JP2017103954A - 圧電駆動装置、モーター、ロボット、およびポンプ - Google Patents

圧電駆動装置、モーター、ロボット、およびポンプ Download PDF

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智明 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】被駆動体に接触する接触部材のバネ定数を特定することにより、振動体部の共振周波数の変化量を小さくすることができる圧電駆動装置を提供する。【解決手段】固定部、および圧電素子が設けられ前記固定部に支持された振動体部を有する基板と、被駆動体に接触し、前記振動体部の動きを前記被駆動体に伝える接触部材と、を含み、前記接触部材は、接着剤を介して、前記振動体部に設けられ、前記振動体部と前記接触部材との間に、初期バネ定数以下のバネ定数を有する低バネ定数領域が設けられ、前記低バネ定数領域は、前記接着剤を含み、前記初期バネ定数は、前記接触部材と同じ材質および同じ体積の第1仮想球を、前記被駆動体と同じ材質および同じ体積の第2仮想球に押し当てた系のバネ定数である、圧電駆動装置。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電駆動装置、モーター、ロボット、およびポンプに関する。
圧電素子により振動体を振動させて被駆動体を駆動する圧電アクチュエーター(圧電駆動装置)は、磁石やコイルが不要のため、様々な分野で利用されている。
このような圧電駆動装置において、過渡的な振動の防止、超音波振動子と被駆動体部材との接触部の磨耗の防止、および電力効率の向上などを目的として、圧電駆動装置の被駆動体との接触部近傍にバネ領域を設けることが記載されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開2008−295234号公報 特開平06−22565号公報 特開2015−80329号公報
しかしながら、特許文献1〜3には、バネ領域があるという定性的なことしか記載されておらず、具体的なバネ領域のバネ定数や押圧による接触部材の変形量などについては、言及されていない。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、被駆動体に接触する接触部材のバネ定数を特定することにより、振動体部の共振周波数の変化量を小さくすることができる圧電駆動装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記の圧電駆動装置を含むモーター、ロボット、またはポンプを提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る圧電駆動装置の一態様は、
固定部、および圧電素子が設けられ前記固定部に支持された振動体部を有する基板と、
被駆動体に接触し、前記振動体部の動きを前記被駆動体に伝える接触部材と、
を含み、
前記接触部材は、接着剤を介して、前記振動体部に設けられ、
前記振動体部と前記接触部材との間に、初期バネ定数以下のバネ定数を有する低バネ定数領域が設けられ、
前記低バネ定数領域は、前記接着剤を含み、
前記初期バネ定数は、前記接触部材と同じ材質および同じ体積の第1仮想球を、前記被駆動体と同じ材質および同じ体積の第2仮想球に押し当てた系のバネ定数である。
このような圧電駆動装置では、接触部材が被駆動体と接触することにより磨耗したり、外乱によって接触部材と被駆動体との接触状態が変化したりしても、振動体部の共振周波
数(縦振動の共振周波数)の変化量を小さくすることができる(詳細は後述する)。
[適用例2]
適用例1において、
前記第1仮想球の、ヤング率をE、ポアソン比をν、半径をRとし、
前記第2仮想球の、ヤング率をE、ポアソン比をν、半径をRとし、
押圧力Fで前記第1仮想球を前記第2仮想球に押し当てたときの、前記第1仮想球と前記第2仮想球との接触面の半径をaとすると、前記低バネ定数領域のバネ定数Kは、
の関係を満たしてもよい。
ただし、
である。
このような圧電駆動装置では、振動体部の共振周波数の変化量を小さくすることができる。
[適用例3]
適用例1または2において、
前記低バネ定数領域は、前記接着剤であってもよい。
このような圧電駆動装置では、振動体部の共振周波数の変化量を小さくすることができる。
[適用例4]
本発明に係るモーターの一態様は、
適用例1ないし3のいずれか1例に記載の圧電駆動装置と、
前記圧電駆動装置によって回転されるローターと、
を含む。
このようなモーターでは、本発明に係る圧電駆動装置を含むことができる。
[適用例5]
本発明に係るロボットの一態様は、
複数のリンク部と、
複数の前記リンク部を接続する関節部と、
複数の前記リンク部を前記関節部で回動させる適用例1ないし3のいずれか1例に記載
の圧電駆動装置と、
を含む。
このようなロボットでは、本発明に係る圧電駆動装置を含むことができる。
[適用例6]
本発明に係るポンプの一態様は、
適用例1ないし3のいずれか1例に記載の圧電駆動装置と、
液体を輸送するチューブと、
前記圧電駆動装置の駆動によって前記チューブを閉鎖する複数のフィンガーと、
を含む。
このようなポンプでは、本発明に係る圧電駆動装置を含むことができる。
本実施形態に係る圧電駆動装置を模式的に示す平面図。 本実施形態に係る圧電駆動装置を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る圧電駆動装置を模式的に示す平面図。 第1仮想球を第2仮想球に押し当てた状態を説明するための図。 本実施形態に係る圧電駆動装置を説明するための等価回路を示す図。 本実施形態に係る圧電駆動装置の動作を説明するための図。 接触面の半径と、荷重、変位、および等価バネ定数と、の関係を示す表。 接触面の半径と、荷重、変位、および等価バネ定数と、の関係を示すグラフ。 圧電駆動装置の駆動時間と、接触面の直径と、の関係を示すグラフ。 圧電駆動装置の駆動時間と、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との差と、の関係を示すグラフ。 周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフ。 周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフ。 シミュレーションに用いたモデルを説明するための図。 バネ定数と共振周波数との関係を示すグラフ。 バネ定数の変化量および縦振動の共振周波数の変化量を示す表。 バネ定数と共振周波数の変化量との関係を示す表。 ヤング率と厚さとの関係を示す表。 本実施形態の第1変形例に係る圧電駆動装置を模式的に示す平面図。 本実施形態の第2変形例に係る圧電駆動装置を模式的に示す平面図。 本実施形態に係るロボットを説明するための図。 本実施形態に係るロボットの手首部分を説明するための図。 本実施形態に係るポンプを説明するための図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 圧電駆動装置
まず、本実施形態に係る圧電駆動装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る圧電駆動装置100を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態に係る圧電駆動装置100を模式的に示す図1のII−II線断面である。図3は、図
1の接触部材近傍の拡大図である。
圧電駆動装置100は、図1〜図3に示すように、基板10と、接触部材20と、低バネ定数領域22と、圧電素子30と、を含む。
基板10は、例えば、シリコン基板と、シリコン基板上に設けられた酸化シリコン層と、酸化シリコン層上に設けられた酸化ジルコニウム層と、の積層体から構成されている。
基板10は、図1に示すように、振動体部12と、固定部14と、第1接続部16と、第2接続部18と、を有している。図示の例では、振動体部12の平面形状(基板10の厚さ方向からみた形状)は、長方形である。振動体部12上には、圧電素子30が設けられ、振動体部12は、圧電素子30の変形により振動することができる。固定部14は、接続部16,18を介して、振動体部12を支持している。固定部14は、例えば、外部部材(図示せず)に固定されている。図示の例では、接続部16,18は、振動体部12の長手方向における中央部から、該長手方向と直交する方向に延出し、固定部14に接続されている。
接触部材20は、低バネ定数領域22を介して、振動体部12の長手方向(以下、単に「長手方向」ともいう)における端部12aに設けられている。端部12aは、平面視において(基板10の厚さ方向からみて)、振動体部12の短辺によって構成されている。図示の例では、接触部材20の形状は、直方体である。接触部材20は、被駆動部材(具体的には、後述する図6に示すローター4)と接触して、振動体部12の動きを被駆動部材に伝える部材である。接触部材20の材質は、例えば、セラミックス(具体的にはアルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、窒化ケイ素(SiN)、またはこれらの混合物など)である。
低バネ定数領域22は、振動体部12と接触部材20との間に設けられている。図示の例では、低バネ定数領域22の形状は、直方体である。低バネ定数領域22は、接着剤を含む。図示の例では、低バネ定数領域22は、接着剤である。具体的には、低バネ定数領域22は、シリコーン系、ウレタン系、エポキシ系などの弾性接着剤である。
低バネ定数領域22は、長手方向において、初期バネ定数以下のバネ定数を有する。ここで、「初期バネ定数」とは、図4に示すように、接触部材20と同じ材質および同じ体積の第1仮想球Bを、被駆動体と同じ材質および同じ体積の第2仮想球Bに押し当てた系のバネ定数である(詳細は後述する「3. 実験例」参照)。
さらに、第1仮想球Bの、ヤング率をE、ポアソン比をν、半径をRとし、第2仮想球Bの、ヤング率をE、ポアソン比をν、半径をRとし、押圧力Fで第1仮想球Bを前記第2仮想球Bに押し当てたときの、仮想球B,Bが変形して形成される接触面Cの半径をaとすると、低バネ定数領域22のバネ定数Kは、下記式(1)の関係を満たす。
ただし、E*、a、およびRは、下記式(2)〜式(4)の関係を満たす。
圧電素子30は、図2に示すように、基板10上に設けられている。具体的には、圧電素子30は、振動体部12上に設けられている。圧電素子30は、第1電極32と、圧電体層34と、第2電極36と、を有している。
第1電極32は、振動体部12上に設けられている。図1に示す例では、第1電極32の平面形状は、長方形である。第1電極32は、振動体部12上に設けられたイリジウム層と、イリジウム層上に設けられた白金層と、によって構成されていてもよい。イリジウム層の厚さは、例えば、5nm以上100nm以下である。白金層の厚さは、例えば、50nm以上300nm以下である。なお、第1電極32は、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Ni、Cuなどからなる金属層、またはこれらの2種以上を混合または積層したものであってもよい。第1電極32は、圧電体層34に電圧を印加するための一方の電極である。
圧電体層34は、第1電極32上に設けられている。図示の例では、圧電体層34の平面形状は、長方形である。圧電体層34の厚さは、例えば、50nm以上20μm以下であり、好ましくは、1μm以上7μm以下である。このように、圧電素子30は、薄膜圧電素子である。圧電体層34の厚さが50nmより小さいと、圧電駆動装置100の出力が小さくなる場合がある。具体的には、出力を上げようとして圧電体層34への印加電圧を高くすると、圧電体層34が絶縁破壊を起こす場合がある。圧電体層34の厚さが20μmより大きいと、圧電体層34にクラックが生じる場合がある。
圧電体層34としては、ペロブスカイト型酸化物の圧電材料を用いる。具体的には、圧電体層34の材質は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O:PZTN)である。圧電体層34は、電極32,36によって電圧が印加されることにより、変形(伸縮)することができる。
第2電極36は、圧電体層34上に設けられている。図示の例では、第2電極36の平面形状は、長方形である。第2電極36は、圧電体層34上に設けられた密着層と、密着層上に設けられた導電層と、によって構成されていてもよい。密着層の厚さは、例えば、10nm以上100nm以下である。密着層は、例えば、TiW層、Ti層、Cr層、NiCr層や、これらの積層体である。導電層の厚さは、例えば、1μm以上10μm以下である。導電層は、例えば、Cu層、Au層、Al層やこれらの積層体である。第2電極36は、圧電体層34に電圧を印加するための他方の電極である。
圧電素子30は、複数設けられている。図1に示す例では、圧電素子30は、5つ設けられている(圧電素子30a,30b,30c,30d,30e)。平面視において、例えば、圧電素子30a〜30dの面積は同じであり、圧電素子30eは、圧電素子30a
〜30dよりも大きな面積を有している。圧電素子30eは、振動体部12の短手方向の中央部において、振動体部12の長手方向に沿って設けられている。圧電素子30a,30b,30c,30dは、振動体部12の四隅に設けられている。図示の例では、圧電素子30a〜30eにおいて、第1電極32は、1つの連続的な導電層として設けられている。
なお、図示はしないが、圧電駆動装置100は、圧電素子30を覆うように設けられた絶縁層や、第1電極32と電気的に接続された第1配線層、および第2電極36と電気的に接続された第2配線層を有していてもよい。
図5は、圧電駆動装置100を説明するための等価回路を示す図である。圧電素子30は、3つのグループに分けられる。第1グループは、2つの圧電素子30a,30dを有する。第2グループは、2つの圧電素子30b,30cを有する。第3グループは、1つの圧電素子30eのみを有する。図5に示すように、第1グループの圧電素子30a,30dは、互いに並列に接続され、駆動回路110に接続されている。第2グループの圧電素子30b,30cは、互いに並列に接続され、駆動回路110に接続されている。第3グループの圧電素子30eは、単独で駆動回路110に接続されている。
駆動回路110は、5つの圧電素子30a,30b,30c,30d,30eのうちの所定の圧電素子、例えば、圧電素子30a,30d,30eの第1電極32と第2電極36との間に周期的に変化する交流電圧または脈流電圧を印加する。これにより、圧電駆動装置100は、振動体部12を超音波振動させて、接触部材20に接触するローター(被駆動部材)を所定の回転方向に回転させることができる。ここで、「脈流電圧」とは、交流電圧にDCオフセットを付加した電圧を意味し、脈流電圧の電圧(電界)の向きは、一方の電極から他方の電極に向かう一方向である。
なお、電界の向きは、第1電極32から第2電極36に向かうよりも第2電極36から第1電極32に向かう方が好ましい。また、圧電素子30b,30c,30eの電極32,36間に交流電圧または脈流電圧を印加することにより、接触部材20に接触するローターを逆方向に回転させることができる。
図6は、圧電駆動装置100の振動体部12の動作を説明するための図である。圧電駆動装置100の接触部材20は、図6に示すように、被駆動部材としてのローター4の外周に接触している。駆動回路110は、圧電素子30a,30dの電極32,36間に交流電圧または脈流電圧を印加する。これにより、圧電素子30a,30dは、矢印xの方向に伸縮する。これに応じて、振動体部12は、振動体部12の平面内で屈曲振動して蛇行形状(S字形状)に変形する。さらに、駆動回路110は、圧電素子30eの電極32,36間に交流電圧または脈流電圧を印加する。これにより、圧電素子30eは、矢印yの方向に伸縮する。これにより、振動体部12は、振動体部12の平面内で縦振動する。上記のような振動体部12の屈曲振動および縦振動によって、接触部材20は、矢印zのように楕円運動する。その結果、ローター4は、その中心4aの周りに所定の方向R(図示の例では時計回り方向)に回転する。
なお、駆動回路110が、圧電素子30b,30c,30eの電極32,36間に交流電圧または脈流電圧を印加する場合には、ローター4は、方向Rとは反対方向(反時計回り方向)に回転する。
また、振動体部12の屈曲振動の共振周波数と縦振動の共振周波数とは、同じであることが好ましい。これにより、圧電駆動装置100は、効率よくローター4を回転させることができる。
図6に示すように、本実施形態に係るモーター120は、本発明に係る圧電駆動装置(図示の例では圧電駆動装置100)と、圧電駆動装置100によって回転されるローター4と、を含む。ローター4の材質は、例えば、セラミックスである。図示の例では、ローター4の形状は、円柱状である。
圧電駆動装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
圧電駆動装置100では、振動体部12と接触部材20との間に、初期バネ定数以下のバネ定数を有する低バネ定数領域22が設けられている。そのため、圧電駆動装置100では、接触部材20がローター4と接触することにより磨耗したり、外乱によって接触部材20とローター4との接触状態が変化したりしても、振動体部12の共振周波数の変化量を小さくすることができる(詳細は後述する「3. 実験例」を参照)。その結果、圧電駆動装置100では、出力特性を安定にすることができ、長寿命化を図ることができる。
2. 圧電駆動装置の製造方法
次に、本実施形態に係る圧電駆動装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1および図2に示すように、基板10の振動体部12上に第1電極32を形成する。第1電極32は、例えば、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法などによる成膜、およびパターニング(フォトリソグラフィーおよびエッチングによるパターニング)により形成される。
次に、第1電極32上に圧電体層34を形成する。圧電体層34、例えば、液相法による前駆体層の形成と該前駆体層の結晶化とを繰り返した後、パターニングすることによって形成される。液相法とは、薄膜(圧電体層)の構成材料を含む原料液を用いて薄膜材料を成膜する方法であり、具体的には、ゾルゲル法やMOD(Metal Organic
Deposition)法などである。結晶化は、酸素雰囲気において、例えば、700℃〜800℃の熱処理により行われる。
次に、圧電体層34に第2電極36を形成する。第2電極36は、例えば、第1電極32と同じ方法で形成される。なお、図示はしないが、第2電極36のパターニングと圧電体層34のパターニングとは、同一の工程として行われてもよい。
以上の工程により、基板10の振動体部12上に、圧電素子30を形成することができる。
次に、接着剤である低バネ定数領域22を介して、接触部材20を振動体部12に接着させる。
以上の工程により、圧電駆動装置100を製造することができる。
3. 実験例
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実験例によって何ら限定されるものではない。
3.1. 接触面の半径および等価バネ定数の計算
アルミナからなる第1仮想球Bおよび第2仮想球Bを想定した。第1仮想球B
、接触部材に相当し、第2仮想球Bは、ローターに相当する。第1仮想球Bの、半径Rを1×10−4m、ヤング率Eを3.7×1011Pa、ポアソン比νを0.23とした。第2仮想球Bの、半径Rを1×10−2m、ヤング率Eを3.7×1011Pa、ポアソン比νを0.23とした。
上記のような第1仮想球Bを、押圧力F=0.6Nで第2仮想球Bに押し当てることを想定した(図4参照)。式(2)〜式(4)により、換算ヤング率E*、換算半径R、およびFで押し当てられることにより仮想球B,Bが変形して形成される接触面Cの半径(初期半径)aを、下記のように求めた。接触面Cの形状は、円形となる。
E*=1.95×1011N/cm
R=9.9×10−5
=6.1×10−6
次に、接触面Cの半径aを振って、ヘルツ応力理論に基づいた下記式(5)〜式(7)により、荷重(仮想球B,Bに働く力)F、変位(第1仮想球Bの変形量と第2仮想球Bの変形量との合計)δ、および等価バネ定数Kを求めた。
図7は、半径aを振った場合の、荷重F、変位δ、および等価バネ定数Kを示す表である。図8は、半径aと等価バネ定数Kとの関係を示すグラフである。
図7および図8により、接触面Cの半径aと等価バネ定数Kとは比例関係にあり、半径aが大きくなると、等価バネ定数Kは大きくなることがわかった。荷重Fを強くしていくと、仮想球B,Bが変形し、接触面Cの面積が増えるため、等価バネ定数Kは大きくなる。また、仮想球B,Bが削れて接触面Cの面積が増えたときも同容に、等価バネ定数Kは大きくなるといえる。
図7および図8において、半径a=6.1×10−6mは、半径aに相当し、仮想球B,Bを接触させた直後の接触面Cの半径であり、等価バネ定数K=1.6×10N/mは、0.6Nの押圧力で、第1仮想球Bに第2仮想球Bを押し当てたときの系のバネ定数(初期バネ定数)である。
3.2. 接触面の大きさおよび共振周波数の変化に関する実験
次に、アルミナからなる接触部材およびローターを用いて実験を行った。接触部材を0.6Nの荷重でローターに押圧させて圧電駆動装置を駆動させ、接触部材とローターとの接触面Cの直径Φ、および圧電駆動装置の振動体部における縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との差Δfを求めた。接触部材として、半径1×10−4mの球体を用いた。ローターとして、半径1×10−2mの円柱体を用いた。なお、ローターの半径は接
触部材の半径に比べて十分に大きいので、接触部材とローターとの接触面Cは、接触部材が削れて(変形して)形成されたものとみなすことができる。
図9は、圧電駆動装置の駆動時間と、接触面Cの直径Φと、の関係を示すグラフである。図10は、圧電駆動装置の駆動時間と、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との差Δfと、の関係を示すグラフである。
図9および図10に示すように、圧電駆動装置の駆動により、接触部材は削れて、振動体部の共振周波数が変化することがわった。約15分の駆動で、接触部材は、接触面Cの直径Φが36μmになるまで削れ、共振周波数の差Δfは、駆動開始直後から14kHz増加した。
図11および図12は、周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフである。図11は、圧電駆動装置の駆動開始直後(駆動時間ゼロ)の状態を示しており、図12は、約15分経過後の状態を示している。
図11に示すように、圧電駆動装置の駆動開始直後では、インピーダンス曲線の谷は1つだけ確認された。これは、振動体部の縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とが、一致しているためである。一方、図12に示すように、約15分経過後では、インピーダンス曲線の谷は2つ確認された。これは、振動体部の縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とがずれたためである。レーザードップラー振動計により、周波数の小さい方の谷が屈曲振動に相当し、周波数の大きい方の谷が縦振動に相当することがわかった。屈曲振動の共振周波数は、駆動開始直後から約10kHz増加した。縦振動の共振周波数は、駆動開始直後から約24kHz増加した。縦振動の共振周波数の変化に比べて、屈曲振動の共振周波数の変化が小さいのは、屈曲方向(横方向)には、接触部材とローターとの間で滑りが生じたためであると考えられる。
3.3. 計算と実験との整合に関するシミュレーション
図13に示すようなモデルMを用いて、有限要素法によるシミュレーションを行った。シミュレーションでは、モデルMに荷重Fを加えてモデルMの長手方向のバネ定数を変化させ、そのときの縦振動の共振周波数を求めた。
図14は、モデルMの長手方向のバネ定数と、モデルMの縦振動の共振周波数と、の関係を示すグラフである。
ここで、上述した「3.2.」の実験により、駆動時間が約15分経過すると、接触面Cの直径Φが36μmとなり、縦振動は、駆動開始直後に比べて約24kHz増加することがわかった。接触面Cの直径Φが36μm(すなわち半径aが18μm)の場合、上述した「3.1.」の計算により(図7より)、等価バネ定数は、4.6×10N/mである。また、上述した「3.2.」の実験では、荷重F=0.6Nであるので、駆動開始直後の等価バネ定数は、1.6×10N/mである。すなわち、上述した「3.1.」の計算および「3.2.」の実験により、等価バネ定数が1.6×10N/mから4.6×10N/mに変化すると、縦振動の共振周波数は、約24kHz増加するといえる。
図14に示すシミュレーション結果では、バネ定数が1.6×10N/mから4.6×10N/mに変化すると、縦振動の共振周波数は、約30kHz増加した。この縦振動の共振周波数の増加量は、「3.2.」の実験で求めた約24kHzという値にほぼ一致した。接触部材が削れると、バネ定数が変化し、振動体部の共振周波数が変化するといえる。
なお、接触部材の形状が球状、蒲鉾形状(半円柱状)の場合は、磨耗により接触部材が削れて接触部材とローターとの接触面積が増加するため、振動体部の共振周波数は変化する。接触部材の形状が直方体や円筒系の場合でも、組立誤差や外部ショックによりローターが接触部材の角に当たったり、ローターの偏心やうねりなどで接触部材とローターとの接触状態が変わったりするため、圧電駆動装置の駆動中に、振動体部の共振周波数は変化する。
3.4. 低バネ定数領域のバネ定数および共振周波数の変化に関する計算
次に、接触部材と振動体部との間に低バネ定数領域を設けた圧電駆動装置を想定し、低バネ定数領域のバネ定数と、振動体部の縦振動の共振周波数の変化と、の関係を計算した。接触部材と振動体部との間に低バネ定数領域を設けた、直列接続の系では、接触部材と低バネ定数領域との合成バネ定数は、バネ定数の低い低バネ定数領域のバネ定数に依存する。
図15は、バネ定数K=1.6×10N/mを有する低バネ定数領域を有する場合(有りの場合)と、有さない場合(無しの場合)と、のバネ定数の変化量および縦振動の共振周波数の変化量を示す表である。
図15において、「無し」の場合で、「バネ定数初期」は、圧電駆動装置の駆動直後の接触部材のバネ定数KS1に相当し、「バネ定数変化後」は、圧電駆動装置を例えば15分間駆動させた場合の接触部材のバネ定数KS2に相当している。「有り」の場合で、「バネ定数初期」は、接触部材と低バネ定数領域との合成バネ定数KG1に相当し、下記式(8)により算出した。「有り」の場合で、「バネ定数変化後」は、接触部材と低バネ定数領域との合成バネ定数KG2に相当し、下記式(9)により算出した。
図15において、「無し」の場合で、「縦共振周波数変化量」の24kHzは、上述した「3.2.」の実験により求めた値である。「有り」の場合で、「縦共振周波数変化量」の値ΔF(=3.097kHz)は、図11に示すように、バネ定数と共振周波数とは比例関係にあることから、「無し」の場合のバネ定数変化量をΔK(=3×10N/m)とし、「無し」の場合の縦共振周波数変化量をΔF(=24kHz)とし、「有り」の場合のバネ定数変化量をΔK(=3.9×10N/m)として、下記式(10)より算出した。
図15に示すように、バネ定数K=1.6×10N/mの低バネ定数領域を設けることにより、振動体部の縦振動の共振周波数の変化量を、低バネ定数領域を設けない場合に比べて、1/8程度に抑えられることがわかった。ここで、「1.6×10N/mのバネ定数」は、上述した「3.1.」の計算に示したように、第1仮想球Bを第2仮想
球Bに押し当てたときのバネ定数(初期バネ定数)である。したがって、振動体部と接触部材との間に、長手方向において、初期バネ定数以下のバネ定数を有する低バネ定数を設けることにより、例えば接触部材が磨耗しても、振動体部の縦振動の共振周波数の変化量を小さくすることができることがわかった。
図16は、低バネ定数領域のバネ定数と、振動体部の縦振動の共振周波数の変化量と、の関係を示す表である。各バネ定数に対する共振周波数の変化量は、図12と同様の方法で算出した。
図16に示すように、低バネ定数領域のバネ定数を5×10N/m以下とすることで共振周波数変化量を1kHz未満に抑えられることがわかった。
3.5. 接着剤の厚さに関する計算
低バネ定数領域が接着剤である場合に、「1.6×10N/mのバネ定数K」を得るには、接着剤の厚さ(長手方向の大きさ)T(図3参照)を、どの位にすればよいのか計算した。図3に示すように、接触部材の形状および接着剤の形状を直方体とした。接触部材と接着剤との接触面積Sを1×10−8とした。
図17は、接着剤のヤング率Eを変化させたときに、K=1.6×10N/mとなる接着剤の厚さTを示す表である。厚さTは、下記式(11)により求めた。
シリコーン系およびウレタン系の接着剤(例えば、3M社製の弾性接着剤590)のヤング率は、3×10Pa程度である。したがって、このような接着剤を用いた場合、図17より、厚さを0.19μm以上とすれば、接着剤のバネ定数を、1.6×10N/m以下にすることができる。
シリコーン系の接着剤(例えば、東レ社製のDA6501ダウコーニング)のヤング率は、9×10Pa程度である。したがって、このような接着剤を用いた場合、図13より、厚さを0.0056μm以上とすれば、接着剤のバネ定数を、1.6×10N/m以下にすることができる。
エポキシ系の接着剤(例えば、エイブルスティック社製の342−37)のヤング率は、2.94×10Pa程度である。したがって、このような接着剤を用いた場合、図13より、厚さを18μm以上とすれば、接着剤のバネ定数を、1.6×10N/m以下にすることができる。
上記の3つの接着剤の中では、圧電駆動装置の小型化を考慮すると、シリコーン系およびウレタン系の接着剤、またはシリコーン系の接着剤の接着剤が好ましい。
4. 圧電駆動装置の変形例
4.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る圧電駆動装置について、図面を参照しながら説明する。図18は、本実施形態の第1変形例に係る圧電駆動装置200を模式的に示す平面図である。
以下、本実施形態の第1変形例に係る圧電駆動装置200において、本実施形態に係る圧電駆動装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、以下に示す本実施形態の第2変形例に係る圧電駆動装置についても同様である。
上述した圧電駆動装置100では、図3に示すように、接触部材20の形状は、直方体であった。これに対し、圧電駆動装置200では、図18に示すように、接触部材20の形状は、球状である。図示の例では、振動体部12に切り欠き13が設けられ、切り欠き13に接着剤である低バネ定数領域22が充填されている。接触部材20は、切り欠き13内の低バネ定数領域22によって接着されている。
圧電駆動装置200では、圧電駆動装置100と同様に、振動体部の縦振動の共振周波数と、屈曲振動の共振周波数と、の差を小さくすることができる。
4.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る圧電駆動装置について、図面を参照しながら説明する。図19は、本実施形態の第2変形例に係る圧電駆動装置300を模式的に示す平面図である。
上述した圧電駆動装置100では、図3に示すように、低バネ定数領域22は、接着剤であった。これに対し、圧電駆動装置300では、図19に示すように、低バネ定数領域22は、プラスチックシートである。低バネ定数領域22の材質は、例えば、ABS、ポリウレタン、ポリエチレン等の樹脂である。
プラスチックシートである低バネ定数領域22は、振動体部12と接触部材20との間に設けられている。低バネ定数領域22は、接着剤24によって振動体部12に接着されている。接触部材20は、接着剤25によって低バネ定数領域22に接着されている。
圧電駆動装置300では、圧電駆動装置100と同様に、振動体部の縦振動の共振周波数と、屈曲振動の共振周波数と、の差を小さくすることができる。
さらに、圧電駆動装置300では、低バネ定数領域22は接着剤とは別部材なので(低バネ定数領域22は接着剤ではないので)、接着剤24,25として、厚さやヤング率を考慮せずに、接着性の高い材料を選択することができる。
5. 圧電駆動装置を用いた装置
本発明に係る圧電駆動装置は、共振を利用することで被駆動体に対して大きな力を与えることができるものであり、各種の装置に適用可能である。本発明に係る圧電駆動装置は、例えば、ロボット(電子部品搬送装置(ICハンドラー)も含む)、投薬用ポンプ、時計のカレンダー送り装置、印刷装置の紙送り機構等の各種の機器における駆動装置として用いることが出来る。以下、代表的な実施の形態について説明する。以下では、本発明に係る圧電駆動装置として、圧電駆動装置100を含む装置について説明する。
5.1. ロボット
図20は、圧電駆動装置100を利用したロボット2050を説明するための図である。ロボット2050は、複数本のリンク部2012(「リンク部材」とも呼ぶ)と、それらリンク部2012の間を回動または屈曲可能な状態で接続する複数の関節部2020と、を備えたアーム2010(「腕部」とも呼ぶ)を有している。
それぞれの関節部2020には、圧電駆動装置100が内蔵されており、圧電駆動装置
100を用いて関節部2020を任意の角度だけ回動または屈曲させることが可能である。アーム2010の先端には、ロボットハンド2000が接続されている。ロボットハンド2000は、一対の把持部2003を備えている。ロボットハンド2000にも圧電駆動装置100が内蔵されており、圧電駆動装置100を用いて把持部2003を開閉して物を把持することが可能である。また、ロボットハンド2000とアーム2010との間にも圧電駆動装置100が設けられており、圧電駆動装置100を用いてロボットハンド2000をアーム2010に対して回転させることも可能である。
図21は、図20に示したロボット2050の手首部分を説明するための図である。手首の関節部2020は、手首回動部2022を挟持しており、手首回動部2022に手首のリンク部2012が、手首回動部2022の中心軸O周りに回動可能に取り付けられている。手首回動部2022は、圧電駆動装置100を備えており、圧電駆動装置100は、手首のリンク部2012およびロボットハンド2000を中心軸O周りに回動させる。ロボットハンド2000には、複数の把持部2003が立設されている。把持部2003の基端部はロボットハンド2000内で移動可能となっており、この把持部2003の根元の部分に圧電駆動装置100が搭載されている。このため、圧電駆動装置100を動作させることで、把持部2003を移動させて対象物を把持することができる。なお、ロボットとしては、単腕のロボットに限らず、腕の数が2以上の多腕ロボットにも圧電駆動装置100を適用可能である。
ここで、手首の関節部2020やロボットハンド2000の内部には、圧電駆動装置100の他に、力覚センサーやジャイロセンサー等の各種装置に電力を供給する電力線や、信号を伝達する信号線等が含まれ、非常に多くの配線が必要になる。したがって、関節部2020やロボットハンド2000の内部に配線を配置することは非常に困難だった。しかしながら、圧電駆動装置100は、通常の電動モーターよりも駆動電流を小さくできるので、関節部2020(特に、アーム2010の先端の関節部)やロボットハンド2000のような小さな空間でも配線を配置することが可能になる。
5.2. ポンプ
図22は、圧電駆動装置100を利用した送液ポンプ2200の一例を示す説明するための図である。送液ポンプ2200は、ケース2230内に、リザーバー2211と、チューブ2212と、圧電駆動装置100と、ローター2222と、減速伝達機構2223と、カム2202と、複数のフィンガー2213,2214,2215,2216,2217,2218,2219と、を含む。
リザーバー2211は、輸送対象である液体を収容するための収容部である。チューブ2212は、リザーバー2211から送り出される液体を輸送するための管である。圧電駆動装置100の接触部材20は、ローター2222の側面に押し付けた状態で設けられており、圧電駆動装置100がローター2222を回転駆動する。ローター2222の回転力は減速伝達機構2223を介してカム2202に伝達される。フィンガー2213から2219はチューブ2212を閉塞させるための部材である。カム2202が回転すると、カム2202の突起部2202Aによってフィンガー2213から2219が順番に放射方向外側に押される。フィンガー2213から2219は、輸送方向上流側(リザーバー2211側)から順にチューブ2212を閉塞する。これにより、チューブ2212内の液体が順に下流側に輸送される。こうすれば、ごく僅かな量を精度良く送液可能で、しかも小型な送液ポンプ2200を実現することができる。
なお、各部材の配置は図示されたものには限られない。また、フィンガーなどの部材を備えず、ローター2222に設けられたボールなどがチューブ2212を閉塞する構成であってもよい。上記のような送液ポンプ2200は、インシュリンなどの薬液を人体に投
与する投薬装置などに活用できる。ここで、圧電駆動装置100を用いることにより、通常の電動モーターよりも駆動電流を小さくできるので、投薬装置の消費電力を抑制することができる。したがって、投薬装置を電池駆動する場合は、特に有効である。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
4…ローター、4a…中心、10…基板、12…振動体部、12a…端部、13…切り欠き、14…固定部、16…第1接続部、18…第2接続部、20…接触部材、22…低バネ定数領域、24,25…接着剤、30,30a,30b,30c,30d,30e…圧電素子、32…第1電極、34…圧電体層、36…第2電極、100…圧電駆動装置、110…駆動回路、120…モーター、2000…ロボットハンド、2003…把持部、2010…アーム、2012…リンク部、2020…関節部、2050…ロボット、2200…送液ポンプ、2202…カム、2202A…突起部、2211…リザーバー、2212…チューブ、2213,2214,2215,2216,2217,2218,2219…フィンガー、2222…ローター、2223…減速伝達機構、2230…ケース

Claims (6)

  1. 固定部、および圧電素子が設けられ前記固定部に支持された振動体部を有する基板と、
    被駆動体に接触し、前記振動体部の動きを前記被駆動体に伝える接触部材と、
    を含み、
    前記接触部材は、接着剤を介して、前記振動体部に設けられ、
    前記振動体部と前記接触部材との間に、初期バネ定数以下のバネ定数を有する低バネ定数領域が設けられ、
    前記低バネ定数領域は、前記接着剤を含み、
    前記初期バネ定数は、前記接触部材と同じ材質および同じ体積の第1仮想球を、前記被駆動体と同じ材質および同じ体積の第2仮想球に押し当てた系のバネ定数である、圧電駆動装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1仮想球の、ヤング率をE、ポアソン比をν、半径をRとし、
    前記第2仮想球の、ヤング率をE、ポアソン比をν、半径をRとし、
    押圧力Fで前記第1仮想球を前記第2仮想球に押し当てたときの、前記第1仮想球と前記第2仮想球との接触面の半径をaとすると、前記低バネ定数領域のバネ定数Kは、
    の関係を満たす、圧電駆動装置。
    ただし、
    である。
  3. 請求項1または2において、
    前記低バネ定数領域は、前記接着剤である、圧電駆動装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧電駆動装置と、
    前記圧電駆動装置によって回転されるローターと、
    を含む、モーター。
  5. 複数のリンク部と、
    複数の前記リンク部を接続する関節部と、
    複数の前記リンク部を前記関節部で回動させる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧電駆動装置と、
    を含む、ロボット。
  6. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧電駆動装置と、
    液体を輸送するチューブと、
    前記圧電駆動装置の駆動によって前記チューブを閉鎖する複数のフィンガーと、
    を含む、ポンプ。
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