JP2017092192A - 電子機器の製造方法および電子機器 - Google Patents

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貴章 三田
Takaaki Mita
貴章 三田
杉本 誠
Makoto Sugimoto
誠 杉本
井上 大輔
Daisuke Inoue
大輔 井上
裕介 林
Yusuke Hayashi
裕介 林
勇樹 後
Yuki Ushiro
勇樹 後
浩人 桂
Hiroto Katsura
浩人 桂
尚美 上原
Naomi Uehara
尚美 上原
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Abstract

【課題】製造コストが削減でき、樹脂製部品の材料種の選択の幅を拡大することができる電子機器を提供する。【解決手段】電子機器1Aは、ケース10と、ケース10から引き出されたケーブル30と、ケーブル30に取付けられた樹脂製の接合介在部材40と、ケーブル30を保持する筒状のクランプ50と、ケース10およびクランプ50によって規定される内部の空間を充填する封止樹脂部60とを備える。ケーブル30は、芯線31と、芯線31を覆う樹脂製のシース33とを有し、芯線31は、ケーブル30の端部において、シース33によって覆われることなく露出する。接合介在部材40は、シース33の外周面を覆う筒状の基部41と、基部41から延びるとともに樹脂封止部60に接合する延出部42とを有する。基部41がシース33に溶着されることにより、接合介在部材40が、ケーブル30に固定される。【選択図】図3

Description

本発明は、電子機器の製造方法および電子機器に関し、特に、ケースの内部の空間が樹脂によって封止されるとともに、当該ケースの内部からケーブルが外部に引き出されてなる電子機器の製造方法および当該電子機器に関する。
特定の電子機器においては、耐環境性を確保するために、電子部品が収容されたケースの内部の空間が樹脂によって封止される。その場合、電力を供給するための電源ケーブルや外部端末に接続するための信号ケーブル等を耐環境性を確保しつつ如何にケースの内部から引き出すかが問題となる。
通常、上述した電源ケーブルや信号ケーブル等のケーブルは、ケースに設けられた開口部に嵌着された弾性変形可能なクランプによって保持されることにより、当該ケーブルに加わるストレスが緩和されるように構成されている。しかしながら、単にクランプによってケーブルを保持したのみの構成では、ケーブルとケースの内部の空間を封止する封止樹脂部との間の接合力が十分には確保できず、この接続部において剥離が発生し、結果として耐環境性に劣ることとなってしまう。
そのため、ケーブルと封止樹脂部との間の接合力を向上させる方法が種々検討されており、たとえば特開2015−177042号公報(特許文献1)や特開2009−43429号公報(特許文献2)には、磁界を利用して金属体の有無または位置を検出する近接センサにおいて、当該近接センサに具備されるケーブルと封止樹脂部との間の接合力を向上させる方法が開示されている。
上記特許文献1に開示の近接センサにおいては、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂からなるケーブルの端部を覆うようにポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂からなるリングコードがインサート成形によって形成されており、当該リングコードをクランプに圧入した状態で封止樹脂部が形成されることにより、このリングコードによってケーブルと封止樹脂部との間の接合力が確保されている。
また、上記特許文献2に開示の近接センサにおいては、ケーブルの端部を覆うようにポリウレタン(PUR)樹脂およびPBT樹脂からなる二色成形部材がインサート成形によって形成されており、当該二色成形部材の先端に逆円錐台状の突出部を設け、当該二色成形部材をクランプに圧入した状態で封止樹脂部が形成されることにより、この二色成形部材によってケーブルと封止樹脂部との間の接合力が確保されている。
特開2015−177042号公報 特開2009−43429号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に開示される如くの構成を採用した場合には、ケーブルの端部にインサート成形によって上述したリングコードあるいは二色成形部材を形成することが必要であるため、各種の仕様に応じた金型をそれぞれ準備したり、成形条件を種々変更したりする必要がある。したがって、近年においては、インサート成形に要する製造コストを可能な限り抑制したいという要求があった。
また、上記特許文献1および2に開示される如くの構成を採用した場合にも、相対的に厳しい環境下においては、未だ十分な耐環境性が確保されているとは言えない状況にある。たとえば、経時的な温度変化が激しくかつ切削油等の油が大量に使用される環境下においては、上記構成を採用した場合にも、ケースに対するケーブルの接続部に剥離が発生する等の破損が生じるおそれがあった。
これを解決するためには、上述したリングコードあるいは二色成形部材として、耐油性に優れた材料のものを利用することが考えられるが、概してこの種の材料は、インサート成形には不向きな場合が多い。
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、製造コストが削減できるとともに、耐環境性を高めるための各種の樹脂製部品の材料種の選択の幅を拡大することができる電子機器の製造方法および電子機器を提供することを目的とする。
本発明に基づく電子機器の製造方法は、開口部が設けられたケースと、上記ケースに収容された電子部品と、上記開口部に挿通されることで一端が上記電子部品に電気的に接続されるとともに、他端が外部に引き出されたケーブルと、上記ケーブルに取付けられた樹脂製の接合介在部材と、上記開口部に嵌着されるとともに、上記接合介在部材が嵌着されることで上記ケーブルを保持する筒状のクランプと、上記ケースおよび上記クランプによって規定される内部の空間を充填する封止樹脂部とを備えた電子部品の製造方法である。上記本発明に基づく電子機器の製造方法は、筒状の基部および上記基部から延びる延出部を有するように、上記接合介在部材を製作する工程と、上記基部によって上記シースの外周面が覆われるとともに、上記延出部が上記基部から上記ケーブルの上記一端側に向けて延びるように、上記接合介在部材を上記ケーブルの上記一端側の部分に取付ける工程と、上記基部を上記シースに溶着することにより、上記接合介在部材を上記ケーブルに固定する工程と、上記接合介在部材の上記延出部に接合するように、上記ケースおよび上記クランプによって規定される内部の空間を上記封止樹脂部によって充填する工程とを備えている。
このように、接合介在部材をシースに溶着することにより、容易に接合介在部材をケーブルに固定することができるため、製造コストが削減できるとともに、耐環境性を高めるための各種の樹脂製部品の材料選択の幅を拡大することができる。
上記本発明に基づく電子機器の製造方法にあっては、上記基部のうちの上記シースに溶着される部分の溶着前の厚みが、0.3mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
このように、接合介在部材の基部のうちのシースに溶着される部分の溶着前の厚みを0.3mm以上0.5mm以下とすることにより、確実に当該部分において溶着が行なえるとともに、当該部分における封止性を確保することができる。
上記本発明に基づく電子機器の製造方法にあっては、上記封止樹脂部が、エポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂のいずれかからなり、上記接合介在部材が、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン系樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかからなり、上記シースが、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかからなることが好ましい。
このように、上記本発明に基づく電子機器の製造方法にあっては、封止樹脂部、接合材介在部材およびシースとして、各種の樹脂からなるものを利用することができる。
本発明に基づく電子機器は、開口部が設けられたケースと、上記ケースに収容された電子部品と、上記開口部に挿通されることで一端が上記電子部品に電気的に接続されるとともに、他端が外部に引き出されたケーブルと、上記ケーブルに取付けられた樹脂製の接合介在部材と、上記開口部に嵌着されるとともに、上記接合介在部材が嵌着されることで上記ケーブルを保持する筒状のクランプと、上記ケースおよび上記クランプによって規定される内部の空間を充填する封止樹脂部とを備えている。上記ケーブルは、導電線を含む芯線と、上記芯線を覆う樹脂製のシースとを有しており、上記芯線は、上記ケーブルの上記一端側の部分において、上記シースによって覆われることなく露出している。上記接合介在部材は、上記シースの外周面を覆う筒状の基部と、上記基部から上記ケーブルの上記一端側に向けて延びるとともに上記樹脂封止部に接合する延出部とを有している。上記本発明に基づく電子機器にあっては、上記基部が上記シースに溶着されることにより、上記接合介在部材が上記ケーブルに固定されている。
このように、接合介在部材をシースに溶着することにより、容易に接合介在部材をケーブルに固定することができるため、製造コストが削減できるとともに、耐環境性を高めるための各種の樹脂製部品の材料選択の幅を拡大することができる。
上記本発明に基づく電子機器にあっては、上記封止樹脂部が、エポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂のいずれかからなり、上記接合介在部材が、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン系樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかからなり、上記シースが、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかからなることが好ましい。
このように、上記本発明に基づく電子機器にあっては、封止樹脂部、接合材介在部材およびシースとして、各種の樹脂からなるものを利用することができる。
本発明によれば、製造コストが削減できるとともに、耐環境性を高めるための各種の樹脂製部品の材料種の選択の幅を拡大することができる電子機器の製造方法および電子機器を提供することが可能になる。
本発明の実施の形態1における近接センサの斜視図である。 図1に示すII−II線に沿った断面図である。 図2に示す領域IIIの拡大断面図である。 図1に示すケーブルおよびこれに固定された接合介在部材の概略斜視図である。 本発明の実施の形態1における近接センサの製造方法を説明するためのフロー図である。 本発明の実施の形態1における近接センサの製造方法を説明するため組付け図である。 本発明の実施の形態1における近接センサにおいて、ケースに対するケーブルの接続部において高い接合力が確保できる理由を説明するための模式断面図ならびに接合介在部材が固定されたケーブルの正面図である。 図7に示す領域VIIIの拡大断面図である。 第1変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。 第2変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。 第3変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。 第4変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。 第5変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態2における近接センサの製造方法を説明するためのフロー図である。 本発明の実施の形態2における近接センサの製造方法を説明するため組付け図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、本発明を近接センサおよびその製造方法に適用した場合を例示して説明を行なう。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における近接センサの斜視図であり、図2は、図1に示すII−II線に沿った断面図である。また、図3は、図2に示す領域IIIの拡大断面図であり、図4は、図1に示すケーブルおよびこれに固定された接合介在部材の概略斜視図である。まず、これら図1から図4を参照して、本実施の形態における近接センサ1Aの構成について説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態における電子機器としての近接センサ1Aは、略円柱状の外形を有しており、ケース10と、第1封止樹脂部26を含む検知部組立体20と、ケーブル30と、接合介在部材40と、クランプ50と、第2封止樹脂部60とを備えている。
ケース10は、両端開口の金属製の長尺円筒状の部材からなり、軸方向に前端部および後端部を有している。ケース10の前端部には、検知部組立体20が組付けられており、ケース10の後端部には、クランプ50が組付けられている。
図2に示すように、検知部組立体20は、コア21と、検知コイル22と、コイルケース23と、回路基板24と、第1封止樹脂部26とを主として有している。
コア21は、磁性材料にて構成された短尺円柱状の部材からなる。検知コイル22は、たとえばリード線を巻き回すことによって略円筒状に構成されており、コア21の前端面に設けられた環状凹部に収容されている。なお、コア21の後端面には、回路基板24の先端部を支持する支持溝21aが設けられている。
コイルケース23は、有底円筒状の絶縁性の部材からなり、その内部にコア21および検知コイル22が収容されている。コア21は、その前端面がコイルケース23の底部に当接している。コイルケース23は、その底部がケース10の前端に位置した状態となるようにケース10に圧入されて固定されている。
回路基板24は、ケース10の軸方向に沿って延在するようにコア21の後方に配置されている。回路基板24は、その表裏面に導電パターンが形成されており、それら表裏面の所定位置には、各種の電子部品25a〜25c等が実装されている。当該回路基板24には、上述した検知コイル22の端部に取付けられたピンを介して検知コイル22が電気的に接続されている。
ここで、回路基板24に実装された各種の電子部品25a〜25cのうち、回路基板24の後端部に実装された電子部品25cは、通電されることで発光する発光素子である。当該発光素子は、近接センサ1Aの動作状態に応じて発光するものであり、たとえばLED(Light Emitting Diode)にて構成されている。
回路基板24には、各種の処理回路が形成されている。処理回路としては、検知コイル22を共振回路要素とする発振回路や、発振回路の発振振幅を閾値と比較して2値化する弁別回路が含まれる。また、回路基板24には、弁別回路の出力を所定の仕様の電圧出力または電流出力に変換する出力回路や、外部から導入される電力を所定の電源仕様に変換して出力する電源回路も設けられている。加えて、回路基板24には、上述した発光素子である電子部品25cの駆動を制御する発光素子駆動回路も設けられている。
これら各種の回路は、回路基板24に設けられた導電パターンと、上述した各種の電子部品25a〜25c等および検知コイル22等とによって構成されている。
第1封止樹脂部26は、コイルケース23に収容されたコア21および検知コイル22ならびに回路基板24の前端部を封止している。第1封止樹脂部26は、コア21および検知コイル22ならびに回路基板24の前端部を保護するとともに、これらを外部から気密および液密に封止するものである。
第1封止樹脂部26は、液状樹脂をコイルケース23に注入して硬化させることによって形成されるものである。なお、この第1封止樹脂部26の材料としては、たとえばエポキシ樹脂やPUR樹脂等が好適に利用できる。
回路基板24の後端部の所定位置には、後述するケーブル30の芯線31に含まれる導電線31aが接続されるランド24aが設けられている。これらランド24aと導電線31aとの接続には、たとえば図示しない半田が用いられる。
ケーブル30は、導電線31aを含む芯線31と、当該芯線31を覆うシールド材32およびシース33とからなる複合ケーブルにて構成されている。ケーブル30は、ケース10に設けられた後端側の開口部に挿通するように配置されており、一端が上述した回路基板24に接続されることで上述した各種の回路に電気的に接続されるとともに、他端が外部に引き出されている。なお、シース33は、樹脂製であり、より好適には、PVC樹脂、PUR樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかにて構成される。
ここで、ケーブル30の上述した一端においては、芯線31が露出することとなるようにシールド材32およびシース33が剥がされており、芯線31のランド24aに接続される部分においては、さらに導電線31aが露出することとなるように芯線31の被覆材も剥がされている。
図2ないし図4に示すように、接合介在部材40は、ケーブル30と第2封止樹脂部60との間の接合性を確保するための部材であり、ケーブル30の上記一端側に位置するシース33の端部に組付けられている。
接合介在部材40は、ケース10およびクランプ50によって規定される内部の空間においてケーブル30の上記一端側に位置するシース33の端部の外周面を覆う円筒状の基部41と、ケーブル30の上記一端側に位置するシース33の端部よりもケーブル30の上記一端側に向けて延びる筒状の延出部42とを有している。ケース10およびクランプ50によって規定される内部の空間に、少なくとも接合介在部材40の一部が入るように、接合介在部材40はケーブル30に取り付けられている。延出部42は、より詳細には、ケーブル30の上記一端側に位置するシース33の端部よりもケーブル30の上記一端側に位置し、ケーブル30の延在方向に沿って延びるように突出している。筒状の延出部42は、その根元側に位置する比較的厚みの厚い部分と、その先端側に位置するその厚みが十分に薄く構成された部分とを含んでいる。なお、接合介在部材40は、樹脂製であり、より好適には、PBT樹脂、PUR樹脂、ナイロン系樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかにて構成される。
ここで、本実施の形態においては、ケーブル30の延在方向に沿って見た場合に、延出部42の先端側の部分の外形が、延出部42の根元側の部分の外形ならびに基部41の外形よりも小さく構成されている。このように構成することにより、後述するクランプ50の構成を簡略化することができ、これに伴ってケース10に対するケーブル30の接続部の外形を小型化することができる。
基部41には、溶着部41aが形成されている。この溶着部41aは、接合介在部材40をケーブル30に溶着によって固定することで形成された部位である。このように、基部41がシース33に溶着されることにより、接合介在部材40がケーブル30に移動不能に固定されることになる。
延出部42の先端側の部分の外周面の所定位置には、周方向に沿って延びる溝部43が設けられている。当該溝部43は、後述する第2封止樹脂部60と接合介在部材40との間の接合力を高めるために設けられる凹凸部であり、当該溝部43を延出部42に設けることにより、いわゆるアンカー効果が得られて上記接合力の向上が図られる。なお、アンカー効果とは、接合面に凹凸を設けることにより、当該凹凸が楔となって接合力が向上する効果である。
図2および図3に示すように、クランプ50は、略円筒状の形状を有しており、その内部にケーブル30が挿通されている。クランプ50は、ケース10に設けられた後端側の開口部に嵌着されているとともに、当該クランプ50の後端部に上述した接合介在部材40が嵌着されることでケーブル30を保持している。クランプ50は、弾性変形可能となるように樹脂製の部材にて構成されており、ケーブル30に加わるストレスおよび接合介在部材40に加わるストレスを緩和させるためのものである。
より詳細には、クランプ50は、前端部に位置する円筒状の固定部51と、後端部に位置する略円筒状の保持部52と、固定部51と保持部52との間に位置し、これら固定部51と保持部52とを連結する連結部53とを含んでいる。
固定部51は、ケース10に設けられた後端側の開口部に圧入されることでクランプ50をケース10に固定するための部位である。保持部52は、接合介在部材40がその内部に圧入されることで接合介在部材40を保持するための部位である。また、連結部53は、固定部51と保持部52との間の距離を所定距離だけ確保することにより、上述したケーブル30に加わるストレスおよび接合介在部材40に加わるストレスの緩和機能を高めるための部位である。
また、連結部53の所定位置には、第2封止樹脂部60をケース10およびクランプ50によって規定される内部の空間に充填するために、当該第2封止樹脂部60となる液状樹脂を注入する際に用いられるゲート53aが設けられている。
なお、本実施の形態においては、クランプ50が非遮光性の樹脂材料にて構成されている。これは、上述した発光素子としての電子部品25cから出射される光を当該クランプ50を介して外部に投光するためであり、そのため、固定部51の当該発光素子に面する部分には、所定形状の導光部53bが設けられている。
第2封止樹脂部60は、ケース10およびクランプ50によって規定される内部の空間のうち、上述した第1封止樹脂部26によって封止された空間を除く空間を充填している。これにより、回路基板24の上述した前端部を除く部分、および、当該部分に実装された各種の電子部品25a〜25c、ならびに、ケーブル30のシース33によって覆われていない部分の芯線31が、第2封止樹脂部60によって封止されている。
当該第2封止樹脂部60は、回路基板24の上述した前端部を除く部分、および、当該部分に実装された各種の電子部品25a〜25c、ならびに、ケーブル30のシース33によって覆われていない部分の芯線31を保護するとともに、これらを外部から気密および液密に封止するものである。
第2封止樹脂部60は、上述したようにクランプ50のゲート53aを介して液状樹脂を注入して硬化させることによって形成されるものである。なお、この第2封止樹脂部60の材料としては、たとえばエポキシ樹脂やPUR樹脂等が好適に利用できる。
ここで、図3に示すように、接合介在部材40の延出部42は、第2封止樹脂部60に接合しており、当該延出部42の先端側の部分は、その内周面およびその外周面ならびにその軸方向における先端側の端面がいずれも第2封止樹脂部60によって覆われている。これにより、本実施の形態における近接センサ1Aにおいては、ケーブル30と第2封止樹脂部60との間の接合力が従来の近接センサに比べてより高く確保されることになるが、その詳細なメカニズムについては、後述することとする。
図5および図6は、それぞれ本実施の形態における近接センサの製造方法を説明するためのフロー図および組付け図である。次に、これら図5および図6を参照して、本実施の形態における近接センサの製造方法について説明する。
まず、図5に示すように、接合介在部材40が製作される(工程ST11)。より詳細には、筒状の基部41および当該基部41から延びる筒状の延出部42を有することとなるように接合介在部材40が形成される。当該接合介在部材40の製作には、たとえば射出成形等、各種の方法が適用できる。
次に、図5および図6(A)に示すように、ケーブル30に接合介在部材40が取付けられる(工程ST12)。より詳細には、ケーブル30のシース33の端部に接合介在部材40の基部41が圧入されることにより、ケーブル30に接合介在部材40が取付けられる。これにより、基部41によってシース33の端部の外周面が覆われることになるとともに、延出部42が基部41から延びるように位置することになる。
次に、図5および図6(B)に示すように、ケーブル30に接合介在部材40が溶着される(工程ST13)。より詳細には、シース33に圧入された部分の基部41に外部から熱が加えられることにより、当該部分(すなわち、図6(B)中において矢印Aで示す部分)において熱溶着が行なわれる。なお、溶着は、熱伝導による熱溶着以外にも、レーザ照射等による溶着が利用可能である。
次に、図5および図6(C)に示すように、検知部組立体20にケーブル30が接続される(工程ST14)。より詳細には、ケーブル30の露出した導電線31aが回路基板24のランド24aに対向するように配置され、この状態においてこれらの半田付けが行なわれる。
次に、図5および図6(D)に示すように、ケース10に検知部組立体20が組付けられる(工程ST15)。より詳細には、ケース10の前端部に検知部組立体20が圧入されることにより、ケース10に検知部組立体20が組付けられる。
次に、図5および図6(E)に示すように、ケース10および接合介在部材40にクランプ50が組付けられる(工程ST16)。より詳細には、ケース10の後端側の開口部にクランプ50の固定部51が圧入されるとともに、接合介在部材40がクランプ50の後端部に圧入されることにより、ケース10および接合介在部材40にクランプ50が組付けられる。
次に、図5に示すように、ケース10およびクランプ50の内部に液状樹脂が注入され、これが硬化される(工程ST17)。より詳細には、図6(E)において矢印Bにて示す部分から、液状樹脂がクランプ50のゲート53aを介して注入され、当該液状樹脂が硬化することにより、上述した構成の近接センサ1Aが得られることになる。
なお、上記においては、ケーブル30に接合介在部材40が取付けられた後であって、検知部組立体20にケーブル30が接続される前において、ケーブル30に接合介在部材40が溶着される場合を例示したが、検知部組立体20にケーブル30が接続された後あるいはケース10に検知部組立体20が組付けられた後に、ケーブル30に接合介在部材40が溶着されてもよい。すなわち、工程ST13は、工程ST14と工程ST15との間において実施されてもよく、また工程ST15と工程ST16との間において実施されてもよい。
さらには、上記においては、検知部組立体20にケーブル30が接続された後であって、ケース10および接合介在部材40にクランプ50が組付けられる前において、ケース10に検知部組立体20が組付けられる場合を例示したが、検知部組立体20にケーブル30が接続される前に、ケース10に検知部組立体20が組付けられてもよい。すなわち、工程ST15は、工程ST14の前に実施されてもよい。
以上において説明したように、本実施の形態における近接センサの製造方法においては、第2封止樹脂部60とケーブル30との間の接合力を高めるための樹脂製の接合介在部材40を溶着によってケーブル30に固定するものであるため、製造が容易化することで製造コストが削減できる効果が得られるとともに、耐環境性を高めるための各種の樹脂製部品の材料種の選択の幅を拡大することができる効果が得られる。
図7(A)および図7(B)は、それぞれ、本実施の形態における近接センサにおいて、ケースに対するケーブルの接続部において高い接合力が確保できる理由を説明するための模式断面図、および、接合介在部材が固定されたケーブルの正面図である。また、図8は、図7(A)に示す領域VIIIの拡大断面図である。次に、これら図7および図8を参照して、本実施の形態における近接センサ1Aにおいて、高い接合力が確保できる理由について説明する。なお、図7(A)においては、理解を容易とするために、クランプ50の構成を簡略化して描画している。
図7(A)および図7(B)を参照して、上述したように、本実施の形態における近接センサ1Aにおいては、ケーブル30のシース33の端部を覆うように設けられた接合介在部材40に、厚みが十分に薄く構成された、シース33の上記端部から突出して位置する略円筒状の延出部42が設けられており、当該延出部42の先端側の部分の内周面および外周面ならびに当該延出部42の軸方向における先端側の端面が、いずれも第2封止樹脂部60によって覆われている。
このように構成することにより、第一に、第2封止樹脂部60の硬化時において発生する残留応力の低減が図られることになる。これは、延出部42が位置する分だけ、第2封止樹脂部60の接合介在部材40側の端部における第2封止樹脂部60の樹脂量が減少するためである。
そのため、残留応力が低い分だけ、接合力が高く維持できることになり、結果としてケース10に対するケーブル30の接続部において高い接合力が確保できることになる。
また、第二に、環境温度の変化に伴う第2封止樹脂部60の膨張および収縮の際に、延出部42の追従性が確保できることになる。これは、延出部42の先端側の部分の厚みが薄い分だけ、第2封止樹脂部60の膨張および収縮の際に延出部42の先端側の部分が追従して弾性的に変形することが許容されることになるためである。
より詳細には、第2封止樹脂部60に収縮が生じた場合には、図7(A)において矢印Cに示すように、接合介在部材40と第2封止樹脂部60との界面の端部において局所的に大きな応力が加わることになるが、その際、図中に示す矢印D方向に延出部42の先端側の部分が追従して弾性的に変形することになるため、当該端部に加わる応力が大幅に緩和されることになり、当該界面において剥離が発生することが抑制できる。
そのため、第2封止樹脂部60の膨張および収縮の際に、接合介在部材40と第2封止樹脂部60との界面に加わる応力が低減される分だけ、接合力が高く維持できることになり、結果としてケース10に対するケーブル30の接続部において高い接合力が確保できることになる。
このことは、当該構造を採用することにより、接合介在部材40および第2封止樹脂部60の材料選択の余地を高めることにもつながるため、本実施の形態における近接センサ1Aとすることにより、製造上の各種の制約が軽減される効果も得られる。
加えて、図7(A)および図8に示すように、本実施の形態における近接センサ1Aにおいては、上述したように延出部42の先端側の部分の外周面に周方向に沿って延びる溝部43が設けられている。このように構成することにより、上述したようにいわゆるアンカー効果が得られることになる。
より詳細には、図8に示すように、環境温度の変化に伴って第2封止樹脂部60に収縮が生じた場合には、クランプ50との接触面である第2封止樹脂部60の外周面近傍に、図中において矢印Eで示す方向に収縮が発生し、これに伴って接合介在部材40と第2封止樹脂部60との界面において図中に示す矢印F方向に剪断応力が発生することになるが、上記溝部43が延出部42の外周面に位置していることにより、この剪断応力が延出部42の先端部42aに達することが抑制でき、結果として当該界面において剥離が発生することが抑制できる。
以上において説明したように、本実施の形態における近接センサ1Aとすることにより、ケース10に対するケーブル30の接続部において高い接合力が確保できることになり、当該部分における剥離等の破損の発生が大幅に抑制でき、結果として耐環境性能に優れた近接センサとすることができる。
なお、図8を参照して、筒状の延出部42の最も薄い部分における厚みt1は、0.3mm以上0.5mm以下であることが好ましい。より詳細には、筒状の延出部42の周方向において、厚みt1が0.3mm以上0.5mm以下の部分を含んでいることが好ましい。このように構成することにより、延出部42の弾性および剛性が適切に調整され、上述した追従性がより確実に得られることになる。しかしながら、当該延出部42の厚みは、特にこれに限定されるものではない。
また、延出部42の厚みの薄い先端側の部分の軸方向長さLは、0.5mm以上とすることが好ましい。当該軸方向長さLを0.5mm以上とすることにより、延出部42の弾性および剛性が適切に調整され、上述した追従性がより確実に得られることになる。しかしながら、当該延出部42の厚みの薄い先端側の部分の軸方向長さは、特にこれに限定されるものではない。
さらには、溝部43の幅Wは、0.5mm以上とすることが好ましい。当該幅Wを0.5mm以上とすることにより、延出部42の弾性および剛性が適切に調整され、上述した追従性がより確実に得られることになる。しかしながら、当該溝部43の幅は、特にこれに限定されるものではない。
また、上述したように、本実施の形態における近接センサ1Aにおいては、延出部42の先端側の部分の外周面に周方向に延びる溝部43を設けた場合を例示したが、当該形状とは異なる凹凸部を延出部42の外周面および内周面のうちのいずれか一方または両方に設けることとしてもよいし、延出部42の径方向に沿って貫通する孔や各種の切れ込み等を延出部42に設けてもよい。このように構成した場合にも、上述したいわゆるアンカー効果を得ることができる。
また、上述したように、本実施の形態における近接センサ1Aにおいては、延出部42が略円筒状である場合を例示したが、当該延出部42が筒状である必要は必ずしもなく、また当該延出部42が筒状である場合であってもその外形は円筒状である必要はなく、たとえばその外形が多角筒状であってもよし、その外形が楕円筒状であってもよい。
また、上述したように、本実施の形態における近接センサ1Aにおいては、第2封止樹脂部60の材質が、エポキシ樹脂およびPUR樹脂のいずれかから選択され、接合介在部材40の材質が、PBT樹脂、PUR樹脂、ナイロン系樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかから選択され、シース33の材質が、PVC樹脂、PUR樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかから選択されることが好ましい。
また、接合介在部材40の材質として、フッ素系樹脂を選択し、シース33の材質として、同じくフッ素系樹脂を選択した場合には、非常に高い耐油性を確保することができる。したがって、切削油等の油が大量に使用される環境下において用いられる近接センサにおいては、この材質の組み合わせを利用することが好ましい。
ここで、フッ素系樹脂は、インサート成形に不向きな材料であり、接合介在部材40の材質をフッ素系樹脂とする場合には、容易にはこれをインサート成形にて製作することができない。その点、本実施の形態における近接センサの製造方法においては、当該接合介在部材40を予め別部品として製作しておき、これをケーブル30に取付けて溶着によって固定するものであるため、比較的容易に接合介在部材40をフッ素系樹脂製のものとすることができる。
ここで、溶着は、一般的に接合する部材同士の融点の差がおおよそ50℃以下の範囲である場合に、容易にその溶着を行なうことができる。したがって、上述した材質の選択時においては、この点を考慮して材料の選択を行なうことが必要である。
なお、図7を参照して、接合介在部材40をシース33に溶着することで形成される接合介在部材40の溶着部41aの厚みt2は、当該部分における封止性を考慮して設定される必要がある。そのため、基部41のうちの溶着部41aとなる部分の溶着前の厚みは、おおよそ0.3mm以上0.5mm以下とすることが好ましい。
また、上述したように、本実施の形態においては、接合材介在部材40の基部41がケーブル30の上記一端側に位置するシース33の端部に固定された場合を例示して説明を行なったが、必ずしもこのように構成する必要はなく、シース33の上記端部から離れた位置においてシース33に固定されていてもよい。すなわち、接合介在部材は、シースの外周面を覆う筒状の基部と、当該基部からケーブルの上記一端側に向けて延びるとともに樹脂封止部に接合する延出部とを有していればよく、シースの上記端部と基部との位置関係ならびにシースの上記端部と延出部との位置関係は、種々その変更が可能である。
(第1変形例)
図9は、本実施の形態に基づいた第1変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。以下、この図9を参照して、第1変形例に係る近接センサ1Bについて説明する。
図9に示すように、本第1変形例に係る近接センサ1Bは、上述した実施の形態1における近接センサ1Aと比較した場合に、接合介在部材40が筒状の延出部42を有しておらず、代わりにシース33およびシールド材32の端面を覆うように蓋状の延出部44が設けられてなるものである。ここで、蓋状の延出部44を備えた接合介在部材40は、上述した実施の形態1の場合と同様に、溶着によってケーブル30に固定されている。
このように構成された近接センサ1Bは、上述した実施の形態1における近接センサ1Aと比較した場合に、第2封止樹脂部60の硬化時において発生する残留応力の低減、ならびに、環境温度の変化に伴う第2封止樹脂部60の膨張および収縮の際の延出部44の追従性の点において劣ることにはなるものの、上述した実施の形態1の場合と同様に、製造が容易化することで製造コストが削減できる点、ならびに、材料選択の自由度が増す点において、従来に比して有利なものとなる。
(第2変形例)
図10は、本実施の形態に基づいた第2変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。以下、この図10を参照して、第2変形例に係る近接センサ1Cについて説明する。
図10に示すように、本第2変形例に係る近接センサ1Cは、上述した実施の形態1における近接センサ1Aと比較した場合に、接合介在部材40が基部41および筒状の延出部42に加えて、シース33およびシールド材32の端面を覆う蓋状の延出部44をさらに有している点においてのみ相違している。ここで、筒状の延出部42および蓋状の延出部44を備えた接合介在部材40は、上述した実施の形態1の場合と同様に、溶着によってケーブル30に固定されている。
このように構成された近接センサ1Cは、上述した実施の形態1の場合と同様に、第2封止樹脂部60の硬化時において発生する残留応力の低減、ならびに、環境温度の変化に伴う第2封止樹脂部60の膨張および収縮の際の延出部42の追従性の点において優れたものになるとともに、製造が容易化することで製造コストが削減できる点、ならびに、材料選択の自由度が増す点においても、従来に比して有利なものとなる。
(第3変形例)
図11は、本実施の形態に基づいた第3変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。以下、この図11を参照して、第3変形例に係る近接センサ1Dについて説明する。
図11に示すように、本第3変形例に係る近接センサ1Dは、上述した実施の形態1における近接センサ1Aと比較した場合に、接合介在部材40の筒状の延出部42に溝部43が設けられていない点においてのみ相違している。ここで、筒状の延出部42を備えた接合介在部材40は、上述した実施の形態1の場合と同様に、溶着によってケーブル30に固定されている。
このように構成された近接センサ1Dは、上述した実施の形態1の場合と同様に、第2封止樹脂部60の硬化時において発生する残留応力の低減、ならびに、環境温度の変化に伴う第2封止樹脂部60の膨張および収縮の際の延出部42の追従性の点において優れたものになるとともに、製造が容易化することで製造コストが削減できる点、ならびに、材料選択の自由度が増す点においても、従来に比して有利なものとなる。
(第4変形例)
図12は、本実施の形態に基づいた第4変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。以下、この図12を参照して、第4変形例に係る近接センサ1Eについて説明する。
図12に示すように、本第4変形例に係る近接センサ1Eは、上述した第3変形例に係る近接センサ1Dと比較した場合に、接合介在部材40の基部41の後端部にのみ溶着部41aが設けられており、基部41のすべてが溶着部41aとなっていない点においてのみ相違している。ここで、筒状の延出部42を備えた接合介在部材40は、上述した実施の形態1の場合と同様に、溶着によってケーブル30に固定されている。
このように構成された近接センサ1Eは、上述した実施の形態1の場合と同様に、第2封止樹脂部60の硬化時において発生する残留応力の低減、ならびに、環境温度の変化に伴う第2封止樹脂部60の膨張および収縮の際の延出部42の追従性の点において優れたものになるとともに、製造が容易化することで製造コストが削減できる点、ならびに、材料選択の自由度が増す点においても、従来に比して有利なものとなる。
(第5変形例)
図13は、本実施の形態に基づいた第5変形例に係る近接センサの要部拡大断面図である。以下、この図13を参照して、第5変形例に係る近接センサ1Fについて説明する。
図13に示すように、本第5変形例に係る近接センサ1Fは、上述した第4変形例に係る近接センサ1Eと比較した場合に、接合介在部材40の基部41と筒状の延出部42とが、ほぼ同じ大きさの外形を有している点において相違し、さらにこれに伴い、筒状の延出部42に対応する部分のクランプ50の内径が、基部41に対応する部分のクランプ50の内径よりも大きく構成されている点において相違している。
このように構成された近接センサ1Fは、上述した実施の形態1の場合と同様に、第2封止樹脂部60の硬化時において発生する残留応力の低減、ならびに、環境温度の変化に伴う第2封止樹脂部60の膨張および収縮の際の延出部42の追従性の点において優れたものになるとともに、製造が容易化することで製造コストが削減できる点、ならびに、材料選択の自由度が増す点においても、従来に比して有利なものとなる。
(実施の形態2)
図14および図15は、それぞれ本発明の実施の形態2における近接センサの製造方法を説明するためのフロー図および組付け図である。以下、図14および図15を参照して、本実施の形態における近接センサの製造方法について説明する。
なお、本実施の形態における近接センサは、後述するように、その製造方法が上述した実施の形態1における近接センサ1Aの製造方法と僅かに相違しているため、これに伴ってその形状も若干相違するものであるが、その具体的な形態は、図15の組付け図においておおよそ明らかであるため、ここでは、その図示を省略している。
まず、図14に示すように、接合介在部材40が製作され(工程ST21)、次に、ケーブル30に接合介在部材40が取付けられ(工程ST22)、次に、ケーブル30に接合介在部材40が溶着され(工程ST23)、次に、検知部組立体20にケーブル30が接続され(工程ST24)、次に、ケース10に検知部組立体20が組付けられる(工程ST25)。なお、これら工程ST21〜ST25の詳細は、上述した図5において示した工程ST11〜ST15とそれぞれ同様であるため、ここではその説明は繰り返さない。
次に、図14および図15(A)に示すように、ケース10にクランプ50が組付けられる(工程ST26)。より詳細には、ケース10の後端側の開口部にクランプ50の固定部51が圧入される。
次に、図14および図15(B)に示すように、クランプ50に接合介在部材40が組付けられる(工程ST27)。より詳細には、接合介在部材40の基部41がクランプ50の後端部に圧入されることにより、接合介在部材40にクランプ50が組付けられる。
次に、図14に示すように、ケース10およびクランプ50の内部に液状樹脂が注入され、これが硬化される(工程ST28)。なお、この工程ST28の詳細は、上述した図5において示した工程ST17と同様であるため、ここではその説明は繰り返さない。以上により、上述した実施の形態1における近接センサ1Aに準じた構成の本実施の形態における近接センサが得られることになる。
なお、上記においては、ケーブル30に接合介在部材40が取付けられた後であって、検知部組立体20にケーブル30が接続される前において、ケーブル30に接合介在部材40が溶着される場合を例示したが、検知部組立体20にケーブル30が接続された後から近接センサが完成するまでのいずれのタイミングにおいてケーブル30に接合介在部材40が溶着されてもよい。すなわち、工程ST23は、工程ST24以降であれば工程ST24〜ST28のいずれの後に実施されてもよい。
さらには、上記においては、検知部組立体20にケーブル30が接続された後であって、ケース10にクランプ50が組付けられる前において、ケース10に検知部組立体20が組付けられる場合を例示したが、検知部組立体20にケーブル30が接続される前に、ケース10に検知部組立体20が組付けられてもよい。すなわち、工程ST25は、工程ST24の前に実施されてもよい。
以上において説明した本実施の形態における近接センサとした場合にも、上述した実施の形態1の場合と同様に、第2封止樹脂部60の硬化時において発生する残留応力の低減、ならびに、環境温度の変化に伴う第2封止樹脂部60の膨張および収縮の際の延出部42の追従性の点において優れたものになるとともに、製造が容易化することで製造コストが削減できる点、ならびに、材料選択の自由度が増す点においても、従来に比して有利なものとなる。
上述した本発明の実施の形態1および2ならびにその変形例においては、ケースから引き出されるケーブルとして、シールド材を備えた複合ケーブルを用いた場合を例示して説明を行なったが、ケーブルとしては各種のものが利用でき、たとえば上述したシールド材を含まない複合ケーブルや、導電線とこれを被覆するシースとのみからなるケーブル(いわゆるリード線等)にも本発明を適用することが可能である。
また、上述した本発明の実施の形態1および2ならびにその変形例においては、ケースおよびクランプによって規定される内部の空間が、第1封止樹脂部と第2封止樹脂部とによって充填されてなる場合を例示して説明を行なったが、必ずしもこのように構成する必要はなく、単一の封止樹脂部のみによって充填されていてもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1および2ならびにその変形例においては、接合介在部材が単一の部品にて構成された場合を例示して説明を行なったが、これが複数の部品にて構成されていてもよく、また二色成形品であってもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1および2ならびにその変形例においては、近接センサに本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明は、近接センサ以外のセンサやセンサ以外の各種の電子機器にも、当然にその適用が可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1F 近接センサ、10 ケース、20 検知部組立体、21 コア、21a 支持溝、22 検知コイル、23 コイルケース、24 回路基板、24a ランド、25a〜25c 電子部品、26 第1封止樹脂部、30 ケーブル、31 芯線、31a 導電線、32 シールド材、33 シース、40 接合介在部材、41 基部、41a 溶着部、42 延出部、42a 先端部、43 溝部、44,45 延出部、50 クランプ、51 固定部、52 保持部、53 連結部、53a ゲート、53b 導光部、60 第2封止樹脂部。

Claims (5)

  1. 開口部が設けられたケースと、
    前記ケースに収容された電子部品と、
    前記開口部に挿通されることで一端が前記電子部品に電気的に接続されるとともに、他端が外部に引き出されたケーブルと、
    前記ケーブルに取付けられた樹脂製の接合介在部材と、
    前記開口部に嵌着されるとともに、前記接合介在部材が嵌着されることで前記ケーブルを保持する筒状のクランプと、
    前記ケースおよび前記クランプによって規定される内部の空間を充填する封止樹脂部とを備えた電子部品の製造方法であって、
    筒状の基部および前記基部から延びる延出部を有するように、前記接合介在部材を製作する工程と、
    前記基部によって前記シースの外周面が覆われるとともに、前記延出部が前記基部から前記ケーブルの前記一端側に向けて延びるように、前記接合介在部材を前記ケーブルの前記一端側の部分に取付ける工程と、
    前記基部を前記シースに溶着することにより、前記接合介在部材を前記ケーブルに固定する工程と、
    前記接合介在部材の前記延出部に接合するように、前記ケースおよび前記クランプによって規定される内部の空間を前記封止樹脂部によって充填する工程とを備えた、電子機器の製造方法。
  2. 前記基部のうちの前記シースに溶着される部分の溶着前の厚みが、0.3mm以上0.5mm以下である、請求項1に記載の電子機器の製造方法。
  3. 前記封止樹脂部が、エポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂のいずれかからなり、
    前記接合介在部材が、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン系樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかからなり、
    前記シースが、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかからなる、請求項1または2に記載の電子機器の製造方法。
  4. 開口部が設けられたケースと、
    前記ケースに収容された電子部品と、
    前記開口部に挿通されることで一端が前記電子部品に電気的に接続されるとともに、他端が外部に引き出されたケーブルと、
    前記ケーブルに取付けられた樹脂製の接合介在部材と、
    前記開口部に嵌着されるとともに、前記接合介在部材が嵌着されることで前記ケーブルを保持する筒状のクランプと、
    前記ケースおよび前記クランプによって規定される内部の空間を充填する封止樹脂部とを備え、
    前記ケーブルは、導電線を含む芯線と、前記芯線を覆う樹脂製のシースとを有し、
    前記芯線は、前記ケーブルの前記一端側の部分において、前記シースによって覆われることなく露出し、
    前記接合介在部材は、前記シースの外周面を覆う筒状の基部と、前記基部から前記ケーブルの前記一端側に向けて延びるとともに前記樹脂封止部に接合する延出部とを有し、
    前記基部が前記シースに溶着されることにより、前記接合介在部材が前記ケーブルに固定されている、電子機器。
  5. 前記封止樹脂部が、エポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂のいずれかからなり、
    前記接合介在部材が、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン系樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかからなり、
    前記シースが、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂およびフッ素系樹脂のいずれかからなる、請求項4に記載の電子機器。
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