JP2017116134A - 熱交換器及び熱交換器の除霜方法 - Google Patents

熱交換器及び熱交換器の除霜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】着霜を熱交換部の表面から完全に除去可能にすることで、長時間の着霜抑制効果を得る。【解決手段】本発明の少なくとも一実施形態に係る熱交換器は、冷媒が流れる冷媒管を備え、空気から熱を吸収可能な熱交換器であって、前記冷媒管に固定され、表面に微細な凸部及び凹部が形成され、各凸部は該凹部によって他の凸部と分断されてスポット状に形成された熱交換部と、前記熱交換部の表面に向けて空気層を介して超音波を照射する超音波発信機と、前記凸部の上面に形成される着霜の高さと、前端着霜が形成される前記凸部の前記上面の面積と、前記着霜の固有振動数との関係を示すマップを記憶する記憶部を有し、該マップから前記凸部に形成された着霜の固有振動数を推定し、推定した前記着霜の固有振動数に基づいて、前記超音波発信機から前記着霜を共振可能な振動数の超音波を発信させるための制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、超音波を用いて除霜可能な熱交換器及び超音波を用いた熱交換器の除霜方法に関する。
空調機や冷凍機等の蒸発器に用いられる熱交換器では、0℃以下の冷媒やブラインが流れる熱交換管の表面に空気中の水蒸気が凍結して霜層が発生する。霜層は熱伝導率が低いため断熱材として作用し、冷凍機などのCOP(成績係数)を低下させるため、除霜する必要がある。
従来の除霜方法は、例えば、冷凍機の運転を一旦停止し、冷凍サイクルを逆に動作させて蒸発器を凝縮器として使用し、蒸発器にホットガスを導入して解氷している。この方法では冷凍機を一旦停止させる必要があり、連続運転ができなくなるという問題がある。
特許文献1には、熱交換器の熱交換部に超音波振動子を固定し、熱交換部に超音波振動を与えることで、熱交換部に付着した水滴を霧化し、あるいは氷層を破壊する除霜方法が開示されている。また、特許文献1には、超音波振動子で発生した超音波の波長を調整して熱交換部を共振させ、振動による除霜効果を向上させることが開示されている。
特許文献2には、熱交換部の表面に微細な凹凸を形成することで、着霜の位置、形状等をコントロールし、これによって、構造的に弱い着霜を形成させ、この着霜をブラシや圧縮空気等の機械的な除去手段で払い落とすようにした除霜方法が開示されている。
特開平06−265291号公報 特開2012−82989号公報
熱交換部の表面に形成された着霜は、熱交換部に対する付着強度よりも霜自身の強度のほうが小さくなる傾向がある。そのため、付着破壊(付着面での剥離)よりも凝集破壊(霜自身の破壊による剥離)が優位に起り、熱交換部の表面に霜が残ってしまうおそれがある。残った霜が周囲の霜とブリッジを起すと、熱交換部に超音波振動を与えても剥離できなくなり、その結果として伝熱阻害や流路閉塞を引き起こすおそれがある。
また、特許文献2に開示された除霜方法でも、着霜を付着破壊により完全に除去できるまでには至っていない。
本発明の少なくとも一実施形態は、上記課題に鑑み、着霜を熱交換部の表面から完全に除去可能にすることで、長時間の着霜抑制効果を得ることを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る熱交換器は、
冷媒が流れる冷媒管を備え、空気から熱を吸収可能な熱交換器であって、
前記冷媒管に固定され、表面に微細な凸部及び凹部が形成され、各凸部は該凹部によって他の凸部と分断されてスポット状に形成された熱交換部と、
前記熱交換部の表面に向けて空気層を介して超音波を照射する超音波発信機と、
前記凸部の上面に形成される着霜の高さと、前端着霜が形成される前記凸部の前記上面の面積と、前記着霜の固有振動数との関係を示すマップを記憶する記憶部を有し、該マップから前記凸部に形成された着霜の固有振動数を推定し、推定した前記着霜の固有振動数に基づいて、前記超音波発信機から前記着霜を共振可能な振動数の超音波を発信させるための制御部と、
を備える。
上記構成(1)では、熱交換部の表面(熱交換面)に微細な上記凹凸加工を施す。この凹凸における凸部の横断面及び凹部の幅は、通常1mm以下の微細加工である。空気中の水蒸気が最も付着しやすい凸部上面へ着霜を集中させ、空気中の水蒸気が付着しにくい凹部への着霜を抑制できる。凸部上面の着霜は、着霜の上部に空気中の水蒸気が付着していくことで、柱状に成長する。上記凸部は他の凸部とは凹部によって分断され、かつ除霜が柱状に成長するため、各凸部に形成された着霜同士のブリッジは起こりにくい。
凸部上面で柱状に成長した着霜は、固有振動数を算出する場合片持ち梁に擬制され、着霜の固有振動数は凸部上面の面積と着霜の高さによって決まる。
例えば、凸部上面形状が100μm×100μmの正方形の場合、着霜の高さが0.5〜1.6mmにおいて、着霜の固有振動数は200kHz〜20kHzとなり、凸部上面形状が250μm×250μmの正方形の場合、着霜の高さが0.8〜2.5mmにおいて着霜の固有振動数は200kHz〜20kHzとなる。
このように、各凸部で孤立した着霜を形成させることで、孤立した着霜の固有振動数はおよそ200kHz〜20kHzとなり、着霜の固有振動数の推定が容易になると共に、除霜用超音波の固有振動数の領域に入りやすくなる。他方、後述する過冷却液滴の合体や着霜のブリッジなどにより着霜の熱交換面に対する付着面積が拡大すると、着霜が成長して固有振動数が過大となり、除霜用超音波の固有振動数の領域に入らなくなる。
上記制御部では、予め取得された上記マップから凸部上面に形成された着霜の固有振動数を推定する。この固有振動数から着霜を共振可能な超音波の振動数を選定し、選定された振動数の超音波を着霜に向けて発信する。
ブリッジが形成されない孤立した柱状の着霜は、共振振動を発生させることで付着破壊を起すことができ、これによって、着霜をほぼ完全に除去でき、長時間の着霜抑制効果を得ることができる。
空気中の過飽和水分は温度低下に伴い−40℃程度まで過冷却液として存在する可能性がある。過飽和水分は過冷却解除までの時間が長いほど、即ち、高温状態であるほど液滴同士の合体が起り霜の結晶が粗大化する。
そこで、熱交換面に超音波を照射し、空気中の過飽和水分の過冷却を解除することで、霜結晶の粗大化を抑制できる。これによって、霜の熱交換面への付着力を低下でき、除霜しやすくなる。
また、超音波は空気層を介して熱交換面に照射される。空気層と熱交換面との音響インピーダンスの差が大きいため、空気と熱交換面との境界で超音波の反射が起る。これによって、超音波振動を熱交換面の着霜に多方向から与えることができ、除霜効果を高めることができる。
(2)幾つかの実施形態では、前記構成(1)において、
前記各凸部は柱状に形成され、
前記凹部は線状の溝を交差させて碁盤目状に形成される。
上記構成(2)によれば、各凸部毎に孤立した着霜の形成が容易になり、着霜間のブリッジの形成を抑制できる。これによって、霜の熱交換面への付着力を低下でき、除霜しやすくなる。
(3)幾つかの実施形態では、前記構成(1)において、
前記凸部及び前記凹部は線材を格子状に編んで形成される。
上記構成(3)によれば、熱交換面の凹凸形成を低コストにできると共に、各凸部毎に孤立した着霜の形成が容易になり、着霜間のブリッジの形成を抑制できる。これによって、霜の熱交換面への付着力を低下でき、除霜しやすくなる。
(4)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(3)の何れかにおいて、
前記熱交換部は、前記冷媒管に固定された冷却フィンである。
上記構成(4)によれば、空気との間で主たる熱交換が行われる冷却フィンの除霜をほほ完全に行うことができる。
(5)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(3)の何れかにおいて、
前記冷媒管に固定された冷却フィンと、
前記冷却フィンに接する空気流を形成するための空気流形成部と、
を備え、
前記熱交換部は、前記冷却フィンより前記空気流入口側の前記冷媒管に固定された集霜部である。
上記構成(5)によれば、空気との間で主たる熱交換が行われる上記集霜部の除霜をほぼ完全に行うことができる。
(6)本発明の少なくとも一実施形態に係る熱交換器の除霜方法は、
冷媒が流れる冷媒管を備え、空気から熱を吸収可能な熱交換器の除霜方法であって、
前記冷媒管に固定された熱交換部の表面に微細な凸部及び凹部を形成し、各凸部を該凹部によって他の凸部と分断させてスポット状に形成する凹凸形成ステップと、
前記凸部の上面に形成される着霜の高さと、前記着霜が形成される前記凸部上面の面積と、前記着霜の固有振動数との関係を示すマップを作成するマップ作成ステップと、
前記マップ作成ステップで作成されたマップから前記凸部の前記上面に形成された着霜の固有振動数を推定する固有振動数推定ステップと、
前記固有振動数推定ステップで推定した前記着霜の固有振動数に基づいて、前記熱交換面に向けて空気層を介して前記着霜を共振可能な振動数の超音波を発信させる超音波照射ステップと、
を含む。
上記方法(6)によれば、上記凹凸形成ステップで熱交換面に形成した凹凸加工によって、前述のように、各凸部の上面に孤立した柱状の着霜を形成でき、これによって、着霜の固有振動数を除霜用超音波の振動で除霜されやすい固有振動数とすることができる。
また、ブリッジが形成されない孤立した柱状の着霜は、上記超音波照射ステップで共振振動を起すことで、付着破壊を起すことができ、これによって、着霜を根元からほぼ完全に除去できる。
また、熱交換面に超音波を照射することで、空気中の過飽和水分の過冷却が解除され、これによって、霜結晶の粗大化が抑制され、熱交換面への付着力を低下できるため、除霜が容易になる。
また、超音波は空気層を介して熱交換面に照射されるため、空気層と熱交換面との音響インピーダンスの差によって空気と熱交換面との境界で超音波の反射が起り、これによって、超音波振動を熱交換面の着霜に多方向から与えることができ、除霜効果を高めることができる。
(7)幾つかの実施形態では、前記構成(6)において、
前記熱交換部の表面に表面自由エネルギが小さい材料(例えばフッ素系材料)を被覆する表面処理ステップをさらに含む。
上記方法(7)によれば、熱交換面の撥水性や表面張力を高めることができ、これによって、熱交換面に形成された着霜の付着力を低減でき、除霜が容易になる。
(8)幾つかの実施形態では、前記構成(6)又は(7)において、
前記熱交換面の温度を−4℃乃至−10℃又は−22℃以下(例えば−22℃乃至−40℃)の範囲に保持する温度調整ステップをさらに含む。
上記方法(8)によれば、熱交換面の温度を上記温度範囲に保持することで、熱交換面に形成された着霜を高さ方向へ成長させる速度を速めることができる。これによって、着霜を高さ方向へ柱状に成長させることができ、そのため、超音波照射による付着破壊が起しやすくなり、除霜効果を向上できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、着霜を熱交換部の表面から完全に剥離させることができ、これによって、長時間の着霜抑制効果を得ることができる。
一実施形態に係る熱交換器の模式図である。 (A)は一実施形態に係る熱交換部の斜視図であり、(B)は該熱交換部の断面図である。 一実施形態に係る熱交換部の斜視図である。 着霜の高さ及び霜付着面と着霜の固有振動数との関係を示すマップの一例を示す線図である。 (A)〜(E)は一実施形態にかかる熱交換部の着霜の成長を順に示す断面図である。 一実施形態に係る熱交換器の斜視図である。 一実施形態に係る熱交換器の除霜方法を示すフロー図である。 一実施形態に係る熱交換器の除霜方法を示すフロー図である。 (A)〜(C)は熱交換面における着霜の成長を順に示す説明図である。 (A)及び(B)は霜結晶の成長を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の少なくとも一実施形態に係る熱交換器10(10A、10B)は、図1及び図6に示すように、冷媒(又はブライン)rが流れる冷媒管12を備え、空気から熱を吸収可能な熱交換器であり、例えば、空調機や冷凍機に蒸発器として用いられる。
図1に示す実施形態では、熱交換器10には空気が出入り可能な空気流通路13が形成される。空気流通路13には、例えばファン15などによって空気流aが形成される。冷媒管12には熱交換部14が固定される。熱交換部14は空気流aに面して配置され、表面(熱交換面14a)が空気流aに曝される。熱交換部14は冷媒管12を流れる冷媒で冷却され、さらに空気流aを冷却する。
熱交換面14aには、図2又は図3に示すように、1mm以下(ミクロン単位)の微細な凸部16(16a、16b)及び凹部18(18a、18b)が形成され、各凸部16は、凹部18によって他の凸部16と分断されてスポット状に形成されている。
「スポット状」とは、平面視で、例えば、正方形、円形、楕円形、あるいは異なる2辺の長さの差が少ない長方形等が含まれる。
熱交換器10(10A)は、図1に示すように、さらに、超音波発信機22と超音波発信機22の動作を制御する制御部28とを備えている。超音波発信機22は熱交換面14aに向けて空気層を介して超音波uを発信する。
制御部28は記憶部30を内蔵する。記憶部30は、凸部16の上面20(20a、20b)に柱状に形成される着霜の高さと、着霜が形成される凸部16の上面20の面積と、着霜の固有振動数との関係を示すマップを記憶する。制御部28は、このマップから凸部上面20に形成された着霜の固有振動数を推定し、推定した着霜の固有振動数に基づいて、超音波発信機22から着霜を共振可能な振動数の超音波uを発信させる。
前述のように、凸部上面20で柱状に成長した着霜は、その固有振動数を算出する場合片持ち梁に擬制できる。その結果、着霜の固有振動数は凸部上面の面積と着霜の高さによって決まる。
図4は、上記マップの一例を示す。図4において、霜高さが大きいほど、固有振動数は小さくなり、凸部上面20の面積が広いほど固有振動数は大きくなる。
図1に示す実施形態では、熱交換部14に対し、空気流aの上流側及び下流側に夫々超音波発信機22(22a、22b)が設けられ、これら超音波発信機から熱交換部14の表面に向けて空気層を介して超音波を発信する。
さらに、別な超音波発信機24が設けられ、超音波発信機24の超音波振動子(不図示)は熱交換部14に固定され、熱交換部14を直接振動させる。
また、制御部28は超音波発信機22に電力を供給する電源26を介して超音波発信機22の動作を制御する。
例示的な実施形態では、図2の(A)及び(B)に示すように、熱交換部14の熱交換面14aにおいて、各凸部16(16a)は柱状に形成され、凹部18(18a)は線状の溝を交差させて碁盤目状に形成される。
図2に示す実施形態では、断面が正方形の柱状の微細な凸部16(16a)が形成されている。凹部18(18a)を形成する凸部間の間隔は凸部16(16a)の1辺と同一である。凸部16(16a)の高さtは1mm以下である。
図2(B)に示すように、着霜fは、空気中の水蒸気が最も付着しやすい凸部上面20(20a)に集中し、空気中の水蒸気が付着しにくい凹部18(18a)への着霜は少ない。凸部上面20(20a)の着霜は、着霜fの上部に空気中の水蒸気が付着していくことで、柱状に成長する。凸部16(16a)他の凸部とは凹部18(18a)によって分断されているため、各凸部に形成された着霜同士のブリッジは起こりにくい。
例示的な実施形態では、図3に示すように、凸部16(16b)及び凹部18(18b)は、線材32を格子状に編んで網体34が形成される。線材32は例えば金属又は樹脂で構成される。
図5に示す実施形態では、熱交換面14aに網体34が形成された状態を示し、網体34に凸部16(16b)及び凹部18(18b)が形成される。
観察の結果、熱交換器の運転中、まず、熱交換面14a及び網体34の表面に空気中の過飽和水蒸気気が凝縮して過冷却液滴wが生成する。過冷却解消後、熱交換面14a及び網体34の表面に氷iが生成する。その後、網体34の凸部16(16b)で生成した氷iから複数の霜結晶fが発生することが確認された。霜結晶fは網体34の凸部16(16b)で最も結晶の成長速度が速く、熱交換面14a上には過冷却解消後、丘状の氷iが付着するが、この氷iの寸法は150μm以下であり、丘状の氷iから霜結晶が成長することはなかった。
例示的な実施形態では、図6に示す熱交換器10(10B)において、熱交換部は冷媒管12に固定された冷却フィン14Aである。冷却フィン14Aは、多数の伝熱板36が互いに微小間隔を置いて並列に配置されている。
例示的な実施形態では、図6に示すように、熱交換部は冷却フィン14Aより空気流aの入口側の冷媒管12に固定された集霜部14Bである。集霜部14bは多数の伝熱板36が互いに微小間隔を置いて並列に配置されている。
本発明の少なくとも一実施形態に係る熱交換器の除霜方法は、図7に示すように、凹凸形成ステップS10と、マップ作成ステップS12と、固有振動数推定ステップS14と、超音波照射ステップS16とを含む。
凹凸形成ステップS10では、冷媒管12に固定された熱交換部14の表面(熱交換面14a)に微細な凸部16(16a、16b)及び凹部18(18a、18b)を形成し、各凸部を該凹部によって他の凸部と分断してスポット状に形成する。
マップ作成ステップS12では、凸部16の上面20(20a、20b)に形成される着霜fの高さと、着霜fが形成される上面20の面積と、着霜fの固有振動数との関係を示すマップを作成する。
固有振動数推定ステップS14では、マップ作成ステップS12で作成されたマップから上面20に形成された着霜fの固有振動数を推定する。
超音波照射ステップS16では、固有振動数推定ステップS14で推定した着霜fの固有振動数に基づいて、熱交換面14aに向けて空気層を介して着霜fを共振可能な振動数の超音波を発信させる。
例示的な実施形態では、図8に示すように、凹凸形成ステップS10とマップ作成ステップS12との間に、熱交換面14aに表面自由エネルギが小さい材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系材料)を被覆する表面処理ステップS18をさらに含む。
例示的な実施形態では、図8に示すように、マップ作成ステップS12と固有振動数推定ステップS14との間に、熱交換面14aの温度を−4℃〜−10℃又は−22℃以下(例えば−22℃〜−40℃)の範囲に保持する温度調整ステップS20をさらに含む。
前述のように、凸部16の上面20に着霜fが集中して発生する。この状態を図9に模式的に示す。横方向へ飛び出した単独の霜結晶fは超音波の照射で離脱しやすいが、上面中央の霜結晶fは離脱せずに垂直方向へ成長する。
その結果、凸部16の横断面と同じ横断面の霜結晶fが形成され、全体として着霜の固有振動数は除霜用超音波の周波数領域に入りやすくなる。従って、超音波照射ステップS16で超音波照射による除霜効果を向上できる。
大気中での雪の結晶の成長においては、温度帯によって結晶成長の方向が異なることが知られている。即ち、図10の(A)及び(B)に示すように、−4℃〜−10℃又は−22℃以下(例えば−22℃〜−40℃)のとき、ベーサル面優位(六角柱Cの平面Pの成長が六角柱の側面Sの成長より速い。)となり、0℃〜−4℃又は−10℃〜−22℃のとき、プリズム面優位(六角柱Cの側面Sの成長が六角柱の平面Pの成長より速い。)となる。
熱交換器における熱交換面においても、ほぼ同様の温度帯による氷結晶の成長の優位性が存在する。ベーサル面優位のほうが柱状結晶を成長させやすく、柱状結晶を成長させることで、着霜の固有振動数が下がり、超音波照射による除霜効果を向上できる。
従って、可能な限り熱交換面14aの温度を−4℃〜−10℃又は−22℃以下に保つことで、超音波照射による除霜効果を向上できる。
なお、空気を冷却可能な通常用いられる比較的安価な空調機及び冷凍機等では、熱交換面の冷却温度の下限値はほぼ−40℃であるので、低温域では、−22℃以下(例えば−22℃〜−40℃)に温度保持することで、除霜効果を向上できる。
幾つかの実施形態によれば、熱交換面14aに各個ごとに孤立した凸部16を形成することで、凸部上面20にブリッジが起りにくく付着破壊が可能な柱状の着霜fを形成できる。
さらに、予め求めたマップから着霜fの固有振動数を推定し、この推定値に基づいて振動数を選択した超音波を柱状の着霜fに照射することで、着霜fに付着破壊を起すことができる。これによって、着霜fをほぼ完全に除去でき、長時間の着霜抑制効果を得ることができる。
また、各凸部16で孤立した柱状の着霜fを形成することで、着霜fの固有振動数の推定が容易になると共に、着霜fの固有振動数を除霜用超音波の固有振動数の範囲とすることができる。これによって、着霜fに共振を起すことが容易になる。
また、0℃以下の空気中で熱交換面14aに付着した過冷却の水分に対して、熱交換面14aに超音波を照射することで、過冷却状態を解除できる。これによって、霜結晶の粗大化を抑制し、霜の付着力を低減できるので、除霜が容易になる。
また、超音波を空気層を介して熱交換面14aに照射することで、空気と熱交換面14aとの境界で超音波を反射させ、これによって、超音波振動を熱交換面14aの着霜fに多方向から与えることができ、除霜効果を向上できる。
また、図2に示すように、凸部16(16a)を柱状に形成すると共に、凹部18(18a)を線状の溝を交差させて碁盤目状に形成することで、各凸部毎に孤立した着霜fの形成が容易になり、着霜間のブリッジの形成を抑制できる。これによって、着霜fの熱交換面への付着力を低下でき、除霜しやすくなる。
また、図3に示すように、線材32を格子状に編んで網体34を形成することで、凸部16(16b)及び凹部18(18b)を形成することで、ブリッジを形成しにくい孤立した柱状の着霜を低コストで形成できる。
また、図6に示すように、熱交換部14を冷却フィン14Aや集霜部14B等のように空気との間で主たる熱交換が行われる部位とし、これら部位の除霜をほぼ完全に行うことで、熱交換部14の熱効率を高く維持できる。
また、熱交換面14aに表面自由エネルギが小さい材料を被覆し、熱交換面14aの撥水性や表面張力を高めることで、熱交換面14aに形成された着霜fの付着力を低減でき、除霜効果を向上できる。
また、熱交換面14aの温度を−4℃〜−10℃又は−22℃以下(例えば−22℃〜−40℃)の範囲に保持することで、着霜fを柱状に成長させやすくし、これによって、超音波照射による付着破壊を起すことで、除霜効果を高めることができる。
さらに、図1に示す実施形態では、超音波発信機24によって熱交換部14を振動させるようにしている。熱交換部14の固有振動数を予め求めておき、超音波発信機24から熱交換部14を共振させる振動数の超音波を発信させ、熱交換部14を共振させる。
これによって、超音波発信機22による着霜fの共振との相乗効果で着霜fの振幅を大きくでき、除霜効果をさらに向上できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、空調機や冷凍機等に用いられる熱交換器の表面から着霜をほぼ完全に除去可能にすることで、長時間の着霜抑制効果を得、これによって、除霜装置の連続運転や熱効率の向上を可能にする。
10(10A、10B) 熱交換器
12 冷媒管
13 空気流通路
14 熱交換部
14a 熱交換面
14A 冷却フィン
14B 集霜部
15 ファン
16(16a、16b) 凸部
18(18a、18b) 凹部
20(20a、20b) 上面
22(22a、22b)、24 超音波発信機
26 電源
28 制御部
30 記憶部
32 線材
34 網体
36 伝熱板
a 空気流
i 氷
f 着霜
、f 霜結晶
r 冷媒
u 超音波
w 過冷却液滴

Claims (8)

  1. 冷媒が流れる冷媒管を備え、空気から熱を吸収可能な熱交換器であって、
    前記冷媒管に固定され、表面に微細な凸部及び凹部が形成され、各凸部は該凹部によって他の凸部と分断されてスポット状に形成された熱交換部と、
    前記熱交換部の表面に向けて空気層を介して超音波を照射する超音波発信機と、
    前記凸部の上面に形成される着霜の高さと、前端着霜が形成される前記凸部の前記上面の面積と、前記着霜の固有振動数との関係を示すマップを記憶する記憶部を有し、該マップから前記凸部に形成された着霜の固有振動数を推定し、推定した前記着霜の固有振動数に基づいて、前記超音波発信機から前記着霜を共振可能な振動数の超音波を発信させるための制御部と、
    を備えることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記各凸部は柱状に形成され、
    前記凹部は線状の溝を交差させて碁盤目状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記凸部及び前記凹部は線材を格子状に編んで形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱交換器。
  4. 前記熱交換部は前記冷媒管に固定された冷却フィンであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記冷媒管に固定された冷却フィンと、
    前記冷却フィンに接する空気流を形成するための空気流形成部と、
    を備え、
    前記熱交換部は、前記冷却フィンより前記空気流入口側の前記冷媒管に固定された集霜部であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱交換器。
  6. 冷媒が流れる冷媒管を備え、空気から熱を吸収可能な熱交換器の除霜方法であって、
    前記冷媒管に固定された熱交換部の表面に微細な凸部及び凹部を形成し、各凸部を該凹部によって他の凸部と分断してスポット状に形成する凹凸形成ステップと、
    前記凸部の上面に形成される着霜の高さと、前記着霜が形成される前記凸部の前記上面の面積と、前記着霜の固有振動数との関係を示すマップを作成するマップ作成ステップと、
    前記マップ作成ステップで作成されたマップから前記凸部の前記上面に形成された着霜の固有振動数を推定する固有振動数推定ステップと、
    前記固有振動数推定ステップで推定した前記着霜の固有振動数に基づいて、前記熱交換面に向けて空気層を介して前記着霜を共振可能な振動数の超音波を発信させる超音波照射ステップと、
    を含むことを特徴とする熱交換器の除霜方法。
  7. 前記熱交換部の表面に表面自由エネルギが小さい材料を被覆する表面処理ステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の熱交換器の除霜方法。
  8. 前記熱交換面の温度を−4℃乃至−10℃又は−22℃以下の範囲に保持する温度調整ステップをさらに含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の熱交換器の除霜方法。
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