JP2017091189A - 空間的な人動物の不存在感を判定する装置、プログラム、方法及びサーバ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】装置は、気圧センサと温湿度(気温及び/又は湿度)センサとを有し、時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段とを有する。気圧差分値は、例えばn階中心差分法又はエッジ抽出フィルタ法に基づく差分法を用いて算出する。相関値は、例えば温湿度と参照温湿度とに関する時系列の相互相関関数を用いて算出する。
【選択図】図3
Description
カメラの顔認識機能を有する自律走行可能なロボットが、宅内で高齢者を見守る技術がある(例えば特許文献1参照)。
また、米びつに米の貯留量を監視するセンサを設置し、高齢者宅の米の貯留量を遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献2参照)。
更に、高齢者宅で計測された水使用量を、用途別に分類し、遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献3参照)。
更に、高齢者宅にマイクロフォンアレイ装置及びセンサを設置し、室内の歩行人数や歩行動線を推定して、遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献4参照)。
更に、高齢者宅の電気使用量データから生活リズム情報を作成し、その生活リズムに異常が発生した際に、遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献5参照)。
更に、高齢者宅に設置された人感センサと、高齢者が装着する加速度センサデータとを用いて、高齢者の動作及び場所を推定し、その推定結果を遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献6参照)。
更に、人感センサに代えて、地磁気センサを用いる技術もある(例えば特許文献7参照)。
更に、寝床センサ及び人感センサを用いて、高齢者の宅内での場所を推定する技術もある(例えば特許文献8参照)。
更に、杖にセンサを内蔵し、床面との接触、杖の加速度、杖の傾斜度などを計測し、高齢者の位置だけでなく、その状態が正常か異常を判定し、遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献9参照)。
更に、高齢者宅に設置した時報時計と、その時報時計と無線通信可能な携帯子機とを用いて、時報時計による特定の正時に鳴動する時報音に対し、当該子機に具備された応答ボタンを高齢者が押下しない場合、異常警報信号を遠隔の家族や見守り業者へ通知する技術もある(例えば特許文献10参照)。
更に、高齢者宅に設置したカメラによる映像データおよび寝床センサ等の状態データを収集し、遠隔の家族や見守り業者の要求に応じて当該データを提供する技術もある(例えば特許文献11参照)。
更に、高齢者住宅内に、気温・気圧、湿度、照度、マイク、人感のようなセンサユニットを設置し、高齢者の日常活動状況を観測するセンサーシステムの技術がある(例えば非特許文献1参照)。この技術によれば、センサユニットで計測した、高齢者の日常活動状況に関するセンサデータ群を管理サーバへ送信する。管理サーバは、高齢者宅毎にセンサデータをパターン解析し、定常状態から外れたセンサデータ群を受信した際に、その高齢者宅で異常が発生したと判定し、遠隔の家族や見守り業者へその旨を通知する。
また、本願の発明者らが、個別にシニアにヒアリングしたところ、「まだ若いし元気なのに監視なんてされたくない。」「元気で問題ないのに見守られるために何かしなければいけないのも嫌だ。」「寝たきりになったら自分が心配なので監視のような見守りサービスを使いたい」という声が聞かれた。
逆に、60歳以上の親を持つ30代40代の男女にアンケートを実施したところ、約半数が親の見守りサービスの利用に興味があると回答した。
特許文献1及び11に記載の技術によれば、高齢者宅内の映像が撮影されることとなる。
特許文献4、6〜9及び非特許文献1に記載の技術によれば、高齢者の宅内での存在位置や行動、会話までも、遠隔の家族や見守り業者に通知されることとなる。
特許文献3及び5に記載の技術によれば、電力会社としても電力使用量を機微的な個人情報として取り扱っているにも拘わらず(例えば非特許文献3参照)、そのような電気使用量や水道使用量を見守りサービス事業者に提供することとなる。
特許文献2に記載の技術によれば、高齢者が米を定期的に食さないだけで、その異常情報が遠隔の家族や見守り業者へ通知されることとなる。
特許文献10に記載の技術によれば、特定の正時に鳴動する時報音に対して、子機の応答ボタンを押下しない場合、異常警報信号を遠隔の家族や見守り業者へ通知されることとなる。
また、一戸建て住宅(換気のために常に窓を少し空けている)のように気密性の低い室内では、室外気圧と室内気圧との間に差が生じることなく、高齢者の生活活動がそのまま気圧の変化として表れない。
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
を有することを特徴とする。
気圧差分値算出手段は、n階中心差分法又はエッジ抽出フィルタ法に基づく差分法を用いて、気圧差分値を算出することも好ましい。
温湿度相関値算出手段における相関値は、計測された温湿度と、参照温湿度との時系列データに関する相互相関関数(cross-correlation function)に基づく相互相関値であることも好ましい。
不存在感判定手段について、
第1の所定条件以下とは、所定期間内について、複数の気圧差分値の絶対値の中で、第1の所定閾値以上の気圧差分値の絶対値が第1の所定数以下であることを意味し、
第2の所定条件以上とは、所定期間内について、相互相関値が第2の所定閾値以上であることを意味することも好ましい。
当該装置は、人動物が存在するであろう室内に設置されるものであり、
第1の所定閾値は、外界から密閉された室内における人動物の活動によって生じるであろう気圧差分値を意味し、
第2の所定閾値は、外界と一部開放された室内における人動物の存在によって生じるであろう室内温湿度と参照温湿度との間の相互相関値を意味することも好ましい。
不存在感判定手段によって真と判定された際に、ネットワークを介して外部装置へ、異常状態を通知する異常通知手段を更に有することも好ましい。
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相互相関関数に基づく相互相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相互相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
装置は、
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出し、
外部装置から外界の参照温湿度を取得し、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相互相関関数に基づく相互相関値を算出し、
気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相互相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する
ことを特徴とする。
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相互相関関数に基づく相互相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相互相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
を有することを特徴とする。
(1)センサを配置した部屋のドアの開閉
(2)別室のドアの開閉
(3)玄関ドアの開閉
(4)別室の窓の開閉
(5)換気扇の利用
図4は、本発明における管理サーバの機能構成図である。
気圧差分値算出部11は、時間経過に伴い変化する気圧の差分値である「気圧差分値」を算出する。気圧差分値は、例えばn階中心差分法又はエッジ抽出フィルタ法のような差分法を用いて算出される。
算出された気圧差分値は、不存在感判定部14へ出力される。
差分法とは、微分方程式を解く数値解析における離散化手法である。関数が2つの変数値に対してとる値の間の有限な差を、「差分(difference)」という。この差分を、変数値の差で割って得られる商を差分商(difference quotient)という。これは、微分を差分商で近似することによって、微分方程式を解く方法である。
時刻tと時刻t+1との間で微分をとる前方差分△u(t)は、以下の式で表される。
△u(t)=u(t+1)−u(t)
時刻tと時刻t-1との間で微分をとる後方差分▽u(t)は、以下の式で表される。
▽u(t)=u(t)−u(t-1)
そして、tに対して、t+1とt-1との間で差分をとる中心差分δu(t)は、以下の式で表される。即ち、中心差分δu(t)は、前方差分△u(t)と後方差分▽u(t)とを平均したものである。
δu(t)==(△u(t)+▽u(t))/2
=(u(t+1)−u(t-1))/2
δ2u(x)=(u(t+1)−u(t))−(u(t)−u(t-1))
=u(t+1)−2u(t)+u(t-1)
2階中心差分法は、nを中心にして、t+1とt-1との間で差分をとる方法である。具体的には、[1, -2, 1]の2次微分フィルタである。勿論、2次微分フィルタに限られず、1次の差分法として、x(t+1)-x(t-1)を意味する{-1,0,1}のような画像処理における「エッジ抽出フィルタ」を用いることも好ましい。
図6は、図5で観測された差分値に対して、異常「1」及び正常「0」としたグラフである。ここでは、時系列データに対する各外れ値検出技術を適用可能である。図6によれば、例えば、過去20個の気圧差分値の平均値と標準偏差σとから、平均値±4σに現在の気圧差分値が収まらないときに異常変動とすると定義した際の、異常変動と判定された箇所を示している。
参照温湿度取得部12は、外部装置から外界の参照温湿度を取得する。参照温湿度とは、当該センサモジュールの室外(外界)における外気温及び/又は外湿度をいう。
外部装置としては、インターネットを介して通信可能な気候サーバであってもよいし、室外に配置した温湿度計測装置であってもよい。気候サーバの場合、当該センサモジュールは、例えば無線LAN及びインターネットを介して、地理的な位置情報を気候サーバへ送信し、その位置の現在の温湿度(標高に応じて海面較正されたものであってもよい)を受信することができる。また、温湿度計測装置の場合、当該センサモジュールは、例えばローカルネットワーク(無線LANやBluetooth(登録商標))を介して、室外の現在の温湿度を受信する。
取得された参照温湿度は、温湿度相関値算出部13へ出力される。
温湿度相関値算出部13は、室内温湿度(センサジュールによって計測した温湿度)と、参照温湿度(室外の温湿度)との間の相関値(広義の相関値)を算出する。
本発明によれば、狭義の相関値として、計測された温湿度と、参照温湿度との時系列データに関する相互相関関数に基づく相互相関値であることが好ましい(例えば非特許文献4参照)。相関係数は、時系列データにおける時間のズレ(ラグτ)によって変わってくる。そのために、相互相関関数が最大となるラグにおける相関係数(相互相関値)を用いる。
算出された相関値は、不存在感判定部14へ出力される。
相互相関関数とは、2つの信号についてベクトル(配列)の類似度を算出するものである。具体的には、相互相関関数の値Cfgは以下のように算出される。
Cfg(τ)=Σf(t)g(t+τ)
f(t):第1の信号
g(t):第2の信号
t:時刻
τ:fとg間の時間差
相互相関関数の値が最も大きい時間差が、相互相関値が最も大きくなるところである。
不存在感判定部14は、気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無い(不存在感がある)と判定する。各所定条件(及び所定閾値)は、例えば以下のように規定される。
第1の所定閾値以上とは、例えば、過去20個の気圧差分値の平均値と標準偏差σとから、現在の気圧差分値が平均値+4σ以上(外れ値)となる場合であってもよい。
(第1の所定数)人動物の活動によって第1の所定閾値以上の気圧差分値が発生するであろう回数を意味する。
即ち、第1の所定数以下(外れ値が0又は少ない)であるとは、人動物の不存在感が高いことを意味する。
例えば、1日(所定期間)に、第1の所定閾値(+4σ)以上の気圧差分値が第1の所定数(例えば4回)以下である場合、人動物の不存在感が高いと判定する。
(第2の所定閾値)第2の所定閾値は、外界と一部開放された室内における人動物の存在によって生じるであろう室内温湿度と参照温湿度との間の相互相関値を意味する。
異常通知部15は、不存在感判定部14によって真と判定された際に、ネットワークを介して外部装置へ、異常状態を通知する。外部装置は、例えばインターネットに接続された管理サーバであってよいし、例えば高齢者の身内の人が所持する携帯電話機やスマートフォンであってもよい。異常状態は、例えばメールやSMS(Short Message Service)であってもよい。
101 気圧センサ
102 温湿度センサ
11 気圧差分値算出部
12 参照温湿度取得部
13 温湿度相関値算出部
14 不存在感判定部
15 異常通知部
2 気候データベース
3 端末
Claims (9)
- 気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有し、空間的な人動物の不存在感を判定する装置であって、
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
前記気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、前記相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
を有することを特徴とする装置。 - 前記気圧差分値算出手段は、n階中心差分法又はエッジ抽出フィルタ法に基づく差分法を用いて、前記気圧差分値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 前記温湿度相関値算出手段における前記相関値は、計測された温湿度と、参照温湿度との時系列データに関する相互相関関数(cross-correlation function)に基づく相互相関値である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。 - 前記不存在感判定手段について、
第1の所定条件以下とは、所定期間内について、複数の気圧差分値の絶対値の中で、第1の所定閾値以上の気圧差分値が第1の所定数以下であることを意味し、
第2の所定条件以上とは、所定期間内について、相互相関値が第2の所定閾値以上であることを意味する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。 - 当該装置は、人動物が存在するであろう室内に設置されるものであり、
第1の所定閾値は、外界から密閉された室内における人動物の活動によって生じるであろう気圧差分値を意味し、
第2の所定閾値は、外界と一部開放された室内における人動物の存在によって生じるであろう室内温湿度と参照温湿度との間の相互相関値を意味する
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。 - 前記不存在感判定手段によって真と判定された際に、ネットワークを介して外部装置へ、異常状態を通知する異常通知手段を
更に有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。 - 気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有し、空間的な人動物の不存在感を判定する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
前記気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、前記相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - 気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有し、空間的な人動物の不存在感を判定する装置の不存在感判定方法であって、
前記装置は、
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出し、
外部装置から外界の参照温湿度を取得し、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出し、
前記気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、前記相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する
ことを特徴とする装置の不存在感判定方法。 - 気圧を計測する気圧センサと、温湿度(気温及び/又は湿度)を計測する温湿度センサとを有するモジュールから、気圧及び温湿度を受信し、空間的な人動物の不存在感を判定するサーバであって、
時間経過に伴い変化する気圧の差分値である気圧差分値を算出する気圧差分値算出手段と、
外部装置から外界の参照温湿度を取得する参照温湿度取得手段と、
計測された温湿度と、参照温湿度との間の相関値を算出する温湿度相関値算出手段と、
前記気圧差分値の絶対値が第1の所定条件以下であって、且つ、前記相関値が第2の所定条件以上である場合に、空間的な人動物の存在感が無いと判定する不存在感判定手段と
を有することを特徴とするサーバ。
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