JP2017110930A - 放射性物質分離装置 - Google Patents

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敏之 長野
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守良 設樂
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Sadaharu Terada
貞治 寺田
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養市 川又
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宣宏 鈴木
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Abstract

【課題】放射性物質を含む汚泥を処理する放射性物質分離装置を提供する。
【解決手段】放射性物質を含む汚泥からスラリーを生成する反応部30と、スラリーを脱水して脱水ケーキを生成する脱水部40と、脱水ケーキを生成するときに発生する濾水から浮遊物質を除去して濾過原水を生成する第1浄化部60と、濾過原水を砂濾過する急速濾過機71と、急速濾過機で砂濾過された濾過原水が通水されて濾過原水から放射性物質を除去して放流水を生成する可燃性のフィルタ75とを有する第2浄化部70と、放流水の放射線量を測定する放射線量測定器94と、放流水の水質を測定する水質計器93とを有し、放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに放流水を放流する放水管理部90とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性物質分離装置に関する。
放射性物質を含有する土地を除染するときに発生する土砂や落葉・落枝、草木などの汚染物は、フレキシブルコンテナバッグに詰められて中間貯蔵施設に保管される。除染等で発生した汚染物を減量化及び減量化するために、放射性物質を含有する汚染土砂を処理する処理装置が知られる。
例えば、特許文献1には、放射性物質を含有する汚染土砂を放射性物質の含有量が少ない砂と、放射性物質の含有量が多いスラリーとに分級し、スラリーを高圧フィルタプレス式脱水装置により脱水して放射性物質を脱水ケーキに集積する処理装置が記載される。特許文献1に記載される処理装置は、高圧フィルタプレス式脱水装置により脱水して生成する脱水ケーキに放射性物質を集積することで、放射性物質を含有する汚染土砂を減容化及び減量化することができる。
特開2013−164379号公報
しかしながら、特許文献1に記載される処理装置は、ゼオライト等のセシウム吸着材にセシウムを吸着させて、放射性物質であるセシウムをスラリーに含有させるため、高圧フィルタプレス式脱水装置により脱水されるスラリーの量が膨大になるおそれがある。特許文献1に記載される処理装置では、セシウム吸着材にセシウムを吸着させたスラリーから生成されるため、セシウム吸着材の投入量に応じて、生成される脱水ケーキの量が増加する。
また、特許文献1に記載される処理装置は、清水槽から供給される水を使用して汚染土砂からスラリーを生成するため、清水槽から供給される水の量に応じてスラリー及び高圧フィルタプレス式脱水装置での脱水により発生する濾水が増加する。また、特許文献1に記載される処理装置では、放流水の放射線量が基準を超えたときに、放流水はスラリーの生成に使用される泥水が貯泥される泥水受け槽に戻されるため、スラリー及び高圧フィルタプレス式脱水装置での脱水により発生する濾水が更に増加する。
そこで、本発明は、高圧フィルタプレス式脱水装置等の脱水装置により脱水されるスラリーの量を抑制可能な放射性物質分離装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る放射性物質分離装置は、放射性物質を含む汚泥からスラリーを生成する反応部と、スラリーを脱水して脱水ケーキを生成する脱水部と、脱水ケーキを生成するときに発生する濾水から浮遊物質を除去して濾過原水を生成する第1浄化部と、濾過原水を砂濾過する急速濾過機と、急速濾過機で砂濾過された濾過原水が通水されて濾過原水から放射性物質を除去して放流水を生成する可燃性のフィルタとを有する第2浄化部と、放流水の放射線量を測定する放射線量と、放流水の水質を測定する水質計器とを有し、放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに放流水を放流する放水管理部とを有する。
本発明に係る放射性物質分離装置は、高圧フィルタプレス式脱水装置等の脱水装置により脱水されるスラリーの量を抑制することが可能になった。
実施形態に係る放射性物質分離装置のブロック図である。 図1に示す前処理部のより詳細なブロック図である。 図1に示す濃縮部のより詳細なブロック図である。 図1に示す反応部のより詳細なブロック図である。 図1に示す脱水部のより詳細なブロック図である。 図5に示す高圧脱水機の脱水処理工程を示す図であり、(a)は準備工程を示し、(b)は濾過工程を示し、(c)は残液処理工程を示し、(d)は開枠工程を示す図である。 図1に示す第1オゾン処理部のより詳細なブロック図である。 図1に示す第1浄化部のより詳細なブロック図である。 図1に示す第2浄化部のより詳細なブロック図である。 図1に示す第2オゾン処理部のより詳細なブロック図である。 図1に示す放流管理部のより詳細なブロック図である。 高圧フィルタプレスを使用してスラリーから脱水ケーキを生成した実験結果を示す図である。 図1に示す放射性物質分離装置により浄化処理をした放流水の水質を示す図である。 (a)は高圧フィルタプレスの濾室の圧力と濾水の濁度との関係を示す図であり、(b)は高圧フィルタプレスの処理時間と濾水の濁度との関係を示す図である。 他の実施形態に係る放射性物質分離装置のブロック図である。 脱水部の他の例を示す図である。 他の実施形態に係る放射性物質分離装置のブロック図である。 図17に示す脱水ケーキ区分装置のブロック図である。
以下図面を参照して、本発明に係る放射性物質分離装置について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明との均等物に及ぶ点に留意されたい。
(実施形態に係る放射性物質分離装置の構成及び機能)
図1は、実施形態に係る放射性物質分離装置のブロック図である。
放射性物質分離装置1は、前処理部10と、濃縮部20と、反応部30と、脱水部40と、第1オゾン処理部50と、第1浄化部60と、第2浄化部70と、第2オゾン処理部80と、放流管理部90と、制御部100とを有する。前処理部10は、原泥貯留槽11と、前処理スクリーン12と、サンドデバイダ13と、オーバー受槽14と、泥土放射線量測定器15とを有する。濃縮部20は、貯泥槽21と、第1薬品混合槽22と、濃縮装置23と、中継槽24とを有する。反応部30は、スラッジ貯槽31と、反応槽32と、スラリー槽33とを有する。脱水部40は、泥水性状検知装置41と、高圧打込ポンプ42と、高圧脱水機43と、濾水槽44と、ケーキコンベア45と、ケーキホッパー46とを有する。脱水部40は、浮遊物質量センサ47と、第1濾水ポンプ48と、第2濾水ポンプ49と、脱水ケーキ放射線量測定器411とを更に有する。高圧脱水機43は、高圧フィルタプレス式脱水装置(以下、高圧フィルタプレスとも称する)である。
前処理部10、濃縮部20と、反応部30及び脱水部40は、受け入れた泥土から脱水ケーキを生成することで、受け入れた泥土をセシウムを多く含有する脱水ケーキと、セシウムの含有量が少ない濾水とに分離する。前処理部10は、収集され且つ運搬された泥土から礫及び砂分を除去して泥水を生成する。濃縮部20は、前処理部10で生成された泥水に凝集剤を添加して、高圧フィルタプレスによる脱水に適した含水率になるように泥水を濃縮したスラッジを生成する。一例では、濃縮部20は、含水率が800%の泥水を含水率が200%のスラッジに濃縮する。反応部30は、濃縮部20が濃縮したスラッジに脱水助剤を添加してスラリーを作泥する。脱水部40は、高圧フィルタプレスによる脱水を行い、脱水ケーキを生成すると共に、脱水ケーキを生成するときの発生する濾水を、濾水の浮遊物質量に応じて前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13又は浄化原水槽61に供給する。
第1オゾン処理部50は、第1オゾン原水槽51と、第1オゾン酸化処理装置52とを有する。第1浄化部60は、浄化原水槽61と、第2薬品混合槽62と、浄化装置63と、濾過原水槽64と、濾過原水放射線量測定器65とを有する。第2浄化部70は、急速濾過機71と、中和原水槽72と、中和装置73と、吸着原水槽74と、セシウム吸着塔75と、第2オゾン原水槽76とを有する。第2オゾン処理部80は、第2オゾン酸化処理装置81を有する。放流管理部90は、放流水受槽91と、放流予備槽92と、水質計器93と、放流水放射線量測定器94と、第1放流ポンプ95と、第2放流ポンプ96とを有する。
第1オゾン処理部50、第1浄化部60、第2浄化部70及び第2オゾン処理部80は、受け入れた泥土から分離された濾水を濾過し且つ濾水から放射性物質を除去して放流水を生成する浄化部を形成する。放流管理部90は、放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに放流水を放流する。第1オゾン処理部50は、濃縮部20が泥水を濃縮するときに発生するうわ水に含まれる油等の有機物を分解して低分子化する。第1浄化部60は、第1オゾン処理部50から供給されるうわ水、及び濾水槽44から供給される濾水を含む余水に含まれる浮遊物質(Suspended Solids、SS)を薬剤によって凝集沈殿する。第2浄化部70は、急速濾過機71でSSを低減し、中和装置73でpHを調整し、セシウム吸着塔75でセシウムを除去することで、所定の放流基準で規定される濁度条件、pH条件及び放射量条件を満たす浄化水を生成する。第2オゾン処理部80は、オゾン処理により、所定の放流基準で規定される脂分条件、色度条件、臭気条件を満たし且つ除菌された放流水を生成する。放流管理部90は、第2オゾン処理部80で生成された放流水が所定の放流基準で規定される条件を満たすか否かを判定し、放流水が放流基準で規定される条件を満たすときに、放流水を自然界に放流する。また、放流管理部90は、放流水が放流基準で規定される条件を満たさないときに、放流水を浄化原水槽61に戻して、放流水を再処理する。
図2は、前処理部10のより詳細なブロック図である。
原泥貯留槽11は、原泥攪拌機111と、原泥液位計112と、原泥ポンプ113とを有し、受け入れた泥土を貯留する。原泥攪拌機111は貯留される泥土を撹拌し、原泥液位計112は貯留される泥土の液位を測定し、原泥ポンプ113は原泥液位計112が測定した泥土の液位に応じて制御され、泥土を前処理スクリーン12に供給する。
前処理スクリーン12は、洗浄ふるい121と、礫分ピット122と、前処理下部槽123と、前処理液位計124と、前処理ポンプ125とを有し、泥土から礫分を除去し、除去した礫分を礫分ピット122に分級する。洗浄ふるい121は、濾水槽44から供給される濾水を使用して、原泥貯留槽11から供給された泥土を洗浄し、且つ泥土から礫分を分級する。礫分ピット122は、洗浄ふるい121により分級された礫分を集積する。前処理下部槽123は、洗浄ふるい121の下方に位置し、礫分が分級されて除去された泥水を貯蔵する。前処理液位計124は貯留される泥水の液位を測定し、前処理ポンプ125は前処理液位計124が測定した泥水の液位に応じて制御され、泥水をサンドデバイダ13に供給する。
サンドデバイダ13は、スクリーン131と、砂分ピット132と、サンド下部槽133と、サンド液位計134と、サンドポンプ135と、サイクロン136を有し、泥水から砂分を除去し、除去した砂分を砂分ピット132に分級する。スクリーン131は、濾水槽44から供給される濾水を使用して、前処理スクリーン12及びサイクロン136から供給された泥水から径75μ以上の砂分を分級する。砂分ピット132は、スクリーン131により分級された砂分を集積する。サンド下部槽133は、スクリーン131の下方に位置し、砂分が分級されて除去された泥水を貯蔵する。サンド液位計134は貯留される泥水の液位を測定し、サンドポンプ135はサンド液位計134が測定した泥水の液位に応じて制御され、泥水をサイクロン136に供給する。サイクロン136は、粒径が小さい汚泥をオーバー受槽14に供給し、粒径が大きい汚泥をスクリーン131に供給する。サンドデバイダ13は、サイクロン分級により泥水からの砂分の除去を繰り返して、分級精度を向上させる。
オーバー受槽14は、オーバー攪拌機141と、オーバー液位計142と、オーバーポンプ143とを有し、前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13により分級された泥水を仮受けする。オーバー攪拌機141は分級された泥水を撹拌し、オーバー液位計142は貯留される泥水の液位を測定し、オーバーポンプ143はオーバー液位計142が測定した泥水の液位に応じて制御され、泥水を貯泥槽21に供給する。
泥土放射線量測定器15は、原泥貯留槽11に貯蔵される泥土の放射線量を測定し、測定した泥土の放射線量を示す泥土放射線量を制御部100に送信する。
図3は、濃縮部20のより詳細なブロック図である。
貯泥槽21は、貯泥攪拌機211と、貯泥液位計212と、貯泥ポンプ213とを有し、処理前の泥水を貯泥する。貯泥攪拌機211は貯泥された泥水を撹拌し、貯泥液位計212は貯泥される泥水の液位を測定し、貯泥ポンプ213は貯泥液位計212が測定した泥水の液位に応じて制御され、泥水を第1薬品混合槽22に供給する。
第1薬品混合槽22は、凝集沈殿を促すために、不図示の貯蔵槽にそれぞれ貯蔵されるポリ塩化アルミニウム(PAC)及び高分子凝集剤を、貯泥槽21から供給される泥水に添加して、PAC及び高分子凝集剤が添加された泥水を濃縮装置23に供給する。
濃縮装置23は、シックナーとも称され、傾斜版231と、濃縮攪拌機232と、機内繰返ポンプ233と、濃縮ポンプ234と、うわ水収集部235とを有する。傾斜版231は第1薬品混合槽22から供給される泥水に含まれる微粒子をPAC及び高分子凝集剤によって凝集してフロックを形成し、濃縮攪拌機232は傾斜版231から供給される泥水を撹拌してフロックの凝集を促進する。機内繰返ポンプ233は、自動走行機能付き水中ポンプであり、濃縮装置23の底部に沈殿したスラッジを集泥して、傾斜版231に供給する。濃縮ポンプ234は濃縮装置23の底部に沈殿したスラッジをスラッジ貯槽31に供給し、濃縮装置23の上面のうわ水を中継槽24に供給する。
中継槽24は、中継液位計241と、中継ポンプ242とを有し、濃縮装置23から供給されたうわ水を貯水する。中継液位計241はうわ水の液位を測定し、中継ポンプ242は中継液位計241が測定したうわ水の液位に応じて制御され、うわ水を第1オゾン原水槽51に供給する。
図4は、反応部30のより詳細なブロック図である。
スラッジ貯槽31は、スラッジ攪拌機311と、スラッジ液位計312と、スラッジポンプ313とを有し、濃縮装置23から供給されるスラッジ及び浄化装置63の底部に沈降するスラッジを貯泥する。スラッジ攪拌機311は貯泥されたスラッジを撹拌し、スラッジ液位計312は貯泥されるスラッジの液位を測定し、スラッジポンプ313はスラッジ液位計312が測定したスラッジの液位に応じて制御され、スラッジを反応槽32に供給する。
反応槽32は、反応攪拌機321と、反応液位計322と、反応ポンプ323とを有し、不図示の貯蔵槽にそれぞれ貯蔵され且つ脱水助剤として使用される消石灰及びPACを、スラッジ貯槽31から供給されたスラリーに添加して反応させる。消石灰及びPACの添加量は、泥水性状検知装置41が測定するスラリーの流量及び密度等に基づいて演算される高圧打込ポンプ42に供給されるスラリーの量により決定される。反応攪拌機321は貯泥されたスラリーを撹拌し、反応液位計322は貯泥されるスラリーの液位を測定し、反応ポンプ323は反応液位計322が測定したスラリーの液位に応じて制御され、スラリーをスラリー槽33に供給する。
スラリー槽33は、スラリー攪拌機331と、スラリー液位計332と、スラリーポンプ333とを有し、反応槽32から供給される打込みのためのスラリーを貯泥する。スラリー攪拌機331は貯泥されたスラリーを撹拌し、スラリー液位計332は貯泥されるスラリーの液位を測定し、スラリーポンプ333はスラリー液位計332が測定したスラリーの液位に応じて制御され、スラリーを高圧打込ポンプ42に供給する。
図5は、脱水部40のより詳細なブロック図である。
泥水性状検知装置41は、スラリー槽33から高圧打込ポンプ42に供給されるスラリーの流量及び密度を測定し、測定されたスラリーの流量及び密度を示すスラリー性状信号を制御部100に出力する。
高圧打込ポンプ42は、泥水性状検知装置41を介してスラリー槽33から供給されるスラリーを加圧して高圧脱水機43に供給する。高圧打込ポンプ42は、スラリーポンプ333から移送されたスラリーを加圧して、高圧フィルタプレスである高圧脱水機43の濾室に圧入する。
高圧脱水機43は、6.8m3型の高圧フィルタプレスであり、濾板と濾布とで構成される濾室に、高圧打込ポンプ42から供給されるスラリーを充填し、高圧脱水により脱水ケーキを生成する。高圧脱水機43は、複数の濾枠と、濾枠駆動部と、圧力計とを有する。複数の濾枠はそれぞれ、隣接する濾枠の間に複数の濾室を形成する。濾枠駆動部は、圧油装置から圧油管を介して供給される圧油により複数の濾枠を、濾枠に直交する軸方向に移動するように制御される。濾枠駆動部に圧油が圧入されると、複数の濾枠は互いに密接して配置されて、隣接する濾枠の間に複数の濾室が形成される。濾枠駆動部から圧油が排出されると、複数の濾枠は互いに所定の間隔を空けて配置される。圧力計は、ダイアフラム圧力計であり、濾室内部の圧力を検出し、検出した濾室圧力に基づいて脱水処理が終了したか否かが判定される。
図6は、高圧脱水機43の脱水処理工程を示す図である。図6(a)は準備工程を示し、図6(b)は濾過工程を示し、図6(c)は残液処理工程を示し、図6(d)は開枠工程を示す図である。
まず、図6(a)に示す準備工程において、高圧脱水機43は、濾枠駆動部に圧油が圧入されて、複数の濾枠430が近接して配置されて複数の濾室が形成される。複数の濾枠430の濾過面にはそれぞれ、第1の濾布431a及び第2の濾布431bが配置される。濾枠430が近接して配置されることにより形成される濾室は、端面に濾布431が挟着された構成になる。
次いで、図6(b)に示す濾過工程において、高圧脱水機43は、高圧打込ポンプ42からスラリー401が濾室に圧入される。濾室に圧入されたスラリーの水分は、第1の濾布431a及び第2の濾布431bを介して濾枠430内部に形成される濾水路から濾枠430の外部に濾水402として排出される。
濾枠の内部には脱水されたスラリーから脱水ケーキ403が徐々に形成される。濾枠430の外部に排出された濾水402は、濾水槽44に貯蔵される。濾過工程は、高圧脱水機43の濾室の内部の圧力が一例では4〔MPa〕である所定の圧力に達するまで続けられる。脱水部40では、高い吐出圧を有する高圧打込ポンプ42で高圧脱水機43の濾室の内部にスラリーを圧入するので、高圧脱水機43の濾室の内部の圧力を4〔MPa〕まで高めることができる。高い圧力で脱水ケーキ403を生成することにより、浚渫土を大幅に減容化することができる。
次いで、図6(c)に示す残液処理工程において、高圧脱水機43は、高圧打込ポンプ42が停止した後に、圧入されたスラリー401の残液が濾枠からエアブロー404によって排出される。スラリー401の残液が濾室から排出されると、濾枠の内部には固形物である脱水ケーキ403が濾室の内部側面に挟持された状態で残る。
そして、図6(d)に示す開枠工程において、高圧打込ポンプ42は、濾枠駆動部から圧油が排出され、複数の濾枠430は互いに所定の間隔を空けて配置される。複数の濾枠430が互いに所定の間隔を空けて配置されると、一対の濾枠430に挟持されていた脱水ケーキ403は下方に落下する。
濾水槽44は、脱水ケーキを生成するときに発生する余水及び高圧脱水機43の濾布を洗浄するときに発生する濾水を貯水する。
ケーキコンベア45は高圧脱水機43で生成された脱水ケーキをケーキホッパー46に搬送し、ケーキホッパー46はケーキコンベア45によって搬送された脱水ケーキをフレキシブルコンテナバッグに梱包する。フレキシブルコンテナバッグに梱包された脱水ケーキは、不図示の搬出装置によって搬出される。
浮遊物質量センサ47は、濾水の浮遊物質量を測定し、濾水の浮遊物質量を示す濾水浮遊物質量信号を制御部100に送信する。第1濾水ポンプ48は、濾水のSSが800未満のときに制御部100から入力される第1濾水ポンプ駆動信号に応じて駆動し、濾水を浄化原水槽61に供給する。第2濾水ポンプ49は、濾水のSSが800以上のときに制御部100から送信される第2濾水ポンプ駆動信号に応じて駆動し、濾水を前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13に供給する。また、第2濾水ポンプ49は、前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13の洗浄を指示する前処理洗浄指示信号が制御部100から送信されるときに駆動し、濾水を前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13に供給する。第1濾水ポンプ48と第2濾水ポンプ49とは、濾水を浄化原水槽61又は前処理部10に供給する濾水供給装置400を形成する。
脱水ケーキ放射線量測定器411は、ケーキホッパーに保管される脱水ケーキの放射線量を測定し、測定した脱水ケーキの放射線量を示す脱水ケーキ放射線量を制御部100に送信する。
図7は、第1オゾン処理部50のより詳細なブロック図である。
第1オゾン原水槽51は、第1オゾン液位計511と、第1オゾンポンプ512とを有し、中継槽24から供給されるうわ水を貯水する。第1オゾン液位計511は貯水されるうわ水の液位を測定し、第1オゾンポンプ512は第1オゾン液位計511が測定したうわ水の液位に応じて制御され、うわ水を第1オゾン酸化処理装置52に供給する。
第1オゾン酸化処理装置52は、第1オゾン原水槽51から供給されたうわ水をオゾンガスと混合させ、オゾン処理を行い、オゾン処理したうわ水を浄化原水槽61に供給する。第1オゾン酸化処理装置52は、第1オゾン酸化処理装置52内に供給されたうわ水にオゾンガスを噴出することで、うわ水に含まれる油分等の有機物をオゾンガスと反応させて分解する。うわ水に含まれる難分解性の高分子は、オゾンガスと反応することにより低分子化される。一例では、第1オゾン酸化処理装置52は、特許4195782号公報に記載される攪拌装置を使用して、いわゆる旋回噴流式オゾン処理を行う。
図8は、第1浄化部60のより詳細なブロック図である。
第1浄化部60は、第1オゾン酸化処理装置52から供給されるオゾン処理されたうわ水を浄化処理した濾過水を急速濾過機71に供給すると共に、濾過水を生成するときに発生するスラッジをスラッジ貯槽31に供給する。浄化原水槽61は浄化液位計611と、浄化原水ポンプ612とを有し、浄化装置63は浄化傾斜版631と、浄化攪拌機632と、浄化機内繰返ポンプ633と、浄化装置ポンプ634と、浄化うわ水収集部635とを有する。濾過原水槽64は、濾過原水液面計641と、濾過原水ポンプ642を有する。浄化原水槽61、第2薬品混合槽62、浄化装置63及び濾過原水槽64のそれぞれは、貯泥槽21、第1薬品混合槽22、濃縮装置23及び中継槽24のそれぞれと対応する機能を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
濾過原水放射線量測定器65は、浄化原水槽61に貯水される浄化原水の放射線量を測定し、測定した浄化原水の放射線量を示す浄化原水放射線量を制御部100に送信する。
図9は、第2浄化部70のより詳細なブロック図である。
急速濾過機71は、濾過原水槽64から供給される濾過原水を砂濾過及び活性炭濾過により濾過し、濾過原水に含まれる微粒子を除去して生成された余水を中和原水槽72に供給する。
中和原水槽72は、中和液位計721と、中和ポンプ722とを有し、中和原水を貯水する。中和液位計721は貯水される中和原水の液位を測定し、中和ポンプ722は中和液位計721が測定した中和原水の液位に応じて制御され、中和原水を中和装置73に供給する。
中和装置73は、中和原水槽72から供給される中和原水の水素イオン指数が、放流基準を満たす値になるように炭酸ガスにより中和原水を中和して吸着原水として吸着原水槽74に供給する。
吸着原水槽74は、吸着液位計741と、吸着ポンプ742とを有し、吸着原水を貯水する。吸着液位計741は貯水される吸着原水の液位を測定し、吸着ポンプ742は吸着液位計741が測定した吸着原水の液位に応じて制御され、吸着原水をセシウム吸着塔75に供給する。
セシウム吸着塔75は、吸着原水が通水されたときに吸着原水に含まれるセシウムを除去する可燃性のフィルタである。セシウム吸着塔75は、可燃性の樹脂で形成された筐体の内部に配置される可燃性の放射性物質用吸着剤の間に吸着原水を通水させることで、吸着原水に含まれるセシウムを除去する。一例では、セシウム吸着塔75に配置される放射性物質用吸着剤は、株式会社日本海水により供給される放射性物質用吸着剤「READ-Cs(Fe)」である。セシウム吸着塔75は、吸着原水に含まれるセシウムを除去した第2オゾン原水を第2オゾン原水槽76に供給する。
第2オゾン原水槽76は、第2オゾン液位計761と、第2オゾンポンプ762とを有し、第2オゾン原水を貯水する。第2オゾン液位計761は貯水される第2オゾン原水の液位を測定し、第2オゾンポンプ762は第2オゾン液位計761が測定した第2オゾン原水の液位に応じて制御され、第2オゾン水を第2オゾン酸化処理装置81に供給する。
図10は、第2オゾン処理部80のより詳細なブロック図である。
第2オゾン酸化処理装置81は、第2オゾン原水槽76から供給される第2オゾン原水をオゾン処理により、油分の除去、脱色及び脱臭等して、放流水として放流水受槽91に供給する。第2オゾン酸化処理装置81は、第1オゾン酸化処理装置52と同様の構成及び機能を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
図11は、放流管理部90のより詳細なブロック図である。
放流水受槽91は、放流受槽液位計911と、放流受槽ポンプ912とを有し、放流水を受水する。放流受槽液位計911は受水される放流水の液位を測定し、放流受槽ポンプ912は放流受槽液位計911が測定した放流水の液位に応じて制御され、放流水を放流予備槽92に供給する。
放流予備槽92は、放流水受槽91から供給される放流水を貯水する。
水質計器93は、濁度計、pH計、油膜センサ、色度計及び臭気計を有し、放流予備槽92に貯水される放流水の濁度、pH、油膜の有無、色度及び臭気を含む水質情報を示す放流水質信号を制御部100に出力する。放流水放射線量測定器94は、放流予備槽92に貯水される放流水の放射線量を測定し、測定した放射線量を示す放流水放射線量信号を制御部100に出力する。第1放流ポンプ95は、水質計器93が測定した水質情報が放流基準が示す条件を満たし且つ放流水放射線量測定器94が測定した放射線量が検出限界未満のときに制御部100から入力される第1放流ポンプ駆動信号に応じて、放流水を自然界に放流する。第2放流ポンプ96は、第2放流ポンプ駆動信号に応じて、放流水を浄化原水槽61に供給する。第2放流ポンプ駆動信号は、水質計器93が測定した水質情報が放流基準が示す条件を満たさないとき、又は放流水放射線量測定器94が測定した放射線量が検出限界以上のときに、制御部100から入力される。第1放流ポンプ95と第2放流ポンプ96とは、放流水を自然界に放流し、又は浄化原水槽61に戻す放流装置900を形成する。
放流水放射線量測定器94は、放流予備槽92に貯水される放流水の放射線量を測定し、測定した放流水の放射線量を示す放流水放射線量を制御部100に送信する。
制御部100は、通信部101と、入力部102と、出力部103と、記憶部104と、処理部105とを有する。
通信部101は、イーサネット(登録商標)などの有線の通信インターフェース回路を有する。通信部101は、不図示のイントラネットを介して前処理部10、濃縮部20と、反応部30、脱水部40、第1オゾン処理部50、第1浄化部60、第2浄化部70、第2オゾン処理部80及び放流管理部90と通信を行う。そして、通信部101は、前処理部10、濃縮部20と、反応部30、脱水部40、第1オゾン処理部50、第1浄化部60、第2浄化部70、第2オゾン処理部80及び放流管理部90から受信したデータを処理部105に供給する。また、通信部101は、処理部105から供給されたデータを前処理部10、濃縮部20と、反応部30、脱水部40、第1オゾン処理部50、第1浄化部60、第2浄化部70、第2オゾン処理部80及び放流管理部90に送信する。
入力部102は、データの入力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、キーボタン等である。操作者は、入力部102を用いて、文字、数字、記号等を入力することができる。入力部102は、操作者により操作されると、その操作に対応する信号を生成する。そして、生成された信号は、操作者の指示として、処理部105に供給される。
出力部103は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。出力部103は、処理部105から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。また、出力部103は、紙などの表示媒体に、映像、画像又は文字等を印刷する出力装置であってもよい。
記憶部104は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。記憶部104は、処理部105での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部104は、アプリケーションプログラムとして、高圧フィルタプレスを制御する処理を、処理部105に実行させるための高圧フィルタプレス制御プログラム等を記憶する。高圧フィルタプレス制御プログラムは、例えばCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部104にインストールされてもよい。
処理部105は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部105は、制御部100の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部105は、記憶部104に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部105は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。
処理部105は、濾水供給制御部151と、放流制御部152と、フィルタ交換指示部153とを有する。これらの各部は、処理部105が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして制御部100に実装されてもよい。
濾水供給制御部151は、浮遊物質量センサ47から送信される濾水浮遊物質量信号に対応する濾水のSSに応じて、第1濾水ポンプ48又は第2濾水ポンプ49の何れかを駆動する。濾水供給制御部151は、濾水浮遊物質量信号に対応する濾水のSSが800未満のときに第1濾水ポンプ48を駆動することを示す第1濾水ポンプ駆動信号を第1濾水ポンプ48に送信する。第1濾水ポンプ駆動信号を受信したとき、第1濾水ポンプ48は、濾水槽44内の濾水を浄化原水槽61に供給する。濾水供給制御部151は、濾水浮遊物質量信号に対応する濾水のSSが800以上のときに第2濾水ポンプ49を駆動することを示す第2濾水ポンプ駆動信号を第2濾水ポンプ49に送信する。第2濾水ポンプ駆動信号を受信したとき、第2濾水ポンプ49は、濾水槽44内の濾水を前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13に供給する。また、濾水供給制御部151は、前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13に泥土が供給されるとき、濾水のSSにかかわらず、前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13の洗浄を指示する前処理洗浄指示信号を第2濾水ポンプ49に送信する。前処理洗浄指示信号を受信したとき、第2濾水ポンプ49は、濾水槽44内の濾水を前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13に供給する。
放流制御部152は、水質計器93から送信される放流水質信号に対応する水質情報及び放流水放射線量測定器94から送信される放流水放射線量信号に対応する放射線量に応じて、第1放流ポンプ95又は第2放流ポンプ96の何れかを駆動する。放流制御部152は、放流水質信号に対応する水質情報放流基準が示す条件を満たし且つ放流水放射線量信号に対応する放射線量が検出限界未満のときに、第1放流ポンプ95を駆動することを示す第1放流ポンプ駆動信号を第1放流ポンプ95に送信する。第1放流ポンプ駆動信号を受信したとき、第1放流ポンプ95は、放流予備槽92内の放流水を自然界に放流する。放流制御部152は、放流水質信号に対応する水質情報放流基準が示す条件を満たさないときに、第2放流ポンプ96を駆動することを示す第2放流ポンプ駆動信号を第2放流ポンプ96に送信する。また、放流制御部152は、放流水放射線量信号に対応する放射線量が検出限界以上のときに第2濾水ポンプ駆動信号を受信したときに、第2放流ポンプ駆動信号を第2放流ポンプ96に送信する。第2放流ポンプ駆動信号を受信したとき、第2放流ポンプ96は、放流予備槽92内の放流水を浄化原水槽61に供給する。
フィルタ交換指示部153は、浄化原水槽61に貯水される浄化原水の放射線量を示す浄化原水放射線量信号と、放流予備槽92に貯水される放流水の放射線量を示す放流水放射線量信号とが送信される。フィルタ交換指示部153は、浄化原水放射線量信号に対応する浄化原水の放射線量と放流水放射線量信号に対応する放流水の放射線量との差を演算する。フィルタ交換指示部153は、浄化原水の放射線量と放流水の放射線量との差がしきい値未満のときに、セシウム吸着塔75の放射性物質用吸着剤を交換することを示すフィルタ交換信号を出力する。出力部103は、フィルタ交換信号が入力されるとき、放射性物質用吸着剤を交換することを示す画像を表示する。
(実施形態に係る放射性物質分離装置の作用効果)
放射性物質分離装置1では、高圧脱水機43として高圧フィルタプレスを使用し、放射性物質を含有する泥土から脱水ケーキを生成することで、放射性物質を含有する泥土を大幅に減容化及び減量化することができる。
図12は、高圧フィルタプレスを使用してスラリーから脱水ケーキを生成した実験結果を示す図である。図12に示すように実験No.1〜5の5回の実験を行った。
実験No.1〜5の5回の実験の平均で、144.8%の含水比を有するスラリーから、30.3%の含水比を有する脱水ケーキが生成された。スラリーと脱水ケーキとの間の体積変化率は0.39であり、高圧フィルタプレスを使用することで、60%以上の減容化が達成される。また、脱水ケーキを生成するときに発生する濾水の放射線量は検出限界以下となる。
放射性物質分離装置1では、放流管理部90は、放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに放流水を放流し、放流水の放射線量及び水質の何れかが基準を満たさないときに放流水を浄化原水槽61に供給する。放射性物質分離装置1では、放流管理部90が放流水の放射線量及び水質の何れかが基準を満たさないときに、脱水部40から濾水が供給される浄化原水槽61に放流水を供給するので、反応部30及び脱水部40の処理量を低減できる。また、放射性物質分離装置1では、脱水部40で発生する濾水を浄化する浄化部は、濾水から浮遊物質を除去して濾過原水を生成する第1浄化部60と、濾過原水を濾過し且つ濾過原水から放射性物質を除去して放流水を生成する第2浄化部70とを有する。放射性物質分離装置1では、第1浄化部60が生成した濾過原水から放射性物質を除去して放流水を生成する処理を、濾過処理の後に実行するため、放射性物質を除去する処理のために第1浄化部60の処理量が増加するおそれはない。さらに、放射性物質分離装置1では、第2オゾン処理部80が放流水をオゾン処理するので、自然界の放流される放流水から油分及び臭気等を除去できると共に、自然界の放流される放流水の透明度を向上させることができる。
図13は、放射性物質分離装置1により浄化処理をした放流水の水質を示す図である。図13において、放流基準は放流水が満たすべき水質基準の一例を示し、原泥は放射性物質分離装置1が受け入れた泥土を示しオゾン処理前は第2オゾン原水槽76に貯水される第2オゾン原水を示し、オゾン処理後は放流水を示す。
図16に示すように、第2オゾン原水は放流基準を満たすものであるが、放流水は第2オゾン原水よりも更に水質が改善される。
放射性物質分離装置1では、濃縮部20は放射性物質を含む汚泥に凝集剤を添加して汚泥を濃縮したスラッジを生成し、第1浄化部60は脱水部40で発生した濾水と共に濃縮部20がスラッジを生成するときに発生するうわ水から浮遊物質を除去する。一例では、濃縮部20で発生するうわ水とスラッジとの比は11対1程度である。放射性物質分離装置1では、濃縮部20がスラッジを生成するときに発生するうわ水を濾過して放流水として自然界に放流することで、放射性物質を含有する泥土を大幅に減容化及び減量化することができる。また、放射性物質分離装置1では、第1オゾン処理部50は、うわ水に含まれる有機物を低分子化する低分子化部として機能する。第1オゾン処理部50がうわ水に含まれる有機物を低分子化することで、急速濾過機71の濾過層及びセシウム吸着塔75の放射性物質用吸着剤が目詰まりして処理能力が低下することを防止できる。
放射性物質分離装置1では、セシウム吸着塔75は、急速濾過機71で濾過された濾過原水が通水されるときに濾過原水に含まれる放射性物質を除去するフィルタとして機能する。放射性物質分離装置1では、フィルタにより放射性物質を除去するため、ゼオライト等のセシウム吸着材をスラッジ及びスラリー等の泥水並びにうわ水、濾水及び放流水等の処理水に添加する必要がない。ゼオライト等のセシウム吸着材は、セシウムを吸着して泥として沈殿するので、セシウム吸着材を泥水及び処理水に添加すると、処理すべき泥水の量が増加する。放射性物質分離装置1では、放射性物質を除去するフィルタとして機能するセシウム吸着塔75によりセシウム等の放射性物質を除去するので、放射性物質を除去する処理により処理すべき泥水の量が増加することはない。また、セシウム吸着塔75の放射性物質用吸着剤及び筐体は可燃性材料で形成されるので、セシウム吸着塔75の放射性物質用吸着剤の吸着性能が低下したときに、セシウム吸着塔75を焼却処理することができる。セシウム吸着塔75を焼却処理することで、放射性物質分離処理に伴う副産物を減容化及び減量化することができる。また、放射性物質分離装置1は、浄化原水槽61に貯水される浄化原水の放射線量を測定する濾過原水放射線量測定器65と、放流予備槽に貯水される放流水の放射線量を測定する放流水放射線量測定器94とを有する。放射性物質分離装置1では、フィルタ交換指示部153は、濾過原水放射線量測定器65が測定した放射線量と放流水放射線量測定器94が測定した放射線量との差がしきい値未満のときに、セシウム吸着塔75の交換を示すフィルタ交換信号を出力する。放射性物質分離装置1では、フィルタ交換指示部153が濾過原水放射線量測定器65が測定した放射線量と放流水放射線量測定器94が測定した放射線量との差に応じてフィルタ交換信号を出力することにより、適切な時期にセシウム吸着塔75を交換できる。また、急速濾過機71で濾過された濾過原水をセシウム吸着塔75に通水するので、セシウム吸着塔75の目詰まりを最小限に抑えることができる。
放射性物質分離装置1では、脱水部40は、濾水槽44に貯水される濾水に含まれる浮遊物質の量がしきい値未満であるときに濾水を浄化原水槽61に供給し、濾水に含まれる浮遊物質の量がしきい値以上であるときに濾水を前処理部10に供給する。放射性物質分離装置1では、浮遊物質の量が多い濾水は浄化処理を実行する第1浄化部60に供給されずに前処理部10に戻されるので、浮遊物質の量が多い濾水が第1浄化部60に供給されることにより第1浄化部60の処理量が増加することを防止できる。また、放射性物質分離装置1では、前処理部10に供給された濾水は、前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13において泥土の洗浄に使用される。放射性物質分離装置1では、濾水を使用して前処理スクリーン12及びサンドデバイダ13において泥土を洗浄することで、清水を使用することによる泥水の増加を防止できる。
(実施形態に係る放射性物質分離装置の変形例)
放射性物質分離装置1は、前処理部10、濃縮部20、反応部30、脱水部40、第1オゾン処理部50、第1浄化部60、第2浄化部70、第2オゾン処理部80、放流管理部90及び制御部100を有するが、これらの構成要素に一部は省略されてもよい。例えば、受け入れる泥土の油分等の高分子有機物の含有量が少ない場合、第1オゾン処理部50を省略してもよく、受け入れる泥土の臭気が少ない場合、第2オゾン処理部80を省略してもよい。
また、放射性物質分離装置1では、濾水槽44に貯水される濾水は、濾水に含まれる浮遊物質の量に応じて浄化原水槽61に供給されるか、又は前処理部10に供給されるかが判定される。しかしながら、実施形態に係る放射性物質分離装置は、濾水の濁度に関連する濁度関連情報が所定の基準を満たすときに濾水を浄化原水槽61に供給し、濁度関連情報が所定の基準を満たさないときに濾水を前処理部10に供給してもよい。例えば、実施形態に係る放射性物質分離装置は、濾水の濁度を所定の基準として、濾水の濁度がしきい値未満であるときに濾水を浄化原水槽61に供給し、濾水の濁度がしきい値以上であるときに濾水を前処理部10に供給してもよい。濾水の濁度を所定の基準とするとき、脱水部40には、脱水ケーキを生成するときに発生する濾水の濁度に関連する濁度関連情報を取得する濁度関連情報取得部として、浮遊物質量センサ47の代わりに濁度計が配置される。
また、実施形態に係る放射性物質分離装置は、高圧フィルタプレスの濾室の圧力を濁度関連情報としてもよい。高圧フィルタプレスの濾室の圧力を濁度関連情報として使用するとき、実施形態に係る放射性物質分離装置は、濾室の圧力を測定する圧力計を、濾水の濁度に関連する濁度関連情報を取得する濁度関連情報取得部として使用する。実施形態に係る放射性物質分離装置は、濾室の圧力がしきい値以上であるときに濾水を浄化原水槽61に供給し、濾室の圧力がしきい値未満であるときに濾水を前処理部10に供給する。図14(a)に示すように、高圧フィルタプレスの濾室の圧力が低いとき濾水の濁度は高く、高圧フィルタプレスの濾室の圧力が高くなるに従って濾水の濁度は低下する。高圧フィルタプレスの濾室の圧力を濁度関連情報とするとき、制御部100は、高圧フィルタプレスの濾室の圧力と濾水の濁度との関係を示すテーブルを記憶してもよい。
また、実施形態に係る放射性物質分離装置は、高圧フィルタプレスが処理を開始してから経過した経過時間を濁度関連情報としてもよい。高圧フィルタプレスが処理を開始してから経過した経過時間を濁度関連情報として使用するとき、実施形態に係る放射性物質分離装置は、経過時間を測定するタイマを、濾水の濁度に関連する濁度関連情報を取得する濁度関連情報取得部として使用する。実施形態に係る放射性物質分離装置は、高圧フィルタプレスが処理を開始してから経過した経過時間がしきい値未満であるときに濾水を浄化原水槽61に供給し、経過時間がしきい値以上であるときに濾水を前処理部10に供給してもよい。図14(b)に示すように、高圧フィルタプレスが処理を開始した直後は濾水の濁度は高く、高圧フィルタプレスの処理時間が長くなるに従って濾水の濁度は低下する。高圧フィルタプレスが処理を開始してから経過した経過時間を濁度関連情報とするとき、制御部100は、高圧フィルタプレスが処理を開始してから経過した経過時間と濾水の濁度との関係を示すテーブルを記憶してもよい。なお、高圧フィルタプレスが処理するスラリーの密度が変動する場合、スラリーの密度に応じて複数のテーブルを記憶してもよい。
また、実施形態に係る放射性物質分離装置は、濁度関連情報として、高圧フィルタプレスに供給されるスラリーの流速又は流量、若しくは高圧フィルタプレスから流出する濾水の流速又は流量を採用してもよい。また、実施形態に係る放射性物質分離装置は、高圧フィルタプレスに供給されるスラリーの流速又は流量、若しくは高圧フィルタプレスから流出する濾水の流速又は流量と、高圧フィルタプレスの濾室の圧力とに基づいて濁度関連情報を決定してもよい。
また、実施形態に係る放射性物質分離装置では、礫分ピット122及び砂分ピット132に分級された砂礫は、放流水で洗浄された後に、産業廃棄物等として自然界に戻されてもよい。礫分ピット122及び砂分ピット132に分級された砂礫を洗浄して自然界に戻すことで、放射性物質を含有する汚染土砂を更に減容化及び減量化することができる。また、礫分ピット122及び砂分ピット132に分級された砂礫を放流水で洗浄するため、礫分ピット122及び砂分ピット132に分級された砂礫の洗浄のために余分な水分が供給されることはない。また、実施形態に係る放射性物質分離装置では、礫分ピット122及び砂分ピット132に分級された砂礫の洗浄に使用された放流水は、第1オゾン原水槽51又は浄化原水槽61に供給されてもよい。砂礫の洗浄に使用された放流水は第1オゾン原水槽51又は浄化原水槽61に供給されて、濾過処理及びセシウム除去処理が再度実行される。
また、実施形態に係る放射性物質分離装置では、高圧フィルタプレスである高圧脱水機43は、高圧フィルタプレスと外部との間を遮断する遮断構造物の内部に収納されてもよい。
図15は、高圧脱水機43が遮断構造物の内部に収納される実施形態の放射性物質分離装置のブロック図である。
放射性物質分離装置2は、処理部105の代わりに処理部205が配置される制御部200が制御部100の代わりに配置されることが放射性物質分離装置1と相違する。処理部205は、洗浄水供給部254を有することが処理部105と相違する。また、放射性物質分離装置2は、脱水部40の代わりに脱水部240を有することが放射性物質分離装置1と相違する。脱水部240及び洗浄水供給部254以外の放射性物質分離装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された放射性物質分離装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
図16は、脱水部240を示す図である。
脱水部240は、遮断構造物412と、清掃装置413と、洗浄水槽414と、濁度計415と、第1洗浄後水供給ポンプ416と、第2洗浄後水供給ポンプ417とを有することが脱水部40と相違する。遮断構造物412は、内部で発生した粉塵が外部に漏出しない構造を有する建屋である。清掃装置413は、不図示の供給管を介して放流水が放流予備槽92から供給される。清掃装置413は、放流予備槽92から供給される放流予備槽92から供給される放流水を洗浄前水として使用して遮断構造物412の内部を水洗する。洗浄水槽414は、遮断構造物412の内部の洗浄に使用された洗浄後水を貯水する。濁度計415は、洗浄水槽414に貯水された洗浄後水の濁度を計測し、計測した濁度を示す洗浄水濁度信号を洗浄水供給部254に出力する。洗浄水供給部254は、洗浄水槽414に貯水された洗浄後水の濁度がしきい値以上のときに、第1洗浄後水供給ポンプ416を駆動することを示す第1洗浄水供給ポンプ駆動信号を第1洗浄後水供給ポンプ416に出力する。洗浄水供給部254は、洗浄水槽414に貯水された洗浄後水の濁度がしきい値未満のときに、第2洗浄後水供給ポンプ417を駆動することを示す第2洗浄後水供給ポンプ駆動信号を第2洗浄後水供給ポンプ417に出力する。第1洗浄後水供給ポンプ416は、第1洗浄後水供給ポンプ駆動信号が入力されるときに、洗浄水槽414に貯水された洗浄後水を浄化原水槽61に供給する。第2洗浄後水供給ポンプ417は、第2洗浄後水供給ポンプ駆動信号が入力されるときに、洗浄水槽414に貯水された洗浄後水を急速濾過機71に供給する。第1洗浄後水供給ポンプ416と第2洗浄後水供給ポンプ417とは、洗浄後水を第1浄化部60又は第2浄化部70に供給する洗浄後水供給装置1400を形成する。
高圧フィルタプレスにより生成された脱水ケーキは水分を含むため、生成処理を実行中には、放射性物質を含む粉塵が脱水ケーキ等から発生することはない。しかしながら、高圧フィルタプレスが脱水ケーキの生成処理を終了して水分が高圧フィルタプレスの周囲に供給されなくなると、脱水ケーキの生成処理に伴って発生した放射性物質を含む粉塵が乾燥して大気中に浮遊するおそれがある。脱水部240は、高圧フィルタプレスと外部との間を遮断する遮断構造物412を有することで、脱水ケーキの生成処理に伴って発生した放射性物質を含む粉塵が自然界に飛散することを防止する。また、脱水ケーキの生成処理の終了後に、清掃装置413が遮断構造物412の内部を水洗することで、脱水ケーキの生成処理に伴って発生した放射性物質が遮断構造物412の内部で浮遊することを防止する。遮断構造物の内部の清掃に放流水を使用し、清掃に使用した放流水は浄化原水槽に供給されるので、遮断構造物の内部の清掃により実施形態に係る放射性物質分離装置に余分な水分が供給されることはない。
放射性物質分離装置2は、洗浄後水の濁度が高いときには、第1浄化部60に洗浄後水を供給して、洗浄後水から浮遊物質を除去する。一方、放射性物質分離装置2は、洗浄後水の濁度が低いときに洗浄後水から浮遊物質を除去する必要がないので、第1浄化部60ではなく第2浄化部70に洗浄後水を供給する。放射性物質分離装置2では、洗浄後水の濁度が低いときには、第1浄化部60ではなく第2浄化部70に洗浄後水を供給するので、第1浄化部60の処理量の増加を最小限に抑えることができる。
また、実施形態に係る放射性物質分離装置は、脱水ケーキの放射線量に応じて生成された脱水ケーキを区分してもよい。
図17は、放射線量に応じて脱水ケーキを区分可能な放射性物質分離装置のブロック図である。
放射性物質分離装置3は、処理部105の代わりに処理部305が配置される制御部300が制御部100の代わりに配置されることが放射性物質分離装置1と相違する。処理部305は、処理区分決定部354を有することが処理部105と相違する。また、放射性物質分離装置3は、脱水ケーキ区分装置301を有することが放射性物質分離装置1と相違する。脱水ケーキ区分装置301及び処理区分決定部354以外の放射性物質分離装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された放射性物質分離装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
図18は、脱水ケーキ区分装置301のブロック図である。
脱水ケーキ区分装置301は、搬出装置3010と、第1搬送装置3011と、第2搬送装置3012と、第3搬送装置3013と、選択テーブル3014と、テーブル制御装置3015とを有する。脱水ケーキ区分装置301は、搬出移動装置3020と、第1移動装置3021と、第2移動装置3022と、第3移動装置3023とを更に有する。搬出装置3010、第1搬送装置3011、第2搬送装置3012及び第3搬送装置3013はベルトコンベアである。搬出装置3010は、脱水ケーキが梱包されたフレキシブルコンテナバッグをケーキホッパー46から選択テーブル3014に搬出する。搬出装置3010、第1搬送装置3011、第2搬送装置3012及び第3搬送装置3013は、フレキシブルコンテナバッグを選択テーブル3014から第1集積場3031、第2集積場3032及び第3集積場3033のそれぞれに搬送する。搬出移動装置3020は、フレキシブルコンテナバッグを搬出装置3010から選択テーブル3014に移動する。第1移動装置3021、第2移動装置3022及び第3移動装置3023は、フレキシブルコンテナバッグを、選択テーブル3014から第1搬送装置3011、第2搬送装置3012及び第3搬送装置3013のそれぞれに移動する。
選択テーブル3014は、テーブル制御装置3015の指示に従って、搬出移動装置3020が選択テーブル3014に移動したフレキシブルコンテナバッグを移動する。テーブル制御装置3015は、処理区分決定部354の指示に従って、選択テーブル3014を制御する。
処理区分決定部354は、脱水ケーキの放射線量を測定する脱水ケーキ放射線量測定器411の測定値に応じてテーブル制御装置3015への指示を決定する。処理区分決定部354は、脱水ケーキ放射線量測定器411の測定値が8000Bq/kg以下のとき、フレキシブルコンテナバッグを第1移動装置3021が移動可能な位置に移動する指示をテーブル制御装置3015に出力する。処理区分決定部354は、脱水ケーキ放射線量測定器411の測定値が8000Bq/kgを超え10000Bq/kgのとき、フレキシブルコンテナバッグを第2移動装置3022が移動可能な位置に移動する指示をテーブル制御装置3015に出力する。処理区分決定部354は、脱水ケーキ放射線量測定器411の測定値が10000Bq/kgを超えるとき、フレキシブルコンテナバッグを第3移動装置3023が移動可能な位置に移動する指示をテーブル制御装置3015に出力する。
放射性物質分離装置2では、脱水ケーキの放射線量を測定する放射線量測定器の測定値に応じて脱水ケーキを分別し、放射線量に応じて脱水ケーキを搬送する集積場を変更することができるので、処理区分に応じて脱水ケーキを保管することができる。
(実施形態に係る放射性物質分離装置の態様)
〔態様1−1〕
放射性物質を含む汚泥からスラリーを生成する反応部と、
スラリーを脱水して脱水ケーキを生成する脱水部と、
脱水ケーキを生成するときに発生する濾水が供給される浄化原水槽を有し、浄化原水槽に貯水された浄化原水を濾過し且つ浄化原水から放射性物質を除去して放流水を生成する浄化部と、
放流水の放射線量を測定し、測定した放射線量を示す放射線量信号を出力する放流水放射線量測定器と、
放流水の水質を測定し、測定した水質を示す水質信号を出力する水質計器と、
放流水を自然界に放流し、又は放流水を浄化原水槽に戻す放流装置と、
放射線量信号及び水質信号が入力され、放射線量信号に対応する放射線量及び水質信号に対応する水質の双方が所定の基準を満たすときに、放流水を放流装置により自然界に放流し、放射線量及び水質の何れかが基準を満たさないときに、放流水を放流装置により浄化原水槽に戻す放流制御部と、
を有することを特徴とする放射性物質分離装置。
〔態様1−2〕
浄化部は、
浄化原水から浮遊物質を除去して濾過原水を生成する第1浄化部と、
濾過原水を濾過し且つ濾過原水から放射性物質を除去して放流水を生成する第2浄化部と、
を有する、態様1−1に記載の放射性物質分離装置。
〔態様1−3〕
浄化部は、放流水をオゾン処理するオゾン処理部を更に有する、態様1−2に記載の放射性物質分離装置。
〔態様1−4〕
脱水部は、脱水ケーキを生成する高圧フィルタプレス式脱水装置を有する、態様1−1〜3の何れか一項に記載の放射性物質分離装置。
〔態様2−1〕
放射性物質を含む汚泥からスラッジを生成する濃縮部と、
スラッジからスラリーを生成する反応部と、
スラリーを脱水して脱水ケーキを生成する脱水部と、
濃縮部がスラッジを生成するときに発生するうわ水をオゾン処理するオゾン処理部と、
オゾン処理部によりオゾン処理されたうわ水、及び脱水ケーキを生成するときに発生する濾水が供給される浄化原水槽を有し、浄化原水槽に貯水された浄化原水を濾過し且つ浄化原水から放射性物質を除去して放流水を生成する浄化部と、
放流水の放射線量を測定する放射線量と、放流水の水質を測定する水質計器とを有し、放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに放流水を放流する放水管理部と、
を有することを特徴とする放射性物質分離装置。
〔態様2−2〕
脱水部は、脱水ケーキを生成する高圧フィルタプレス式脱水装置を有する、態様2−1に記載の放射性物質分離装置。
〔態様3−1〕
放射性物質を含む汚泥からスラリーを生成する反応部と、
スラリーを脱水して脱水ケーキを生成する脱水部と、
脱水ケーキを生成するときに発生する濾水から浮遊物質を除去して濾過原水を生成する第1浄化部と、
濾過原水を砂濾過する急速濾過機と、急速濾過機で砂濾過された濾過原水が通水されて濾過原水から放射性物質を除去して放流水を生成する可燃性のフィルタとを有する第2浄化部と、
放流水の放射線量を測定する放射線量と、放流水の水質を測定する水質計器とを有し、放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに放流水を放流する放水管理部と、
を有することを特徴とする放射性物質分離装置。
〔態様3−2〕
濾水の放射線量を測定する濾水放射線量測定器と、
放流水の放射線量を測定する放流水放射線量測定器と、
濾水放射線量測定器が測定した放射線量と放流水放射線量測定器が測定した放射線量との差がしきい値未満のときに、フィルタの交換を示すフィルタ交換信号を出力するフィルタ交換指示部と、
を更に有する、態様3−1に記載の放射性物質分離装置。
〔態様3−3〕
脱水部は、脱水ケーキを生成する高圧フィルタプレス式脱水装置を有する、態様3−1又は2に記載の放射性物質分離装置。
〔態様4−1〕
放射性物質を含む泥土から砂礫を分離して汚泥を生成する前処理部と、
汚泥からスラリーを生成する反応部と、
スラリーを脱水して脱水ケーキを生成する高圧フィルタプレス式脱水装置と、
脱水ケーキを生成するときに発生する濾水の濁度に関連する濁度関連情報を取得し、取得した濁度関連情報を示す濁度関連情報信号を出力する濁度関連情報取得部と、
濾水を浄化原水槽又は前処理部に供給する濾水供給装置と、
濁度関連情報信号が入力され、濾水供給装置を制御する濾水供給制御部と、
浄化原水槽を有し、浄化原水槽に貯水された浄化原水を濾過し且つ浄化原水から放射性物質を除去して放流水を生成する浄化部と、
放流水の放射線量を測定する放射線量と、放流水の水質を測定する水質計器とを有し、放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに放流水を放流する放水管理部と、を有し、
濾水供給制御部は、濁度関連情報が所定の基準を満たすときに、濾水を濾水供給装置により浄化原水槽に供給し、濁度関連情報が所定の基準を満たさないときに、濾水を濾水供給装置により前処理部に供給する、ことを特徴とする放射性物質分離装置。
〔態様4−2〕
濁度関連情報取得部は、濾水に含まれる浮遊物質の量を測定する浮遊物質量センサを含み、
濾水供給制御部は、濾水に含まれる浮遊物質の量がしきい値未満であるときに第1濾水供給装置駆動信号を出力し、濾水に含まれる浮遊物質の量がしきい値以上であるときに第2濾水供給装置駆動信号を出力する、態様4−1に記載の放射性物質分離装置。
〔態様4−3〕
濁度関連情報取得部は、濾水の濁度を測定する濁度計を含み、
濾水供給制御部は、濾水の濁度がしきい値未満であるときに第1濾水供給装置駆動信号を出力し、濾水の濁度がしきい値以上であるときに第2濾水供給装置駆動信号を出力する、態様4−1に記載の放射性物質分離装置。
〔態様4−4〕
濁度関連情報取得部は、高圧フィルタプレス式脱水装置の濾室の圧力を測定する圧力計を含み、
濾水供給制御部は、濾室の圧力がしきい値未満であるときに第2濾水供給装置駆動信号を出力し、濾室の圧力がしきい値以上であるときに濾水を第1濾水供給装置駆動信号を出力する、態様4−1に記載の放射性物質分離装置。
〔態様4−5〕
濁度関連情報取得部は、高圧フィルタプレス式脱水装置が処理を開始してから経過した経過時間を測定するタイマを含み、
濾水供給制御部は、経過時間がしきい値未満であるときに第2濾水供給装置駆動信号を出力し、経過時間がしきい値以上であるときに濾水を第1濾水供給装置駆動信号を出力する、態様4−1に記載の放射性物質分離装置。
〔態様4−6〕
前処理部は、
濾水が供給され、泥土を砂礫と泥水とに分離する分離装置と、
分離装置で分離された汚泥を貯泥する下部槽と、
分離装置で分離された砂礫を貯蔵するピットと、
を有する、態様4−1〜5の何れか一つに記載の放射性物質分離装置。
〔態様4−7〕
砂礫は、放流水により洗浄される、態様4−6に記載の放射性物質分離装置。
〔態様4−8〕
砂礫の洗浄に使用された放流水は、浄化原水槽に供給される、態様4−7に記載の放射性物質分離装置。
〔態様5−1〕
放射性物質を含む汚泥からスラリーを生成する反応部と、
スラリーを脱水して脱水ケーキを生成する脱水部と、
脱水ケーキを生成するときに発生する濾水から浮遊物質を除去して濾過原水を生成する第1浄化部と、
濾過原水を濾過し且つ濾過原水から放射性物質を除去して放流水を生成する第2浄化部と、
放流水の放射線量を測定する放射線量と、放流水の水質を測定する水質計器とを有し、放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに放流水を放流する放水管理部と、を有し、
脱水部は、
脱水ケーキを生成する高圧フィルタプレス式脱水装置と、
高圧フィルタプレス式脱水装置を内部に収納し、高圧フィルタプレス式脱水装置と外部との間を遮断する遮断構造物と、
洗浄前水を使用して遮断構造物の内部を清掃する清掃装置と、
清掃装置が洗浄に使用した洗浄後水を貯水する洗浄水槽と、
洗浄後水の濁度を測定する洗浄水濁度測定器と、
洗浄後水を第1浄化部又は第2浄化部に供給する洗浄後水供給装置と、
洗浄後水の濁度がしきい値以上のときに、洗浄後水を洗浄後水供給装置により第1浄化部に供給し、洗浄後水の濁度がしきい値未満のときに、洗浄後水を洗浄後水供給装置により第2浄化部に供給する洗浄水供給制御部と、
を有することを特徴とする放射性物質分離装置。
〔態様5−2〕
清掃装置は、放流水を使用して遮断構造物の内部を清掃する、態様5−1に記載の放射性物質分離装置。
〔態様6−1〕
放射性物質を含む汚泥からスラリーを生成する反応部と、
スラリーを脱水して脱水ケーキを生成する脱水部と、
脱水ケーキを生成するときに発生する濾水を濾過し且つ濾水から放射性物質を除去して放流水を生成する浄化部と、
放流水の放射線量を測定する放射線量と、放流水の水質を測定する水質計器とを有し、放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに放流水を放流する放流管理部と、
脱水ケーキの放射線量を測定する放射線量測定器と、
放射線量測定器が測定した放射線量に基づいて、脱水ケーキの処理区分を決定する処理区分決定部と、
処理区分決定部が決定した処理区分に応じて、脱水ケーキを分別する脱水ケーキ区分装置と、
を有することを特徴とする放射性物質分離装置。
〔態様6−2〕
脱水部は、脱水ケーキを生成する高圧フィルタプレス式脱水装置を有する、態様6−1に記載の放射性物質分離装置。
1、2、3 放射性物質分離装置
10 前処理部
20 濃縮部
30 反応部
40、240 脱水部
50 第1オゾン処理部
60 第1浄化部
70 第2浄化部
80 第2オゾン処理部
90 放流管理部
100、200、300 制御部
301 脱水ケーキ区分装置

Claims (3)

  1. 放射性物質を含む汚泥からスラリーを生成する反応部と、
    前記スラリーを脱水して脱水ケーキを生成する脱水部と、
    前記脱水ケーキを生成するときに発生する濾水から浮遊物質を除去して濾過原水を生成する第1浄化部と、
    前記濾過原水を砂濾過する急速濾過機と、前記急速濾過機で砂濾過された前記濾過原水が通水されて前記濾過原水から放射性物質を除去して放流水を生成する可燃性のフィルタとを有する第2浄化部と、
    前記放流水の放射線量を測定する放射線量と、前記放流水の水質を測定する水質計器とを有し、前記放流水の放射線量及び水質が所定の基準を満たすときに前記放流水を放流する放水管理部と、
    を有することを特徴とする放射性物質分離装置。
  2. 前記濾水の放射線量を測定する濾水放射線量測定器と、
    前記放流水の放射線量を測定する放流水放射線量測定器と、
    前記濾水放射線量測定器が測定した放射線量と前記放流水放射線量測定器が測定した放射線量との差がしきい値未満のときに、前記フィルタの交換を示すフィルタ交換信号を出力するフィルタ交換指示部と、
    を更に有する、請求項1に記載の放射性物質分離装置。
  3. 前記脱水部は、前記脱水ケーキを生成する高圧フィルタプレス式脱水装置を有する、請求項1又は2に記載の放射性物質分離装置。
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