内には、複数の結合体105aを下方から支持し、かつ、下方からの原子炉冷却材150を通過させる支持板102が設けられている。
原子炉冷却材150は、エントランスノズル103から、炉心損傷防止構造体100内部に流入し、結合体105aを冷却しながら上昇し、ハンドリングヘッド104に形成された出口開口104aから上方に流出する。
結合体105aの第1の液体燃料要素110aには液体燃料108が収納され、また、第2の液体燃料要素120aには液体燃料108が収納されている。
炉心損傷防止構造体100内で、各第1の液体燃料要素110a内の液体燃料108および各第2の液体燃料要素120a内の液体燃料108が収納されている軸方向の領域である液体燃料部100aの軸方向の範囲は、炉心燃料集合体30内の炉心燃料部30aの軸方向の範囲と実質的に同じ範囲となっている。したがって、炉心損傷防止構造体100内の液体燃料部100aは、図4の概念的立断面図における燃料領域21の範囲に存在している。
なお、後述するように、第1の液体燃料要素110a内の液体燃料108の上方、および各第2の液体燃料要素120a内の液体燃料108の上方は、それぞれガスプレナムが形成されているので、これに対応して、炉心損傷防止構造体100内の液体燃料部100aの上方には上部空間部100cが形成されている。また、炉心損傷防止構造体100内の液体燃料部100aの下方には、図6で示すように、入口空間部100bが形成されている。
図7は、第1の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素の結合体の構成を示す立断面図である。
結合体105aの第1の液体燃料要素110aと第2の液体燃料要素120aとは、それぞれの下部において連結部106により連結されている。連結部106には、第1の液体燃料要素110aと第2の液体燃料要素120aとを連通する流路となる連通孔106fが形成されている。
第1の液体燃料要素110aは、鉛直上方に延びた第1要素液体燃料管111と、その上端に接続し鉛直上方に延びた第1要素ガス管112とを有する。第1要素液体燃料管111内の空間と第1要素ガス管112内の空間とは、連通孔113により連通している。第1要素ガス管112の上端は、閉止されている。第1要素液体燃料管111は、その下端で連結部106の流路である連通孔106fと連通している。
第1要素液体燃料管111内は、液体燃料108で満たされている。ここで、液体燃料108としては、核***性核種を有する元素の合金であって、融点が、通常運転中の周囲の温度より低く、かつ沸点が、事故時の周囲の温度より高い合金である必要がある。このような合金としては、たとえば、融点が約410℃のプルトニウムと9.5%の鉄との合金(Pu−9.5Fe)、融点が約405℃のプルトニウムと12%のコバルトとの合金(Pu−12Co)、融点が約552℃のプルトニウムと1.5%のマグネシウムとの合金(Pu−1.5Mg)などがある。
第2の液体燃料要素120aは、鉛直上方に延びた第2要素液体燃料管121と、その上端に接続し鉛直上方に延びた第2要素ガス管122とを有する。第2要素液体燃料管121の外径および内径は、第1要素液体燃料管111の外径および内径と等しい。第2要素ガス管122の上端は、閉止されている。図7に示すように、第2要素ガス管122は、第2要素液体燃料管121より大きい内径を有する。
また、第2要素ガス管122内には、その下端から鉛直上方に延びた内管124が設けられている。第2要素液体燃料管121内の空間と第2要素ガス管122内の空間とは、内管124により連通している。第2要素液体燃料管121は、その下端で連結部106の連通孔106fと連通している。第2要素液体燃料管121内は、液体燃料108で満たされている。内管124、第2要素液体燃料管121、および連通孔106fは、後述する事故時の状態では、第1要素液体燃料管111の液体燃料108が第2要素液体燃料管121内の空間に、あるいは第2要素液体燃料管121内の液体燃料108が第2要素ガス管122内の空間に移動する際の流路となる。
第2要素ガス管122内には、溶融プラグ123が第2要素ガス管122内を上下に仕切るように設けられている。第2要素ガス管122内の空間は、溶融プラグ123によって、下側の第2燃料要素第1空間125と、上側の第2燃料要素第2空間126の2つの空間に分割されている。
ここで、溶融プラグ123は、高速炉炉心10の通常状態においては、第1要素液体燃料管111内および第2要素液体燃料管121内の液体燃料108の移動を阻止するとともに、事故時には溶融して液体燃料108の移動を許容するように働く必要がある。したがって、溶融プラグ123の材料としては、融点が、高速炉炉心の通常状態における周囲温度よりも十分に高く、かつ、事故時の周囲温度よりも十分に低いことが必要である。このような材料としては、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム等の金属、あるいはこれらと他の元素との合金、塩化物塩、フッ化物塩などがある。
第1要素ガス管112内の圧力と、第2燃料要素第1空間125の圧力は、等しくなるようにそれぞれのガス圧力が調整されている。また、第2燃料要素第2空間126の圧力は、第1要素ガス管112内および第2燃料要素第1空間125の圧力より低くなるようにガス封入時の圧力が調整されている。
図8は、第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素との連結部の平面図である。また、図9は、立断面図である。連結部106は、第1要素液体燃料管用下部端栓106bおよび第2要素液体燃料管用下部端栓106cを有する。第1要素液体燃料管用下部端栓106bの上部および第2要素液体燃料管用下部端栓106cの上部は、互いに結合部材106dにより結合されている。
第1要素液体燃料管用下部端栓106bは、第1要素液体燃料管111の下端に接続して、第1要素液体燃料管111の下部端栓としての機能を有する。第1要素液体燃料管用下部端栓106bの下部は、径が縮小した円柱状で、支持板102(図6)に形成された挿入孔に挿入可能に形成されている。
第2要素液体燃料管用下部端栓106cも同様に、第2要素液体燃料管121の下端に接続して、第2要素液体燃料管121の下部端栓としての機能を有する。第2要素液体燃料管用下部端栓106cの下部は、径が縮小した円柱状で、支持板102(図6)に形成された挿入孔に挿入可能に形成されている。
第1要素液体燃料管用下部端栓106b、結合部材106d、および第2要素液体燃料管用下部端栓106cを通じて、連通孔106fが形成されている。
以下に、以上のように構成された本実施形態に係る高速炉炉心の作用を説明する。
高速炉炉心10において、想定すべき事象としては、反応度挿入型の事象と、流量喪失型の事象とがある。
反応度挿入型の事象は、制御棒の誤引抜きに加えて制御棒挿入失敗など、何らかの原因により高速炉炉心10に過大な反応度が付加された場合を想定している。この場合は、高速炉炉心10からの発熱量が急激に増加するという特徴がある。すなわち、炉心燃料集合体30の炉心燃料部30aおよび炉心損傷防止構造体100の各第1の液体燃料要素110aおよび各第2の液体燃料要素120a内の液体燃料108における発熱量が急激に増加する。
このため、発熱部分からの熱伝導により、炉心燃料集合体30および炉心損傷防止構造体100内の各部の温度が急激に上昇する。また、発熱量の急激な増加により、高速炉炉心10を通過する原子炉冷却材150の温度が、急激に増加する。
流量喪失型の事象は、何らかの原因により、高速炉炉心10を通過する原子炉冷却材150の循環の外部駆動力が喪失し、自然循環力のみとなる場合を想定している。この場合は、高速炉炉心10からの発熱の急激な増加のような現象はないが、崩壊熱に対して十分な原子炉冷却材150が確保されないため、高速炉炉心10を通過する原子炉冷却材150の温度は、高速炉炉心10の入り口から出口に移動するに従って、温度上昇幅が通常に比べて大幅に増加することになる。この結果、高速炉炉心10出口の原子炉冷却材150の温度が上昇する。この温度が上昇した原子炉冷却材150が再び高速炉炉心10に流入する段階になると、高速炉炉心10の入口側の温度も上昇する。
図7に示したように、炉心損傷防止構造体100内に設けられた各結合体105aにおいて、溶融プラグ123は、原子炉冷却材150の流れ方向について、発熱部である第1要素液体燃料管111および第2要素液体燃料管121の下流側にある第2要素ガス管122内に設けられている。すなわち、図4の高速炉炉心10の概念的立断面図における発熱領域である燃料領域21の下流側(図4において燃料領域21の上側)の領域(以下、高温領域ともいう。)に存在する。
反応度挿入型の事象および流量喪失型の事象のいずれの場合においても、高速炉炉心10の発熱領域を通過する原子炉冷却材150の温度は、上昇する。溶融プラグ123が設けられている第2要素ガス管122の径方向外側には、直接、原子炉冷却材150が流れている。したがって、溶融プラグ123は、原子炉冷却材150の温度上昇に伴って、溶融する。
図10は、溶融プラグが開口した時の状態を示す立断面図である。
高温領域に設けられた溶融プラグ123(図7)が溶融することにより、第2要素ガス管122内の第2燃料要素第1空間125と第2燃料要素第2空間126とが連通する。連通する前は、第2燃料要素第1空間125内の圧力は、第2燃料要素第2空間126内の圧力より高かったため、連通することによって第2燃料要素第1空間125内の圧力は低下する。
この結果、第2燃料要素第1空間125内の圧力が第1要素ガス管112内の圧力より低くなる。このため、第2燃料要素第1空間125内の圧力と第1要素ガス管112内の圧力とがバランスするまで、第1要素液体燃料管111内および第2要素液体燃料管121内の液体燃料108は、連結部106の連通孔106fを含めた流路を、第2燃料要素第1空間125側に移動する。
移動した液体燃料108は、内管124内を通過して第2燃料要素第1空間125内に流出し、第2燃料要素第1空間125内の第2要素ガス管122の内壁と内管124の外壁間の環状の空間部分に保有される。
この状態は、図4の高速炉炉心の概念的立断面図において、燃料領域21内にあった液体燃料部100aの一部の液体燃料108が、燃料領域21から上部軸方向ブランケット領域22bに移動した状態である。
これは、液体燃料108の一部が、相対的に、核***反応に対する中性子インポータンスの低い領域に移動したことになる。燃料領域21と上部軸方向ブランケット領域22bとを比較すれば、燃料領域21内の中性子束レベルの方が上部軸方向ブランケット領域22b内の中性子束レベルよりも高い。したがって、言い換えれば、液体燃料108の一部が、相対的に中性子束レベルの低い領域に移動したことになる。この結果は、高速炉炉心10の反応度の低下をもたらす。
図11は、第1の実施形態に係る高速炉炉心の効果を説明するための炉心燃料集合体の炉心損傷防止構造体への置換反応度の例を示すグラフである。すなわち、炉心損傷防止構造体100が作動して、図10の状態になった場合の例を示す。横軸は、高速炉炉心10において、炉心燃料集合体30から炉心損傷防止構造体100に置換した体数の、炉心燃料集合体30と炉心損傷防止構造体100の合計体数に対する割合(%)である。縦軸は、置換したことにより、高速炉炉心に付加された反応度($)である。なお、1$は、反応度ρが遅発中性子割合βの値に等しい場合の反応度の大きさである。
今、図2で示した場合の炉心において、炉心損傷防止構造体100が全くない場合の炉心燃料集合体30の本数は286体である。ここで、炉心燃料集合体30のうち、図2に示すような分散ケースで、16体を炉心損傷防止構造体100に置換した場合、図11の点D1に示すように、置換により加えられた負の反応度は約マイナス5.5ドル($)である。また、同じく分散ケースで、炉心損傷防止構造体100に置換する炉心損傷防止構造体100の体数を10体とした場合は、図11の点D2に示すように、置換により加えられた負の反応度は約マイナス3.4ドル($)である。
一方、中央に集中させた中央集中ケースで、16体を炉心損傷防止構造体100に置換した場合、図11の点C1に示すように、置換により加えられた負の反応度は約マイナス3.1ドル($)である。
高速炉の場合、低温炉停止状態から出力運転状態へ移行するために制御棒挿入深度を調整し、温度補償・出力補償反応度を与えている。この補償反応度の大きさは、炉心燃料仕様の違いなどによりいくらかの変動はあるが、通常、従来の酸化物燃料炉心の大型高速炉の場合、約3$程度の大きさである。
健全状態の炉心で、たとえば、制御棒挿入ではなく、この約マイナス3$分に相当するように、炉心燃料の一部が炉心領域から排出されることを想定したとき、炉心全体は低温停止状態に戻り、多くの炉心燃料の健全性が維持されることになる。
炉停止失敗事象の発生を想定した安全解析時において、炉心が損傷しても臨界が維持された状態で出力が発生して、固体燃料が高温になり溶融プール状態となる場合においても、マイナス3$分の燃料が排出されると、燃料温度状態が下がり、たとえ正の反応度が印加されても、炉停止が達成される例が、非特許文献2,3に示されている。したがって、マイナス3$程度を確保すれば、炉停止可能と考えられる。
前述のように、炉心損傷防止構造体100を分散させた方が、反応度低減効果がある。また、たとえば、絶対値にして3ドル以上の反応度低減効果を確保するには、10体すなわち5%ないし6%程度の割合で置換すればよいということが分かる。
以上は、溶融プラグ123が開口したことにより、一部の液体燃料108が、燃料領域21から上部軸方向ブランケット領域22bに移動した場合であるが、溶融プラグ123の開口を伴わない場合についても、次の様に同様のことが言える。
すなわち、高速炉炉心10の温度が上昇した場合、炉心燃料集合体30の発熱部である炉心燃料部30aは熱膨張する。同様に、炉心損傷防止構造体100の液体燃料部100aも熱膨張する。ところで、液体燃料108、たとえば液体金属ウランの熱膨張率(線膨張率)は、約2.24×10−5[1/K]程度であり、固体の金属ウランの熱膨張率(線膨張率)が約2.00[1/K]程度であるのに比べて大きい値である。
一方、MOX(混合酸化物燃料)のペレットでは1500℃において熱膨張率(線膨張率)は約1.50×10−5[1/K]程度であり、また、被覆管たとえばオーステナイト系ステンレス鋼では、約1.80×10−5[1/K]程度であり、いずれも液体金属ウランの熱膨張率(線膨張率)よりも小さい。
したがって、液体燃料108の方が、熱膨張によって燃料領域21(図4)よりはみ出す割合が大きくなる。また、被覆管の材料として熱膨張率の小さな物を用いた場合には、たとえば、極端な仮定として熱膨張率がゼロであれば、液体燃料108の径方向の熱膨張は被覆管により完全に拘束されるので、液体燃料108は、軸方向(鉛直方向)に線膨張率の3倍の値の膨張率で膨張することになる。
このため、液体燃料部100aでの液体燃料108のより大きな熱膨張により、温度上昇だけの場合でも、全ての炉心損傷防止構造体100について、液体燃料108の一部が図4で示す燃料領域21の外側に移動する。したがって、高速炉炉心10の温度が上昇した場合にも、液体燃料108が、燃料領域21から上部軸方向ブランケット領域22bに移動し、高速炉炉心10の反応度を低下させる効果をもたらす。
なお、液体燃料部100aでの液体燃料108の熱膨張とともに、中性子を吸収する成分も熱膨張する。これは反応度を増加させる効果をもたらす。したがって、これらの効果の総合的な効果が反応度を減少させる方向か、増加させる方向かは、中性子を吸収する成分に対する液体燃料108中の核***性物質の割合に依存する。
図12は、第1の実施形態に係る高速炉炉心の効果を説明するための熱膨張による反応度効果の例を示すグラフである。横軸は、核***性物質の割合であり、核***性物質割合mで表示している。高速炉炉心10内の燃料親物質の全質量をMft、核***性物質の全質量をMfsとすると、核***性物質割合mは、m=Mfs/(Mfs+Mft)で与えられる。すなわち、核***性物質割合mは、富化度に対応する値である。縦軸は、膨張反応度であり、高速炉炉心10の温度が1K上昇した場合に付加される反応度である。
図12に示すように、核***性物質割合mが小さい領域では、反応度の増加方向の効果が大きく、膨張反応度は正である。核***性物質割合mが十分に大きくなると、反応度の減少方向の効果が大きく、膨張反応度は負である。膨張反応度が、正から負に転ずる核***性物質割合mは、通常の炉心では、たとえば10%程度である。このように、10%程度の富化度であれば、膨張反応度を負とすることが可能である。
以上のように、本実施形態による高速炉炉心10にあっては、制御棒挿入失敗事象のような反応度挿入型の事象の発生時、あるいは、流量喪失型の事象の発生時に、炉心へ負の反応度を投入することができる。
[第2の実施形態]
図13は、第2の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素の結合体の構成を示す立断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。
本第2の実施形態における炉心損傷防止構造体100の結合体105dには、第2の液体燃料要素120bの第2要素ガス管122の下部と、連結部106aとを接続し、液体燃料108が排出される際の流路となる排出管127が設けられている。また、第2要素ガス管122内の排出管127への流出口には、溶融プラグ128が設けられている。
図14は、第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素との連結部の平面図であり、図15は、立断面図である。連結部106aにおいて、第1の実施形態における連結部106と異なる部分は、第2要素液体燃料管用下部端栓106gの部分である。
第2要素液体燃料管用下部端栓106gには、液体燃料108が排出される際の流路となる排出孔106hが形成されており、第2要素液体燃料管用下部端栓106gの上端から下端に貫通している。排出孔106hの上端部は、排出管127に接続しており、下端部は、外部配管109に接続している。
外部配管109は、収納容器109aに接続されている。収納容器109aは、たとえば、下部プレナム2a(図1)内に設置されている。なお、収納容器109aの設置場所は、下部プレナム2a以外でもよいが、外部配管109の引き回しを含めて、炉心損傷防止構造体100から自然落下により移行可能な位置である必要がある。収納容器109aの形状は、たとえば、扁平な形状であるなど、再臨界防止を考慮した形状である。収納容器109aは、収納容器109a内に収納された液体燃料108が、原子炉容器2(図1)内の原子炉冷却材150に拡散しないように、たとえば密閉構造とする。
なお、収納容器109aは、事故時における核燃料の広がりの範囲を極力制限するための目的で設置するものである。したがって、外部配管109による排出先が、核燃料の広がりが制限されるような場所である場合には、収納容器109aを設置しなくともよいとさる場合もあり得る。
以上のように構成された本実施形態においては、排出管127内は、通常時は、第2の液体燃料要素120bの第2要素ガス管122内とは溶融プラグ128により区画されている。事故時に、溶融プラグ128が溶融すると、第2の液体燃料要素120bの第2要素液体燃料管121内の液体燃料108が、内管124を経由して第2要素ガス管122内に流入し、第2要素ガス管122の底部に移行する。このため、溶融プラグ128は高温の液体燃料108に接して溶融し、液体燃料108は排出管127から第2要素液体燃料管用下部端栓106g内の排出孔106hを経由して外部配管109に流出する。
このように、本実施形態においては、排出された液体燃料を所定の排出先に導くことができる。所定の排出先に流出した液体燃料は炉心損傷防止構造体100内で保持され、プラント内に拡散されず、炉心の反応度低下に伴い固化され、再臨界防止を達成する。
[第3の実施形態]
図16は、第3の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素構成の結合体の構成を示す立断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。結合体105bは、第1の液体燃料要素110bおよび第2の液体燃料要素120aを有する。
第1の液体燃料要素110bの第1要素ガス管112内には、溶融プラグ114が第1要素ガス管112内の空間を上下に仕切るように設けられている。この結果、第1要素ガス管112内の空間は、下側の第1燃料要素第1空間115と上側の第1燃料要素第2空間116とに分離されている。第1燃料要素第2空間116内の圧力は、第1燃料要素第1空間115内の圧力より高くなるようにそれぞれガスが封入されている。
一方、第2の液体燃料要素120aの第2要素ガス管122内には、溶融プラグは設けられておらず、第2要素ガス管122の内部は、第2燃料要素第1空間125のみが形成されている。第2要素ガス管122の内部のガスの圧力は、第1燃料要素第1空間115内の圧力と等しくなるようにガスが封入されている。
図17は、結合体において溶融プラグが開口した時の状態を示す立断面図である。高温領域に設けられた溶融プラグ114(図16)が溶融し、低圧側の第1燃料要素第1空間115が高圧側の第1燃料要素第2空間116と連通する。この結果、低圧側の第1燃料要素第1空間115のガス圧力が上昇し、第2燃料要素第1空間125内のガス圧力より高くなる。
このため、第2燃料要素第1空間125内の圧力と第1要素ガス管112内の圧力とがバランスするまで、第1要素液体燃料管111内および第2要素液体燃料管121内の液体燃料108は、連結部106の連通孔106fを含めた流路を、第2燃料要素第1空間125側に移動する。この結果は、第1の実施形態での説明における図10の場合と同様の結果となる。
図18は、第3の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素と第2の液体燃料要素の結合体の変形例の構成を示す立断面図である。この変形例による結合体105cにおいては、第1の液体燃料要素110bの第1要素ガス管112内に溶融プラグ114が設けられており、かつ、第2の液体燃料要素120aの第2要素ガス管122内に溶融プラグ123が設けられている。
第1要素ガス管112内の溶融プラグ114より下方の空間の圧力と、第2要素ガス管122内の溶融プラグ123より下方の空間の圧力とは、均圧である。第1要素ガス管112内の溶融プラグ114より上方の空間の圧力は、この均圧の圧力より高圧に設定されている。第2要素ガス管122内の溶融プラグ123より上方の空間の圧力は、この均圧の圧力より低圧に設定されている。
このような変形例においては、溶融プラグ114と溶融プラグ123のいずれかが溶融すれば、液体燃料の移動がなされる。このため、さらに確実な効果が得られる。
以上のように、本第3の実施形態およびその変形例においても、第1の実施形態と同様に、制御棒挿入失敗事象のような反応度挿入型の事象の発生時、あるいは、流量喪失型の事象の発生時に、炉心へ負の反応度を投入することができる。
[第4の実施形態]
図19は、第4の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す平断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。
炉心損傷防止構造体210は、鉛直方向に互いに並列に配された複数の第1の液体燃料要素110cと、これらを収納するラッパ管101を有する。すなわち、本実施形態における炉心損傷防止構造体210のラッパ管101内に収納されている液体燃料要素は第1の液体燃料要素110cの1種類である。
図20は、第4の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の構成を示す立断面図である。第1の液体燃料要素110cは、第1要素液体燃料管111および第1要素液体燃料管111の上部に結合した第1要素ガス管112を有する。第1要素液体燃料管111内の空間および第1要素ガス管112内の空間は、連通孔113により連通している。
第1要素液体燃料管111の下部には、下部端栓107が結合されている。下部端栓107には、その上面から下部に向かって、事故時に液体燃料108が排出される際の流路となる排出孔107aが形成されている。下部端栓107の下端には、外部配管109が接続されている。排出孔107aは、外部配管109内の流路に連結している。
第1要素液体燃料管111の内部には、両端が開放された内管117が設けられている。内管117の一方の端部は、その内部が排出孔107aに連通するように、下部端栓107の上面に接続されている。また、内管117の他方の端部は、第1要素液体燃料管111の内部の空間内の最下部近傍に開口している。
また、内管117は、一方の端部から他方の端部に至る経路が、第1要素液体燃料管111の内部の空間内の上部を経由するように形成されている。すなわち、内管117は、第1要素液体燃料管111の内部において、下部端栓107との接続部から上方に向かって延びて、最上部に達した後に、下方に方向を転じて下方に向かって延びている。
内管117の最上部の近傍において、内管117内に溶融プラグ114aが流路を塞ぐように設けられている。ここで、溶融プラグ114aが設けられている高さ方向の位置は、内管117の最上部であり、これは第1要素液体燃料管111の内部の最上部付近でもある。第1要素液体燃料管111が占める高さ方向の範囲は、図4の高速炉炉心10の概念的立断面図における燃料領域21の高さ方向の範囲と同じ範囲である。したがって、第1要素液体燃料管111の内部の最上部付近の高さ位置は、発熱部である燃料領域21の最上部近傍である。
前述のように、燃料領域21の上方は、発熱部を通過した原子炉冷却材150の温度が高い領域であり、高温領域と呼んだ。一方、発熱部である燃料領域21の最上部近傍における原子炉冷却材150の温度は、発熱部を通過した原子炉冷却材150の温度に比べれば若干低いが、発熱部である燃料領域21の入口における温度上昇前の原子炉冷却材150の温度に比べれば十分に高い。溶融プラグ114aが、事故時にこの領域の原子炉冷却材150の温度上昇により溶融するならば、この領域を含めて高温領域と改めて呼ぶこととする。すなわち、高温領域の高さ範囲は、溶融プラグ114aの融点に対応して決まるものである。
図21は、第4の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素において溶融プラグが開口した時の状態を示す立断面図である。事故時に、高温領域の温度が上昇すると、第1要素液体燃料管111内部の温度が上昇し、溶融プラグ114aが溶融する。第1要素液体燃料管111内に収納されていた溶融燃料108は、第1要素ガス管112内のガスの圧力により押し出され、内管117から外部配管109に流出する。
本実施形態においては、溶融プラグ114aを高温領域に設けていることから、事故時に、溶融プラグ114aが溶融することにより、液体燃料を燃料領域21(図4)から排出し、負の反応度を投入することができる。また、液体燃料108に囲まれた内管117の周囲温度が上昇し、溶融プラグ114aが溶融し、負の反応度が投入される。
[第5の実施形態]
図22は、第5の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の結合体の構成を示す平面図である。本実施形態は、第4の実施形態の変形である。炉心損傷防止構造体220は、鉛直方向に互いに並列に配された複数の第1の液体燃料要素110cと、これらを収納するラッパ管101を有する。互いに隣接する2つの第1の液体燃料要素110cは、連結部221で互いに結合されている。
図23は、第5の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の結合体において溶融プラグが開口した時の状態を示す立断面図である。液体燃料要素110cの構成は第3に実施形態の場合と同一である。
本第5の実施形態の結合体105fにおいては、個々の下部端栓に代えて、連結部221が設けられており、互いに隣接する2つの液体燃料要素110cを接続している。なお、2つに限定されず、連結される液体燃料要素110cは3つ以上の場合であってもよい。連結部221の内部には、排出孔107aが形成されており、互いに結合された液体燃料要素110c同士を連通するとともに、1本の液体燃料要素110cの下部から、外部配管109に延び、溶融プラグ114aが溶融したときに、液体燃料108を、外部配管109を経由して収納容器109aに排出可能となっている。
[第6の実施形態]
図24は、第6の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す立断面図である。本実施形態は、第5の実施形態の変形である。
すなわち、本第6の実施形態においては、炉心損傷防止構造体240内に、収納部109bおよび連結管109cを有する。収納部109bは、円筒形の容器であり、炉心損傷防止構造体240の入口空間部100b内に設けられている。収納部109bの径方向の中央部は、原子炉冷却材150の流路となっており、下方から流入した原子炉冷却材150が、上方の支持板102に流入する。連結管109cは、連結部106に形成された排出孔と、収納部109bとを接続している。
以上のように構成した本第6の実施形態においては、液体燃料108の排出時には、液体燃料108は、接続管109cを経由して、収納部109bに収納される。このように、事故時において、燃料領域21から流出した液体燃料108は、炉心損傷防止構造体100内にとどまることになる。
この結果、事故の収束後、高速炉炉心から燃料を取り出す際にも、液体燃料108は、それぞれの炉心損傷防止構造体100内で、炉心損傷防止構造体100と一体で取り扱うことができる。
図25は、第6の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の変形例の第1の液体燃料要素の結合体の構成を示す立断面図である。本変形例の結合体105eにおいては、第1の液体燃料要素110eの下部端栓部を形成する部分の上方に、収納部109dが形成されている。本変形例では、燃料部21(図4)から排出された液体燃料108は、第1の燃料要素110eの外部に流出せずに、第1の燃料要素110eの内部にとどまり、事故後の液体燃料108の閉じ込めについて、さらに高い信頼性が確保される。
[第7の実施形態]
図26は、第7の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の構成を示す平断面図である。本実施形態は、第4の実施形態の変形である。炉心損傷防止構造体230は、鉛直方向に互いに並列に配された複数の第1の液体燃料要素110dと、これらを収納するラッパ管101を有する。すなわち、本実施形態における炉心損傷防止構造体230のラッパ管101内に収納されている液体燃料要素は第1の液体燃料要素110dの1種類である。
図27は、第7の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の構成を示す立断面図である。
第1の液体燃料要素110dは、第1要素液体燃料管111および第1要素液体燃料管111の上部に結合した第1要素ガス管112を有する。第1要素液体燃料管111内の空間および第1要素ガス管112内の空間は、連通孔113により連通している。
第1要素液体燃料管111の下部には、下部端栓107が結合されている。下部端栓107には、その上面から下部に向かって排出孔107aが形成されている。下部端栓107の下端には、外部配管109が接続されている。排出孔107aは、外部配管109内の流路に連結している。
第1要素液体燃料管111内の最下部の下部端栓107の排出孔107aの上部入口には、溶融プラグ114bが流路を塞ぐように設けられている。ここで、溶融プラグ114bが設けられている高さ方向の位置は、第1要素液体燃料管111の内部の最下部である。すなわち、溶融プラグ114bは、発熱部である燃料領域21(図4)の最下部に設けられている。
反応度挿入型の事象が発生した場合には、高速炉炉心10の発熱部である燃料領域21からの発熱量が急激に増加する。このため、燃料領域21の温度が急激に高くなる。燃料領域21の温度が急激に高くなった結果、燃料領域21の最下部の音度が、溶融プラグ114bの融点を超えたら、溶融プラグ114bが溶融する。
溶融プラグ114bが溶融すると、第1要素ガス管112内のガス圧が高いため、このガスに押し出され、第1要素液体燃料管111の内部の液体燃料108が、下部端栓107の排出孔107aを経由して、外部配管109に流出する。
[第8の実施形態]
図28は、第8の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の第1の液体燃料要素の構成を示す立断面図である。本実施形態は、第7の実施形態の変形である。本実施形態においては、第1要素液体燃料管111内の最下部の下部端栓107の排出孔107aの上部入口には、溶融プラグセット130が流路を塞ぐように設けられている。
図29は、第8の実施形態に係る高速炉炉心の炉心損傷防止構造体の溶融プラグセットを示す立断面図である。溶融プラグセット130は、溶融プラグ131および溶融プラグ131の径方向外側に設けられた発熱体132を有する。なお、発熱体132は、溶融プラグ131の径方向外側に限定されず、溶融プラグ131を加熱可能な形態であれば、たとえば溶融プラグの中央にあってもよい。
溶融プラグ131は、通常運転時の燃料領域21(図4)の入口温度以上の融点であり、かつ融点の低い材料である。溶融プラグ131の材料は、たとえば、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウムなどの金属あるいはこれらの合金、塩化物塩、フッ化物塩などがある。
発熱体132は、中性子を吸収して発熱する材料を用いる。このような材料としては、ホウ素10を含むホウ素化合物、ハフニウム合金・化合物、ガドリニウム合金・化合物、核***性物質を含む材料などがある。
反応度挿入型の事象が発生した場合には、高速炉炉心の反応度が上昇した結果、燃料領域21(図4)における中性子束レベルが上昇する。この結果、発熱体132の中性子との反応量が増加し、発熱体132の発熱量が増加する。この結果、溶融プラグ131は溶融し、溶融プラグ131の上下が連通する。
例えば、一般的な高速炉の制御棒の材料であるBCを用いた場合を想定すると、通常運転時の発熱が100W/g程度である。反応度挿入事象により高速炉炉心10の出力が1.5倍となった場合を考える。いま、原子炉冷却材150の流量が一定のままだとすると、高速炉炉心10の内部に蓄積される熱量は、50(=100*1.5−100)W/gとなる。BCの比熱は0.95J/mであるので、温度上昇速度は52.6[℃/s]である。このように、溶融プラグ131の温度は急速に上昇する。
以上のように、溶融プラグ131および発熱体132を有する溶融プラグセット130を用いることにより、さらに確実に液体燃料108を燃料領域21から排出し負の反応度を挿入することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
たとえば、実施形態においては、径方向ブランケット、軸方向の上部および下部ブランケットを有する場合を例にとって説明したが、アクチニド元素の燃焼を目的とする炉心のように、増殖を行わない炉心の場合は、これらのブランケット部はなくともよい。
また、実施形態では、炉心損傷防止構造体は、液体燃料要素のみを有する場合を例にとって説明したがこれに限定されない。たとえば、ラッパ管内には、液体燃料要素と通常の燃料要素とが混在している場合であってもよい。ここで、通常の燃料要素とは、炉心燃料集合体に用いられている燃料要素である。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。
たとえば、第6の実施形態あるいはその変形例による排出された液体燃料の収納部の設置を、第2、第4、第5、第7あるいは第8の実施形態と組み合わせてもよい。
また、第1ないし第7の実施形態において、それぞれの炉心損傷防止構造体には複数の溶融プラグが設置されているが、炉心損傷防止構造体の設置体数に余裕をもたせれば、一部の溶融プラグが溶融しなくとも、所定の量の負の反応度の挿入が可能となる。また、複数設置されている溶融プラグのうちのある割合を、第8の実施形態における溶融プラグセットに置き換えてもよい。溶融プラグと溶融プラグセットの2種類の手段を備えることにより、共通原因による作動不良を回避して、負の反応度挿入の信頼性をさらに向上させる可能性が得られる。
さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…高速炉、2…原子炉容器、2a…下部プレナム、2b…上部プレナム、4…炉心支持板、7…炉心上部機構、7a…制御棒駆動機構、8…冷却材入口配管、9…冷却材出口配管、10…高速炉炉心、11…遮へいプラグ、12…径方向ブランケット燃料集合体、13…反射体、14…中性子遮へい体、15…制御棒集合体、21…燃料領域、22a…下部軸方向ブランケット領域、22b…上部軸方向ブランケット領域、23…径方向ブランケット領域、24…反射体領域、25…中性子遮へい体領域、30…炉心燃料集合体、30a…炉心燃料部、30b…下部ブランケット部、30c…上部ブランケット部、31…ラッパ管、32…炉心燃料要素、33…エントランスノズル、34…ハンドリングヘッド、34a…出口開口、100…炉心損傷防止構造体、100a…液体燃料部、100b…入口空間部、100c…上部空間部、101…ラッパ管、102…支持板、103…エントランスノズル、104…ハンドリングヘッド、104a…出口開口、105a、105b、105c、105d、105e、105f…結合体、106、106a…連結部、106b…第1要素液体燃料管用下部端栓、106c…第2要素液体燃料管用下部端栓、106d…結合部材、106f…連通孔、106g…第2要素液体燃料管用下部端栓、106h…排出孔、107…下部端栓、107a…排出孔、108…液体燃料、109…外部配管、109a…収納容器(排出先)、109b…収納部(排出先)、109c…連結管、109d…収納部(排出先)、110a、110b、110c、110d、110e…第1の液体燃料要素、111…第1要素液体燃料管、112…第1要素ガス管、113…連通孔、114、114a、114b…溶融プラグ、115…第1燃料要素第1空間、116…第1燃料要素第2空間、117…内管、120a、120b…第2の液体燃料要素、121…第2要素液体燃料管、122…第2要素ガス管、123…溶融プラグ、124…内管、125…第2燃料要素第1空間、126…第2燃料要素第2空間、127…排出管、128…溶融プラグ、130…溶融プラグセット、131…溶融プラグ、132…発熱体、150…原子炉冷却材、210、220、230、240…炉心損傷防止構造体、221…連結部

Claims (9)

  1. 核***性物質を含んだ燃料を有し、液体金属を原子炉冷却材とする高速炉の高速炉炉心であって、
    互いに並列に配され鉛直方向に延びて固体状の燃料を有する複数の炉心燃料集合体と、
    前記炉心燃料集合体と並列に配され通常運転時に液体状の液体燃料を有し鉛直方向に延びる複数の炉心損傷防止構造体と、
    中性子を吸収する物質を含み、前記複数の炉心燃料集合体および前記複数の炉心損傷防止構造体と並列に配されて上下に移動可能な複数の制御棒集合体と、
    を備え、
    前記複数の炉心損傷防止構造体のそれぞれは、
    鉛直方向に筒状に延びて上下を閉止されて核***性物質を収納する第1の液体燃料要素と、
    通常運転時には固体状であって前記第1の液体燃料要素に連通する流路を介しての前記液体燃料の前記第1の液体燃料要素からの流出を阻止するとともに、事故時にその周囲温度が上昇することにより溶融し前記液体燃料の流出を許容する溶融プラグと、
    を有することを特徴とする高速炉炉心。
  2. 前記溶融プラグは、通常運転時に当該高速炉炉心において比較的温度が高い高温領域内に配されていることを特徴とする請求項1に記載の高速炉炉心。
  3. 前記溶融プラグは、前記中性子との反応により発熱し前記溶融プラグに熱を与える発熱体をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高速炉炉心。
  4. 前記第1の液体燃料要素に隣接し前記第1の液体燃料要素と連通し鉛直方向に延びる第2の液体燃料要素をさらに備え、
    前記第2の液体燃料要素は、前記第1の液体燃料要素からの前記液体燃料の流出に伴い移動した場合に前記液体燃料を収納する空間を有し、前記溶融プラグは、前記空間と前記液体燃料とを分離するように配されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか一項に記載の高速炉炉心。
  5. 前記第2の液体燃料要素は、移動した前記液体燃料を排出する排出先に接続されており、前記溶融プラグは、前記排出先と前記第2の液体燃料要素とを分離するように配されていることを特徴とする請求項4に記載の高速炉炉心。
  6. 前記第1の液体燃料要素は、流出する前記液体燃料を排出する排出先に接続されており、前記溶融プラグは、前記排出先と前記第1の液体燃料要素とを分離するように配されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか一項に記載の高速炉炉心。
  7. 当該高速炉炉心は、原子炉容器内に設置され、
    前記排出先は、前記原子炉容器内であって前記炉心損傷防止構造体の下方に設けられた密閉容器であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の高速炉炉心。
  8. 前記排出先は、前記炉心損傷防止構造体の入口空間内に設けられた収納部であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の高速炉炉心。
  9. 核***性物質を含んだ燃料を有し、液体金属を原子炉冷却材とする高速炉炉心と、
    前記高速炉炉心を収納し、前記原子炉冷却材を保持する原子炉容器と、
    前記原子炉容器の上部を覆い、前記高速炉炉心の反応度を制御する制御棒を駆動する制御棒駆動機構を支持する遮へいプラグと、
    を備え、
    前記高速炉炉心は、
    互いに並列に配され鉛直方向に延びて固体状の前記燃料を有する複数の炉心燃料集合体と、
    前記炉心燃料集合体と並列に配され液体状の前記燃料を有し鉛直方向に延びる複数の炉心損傷防止構造体と、
    中性子吸収物質を含み、前記複数の炉心燃料集合体および前記複数の炉心損傷防止構造体と並列に配された複数の制御棒集合体と、
    を備え、
    前記複数の炉心損傷防止構造体のそれぞれは、
    鉛直方向に筒状に延びて上下を閉止されて核***性物質を収納する第1の液体燃料要素と、
    前記第1の液体燃料要素に連通する流路を介しての前記液体燃料の前記第1の液体燃料要素からの流出を阻止するとともに、事故時にその周囲温度が上昇することにより溶融し前記液体燃料の流出を許容する溶融プラグと、
    を有することを特徴とする高速炉。
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