JP2017105717A - カップリング反応副生物の低減方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パラジウム触媒存在下の芳香族ボロン酸化合物を用いた鈴木・宮浦カップリング反応の目的物については、その用途や品質管理の面から、極めて高純度であることが要求されており、副生成物である当該芳香族ボロン酸合物の脱ボロン酸・水素付加物を低減させる製造方法の提供。
【解決手段】トリアジン等で置換された芳香族ボロン酸化合物と、芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物と、パラジウム触媒と、反応溶媒の混合物を加熱してカップリング反応させる工程を含み、前記工程によって析出した生成物をろ過により取得する工程を含む、カップリング反応生成物の製造方法であって、前記加熱の開始からろ過が完了するまでの操作について前記混合物に前記反応溶媒とは異なる溶媒を追加添加することなく行う鈴木・宮浦カップリング反応生成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カップリング反応副生成物の低減方法及び当該方法を用いたカップリング反応化合物の製造方法に関する。
芳香族ボロン酸化合物と芳香族ハロゲン化合物のカップリング反応による芳香族化合物の製造においては、目的化合物の収率を向上させるために、当該カップリング反応終了時に反応液中に水等の貧溶媒を添加し、反応溶液中に溶解していた目的物を析出させ、析出した化合物を分離精製することが従来から行われていた(例えば、特許文献1)。
特開2015−027986
発明者らの検討の結果、芳香族ボロン酸化合物と芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物のカップリング反応終了時に反応液に貧溶媒を添加すると、目的物と同時に副生成物(芳香族ボロン酸合物の脱ボロン酸・水素付加物)が析出することが判明した。カップリング反応の目的物については、その用途や品質管理の面から、極めて高純度であることが要求され、上記の副生成物についても限りなく低減することが要求される。そこで、本発明者らは、上記の副生成物の目的物からの分離を検討したところ、当該副生成物は目的物と物性が近いために、従来公知の再結晶化や昇華等の精製方法による当該副生物の分離が困難であることが判明し、当該副生成物を低減させる課題の解決が求められた。
より具体的には、本発明者らは、下記一般式(1)
Figure 2017105717
(式中、Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Arは、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Xは、窒素原子又はCHを表す。
BOLは、ボロン酸基又はボロン酸エステル基を表す。)
で表される化合物を原料としたカップリング反応を各種検討し、詳細に分析したところ、一般式(2)のBOLが脱離・水素化した下記一般式(3)
Figure 2017105717
(式中、各置換基の定義については、上記一般式(1)と同じ)
で表される副生物が生成し、目的物の高純度化を妨げることを課題として見出した。
このような課題に対して、本発明の目的は、上記の副生成物を低減し、高純度の目的物を得ることにある。
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来行われていた反応液に水等の貧溶媒を添加する操作をせずに、得られた結晶をろ過することによって反応目的物中の前記副生成物の含有量を効率的に低減し、極めて高純度な目的化合物を製造することができることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
すなわち、本願発明は、上記一般式(1)で表される芳香族ボロン酸化合物と芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物とパラジウム触媒と反応溶媒の混合物を加熱してカップリング反応させる工程を行い、前記工程によって析出した生成物をろ過により取得する工程を行う、カップリング反応生成物の製造方法であって、前記加熱の開始からろ過が完了するまでの操作について前記混合物に前記反応溶媒とは異なる溶媒を追加添加することなく行うことを特徴とするカップリング反応生成物の製造方法、によって上記課題を解決することを見出し、本願発明を完成させるに至った。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本願発明は、下記一般式(1)
Figure 2017105717
(式中、Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Arは、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Xは、窒素原子又はCHを表す。
BOLは、ボロン酸基又はボロン酸エステル基を表す。)
で表される芳香族ボロン酸化合物と、芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物と、パラジウム触媒と、反応溶媒の混合物を加熱してカップリング反応させる工程を含み、前記工程によって析出した生成物をろ過により取得する工程を含む、カップリング反応生成物の製造方法であって、前記加熱の開始から反応液のろ過が終了するまでの操作について前記混合物に前記反応溶媒とは異なる溶媒を追加添加することなく行うことを特徴とするカップリング反応生成物の製造方法である。
なお、好ましくは、芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物が下記一般式(2)
Figure 2017105717
(式中、
Arは、炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
HALは、ハロゲン元素又はトリフラート基を表す。)
で表される化合物であって、カップリング反応生成物が下記一般式(4)
Figure 2017105717
(式中、
Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Xは、窒素原子又はCHを表す。
Arは、各々独立して、炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。)
で表される化合物であって、カップリング反応に伴って副生する副生成物が下記一般式(3)
Figure 2017105717
(式中、
Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Arは、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Xは、窒素原子又はCHを表す。)
で表される化合物である、ことを特徴とする前記の製造方法である。
本願発明における芳香族ボロン酸化合物としては、特に限定するものではないが、一般公知のボロン酸又はボロン酸エステルを有する芳香族化合物を用いることができる。本発明の効果が著しい点で、芳香族ボロン酸化合物としては、上記の一般式(1)で表される芳香族ボロン酸化合物が好ましい。
一般式(1)で表される芳香族ボロン酸化合物において、Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Arにおいて、炭素数1〜4のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソプロピル基、又はt−ブチル基等が挙げられる。このなかで、化合物が安定な点で、メチル基がより好ましい。
Arにおいて、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントロリル基、アントラセニル基、ピレニル基、又はトリフェニレニル基等が挙げられる。このなかで、副生成物の精製効率が高い点で、フェナントロリル基又はアントラセニル基が好ましい。
Arにおいて、炭素数4〜20の複素環芳香族基としては、特に限定するものではないが、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、キノリル基、イソキノリル基、又はフェナントロリニル基等が挙げられる。
Arとしては、副生成物を低減しやすいという点で、フェナントロリル基、アントラセニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、ピリジン基、ピリミジル基、ピラジル基(これらの基は、メチル基またはフッ素原子で置換されていてもよい)であることが好ましく、フェナントロリル基、アントリル基、ピリジル基、又はピリミジル基(これらの基は、メチル基またはフッ素原子で置換されていてもよい)であることがより好ましい。
一般式(1)で表される芳香族ボロン酸化合物において、Arは、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
Arにおいて、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、又はトリフェニレニル基等が挙げられる。このなかで、副生成物の精製効率が高い点で、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
Arにおいて、炭素数1〜4のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソプロピル基、又はt−ブチル基等が挙げられる。このなかで、化合物が安定な点で、メチル基がより好ましい。
一般式(1)で表される芳香族ボロン酸化合物において、BOLは、ボロン酸又はボロン酸エステルを表す。
BOLとしては、特に限定するものではないが、例えば、B(OH)、B(OMe)、B(OPr)、B(OBu)、B(OPh)等の基や、以下に示す基を挙げることができる。
Figure 2017105717
これらのBOLのうち、反応の選択性がよい点で(II)で表される基がより好ましい。
一般式(1)で表される芳香族ボロン酸化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、以下に示す化合物(1)−1〜(1)−18を挙げることができる。
Figure 2017105717
Figure 2017105717
本願発明における芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物としては、特に限定するものではないが、一般公知のハロゲン元素又はトリフラート基を有する芳香族化合物を用いることができる。本発明の効果が著しい点で、芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物としては、上記の一般式(2)で表される芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物が好ましい。
一般式(2)で表される芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物において、Arは、炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。また、HALは、ハロゲン元素又はトリフラート基を表す。
Arにおいて、炭素数1〜4のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソプロピル基、又はt−ブチル基等が挙げられる。このなかで、化合物が安定な点で、メチル基がより好ましい。
Arにおいて、炭素数4〜20の複素環芳香族基としては、特に限定するものではないが、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、キノリル基、イソキノリル基、又はフェナントロリニル基等が挙げられる。このなかで、副生成物の精製効率が高い点で、ピリジル基、ピリミジル基、又はピラジル基がより好ましい。
HALは、ハロゲン原子又はトリフラート基を表し、特に限定するものではないが、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、又はトリフラート基が挙げられる。このうち、反応収率がよい点で、臭素原子又は塩素原子が好ましい。
一般式(2)で表される芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、以下に示す化合物(2)−1〜(2)−20を挙げることができる。
Figure 2017105717
一般式(3)で表される化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、以下に示す化合物(3)−1〜(3)−18を挙げることができる。
Figure 2017105717
Figure 2017105717
本願発明の製造法は、パラジウム触媒及び反応溶媒の存在下で、前記芳香族ボロン酸化合物と前記芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物の混合物について加熱してカップリング反応を行う工程を含む。
反応に用いることのできるパラジウム触媒としては、特に限定するものではないが、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム等の塩を挙げることができる。さらに、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、パラジウムアセチルアセトナト、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリ(tert−ブチル)ホスフィンパラジウム、ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム等を挙げることができる。中でも、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリ(tert−ブチル)ホスフィンパラジウム等の第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体は、収率がよい点で好ましく、入手容易である点で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、又はトリ(tert−ブチル)ホスフィンパラジウムがさらに好ましい。なお、上記の第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体は、パラジウム塩又は錯化合物に第三級ホスフィンを添加し、反応系中で調製することもできる。
第三級ホスフィンとしては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等を例示することができる。このうち、取り扱いが容易であり、収率がよい点で、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルが好ましい。
パラジウム塩又は錯化合物に第三級ホスフィンを添加する場合、第三級ホスフィンの添加量は、パラジウム塩又は錯化合物の1モル(パラジウム原子換算)に対して0.1〜10倍モルであることが好ましく、収率がよい点で0.3〜5倍モルであることがさらに好ましい。
本願発明のカップリング反応については、更に塩基を追加して用いることができる。用いることのできる塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等を例示することができる。このうち、収率がよい点で、炭酸カリウム、リン酸カリウム、又は水酸化ナトリウムが好ましい。
本願発明のカップリング反応において、反応溶媒中で実施される。反応溶媒としては、有機溶媒が好ましく、特に制限はないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、エタノール、ブタノール、キシレン等を例示することができ、これらを適宜組み合わせて用いてもよい。このうち、収率がよい点で、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、又はトルエン−ブタノール混合溶媒が好ましい。
本願発明の製造方法は、カップリング反応工程によって析出した生成物をろ過により取得する工程を含み、カップリング反応工程における加熱の開始からろ過が完了するまでの操作について前記混合物に前記反応溶媒とは異なる溶媒を追加添加することなく行うことを特徴とする
本願発明の製造方法において、ろ過の方法としては、一般公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ろ紙、ろ布、グラスフィルターを用いる方法を例示することができる。
本願発明において、反応溶媒とは異なる溶媒とは、特に限定するものではないが、前述した反応溶媒の例示の中から、実際に反応溶媒として使用したもの以外のものであれば特に限定されない。なお、一般的には、反応溶媒よりも目的物の溶解性に劣る貧溶媒が好まれる傾向にあり、本願発明において、反応溶媒とは異なる溶媒とは反応溶媒よりも目的物の溶解性に劣る貧溶媒であることが好ましく、水であることがより好ましい。
以下、実施例及び参考例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
実施例1
Figure 2017105717
窒素雰囲気下、20mLのシュレンクに2−{5−(9−フェナントリル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物(1)−4)を1.00g(1.64mmol)、酢酸パラジウム(II)を3.70mg(0.02mmol)、X−Phosを15.6mg(0.03mmol)を入れた後、テトラヒドロフランを8.2mLと3−ブロモ−2,6−ジブロモピリジン(化合物(2)−3)を0.23mL滴下した。その後、10分間撹拌し65℃まで加熱した。反応液が灰色懸濁液から黒色透明液に変化した後、2.0Mリン酸カリウム水溶液を2.45mL滴下した。4時間後加熱を止め、室温まで冷却した。その後、そのままろ過を行い、目的とする2−{3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イル)−5−(9−フェナントリル)フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−1)を0.87g(収率90%)を得た。その後、液体クロマトグラフィー(HPLC)で不純物の純度を測定した。不純物である化合物(3)−4の含有量は0.006LC面積%であった。
実施例2
Figure 2017105717
化合物(1)−4の代わりに、2−{5−(9−アントラセニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物(1)−5)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的とする2−{5−(9−アントラセニル)−3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イル)フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−2)を0.80g(収率83%)を得た。不純物である化合物(3)−5の含有量は0.007LC面積%であった。
実施例3
Figure 2017105717
化合物(2)−3の代わりに4−ブロモ−2−メチルピリジン(化合物(2)−4)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的とする2−{3−(3−メチルピリジン−4−イル)−5−(9−フェナントリル)フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−4)を0.79g(収率83%)を得た。不純物である化合物(3)−4の含有量は0.008LC面積%であった。
参考例1
実施例1において、4時間加熱の操作が終了した直ぐ後に水を12.5mL加えた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。目的とする化合物A−1を0.92g(収率95%)を得た。不純物である(3)−4の含有量は0.019LC面積%であった。
参考例2
比較例1にて得られたろ過後の化合物A−1をトルエン8mLで再結晶した。再結晶後、トルエン、メタノールを使ってろ過し、目的とする化合物A−1を0.76g(収率78%)を得た。ろ過後の不純物(3)−4の含有量は、0.012LC面積%であった。
Figure 2017105717
本願発明の製造方法を用いることによって、有機EL等の電子製品用途等向けの化合物・材料について、極めて高い材料純度を要求する市場要求を満たすことができる。このような高純度な材料の提供が実現することによって、有機EL素子等への意図しない不純物混入に起因し得る発光性能の低下や性能劣化速度の上昇といった不具合発生のリスクを低減することができ、長寿命で耐久性に優れた製品の提供を実現することが可能になる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2017105717
    (式中、
    Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Arは、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Xは、窒素原子又はCHを表す。
    BOLは、ボロン酸基又はボロン酸エステル基を表す。)
    で表される芳香族ボロン酸化合物と、芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物と、パラジウム触媒と、反応溶媒の混合物を加熱してカップリング反応させる工程を含み、前記工程によって析出した生成物をろ過により取得する工程を含む、カップリング反応生成物の製造方法であって、前記加熱の開始から反応液のろ過が終了するまでの操作について前記混合物に前記反応溶媒とは異なる溶媒を追加添加することなく行うことを特徴とするカップリング反応生成物の製造方法。
  2. 芳香族ハロゲン化合物又は芳香族トリフラート化合物が下記一般式(2)
    Figure 2017105717
    (式中、
    Arは、炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    HALは、ハロゲン元素又はトリフラート基を表す。)
    で表される化合物であり、カップリング反応生成物が下記一般式(4)
    Figure 2017105717
    (式中、
    Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Arは、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Xは、窒素原子又はCHを表す。
    Arは、炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。)
    で表される化合物であって、尚且つ、カップリング反応において副生する副生成物が下記一般式(3)
    Figure 2017105717
    (式中、
    Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Arは、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Xは、窒素原子又はCHを表す。)
    で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法であって、ろ過終了後、取得した生成物を溶媒で洗浄することを特徴とする、製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法であって、ろ過終了後、取得した生成物を前記反応溶媒と同じ溶媒で洗浄すること特徴とする、製造方法。
  5. 一般式(1)、(3)、及び(4)において、2つのArが共にフェニル基である、請求項1乃4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 一般式(2)及び(4)において、Arがピリジル基、ピリミジル基、又はピラジル基(これらの基は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい)である請求項1乃至5のいずれか一項記載の製造方法。
  7. 一般式(1)及び(4)において、Arがフェナントロリル基又はアントラセニル基(これらの基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)である、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 一般式(3)
    Figure 2017105717
    (式中、
    Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Arは、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Xは、窒素原子又はCHを表す。)
    で表される化合物を0.01重量%未満含むことを特徴とする、一般式(4)
    Figure 2017105717
    (式中、
    Arは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)、又は炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Arは、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。
    Xは、窒素原子又はCHを表す。
    Arは、炭素数4〜20の複素環芳香族基(該基は、炭素数1〜4のアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい)を表す。)
    で表される化合物。
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