JP2017103890A - スライドシート用ワイヤハーネスの配索構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】スライドシート用ワイヤハーネスをシート下の狭いスペースに配置できる構成とする。
【解決手段】自動車に搭載されるスライドシートと車体との間に余長部を備えたワイヤハーネスが配索され、内部にワイヤハーネス挿通空間を設けた四角枠ブロックをヒンジ部を介して順次連結して一方向にのみ屈曲可とされたキャタピラ型の外装材で前記ワイヤハーネスが外装され、前記外装材の長さ方向の一端のシート取付側の側面から突出する支軸材が回転クランプを介してスライドシートに上下方向に回転自在に取り付けられ、該外装材のシート取付側の向きが水平方向と垂直方向とに変位可能にされていると共に、前後方向の一端を湾曲させたU字状配線部を介して、他端のフロア取付側は車体に固定されている。
【選択図】図2
【解決手段】自動車に搭載されるスライドシートと車体との間に余長部を備えたワイヤハーネスが配索され、内部にワイヤハーネス挿通空間を設けた四角枠ブロックをヒンジ部を介して順次連結して一方向にのみ屈曲可とされたキャタピラ型の外装材で前記ワイヤハーネスが外装され、前記外装材の長さ方向の一端のシート取付側の側面から突出する支軸材が回転クランプを介してスライドシートに上下方向に回転自在に取り付けられ、該外装材のシート取付側の向きが水平方向と垂直方向とに変位可能にされていると共に、前後方向の一端を湾曲させたU字状配線部を介して、他端のフロア取付側は車体に固定されている。
【選択図】図2
Description
本発明はスライドシート用ワイヤハーネスの配索構造に関し、特に、自動車に搭載するスライドシートの前後移動に追従させるワイヤハーネスの余長部分の前後作動範囲を短くして狭いスペースに配索可能とするものである。
自動車に搭載するスライドシートに配索するワイヤハーネスは、スライドシートの前後移動時にワイヤハーネスの余長部を追従させるため、屈曲可能なコルゲートチューブでワイヤハーネスを外装している場合が多い。コルゲートチューブでワイヤハーネスを外装すると、コルゲートチューブは全周のいずれの方向にも屈曲できるため、屈曲方向の規制ができず、周辺機器と接触する恐れがある。
前記問題に対して、本出願人は特開2013−49402号公報で、スライドシートに接続するワイヤハーネスの外装材として、図7に示すような、組立式四角筒状のキャタピラ型の外装材100を提供している。該キャタピラ型の外装材100は、図7(A)に示すように、樹脂製の帯状の平板に長さ方向に延在する4本の折曲ラインA〜Dを幅方向の中間部に間隔をあけて設け、かつ、幅方向の両側縁の一方側に係止突片102を設けると共に他方側に係止穴103を設けている。図7(B)に示すように、折曲ラインA〜Dに沿って折り曲げて四角筒形状とすると共に、係止穴103に係止突片102を挿入係止して四角筒に保持している。かつ、折曲ラインA〜Dを結ぶ幅方向に切込ラインKを長さ方向に間隔をあけて設け、四角筒の3辺111、112、113を分離させている。
前記のように組み立てた外装材100は、前記分離された中央の辺112と対向する切込ラインKが無い辺114は伸びることができない。よって、図7(B)に示すように、ワイヤハーネス200に外装した外装材100は、辺112が外周側となって一方向C1の方向にのみ屈曲でき、辺112が内周側となる他方向C2の方向には屈曲できない。このように、前記外装材100は一方向にのみ屈曲できるため、屈曲方向を規制して周辺機器との接触を防止する必要があるワイヤハーネスの外装材として好適に用いられる。
図7(C)に示すように、自動車に搭載するスライドシート150にフロア160側から配索するワイヤハーネス200を前記キャタピラ型の外装材100で外装する場合、該外装材100の上端をスライドシート150のP1の位置でクリップで固定し、ワイヤハーネスの余長部分をU字状に湾曲して下端をフロア160のP2の位置で固定し、スライドシート150の前後移動に応じて外装材100で外装したワイヤハーネス200は図中実線に示す位置と一点鎖線で示す位置とに移動することになる。
前記外装材100でU字状に迂回させるワイヤハーネスの余長部分は余長吸収ケース内に収容してスライドシートの下方に設置する場合が多い。前記のようにスライドシートの前後移動寸法が長くなると、余長吸収ケースが前後方向に長く大型化することになる。
前記外装材100でU字状に迂回させるワイヤハーネスの余長部分は余長吸収ケース内に収容してスライドシートの下方に設置する場合が多い。前記のようにスライドシートの前後移動寸法が長くなると、余長吸収ケースが前後方向に長く大型化することになる。
前記のように、スライドシート150とフロア160との間に配索するスライドシート用のワイヤハーネス200は、スライドシート150が図中矢印FRで示す前後に移動すると、追従して外装材100で外装したワイヤハーネスが矢印frで示す前後方向に移動する。即ち、スライドシート150の前後移動距離が長くなると、ワイヤハーネス200の前後移動距離も長くなり、ワイヤハーネス用の配索スペースとして前後方向に長いスペースが必要となる。さらに、前記余長吸収ケースを用いると、大きな設置スペースが必要となる。
一方、近時、シート下のボデーの剛性向上および軽量化より、各シートの下方の車長方向の中央にクロスメンバ−が幅方向に通り、該クロスメンバーの両端に車長方向の段状張り出し部を設けたH型構造とされる場合がある。該H型構造になると、左右の段状張り出し部の上面に左右のシートレールが設置され、この左右のシートレールの間で且つシートの中央下部を通るクロスメンバーで前後方向が遮られた狭いスペースがワイヤハーネスの配索スペースとなる。そのため、スライドシートの前後移動に追従させる必要があるワイヤハーネス用のスペースは特に前後方向で狭くなり、シート側に取り付けるプロテクタとフロア側に設置するプロテクタ・ケースの2つのプロテクタにワイヤハーネスを通して配索せざるを得なくなる。このように2つのプロテクタを用いてワイヤハーネスを配索するとコストがかかると共に、配索作業が容易に行えず作業手数がかかる等の問題がある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、各シート下部がH型構造等になってシート下方のワイヤハーネス用の配索スペースが狭くなっても、2つのプロテクタを用いることなく且つワイヤハーネスに損傷を発生させず、スライドシートの前後移動にワイヤハーネスを追従移動出来るようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、自動車に搭載されるスライドシートと車体との間に余長部を備えたワイヤハーネスが配索され、内部にワイヤハーネス挿通空間を設けた四角枠ブロックをヒンジ部を介して順次連結して一方向にのみ屈曲可とされたキャタピラ型の外装材で前記ワイヤハーネスが外装され、
前記外装材の長さ方向の一端のシート取付側の側面から突出する支軸材を回転クランプを介してスライドシートに上下方向に回転自在に取り付け、該外装材のシート取付側の向きが水平方向と垂直方向とに変位可能にされていると共に、前後方向の一端を湾曲させたU字状配線部を介して、他端のフロア取付側は車体に固定され、
前記スライドシートの前後移動に追従して、前記外装材の前記U字状配線部の屈曲位置を前後進させると共に前記回転自在に支持された前記シート取付側が水平方向と垂直方向の間で回転されて前記ワイヤハーネスが追従移動される構造としていることを特徴とするスライドシート用ワイヤハーネスの配索構造を提供している。
前記外装材の長さ方向の一端のシート取付側の側面から突出する支軸材を回転クランプを介してスライドシートに上下方向に回転自在に取り付け、該外装材のシート取付側の向きが水平方向と垂直方向とに変位可能にされていると共に、前後方向の一端を湾曲させたU字状配線部を介して、他端のフロア取付側は車体に固定され、
前記スライドシートの前後移動に追従して、前記外装材の前記U字状配線部の屈曲位置を前後進させると共に前記回転自在に支持された前記シート取付側が水平方向と垂直方向の間で回転されて前記ワイヤハーネスが追従移動される構造としていることを特徴とするスライドシート用ワイヤハーネスの配索構造を提供している。
前記キャタピラ型の外装材で外装したワイヤハーネスは、余長吸収ケース内に収容せずに、上部水平配置部から前後方向の一端を下向きに湾曲させて下部水平配置部とし、該下部水平配置部の先端の前記フロア取付側をクランプで固定している。
該下部水平配置部の先端に上向き又は横向きの断面コ字枠からなる直線ガイド部を連続して設け、該連続部にクランプを突設しフロアに固定してもよい。該直線ガイド部にはワイヤハーネスを固定せずに挿通しておき、自動車へのワイヤハーネスの固定時に直線ガイド部からワイヤハーネスを引き出してワイヤハーネスの作業余長を確保できるようにしている。
該下部水平配置部の先端に上向き又は横向きの断面コ字枠からなる直線ガイド部を連続して設け、該連続部にクランプを突設しフロアに固定してもよい。該直線ガイド部にはワイヤハーネスを固定せずに挿通しておき、自動車へのワイヤハーネスの固定時に直線ガイド部からワイヤハーネスを引き出してワイヤハーネスの作業余長を確保できるようにしている。
前記構造では、スライドシートの前後移動に追従してキャタピラ型の外装材のU字状配線部が湾曲部の位置を前後に移動させながら前後追従移動すると共に、該外装材のシート取付側の前記回転クランプで支持された前記支軸材が回転して、該外装材のシート側先端が横向きから上向きとなってキャタピラ型の外装材の湾曲部の曲率が大きくなる方向に上下追従移動する。この上下追従移動が前後追従移動に加わることにより前後追従移動寸法を減少できる。その結果、スライドシートの前後移動に追従させるためのワイヤハーネスの前後移動寸法を減少でき、スライドシート下部でワイヤハーネス用の前後移動スペースが減少しても対応させることができる。
前記キャタピラ型の外装材は硬質な樹脂成形品であり、該外装材のシート取付側のワイヤハーネスの軸線方向と直交する一側面に突出される前記支軸材はコルゲート状突出部からなり、前記回転クランプがコルゲートクランプからなり、該コルゲートクランプでスライドシートに取り付けられる前記外装材の一端から引き出すワイヤハーネスをチューブを通してシート側に配索して該シート内部に配索するシートハーネスと接続することが好ましい。
前記のように、キャタピラ型の外装材を高剛性、高強度を有するものとしているため、ワイヤハーネスの外部干渉材からの保護機能が高い。よって、該外装材で外装するワイヤハーネスを余長吸収ケースからなるプロテクタ内に収容する必要がなく、スライドシート下部のワイヤハーネス用スペースが狭い場合にも対応させることができる。かつ、スライドシートの下部のフロアを前記H型としてワイヤハーネス用スペースが減少した場合に必要とされた2つのプロテクタで保護する必要は無く、コストダウンおよび軽量化を図ることができる。
詳細には、前記キャタピラ型の外装材から引き出すワイヤハーネスを通す前記チューブは屈曲自在な樹脂チューブからなり、該樹脂チューブを通すワイヤハーネスをシート側へ配索し、
または、前記外装材に突出させる支軸材としてコルゲートチューブを用い、該コルゲートチューブに前記コルゲートクランプを取り付けると共に、該外装材の一端から引き出す前記ワイヤハーネスを前記コルゲートチューブ内を通して前記シート側に配索している。
または、前記外装材に突出させる支軸材としてコルゲートチューブを用い、該コルゲートチューブに前記コルゲートクランプを取り付けると共に、該外装材の一端から引き出す前記ワイヤハーネスを前記コルゲートチューブ内を通して前記シート側に配索している。
前記のように、スライドシートの前後移動に追従させる余長部を有するワイヤハーネスをキャタピラ型の外装材で外装してU字状に屈曲し、かつ、該外装材のシート側先端からシートへ引き出すワイヤハーネスをチューブに通して屈曲可としているため、ワイヤハーネスの最低曲げアールを外装材で維持できる。このように、ワイヤハーネスの外装材を最低曲げアールで曲げることができ、かつ、ワイヤハーネスを四角枠ブロックに挿通して保護しているため、該外装材を通す電線として、屈曲に強い高価な電線を用いる必要はなく、安価な一般電線を用いることができ、其の点でコスト低下を図ることができる。
前記キャタピラ型の外装材の前記四角枠ブロックは上下枠と左右側枠でワイヤハーネス挿通空間を囲み、前後面の開口をワイヤハーネス挿通口とし、
前記左右側枠の前後端面の上部または下部に、隣接する前記四角枠ブロックを連結する薄肉のヒンジ部を設け、
前記四角枠ブロックが直列状に連結される状態から、前記ヒンジ部が変形して隣接する四角枠ブロックが所要の曲げ率で屈曲して、該四角枠ブロックをヒンジ部で連結した外装材の全体が一方向に湾曲する構成としていることが好ましい。
前記左右側枠の前後端面の上部または下部に、隣接する前記四角枠ブロックを連結する薄肉のヒンジ部を設け、
前記四角枠ブロックが直列状に連結される状態から、前記ヒンジ部が変形して隣接する四角枠ブロックが所要の曲げ率で屈曲して、該四角枠ブロックをヒンジ部で連結した外装材の全体が一方向に湾曲する構成としていることが好ましい。
さらに、前記キャタピラ型の外装材は、前記上枠を開閉自在の蓋部とし、ワイヤハーネスの電線群を前記蓋部をあけて上面開口から横入れして挿通し、その後、蓋部を閉じて前記左右側枠の一方とロック結合して四角筒とし、挿通するワイヤハーネスの電線群を囲んでいる。
前記ヒンジ部は隣接する前記四角枠ブロック間で前記左右側枠の前後端面の下部を連結する位置に設け、
かつ、前記ヒンジ部の下部に、隣接する四角枠ブロックに向けて互いに突出する曲げ角度規制突起を設け、少なくとも一方の曲げ角度規制突起は上面の突出端より下枠に向かって傾斜するテーパ面を備えた三角形とし、
前記ヒンジ部が変形して前記四角枠ブロックが屈曲状に連結される際、前記曲げ角度規制突起のテーパ面が接触する位置で所要の曲げアールとなる設定としている。
かつ、前記ヒンジ部の下部に、隣接する四角枠ブロックに向けて互いに突出する曲げ角度規制突起を設け、少なくとも一方の曲げ角度規制突起は上面の突出端より下枠に向かって傾斜するテーパ面を備えた三角形とし、
前記ヒンジ部が変形して前記四角枠ブロックが屈曲状に連結される際、前記曲げ角度規制突起のテーパ面が接触する位置で所要の曲げアールとなる設定としている。
前記構成としたキャタピラ型の外装材は、ヒンジ部が変形して順次連結した四角枠ブロックが一方向に屈曲するキャタピラ型の外装材であるため、ワイヤハーネスの屈曲方向を規制でき、さらに、前記曲げ角度規制突起により曲げ角度も規制できる。よって、ワイヤハーネスの屈曲作動範囲の狭いスペースに配索できる。
前記のように、本発明のワイヤハーネスの配索構造では、スライドシートの前後移動に追従してキャタピラ型の外装材のU字状配線部が湾曲部の位置を前後に移動させながら前後追従移動すると共に、該外装材のシート取付側の前記回転クランプで支持された前記支軸材が回転して、該外装材のシート側先端が横向きから上向きとなってキャタピラ型の外装材の湾曲部の曲率が大きくなる方向に上下追従移動させることができる。この上下追従移動を前後追従移動に加えることにより前後追従移動寸法を減少できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5に本発明の第1実施形態を示す。
図1(A)に示す自動車に搭載するスライドシート10(以下、シート10と略す)の下部のフロアは、図1(B)に示すように、車長方向Xの前後方向の中央に車幅方向Yのクロスメンバー50が設けられ、車幅方向の両側に左右段状張り出し部51、51が設けられたH型構造とされている。左右段状張り出し部51、51の上面にシートレール12、12が搭載されている。シート10の下部のクロスメンバー50より前部側のクロス斜線で示す前後寸法L1のスペースSに、図1(C)に示すように、フロアハーネス53の分岐線からなるワイヤハーネス30がシート10の下部まで配線され、シート10内に配線されているシートハーネス55にコネクタ接続される。該シートハーネス55はシートに装着されている電装品と接続される。
図1乃至図5に本発明の第1実施形態を示す。
図1(A)に示す自動車に搭載するスライドシート10(以下、シート10と略す)の下部のフロアは、図1(B)に示すように、車長方向Xの前後方向の中央に車幅方向Yのクロスメンバー50が設けられ、車幅方向の両側に左右段状張り出し部51、51が設けられたH型構造とされている。左右段状張り出し部51、51の上面にシートレール12、12が搭載されている。シート10の下部のクロスメンバー50より前部側のクロス斜線で示す前後寸法L1のスペースSに、図1(C)に示すように、フロアハーネス53の分岐線からなるワイヤハーネス30がシート10の下部まで配線され、シート10内に配線されているシートハーネス55にコネクタ接続される。該シートハーネス55はシートに装着されている電装品と接続される。
シート10へフロア側から配索するワイヤハーネス30は、シート10の前後移動に追従するための余長部を備え、該ワイヤハーネス30をキャタピラ型の外装材1で外装し、該外装材1の屈曲でシート10の前後移動に追従できるようにしている。該外装材1は一方向にのみ屈曲可とされている。前記キャタピラ型の外装材1は図3および図4に示す構成とした樹脂成形品からなり、複数の四角枠ブロック2を薄肉のヒンジ部3を介して順次連結し、一方向にのみ屈曲可能としている。
図3(A)に示すように、キャタピラ型の外装材1の長さ方向の一端のシート取付側では、四角枠ブロック2の先端にシート側先端ブロック5をヒンジ部3を介して連結している。該シート側先端ブロック5は蓋部5dを備えた四角枠ブロックで、蓋部5dを開いてワイヤハーネス30を通し、挿通後は蓋部5dを閉じてロック結合している。
図4に示すように、前記シート側先端ブロック5の左側面5hの外面に支軸材6を突設している。本実施形態では、支軸材6としてコルゲートチューブの一部を用いており、外周面に円環状の山部6yと谷部6zとを長さ方向に交互に設けている。該支軸材6をコルゲートクランプからなる回転クランプ7で回転自在に外嵌支持し、該回転クランプ7に設けたロック溝7aにシート10の下部から突設したブラケット11を挿入係止している。
前記回転クランプ7とするコルゲートクランプは汎用品からなり、図3(A)および図4に示すように、一対の半円環部7bと7cとをヒンジ部7dで連結し、分割端にロック結合部7eを備え、コルゲートチューブに一対の半円環部7bと7cで外嵌した後にロック結合しており、内部に支持するコルゲートチューブからなる支軸材6を回転自在としている。一方の半円環部7bにロック溝7aを備えた取付部7gを設けている。また、一対の半円環部7bと7cの内周面にコルゲートチューブからなる支軸材6の谷部6zに嵌合する円弧状の嵌合突起7yを備えている。該コルゲートクランプからなる回転クランプ7でコルゲートチューブからなる支軸材6を外嵌すると、支軸材6は回転クランプ7の内部で自由に回転することができる。
このように、外装材1とシート10との回転連結機構をコルゲートチューブとコルゲートクランプとを利用して設けると、簡単でコストをかけずに、外装材1のシート側先端をシート10に回転自在に取り付けることができる。
このように、外装材1とシート10との回転連結機構をコルゲートチューブとコルゲートクランプとを利用して設けると、簡単でコストをかけずに、外装材1のシート側先端をシート10に回転自在に取り付けることができる。
前記のように、外装材1のシート側先端にコルゲートチューブからなる支軸材6を突設し、該コルゲートチューブにコルゲートクランプからなる回転クランプ7を取り付け、該コルゲートクランプをシート10に固定している。該構成とすることで、外装材1の支軸材6は上下垂直方向に回転自在とし、図2に示すように、シート側先端ブロック5が横向き水平姿勢(F1)と、シート側先端ブロック5の先端開口5hが上を向く垂直姿勢(F2)に変位できるようにしている。
前記シート側先端ブロック5の先端開口5hから引き出すワイヤハーネス30は屈曲自在な可撓性を有する樹脂チューブ8に通してシート10の下部まで配線し、ワイヤハーネス30の先端に接続したコネクタC1をシートハーネス55の先端のコネクタC2に嵌合接続している。
外装材1の前記各四角枠ブロック2は、図5(A)〜(D)に示す構造からなり、右側枠2a、左側枠2b、下枠2c、左側枠2bの上端にヒンジ部2eを介して開閉自在に連結した蓋部2dで、中空部のワイヤハーネス挿通空間2fを囲んでいる。前後はワイヤハーネス挿通用の開口2g、2hとしている。
該開口2g、2hを備えた前後端面の左側枠および右側枠を、隣接する四角枠ブロック2と前記ヒンジ部3で連結している。該ヒンジ部3は隣接する四角枠ブロック2間で、下枠2cに近接した位置に設けている。かつ、ヒンジ部3により連結する四角枠ブロック2には一つ飛びの四角枠ブロック2−Aに、左右側枠2b、2aより隣接する四角枠ブロック2ーBに向けて曲げ角度規制突起2mを突設する一方、四角枠ブロック2−Aの間の四角枠ブロック2−Bに曲げ角度規制突起2nを設けている。
四角枠ブロック2−Aに設ける前記曲げ角度規制突起2mは上面2m−aの突出端より下枠2cに向かって傾斜するテーパ面2m−bを備えた三角形としている。一方、四角枠ブロック2−Bに設ける曲げ角度規制突起2nは四角形としている。このように、曲げ角度規制突起2mと2nを対向して設け、外装材1が屈曲した際、曲げ角度規制突起2nの上面2n−aの先端に四角枠ブロック2−Aの曲げ角度規制突起2mの上面2m−aの先端が衝突し、該四角枠ブロック2ーAのテーパ面2m−bが四角枠ブロック2−Bの縦面2n−bに接触し、これにより外装材1の曲げアールを規定している。
四角枠ブロック2−Aと2−Bとをヒンジ部3を介して前後方向に交互に連結している外装材1は、屈曲時に、図5(D)に示すように、隣接する四角枠ブロック2−Aと2−Bの蓋部2dの前後対向面が互いに開くと共に、下枠2cの前後対向面は曲げ角度規制突起2mと2nとが接触するまで一方向にのみ屈曲する。
前記四角枠ブロック2(2−A、2−B)の蓋部2dの先端にロック爪2r1を設ける一方、右側枠2aの外面上部にロック枠2r2を設けている。
該四角枠ブロック2にワイヤハーネスを挿通する時、図4(B)に示すように、蓋部2dを開き、ワイヤハーネス30を挿入後に閉鎖して、蓋部2dの先端のロック爪2r1を右側枠2aのロック枠2r2に挿入係止してロック結合するものとしている。
該四角枠ブロック2にワイヤハーネスを挿通する時、図4(B)に示すように、蓋部2dを開き、ワイヤハーネス30を挿入後に閉鎖して、蓋部2dの先端のロック爪2r1を右側枠2aのロック枠2r2に挿入係止してロック結合するものとしている。
前記四角枠ブロック2のフロア側他端には、図3(B)に示すように、上向きに連続する断面コ字枠からなる直線ガイド部15を連続して設けている。該直線ガイド部15内に通すワイヤハーネス30は樹脂チューブ16を通しており、直線ガイド部15の先端から樹脂チューブ16で外装した状態で引き出している。直線ガイド部15内でワイヤハーネス30は固定しておらず、自動車への組みつけ時に直線ガイド部15からワイヤハーネス30を引き出して作業余長を確保できるようにしている。
前記直線ガイド部15には、四角枠ブロック2との連結端の位置に車体固定用のクランプ17を突設している。このように、キャタピラ型の外装材1のフロア側は直線ガイド部15との連結点で車体フロアにクランプ17で固定される一方、シート側はコルゲートクランプからなる回転クランプ7でコルゲートチューブからなる支軸材6を回転自在に支持して取り付け、垂直方向に回転自在に連結している。
前記のように、キャタピラ型の外装材1は図1(C)、図2に示すように、上部水平配置部1−Hの前端で下向きに湾曲し、該湾曲部1−Bの下端に下部水平配置部1−Lが連続するU字状配線部を設け、上部水平配置部1−Hの先端を垂直方向に回転自在とし、下部水平配置部1−Lの先端を固定している。
該構成とすることで、スライドシート10の前後移動に追従してキャタピラ型の外装材1のU字状配線部が湾曲部1−Bの位置を前後に移動させながら前後追従移動すると共に、該外装材1のシート取付側の回転クランプ7で支持された支軸材6が回転して、外装材1のシート側先端が横向きから上向きとなって外装材1の湾曲部1−Bの曲率が大きくなる方向に上下追従移動する。この上下追従移動を前後追従移動に加えることにより前後追従移動寸法を減少できる。その結果、スライドシート10の前後移動に追従させるためのワイヤハーネスの前後移動寸法を図2中に示す寸法L2だけ減少でき、スライドシートの下部でワイヤハーネス用の前後移動スペースSが減少しても対応させることができる。
かつ、キャタピラ型の外装材1は硬質な樹脂成形品で、高剛性、高強度を有するため、ワイヤハーネスの外部干渉材からの保護機能が高い。よって、該外装材1で外装するワイヤハーネス30を余長吸収ケースからなるプロテクタ内に収容する必要がなく、スライドシート下部のワイヤハーネス用スペースが狭い場合にも対応させることができる。かつ、スライドシートの下部のフロアをH型としてワイヤハーネス用スペースが減少した場合に必要とされた2つのプロテクタで保護する必要は無く、コストダウンおよび軽量化を図ることができる。
図6(A)〜(C)に第2実施形態を示す。
第2実施形態では、キャタピラ型の外装材1のシート側先端ブロック5の側面に突設して回転する支軸材として用いるコルゲートチューブ6−Bをシート10側まで延在している。
第2実施形態では、キャタピラ型の外装材1のシート側先端ブロック5の側面に突設して回転する支軸材として用いるコルゲートチューブ6−Bをシート10側まで延在している。
コルゲートチューブ6−Bのシート側先端ブロック5から突出する部位の基部は第1実施形態と同様にコルゲートクランプからなる回転クランプ7で回転自在に嵌合し、該回転クランプ7をシート10から突設する係止突起で係止して固定している。これにより、キャタピラ型の外装材1は第1実施形態と同様に、シート側先端が垂直方向に回転自在となり、前記図2に示すように、スライドシートが前進した時にシート側先端ブロック5が上向き縦方向に変位して、四角枠ブロック2の連続部分の円弧が大きくなり、前進寸法を短縮できる。
かつ、この回転支軸材となるコルゲートチューブ6−B内に外装材1から引き出すワイヤハーネス30を通してシートの下部まで延在させて、シートハーネス55とコネクタC1、C2を嵌合して接続している。コルゲートチューブ6−Bは屈曲自在であるため、外装材1の回転に応じて屈曲してワイヤハーネス30をシート下部へと無理なく案内している。なお、コルゲートチューブ6−Bでワイヤハーネス30を外装する範囲は短く且つシート直下で周辺機器等の外部干渉材が少ない部分であるため、コルゲートチューブでワイヤハーネスを外装しても問題はない。他の構成および作用は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
本発明は前記実施形態に限定されず、キャタピラ型の外装材のシート取付側に突出させる支軸材としてコルゲートチューブではなく、断面円形の支軸材を突設し、シートに保持される円環状の軸受材で回転自在に保持してもよい。
1 キャタピラ型の外装材
2 四角枠ブロック
3 ヒンジ部
6 支軸材(コルゲートチューブ)
7 回転クランプ(コルゲートクランプ)
10 スライドシート
15 直線ガイド部
30 ワイヤハーネス
2 四角枠ブロック
3 ヒンジ部
6 支軸材(コルゲートチューブ)
7 回転クランプ(コルゲートクランプ)
10 スライドシート
15 直線ガイド部
30 ワイヤハーネス
Claims (3)
- 自動車に搭載されるスライドシートと車体との間に余長部を備えたワイヤハーネスが配索され、内部にワイヤハーネス挿通空間を設けた四角枠ブロックをヒンジ部を介して順次連結して一方向にのみ屈曲可とされたキャタピラ型の外装材で前記ワイヤハーネスが外装され、
前記外装材の長さ方向の一端のシート取付側の側面から突出する支軸材が回転クランプを介してスライドシートに上下方向に回転自在に取り付けられ、該外装材のシート取付側の向きが水平方向と垂直方向とに変位可能にされていると共に、前後方向の一端を湾曲させたU字状配線部を介して、他端のフロア取付側は車体に固定され、
前記スライドシートの前後移動に追従して、前記外装材の前記U字状配線部の屈曲位置を前後進させると共に前記回転自在に支持された前記シート取付側が水平方向と垂直方向の間で回転されて前記ワイヤハーネスが追従移動される構造としていることを特徴とするスライドシート用ワイヤハーネスの配索構造。 - 前記キャタピラ型の外装材は硬質な樹脂成形品であり、該外装材のシート取付側のワイヤハーネスの軸線方向と直交する一側面に突出される前記支軸材はコルゲート状突出部からなり、前記回転クランプがコルゲートクランプからなり、該コルゲートクランプでスライドシートに取り付けられる前記外装材の一端から引き出すワイヤハーネスをチューブを通してシート側に配索して該シート内部に配索するシートハーネスと接続している請求項1に記載のスライドシート用ワイヤハーネスの配索構造。
- 前記キャタピラ型の外装材の前記四角枠ブロックは上下枠と左右側枠でワイヤハーネス挿通空間を囲み、前後面の開口をワイヤハーネス挿通口とし、
前記左右側枠の前後端面の上部または下部に、隣接する前記四角枠ブロックを連結する薄肉のヒンジ部を設け、
前記四角枠ブロックが直列状に連結される状態から、前記ヒンジ部が変形して隣接する四角枠ブロックが所要の曲げ率で屈曲して、該四角枠ブロックをヒンジ部で連結した外装材の全体が一方向に湾曲する構成としている請求項1または請求項2に記載のスライドシート用ワイヤハーネスの配索構造。
Priority Applications (2)
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WO (1) | WO2017094481A1 (ja) |
Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JP2005090516A (ja) * | 2003-09-11 | 2005-04-07 | Tsubakimoto Chain Co | ケーブル類保護案内装置 |
JP2015053750A (ja) * | 2013-09-05 | 2015-03-19 | 住友電装株式会社 | ワイヤハーネス用の外装材およびワイヤハーネスの配索構造 |
-
2015
- 2015-12-01 JP JP2015234675A patent/JP2017103890A/ja not_active Ceased
-
2016
- 2016-11-14 WO PCT/JP2016/083656 patent/WO2017094481A1/ja active Application Filing
Patent Citations (2)
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JP2005090516A (ja) * | 2003-09-11 | 2005-04-07 | Tsubakimoto Chain Co | ケーブル類保護案内装置 |
JP2015053750A (ja) * | 2013-09-05 | 2015-03-19 | 住友電装株式会社 | ワイヤハーネス用の外装材およびワイヤハーネスの配索構造 |
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