JP2017115640A - 排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、窒素酸化物の浄化効率を維持しつつも尿素水の消費量を抑制することを、その目的とする。【解決手段】本発明に係る排気浄化装置30は、内燃機関1から排出される排気が流れる排気通路16A内に尿素水46を供給する尿素水供給部42と、尿素水供給部42よりも排気上流側に配置され、排気中の窒素酸化物(NOx)を酸化雰囲気下で吸蔵するとともに還元雰囲気下で還元するNOxトラップ触媒31と、尿素水供給部よりも排気下流側に配置され、尿素水供給部から供給された尿素水を還元剤として排気に含まれている窒素酸化物を還元するSCR触媒42と、尿素水供給部42からの尿素水の供給量を制御する制御部50と、通常モードM1と、通常モードよりも尿素水供給部41からの尿素水の供給量を抑制する低減モードM2とを運転者により切り替える切替部55を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、選択還元触媒を備えた排気浄化装置に関する。
内燃機関であるディーゼルエンジンから排出されるリーン排気中の窒素酸化物(以下「NOx」と記す)を浄化するものとして、窒素酸化物トラップ触媒(以下「NTC」と記す)あるいは選択還元触媒(以下「SCR触媒」)を排気通路に設けて使用する排気浄化装置が知られている。
NTCは、排気のリーン雰囲気でバリウム(Ba)等の吸蔵材にNOxを硝酸塩の形で吸蔵し、排気のリッチ雰囲気で流入する一酸化炭素(CO)と吸蔵材が炭酸塩を形成する過程でNOxを放出し、さらに放出されたNOxを余剰COと炭化水素(HC)等を用いて還元・浄化するものである。
SCR触媒は、触媒よりも排気上流から排気通路内に供給した尿素水を触媒上で加水分解させてアンモニア(NH)を生成させ、そのアンモニア(NH)により排気のリーン雰囲気下でNOxを選択還元・浄化するものである。このようなSCR触媒を用いた排気浄化装置としては、例えば特許文献1が挙げられる。
特開2006−274986号公報
SCR触媒は、触媒温度の高温域ではアンモニア(NH)によるNOx還元反応に対して副次的に進行するアンモニア(NH)の酸化反応速度が上昇する。このため、NOx還元に用いられるアンモニア(NH)量が減少し、結果としてNOx浄化性能を維持するために多量の尿素水が必要となり、尿素水消費量が多くなる。
本発明は、窒素酸化物(NOx)の浄化効率を維持しつつも尿素水の消費量を抑制することを、その目的とする。
本発明に係る排気ガス浄化装置は、内燃機関から排出される排気が流れる排気通路内に尿素水を供給する尿素水供給部と、尿素水供給部よりも排気上流側に配置され、排気中の窒素酸化物を酸化雰囲気下で吸蔵するとともに還元雰囲気下で還元する窒素酸化物トラップ触媒と、尿素水供給部よりも排気下流側に配置され、尿素水供給部から供給された尿素水を還元剤として排気に含まれている窒素酸化物を還元する選択還元触媒と、尿素水供給部からの尿素水の供給量を制御する制御部と、通常モードと、通常モードよりも尿素水供給部からの尿素水の供給量を抑制する低減モードとを運転者により切り替える切替部を備えることを特徴としている。
本発明によれば、窒素酸化物トラップ触媒と選択還元触媒と、通常モードよりも尿素水供給部からの尿素水の供給量を抑制する低減モードとを任意に切り替える切替部を備えているので、切替部によって通常モードから低減モードとに任意に切替えられて尿素水の供給量が抑制されても、窒素酸化物トラップ触媒側で窒素酸化物の浄化を行えるため、窒素酸化物の浄化効率を維持しつつも尿素水の消費量を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る排気浄化装置の概略構成を示す図。 触媒温度と尿素水の供給目標値とNOxトラップ触媒の吸蔵率の特性を示すマップ。 本発明に係る排気浄化装置の排気浄化工程の1つである通常NOxパージ処理の内容を示すフローチャート。 本発明に係る排気浄化装置の排気浄化工程の1つである低減NOxパージ処理の内容を示すフローチャート。 本発明に係る排気浄化装置の排気浄化工程の1つであるDPF再生処理の内容を示すフローチャート。 本発明に係る排気浄化装置の第1の実施形態となる排気浄化工程の1つである尿素水噴射処理の内容を示すフローチャート。 本発明に係る排気浄化装置の第2の実施形態となる排気浄化工程の1つである尿素水噴射処理の内容を示すフローチャート。 本発明に係る排気浄化装置の第3の実施形態となる排気浄化工程の1つである尿素水噴射処理の内容を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、図面の見やすさを考慮して、構成要件を部分的に省略あるいは破断等して記載することもある。
本実施形態に係る排気浄化装置30は、車両に搭載された内燃機関である多気筒のディーゼルエンジン(以下「エンジン」と記す)1に適用される。図1には、エンジン1に設けられる複数のシリンダ2のうちの一つを示すが、他のシリンダ2も同様の構成である。エンジン1のシリンダ2内には、頂面にキャビティが形成されたピストン3が上下方向に往復摺動するように、シリンダ2内に配置されている。
シリンダ2の上部に位置するシリンダヘッドには、燃料噴射用のインジェクタである筒内噴射弁4が設けられている。筒内噴射弁4にはコモンレールで所定の燃圧に調整された高圧の燃料が供給される。この燃料は炭化水素(HC)の混合物である軽油である。筒内噴射弁4は、その先端部がシリンダ2の筒内空間に突出して設けられていて、高圧の燃料を筒内空間に噴射する。筒内噴射弁4からの燃料噴射量及びその噴射タイミングは、制御部としてのエンジン制御装置50で制御される。
シリンダヘッドには、シリンダ2の筒内空間と連通する吸気ポート5及び排気ポート6と、これら吸気ポート5と排気ポート6を開閉するための吸気弁7及び排気弁8が設けられている。吸気ポート5よりも吸気上流側には、インテークマニホールド(以下、「インマニ」と記す)9が接続されている。インマニ9には、吸気ポート5側へと流れる白矢印で示す空気を一時的に溜めるためのサージタンク10が設けられている。インマニ9よりも吸気上流端には、電子制御式のスロットルバルブ11を内蔵したスロットルボディ29が接続されている。インマニ9側へと流通する空気量は、このスロットルバルブ11の開度(スロットル開度)に応じて調節される。なお、スロットル開度は、スロットルボディ29がエンジン制御装置50で制御されることで調整される。スロットルボディ29の上流側には、吸気通路12が接続されている。吸気通路12の最上流には、エアフィルタ13が設けられていて、エアフィルタ13で濾過された新気(空気)が吸気通路12に導入される。
排気ポート6よりも排気下流側には、複数のシリンダ2から合流するように形成されたエキゾーストマニホールド(以下、「エキマニ」という)15が接続されている。エキマニ15よりも排気下流側には、エンジン1から排出される黒矢印で示す排気が流れる排気通路16が接続されている。エンジン1の吸排気系には、排気圧を利用してシリンダ2内に吸気を過給するターボチャージャ(過給機)17が設けられている。ターボチャージャ17は、吸気通路12と排気通路16との両方にまたがって介装された過給機である。ターボチャージャ17は、排気通路16内の排気圧で排気通路16上のタービンを回転させ、その回転力を利用して吸気通路12上のコンプレッサを駆動することにより、吸気通路12側の吸気を圧縮してエンジン1への過給を行う。なお、吸気通路12におけるコンプレッサよりも吸気下流側には、インタクーラ14が設けられ、圧縮された空気が冷却される。
本実施形態に係るエンジン1には、排気通路16を流通する排気を吸気通路12へ還流させるEGR通路18(排気再循環通路や還流通路ともいう)が設けられている。EGR通路18は、ターボチャージャ17のタービンよりも排気上流側の排気通路16とコンプレッサよりも吸気下流側の吸気通路12とを連通し、いわゆる高圧EGR通路を構成する。EGR通路18と吸気通路12との接続部には、EGR弁19が配置されている。EGR通路18を流通する還流ガス量はEGR弁19の開度に応じて調節される。EGR弁19の開度は、エンジン制御装置50によって制御される。例えば、後述の再生制御中において、エンジン制御装置50は、EGR弁19の開度を0に制御し(閉弁し)、還流ガスをカットする。EGR通路18には、還流ガスを冷却するためのEGRクーラ20が設けられている。
EGR弁19が開弁制御されると、ターボチャージャ17の上流側の排気通路16を流れる排気の一部がEGR通路18に導入され、EGR通路18に導入された排気はEGRクーラ20で冷却されてターボチャージャ17の下流側の吸気通路12に供給される。このように、排気の一部を吸気に還流させることで、エンジン1の燃焼室内の燃焼温度を低下させ、NOxの排出量を低減させることができる。
車両には、排気浄化装置30が搭載されている。排気浄化装置30は、窒素酸化物トラップ触媒31(以下「NOxトラップ触媒」と記す)と、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システム40とを併用したものである。
タービンよりも排気下流側の排気通路16Aには、排気浄化装置30を構成する、排気流れ方向の上流側から順に、NOxトラップ触媒31、フィルタ32、尿素SCRシステム40の構成要素の1つである選択還元触媒(以下「SCR触媒」と記す)41が介装されて設けられている。排気通路16Aを流通する排気は、排気浄化装置30において浄化された後、図示しないマフラーなどを介して車外へと排出される。なお、排気浄化装置30には、エンジン制御装置50が含まれる。
NOxトラップ触媒31は、酸化雰囲気下(排気空燃比が理論空燃比よりもリーンな状態)において排気中のNOxを硝酸塩として担体上に吸蔵し、還元雰囲気下(排気空燃比が理論空燃比よりもリッチな状態)において吸蔵したNOxを放出して窒素(N)に還元するもので機能を有する周知のものである。これらの機能に対応して、NOxトラップ触媒31には、NOxの吸蔵機能を担う吸蔵材と、還元機能を担う貴金属元素等とがそれぞれ担持される。
NOxトラップ触媒31は、ある温度領域(触媒活性領域)で優れたNOx浄化性能を持つ(ある触媒活性領域にNOx浄化性能のピークを有する)という性質がある。言い換えると、NOx浄化性能は常に一定ではなく、NOxトラップ触媒31の触媒温度Taに応じて変化するものであり、ある温度域で最も高いNOx浄化性能を発揮する。
本実施形態では、NOxトラップ触媒31に吸蔵したNOxの量が最大量(飽和状態)に近づくと、NOxトラップ触媒31に吸蔵したNOxを放出して窒素(N)に還元する制御(以下、これを「NOxパージ制御」という)がエンジン制御装置50により実施される。また、本実施形態においては、SCR触媒42で利用する尿素水46の供給量を調整する際にも、NOxパージ制御が実施される。
NOxトラップ触媒31には、排気中の硫黄成分(所定成分単にSとも表す)が吸蔵しうる性質がある。NOxトラップ触媒31に吸蔵してしまった硫黄成分は、上記のNOxパージ制御では僅かな量しか放出されない。このため、本実施形態では、NOxトラップ触媒31は徐々に増加する硫黄成分によって本来の機能であるNOxを吸蔵するという能力(性能)が低下する。これはS被毒と呼ばれ、NOxトラップ触媒31のS被毒を解消すべく、この硫黄成分をNOxトラップ触媒31から放出させる制御(以下、これをSパージ制御という)が、NOxパージ制御とは別でエンジン制御装置50によって実施される。
フィルタ32は、排気中の粒子状物質(Particulate Matter、以下、「PM」と記す)を捕集する多孔質フィルタであり、排気が多孔質フィルタの壁体の近傍や内部を通過する際に壁体内、壁体表面にPMが捕集される。フィルタ32では、捕集されたPMが連続的に酸化される連続再生と、エンジン制御装置50によってPMが強制的に燃焼されてフィルタ32を再生する再生制御とが実施される。フィルタ32で捕集されたPMは、連続再生や再生処理において排気中の二酸化窒素(NO)によって酸化(燃焼)され、二酸化炭素(CO)として排出される。また、フィルタ32に残存する二酸化窒素(NO)は、窒素(N)に分解されて排出される。このため、排気が浄化されてPM及びNOxの排出量を大幅に低減することができる。
本実施形態では、NOxパージ制御を実施する場合、排気を還元雰囲気下(排気空燃比が理論空燃比よりもリッチな状態)にすべく、筒内噴射弁4によるポスト噴射が行われる。すなわち、筒内噴射弁4からトルクに寄与しないタイミング(例えば膨張行程後半や排気工程)で燃料を筒内に噴射させることで、排気通路16へ還元剤としての未燃燃料(軽油)を供給する。また、排気を還元雰囲気下(排気空燃比が理論空燃比よりもリッチな状態)するためには、NOxトラップ触媒31の直上流の排気通路16Aにインジェクタを配置し、当該インジェクタから還元剤となる炭化水素(HC)等を含む燃料(軽油)を噴射し、NOxトラップ触媒31を昇温してもよい。すなわち、NOxパージ制御を実施する環境条件となる排気を還元雰囲気下とする浄化率上昇手段としては、例えばポスト噴射を実行するための構成である筒内噴射弁4や、NOxトラップ触媒31の直上流の排気通路16Aに燃料(軽油)を噴射するための構成が挙げられる。つまり、NOxパージ制御を実施する環境条件となる排気を還元雰囲気下として、NOxトラップ触媒31でのNOxの目標浄化率を増加させる浄化率上昇手段は、特定の構成に限定するものではない。
尿素SCRシステム40は、排気中に還元剤(添加剤)として尿素水46を供給する尿素水供給部としての尿素水噴射弁41と、排気に含まれるNOxを、尿素水46から生成されるアンモニア(NH)を利用して低減するためのSCR触媒42と、尿素水噴射弁41から噴射するための尿素水46を貯留する尿素水タンク45と、尿素水噴射弁41とSCR触媒42の間に配置されたミキサ47と、尿素水噴射弁41や尿素水ポンプ44の作動を制御する尿素水噴射制御部54とを備えている。本実施形態において、尿素水噴射制御部54は、エンジン制御装置50が備えている形態として説明するが、エンジン制御装置50とは、個別な構成であってもよい。
尿素水噴射弁41には、尿素水46が貯留されている尿素水タンク45が供給ライン43を介して接続されている。尿素水タンク45には尿素水ポンプ44が設けられていて、尿素水ポンプ44の駆動により尿素水噴射弁41まで尿素水46が供給される。尿素水タンク45には、タンク内の尿素水46の残量(尿素水残量L)を検出する尿素残量検出部として残量検出センサ27が設けられている。
尿素水噴射弁41は、SCR触媒42よりも排気上流側の排気通路16Aに配置されていて、排気通路16A内に尿素水46を噴射することで排気中及びSCR触媒42へ供給する。尿素水噴射弁41は、オン/オフする電磁弁であって、閉時においては尿素水46の噴射が絶たれ、開状態においては尿素水46の噴射が行われる。尿素水噴射弁41は、エンジン負荷とSCR触媒42の触媒温Tbから、エンジン1から排出されるNOxを還元処理するために必要な尿素水46の噴射量となる基本噴射量が噴射されるように、その開弁状態が制御される。
ミキサ47は、尿素水噴射弁41とSCR触媒42の間の排気通路16A内に配置されている。尿素水噴射弁41から噴霧状に噴射される尿素水46は、ミキサ47で拡散されることにより、霧化を促進され、排気中に蒸発及び微粒子となって混合されてSCR触媒42に均等に流入されてSCR触媒42に接触する。
SCR触媒42は、セラミックスや酸化チタンなどで形成されたハニカム構造の担持体に、活性触媒成分として、バナジウム、モリブデン、タングステン、ゼオライトあるいは貴金属を付着させた周知のものである。SCR触媒42は、排気通路16A内に尿素水噴射弁41から噴射されてミキサ47で拡散された尿素水46が、排気の熱により加水分解および熱分解される(CO(NH→NH+HOCN、HOCN+HO→NH+CO)ことで生成されるアンモニア(NH)を還元剤としている。そして、SCR触媒42は、触媒上で排気中のNOxと反応し、NOxを窒素(N)と水(HO)に還元(浄化)するものである。SCR触媒42は、活性触媒成分の種類によっても異なるが、およそ170℃〜600℃前後で理想的な反応温度帯(活性温度域)となる。
尿素SCRシステム40では、アンモニア(NH)の一部がそのまま大気中に排出されるという(アンモニアスリップ)の課題があることが知られている。このため、尿素水噴射制御部54で尿素水噴射弁41を制御することで、尿素水46の添加量(噴射量)が、NOx浄化に必要な最適量となるように調整されている。この最適な量が基本噴射量である。尿素水噴射制御部54では、NOx排出量を予め推定するとともに、SCR触媒42の活性温度及び吸脱着を考慮して、尿素水46の噴射時期や噴射タイミングがマップなどによって設定されている。このため、本実施形態に係る尿素SCRシステム40では、最適な噴射量や噴射タイミングで尿素水46が排気通路16A内に供給されるように、尿素水噴射制御部54により、尿素水噴射弁41の開閉時期が制御される。このため、アンモニアスリップを抑えつつ高いNOx浄化率を得ることができる。
吸気通路12のエアフィルタ13とコンプレッサとの間には、吸気流量を検出するエアフローセンサ21が設けられている。吸気流量は、エアフィルタ13を通過した空気の流量に対応するパラメータである。吸気通路12のEGR弁19とサージタンク10との間には、吸気の空燃比を検出するための空燃比センサ22が設けられている。空燃比センサ22は、吸気通路12を流通する吸気の酸素濃度を検出し、酸素濃度に比例する値を出力する、いわゆるリニア空燃比センサである。また、サージタンク10内には、インマニ圧センサ23及び吸気温センサ24が設けられる。インマニ圧センサ23はサージタンク10内の圧力をインマニ圧として検出し、吸気温センサ24はサージタンク10内の吸気温度を検出する。
排気通路16AのNOxトラップ触媒31の上流側には、NOxトラップ触媒31に流入する排気の空燃比を検出する空燃比センサ25A及び排気温度(NOxトラップ触媒31の触媒温度Ta)を検出する温度センサ26Aが設けられる。また、排気通路16AのSCR触媒42の直上流には、SCR触媒42に流入する排気の空燃比を検出する空燃比センサ25B及び排気温度(SCR触媒42の触媒温度Tb)を検出する温度センサ26Bが設けられる。なお、これらのほかにも、例えばエンジン1の回転速度を検出するエンジン回転速度センサや、エンジン1の冷却水の温度を検出する冷却水温センサ、筒内噴射弁4から噴射される燃料の圧力を検出する燃圧センサ等を設けてもよい。各種センサ21〜28で検出された各種情報は、エンジン制御装置50に伝達され、制御のパラメータとして使用される。
エンジン1を搭載する車両には、エンジン制御装置(制御部)50が搭載されている。このエンジン制御装置50は、CPU、ROM、RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車両に設けられた車載ネットワーク網の通信ラインに接続されている。エンジン制御装置50は、エンジン1に関する点火系、燃料系、吸排気系及び動弁系といった広汎なシステムを総合的に制御する電子制御装置であり、エンジン1の各シリンダ2に対して供給される空気量や燃料噴射量、各シリンダ2の点火時期、過給圧等を制御するものである。エンジン制御装置50の入力ポートには、上述の各種センサ21〜28が信号線を介して接続されている。エンジン制御装置50の出力ポートには、上述の筒内噴射弁4、EGR弁19、スロットルボディ29、尿素水噴射弁41及び尿素水ポンプ44がそれぞれ信号線を介して接続されている。
本実施形態において、エンジン制御装置50の具体的な制御対象としては、筒内噴射弁4から噴射される燃料噴射量とその噴射タイミング、ターボチャージャ17の作動状態、スロットル開度、EGR弁19の開度、尿素水噴射弁41から噴射される還元剤噴射量としての尿素水46の噴射量とその噴射タイミング等が挙げられる。
本実施形態では、特に、エンジン制御装置50が実施する、NOxトラップ触媒31のNOxパージ制御、フィルタ32の再生制御及び、後述する尿素水噴射制御について、詳細に説明する。尿素水噴射制御モードは、通常モードM1と低減モードM2を備えていて、それぞれ異なる制御内容とされている。
排気温度は、エンジン1の運転領域(エンジン負荷)に応じて変化し、高負荷ほど排気温度は高くなる傾向がある。エンジン負荷とは、例えば、エンジン回転数とアクセル開度などから求められる。また、本実施形態に係る排気浄化装置30では、還元方式が異なり、触媒活性温度帯も異なる複数のNOx触媒として、NOxトラップ触媒31とSCR触媒42を備えている。排気浄化装置30では、NOxトラップ触媒31とSCR触媒42により排気中のNOxが浄化され、フィルタ32でPMが浄化される。本実施形態において、エンジン1の高負荷運転領域では、高温域でのNOx浄化性能の高いSCR触媒42で浄化されるNOxの割合が、NOxトラップ触媒31よりも高く設定されている。また、本実施形態において、エンジン1の低負荷運転領域では、低温域でのNOx浄化性能がSCR触媒42よりも高いNOxトラップ触媒31で浄化されるNOxの割合が高く設定されている。このため、排気浄化装置30の全体で見ると、エンジン1の運転領域全体に亘って高いNOx浄化性能を確保することができる。
しかし、SCR触媒42は、触媒活性温度域の触媒温度Tbが、第1の所定温度T1以上となると、アンモニア(NH)によるNOx還元反応に対して副次的に進行するアンモニア(NH)の酸化反応速度が上昇する。このため、NOx還元に用いられるアンモニア(NH)量が減少し、結果としてNOx浄化性能を維持するためには、尿素水46の添加量(噴射量)が増大して、尿素水消費量が多くなってしまう。
そこで、本実施形態では、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制するために、SCR触媒42でNOxの浄化に必要なアンモニア量を確保するための尿素水46の供給量を排気通路16A内に尿素水噴射弁41から噴射する通常モードM1と、通常モードM1よりも尿素水噴射弁41から排気通路16A内に噴射される尿素水46の供給量を抑制する低減モードM2を備えているとともに、通常モードM1と低減モードM2とを運転者により切り替える切替部55を備えている。これら通常モードM1と低減モードM2はエンジン制御装置50が備えている。通常モードM1と低減モードM2とは、ROMに予め記憶設定されている。
つまり、排気浄化装置30は、NOxパージ制御とフィルタ32の再生制御及び、尿素水噴射制御の通常モードM1と低減モードM2を実施するための構成として、エンジン制御装置50を備えている。本実施形態において、エンジン制御装置50は、推定部51、パージ制御部としてのNOxパージ制御部52、再生制御部53、尿素水噴射制御部54と、通常モードM1と低減モードM2とを備えている。これらの各要素部は電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
推定部51は、NOxトラップ触媒31に吸蔵されたNOxの量(NOx吸蔵率Aという)と、SCR触媒42に吸蔵されたNOxの量(NOx吸蔵率Bという)と、フィルタ32に堆積したPMの量(PM堆積量Dという)とを推定するものである。NOx吸蔵率A、Bの推定手法には、種々の公知技術を適用可能であり、例えばエンジン1の運転領域や排気の温度、空燃比、流量等の情報を上述のセンサから取り込み、その情報に基づいて推定することができる。
一般にNOxトラップ触媒31及びSCR触媒42のNOx吸蔵率A、Bは、それぞれエンジン1の排気温度が高く触媒温度が高くなるに従い増大する。NOxトラップ触媒31は、NOxパージ制御が実施されると、吸蔵されたNOxが放出されて還元されるため、NOx吸蔵量Aは所定の速さで減少し、再度NOxを効率的に吸蔵することができる。つまり吸蔵量が上昇する。また、NOxトラップ触媒31は、触媒温度Taが第1の所定温度T1よりも高温となる第2の所定温度T2となると、吸蔵率が低下する特性を有している。このため、NOxトラップ触媒31を効率的に機能させるためには、第2の所定温度T2以下で使用するのが望ましい。
一方、SCR触媒42は、触媒温度Tbが第1の所定温度T1よりも高温となる第2の所定温度T2を超えても、吸蔵率はNOxトラップ触媒31よりも低下し難い。SCR触媒42は、尿素水噴射弁41から噴射された尿素水46が加水分解されて還元に必要なアンモニア(NH)が生成されると、吸蔵されたNOxが放出されて還元される。このため、NOx吸蔵量Bは所定の速さで減少し、再度NOxを効率的に吸蔵することができる。
しかし、触媒温度Tbが第1の所定温度T1以上となると、上述したように尿素水46の消費量が増大するため、尿素水46の消費量を抑制する場合、触媒温度Tbが第1の所定温度T1以上の場合には尿素水噴射弁41からの噴射量を抑制するのが望ましい。また車両の使用地域によっては、尿素タンク45内の尿素水46の残量が少なくなると、ドライバーに警告を行うことや、エンジン再始動を禁止させなければならないため、このような観点からも尿素水46の消費量を抑制することが要望されている。
また、PM堆積量Dの推定手法の一例として、推定部51は、エンジン1の回転速度やエンジン負荷等に基づき、エンジン1から排出されるPMの量を推定して、これを前回の再生制御の終了後から積算することでPM堆積量Dを推定する。あるいは、フィルタ32の上下流の差圧を検出又は推定して、この差圧に基づいてPM堆積量Dを推定する手法も公知であり、推定部51はこのような手法によりPM堆積量Dを推定してもよい。推定部51は、推定したNOx吸蔵量A,B及びPM堆積量Dを、NOxパージ制御部52、再生制御部53、尿素水噴射制御部54に伝達する。
図2は、NOxトラップ触媒31とSCR触媒42の触媒温度Ta、Tbと、尿素水46の噴射量(目標供給量)とNOxトラップ触媒31の吸蔵率の特性を示すマップである。図2において、破線は通常モードM1時の尿素水46の噴射量(目標供給量)の特性を示し、実線は低減モードM2時の尿素水46の噴射量(目標供給量)の特性をそれぞれ示している。通常モードM1時の噴射量(目標供給量)は平均噴射量であり、低減モードM2時の噴射量(目標供給量)は通常モードM1時の噴射量(目標供給量)よりある特定の触媒温度域(T1〜T2)においては低減した噴射量(目標供給量)となるよう設定されている。また、低減モードM2においては、第2の所定温度T2以上にNOxトラップ触媒31の触媒温度Taが上昇すると、温度上昇に伴い尿素水46の噴射量(目標供給量)を徐々に上昇するようにしている。この第2の所定温度T2以上において尿素水46の噴射量(目標供給量)を増大する補正を、低減戻りモードM3とする。低減戻りモードM3は、エンジン制御装置50が備えている。無論、低減モードM2と低減戻りモードM3とを区別することなく、低減モードM2において、NOxトラップ触媒31の触媒温度Taが第2の所定温度T2以上の場合には、噴射量(目標供給量)を第2の所定温度T2の時よりも徐々に上昇させることを、低減モードM2において実施するようにしてもよい。
尿素水46の噴射量(目標供給量)とは、図2に示すように、平均尿素水消費速度の目標値である。これは、尿素水噴射弁41は全開又は全閉式の弁のため、開弁時の単位時間当たりの噴射量は一定である。また、尿素水噴射弁41に供給される尿素水46の送圧は尿素水ポンプ44によって定圧で供給される。このため、尿素水46を必要量だけ噴射するためには、開弁時間を調整することになり、これは尿素水タンク45内の尿素水46の主要素量に相当するからである。
尿素水噴射制御部54は、図2に破線で示す通常モードM1時における、尿素水噴射弁41からの尿素水46の目標供給量(平均尿素水消費速度の目標値)を、SCR触媒42の触媒温度Tbが活性温度の下限温度T3に到達すると徐々に増大し、第1の所定温度T1になると、さらに増大するように尿素水噴射弁41の作動を制御する。一方、尿素水噴射制御部54は、低減モードM2時では、実線で示すように、触媒温度Tbが第1の所定温度T1以上となると、尿素水噴射弁41からの尿素水46の目標供給量を徐々に低減するように制御する。本実施形態では、この尿素水46の目標供給量を徐々に低減させる低減モードM2時においては、SCR触媒42でのNOx浄化率が尿素水不足により低減するため、NOxトラップ触媒31でのNOx浄化率(吸蔵率)を向上させるようにNOxパージ制御を実施するようにしている。つまり、尿素水噴射制御部54は、低減モードM2が選択された場合、尿素水の平均尿素水消費速度の目標値が通常モードM1より減少するように、尿素水噴射弁41からの尿素水の供給量を制御する。(クレーム4の変更)
また、尿素水噴射制御部54は、NOxトラップ触媒31の触媒温度Taが第2の所定温度T2を超えると、NOxトラップ触媒31のNOx浄化率が低減するため、本実施形態では、NOxトラップ触媒31でのNOx浄化率の低下分を、SCR触媒42で補うために、低下させた尿素水46の目標供給量をSCR触媒42の触媒温度Tbの上昇に伴い増大するように尿素水噴射弁41の作動を制御する。
NOxパージ制御部52は、NOxトラップ触媒31に吸蔵したNOxの吸蔵状態(NOx吸蔵量A)に基づき、還元剤を供給してNOxトラップ触媒31に吸蔵されたNOxを還元する制御を実施するものである。具体的には、通常モードM1が設定されている場合のNOxパージ制御と、低減モードM2が設定されている場合のNOxパージ制御とを実施する。以下、通常モードM1の場合のNOxパージ制御を「通常パージ制御」と称し、低減モードM2の場合のNOxパージ制御を「低減パージ制御」と称す。
エンジン制御装置50が備えるNOxパージ制御部52は、推定部51で推定されたNOxトラップ触媒31のNOx吸蔵量Aが所定の上限閾値Ah以上(A≧Ah)の場合に、NOxパージの要求あり(NOxパージ制御が必要)と判断し、NOxパージ制御を実施可能な運転状態のときにNOxパージ制御を実施する。ここでは、筒内噴射弁4によりポスト噴射を実施する。NOxパージ制御部52は、NOxパージ制御を実施するに際し、低減モードM2の設定の有無に応じてNOxパージ制御を通常パージ制御か低減パージ制御かのいずれかで実施する。
通常パージ制御とは、ポスト噴射してNOxトラップ触媒31の周辺雰囲気をリッチ化するとともにNOxトラップ触媒31をNOxパージ可能温度以上に昇温させて、NOxトラップ触媒31のNOxを放出させて還元する処理内容である。なお、NOxパージ制御を実施可能な運転状態も、例えばNOxトラップ触媒31の触媒温度やエンジン負荷等から判断される。
NOxパージ制御部52は、低減モードM2が設定されている場合、通常パージ制御とは異なる低減パージ制御を実施する。低減パージ制御では、通常パージ制御よりもポスト噴射による燃料噴射量を多くする、通常パージ制御よりも長い時間パージ制御を実施する、通常パージ制御よりも短い間隔でパージ制御を実施するうちの、少なくとも何れか1つを実施する。無論、これら3つの内の複数を組み合わせて実施しても良い。本実施形態においては、低減モードM2が設定されている場合、通常パージ制御時よりもポスト噴射による燃料噴射量を多くする低減パージ制御をNOxパージ制御部52が実施するものとする。
上限閾値Ahは、NOxトラップ触媒31に吸蔵されたNOxを除去する必要性があるか否か(NOxトラップ触媒31の飽和状態)を判定するための閾値であり、NOxトラップ触媒31の容量等に基づいて予め設定されてROMに記憶されている。NOxパージ制御部52は、NOxパージ制御を開始した後に推定部51で推定されたNOx吸蔵量Aが所定の終了閾値Af未満(A<Af)になった場合に、筒内噴射弁4からのポスト噴射を停止させてNOxパージ制御を停止する。このように、NOxパージ制御部52は、通常モードM1が設定されている場合には、通常パージ制御を実施し、低減モードM2が設定されている場合には、通常時とは異なる低減パージ制御を実施する。終了閾値Afは予めROMに記憶されて設定されている。
再生制御部53は、フィルタ32に捕集されたPMの量(PM堆積量D)に基づいて、フィルタ32からPMを除去するDPFの再生要求の有無(再生制御の必要性)を判断し、再生要求(実施要求)に応じて再生制御(DPF再生処理)を実施するものである。具体的には、再生制御部53は、推定部51で推定されたPM堆積量Dが、予め設定した所定の再生開始閾値Df以上の場合に再生制御が必要であると判断し、PM堆積量Dが再生開始閾値Df未満の場合に再生制御が不要であると判断する。この再生開始閾値Dfは、ROMに予め設定されている。
再生制御部53は、再生要求があると判断したときに、NOxパージ制御部52によってNOxパージ制御が実施される場合は、NOxパージ制御部52による制御を優先させる。つまりこの場合、再生制御部53は、NOxパージ制御部52によってNOxパージ制御が実施される場合にはNOxパージ制御の終了した後に、再生制御を開始する。
再制御中は、エンジン1が高負荷運転状態であることに加えてEGR弁19が閉弁されて還流ガスがカットされることで、シリンダ2から排出されるNOxの量が増大するため、再生制御前にNOxトラップ触媒31のNOx吸蔵能力を確保しておく必要がある。そこで、再生要求があるときにNOxパージ制御が必要である場合は、NOxパージ制御を再生制御に先行して実施することで、再生制御中のNOxの排出量を低減することができる。
再生制御部53は、再生制御を開始した後に推定部51で推定されたPM堆積量Dが所定の再生終了閾値Df未満(D<Df)になった場合に、筒内噴射弁4によるポスト噴射を停止させて、再生制御を終了する。なお、再生終了閾値は、0に近い小さな値に予め設定されている。
切替部55は、通常モードM1を選択する際に操作する通常モード選択部としての通常モードスイッチ56と、低減モードM2を選択する際に操作する低減モード選択部としての低減モードスイッチ57とを備えている。本実施形態においては、通常モードM1と低減モードM2を選択して切り替える切替部55として、通常モードスイッチ56と低減モードスイッチ57の2つのスイッチを用いて切り替えているが、このような構成に切替部55は限定されるものではない。例えば、切替部55を1つのスイッチで構成しても良い。この場合、デフォルトの状態では、通常モードM1を設定しておき、切替部55を一度操作すると、低減モードM2に切替り、もう一度操作すると、通常モードM1に切替るようにしても良い。
この切替部55は、車両の運転席から操作可能な位置に配置されている。切替部55は、エンジン制御装置50の入力ポートに信号線を介して接続されている。また、尿素水噴射制御部54は、通常モードスイッチ56が操作されると通常モードM1を設定し、低減モードスイッチ57が操作されると低減モードM2を設定するように構成されている。
つまり、本実施形態に係る排気浄化装置30は、NOxトラップ触媒31とSCR触媒42の触媒温度Ta、Tbを検出する温度センサ、26A、26Bと、尿素水46を排気通路16Aに噴射することで供給する尿素水噴射弁41と、尿素水噴射弁41よりも排気上流側に配置されたNOxトラップ触媒31、尿素水噴射弁41よりも排気下流側に配置されSCR触媒42と、尿素水噴射弁41からの尿素水46の供給量を制御する尿素水噴射制御部54と、尿素水の残量を検出する残量検出センサ27と、浄化率上昇手段としての筒内噴射弁4と、切替部55とを備えている。
また、エンジン制御装置50は、通常モードM1と、通常モードM1よりも尿素水噴射弁41からの尿素水46の供給量を抑制する低減モードM2と、排気の還元雰囲気が濃くなるように、すなわち、還元雰囲気の度合いが高くなるように、排気の還元雰囲気の実施期間が通常時よりも長くなるように、あるいは排気の還元雰囲気の実施間隔が通常時よりも短くなるように、浄化率上昇手段(筒内噴射弁4)の作動を制御するパージ制御部52と、尿素水噴射制御部54を備えている。
以下、エンジン制御装置50による排気浄化処理の内容について、図3〜図8に示すフローチャートを用いる。これらのフローチャートは、エンジン制御装置50において所定の演算周期で繰り返し実施される。なお、これらのフローチャートとは別に、上記の推定部51によるNOx吸蔵量A,B及びPM堆積量Dの推定は常に実施されており、NOxパージ制御部52及び再生制御部53及び尿素水噴射制御部54は、推定された各推定値や各種センサからの検出情報を読み込んでNOxパージ処理、DPF再生処理及び尿素水噴射量処理の制御をそれぞれ実施する。また、本実施形態において、エンジン1は既に始動しているものとする。
NOxパージ制御部52において実施される通常NOxパージ処理について、図3を用いて説明する。図3に示すように、NOxパージ制御部52は、推定部51で推定されたNOx吸蔵量A等の必要情報を読み込み、ステップST1において、NOx吸蔵量Aと上限閾値Ahとを比較することでNOxパージ要求の有無を判定する。NOxパージ制御部52は、NOx吸蔵量Aが上限閾値Ah以上(A≧Ah)の場合には、NOxパージ要求有り(NOxパージ時期)であるものと判定し、ステップST2に進んで通常パージ制御を開始する。NOxパージ制御部52は、通常パージ制御の開始後、ステップST3において、NOx吸蔵量Aが所定の終了閾値Af未満(A<Af)であるか否かを判定し、終了閾値Af未満になった場合には、NOxトラップ触媒31のNOx吸蔵率が上昇して浄化効率が向上したものとしてステップST4に進んで通常パージ制御を停止し、通常NOxパージ処理を終える。
NOxパージ制御部52において実施される低減NOxパージ処理について、図4を用いて説明する。図4に示す低減NOxパージ処理は、低減モードM2が設定されている場合には実施されるものである。図4に示すように、NOxパージ制御部52は、ステップST5において、低減モードM2が設定されているか否かを判定し、低減モードM2が設定されている場合にはステップST6に進んで低減パージ制御を開始する。このため、NOxトラップ触媒31でのNOx浄化率(吸蔵率)が通常パージ制御時よりも上昇する。NOxパージ制御部52は、低減パージ制御の開始後、ステップST7において、NOx吸蔵量Aが所定の終了閾値Af未満(A<Af)であるか否かを判定し、終了閾値Af未満になった場合には、ステップST8に進んで低減パージ制御を停止し、低減NOxパージ処理を終える。
次に、再生制御部53において実施されるDFP再生処理について、図5を用いて説明する。再生制御部53は、推定部51で推定されたPM堆積量D等の必要情報を読み込み、ステップST11において、DFP再生要求の有無をPM堆積量Dと再生開始閾値Dsとを比較することで判定する。再生制御部53は、PM堆積量Dが再生開始閾値Ds以上(D≧Ds)の場合には、DFP再生要求の有り(フィルタ32の再生時期)であるものと判定し、ステップST12に進んでDPF再生を開始する。再生制御部53は、DPF再生開始後、ステップST13において、PM堆積量Dが所定の終了閾値Df未満(D<Df)であるか否かを判定し、終了閾値Df未満になった場合には、フィルタ32のPM除去が完了したものとして、ステップST14に進んでDFP再生を停止して、DFP再生処理を終える。
(第1の実施形態)
次に、尿素水噴射制御部54において実施される尿素水噴射処理の第1の実施形態について図6を用いて説明する。図6では、尿素水噴射処理1と表記している。
本実施形態では、通常モードM1と低減モードM2との切替えを、運転者による切替部55の操作によって行うようにしている。尿素水噴射制御部54は、ステップST21において切替部55の通常モードスイッチ56が操作されてオン状態であるか否かを、通常モードスイッチ56の操作によって発生される信号の有無によって判定する。ここで信号出力がある場合には、ステップST22において通常モードM1を設定する。
尿素水噴射制御部54は、ステップST22で通常モードM1が設定されると、ステップST23において通常モードM1で尿素水噴射弁41を作動し、尿素水46を排気通路16Aに供給してSCR触媒42に供給する。このため、SCR触媒42では、加水分解されて生成されたアンモニア(NH)を還元剤としたNOxの還元が行われる。尿素水噴射制御部54は、ステップST24でエンジン1が停止したか否かを例えばエンジン回転数の有無やイグニッションスイッチの操作状態から判定し、エンジン1が停止すると、尿素水噴射弁41を作動が停止して尿素水噴射処理を終える。
尿素水噴射制御部54は、ステップST21において、通常モードスイッチ56がオン状態でない場合、ステップST25に進んで低減モードスイッチ57のオン状態を判定する。尿素水噴射制御部54は、低減モードスイッチ57が操作されて信号が出されたオン状態である場合には、ステップST26に進んで低減モードM2を設定する。
尿素水噴射制御部54は、ステップST26で低減モードM2が設定されると、ステップST27において低減モードM2で尿素水噴射弁41を作動し、通常モードM1時よりも量が抑制された尿素水46を排気通路16Aに噴射してSCR触媒42に供給する。このため、SCR触媒42では、加水分解されて生成されたアンモニア(NH)を還元剤としたNOxの還元が行われる。ただし、低減モードM2の場合、通常モードM1よりもSCR触媒42に供給される単位時間当たりの尿素水46の噴射量(目標供給量)が抑制されるので、SCR触媒42でのNOx浄化率を低下する。しかし、図4で説明したように、低減モードM2が設定されるとNOxトラップ触媒31に対するNOxパージ処理(低減パージ制御)が平行して実施される。このため、SCR触媒42で低下したNOx浄化率は、NOxトラップ触媒31側での浄化率(吸蔵率)向上によって補われるため、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制することができるとともに、アンモニアスリップの発生も防止することができる。この結果、運転者が尿素水不足による、エンジン1の再始動停止や尿素水46の補充作業をすることを抑制することになり、ドライバビリティの向上につながる。
尿素水噴射制御部54は、ステップST28においてNOxトラップ触媒31の触媒温度Taと第2の所定温度T2とを比較し、NOxトラップ触媒31のNOxの浄化率(吸蔵率)の状態を判定する。尿素水噴射制御部54は、NOxトラップ触媒31の触媒温度Taが第2の所定温度T2以上(Ta≧T2)となった場合、NOxトラップ触媒31側でのNOx吸蔵率が低下領域になったものと判定し、ステップST29に進む。尿素水噴射制御部54は、ステップST29において低減戻りモードで尿素水噴射弁を作動する。このため、低減モードM2よりもSCR触媒42に供給される単位時間当たりの尿素水46の噴射量(目標供給量)が増大されるので、SCR触媒42でのNOx浄化率が上昇し、NOxトラップ触媒31の浄化率(吸蔵率)の低下分が、SCR触媒42側でのNOx浄化率(還元率)の上昇によって補われる。このため、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制することができ、アンモニアスリップも発生も防止することができる。
低減モードM2及び低減モードM2と連続して行われる低減戻りモードは、尿素水噴射制御部54がステップST29においてエンジン1が停止するまで実施され、エンジン1が停止すると終了する。
このように切替部55の低減モードスイッチ57の操作によって通常モードM1から低減モードM2に任意に切替えられて尿素水46の噴射量(目標供給量)が抑制されても、NOxトラップ触媒31側でNOxの浄化を行えるため、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、尿素水噴射制御部54において実施される尿素水噴射処理の第2の実施形態について図7を用いて説明する。図7では、尿素水噴射処理2と表記している。
本実施形態では、低減モードM2を設定するに際し、低減モードスイッチ57の操作状態と尿素水タンク45内の尿素水残量Lをパラメータとして用いる。これ以外は図6で示した尿素水噴射処理1と同様の内容となっているので、同様のステップ(ST32〜ST34、ST37〜ST41)については適宜簡略化して記載することにする。
尿素水噴射制御部54は、ステップST31で通常モードスイッチ56がオン状態の場合には、ステップST32に進んで通常モードM1を設定し、ステップST33で通常モードM1で尿素水噴射弁41を作動し、ステップST34でエンジン1が停止したことが判定されるまで通常モードM1を実施し、エンジン1の停止が判定されると尿素水噴射処理を終える。
尿素水噴射制御部54は、ステップST31で通常モードスイッチ56がオン状態でない場合ステップST35において、低減モードスイッチ57のオン状態を判定し、オン状態である場合には、ステップST36に進む。尿素水噴射制御部54は、残量検出センサ27で検出された尿素水タンク45内の尿素水残量L等の必要情報を読み込み、ステップST36において、尿素水残量Lと判定値となる所定値L1とを比較する。尿素水噴射制御部54は、尿素水残量Lが所定値L1以下(L≦L1)の場合には、尿素水46の残量が少なくなったものとしてステッフST37に進んで低減モードM2を設定し、尿素水残量Lが所定値L1よりも大きい(L>L1)場合には、ステップST32に進む。つまり、低減モードスイッチ57が操作されて低減モードが選択されたとしても、尿素水残量Lが所定値L1よりも大きい(L>L1)場合には、低減モードを禁止する。
尿素水噴射制御部54は、ステップST37で低減モードM2が設定されると、ステップST38において低減モードM2で尿素水噴射弁41を作動し、通常モードM1時よりも単位時間当たりの噴射量(目標供給量)が抑制された尿素水46を排気通路16Aに噴射してSCR触媒42に供給する。このため、SCR触媒42でのNOx浄化率は通常モードM1を低下する。しかし、図4で説明したように、低減モードM2が設定されるとNOxトラップ触媒31に対するNOxパージ処理(低減パージ制御)が平行して実施される。このため、SCR触媒42で低下したNOx浄化率は、NOxトラップ触媒31側での浄化率(吸蔵率)向上によって補われるため、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制することができるとともに、アンモニアスリップの発生も防止することができる。この結果、運転者が尿素水不足による、エンジン1の再始動停止や尿素水46の補充作業をすることを抑制することになり、ドライバビリティの向上につながる。
尿素水噴射制御部54は、ステップST39おいて、NOxトラップ触媒31のNOxの浄化率(吸蔵率)の状態を判定し、NOxトラップ触媒31の触媒温度Taが第2の所定温度T2以上(Ta≧T2)となった場合、NOxトラップ触媒31側でのNOx吸蔵率が低下領域になったものと判定し、ステップST40に進む。尿素水噴射制御部54は、ステップST40において低減戻りモードで尿素水噴射弁を作動する。このため、低減モードM2よりもSCR触媒42に供給される単位時間当たりの尿素水46の噴射量(目標供給量)が増大されるので、SCR触媒42でのNOx浄化率が上昇し、NOxトラップ触媒31の浄化率(吸蔵率)の低下分が、SCR触媒42側でのNOx浄化率(還元率)の上昇によって補われる。このため、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制することができ、アンモニアスリップも発生も防止することができる。
低減モードM2及び低減モードM2と連続して行われる低減戻りモードは、尿素水噴射制御部54がステップST41においてエンジン1が停止するまで実施され、エンジン1が停止すると終了する。
このような本実施形態では、低減モードスイッチ57のオン状態の場合でも、残量検出センサ27で検出された尿素水タンク45内の尿素水残量Lが所定値L1未満(L≦L1)でなければ、ただちに低減モードM2を設定しないので、低減モードスイッチ57の誤操作による低減モードの設定を抑止することができる。また、低減モードM2が設定されて尿素水46の供給量が抑制されても、NOxトラップ触媒31側でNOxの浄化を行えるため、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制することができる。
(第3の実施形態)
次に、尿素水噴射制御部54において実施される尿素水噴射処理の第3の実施形態について図8を用いて説明する。図8では、尿素水噴射処理3と表記している。
本実施形態では、低減モードM2を設定するに際し、低減モードスイッチ57の操作状態とSCR触媒42の触媒温度Tbの状態をパラメータとして用いる。これ以外は図6で示した尿素水噴射処理1と同様の内容となっているので、同様のステップ(ST52〜ST54、ST57〜ST61)については適宜簡略化して記載することにする。
尿素水噴射制御部54は、ステップST51で通常モードスイッチ56がオン状態の場合には、ステップST52に進んで通常モードM1を設定し、ステップST53で通常モードM1で尿素水噴射弁41を作動し、ステップST54でエンジン1が停止したことが判定されるまで通常モードM1を実施し、エンジン1停止と判定されると尿素水噴射処理を終える。
尿素水噴射制御部54は、ステップST51で通常モードスイッチ56がオン状態でない場合には、ステップST55において低減モードスイッチ57のオン状態を判定し、オン状態である場合には、ステップST56に進む。尿素水噴射制御部54は、温度センサ26bで検出されたSCR触媒42の触媒温度Tbと第1の所定温度T1とを比較し、触媒温度Tbが第1の所定温度T1以上(Tb≧T1)の場合には、SCR触媒42の触媒温度Tbが、尿素水46を大量に消費する温度領域になったものとし、ステップST57で低減モードM2を設定する。一方、触媒温度Tbが第1の所定温度T1未満(Tb<T1)の場合には、ステップST52に進む。つまり、低減モードスイッチ57が操作されて低減モードが選択されたとしても、触媒温度Tbが第1の所定温度T1未満(Tb<T1)の場合には低減モードを禁止する。
尿素水噴射制御部54は、ステップST57で低減モードM2が設定されると、ステップST58において低減モードM2で尿素水噴射弁41を作動し、通常モードM1時よりも単位時間当たりの噴射量(目標供給量)が抑制された尿素水46を排気通路16Aに噴射してSCR触媒42に供給する。このため、SCR触媒42でのNOx浄化率は通常モードM1を低下する。しかし、図4で説明したように、低減モードM2が設定されるとNOxトラップ触媒31に対するNOxパージ処理(低減パージ制御)が平行して実施される。このため、SCR触媒42で低下したNOx浄化率は、NOxトラップ触媒31側での浄化率(吸蔵率)向上によって補われるため、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制することができるとともに、アンモニアスリップの発生も防止することができる。この結果、運転者が尿素水不足による、エンジン1の再始動停止や尿素水46の補充作業をすることを抑制することになり、ドライバビリティの向上につながる。
尿素水噴射制御部54は、ステップST59において、NOxトラップ触媒31のNOxの浄化率(吸蔵率)の状態を判定し、NOxトラップ触媒31の触媒温度Taが第2の所定温度T2以上(Ta≧T2)となった場合、NOxトラップ触媒31側でのNOx吸蔵率が低下領域になったものと判定し、ステップST60に進む。尿素水噴射制御部54は、ステップST60において低減戻りモードで尿素水噴射弁を作動する。このため、低減モードM2よりもSCR触媒42に供給される単位時間当たりの尿素水46の噴射量(目標供給量)が増大されるので、SCR触媒42でのNOx浄化率が上昇し、NOxトラップ触媒31の浄化率(吸蔵率)の低下分が、SCR触媒42側でのNOx浄化率(還元率)の上昇によって補われる。このため、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制することができ、アンモニアスリップも発生も防止することができる。
低減モードM2及び低減モードM2と連続して行われる低減戻りモードは、尿素水噴射制御部54がステップST61においてエンジン1が停止するまで実施され、エンジン1が停止すると終了する。
このような本実施形態では、低減モードスイッチ57が運転者によって選択操作されてオン状態の場合でも、SCR触媒42の触媒温度Tbが第1の所定温度T1以上(Tb≧T1)でなければ、ただちに低減モードM2を設定しないので、低減モードスイッチ57の誤操作による低減モードの設定を抑止することができる。また、低減モードM2が設定されて尿素水46の供給量が抑制されても、NOxトラップ触媒31側でNOxの浄化を行えるため、NOxの浄化効率を維持しつつも尿素水46の消費量を抑制することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、第2の実施形態と第3の実施形態とを1つの制御フロー上で実施すようにしても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1・・・内燃機関、4・・・浄化率上昇手段(筒内噴射弁)、16A・・・排気通路、26A・・・トラップ触媒温度検出部、26B・・・尿素触媒温度検出部、27・・・尿素残量検出部、30・・・排気浄化装置、31・・・窒素酸化物トラップ触媒、41・・・尿素水供給部、42・・・選択還元触媒、46・・・尿素水、50・・・制御部、52・・・パージ制御部、54・・・尿素水噴射制御部、55・・・切替部、56・・・通常モード選択部、57・・・低減モード選択部、60・・・浄化率上昇手段、L・・・尿素水残量、L1・・・所定値、M1・・・通常モード、M2・・・低減モード、Ta・・・窒素酸化物トラップ触媒の温度、Tb・・・選択還元触媒の温度、T1・・・第1の所定温度、T2・・・第2の所定温度

Claims (9)

  1. 内燃機関から排出される排気が流れる排気通路内に尿素水を供給する尿素水供給部と、
    前記尿素水供給部よりも排気上流側に配置され、前記排気中の窒素酸化物を酸化雰囲気下で吸蔵するとともに還元雰囲気下で還元する窒素酸化物トラップ触媒と、
    前記尿素水供給部よりも排気下流側に配置され、前記尿素水供給部から供給された前記尿素水を還元剤として前記排気に含まれている窒素酸化物を還元する選択還元触媒と、
    前記尿素水供給部からの前記尿素水の供給量を制御する制御部と、
    通常モードと、該通常モードよりも尿素水供給部からの尿素水の供給量を抑制する低減モードとを運転者により切り替える切替部を備えることを特徴とする排気浄化装置。
  2. 前記選択還元触媒の温度を検出する尿素触媒温度検出部を備え、
    前記制御部は、前記切替部により前記低減モードが選択されたとしても、前記尿素触媒温度検出部で検出された前記選択還元触媒の温度が第1の所定温度未満の場合には前記低減モードの実施を禁止することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 前記尿素水の残量を検出する尿素残量検出部を備え、
    前記制御部は、前記切替部により前記低減モードが選択されたとしても、前記尿素残量検出部で検出された尿素水の残量が所定値より大きい場合には前記低減モードの実施を禁止することを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化装置。
  4. 前記制御部は、前記低減モードが選択された場合、前記尿素水の平均尿素水消費速度の目標値が前記通常モードより減少するように、前記尿素水供給部からの尿素水の供給量を制御する尿素水噴射制御部を有することを特徴とする請求項1〜3の内の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  5. 前記窒素酸化物トラップ触媒での窒素酸化物の目標浄化率を増加させる浄化率上昇手段を備え、
    前記制御部は、前記切替部により前記低減モードが選択された場合、前記浄化率上昇手段を作動することを特徴とする請求項1〜4の内の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  6. 前記浄化率上昇手段は、排気が、前記窒素酸化物トラップ触媒に吸蔵された窒素酸化物を放出還元させる還元雰囲気となるように前記内燃機関を作動するものであり、
    前記制御部は、前記還元雰囲気の度合いが高くなるように、前記浄化率上昇手段の作動を制御するパージ制御部を有することを特徴とする請求項5に記載の排気浄化装置。
  7. 前記浄化率上昇手段は、排気が、前記窒素酸化物トラップ触媒に吸蔵された窒素酸化物を放出還元させる還元雰囲気となるように前記内燃機関を作動するものであり、
    前記制御部は、前記還元雰囲気の実施期間が通常時よりも長くなるように、前記浄化率上昇手段の作動を制御するパージ制御部を有することを特徴とする請求項5に記載の排気浄化装置。
  8. 前記浄化率上昇手段は、排気が、前記窒素酸化物トラップ触媒に吸蔵された窒素酸化物を放出還元させる還元雰囲気となるように前記内燃機関を作動するものであり、
    前記制御部は、前記還元雰囲気の実施間隔が通常時よりも短くなるように、前記浄化率上昇手段の作動を制御するパージ制御部を有することを特徴とする請求項7に記載の排気浄化装置。
  9. 前記窒素酸化物トラップ触媒の温度を検出するトラップ触媒温度検出部を有し、
    前記制御部は、前記トラップ触媒温度検出部で検出された前記窒素酸化物トラップ触媒の温度が第2の所定温度以上の場合には、前記尿素水供給部からの尿素水の供給量を増大するように前記尿素水供給部を制御することを特徴とする請求項1〜8の内の何れか1項に記載の排気浄化装置。
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