以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、電気コネクタとして、種々の用途に広く適用することができる。
図1は、接続装置1の斜視図である。図2は、接続装置1の分解斜視図である。図3は、接続装置1のうち第1コネクタ4側の一部を拡大して示す斜視図である。図4は、接続装置1の底面図である。図5は、図4のV−V線に沿う断面図である。図6は、第1コネクタ4の一部を分解して示す斜視図である。図7は、第1コネクタ4の一部を分解して示す平面図である。図8は、第1コネクタ4の底面図である。図9は、図8のIX−IX線に沿う断面図である。図10は、第1コネクタ4の側面図である。図11は、接続装置1のうち第2コネクタ5側の一部を拡大して示す斜視図である。
図1〜図3を参照して、本実施形態では、接続装置1は、大電流用接続装置として設けられている。接続装置1は、たとえば、自動車、電車などの移動体における駆動用モータとバッテリーとを電気的に接続するために設けられている。なお、接続装置1は、移動体の用途に限らず、他の大電流用接続装置として用いられてもよいし、小電流用接続装置として用いられてもよい。
接続装置1は、固定板2と、第1ケーブル3a,3bと、雄型電気コネクタとしての第1コネクタ4と、雌型電気コネクタとしての第2コネクタ5と、第2ケーブル6a,6bと、を有している。
接続装置1は、固定板2に第1コネクタ4が取り付けられた構成を有しているとともに、第1コネクタ4と第2コネクタ5とが着脱可能に構成されており、第1コネクタ4と第2コネクタ5とが電気的に接続されている。そして、第1コネクタ4は、第1ケーブル3a,3bと電気的且つ機械的に接続されている。また、第2コネクタ5は、第2ケーブル6a,6bと電気的且つ機械的に接続されている。
固定板2は、たとえば、金属板によって形成されている。固定板2には、挿入孔部2aと、雌ねじ部2b,2bと、が形成されている。挿入孔部2aは、第1コネクタ4の後述するハウジング14が挿入される部分として設けられている。挿入孔部2aは、第1コネクタ4のハウジング14のうち挿入孔部2aに嵌合される箇所の形状に対応する形状に形成されている。
挿入孔部2aの周囲に、雌ねじ部2b,2bが形成されている。各雌ねじ部2bは、第1コネクタ4のハウジング14を固定するために設けられており、たとえば、挿入孔部2aを挟むように一対設けられている。固定板2に固定される第1コネクタ4は、一対の第1ケーブル3a,3bに接続されている。
各第1ケーブル3a,3bは、被覆電線7と、この被覆電線7の一端に固定された圧着端子(相手側導電部材)8と、を有している。
被覆電線7は、絶縁材料で形成された筒状の被覆部9と、この被覆部9によって被覆された電線10と、を有している。電線10の一端部は、被覆部9の一端部から露出している。この電線10の一端部に、圧着端子8が固定されている。圧着端子8は、金属板などの導電部材を用いて形成された一体成形品である。
圧着端子8は、かしめ部11と、このかしめ部11から延びる舌片部12と、を有している。かしめ部11は、当該かしめ部11のベース板の一対の縁部から延びる一対のかしめ片部を有している。これらのかしめ片部が、電線10の一端部をベース板と協働して挟むことで、かしめ部11に電線10の一端部がかしめ固定されている。舌片部12は、かしめ部11のベース板から延びる平板状部分である。舌片部12は、ベース板から延びる矩形状の基端部分を有しているとともに、半円状の先端部を有している。舌片部12の先端側部分に、貫通孔部12aが形成されている。上記の構成を有する各第1ケーブル3a,3bの舌片部12は、第1コネクタ4の対応するコンタクト13a,13b(詳細は後述)に固定される。
図1〜図3および図7を参照して、第1コネクタ4は、第2コネクタ5と協働してコネクタユニットを形成しており、第2コネクタ5に結合されることで、第1コネクタ4と第2コネクタ5とを電気的に接続するように構成されている。第2コネクタ5は、第1コネクタ4を介して固定板2に支持されている。第1コネクタ4は、当該第1コネクタ4の幅方向Y1に対称な形状に形成されている。
なお、本実施形態では、第1コネクタ4および第2コネクタ5の長さ方向X1を単に「長さ方向X1」という。また、第1コネクタ4および第2コネクタ5の長さ方向X1と直交する幅方向Y1を、単に「幅方向Y1」という。また、第1コネクタ4および第2コネクタ5の長さ方向X1および幅方向Y1の双方と直交する厚み方向Z1を、単に「厚み方向Z1」という。厚み方向Z1は、第1コネクタ4と第2コネクタ5とが互いに対向する対向方向でもある。
第1コネクタ4は、コンタクト13a,13bと、ハウジング14と、カバー15と、固定部材16a,16bと、を有している。
本実施形態では、第1コネクタ4は、2つのコンタクト13a,13bを有する2極の電気コネクタを構成している。これらのコンタクト13a,13bは、幅方向Y1に並んで配置されている。
各コンタクト13a,13bは、導電性を有する導電部材であり、対応する第1ケーブル3a,3bの舌片部12と、第2コネクタ5の対応するコンタクト73a,73b(詳細は後述)とに電気的に接続されるように構成されている。各コンタクト13a,13bは、たとえば、棒状の金属部材に鍛造加工および切削加工の少なくとも一方が形成された加工体(鍛造体、切削体)として設けられている。
本実施形態では、各コンタクト13a,13bは、単一の材料を用いて全体が一体に形成された一体成形品の先端にキャップ部材が取り付けられた構成を有している。各コンタクト13a,13bは、一端側の直径が他端側の直径よりも大きく設定されたピン状に形成されている。各コンタクト13a,13bは、所定の軸線方向L1に沿って真っ直ぐに延びている。本実施形態では、軸線方向L1は、厚み方向Z1に沿っている。
各コンタクト13a,13bは、頭部本体18および頭部端部19を含む頭部20と、頭部本体18に設けられた第1接触部21と、雄ピン部22と、雄ピン部22に設けられた第2接触部23と、を有している。
頭部20は、対応する第1ケーブル3a,3bにおける圧着端子8の舌片部12が固定される部分として設けられている。より具体的には、頭部本体18の外周面は、円筒面の一部を含む部分を長さ方向X1の両端部に有するとともに、これら一対の円筒面状部分を幅方向Y1と直交する一対の平坦面で繋いだ形状に形成されている。
換言すれば、頭部本体18は、厚み方向Z1から見て(図7に示す状態において)、小判形形状に形成されている。厚み方向Z1において、頭部本体18の全長は、頭部端部19の全長よりも長く設定されている。上記の構成により、各頭部20の頭部本体18のうち、幅方向Y1を向く一対の側面の一方が、第1接触部21(接触部)を形成している。
各コンタクト13a,13bの第1接触部21は、軸線方向L1と交差する交差方向C1(本実施形態では、軸線方向L1と直交する幅方向Y1)を向き、且つ、対応する第1ケーブル3a,3bの圧着端子8と接触するように構成されている。各コンタクト13a,13bの第1接触部21は、幅方向Y1における第1コネクタ4の外側を向いている。すなわち、コンタクト13aの第1接触部21と、コンタクト13bの第1接触部21とは、幅方向Y1に沿って反対向きに配置されている。
また、頭部本体18には、当該頭部本体18を幅方向Y1に貫通する貫通孔部が形成されている。この貫通孔部には、雌ねじ部18aが形成されている。そして、各コンタクト13a,13bの第1接触部21には、対応する第1ケーブル3a,3bの圧着端子8の舌片部12が面接触するように沿わされている。
さらに、雄ねじ部材を用いて形成された固定部材16a,16bの雄ねじ部が、対応するワッシャ25、および、対応する第1ケーブル3a,3bの舌片部12の貫通孔部12aを貫通し、さらに、対応するコンタクト13a,13bの雌ねじ部18a,18aにねじ結合している。
上記の構成により、各第1ケーブル3a,3bの圧着端子8の舌片部12は、対応する固定部材16a,16bによって対応するコンタクト13a,13bの第1接触部21に固定されているとともに当該コンタクト13a,13bに電気的に接続されている。すなわち、各固定部材16a,16bは、各コンタクト13a,13bを対応する圧着端子8に締結するねじ部材を構成している。各固定部材16a,16bの頭部は、幅方向Y1に沿って第1コネクタ4の外側を向いている。
上記の構成を有するコンタクト13a,13bの頭部本体18の一端に、頭部端部19が形成されている。頭部端部19は、頭部本体18から雄ピン部22に向かって延びる部分として設けられている。頭部端部19のうち、雄ピン部22に隣接する部分は、削り出し加工などによって、雄ピン部22側に進むに従い直径が小さくなるテーパ状に形成されている。頭部端部19のうち、軸線方向L1の中間部に、溝部24が形成されている。この溝部24は、頭部端部19の外周面に形成された環状の溝部であり、ハウジング14のうち当該溝部24に対向して形成された環状の凸部53fに嵌合している。これにより、コンタクト13a,13bは、ハウジング14に固定される。
各雄ピン部22は、第2コネクタ5の後述する雌ピン部82に嵌合することで第2コネクタ5のコンタクト73a,73bに電気的に接続される部分として設けられている。各雄ピン部22は、円柱状に形成されており、頭部端部19から軸線方向L1に沿って真っ直ぐに延びている。本実施形態では、雄ピン部22の全長は、頭部20の全長よりも長く設定されている。
本実施形態では、雄ピン部22の先端部は、半球状に形成されることで滑らかな形状に形成されたキャップ部材によって構成されおり、第2コネクタ5の雌ピン部82にスムーズに挿入されることが可能である。雄ピン部22の外周部は、第2コネクタ5の対応するコンタクト73a,73bに接触するための第2接触部23を有している。この第2接触部23は、雄ピン部22の一部であることにより、円筒状に形成されている。
上記の構成を有するコンタクト13a,13bは、ハウジング14に収容されている。
図3〜図10を参照して、ハウジング14は、合成樹脂等の絶縁材料を用いて形成されている。ハウジング14は、射出成形等によって、全体が単一の部材で一体に形成された、一体成形品である。ハウジング14は、コンタクト13a,13bを収容するともに、第1ケーブル3a,3bの一端部(圧着端子8と、被覆電線7の一端部と)を収容する部分として設けられている。また、ハウジング14は、固定部材16a,16bと、固定部材16a,16bのためのワッシャ25,25と、を収容する部分として設けられている。
ハウジング14は、第1周壁部31と、第2周壁部32と、フランジ部33と、第1接触部21を含むコンタクト13a,13bを収容するコンタクト収容部34と、カバー用の嵌合凹部35と、を有している。
第1周壁部31は、コンタクト収容部34の周囲を取り囲む部分として設けられている。また、第1周壁部31は、各第1ケーブル3a,3bの一端部を取り囲む部分として設けられている。第1周壁部31は、厚み方向Z1に沿って延びる中心軸線(図示せず)の回りに形成されている。フランジ部33から、第1周壁部31が厚み方向Z1に沿って延びている。
第1周壁部31は、厚み方向Z1の先端部31aがハウジング14の外部に開放されており、挿入用開口部36の一部を形成している。挿入用開口部36は、圧着端子8の長手方向(長さ方向X1)、および、軸線方向L1の少なくとも一方を向いて開放されている。本実施形態では、挿入用開口部36は、圧着端子8の長手方向、および、軸線方向L1の双方に向けて開放されている。換言すれば、挿入用開口部36は、軸線方向L1、および、軸線方向L1と直交する方向(本実施形態では、長さ方向X1)のそれぞれに向けて開放されている。この挿入用開口部36は、第1ケーブル3a,3bの圧着端子8など(第1ケーブル3のうちハウジング14内に収容される部分)を通過させるために設けられている。
第1周壁部31は、前壁37と、後壁38と、一対の側壁39,40と、を有している。
前壁37および後壁38は、長さ方向X1に離隔して配置されており、幅方向Y1と略平行に並んでいる。前壁37には、各第1ケーブル3a,3bが通過するための通し孔部41,41が形成されている。
通し孔部41,41は、前壁37の先端部側からフランジ部33側に向けて窪んだ形状に形成されており、対応する第1ケーブル3a,3bの被覆電線7が通過している。これにより、各第1ケーブル3a,3bは、対応する通し孔部41,41を通って、ハウジング14の外部からハウジング14の内部に延びている。各通し孔部41は、第1周壁部31の先端部31a側に開放されている。各通し孔部41は、第1周壁部31の先端部31aと協働して、挿入用開口部36を形成している。
後壁38は、第1周壁部31内の空間を長さ方向X1の一方側から閉じる壁部分として設けられている。そして、幅方向Y1における後壁38の一端部および前壁37の一端部は、一方の側壁39によって接続されており、また、幅方向Y1における後壁38の他端部および前壁37の他端部は、他方の側壁40によって接続されている。一対の側壁39,40は、幅方向Y1に離隔して配置されており、長さ方向X1に沿って略平行に並んでいる。
各側壁39,40は、工具用開口部42と、ロック片部43と、ガイド片44と、を有している。
各工具用開口部42は、幅方向Y1(交差方向C1)を向くように形成された開口部であり、各圧着端子8を対応するコンタクト13a,13bの第1接触部21に固定するための固定工具45(本実施形態では、プラスドライバー)を通過可能な開口部である。各工具用開口部42は、対応する側壁39,40のうち第1周壁部31の先端部31aに開放されており、当該先端部31aからフランジ部33側に向けて窪む形状に形成されている。本実施形態では、各工具用開口部42は、幅方向Y1から見て矩形状の開口を形成している。なお、各工具用開口部42は、対応する側壁39,40の先端部31aに開放されていなくてもよい。
各工具用開口部42は、前壁37および後壁38のうちの後壁38寄りに配置されている。また、各工具用開口部42は、対応する固定部材16a,16bを幅方向Y1に沿ってハウジング14の外部からハウジング14の内部に通過可能な大きさに形成されている。すなわち、幅方向Y1に見て、各工具用開口部42で形成された開口部の大きさは、対応する固定部材16a,16bの頭部を通過可能な大きさに形成されている。また、本実施形態では、各工具用開口部42は、厚み方向Z1に沿って対応する側壁39,40の先端部31aに開放されている。これにより、各固定部材16a,16bは、厚み方向Z1に沿って工具用開口部42を通過することも可能である。
また、本実施形態では、各工具用開口部42は、ハウジング14のうち幅方向Y1に並ぶ一対の側壁39,40に形成されている。そして、コンタクト13aの第1接触部21および一方の側壁39間に一方の固定部材16aの頭部が配置されている。また、コンタクト13bの第1接触部21および他方の側壁40間に他方の固定部材16bの頭部が配置されている。このような配置により、一対のコンタクト13a,13bの間に固定部材16a,16bの頭部が配置されてしまうことがない。その結果、コンタクト13a,13b間の実質的な沿面距離をより大きくできる。各工具用開口部42に隣接して、ロック片部43が設けられている。
ロック片部43は、各側壁39,40の外側面に形成された小片状部分であり、カバー15の後述するロック爪部58に結合するように構成されている。本実施形態では、各ロック片部43は、対応する工具用開口部42から、厚み方向Z1に沿って前壁37側に進んだ位置に配置されている。ロック片部43を長さ方向X1に挟むようにして、一対のガイド片44が設けられている。
一対のガイド片44は、各側壁39,40の外側面に形成された小片状部分であり、カバー15のロック爪部58を挟むように配置される。各一対のガイド片44は、ハウジング14へカバー15を装着する際のカバー15の変位方向(厚み方向Z1)に沿って延びる形状に形成されている。第1周壁部31内において、前壁37に隣接する箇所に、カバー用の嵌合凹部35が形成されている。
この嵌合凹部35は、カバー15の後述する嵌合凸部61に嵌合する部分として設けられている。この嵌合凹部35は、幅方向Y1における第1周壁部31の略中央において、四角筒状に形成されており、厚み方向Z1に沿って延びている。上記の構成を有する第1周壁部31の基端部に、フランジ部33が配置されている。
フランジ部33は、ハウジング14のうち固定板2に固定される部分として形成されている。フランジ部33は、第1周壁部31の基端部および第2周壁部32の基端部から厚み方向Z1と直交する方向に延びる板状部分である。本実施形態では、フランジ部33は、略六角形形状の外周部を有している。固定板2の挿入孔部2aには、ハウジング14の第1周壁部31が挿入されている。また、フランジ部33の一側面が、固定板2の一側面に沿わされている。そして、フランジ部33のうち、固定板2の各雌ねじ部2bと対向する箇所に、それぞれ、挿入孔部33aが形成されている。
そして、フランジ部33と固定板2とを固定するためのねじ部材である固定部材46,46が、対応するワッシャ47,47、および、対応する挿入孔部33a,33aを貫通するとともに、固定板2の対応する雌ねじ部2b,2bにねじ結合されている。これにより、フランジ部33は、固定板2に固定されている。フランジ部33から第1周壁部31が延びる方向とは反対の方向に沿って、フランジ部33から第2周壁部32が延びている。
第2周壁部32は、コンタクト収容部34の周囲を取り囲む部分として設けられている。第2周壁部32は、厚み方向Z1に沿って延びる軸線(図示せず)の回りに形成されている。厚み方向Z1から見て、第2周壁部32は、略矩形状の外形形状を有している。また、第2周壁部32は、第1周壁部31の前壁37および後壁38のうちの後壁38寄りに配置されている。
第2周壁部32は、厚み方向Z1の一方側端部(フランジ部33から遠い側の端部)がハウジング14の外部に開放されており、接続用開口部48を形成している。接続用開口部48は、第2コネクタ5の一部が挿入される開口部である。
上記の構成を有する第1周壁部31および第2周壁部32に囲まれるようにして、コンタクト収容部34が配置されている。コンタクト収容部34は、コンタクト13a,13bを収容する部分として設けられている。本実施形態では、コンタクト収容部34は、第1周壁部31の前壁37および後壁38のうちの後壁38寄りに配置されている。コンタクト収容部34は、厚み方向Z1に沿ってハウジング14を貫通するように形成されている。
コンタクト収容部34は、コンタクト13a,13bの各頭部20を収容する第1ブロック部51と、コンタクト13a,13bの各雄ピン部22を収容する第2ブロック部52と、を有している。
第1ブロック部51の大部分は、第1周壁部31に取り囲まれている。また、第1ブロック部51の残りの一部は、第2周壁部32に取り囲まれている。第1ブロック部51は、幅方向Y1における、第1周壁部31の一対の側壁39,40間の略中央に配置されている。
第1ブロック部51は、頭部収容部53a,53bを有している。
各頭部収容部53a,53bは、対応するコンタクト13a,13bの頭部20を収容するように構成されている。頭部収容部53a,53bは、幅方向Y1に並ぶように一対配置されており、対応するコンタクト13a,13bの頭部20が、厚み方向Z1に沿って第1周壁部31の先端部31a側から挿入されるように構成されている。各頭部収容部53a,53bは、対応するコンタクト13の頭部20の形状に対応する形状に形成されている。
より具体的には、各頭部収容部53a,53bは、平面視(厚み方向Z1から見た状態)において、頭部本体18の平面視における形状に対応する形状に形成されている。本実施形態では、各頭部収容部53a,53bは、平面視(図7に示す状態)において、長さ方向X1の両端部が略半円形状に形成され、且つ、幅方向Y1の両端部が、長さ方向X1に沿って延びる直線状に形成されている。
厚み方向Z1における各頭部収容部53a,53bの全長は、対応するコンタクト13a,13bの頭部20の全長と略同じに形成されている。そして、各頭部収容部53a,53bの中間部には、前述したように、溝部24に嵌合する凸部53fが形成されている。また、各頭部収容部53a,53bの底面には、雄ピン部22が通される貫通孔部53cが形成されている。また、各頭部収容部53a,53bの底面は、対応するコンタクト13a,13bの頭部端部19を受けることが可能な受け部53dを含んでいる。各コンタクト13a,13bの頭部20は、対応する頭部収容部53a,53bに収容されることで、第1周壁部31からは厚み方向Z1に突出しないように、ハウジング14に収容される。
各頭部収容部53a,53bは、厚み方向Z1に沿って第1周壁部31の先端部31a側に開放されている。また、各頭部収容部53a,53bは、幅方向Y1のうち一対の頭部収容部53a,53bが向かい合う箇所とは反対側の箇所において、固定用開口部53eを有している。固定用開口部53eは、各コンタクト13a,13bと対応する第1ケーブル3a,3bの圧着端子8とを互いに固定するために設けられた開口部である。固定用開口部53eは、対応するコンタクト13a,13bを、幅方向Y1におけるハウジング14の外側に露呈させるように形成されている。
本実施形態では、各固定用開口部53eは、厚み方向Z1に延びる筋状に形成されており、対応するコンタクト13a,13bの第1接触部21を幅方向Y1における第1ブロック部51の外側に露呈させている。また、各固定用開口部53eは、対応する工具用開口部42と幅方向Y1に並んでいる。これにより、カバー15がハウジング14に装着されていない状態において、各固定用開口部53eは、対応する工具用開口部42を通してハウジング14の外部から視認されることが可能である。
上記の構成を有する第1ブロック部51と厚み方向Z1に並ぶようにして、第2ブロック部52が設けられている。第2ブロック部52の大部分は、第2周壁部32に取り囲まれている。また、第2ブロック部52の残りの一部は、第1周壁部31に取り囲まれている。
第2ブロック部52の外周部は、長さ方向X1に非対称な形状に形成されている。具体的には、第2ブロック部52の外周部のうち、長さ方向X1の一方側部分には凸部が形成され、また、長さ方向X1の他方側部分には凹部が形成されている。また、第2ブロック部52は、長さ方向X1において、第2周壁部32の一端部寄りに配置されている。これにより、第1コネクタ4と第2コネクタ5との嵌合の向きを間違えた状態で第1コネクタ4と第2コネクタ5が結合されることを防止できる。第2ブロック部52の先端部は、第2周壁部32の先端部から突出している。
第2ブロック部52は、ピン収容部54a,54bを有している。
各ピン収容部54a,54bは、対応するコンタクト13a,13bの雄ピン部22を収容する部分として設けられている。各ピン収容部54a,54bは、対応する雄ピン部22を収容している。各ピン収容部54a,54bは、略円柱状の空間を形成している。各ピン収容部54a,54bは、第1ブロック部51の対応する貫通孔部53cと同軸に連続している。
上記の構成を有するハウジング14に、カバー15が装着されている。
図1〜図3を参照して、カバー15は、挿入用開口部36を塞ぐための第1カバーとして設けられている。カバー15は、合成樹脂等の絶縁材料を用いて形成されている。ハウジング14は、射出成形等によって、全体が単一の部材で一体に形成された、一体成形品である。カバー15は、ハウジング14の第1周壁部31で取り囲まれた空間を覆うために設けられている。このカバー15によって、大電流が流れるコンタクト13a,13bに作業員の体および塵芥などが接触することを抑制されている。
カバー15は、天壁55と、一対の側壁56,56と、一対のロック爪部58,58と、端壁60と、嵌合凸部61と、を有している。
天壁55は、略矩形の平板状に形成されており、第1周壁部31の先端部31aを覆っている。幅方向Y1における天壁55の両端部から一対の側壁56,56が延びている。一対の側壁56,56は、第1周壁部31の一対の側壁39,40に沿わされる壁部であり、幅方向Y1と略直交して延びている。一対の側壁56,56は、対応する工具用開口部42を塞いでいる。これにより、カバー15がハウジング14に装着された状態において、各工具用開口部42は、対応する側壁56によって塞がれる。一対の側壁56,56に隣接して、一対のロック爪部58,58が設けられている。
一対のロック爪部58,58は、カバー15をハウジング14にロックするために設けられている。各ロック爪部58は、天壁55から厚み方向Z1に沿って延びるU字状に形成されている。各ロック爪部58は、ハウジング14の対応する一対のガイド片44,44に挟まれるようにして、ハウジング14に沿わされている。また、各ロック爪部58の先端部が、ハウジング14の対応するロック片部43に受けられている。
カバー15の端壁60は、第1周壁部31の後壁38の内側面に沿うように配置される壁部として設けられている。端壁60は、天壁55から長さ方向X1と直交する方向に延びている。端壁60とは長さ方向X1に離隔した箇所に、嵌合凸部61が配置されている。嵌合凸部61は、天壁55から嵌合凹部35側に向けて突出する、たとえば四角筒状の部材である。嵌合凸部61は、ハウジング14の嵌合凹部35に嵌合するように配置されている。カバー15は、ハウジング14の通し孔部41,41は塞がないように形成されている。これにより、カバー15は、圧着端子8に接続される可撓部材であって軸線方向L1と直交する長さ方向X1に延びる導電性の可撓部材としての、被覆電線7の電線10をハウジング14の内側から外側へ通過させることを許容しつつ、挿入用開口部36を塞いでいる。
以上が、第1ケーブル3a,3bおよび第1コネクタ4の概略構成である。次に、第2ケーブル6a,6bおよび第2コネクタ5の概略構成を説明する。なお、第2ケーブル6a,6bおよび第2コネクタ5は、それぞれ、対応する第1ケーブル3a,3bおよび第1コネクタ4と概ね同様の構成を有している。したがって、第2ケーブル6a,6bおよび第2コネクタ5については、詳細な説明を一部省略している。
図1、図2、図5および図11を参照して、各第2ケーブル6a,6bは、被覆電線67と、この被覆電線67の一端に固定された圧着端子68と、を有している。
被覆電線67は、絶縁材料で形成された筒状の被覆部69と、この被覆部69によって被覆された電線70と、を有している。電線70の一端部は、被覆部69の一端から露出している。この電線70の一端部に、圧着端子68が固定されている。圧着端子68は、圧着端子8と同様の構成を有する部材である。
圧着端子68は、かしめ部71と、このかしめ部71から延びる舌片部72と、を有している。かしめ部71に電線70の一端部がかしめ固定されている。上記の構成を有する第2ケーブル6a,6bの舌片部72は、第2コネクタ5のコンタクト73a,73bに固定される。
第2コネクタ5は、当該第2コネクタ5の幅方向Y1に対称な形状に形成されている。
第2コネクタ5は、コンタクト73a,73bと、ハウジング74と、カバー75と、固定部材76a,76bと、を有している。
本実施形態では、第2コネクタ5は、2つのコンタクト73a,73bを有する2極の電気コネクタを構成している。これらのコンタクト73a,73bは、幅方向Y1に並んで配置されている。
各コンタクト73a,73bは、導電性を有する導電部材であり、対応する第2ケーブル6a,6bの舌片部72と、第1コネクタ4の対応するコンタクト13a,13bとに電気的に接続可能に構成されている。各コンタクト73a,73bは、ピン状に形成されている。各コンタクト73a,73bは、所定の軸線方向L1に沿って真っ直ぐに延びている。
各コンタクト73a,73bは、頭部80と、雌ピン部82と、を有している。
頭部80は、対応する第2ケーブル6a,6bの圧着端子68の舌片部72が固定される部分として設けられている。頭部80のうち、第2コネクタ5における幅方向Y1の外側を向く側面が平坦面に形成されている。
各コンタクト73a,73bの頭部80が、対応する圧着端子68と接触するように構成されている。また、頭部80には、頭部80を幅方向Y1に貫通する貫通孔部が形成されており、この貫通孔部に雌ねじ部が形成されている。そして、各コンタクト73a,73bの頭部80には、対応する圧着端子68の舌片部72が面接触するように沿わされている。この状態で、雄ねじ部材を用いて形成された固定部材76a,76bの雄ねじ部が、対応するワッシャ85、および、対応する舌片部72を貫通し、さらに、対応するコンタクト73a,73bの雌ねじ部にねじ結合している。
上記の構成により、各圧着端子68の舌片部72は、対応する固定部材76a,76bによって対応するコンタクト73a,73bに固定されているとともに当該コンタクト73a,73bに電気的に接続されている。頭部80から、雌ピン部82が軸線方向L1に延びている。
雌ピン部82は、第1コネクタ4の対応するコンタクト13a,13bの雄ピン部22に嵌合することで、これらのコンタクト13a,13bに電気的に接続される部分として設けられている。雌ピン部82は、円筒状に形成されている。
雌ピン部82に、対応するコンタクト13a,13bの雄ピン部22が挿入されている。雌ピン部82のうち、雄ピン部22を取り囲む箇所には、コンタクト部材82aが設けられている。コンタクト部材82aは、一対の円筒部が両端に配置されるとともに、一対の円筒部を繋ぐ細長い帯状部が、円筒部の周方向に沿って複数配置されている。各帯状部において、中間部は、両端部と比べて円筒部の径方向内側に位置しており、対応するコンタクト73a,73bの外周面に接触している。上記の構成により、雌ピン部82は、多接点コンタクトを形成している。これにより、各コンタクト73a,73bは、対応するコンタクト13a,13bの雄ピン部22の第2接触部23と接触する。これにより、各コンタクト13a,13bと対応するコンタクト73a,73bとが電気的に接続される。上記の構成を有するコンタクト73a,73bは、ハウジング74に収容されている。
ハウジング74は、合成樹脂等の絶縁材料を用いて形成されている。ハウジング74は、射出成形等によって、全体が単一の部材で一体に形成された、一体成形品である。ハウジング74は、コンタクト73a,73bを収容するともに、第2ケーブル6a,6bの一端部(圧着端子68と、被覆電線67の一端部)を収容する部分として設けられている。また、ハウジング74は、固定部材76a,76bと、ワッシャ85,85と、を収容する部分として設けられている。
ハウジング14は、第1周壁部91と、第2周壁部92と、コンタクト収容部93と、を有している。
第1周壁部91は、コンタクト収容部93の周囲を取り囲む部分として設けられている。また、第1周壁部91は、各第2ケーブル6a,6bの上記一端部を取り囲む部分として設けられている。第1周壁部91は、厚み方向Z1に沿って延びる中心軸線(図示せず)の回りに形成されている。
第1周壁部91のうち、長さ方向X1の一方側の側壁には、各第2ケーブル6a,6bを通過させるための通し孔部が形成されている。これにより、各第2ケーブル6a,6bは、ハウジング74の外部から長さ方向X1に沿ってハウジング74の内部に延びている。上記の構成を有する第1周壁部91から、第2周壁部92が延びている。
第2周壁部92は、コンタクト収容部93の周囲を取り囲む部分として設けられている。また、第2周壁部32は、第1コネクタ4の第2周壁部32と第2ブロック部52との間に挿入される部分として設けられている。第2周壁部92は、厚み方向Z1に沿って延びる軸線(図示せず)の回りに形成されている。第2周壁部92の外周部の形状は、第1コネクタ4の第2周壁部32の内周部の形状に沿う形状に形成されている。また、第2周壁部92の内周部の形状は、第1コネクタ4の第2ブロック部52の外周部の形状に沿う形状に形成されている。
上記の構成を有する第1周壁部91および第2周壁部92に囲まれるようにして、コンタクト収容部93が配置されている。コンタクト収容部93は、コンタクト73a,73bを収容する部分として設けられている。コンタクト収容部93には、厚み方向Z1に沿ってハウジング74を貫通する一対の貫通孔部である一対の収容孔部113,113が形成されている。この収容孔部113,13は、第1周壁部91および第2周壁部92のそれぞれに取り囲まれるように厚み方向Z1に沿って延びている。収容孔部113,113に、対応するコンタクト73a,73bが収容されている。
各収容孔部113,113のうち、第1周壁部91に取り囲まれた箇所において、幅方向Y1のうち一対の収容孔部113,113の相対向する箇所とは反対側の箇所において、固定用開口部114が形成されている。各固定用開口部114は、各コンタクト73a,73bと対応する第2ケーブル6a,6bの圧着端子68とを互いに固定するために設けられた開口部である。各固定用開口部114,114は、対応するコンタクト73a,73bを、幅方向Y1におけるハウジング14の外側に露呈させるように形成されている。本実施形態では、各固定用開口部114,114は、厚み方向Z1に延びる筋状に形成されている。
コンタクト収容部93のうち、第2周壁部92に取り囲まれている部分の外周部は、第1コネクタ4の第2ブロック部52の内周部の形状に沿う形状に形成されており、当該内周部に嵌合される。上記の構成を有するハウジング74に、カバー75が装着されている。
カバー75は、合成樹脂等の絶縁材料を用いて形成されている。カバー75は、射出成形等によって、全体が単一の部材で一体に形成された、一体成形品である。カバー75は、ハウジング74の第1周壁部91で取り囲まれた空間を覆うために設けられている。このカバー75によって、大電流が流れるコンタクト73a,73bに作業員の体および塵芥などが接触することを抑制されている。カバー75は、第1コネクタ4のカバー15と同様の構成を有しており、ハウジング74の第1周壁部31に対して着脱可能に構成されている。
以上説明したように、本実施形態によると、各コンタクト13a,13bは、所定の軸線方向L1に沿って延びている。これにより、各コンタクト13a,13bの幅(厚み方向Z1と交差する方向の長さ)を小さくできる。また、各コンタクト13a,13bの第1接触部21は、軸線方向L1と交差する交差方向C1を向いている。このため、各コンタクト13a,13bに対応する圧着端子8が固定された状態において、各圧着端子8が対応するコンタクト13a,13bから軸線方向L1に突出する量を少なくできる。よって、コンタクト13a,13bと各圧着端子8の全体としての全長をより短くできる。さらに、ハウジング14には、圧着端子8を第1接触部21に固定するための固定工具45を通過可能な工具用開口部42,42が交差方向C1を向くように形成されている。これにより、固定工具45が軸線方向L1に長く延びた状態で当該固定工具45による固定作業を行う必要がなく、第1コネクタ4の取付に必要な空間をより薄くできる。以上の次第で、圧着端子8に固定されるコンタクト13a,13bを有する第1コネクタ4において、より小型化を実現するとともに、第1コネクタ4の取付に必要な空間をより薄くすることができる。
また、本実施形態によると、圧着端子8の舌片部12の幅(厚み方向Z1の長さ)は、被覆電線7の外径よりも大きく設定されている。この構成によると、被覆電線7の外径(電線10の許容電流の大きさ)にかかわらず、第1コネクタ4の大きさを一定にできる。これにより、第1コネクタ4の汎用性をより高くできる。なお、圧着端子8の舌片部12の幅は、被覆電線7の外径よりも小さくてもよい。また、被覆電線7の外径と許容電流とは、必ずしも比例関係になくてもよい。
また、本実施形態によると、コンタクト13a,13bの第1接触部21および第2接触部23は、単一部品で形成されている。よって、第1コネクタ4の部品点数をより少なくできる。また、各コンタクト13a,13bを直線状に形成できるので、各コンタクト13a,13bの形成時に、各コンタクト13a,13bの母材に曲げ加工などを行わなくてもよい。この場合、コンタクト13a,13bの加工工程の低減を通じて、第1コネクタ4の製造の手間をより少なくできる。
また、本実施形態によると、各固定部材16a,16bは、ハウジング14の対応する工具用開口部42,42を通過可能に構成されている。この構成によると、固定部材16a,16bを用いることで、各圧着端子8,8と対応するコンタクト13a,13bとの結合強度をより高くできる。また、工具用開口部42を通して、各固定部材16a,16bを対応する圧着端子8,8と対応する第1接触部21,21との固定箇所に到達させることができる。これにより、たとえば、各第1接触部21に対応する圧着端子8を沿わせた後に、固定部材16a,16bを用いてこれらの圧着端子8および第1接触部21を固定する作業を行うことができる。また、固定部材16a,16bをハウジング14内に挿入するための専用の開口部を設ける必要が無い。よって、ハウジング14の更なる小型化を実現できる。
また、本実施形態によると、各固定部材16a,16bは、コンタクト13a,13bを対応する圧着端子8,8に締結するねじ部材である。この構成によると、ねじ部材を対応するコンタクト13a,13bの雌ねじ部18aにねじ結合するという簡易な作業で、各圧着端子8を対応するコンタクト13a,13bに固定することができる。また、各固定部材16a,16bは、対応するコンタクト13a,13bの軸線方向L1とは直交する方向に延びることとなる。このため、各コンタクト13a,13bに、軸線方向L1に沿って延びる長い雌ねじ孔を形成する必要が無い。よって、コンタクト13a,13bの全長をより短くできる。これにより、第1コネクタ4の更なる小型化を実現できる。
また、本実施形態によると、ハウジング14は、圧着端子8(第1ケーブル3a,3b)の長手方向である長さ方向X1、および、軸線方向L1の双方を向いて開放され圧着端子8,8を通過させることが可能な挿入用開口部36を有している。この構成によると、挿入用開口部36を通して、各第1ケーブル3a,3bの圧着端子8をハウジング14内に容易に挿入することが可能である。
また、本実施形態によると、ハウジング14の挿入用開口部36を塞ぐためのカバー15は、圧着端子8に接続される被覆電線7であって長さ方向X1に延びる被覆電線7をハウジング14の内側から外側へ通過させることを許容しつつ挿入用開口部36を塞いでいる。この構成によると、被覆電線7がハウジング14から軸線方向L1と直交する長さ方向X1に延びるレイアウトにおいて、カバー15を用いてハウジング14の挿入用開口部36を塞ぐことができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は上記実施形態に限られず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。たとえば、次のように変更して実施してもよい。尚、以下では、上記実施形態と異なる構成を主に説明し、上記実施形態と同様の構成については、図に同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
(1)上述の実施形態では、コンタクト13a,13bに形成された雌ねじ部18a,18aに対応する固定部材16a,16bが形成される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、図12に示すように、圧着端子8,8を対応するコンタクト13a,13bに固定するためのナット118,118が用いられてもよい。この場合、コンタクト13a,13bのうち、対応する固定部材16a,16bのねじ軸が挿入される孔部は、当該固定部材16a,16bとはねじ結合されない。代わりに、各固定部材16a,16bは、対応するナット118,118にねじ結合される。これにより、固定部材16a,16bと対応するナット118,118との協働によって、各圧着端子8,8が対応するコンタクト13a,13bの第1接触部21,21に締結される。ナット118,118は、第1ブロック部51に形成されるナット収容部119,119に収容される。ナット収容部119,119は、第1ブロック部51のうち、頭部収容部53a,53bの間に配置される。ナット収容部119,119の間には、仕切板120が配置されている。
(2)また、図13に示すように、1つの固定部材16Aおよび1つのナット118で各コンタクト13a,13bに対応する圧着端子8,8を固定してもよい。この場合、固定部材16Aが、合成樹脂などの絶縁材料で形成されることで、コンタクト13a,13bでのショートを防止できる。この場合において、固定部材16Aのねじ軸は、2つのコンタクト13a,13bの頭部20に形成された貫通孔部の双方を貫通している。そして、固定部材16Aの頭部は、一方のコンタクト13aの第1接触部21にワッシャ25および圧着端子8を介して受けられる。また、ナット118は、他方のコンタクト13bの第1接触部21にワッシャ25および圧着端子8を介して受けられる。
(3)また、上記の実施形態では、固定部材16a,16bを用いて各コンタクト13a,13bと対応する圧着端子8,8とを固定する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、図14に示すように、固定部材16a,16bを用いることなく、たとえば、溶接などを用いた接着により、各第1ケーブル3a,3bの対応する圧着端子8A,8Aと対応するコンタクト13a,13bとを互いに固定してもよい。この場合、たとえば、スポット溶接用の棒状の固定工具45Aは、対応する工具用開口部42を通って対応する圧着端子8Aに通される。そして、この固定工具45Aを用いて、各圧着端子8Aが対応するコンタクト13a,13bにたとえばスポット溶接によって固定される。
(4)また、上記の実施形態では、コンタクト13a,13bは、切削加工によって形成される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、金属板がプレス加工されることでコンタクトが形成されてもよい。
(5)また、各コネクタ4,5の極数は、1でもよいし、3以上でもよい。
(6)また、上記の実施形態および変形例では、第1コネクタ4にカバー15が用いられる形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、本発明の更に別の変形例の主要部を分解して示す斜視図である図15を参照して、カバー15に代えて、挿入用開口部36を塞ぐための第2カバー121が用いられてもよい。
図16は、図15に示す第2カバー121を含む第1コネクタ4Bの分解斜視図である。図17(a)および図17(b)は、それぞれ、第1コネクタ4Bの斜視図であり、ハウジング14に第2カバー121が取り付けられた状態を示している。図18は、第1ケーブル3a,3bが接続された第1コネクタ4Bの平面図である。
図15〜図18を参照して、本実施形態では、第1ケーブル3a,3bは、それぞれ、ハウジング14の挿入用開口部36から軸線方向L1に沿って延びている。より具体的には、第1ケーブル3a,3bの圧着端子8,8は、対応するコンタクト13a,13bの第1接触部21に、対応する固定部材16a,16bを用いて固定されている。そして、被覆電線7は、ハウジング14および第2カバー121に取り囲まれている箇所において、軸線方向L1に沿って延びている。
そして、第2カバー121は、圧着端子8(相手側導電部材)に接続されるとともに軸線方向L1に沿って延びる可撓部材である被覆電線7(導電性の電線10)を、ハウジング14の内側から外側へ通過させることを許容しつつ、挿入用開口部36を塞ぐように構成されている。
第2カバー121は、ハウジング14に対して着脱可能に構成されている。第2カバー121は、合成樹脂等の絶縁材料を用いて形成されている。第2カバー121は、ハウジング14の挿入用開口部36(第1周壁部31で取り囲まれた空間)を塞ぐために設けられている。この第2カバー121によって、大電流が流れるコンタクト13a,13bに作業員の体および塵芥などが接触することを抑制されている。
第2カバー121は、第1分割体122および第2分割体123が互いに分離可能に組み合わされることで形成されている。第1分割体122および第2分割体123は、それぞれ、射出成形などによって形成された一体成形品である。第1分割体122および第2分割体123は、軸線方向L1と直交する方向(本実施形態では、長さ方向X1)に向かい合って配置されている。
第1分割体122および第2分割体123は、それぞれ、ブロック状に形成されている。そして、第2カバー121全体としても、ブロック状に形成されている。
第2カバー121は、ハウジング4の第1周壁部31を取り囲む基端側部124と、基端側部124に連続する先端側部125と、を有している。基端側部124は、略四角柱状に形成されている。先端側部125は、先細り形状に形成されており、ハウジング14から軸線方向L1に沿って遠ざかるに従い、軸線方向L1と直交する断面における外形形状が小さくされている。
第1分割体122と第2分割体123とを互いに固定するための構成として、位置決め部126と、固定機構127と、が設けられている。
位置決め部126は、第2カバー121の先端側部125に配置された、第1分割体122と第2分割体123とを位置合わせするための部分である。位置決め部126は、第1分割体122に形成された嵌合凸部128と、第2分割体123に形成された嵌合凹部129と、を有している。嵌合凸部128および嵌合凹部129は、それぞれ、第1分割体122と第2分割体123とが互いに対向する対向部131,132に形成されている。
嵌合凸部128は、対向部131から突出する突起状に形成されており、本実施形態では、四角柱状に形成されている。嵌合凹部129は、対向部132に形成された窪み部分であり、嵌合凸部128の形状に対応する形状(本実施形態では、四角柱状の窪み)に形成されている。嵌合凸部128と嵌合凹部129とが嵌まることで、先端側部125における第1分割体122と第2分割体123との互いの位置が規定される。
固定機構127は、第1分割体122に設けられた一対のロック片部133a,133bと、第2分割体123に設けられた一対のロック受け部134a,134bと、を有している。一対のロック片部133a,133bは、本実施形態では、幅方向Y1に離隔して配置されている。各ロック片部133a,133bは、長さ方向X1に沿って第2分割体123側に向けて延びる片持ち状のアーム部分であり、可撓性を有している。各ロック片部133a,133bの先端部には、爪部が形成されている。一方、一対のロック受け部134a,134bは、対応するロック片部133a,133bの先端部が結合される箇所に配置されている。本実施形態では、一対のロック受け部134a,134bは、幅方向Y1に離隔して配置されている。
各ロック受け部134a,134bは、長さ方向X1における第2分割体123の一端に形成されており、対応するロック片部133a,133bの先端部を挿入可能である。そして、ハウジング14の第1周壁部31を挟むようにして第1分割体122と第2分割体123とが向かい合わされた後、各ロック受け部134a,134bに、対応するロック片部133a,133bの先端の爪部が係合することで、第1分割体122と第2分割体123とが互いに固定される。また、各ロック受け部134a,134bは、第2分割体123に形成された開放孔部137a,137bを通して第2分割体123の外部に露呈している。これにより、作業員が細長い工具などで各ロック片部133a,133bの爪部を対応するロック受け部134a,134bの縁部から外すことができる。これにより、第1分割体122と第2分割体123とを互いに分離することができる。なお、第1分割体122と第2分割体123とは、互いに結合されていればよく、上記の結合態様に限定されない。
第2カバー121は、前述したように、ハウジング14に隣接する基端側部124と、基端側部124に連続する先端側部125と、を有している。
基端側部124は、ハウジング14の第1周壁部31を覆うとともにこの第1周壁部31に結合される部分として設けられている。
基端側部124は、周壁部135と、天壁部136と、を有している。
周壁部135は、ハウジング14の第1周壁部31を取り囲む部分として設けられている。周壁部135は、幅方向Y1に向かい合う一対の側壁としての第1側壁141および第2側壁142と、長さ方向X1に向かい合う一対の側壁としての第3側壁143および第4側壁144と、を含んでいる。
第1側壁141は、第1分割体122に形成された一方の壁部145aおよび一方のロック片部133aと、第2分割体123に形成された他方の壁部146aと、を含んでいる。
一方の壁部145aおよび一方のロック片部133aは、第1周壁部31の側壁39の外側面に隣接する部分である。一方の壁部145aは、第2カバー121の基端部に配置されており、長さ方向X1に延びている。一方の壁部145aには、第2分割体123と向かい合う箇所に切欠部147aが形成されており、この切欠部147aに、一方のロック片部133aが配置されている。このように、一方のロック片部133aは、第1側壁141の一部も兼ねている。
他方の壁部146aは、一方の壁部145aおよび一方のロック片部133aと協働して、ハウジング14の第1周壁部31の側壁39の外側面の先端側部分を覆うように構成されている。他方の壁部146aは、一方の壁部145aと長さ方向X1に向かい合って配置されており、互いに突き合わされている。一方のロック片部133aは、一方の壁部145aの内側面に沿わされるように延びており、他方の壁部146aの内側面に設けられた、前述の一方のロック受け部134aに結合されている。上記の構成を有する第1側壁141とは幅方向Y1に対称に、第2側壁142が設けられている。
第2側壁142は、第1分割体122に形成された一方の壁部145bおよび他方のロック片部133bと、第2分割体123に形成された他方の壁部146bと、を含んでいる。
一方の壁部145bおよび他方のロック片部133bは、第1周壁部31の側壁40の外側面に隣接する部分である。一方の壁部145bは、第2カバー121の基端部に配置されており、長さ方向X1に延びている。一方の壁部145bには、第2分割体123と向かい合う箇所に切欠部147bが形成されており、この切欠部147bに、他方のロック片部133bが配置されている。このように、他方のロック片部133bは、第2側壁142の一部も兼ねている。
他方の壁部146bは、一方の壁部145bおよび他方のロック片部133bと協働して、ハウジング14の第1周壁部31の側壁40の外側面の先端側部分を覆うように構成されている。他方の壁部146bは、一方の壁部145bと長さ方向X1に向かい合って配置されており、互いに突き合わされている。他方のロック片部133bは、他方の壁部146bの内側面に沿わされるように延びており、他方の壁部146bの内側面に設けられた、前述の他方のロック受け部134bに結合されている。
第1側壁141および第2側壁142には、さらに、ハウジング14からの抜けを規制する抜け止め部148が設けられている。抜け止め部148は、第1側壁141のうち第2カバー121の基端部に形成された第1受け部151と、第2側壁142のうち第2カバー121の基端部に形成された第2受け部152と、を有している。第1受け部151は、第1側壁141の一方の壁部145aおよび他方の壁部146aに形成され長さ方向X1に延びる突起状部分であり、第1側壁141の内側面に形成されている。また、第2受け部152は、第2側壁142の一方の壁部145bおよび他方の壁部146bに形成され長さ方向X1に延びる突起状部分であり、第2側壁142の内側面に形成されている。
そして、第1受け部151は、ハウジング14の第1周壁部31の側壁39の外側面に形成されたガイド片44,44に受けられるように配置される。同様に、第2受け部152は、ハウジング14の第1周壁部31の側壁40の外側面に形成されたガイド片44,44に受けられるように配置される。これにより、第2カバー121がハウジング14から抜けるように荷重を受けたときに、第1受け部151と第2受け部152は、対応するガイド44,44に引っ掛かる。その結果、第2カバー121は、ハウジング14から抜けることを防止される。
第3側壁143は、第1分割体122に形成されており、第1側壁141の一端部と第2側壁142の一端部とを接続している。第3側壁143は、ハウジング14の第1周壁部31の前壁37をこの前壁37の外側面側から覆うように配置されている。第3側壁143は、第1周壁部31に形成され各第1ケーブル3a,3bが通過するための通し孔部41,41を覆っており、これらの通し孔部41,41がハウジング14の外部からは視認できないようにしている。
本実施形態では、第3側壁143には、第2カバー121の基端部に向けて開放された、筋状の切欠部150が形成されている。この切欠部150は、前壁37の外側面に形成された筋状の突起部156に嵌合している。これにより、ハウジング14に対する第2カバー121の、より正確な位置決めが実現されている。
第4側壁144は、第2分割体123に形成されており、第1側壁141の他端部と第2側壁142の他端部とを接続している。第4側壁144は、ハウジング14の第1周壁部31の後壁38をこの後壁38の外側面側から覆うように配置されている。また、第4側壁144には、第2カバー121の先端部に形成されたリブよけ部153が形成されている。リブよけ部153は、ハウジング14の後壁38の外側面に形成された補強リブ154との接触を回避する形状に形成されている。上記の構成を有する周壁部135に対して第2カバー121の先端側に、天壁部136が隣接している。
天壁部136は、挿入用開口部36を軸線方向L1の一方側から覆う部分として設けられている。天壁部136は、第1分割体122および第2分割体123に形成されており、本実施形態では、厚み方向Z1と略直交する平面状に形成されている。天壁部136は、第2カバー121の先端側部125に隣接している。
第2カバー121の先端側部125には、通し孔部155a,155bが形成されている。通し孔部155a,155bは、圧着端子8,8から軸線方向L1に沿って延びる被覆電線7,7が第2カバー121の内側から外側へ延びるために設けられている。通し孔部155a,155bは、嵌合凸部128および嵌合凹部129を挟むように配置されており、本実施形態では、幅方向Y1に対称に配置されている。
各通し孔部155a,155bは、第1分割体122に形成された断面半円状の部分と、第2分割体123に形成された断面半円状の部分とが互いに組み合わされることで円筒状の空間を形成している。そして、この円筒状の空間に、対応する被覆電線7,7が通されている。各通し孔部155a,155bの直径は、各被覆電線7,7の直径以上に設定されている。
上記の構成により、ハウジング14の第1周壁部31の外周部は、第1〜第4側壁141〜144によって取り囲まれている。また、第1周壁部31の先端部は、天壁部136(天壁部136および先端側部125)によって覆われている。これにより、第2カバー121は、挿入用開口部36を覆っている。
この変形例によると、ハウジング14の挿入用開口部36を塞ぐための第2カバー121は、圧着端子8に接続されるとともに軸線方向L1に沿って延びる被覆電線7をハウジング14の内側から外側へ通過させることを許容しつつ挿入用開口部36を塞いでいる。この構成によると、被覆電線7がハウジング14から軸線方向L1に沿って延びるレイアウトにおいて、第2カバー121を用いてハウジング14の挿入用開口部36を塞ぐことができる。
なお、上記の実施形態および変形例では、カバー15および第2カバー121の何れか一方が設けられる形態を説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、接続装置1において、カバー15と第2カバー121の双方が設けられ、これらのカバー15,121が択一的に用いられてもよい。このような構成であれば、挿入用開口部36から延びる被覆電線7の向きが複数設定され得る場合において、1つのハウジング14で対応することができる。これにより、ハウジング14の汎用性をより高くできる。