JP2017113718A - 耐水蒸気性多孔質膜、耐水蒸気性多孔質複合体、及びこれらの製造方法 - Google Patents

耐水蒸気性多孔質膜、耐水蒸気性多孔質複合体、及びこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐水蒸気性に特に優れた、耐水蒸気性多孔質膜、耐水蒸気性多孔質複合体及びこれらの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の耐水蒸気性多孔質膜および耐水蒸気性多孔質複合体は、ニッケルを含有するγ−アルミナを含む多孔質体からなる多孔質膜であって、板状粒子で構成され、ガス分離材に用いられる。本発明では、多孔質膜の製膜の後、溶媒加熱処理を行うことを特徴としている。本発明の耐水蒸気性多孔質膜および耐水蒸気性多孔質複合体は、水蒸気の存在下であっても、耐水蒸気性に優れる。【選択図】図15

Description

本発明は、耐水蒸気性多孔質膜、耐水蒸気性多孔質複合体、及びこれらの製造方法に関する。
近年、微細な孔を有する多孔材料は、触媒用担体、ガス分離膜、ガス分離材の中間層等に利用されている。使用環境の多様化により、化学的及び構造的に安定であり、いろいろな条件で安定性能が得られる多孔材料の検討が進められている。
従来、多孔材料としては、シリカ、アルミナ等からなる酸化物が多用されており、特に、機械的強度が要求される場合には、アルミナ(γ−Al)が好ましく用いられてきた(例えば、特許文献1、2等)。
また、特許文献3には、アルミナ系多孔体、ジルコニア系多孔体、チタニア系多孔体等が開示されており、特許文献4には、Al元素と、Ce元素と、Zr元素とを含む酸化物固溶体からなる多孔質膜が開示されている。
触媒用担体、ガス分離膜、ガス分離材等に利用される多孔材料については、特に、孔径及びその分布が、特性に影響を与えることが知られている。多孔材料として汎用なアルミナ(γ−Al)の場合、800℃以上に加熱されると、相転移が起こり始め、1,000℃以上になると結晶化する問題があった。また、メタンガスから水素ガスを製造し、これを回収する際に、水蒸気の存在下、あるいは、水蒸気が混在した状態で、例えば、500℃等の高温で分離膜を介して分離が行われるが、多孔質アルミナ(γ−Al)からなる分離膜を用いると、水蒸気の存在によって、細孔径及びその分布が大きく変化する問題があった。このような状況の下、本発明者等は、耐水蒸気性に優れた多孔質膜を開発してきた(例えば、特許文献5参照)。
一方で、たとえば80℃80%程度の比較的湿潤な環境下では、多孔質膜の更なる耐水蒸気性の向上が切望されている。
特開昭58−190823号公報 特開昭60−54917号公報 特開2001−170500号公報 特開2008−1553号公報 特開2010−5602号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐水蒸気性に特に優れた、耐水蒸気性多孔質膜、耐水蒸気性多孔質複合体、及びこれらの製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ニッケルを含有するγ−アルミナを含む多孔質体からなる多孔質膜であって、板状粒子で構成された多孔質膜は、優れた耐水蒸気性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
ニッケルを含有するγ−アルミナを含む多孔質体からなる多孔質膜であって、板状粒子で構成され、ガス分離材に用いられることを特徴とする耐水蒸気性多孔質膜である。
請求項2に記載の発明は、厚さ10〜120nmかつ長さ30〜500nmの前記板状粒子を含む請求項1に記載の耐水蒸気性多孔質膜である。
請求項3に記載の発明は、
前記多孔質体は、Al元素と、Ni元素と、O元素とを含み、
前記Al元素及び前記Ni元素の含有割合は、これらの酸化物であるAl及びNiOを用いて換算したとき、これらの合計100モル%に対して、Alが60〜99モル%であり、NiOが1〜40モル%である請求項1または2に記載の耐水蒸気性多孔質膜である。
請求項4に記載の発明は、
前記板状粒子が、少なくとも表面部に含まれる請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質膜である。
請求項5に記載の発明は、
無機材料からなる多孔質基材と、
前記多孔質基材の表面に形成された、請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質膜と、
を備えることを特徴とする耐水蒸気性多孔質複合体である。
請求項6に記載の発明は、
前記無機材料が、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素及び炭化珪素から選ばれた少なくとも1種である請求項5に記載の耐水蒸気性多孔質複合体である。
請求項7に記載の発明は、
前記多孔質基材の平均細孔径が、前記耐水蒸気性多孔質膜の平均細孔径より大きい請求項5または6に記載の耐水蒸気性多孔質複合体である。
請求項8に記載の発明は、
前記多孔質基材の平均細孔径が、1〜200nmの範囲にある請求項7に記載の耐水蒸気性多孔質複合体である。
請求項9に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法であって、
無機材料からなる基材の表面に、Al成分を含むゾルと、Ni化合物とを含む組成物からなる被膜を形成する被膜形成工程と、
前記被膜を加熱する第1熱処理工程と、
前記第1熱処理工程後の被膜を水を含む溶媒中で加熱処理する溶媒加熱処理工程と、
前記溶媒加熱処理工程後の被膜を加熱する第2熱処理工程と、
を備えていることを特徴とする耐水蒸気性多孔質膜の製造方法である。
請求項10に記載の発明は、
前記第2熱処理工程の前に、前記溶媒加熱処理工程後の被膜を乾燥する乾燥工程をさらに含む請求項9記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法である。
請求項11に記載の発明は、
前記溶媒加熱処理工程は、水中あるいは水および他の溶媒を含む混合溶媒中で前記被膜を加熱処理する工程である請求項9または10に記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法である。
請求項12に記載の発明は、
前記混合溶媒は、少なくとも一種のアルコールを含む請求項11に記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法である。
請求項13に記載の発明は、
前記溶媒加熱処理工程は、飽和蒸気圧に換算したときに0.1MPa以上となる温度で加熱処理する工程である請求項9〜11のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法である。
請求項14に記載の発明は、
前記基材は多孔質部を有する請求項9〜12のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法である。
請求項5〜7のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質複合体の製造方法であって、
無機材料からなる多孔質基材の表面に、Al成分を含むゾルと、Ni化合物とを含む組成物からなる被膜を形成する被膜形成工程と、
前記被膜を加熱する第1熱処理工程と、
前記第1熱処理工程後の被膜を水を含む溶媒中で加熱処理する溶媒加熱処理工程と、
前記溶媒加熱処理工程後の被膜を加熱する第2熱処理工程と、
を備えていることを特徴とする耐水蒸気性多孔質複合体の製造方法である。
本発明の耐水蒸気性多孔質膜は、耐水蒸気性に優れる。なお、本発明において耐水蒸気性を向上させるべき使用条件は、湿潤な環境下を想定しているが、高温(たとえば100℃以上)で水蒸気を含む比較的乾燥した環境下であっても優れた耐水蒸気性を示すことは言うまでもない。
また、本発明の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法によると、上記性質を有する耐水蒸気性多孔質膜を効率よく製造することができる。
本発明の耐水蒸気性多孔質複合体は、耐水蒸気性に優れた耐水蒸気性多孔質膜を備えることから、耐久性に優れ、多孔質基材及び耐水蒸気性多孔質膜の積層方向を利用した分離膜または分離膜の中間層として好適に用いられる。
また、本発明の耐水蒸気性多孔質複合体の製造方法によると、多孔質基材及び多孔質膜が強固に接合され、耐水蒸気性に優れた多孔質複合体を効率よく製造することができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部分を示す。
本発明の概要を説明するための模式図である。 従来技術の概要を説明するための模式図である。 本発明の多孔質膜及び多孔質複合体の一例を示す断面図である。 本発明の多孔質膜及び多孔質複合体の一例を示す断面図である。 本発明の多孔質膜及び多孔質複合体の一例を示す断面図である。 実施例の基材を示す説明図である。 基材をゾル組成物に浸漬させた状態を模式的に示す説明図である。 X線回折(XRD)を示す説明図である。 走査電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。 走査電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。 走査電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。 走査電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。 走査電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。 水蒸気暴露の前後における多孔質膜の細孔径の分布を示すグラフである。 水蒸気暴露の時間経過に伴う、細孔径分布の変化を示すグラフである。 水蒸気暴露の時間経過に伴う、細孔径分布の変化を示すグラフである。 対向拡散CVD用基材を説明するための模式図である。 対向拡散CVD用基材を説明するための断面図である。 図18のI−I線断面図である。 対向拡散CVD装置の概略図である。 ガス透過率の測定結果を示すグラフである。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.耐水蒸気性多孔質膜
本発明の耐水蒸気性多孔質膜は、ニッケルを含有するγ−アルミナを含む多孔質体からなる多孔質膜であって、板状粒子で構成され、ガス分離材に用いられることを特徴とする。
本発明の耐水蒸気性多孔質膜は、Al元素と、Ni元素と、O元素とを含む多孔質体からなることが好ましい。
上記Al元素及び上記Ni元素の比は、これらの酸化物Al及びNiOを用いて換算したとき、これらの合計100モル%に対して、好ましくは、Alが60〜99モル%であり、NiOが1〜40モル%であり、より好ましくは、Alが80〜99モル%であり、NiOが1〜20モル%であり、更に好ましくは、Alが88〜98モル%であり、NiOが2〜12モル%である。換算したNiOの量が上記の範囲にあれば、耐熱性及び耐水蒸気性の改良効果が効果的に発現するため好ましい。
上記多孔質体は、通常、NiAlが、結晶性の低いγ−Al相の中に分散した酸化物固溶体となっているのが好ましい。この酸化物固溶体は、換言すれば、γ−Alの結晶構造の中にNiが含まれた混合陽イオン状態となっている。
尚、上記多孔質体が、上記酸化物固溶体からなるものであることは、X線回折(XRD)によるピークシフト及び格子定数の変化から確認することができる。
本発明の多孔質膜を構成する多孔質体が、酸化物固溶体からなることから、焼結の原動力となる陽イオンの拡散が抑制され、800℃以上に加熱されても、相転移することなく、また、更に加熱されて950℃程度であっても結晶化することもない。従って、800℃以上、好ましくは950℃までの温度においても、細孔の肥大化及び平均細孔径の分布の拡大化は、非晶質γ−Al多孔体の場合に比べて抑制される。
耐水蒸気性多孔質膜は、通常、細孔を有している。細孔は、耐水蒸気性多孔質膜の1面から他面に貫通しており、この細孔の平均細孔径は、13nm以下であり、好ましくは1〜11nm、より好ましくは2〜10nm、更に好ましくは3〜9nmである。尚、上記平均細孔径は、毛管凝縮法により測定することができ、市販の細孔径分布測定装置を用い、50%透過流束径における値とすることができる。
本発明における平均細孔径は、Kelvin diameterによる平均細孔径を意味する。
上記耐水蒸気性多孔質膜は、単層構造でもよいし、多層構造でもよい。また、後述する「耐水蒸気性多孔質膜の製造方法」における説明のように、通常、基材の表面に形成されるため、膜の全体形状は、上記基材の外形線が描く表面形状に依存する。
本発明の耐水蒸気性多孔質膜の膜厚は、通常、0.5〜10μm、好ましくは0.8〜8μm、より好ましくは1〜5μmである。膜厚が上記の範囲にあれば、ガス分離膜としての透過性を維持しつつ、欠陥が抑制された膜が得られるため好ましい。
本発明では、耐水蒸気性多孔質膜は、板状粒子で構成されていることを特徴としている。
板状粒子は、完全に成長することで略六角形の板状体となり、多孔質膜の厚さ方向に沿って配向しやすいと推測される。しかし、本発明においては必ずしも完全に成長している必要はないため、電子顕微鏡(SEM、TEM)等で多孔質膜の表面を観察した結果から、板状粒子の外形を規定することとする。すなわち、板状粒子の厚さ方向にほぼ平行な面を平面視できる粒子を測定したとき、最大厚さを「板状粒子の厚さ」、平行な二本の直線で板状粒子を挟んだときの直線の間隔の最大値を「板状粒子の長さ」とする。
本発明では、板状には、平板状および花弁状も含まれるものとする。一つの板状粒子の好ましい寸法を規定するのであれば、板状粒子の厚さが10〜120nmさらには15〜100nm、20〜45nm、板状粒子の長さが30〜500nmさらには50〜500nm、100〜400nmである。また、板状粒子の長さを長軸方向の長さ(a)とし、板状粒子の厚さを短軸方向の長さ(b)としたときのアスペクト比(a/b)は、2以上、3以上が好ましく、アスペクト比の上限を規定するのであれば、25以下、20以下が好ましい。好ましい範囲の寸法にある板状粒子が存在することで、多孔質膜の割れや剥離が低減され、所望の耐水蒸気性が良好に発揮される。
平均値で規定するのであれば、板状粒子の平均厚さは、好ましくは15〜100nmであり、より好ましくは17〜80nmであり、更に好ましくは19〜70nm、20〜30nmである。また、板状粒子の平均長さは、50〜400nmさらには150〜350nm、200〜300nmが好ましい。平均のアスペクト比は、特に限定されないが、好ましくは2〜20であり、より好ましくは3〜15であり、更に好ましくは5〜13、9〜11である。
多孔質膜は、必ずしも膜全体が板状粒子で構成されている必要はなく、板状粒子が多孔質膜の少なくとも表面部に含まれるのが望ましい。
2.耐水蒸気性多孔質複合体
本発明の耐水蒸気性多孔質複合体は、無機材料からなる多孔質基材と、多孔質基材の表面に形成された、上記本発明の耐水蒸気性多孔質膜と、を備えることを特徴とする。概略断面図(図3)を用いて説明すると、本発明の耐水蒸気性多孔質複合体3は、多孔質基材1及び耐水蒸気性多孔質膜2からなる積層体である。尚、上記耐水蒸気性多孔質膜は、単層でよいし、2以上の層からなる多層でもよく、2層の場合は、図4に示される。本発明の耐水蒸気性多孔質複合体3において、多孔質基材1及び耐水蒸気性多孔質膜2は、強固に接合している。
また、本発明の耐水蒸気性多孔質複合体の表面層は、図3に示すように、多孔質基材1の表面のほとんどが、耐水蒸気性多孔質膜2に被覆されている。但し、図5に示すように、細孔4の開口部に、耐水蒸気性多孔質膜2を有さない場合等もある。この図5は一例であって、細孔径の小さい細孔の開口部のすべてが被覆される場合があれば、一部のみが被覆される場合もある。
上記多孔質基材は、無機材料からなるものである。この無機材料としては、1面から他面へと線状又は網目状に貫通する細孔を有する多孔質構造を形成できるものであれば、特に限定されないが、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、シリカ、サイアロン、酸化チタン、セピオライト、モンモリロナイト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、カネマイト等が挙げられる。これらのうち、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素及び炭化珪素が好ましい。また、上記化合物は単独で又は組み合わせて用いてもよい。
上記多孔質基材の平均細孔径は、好ましくは1〜200nmであり、より好ましくは40〜180nm、更に好ましくは60〜150nmである。但し、各種用途への実用性を考慮すると、本発明の多孔質複合体において、多孔質基材の平均細孔径は、耐水蒸気性多孔質膜の平均細孔径より大きいことが好ましい。
従って、例えば、本発明の耐水蒸気性多孔質複合体を、触媒用担体として用いる場合、多孔質基材及び耐水蒸気性多孔質膜の各平均細孔径の好ましい組み合わせは、多孔質基材が60〜150nm、耐水蒸気性多孔質膜が1〜20nmである。
また、本発明の耐水蒸気性多孔質複合体を、水素ガスを対象としたガス分離材として用いる場合、多孔質基材及び耐水蒸気性多孔質膜の各平均細孔径の好ましい組み合わせは、多孔質基材が60〜150nm、耐水蒸気性多孔質膜が1〜9nmである。
更に、本発明の耐水蒸気性多孔質複合体を、ガス分離材の中間層として用いる場合、多孔質基材及び耐水蒸気性多孔質膜の各平均細孔径の好ましい組み合わせは、多孔質基材が60〜150nm、耐水蒸気性多孔質膜が1〜10nmである。
上記多孔質基材の形状は、目的、用途等に応じて選択されるが、例えば、塊状(多面体、球等)、板状(平板、曲板等)、筒状(円筒、角筒等)、棒状等とすることができる。
また、大きさも、目的、用途等に応じて選択される。
3.耐水蒸気性多孔質膜の製造方法
本発明の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法は、無機材料からなる基材の表面に、Al成分を含むゾルと、Ni化合物と、を含む組成物(以下、「ゾル組成物」という。)からなる被膜を形成する被膜形成工程と、被膜を加熱する第1熱処理工程と、第1熱処理工程後の被膜を水を含む溶媒中で加熱処理する溶媒加熱処理工程と、溶媒加熱処理工程後の被膜を加熱する第2熱処理工程と、を備えることを特徴とする。参考として、本発明の製造方法の概念の一例を図1に、従来の製造方法の概念を図2に記載する。
本発明に係るゾル組成物を構成するAl元素及びNi元素の含有割合は、最終的に得られる多孔質膜を構成するAl元素及びNi元素の含有割合に反映される。
〔被膜形成工程〕
被膜形成工程では、無機材料からなる基材の表面に、Al成分を含むゾルと、Ni化合物とを含む組成物からなる被膜を形成する。
被膜形成工程において用いる基材は、第1熱処理工程における加熱により変形、変質等しない無機材料からなるものであれば、特に限定されない。また、第1熱処理工程により形成される多孔質膜の構成材料の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する無機材料が好ましい。この無機材料としては、通常、金属、合金、酸化物、窒化物及び炭化物から選択され、例えば、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、シリカ、サイアロン、酸化チタン、セピオライト、モンモリロナイト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、カネマイト等が挙げられる。これらのうち、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素及び炭化珪素が好ましい。また、上記化合物は、単独で又は組み合わせて用いてもよい。
尚、上記基材の形状は、塊状(多面体、球等)、板状(平板、曲板等)、筒状(円筒、角筒等)、棒状等とすることができる。また、上記基材の形態は、中実体及び多孔体のいずれでもよいが、多孔体が好ましい。
上記被膜形成工程において用いるゾル組成物は、Al成分を含むゾルと、Ni化合物とを含む組成物である。このゾル組成物は、更に、分散性を向上させたり、粘度を調整するために、高分子成分、水等を含有してもよい。
上記ゾル組成物に含まれるAl成分及びNi成分の比は、これらの酸化物Al及びNiOを用いて換算したとき、これらの合計100モル%に対して、Alが60〜99モル%であり、NiOが1〜40モル%であり、好ましくは、Alが80〜99モル%であり、NiOが1〜20モル%であり、更に好ましくは、Alが88〜98モル%であり、NiOが2〜12モル%である。
また、上記ゾル組成物の固形分濃度は、好ましくは5〜7質量%であり、pHは、好ましくは0.5〜3.5である。
上記ゾル組成物は、通常、上記のAl成分を含むゾル、Ni化合物等を用い、上記の各濃度になるように、これらを混合することにより調製される。
Al成分を含むゾルとしては、公知のアルミナゾル(コロイド粒子としてアルミナ水和物を含むゾル)、好ましくは、ベーマイトゾルが用いられる。このベーマイトゾルは、AlO(OH)の分子式で表される物質を含むゾルである。
上記ベーマイトゾルとしては、以下の方法で得られたゾルを用いることができる。即ち、まず、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシドを、水に可溶な有機溶媒(イソプロパノール、エタノール、2−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等)に溶解させる。その後、この溶液を、80℃以上、好ましくは80℃〜95℃の熱水中に、撹拌しながら添加し、加水分解する。通常、上記温度で1〜20時間、攪拌が継続される。尚、この熱水の温度が低いと、無定形の水和物が生成してしまうことがある。
次いで、加水分解によりアルミニウムアルコキシドから生じた(遊離した)アルコールを蒸発させ、除去することにより、ベーマイトと、水とを含む混合物(ベーマイトゾル)が得られる。
この混合物に、更に、塩酸、硝酸、過塩素酸等の一価の酸を添加してもよい。尚、加水分解前のアルミニウムアルコキシドが、水と反応しないようにするため、予め、無水酢酸、無水マレイン酸等のカルボン酸無水物;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル等のアセト酢酸エステル;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル等のジカルボン酸エステル等を配合しておいてもよい。
上記のNi化合物としては、いずれも、Ni原子を含む水酸化物、硫酸塩、硝酸塩等を用いることができる。
上記ゾル組成物を、効率よく調製するためには、上記の方法により得られたベーマイトゾル、及び/又は、市販のベーマイトゾルと、Ni化合物と、を混合してもよい。
好ましくは、上記混合物(ベーマイトゾル)と、上記Ni化合物として硝酸ニッケル等の水に溶解して酸性を呈する化合物等と、を混合する。このように、水に溶解して酸性を呈する化合物を用いる場合には、上記各成分の混合によって、酸性になるため、ベーマイトゾルと、Ni成分とを含む組成物を得ることができる。尚、このゾル組成物の調製の際には、上記高分子成分を配合してもよい。
上記Ni化合物は、固体で用いてよいし、水、有機溶媒等に溶解させてなる溶液として用いてもよい。さらに、調製されるゾル組成物のpHが、上記好ましい範囲になるように、上記一価の酸等を添加してもよい。上記高分子成分を配合する場合も同様に、好ましい含有量となるように、単独であるいは溶液として用いられる。この高分子成分の含有量は、混合前のAl成分及びNi成分の固形分の合計量に対して、好ましくは8〜18質量%である。
また、上記高分子成分としては、ポリビニルアルコール及びその変性物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、でんぷん及びその変性物等が挙げられる。
上記被膜形成工程において、ゾル組成物は、基材の表面に塗布され、基材の表面に沿って、被膜が形成される。塗布方法としては、ディッピング法、スプレー法、スピン法等が挙げられる。また、上記ゾル組成物を塗布する際の、ゾル組成物の温度は、好ましくは10℃〜35℃、より好ましくは15℃〜25℃であり、上記基材の温度は、好ましくは10℃〜35℃、より好ましくは15℃〜25℃である。
基材の表面に塗布されたゾル組成物は、好ましくは35℃〜200℃、より好ましくは100℃〜170℃で乾燥してもよい。
被膜の厚さは、用途に応じて選択され、通常、1〜6μmである。
尚、基材が多孔体である場合には、ゾル組成物が、細孔内部に侵入することがあるが、侵入しないように塗布し、被膜を形成することが好ましい。ゾル組成物が、一部の細孔内部に入った場合は、以下の熱処理工程によって生成される酸化物固溶体が充填された状態になる場合がある。
〔第1熱処理工程〕
第1熱処理工程では、被膜を加熱する。
第1熱処理工程における被膜の熱処理条件としては、大気、酸素ガス等の雰囲気中、大気圧下において、加熱温度が、好ましくは450℃〜950℃、より好ましくは550℃〜900℃、更に好ましくは600℃〜850℃である。熱処理は、この範囲の温度であれば、一定温度で熱処理を行ってよいし、温度を変化させながら熱処理を行ってもよい。尚、加熱温度が高すぎると、α−Alへの相転移が進行してしまう場合がある。
上記範囲の温度で熱処理することにより、組成が安定であり、均一である酸化物固溶体からなる多孔質膜を得ることができる。上記温度が低すぎると、細孔構造が熱的に不安定になる傾向がある。一方、温度が高すぎると、細孔径が大きくなる傾向がある。尚、加熱時間、昇温速度等は、基材の形状、大きさ等により、適宜、選択されるが、加熱時間は、通常、0.5〜10時間である。
上記第1熱処理工程の後、表面にクラックが生じないように、徐冷される。
上記の被膜形成工程及び第1熱処理工程は、それぞれ、1回ずつ行って単層型の多孔質膜2としてよいし(図3)、繰り返し行って、積層型の多孔質膜2とすることもできる(図4)。
上記ゾル組成物を用いて被膜を形成し、上記条件により第1熱処理工程を行うことにより、平均細孔径が10nm以下、好ましくは1〜9nm、より好ましくは1〜8nmの細孔を有する多孔質膜を効率よく形成することができる。
〔溶媒加熱処理工程〕
本発明では、第1熱処理工程の後、溶媒加熱処理工程を行うことを特徴としている。溶媒加熱処理工程では、第1熱処理工程後の被膜を水を含む溶媒中で加熱処理する。すなわち、本発明の溶媒加熱処理工程は、所謂「ソルボサーマル合成」の一種である。
溶媒加熱処理に用いる溶媒は水を含んでいれば特に限定されず、幅広く用いることができる。例えば、水単体の他、水と他の溶媒とを含む混合溶媒を用いることができる。他の溶媒として、例えば、アルコールを用いることができる。アルコールを用いることで、粗大粒子の生成を抑制できることがある。アルコールであれば特に限定されるものでなく、例えば、エタノール、メタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、グリセリン等を用いることができる。また、その他の溶媒としては、ケトン、カルボン酸等が挙げられる。
溶媒加熱処理工程の処理条件は、被膜の少なくとも表層に板状粒子が形成される条件を、被膜の面積、多孔質基材の形状・材質、多孔質基材の種類などに応じて適宜選択すればよい。溶媒中における水の量は、特に限定されない。あえて規定するのであれば、水の量は、好ましくは35〜100体積%であり、より好ましくは50〜100体積%であり、更に好ましくは60〜100体積%である。被膜の面積が大きいと板状粒子が形成され難い場合があるが、水の割合が多いほど、板状粒子が多く形成されやすく、成長しやすい。
処理時間についても特に限定はなく、被膜の面積や基材の種類に応じて適宜選択すればよい。
溶媒加熱処理工程における被膜の加熱条件としては、大気、酸素ガス等の雰囲気中、溶媒の常圧の沸点以上の温度かつ常圧以上の圧力で被膜を加熱するのが好ましい。すなわち、他の溶媒が含まれない水中で処理する場合には、耐圧容器などに被膜および溶媒を密閉した状態で加熱してもよいし、開放状態で沸騰させた水中に被膜を浸漬させてもよい。混合溶媒を用いて処理する場合には、密閉状態で行うのが好ましい。加熱温度をあえて規定するのであれば、アントワンの式を用いて飽和蒸気圧に換算したときに好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.2MPa以上となる温度で加熱処理する。飽和蒸気圧が高いほど、あるいは温度が高いほど、板状粒子が多く形成されやすく、成長しやすい。熱処理は、この範囲の温度であれば、一定温度で熱処理を行ってよいし、温度を変化させながら熱処理を行ってもよい。
〔乾燥工程〕
溶媒加熱処理工程の後に、乾燥工程を入れてもよい。
乾燥工程では、溶媒加熱処理工程後の被膜を乾燥する。乾燥条件は特に限定されない。乾燥温度は、溶媒加熱処理工程に使用した溶媒が被膜から除去される温度であればよく、好ましくは100℃〜200℃、より好ましくは100℃〜150℃、更に好ましくは120℃〜130℃である。
〔第2熱処理工程〕
第2熱処理工程では、被膜を加熱する。
第2熱処理工程における被膜の熱処理条件としては、大気、酸素ガス等の雰囲気中、大気圧下において、加熱温度が、好ましくは450℃〜950℃、より好ましくは550℃〜900℃、更に好ましくは600℃〜850℃である。熱処理は、この範囲の温度であれば、一定温度で熱処理を行ってよいし、温度を変化させながら熱処理を行ってもよい。尚、加熱温度が高すぎると、α−Alへの相転移が進行してしまう場合がある。
上記範囲の温度で熱処理することにより、組成が安定であり、均一である酸化物固溶体からなる多孔質膜を得ることができる。上記温度が低すぎると、細孔構造が熱的に不安定になる傾向がある。一方、温度が高すぎると、細孔径が大きくなる傾向がある。尚、加熱時間、昇温速度等は、基材の形状、大きさ等により、適宜、選択されるが、加熱時間は、通常、0.5〜10時間である。
上記第2熱処理工程の後、表面にクラックが生じないように、徐冷される。
水熱処理工程及び第2熱処理工程を経ることによって、板状粒子で構成され、ガス分離材に用いられる耐水蒸気性多孔質膜が得られる。
4.耐水蒸気性多孔質複合体の製造方法
本発明の耐水蒸気性多孔質複合体の製造方法は、無機材料からなる多孔質基材の表面に、Al成分を含むゾルと、Ni化合物とを含む組成物(以下、「ゾル組成物」という。)からなる被膜を形成する被膜形成工程と、被膜を加熱する第1熱処理工程と、第1熱処理工程後の被膜を水を含む溶媒中で加熱処理する溶媒加熱処理工程と、溶媒加熱処理工程後の被膜を加熱する第2熱処理工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係るゾル組成物を構成するAl元素及びNi元素の含有割合は、最終的に得られる耐水蒸気性多孔質複合体を構成するAl元素及びNi元素の含有割合に反映される。
上記多孔質基材は、無機材料からなるものである。この無機材料としては、1面から他面へと線状又は網目状に貫通する細孔を有する多孔質構造を形成できるものであれば、特に限定されないが、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、シリカ、サイアロン、酸化チタン、セピオライト、モンモリロナイト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、カネマイト等が挙げられる。これらのうち、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素及び炭化珪素が好ましい。また、上記化合物は単独で又は組み合わせて用いてもよい。
上記多孔質基材の平均細孔径は、好ましくは1〜200nm、より好ましくは40〜180nm、更に好ましくは60〜150nmである。
また、上記多孔質基材の形状は、塊状(多面体、球等)、板状(平板、曲板等)、筒状(円筒、角筒等)、棒状等とすることができる。
本発明の耐水蒸気性多孔質複合体の製造方法において、被膜形成工程、第1熱処理工程、溶媒加熱処理工程、乾燥工程、第2熱処理工程については、上記本発明の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法における対応する工程をそのまま適用することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
〔1〕試料の調製
<実施例1>
中間層を形成する基材には、円筒形状のアルミナ多孔質体(内径2.4mm、外径3mm、長さ85mm)を用いた。多孔質体は、α−Alからなり、内壁及び外壁の間に網目状に連通する、開気孔率46%の細孔(平均細孔径150nm)を有する多孔質アルミナを用いた。
後の工程において基材の取り扱いを容易にするために、基材の先端を封止するとともに基材の後端部にα−Al円筒状緻密管を接合して複合基材を得た。複合基材25を図6に示す。基材23およびα−Al円筒状緻密管24を同軸的に配置した状態で、基材23の先端部26および基材と円筒形状緻密管との接続部27にガラス粉末を含む混合物を塗布した。そして、ガラス粉末を加熱溶融してガラス化させて、ガラスシールを施し複合基材25を得た。
次に基材23の外表面にγ−Alのメソポーラスな中間層を形成した。中間層の形成は次のように行った。
まず、ベーマイト系混合液(ゾル組成物)を調製した。詳細には、Arガス雰囲気のグローブボックスの中で、0.05molのアルミニウムトリsec−ブトキシドに、水溶性有機溶媒として、0.1molのイソプロパノールを加え、十分混合した。その後、この混合液をグローブボックスから取り出し、90℃に加熱した水90ミリリットル(5mol)の攪拌下に、添加した。次いで、液温を室温まで冷却し、5モル%のNi(NO・6HO及び1M−硝酸4.8ミリリットルを添加して撹拌し、固形分濃度6.4質量%のベーマイト系ゾル(Al及びNiO換算のモル比95:5)を得た。
その後、このベーマイト系ゾル24ミリリットルと、3.5質量%のポリビニルアルコール水溶液16ミリリットルとを混合し、ベーマイト系混合液(ゾル組成物)を調製した。
次に、基材23を、上記ゾル組成物に10秒間浸漬した。基材23をゾル組成物に浸漬させた状態を、図7に模式的に示す。複合基材25のうち基材23の部分を容器28に注入されたゾル組成物29に10秒間浸漬させた後、取り出して、150℃で1時間乾燥させた。その後、複合基材25を大気雰囲気中、800℃で2時間熱処理し、基材23の表面に、γ−Alからなる多孔質中間層(多孔質膜)を形成した。この操作を再度繰り返し(合計2回製膜)、アルミナ多孔質体からなる基材と、この基材の外表面を被覆している多孔質膜(2層型)とを備える多層多孔質部を含む複合構造体(図示せず)を得た。上記多孔質膜の膜厚は、2μmであった。
次に、多孔質膜の溶媒加熱処理を行った。溶媒加熱処理は、イオン交換水(441ミリリットル)とエタノール(189ミリリットル)の混合溶液が注入されたテフロン内筒式ステンレス製耐圧容器(内筒の容量:内径49mm×高さ480mm)を用い、多孔質膜が混合溶液に全て浸漬するように複合基材25を留置して行った。この耐圧容器をオーブン内で昇温速度3℃/minで115℃(飽和蒸気圧:0.2MPa)に昇温し、3時間保持し、徐冷後、複合基材25を取り出し、エタノールで洗浄後、120℃、5時間乾燥させた。
次に、多孔質膜の酸化処理(第2熱処理工程に相当)を行った。乾燥後の複合基材25を昇温速度5℃/minで大気中600℃まで昇温し、1時間保持し、徐冷後、取り出し、実施例1の多孔質膜を有する複合構造体を得た。
<実施例2>
次の点、以外は実施例1と同様に、複合構造体を得た。
すなわち、溶媒加熱処理について、イオン交換水のみを用い、耐圧容器をオーブン内で昇温速度3℃/minで120℃(飽和蒸気圧:0.2MPa)に昇温し、1時間保持した以外は、実施例1と同様に、複合構造体を形成した。
<実施例3>
次の点、以外は実施例1と同様に、複合構造体を得た。
すなわち、溶媒加熱処理について、耐圧容器をオーブン内で昇温速度3℃/minで115℃(飽和蒸気圧:0.2MPa)に昇温し、15時間保持した以外は、実施例1と同様に、複合構造体を形成した。
<実施例4>
次の点、以外は実施例1と同様に、複合構造体を得た。
すなわち、溶媒加熱処理について、イオン交換水(252ミリリットル)とエタノール(378ミリリットル)の混合溶液を用い、耐圧容器をオーブン内で昇温速度3℃/minで109℃(飽和蒸気圧:0.2MPa)に昇温し、1時間保持した以外は、実施例1と同様に、複合構造体を形成した。
<実施例5>
次の点、以外は実施例1と同様に、複合構造体を得た。
すなわち、溶媒加熱処理として煮沸処理を行った以外は実施例1と同様に、実施例5の多孔質膜を有する複合構造体を形成した。煮沸処理は次のように行った。
イオン交換水(1000ミリリットル)が入った1リットル用ビーカー内に多孔質膜がイオン交換水に全て浸漬するように複合基材25を留置し、ホットプレート上でイオン交換水が連続的に煮沸するように加熱した。この状態で5時間煮沸処理を行い、徐冷後、複合基材25を取り出し、エタノールで洗浄後、120℃で5時間乾燥させた。
<比較例1>
次の点、以外は実施例1と同様に、比較例1の多孔質膜を有する複合構造体を形成した。
すなわち、比較例1では、実施例1の溶媒加熱処理および酸化処理(第2熱処理)を行わなかった。
表1に各サンプルの溶媒加熱処理条件を示す。
〔2〕評価I:多孔質膜の結晶構造および表面形状
溶媒加熱処理および酸化処理(第2熱処理)による多孔質膜の構造変化を確認するために、合成したベーマイト系ゾルから粉末状試料を作製し、X線回折を行った。粉末状試料は、次のように作製した。ロータリーエバポレーターを用いてベーマイト系ゾルの水分留去を行った後、120℃の真空雰囲気で、10時間乾燥を行った。その後、メノウ乳鉢で解砕し、125μmのメッシュパスをし、粉末状試料(A)を得た。また、粉末状試料(A)の水熱処理を行った。水熱処理は、イオン交換水(70ミリリットル)が注入されたテフロン内筒式ステンレス製耐圧容器(三愛科学株式会社製、型番:HU−100)を用い、イオン交換水中に粉末状試料を分散させて行った。この耐圧容器をオーブン内で昇温速度3℃/minで100℃(飽和蒸気圧:0.1MPa)に昇温し、1時間保持し、徐冷後、イオン交換水に分散した粉末状試料をイオン交換水およびエタノールで流しながら減圧濾過し、120℃の乾燥機内で5時間乾燥させ水熱処理された粉末状試料(B)を得た。さらに、粉末状試料(B)の酸化処理を行った。粉末状試料(B)を昇温速度5℃/minで600℃まで昇温し、1時間保持し、徐冷後、試料を取り出し、酸化処理された粉末状試料(C)を得た。粉末状試料(A)から(C)のX線回折(XRD)像を図8に示す。
水熱処理を施された粉末状試料(B)からは、ベーマイト(▲)およびバイアライト(●)の存在を示す回折パターンが得られた。さらに酸化処理を施した粉末状試料(C)からは、ベーマイトおよびバイアライトの存在を示す回折パターンは消失し、γ−アルミナの存在を示す回折パターン(○)が得られた。つまり、実施例1〜5の多孔質膜は、γ−アルミナからなることがわかった。
また、実施例1〜5および比較例1の多孔質膜の表面形状を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。結果を図9〜13に示した。なお、図9〜11および13はそれぞれの多孔質膜の表面を、図12は実施例1および比較例1の多孔質膜の断面を観察したSEM像である。
溶媒加熱処理および酸化処理を施された多孔質膜は、少なくとも表面部に板状組織が形成されることが分かった。それぞれの多孔質膜を構成する板状粒子は、(実施例1)平均厚さ26nm・平均長さ260nm、(実施例2)平均厚さ23nm・平均長さ163nm、(実施例3)平均厚さ62nm・平均長さ314nm、(実施例4)平均厚さ23nm・平均長さ153nm、(実施例5)平均厚さ19nm・平均長さ193nm、であった。なお、平均厚さおよび平均長さは、2.5μm×2.0μmの一視野において平面視できる板状粒子を15個実測した平均値とした。具体的には、ひとつの板状粒子において、最大厚さと最大長さ(曲がっているものは、平行な二本の直線で板状粒子を挟んだときの最大間隔を最大長さとした)を測定した。また、溶媒加熱処理にエタノールを含む混合溶液を使用することで、粗大粒子の生成を抑制することができた。
〔3〕評価II:多孔質膜の耐水蒸気性
実施例1〜5および比較例1の多孔質膜の耐水蒸気性を評価するために、多孔質膜の水蒸気暴露試験を行い、暴露前後の多孔質膜の細孔径分布を測定した。
多孔質膜の細孔径分布測定には、西華産業株式会社製細孔径分布測定装置「ナノパームポロメーター」(以下、NPPMと略記)を用いた。測定には、多孔質膜が形成された複合基材25の基材1先端から50mm程度を切断し、切断端部を治具に固定したサンプルを用いて行った。
また、水蒸気暴露試験は、NPPMで測定後のサンプルを、温度が80℃、相対湿度が80%に制御可能な恒温恒湿槽内で50時間暴露処理した後、120℃の乾燥機内で5時間乾燥した。水蒸気暴露試験および乾燥後のサンプルについて、NPPMを用いて多孔質膜の細孔径分布を測定した。測定後のサンプルに対してさらに水蒸気暴露を150時間毎(つまり合計の処理時間が200時間、350時間及び500時間)、さらに250時間(合計処理時間750時間)行い、その都度細孔径分布を測定した。測定結果を、図14〜16に示した。
比較例1の多孔質膜は、水蒸気暴露試験前と50時間の水蒸気暴露試験後とで比較すると、50%透過流束径が急激に小さくなった。さらに水蒸気暴露処理時間を追加しても、50%透過流束径は小さいままで変化はなく、乾燥Nガス透過係数の値(図示せず)は小さくなる傾向にあった。
一方、実施例1〜5の多孔質膜は、水蒸気暴露試験前と50時間の水蒸気暴露試験後とで比較すると、50%透過流束径の値に大きな変化は見られなかった。特に実施例1、2、4および5は、200時間以上の水蒸気暴露を行っても、50%透過流束径の値はほぼ一定であった。つまり、実施例1〜5の多孔質膜は、耐水蒸気性に優れることが分かった。表面観察結果を考慮すると、多孔質膜を構成する板状粒子の平均厚さが15〜30nmかつ平均長さが150〜280nmの実施例1、2、4および5多孔質膜は、優れた耐水蒸気性を示す多孔質膜であると言える。
特に、実施例1の多孔質膜は、750時間の水蒸気暴露を行っても、他の実施例に比べて、50%透過流束径の値に変化が少なかった。
〔4〕評価III:ガス分離体の作製
本発明の耐水蒸気性多孔質膜を中間層として用いたガス分離体のガス分離特性を評価した。ガス分離材は、次のように作製した。
対向拡散CVD用基材を用意した(図17〜19参照)。この基材31は次のように構成されている。
基材31には、多孔質の円筒形状の基材(内径2.4mm、外径3mm、長さ400mm)を用いた。基材31において、α−Alで構成される部分に符号31Aを付して示す。
この基材31の外表面には、略中央部の幅50mmを除いた両端部にガラス粉末を含む混合物を塗布した。そして、ガラス粉末を加熱溶融してガラス化させて、ガラスシール31Cを施した。次に基材31の外表面において、ガラスシール31Cを形成していない略中央部にγ−Alのメソポーラスな中間層31Bを形成した。中間層31Bの形成は次のように行った。
まず、ベーマイト系混合液(ゾル組成物)を調製した。詳細には、Arガス雰囲気のグローブボックスの中で、0.05molのアルミニウムトリsec−ブトキシドに、水溶性有機溶媒として、0.1molのイソプロパノールを加え、十分混合した。その後、この混合液をグローブボックスから取り出し、90℃に加熱した水90ミリリットル(5mol)の攪拌下に、添加した。次いで、液温を室温まで冷却し、5モル%のNi(NO・6HO及び1M−硝酸4.8ミリリットルを添加して撹拌し、固形分濃度6.4質量%のベーマイト系ゾル(Al及びNiO換算のモル比95:5)を得た。
その後、このベーマイト系ゾル24ミリリットルと、3.5質量%のポリビニルアルコール水溶液16ミリリットルとを混合し、ベーマイト系混合液(ゾル組成物)を調製した。
次に、上記基材31を、上記ゾル組成物に10秒間浸漬した。基材31を容器に注入されたゾル組成物に10秒間浸漬させた後、取り出して、150℃で1時間乾燥させた。その後、基材31を大気雰囲気中、800℃で2時間熱処理し、基材31の略中央部表面に、γ−Alからなる多孔質中間層(多孔質膜)を形成した。この操作を再度繰り返し(合計2回製膜)、円筒形状の基材31と、この基材31の略中央部外表面を被覆している多孔質膜(2層型)とを備える多層多孔質部を含む複合構造体(図示せず)を得た。上記多孔質膜の膜厚は、2μmであった。
次に、得られた複合構造体を<実施例5>で示した方法で煮沸処理および酸化処理し、実施例5と同様の耐水蒸気性多孔質膜が形成された対向拡散CVD用基材を得た。
このようにして調製した対向拡散CVD用基材を、対向拡散CVD装置にセットした。対向拡散CVD装置を図20に模式的に示す。この装置では、対向拡散CVD用基材を、Oリングを介してチャンバーに固定した。反応ガス(シリコン源)は窒素ガスをキャリアとし、バブラーを介して基材外面に供給した。一方、反応ガス(酸素ガス)は基材の内側に供給した。このようにすることで、多孔質膜内で、原料ガスと反応ガスとが接触してガス分離体が形成された。尚、CVD法における反応温度は700℃、反応時間は5分であった。
(ガス分離特性の測定)
ガス分離体のガス透過率は、高温分子ふるい機能評価装置を用いて定容圧力変化法にて測定した。ガスの測定順序はHe、H、CO、Ar、O、Nであった。結果を図21及び表2に示す。
なお、表2において理論値とは、分離活性層がない場合の値を意味する。
表2の結果は、図21から導き出されたものであり、各種ガスの選択透過性を示している。本実施例の耐水蒸気性多孔質膜を中間層として用いた場合は、高い選択透過性を示しており、ガス分離膜としての機能に優れていることが確認された。
<実施例の効果>
本実施例の耐水蒸気性多孔質膜は、水蒸気の存在下であっても、耐水蒸気性に優れる。
また、本実施例の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法によれば、上記性質を有する耐水蒸気性多孔質膜を効率よく製造することができる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
本発明の耐水蒸気性多孔質膜、耐水蒸気性多孔質複合体は、種々のガスの分離用途において利用することができる。また、本発明の耐水蒸気性多孔質膜、耐水蒸気性多孔質複合体の製造方法は、耐水蒸気性に優れたガス分離膜の製造に広く応用される。
1;多孔質基材
2;耐水蒸気性多孔質膜
3;耐水蒸気性多孔質複合体
4;細孔
23;基材
24;円筒状緻密管
25;複合基材
26;先端部
27;接続部
28;容器
29;ゾル組成物
31;基材
31A;α−Al
31B;γ−Alの多孔質部(中間層)
31C;ガラスシール

Claims (15)

  1. ニッケルを含有するγ−アルミナを含む多孔質体からなる多孔質膜であって、板状粒子で構成され、ガス分離材に用いられることを特徴とする耐水蒸気性多孔質膜。
  2. 厚さ10〜120nmかつ長さ30〜500nmの前記板状粒子を含む請求項1に記載の耐水蒸気性多孔質膜。
  3. 前記多孔質体は、Al元素と、Ni元素と、O元素とを含み、
    前記Al元素及び前記Ni元素の含有割合は、これらの酸化物であるAl及びNiOを用いて換算したとき、これらの合計100モル%に対して、Alが60〜99モル%であり、NiOが1〜40モル%である請求項1または2に記載の耐水蒸気性多孔質膜。
  4. 前記板状粒子が、少なくとも表面部に含まれる請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質膜。
  5. 無機材料からなる多孔質基材と、
    前記多孔質基材の表面に形成された、請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質膜と、
    を備えることを特徴とする耐水蒸気性多孔質複合体。
  6. 前記無機材料が、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素及び炭化珪素から選ばれた少なくとも1種である請求項5に記載の耐水蒸気性多孔質複合体。
  7. 前記多孔質基材の平均細孔径が、前記耐水蒸気性多孔質膜の平均細孔径より大きい請求項5または6に記載の耐水蒸気性多孔質複合体。
  8. 前記多孔質基材の平均細孔径が、1〜200nmの範囲にある請求項7に記載の耐水蒸気性多孔質複合体。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法であって、
    無機材料からなる基材の表面に、Al成分を含むゾルと、Ni化合物とを含む組成物からなる被膜を形成する被膜形成工程と、
    前記被膜を加熱する第1熱処理工程と、
    前記第1熱処理工程後の被膜を水を含む溶媒中で加熱処理する溶媒加熱処理工程と、
    前記溶媒加熱処理工程後の被膜を加熱する第2熱処理工程と、
    を備えていることを特徴とする耐水蒸気性多孔質膜の製造方法。
  10. 前記第2熱処理工程の前に、前記溶媒加熱処理工程後の被膜を乾燥する乾燥工程をさらに含む請求項9記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法。
  11. 前記溶媒加熱処理工程は、水中あるいは水および他の溶媒を含む混合溶媒中で前記被膜を加熱処理する工程である請求項9または10に記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法。
  12. 前記混合溶媒は、少なくとも一種のアルコールを含む請求項11に記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法。
  13. 前記溶媒加熱処理工程は、飽和蒸気圧に換算したときに0.1MPa以上となる温度で加熱処理する工程である請求項9〜11のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法。
  14. 前記基材は多孔質部を有する請求項9〜12のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質膜の製造方法。
  15. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の耐水蒸気性多孔質複合体の製造方法であって、
    無機材料からなる多孔質基材の表面に、Al成分を含むゾルと、Ni化合物とを含む組成物からなる被膜を形成する被膜形成工程と、
    前記被膜を加熱する第1熱処理工程と、
    前記第1熱処理工程後の被膜を水を含む溶媒中で加熱処理する溶媒加熱処理工程と、
    前記溶媒加熱処理工程後の被膜を加熱する第2熱処理工程と、
    を備えていることを特徴とする耐水蒸気性多孔質複合体の製造方法。
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