JP2017085744A - 基準電圧発生回路及びスイッチング電源装置 - Google Patents

基準電圧発生回路及びスイッチング電源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さを低コストで両立可能とする。【解決手段】基準電圧発生回路10は、周期とデューティを外部から設定できる矩形波の電圧パルスを出力する第1デジタルPWM回路12−1と第2デジタルPWM回路12−2を備え、それぞれの出力に一端を接続した抵抗14−1,14−2の他端をコンデンサ16に共通接続し、抵抗14−1,14−2とコンデンサ16の接続点で発生する電圧を基準電圧Vrefとして取り出す。第1デジタルPWM回路12−1に接続した抵抗14−1の抵抗値R1に対し、第2デジタルPWM回路12−2に接続した抵抗14−2の抵抗値R2が十分に大きくなるように、抵抗14−1,14−2の抵抗値が設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルプロセッサ等により基準電圧を変更する制御を可能とする基準電圧発生回路及びスイッチング電源装置に関する。
従来、入力電圧をスイッチング素子のオン、オフにより断続電圧に変換し、これを整流・平滑することで直流の出力電圧を得ることができるスイッチング電源装置が広く用いられている。
スイッチング電源装置は、出力電圧を安定な一定の電圧に制御するためのフィードバック制御回路を備えたものが一般的である。また、フィードバック制御回路には、スイッチング電源装置の出力電圧を所定の値に設定するために、基準電圧発生回路が設けられる。
基準電圧発生回路をDAコンバータで構成したスイッチング電源装置が知られている(特許文献1)。DAコンバータで構成した基準電圧発生回路は、DAコンバータをデジタルプロセッサで制御することで、スイッチング電源装置の出力電圧を高精度に制御することが可能となる。例えば、スイッチング電源装置のソフトスタート動作の制御をDAコンバータとデジタルプロセッサを用いて行うことで、スイッチング電源が起動する際のオーバーシュートを抑制している。
スイッチング電源装置の基準電圧発生回路としてDAコンバータを用いる場合、DAコンバータの分解能が十分に高くなければスイッチング電源装置の実用性を低下させてしまう。例えば、5Vを出力するスイッチング電源装置の基準電圧発生回路に8ビットのDAコンバータを用いたとする。8ビットのDAコンバータの分解能は256であるので、DAコンバータの電圧設定は、5V÷256=19.5mV単位となり、離散的にしか出力電圧設定ができないスイッチング電源装置となってしまう。
これでは、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の高精度な電圧設定が求められる半導体デバイス用のスイッチング電源装置として用いることが難しい。
スイッチング電源装置として実用的な出力電圧設定精度を得るためには、基準電圧発生回路に最低でも12ビット(分解能4096、5V出力のスイッチング電源装置では1.22mV単位)、可能であれば14ビット(分解能16384、5V出力のスイッチング電源装置では0.305mV単位)の分解能を持つDAコンバータを用いる必要がある。
ところで、高分解能のDAコンバータは高価であるので、これを用いた基準電圧発生回路は、高価なものになってしまうため、スイッチング電源装置も高価なものになってしまうといった問題を持っている。
(デジタルPWM回路)
スイッチング電源装置の基準電圧発生回路をデジタルプロセッサで制御する方法として、
デジタルプロセッサで制御可能なパルス幅変調回路(以下「デジタルPWM回路」という)を用いた方法が知られている(特許文献2)。この方法では、デジタルPWM回路、抵抗、および、コンデンサを用いて基準電圧発生回路を構成し、デジタルPWM回路の出力を抵抗とコンデンサで平滑することで得た直流電圧を基準電圧として用いる。
デジタルPWM回路は、市販のワンチップマイクロコンピュータ等のデジタルプロセッサに一般的に内蔵されているもので、マイクロコンピュータでは、タイマと呼ばれている場合もある。デジタルPWM回路は、安価なマイクロコンピュータにも内蔵されていることから、安価に基準電圧発生回路を構成することができる。
しかしながら、デジタルPWM回路を用いた基準電圧発生回路によりスイッチング電源装置の出力電圧設定精度を高めた場合には、スイッチング電源装置の出力電圧を高速に変化させる用途には使用できないという欠点を持つ。以下、その理由を説明する。
(デジタルPWM回路の動作)
図8はデジタルPWM回路およびこれを用いた従来の基準電圧発生回路を示した回路ブロック図である。図8に示すように、デジタルPWM回路100は、カウンタ回路104、第1比較回路106、第2比較回路108、RS−フリップフロップ回路110から構成される。
クロック発振回路102は、決まった周期TckでHレベルとLレベルが繰り返されるクロック信号E1を出力する回路である。デジタルPWM回路100がマイクロコンピュータに内蔵されている場合は、CPUにクロック信号を供給するためのクロック発振回路とデジタルPWM回路にクロック信号を供給するクロック発振回路を共用して用いる場合が多い。
カウンタ回路104は、クロック発振回路102が出力するクロック信号E1をカウントし、第1比較回路106及び第2比較回路108にカウント値Nを出力する。また、リセット信号E2が入力されると、カウント値Nがゼロにリセットされる。
第1比較回路106は、外部から設定できる第1設定値S1を持ち、カウンタ回路104が出力するカウント値Nが第1設定値S1と等しくなって、次のクロック信号E1が入力されるタイミングでリセット信号E2を出力する。
第2比較回路108は、外部から設定できる第2設定値S2を持ち、カウンタ回路104が出力するカウント値Nが第2設定値S2と等しくなったタイミングで出力反転信号E3を出力する。
RS−フリップフロップ回路110は、第1比較回路106が出力するリセット信号E2が入力されると出力QBがHレベル、出力QがLレベルとなってこれを維持し、第2比較回路108が出力する出力反転信号E3が入力されると出力QBがLレベル、出力QがHレベルとなってこれを維持し、出力QBから矩形波信号(PWM信号)E4を出力する。
デジタルPWM回路100は、このような構成を持つことで、クロック信号E1のクロック周期をTckとすると、Tck×(S1+1)の周期で、S2/(S1+1)のデューティを持つ矩形波信号E4を出力することができる。
図9は図8のデジタルPWM回路の動作を示したタイムチャートであり、クロック周期Tck=100nS、第1設定値S1=3999、第2設定値S2=1600とした場合を例にとっている。ここで、図9(A)はクロック信号E1を示し、図9(B)はカウンタ回路のカウント値Nを示し、図9(C)はリセット信号E2を示し、図9(D)は出力反転信号E3を示し、図9(E)は矩形波信号E4を示す。
(期間Aの動作)
図9の期間Aは、カウンタ回路104のカウント値Nが0から第2設定値S2に達した瞬間までの期間である。ここでは、RS-フリップフロップ回路110は出力QBがHレベル、出力QがLレベルとなっている。
カウンタ回路104は、クロック信号E1がLレベルからHレベルに変化するタイミングでカウント値Nが1だけ上昇する。カウント値Nが第2設定値S2=1600になった瞬間に、第2比較回路108が出力反転信号E3をRS−フリップフロップ回路110のセット端子Sへ出力する。このとき、RS−フリップフロップ回路110は出力QBがLレベル、出力QがHレベルとなる。
(期間Bの動作)
期間Bは、カウンタ回路104のカウント値Nが0から第1設定値S1に1を加えた(S1+1)に達する直前までの期間である。
カウンタ回路104は、クロック信号E1がLレベルからHレベルに変化するタイミングでカウント値Nが1だけ上昇する。カウント値Nが第1設定値S1と等しくなって、次のクロック信号が入力されるタイミングで第1比較回路106がリセット信号E2を出力し、カウンタ回路104をリセットする。即ち、カウント値Nが(S1+1)=4000になるタイミングでリセット信号E2が出力されることで、カウント値Nがリセットされて0となる。
このとき、RS−フリップフロップ回路110のリセット端子Rへもリセット信号E2が出力されるため、RS−フリップフロップ回路110の出力QBがLレベルからHレベルとなる。従って、デジタルPWM回路100から出力される矩形波信号E4は、
100nS×(3999+1)=400μS
の周期を持つことになる。
このようにデジタルPWM回路100からは、(期間A)/(期間B)のデューティdutyと期間Bの周期Tpwmを持った矩形波信号E4が出力される。期間Aは(Tck×S2)であり、期間Bは{Tck×(S1+1)}であるため、デジタルPWM回路100の周期Tpwm、デューティdutyは、以下の式で表される。
Tpmw=Tck×(S1+1) (1)
duty=S2/(S1+1) (2)
例えば、図9に示した動作となる図8のデジタルPWM回路100からは、周期400μS、デューティ0.4の矩形波信号E4が出力される。
第1比較回路106の第1設定値S1および第2比較回路108の第2設定値S2は、デジタルプロセッサ等を用いて、外部から設定を変更することが可能であるため、デジタルPWM回路100のデューティと周期は自由に設定することができる。
(デジタルPWM回路を用いた基準電圧発生回路の動作)
デジタルPWM回路100を用いた基準電圧発生回路は、デジタルPWM回路100の出力する矩形波信号E4を、抵抗112とコンデンサ114を用いて平滑した電圧を基準電圧Vrefとしている。基準電圧Vrefは、デジタルPWM回路100のHレベルの出力電圧、Lレベルの出力電圧、デジタルPWM回路100のデューティで決定される。
例えば、デジタルPWM回路100のHレベルの出力電圧をVH、Lレベルの出力電圧をVL、デジタルPWM回路100のデューティをdutyとすると、基準電圧Vrefは以下の式で表すことができる。
Vref=(VH−VL)×duty+VL (3)
例えば、図8及び図9において、VH=5V、VL=0V、S1=3999、S2=1600とすると、duty=0.4となるので、図8の基準電圧発生回路は基準電圧Vrefとして2Vを出力する。
(分解能)
デジタルPWM回路100を用いた基準電圧発生回路が出力する基準電圧Vrefの電圧分解能は、デジタルPWM回路100のデューティ分解能で決定される。デジタルPWM回路100はクロック信号E1をカウントすることで周期Tpmwとデューティdutyを生成しており、第2設定値S2が0に設定されたときデューティdutyは0になり、設定値S2が(S1+1)に設定されたときデューティdutyは1になる。
従って、デジタルPWM回路100のデューティ分解能は第1設定値S1で決定され、基準電圧Vrefの電圧分解能となる最小変化幅Vstepは以下の式で決定される。
Vstep=(VH―VL)/(S1+1) (4)
例えば、図8及び図9において、VH=5V、VL=0V、S1=3999とすると、図8の基準電圧Vrefの電圧分解能となる最小変化幅Vstepは、1.25mVとなる。
以上より、デジタルPWM回路100を用いた基準電圧発生回路において、基準電圧Vrefの電圧分解能を向上させる場合、第1比較回路106の第1設定値S1を大きくする必要がある。
(リップル電圧)
デジタルPWM回路100を用いた基準電圧発生回路は、デジタルPWM回路100の出力となる矩形波信号E4を平滑して基準電圧Vrefを作るため、抵抗112の抵抗値R0、コンデンサ114の容量C0、および、矩形波信号E4の周期Tpwmの値で決定されるリップル電圧Vripが重畳する。出力電圧Voを、基準電圧Vrefを基に制御を行うスイッチング電源装置の場合、基準電圧Vrefにリップル電圧が重畳していると出力電圧Voにもリップル電圧が重畳することになる。
例えば、基準電圧Vref=2Vのとき、出力電圧Vo=12Vとなるスイッチング電源装置を考える。出力電圧Voは基準電圧Vrefの6倍になるように制御が行われていることになるので、出力電圧Voのリップル電圧は基準電圧Vrefのリップル電圧Vripの6倍の値となる。
一般的なスイッチング電源装置では、出力電圧Voのリップル電圧は出力電圧の0.2%程度に設計されているが小さいほど望ましい。例えば、12Vを出力するスイッチング電源装置のリップル電圧は24mVとなる。基準電圧Vref=2Vのとき、出力電圧Vo=12Vとなるスイッチング電源装置において、出力電圧のリップル電圧を24mV以下とする場合、基準電圧Vrefのリップル電圧Vripを4mV以下とする必要がある。そこで、基準電圧Vrefに重畳しているリップル電圧Vripを求めると次のようになる。
デジタルPWM回路100がHレベルのときの出力電圧をVH、Lレベルのときの出力電圧を0Vとして、以下を説明する。また、抵抗112の抵抗値をR0、コンデンサ114の容量をC0とする。デジタルPWM回路100の出力がHレベルのとき、抵抗112を流れる電流Ir0は、以下の式で表される。
Ir0=(VH―Vref)/R0 (5)
抵抗112を流れる電流Ir0は、コンデンサ114に流れ込む電流となる。デジタルPWM回路100がHレベルを出力している時間は、デジタルPWM回路100の周期Tpwmとデューティdutyの積である。従って、コンデンサ114には、
時間T=Tpwm×duty
の間、電流Ir0が流れ込む。この間のコンデンサ114の電圧変動ΔVc0がデジタルPWM回路100のリップル電圧Vripとなる。
Figure 2017085744
例えば、図8及び図9 においては、VH=5V、Vref=2V、Tpwm=400μS、duty=0.4であるので、Vrip≦4mVとなる条件は、以下の式で表される。
C0・R0 ≧{ (VH−Vref)・Tpwm・duty}/4mV
= 0.12 (7)
例えば、C0=10μF、R0=12kΩとすれば、Vrip=4mVが得られる。
以上より、リップル電圧を小さくしようとする場合、コンデンサ114の容量C0および抵抗112の抵抗値R0を大きくする必要がある。
また、リップル電圧を小さくするための他の方法としては、式(6)からデジタルPWM回路100の周期Tpwmを短くして周波数を高くする方法がある。
(基準電圧変更時間)
デジタルPWM回路100を用いた基準電圧発生回路において、基準電圧Vrefを変更する場合は、デジタルPWM回路100からの出力する矩形波信号E4のデューティを変更する。例えば、図8では、第2比較回路108の第2設定値S2を変更することで、矩形波信号のデューティを変えて、基準電圧Vrefを変更する。
基準電圧Vrefを電圧Vref1から電圧Vref2に変更する場合、変更に必要な時間を考える。デジタルPWM回路100を用いた基準電圧発生回路は、抵抗112とコンデンサ114を用いた平滑回路を内部に持っているため、平滑回路の時定数τの計算を行うことで、基準電圧Vrefを電圧Vref1から電圧Vref2に変更する時間を求めることができる。
一般的に、時定数τはτ=RCで求められる。従って、デジタルPWM回路100のデューティを変更してからコンデンサ114の容量C0と抵抗112の抵抗値R0の積で求まる時間τが経過すると、基準電圧Vrefは、
Vref=(Vref2―Vref1)×0.632+Vref1
になっている。
例えば、図8及び図9のデジタルPWM回路100を用いた基準電圧発生回路において、第2設定値S2が1600のとき基準電圧Vrefは2Vであるが、第2設定値S2を2000に変更するとデジタルPWM回路100のデューティは0.5となり、基準電圧Vrefは2.5Vを目指して変化し、0.12sec(=10μF×12kΩ)後には、2.316V(=(2.5V-2V)×0.632+2V)になっている。
特開2010−028951号公報 特開2014−128110号公報
このようにスイッチング電源装置の出力電圧を制御するための基準電圧発生回路として、DAコンバータを用いる方法は、基準電圧発生回路は高分解能であることが求められるため、高価なDAコンバータが必要となり、基準電圧発生回路が高価なものになってしまう問題がある。
この問題を解決する方法として、前述したように、デジタルPWM回路から出力された周期とデューティを外部から設定できる矩形波信号を抵抗とコンデンサを用いて平滑して得られた電圧をスイッチング電源の基準電圧とする方法があるが、この方法は、矩形波信号を抵抗とコンデンサにより平滑しているため、基準電圧にリップル電圧が重畳し、基準電圧のリップル電圧は、出力電圧のリップル電圧になってしまう。
一般的に、スイッチング電源装置は出力電圧のリップル電圧が小さいほど良く、出力電圧設定値を変更する際に必要な時間が短いほど良いが、基準電圧のリップル電圧を小さくするためには、矩形波信号の周波数を高くすることが考えられ、周波数を高くしようとすると高速クロックを用いたデジタルPWM回路が必要となるため、基準電圧発生回路が高価なものになるという問題が発生する。
また、リップル電圧を小さくするためにコンデンサと抵抗の積を大きくする必要があるが、スイッチング電源装置の出力電圧設定値を変更する際に必要な時間を短くするには、コンデンサと抵抗の積を小さくする必要があり、両方を満たすことができない。
従って、従来のデジタルPWM回路を用いた基準電圧発生回路では、分解能、リップル電圧、設定変更時間の要素を低コストで成り立たせることができないという問題があった。
本発明は、高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さを低コストで両立可能とするデジタルPWM回路を用いた基準電圧発生回路及びスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
(基準電圧発生回路)
本発明は、基準電圧発生回路に於いて、
周期とデューティを外部から設定可能な矩形波信号を出力する複数のパルス幅変調回路と、
複数のパルス幅変調回路の出力の各々に一端を接続した複数の抵抗と、
複数の抵抗の他端を共通接続したコンデンサと、
を備え、
複数の抵抗とコンデンサの接続点に発生する電圧を基準電圧として取り出す構成を備えたことを特徴とする。
(2つのパルス幅変調回路の出力抵抗の関係)
複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)に対し第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)が十分に大きな値に設定される。
(2つのパルス幅変調回路の出力抵抗比をデューティ分解能に基づき設定)
複数のパルス幅変調回路は所定のデューティ分解能を有し、
複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)と第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)の比(Ri+1/Ri)が第1パルス幅変調回路のデューティ分解能とほぼ等しくなるように、第1抵抗及び第2抵抗の抵抗値が設定される。
(パルス幅変調回路の詳細とデューティ分解能)
パルス幅変調回路は、カウンタ回路、第1比較回路、第2比較回路及び出力反転回路を備え、
カウンタ回路は、外部から供給されたクロック信号を計数してカウント値を出力すると共に第1比較回路から出力されたリセット信号によりリセットされ、
第1比較回路は、カウンタ回路のカウント値を外部から設定された所定の第1設定値と比較し、カウント値が第1設定値に一致した場合にリセット信号を出力し、
第2比較回路は、カウンタ回路のカウント値を第1設定値以下の外部から設定された第2設定値と比較し、カウント値が第2設定値に一致した場合に出力反転信号を出力し、
出力反転回路は、リセット信号が得られたときに出力をLレベルからHレベルに立上げ、出力反転信号が得られた場合に出力をHレベルからLレベルに反転して矩形波信号を出力する。
(スイッチング電源装置)
本発明は、
電力変換部、スイッチング素子駆動回路及び基準電圧発生回路を備え、
電力変換部はスイッチング素子のオン、オフによって入力電源が供給する入力電圧を断続電圧に変換すると共に断続電圧を整流平滑して直流電圧を生成し、
スイッチング素子駆動回路は、基準電圧発生回路からの基準電圧に対応してスイッチング素子のオンデューティを制御するスイッチング電源装置に於いて、
基準電圧発生回路は、
周期とデューティを外部から設定可能な矩形波信号を出力する複数のパルス幅変調回路と、
複数のパルス幅変調回路の出力の各々に一端を接続した複数の抵抗と、
複数の抵抗の他端を共通接続したコンデンサと、
を備え、
複数の抵抗とコンデンサの接続点で発生する電圧を基準電圧として取り出す構成を備えたことを特徴とする。
(2つのパルス幅変調回路の出力抵抗の関係)
スイッチング電源装置に設けた複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)に対し第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)が十分に大きな値に設定される。
(2つのパルス幅変調回路の出力抵抗比をデューティ分解能に基づき設定)
スイッチング電源装置に設けた複数のパルス幅変調回路は所定のデューティ分解能を有し、
複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)と第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)の抵抗値の比(Ri+1/Ri)が第1パルス幅変調回路のデューティ分解能とほぼ等しくなるように、第1抵抗及び第2抵抗の抵抗値が設定される。
(パルス幅変調回路の詳細とデューティ分解能)
スイッチング電源装置に設けたパルス幅変調回路は、カウンタ回路、第1比較回路、第2比較回路及び出力反転回路を備え、
カウンタ回路は、外部から供給されたクロック信号を計数してカウント値を出力すると共に第1比較回路から出力されたリセット信号によりリセットされ、
第1比較回路は、カウンタ回路のカウント値を外部から設定された所定の第1設定値と比較し、カウント値が第1設定値に一致した場合にリセット信号を出力し、
第2比較回路は、カウンタ回路のカウント値を第1設定値以下の外部から設定された第2設定値と比較し、カウント値が第2設定値に一致した場合に出力反転信号を出力し、
出力反転回路は、リセット信号が得られたときに出力を正転し、出力反転信号が得られた場合に出力を反転して矩形波信号を出力する。
(基準電圧発生回路の基本的な効果)
本発明は、基準電圧発生回路に於いて、周期とデューティを外部から設定可能な矩形波信号を出力する複数のパルス幅変調回路と、複数のパルス幅変調回路の出力の各々に一端を接続した複数の抵抗と、複数の抵抗の他端を共通接続したコンデンサとを備え、複数の抵抗とコンデンサの接続点に発生する電圧を基準電圧として取り出す構成を備えるようにしたため、パルス幅変調回路として低速クロックで動作するデジタルPWM回路をデューティ分解能を低く設定して用いても、基準電圧の分解能を高くすることが可能となるため、高速クロックで動作する高価なデジタルPWM回路を用いることなく、矩形波信号の周期を短くすることが可能となり、また、デジタルPWM回路のデューティ分解能を低く設定したことで矩形波信号の周期を短くできることから、基準電圧の設定電圧変更時間を短くするために、デジタルPWM回路の出力に接続する抵抗とコンデンサの時定数を小さくした場合でも、基準電圧のリップル電圧が大きくなることが無く、高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さを低コストで両立可能とする。
(2つのパルス幅変調回路の出力抵抗の関係による効果)
また、複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)に対し第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)が十分に大きな値に設定されたため、基準電圧に対しては、第1比較回路からの矩形波信号による電圧変化は直接に基準電圧の電圧変化に反映されることで粗調整として働き、第1比較回路からの矩形波信号による電圧変化は第1抵抗と第2抵抗の大小関係に基づき小さな電圧変化として基準電圧に反映されることで微調整として働き、両者の組合せにより高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さを低コストで両立可能とする。
(2つのパルス幅変調回路の出力抵抗比をデューティ分解能に基づき設定する効果)
また、複数のパルス幅変調回路は所定のデューティ分解能を有し、複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)と第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)の比(Ri+1/Ri)が第1パルス幅変調回路のデューティ分解能とほぼ等しくなるように、第1抵抗及び第2抵抗の抵抗値が設定されたため、第1抵抗と第2抵抗の比を第1パルス幅変調回路のデューティ分解能とほぼ等しく設定したことで、デジタルプロセッサ等による外部から周期、デューティ分解能及びデューティを変更する制御により、基準電圧を例えば0Vから矩形波信号のHレベル電圧の範囲で、第1パルス幅変調回路のデューティ分解能と第2パルス幅変調回路のデューティ分解能を掛け合わせた分解能に対応した微小電圧単位に調整が可能となり、基準電圧を高精度に制御することが可能となる。
また、基準電圧は、第1パルス幅変調回路のデューティ分解能と第2パルス幅変調回路のデューティ分解能を掛け合わせた分解能に基づき生成されるため、第1パルス幅変調回路及び第2パルス幅変調回路のデューティ分解能は小さくすることができ、デューティ分解能が小さければ、従来と同じクロック周期とすると、矩形波信号の周期は短くなることで高速動作することとなり、パルス幅変調回路の出力に接続する抵抗とコンデンサの時定数を小さくしても、基準電圧のリップルを小さくすることができる。
その結果、高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さを低コストで両立可能とする。
(パルス幅変調回路の詳細とデューティ分解能による効果)
また、パルス幅変調回路は、カウンタ回路、第1比較回路、第2比較回路及び出力反転回路を備え、カウンタ回路は、外部から供給されたクロック信号を計数してカウント値を出力すると共に第1比較回路から出力されたリセット信号によりリセットされ、第1比較回路は、カウンタ回路のカウント値を外部から設定された所定の第1設定値と比較し、カウント値が第1設定値に一致した場合にリセット信号を出力し、第2比較回路は、カウンタ回路のカウント値を外部から設定された第2設定値と比較し、カウント値が第2設定値に一致した場合に出力反転信号を出力し、出力反転回路は、リセット信号が得られたときに出力を正転し、出力反転信号が得られた場合に出力を反転して矩形波信号を出力するようにしたため、このような構成を備えた第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路に対し、デジタルプロセッサ等により外部から第1設定値を変更することで矩形波信号の周期とデューティ分解能を変更する制御ができ、また、第2設定値を変更することで矩形波信号のデューティを変更する制御が可能となり、第1パルス幅変調回路のデューティ分解能と第2パルス幅変調回路のデューティ分解能を掛け合わせた分解能に対応した微小電圧単位に基準電圧の調整が可能となり、基準電圧を高精度に制御することができる。
また、基準電圧は、第1パルス幅変調回路のデューティ分解能と第2パルス幅変調回路のデューティ分解能を掛け合わせた分解能に基づき生成されるため、第1パルス幅変調回路及び第2パルス幅変調回路の第1設定値を小さな値に設定することでデューティ分解能を小さくすることができ、デューティ分解能が小さければ、従来と同じクロック周期とすると、矩形波信号の周期は短くなることで高速動作することとなり、パルス幅変調回路の出力に接続する抵抗とコンデンサの時定数を小さくしても基準電圧のリップルを小さくすることができる。
その結果、高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さを低コストで両立可能とする。
(スイッチング電源装置の効果)
本発明は、電力変換部、スイッチング素子駆動回路及び基準電圧発生回路を備え、電力変換部はスイッチング素子のオンオフによって入力電源が供給する入力電圧を断続電圧に変換すると共に断続電圧を整流平滑して直流電圧を生成し、スイッチング素子駆動回路は、基準電圧発生回路からの基準電圧に対応してスイッチング素子のオンデューティを制御するスイッチング電源装置に於いて、基準電圧発生回路は、周期とデューティを外部から設定可能な矩形波信号を出力する複数のパルス幅変調回路と、複数のパルス幅変調回路の出力の各々に一端を接続した複数の抵抗と、複数の抵抗の他端を共通接続したコンデンサとを備え、複数の抵抗とコンデンサの接続点で発生する電圧を基準電圧として取り出す構成を備えるようにしたため、前述した本発明による基準電圧発生回路の効果により、デジタルプロセッサ等で高精度かつ高速応答に出力電圧を制御でき、出力電圧リップルが小さいスイッチング電源装置を低コストで作ることができる。
なお、スイッチング電源装置におけるそれ以外の特徴による効果は、基準電圧発生回路の場合と基本的に同様となる。
デジタルPWM回路を2回路設けた基準電圧発生回路の概略を示した回路ブロック図 図1の基準電圧発生回路につきデジタルPWM回路の具体的な回路構成を含めて示した回路ブロック図 基準電圧発生回路のコンデンサ容量を無限大とした場合の等価回路を示した回路ブロック図 デジタルPWM回路を3回路以上設けた基準電圧発生回路の概略を示した回路ブロック図 本発明の基準電圧発生回路を設けたスイッチング電源装置の第1実施形態を示した回路ブロック図 本発明の基準電圧発生回路を設けたスイッチング電源装置の第2実施形態を示した回路ブロック図 本発明の基準電圧発生回路を設けたフィードバック制御回路を持たないスイッチング電源装置の第3実施形態を示した回路ブロック図 従来のデジタルPWM回路を用いた基準電圧発生回路を示した回路ブロック図 図7のデジタルPWM回路における各部の動作波形を示したタイムチャート
[基準電圧発生回路の第1実施形態]
図1はデジタルPWM回路を2回路設けた基準電圧発生回路の概略を示した回路ブロック図、図2は図1の基準電圧発生回路につきデジタルPWM回路の具体的な回路構成を含めて示した回路ブロック図、図3は基準電圧発生回路のコンデンサ容量を無限大とした場合の等価回路を示した回路ブロック図である。
(基準電圧発生回路の概略)
図1に示すように、本実施形態の基準電圧発生回路10は、第1パルス幅変調回路として機能する第1デジタルPWM回路12−1と第2パルス幅変調回路として機能する第2デジタルPWM回路12−2を備え、第1デジタルPWM回路12−1の出力に第1抵抗14−1の一端を接続し、第2デジタルPWM回路12−2の出力に第2抵抗14−2の一端を接続し、第1抵抗14−1及び第2抵抗14−2の他端はコンデンサ16の一端に共通接続し、第1抵抗14−1、第2抵抗14−2及びコンデンサ16の接続点から出力端子18に接続し、基準電圧Vrefを得る構成としている。
(第1デジタルPWM回路)
図2に示すように、基準電圧発生回路10に設けた第1デジタルPWM回路12−1は、カウンタ回路20−1、第1比較回路22−1、第2比較回路24−1、RS−フリップフロップ回路26−1から構成される。
カウンタ回路20−1は、クロック発振回路15−1が出力するクロック信号E11をカウントし、第1比較回路22−1及び第2比較回路24−1にカウント値N1を出力する。また、カウンタ回路20−1にリセット信号E12が入力されると、カウント値N1がゼロにリセットされる。
第1比較回路22−1は、外部から設定できる第1設定値S11を持ち、カウンタ回路20−1が出力するカウント値N1が第1設定値S11と等しくなって、次のクロック信号E11が入力されるタイミングでリセット信号E12を出力する。
第2比較回路24−1は、外部から設定できる第2設定値S12を持ち、カウンタ回路20−1が出力するカウント値N1が第2設定値S12と等しくなったタイミングで出力反転信号E13を出力する。
RS−フリップフロップ回路26−1は、出力反転回路として機能し、第1比較回路22−1が出力するリセット信号E12が入力されると出力QBがHレベル、出力QがLレベルとなってこれを維持し、第2比較回路24−1が出力する出力反転信号E13が入力されると出力QBがLレベル、出力QがHレベルとなってこれを維持し、出力QBから矩形波信号(PWM信号)E14を出力する。
これにより第1デジタルPWM回路12−1は、周期Tpwm1とデューティduty1をもつ矩形波信号E14を出力する。ここで、周期Tpwm1とデューティduty1は次式で与えられる。
Tpwm1=Tck1×(S11+1)
duty1=S12/(S11+1)
(第2デジタルPWM回路)
図2に示すように、基準電圧発生回路10に設けた第2デジタルPWM回路12−2は、カウンタ回路20−2、第1比較回路22−2、第2比較回路24−2、RS−フリップフロップ回路26−2から構成される。
カウンタ回路20−2は、クロック発振回路15−2が出力するクロック信号E21をカウントし、第1比較回路22−2及び第2比較回路24−2にカウント値N2を出力する。また、カウンタ回路20−2は、リセット信号E22が入力されると、カウント値N2がゼロにリセットされる。
第1比較回路22−2は、外部から設定できる第1設定値S21を持ち、カウンタ回路20−2が出力するカウント値N2が第1設定値S21と等しくなって、次のクロック信号E21が入力されるタイミングでリセット信号E22を出力する。
第2比較回路24−2は、外部から設定できる第2設定値S22を持ち、カウンタ回路20−2が出力するカウント値N2が第2設定値S22と等しくなったタイミングで出力反転信号E23を出力する。
RS−フリップフロップ回路26−2は、出力反転回路として機能し、第1比較回路22−2が出力するリセット信号E22が入力されると出力QBがHレベル、出力QがLレベルとなってこれを維持し、第2比較回路24−2が出力する出力反転信号E23が入力されると出力QBがLレベル、出力QがHレベルとなってこれを維持し、出力QBから矩形波信号(PWM信号)E24を出力する。
これにより第2デジタルPWM回路12−2は、周期Tpwm2とデューティduty2をもつ矩形波信号(PWM信号)E24を出力する。ここで、周期Tpwm2とデューティduty2は次式で与えられる。
Tpwm2=Tck2×(S21+1)
duty2=S22/(S21+1)
(整流平滑)
第1デジタルPWM回路12−1の出力と第2デジタルPWM回路12−2の出力は、第1抵抗14−1及び第2抵抗14−2を介して接続される。第1抵抗14−1と第2抵抗14−2の接続点にコンデンサ16を接続し、コンデンサ16の電圧を基準電圧Vrefとして出力端子18から取り出す。
(基準電圧の生成動作)
図1及び図2に示した基準電圧発生回路10の基準電圧Vrefの発生動作について、以下に説明する。
コンデンサ16の容量C1を無限大とすると、基準電圧Vref側から見た第1デジタルPWM回路12−1と第2デジタルPWM回路12−2の出力電圧は、それぞれが出力するパルス電圧の矩形波信号を平滑した電圧を出力する直流電圧源と考えることができる。
このため、第1及び第2デジタルPWM回路12−1,12−2からの矩形波信号E14,E24のHレベル出力電圧をVH1,VH2とし、Lレベル出力電圧をVL1,VL2とすると、第1デジタルPWM回路12−1の出力を平滑した電圧VSM1および第2デジタルPWM回路12−2の出力を平滑した電圧VSM2は以下の式で表される。
VSM1=(VH1−VL1)×S12/(S11+1)+VL1
=(VH1−VL1)・duty1+VL1 (8)
VSM2=(VH2−VL2)×S22/(S21+1)+VL2
=(VH2−VL2)・duty2+VL2 (9)
第1デジタルPWM回路12−1および第2デジタルPWM回路12−2は第1抵抗14−1と第2抵抗14−2を介して接続されており、第1抵抗14−1と第2抵抗14−2の接続点の電圧が基準電圧Vrefとなっているので、基準電圧発生回路10は図3のように表すことができる。
図3で示すように、第1デジタルPWM回路12−1から第1抵抗14−1及び第2抵抗14−2を介して第2デジタルPWM回路12−2に流れる電流をi1として計算すると、基準電圧Vrefを求めることができる。
第1抵抗14−1を流れる電流i1は、第1抵抗14−1の抵抗値をR1とすると、第1抵抗14−1の両端の電圧差と抵抗値R1から、以下の式が成り立つ。
i1=(VSM1−Vref)/R1 (10)
また、第2抵抗14−2にも同じ電流i1が流れるので、第2抵抗14−2の抵抗値をR2とすると、同様に、以下の式が成り立つ。
i1=(Vref−VSM2)/R2 (11)
第1抵抗14−1の抵抗値R1と第2抵抗14−2の抵抗値R2の関係を
A=R2/R1
とすると、基準電圧Vrefは以下の式で求められる。
Vref={A/(A+1)}VSM1+{1/(A+1)}VSM2 (12)
ここで、A>>1となるように、即ち、第1抵抗14−1の抵抗値R1に対し第2抵抗14−2の抵抗値R2が十分に大きくなるように、抵抗値R1,R2の値を設定すると、
A+1≒A
となるので、基準電圧Vrefは以下の式で表すことができる。
Vref≒VSM1+(1/A)VSM2 (13)
この式(13)の関係から、基準電圧Vrefに対しては、平滑電圧VSM1の電圧変化は直接に基準電圧Vrefの電圧変化に反映され、平滑電圧VSM2の電圧変化は(1/A)倍で基準電圧Vrefの電圧変化に反映されることが分かる。
第1デジタルPWM回路12−1からの平滑電圧VSM1は、基準電圧Vrefの電圧変化に対して粗調整として働くことができ、また、第2デジタルPWM回路12−2からの平滑電圧VSM2は、基準電圧Vrefの電圧変化に対して微調整として働くことができる。
また、基準電圧Vrefの電圧分解能は、第1デジタルPWM回路12−1におけるデューティ分解能が第1比較回路12−1の第1設定値S11に1を加えた(S11+1)であり、また第2デジタルPWM回路12−2のデューティ分解能が第1比較回路22−1の第1設定値S21に1を加えた(S21+1)であり、基準電圧Vrefの電圧分解能は、両者のデューティ分解能を掛け合わせた分解能(S11+1)(S21+1)として決定できる。このため第1デジタルPWM回路12−1および第2デジタルPWM回路12−2のそれぞれのデューティ分解能が低くても基準電圧Vrefの電圧分解能を高くすることができる。
また、基準電圧Vrefの電圧分解能が第1及び第2デジタルPWM回路12−1,12−2のデューティ分解能を掛け合わせた分解能(S11+1)(S21+1)により決定できるということは、第1デジタルPWM回路12−1と第2デジタルPWM回路12−2のデューティ分解能が小さくて良いということである。
このように第1デジタルPWM回路12−1と第2デジタルPWM回路12−2のデューティ分解能を小さくすることができると、両者の周期Tpwm1、Tpwm2を短くして用いることができる。
(本実施形態のメリット)
このような図1乃至図3に示した本実施形態の基準電圧発生回路10は、低速クロックで動作するデジタルPWM回路をデューティ分解能を低く設定して用いても、基準電圧Vrefの分解能を高くすることが可能となるため、第1及び第2デジタルPWM回路12−1,12−2に高速クロックで動作する高価なデジタルPWM回路を用いることなく、デジタルPWM回路が出力する矩形波信号の周期を短くすることが可能となり、また、デジタルPWM回路のデューティ分解能を低く設定したことで矩形波信号の周期を短くできることから、基準電圧Vrefの設定電圧変更時間を短くするために、デジタルPWM回路の出力に接続する抵抗とコンデンサの時定数を小さくした場合でも、基準電圧Vrefのリップルを小さくすることができることになり、高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さの全てを低コストで両立できる。
(第1実施形態の変形)
図4はデジタルPWM回路を3回路以上となる複数回路設けた基準電圧発生回路の概略を示した回路ブロック図である。
図1乃至図3に示した第1実施形態の基準電圧発生回路では、2回路のデジタルPWM回路をそれぞれ抵抗を介してコンデンサに接続した回路としているが、3回路以上となる複数のデジタルPWM回路を、それぞれ抵抗を介してコンデンサに接続した回路としても良く、この場合にも同様の効果を得ることができる。
図4の基準電圧発生回路10では、3回路以上となる複数のデジタルPWM回路12−1〜12−nのそれぞれの出力に、抵抗14−1〜14−nの一端を接続し、抵抗14−1〜14−nの他端のすべてをコンデンサ16と接続し、コンデンサ16から電圧Vrefを得る構成としている。
この場合、複数のデジタルPWM回路12−1〜12−n及び抵抗14−1〜14−nを、相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループG1〜Gn−1に分け、i番目とi+1番目を含む任意のグループGiのデジタルPWM回路を、グループ内での並び順に第1デジタルPWM回路12−iと第2デジタルPWM回路12−(i+1)とした場合、第1デジタルPWM回路12−iに接続した第1抵抗14−iの抵抗値Riに対し第2デジタルPWM回路12−(i+1)に接続した第2抵抗14−(i+1)の抵抗Ri+1を十分に大きな値に設定し、グループ単位に前記の式(13)の関係が得られるようにすれば良い。ただし、i=1〜nの整数とする。
ここで、抵抗14−1〜14−nの抵抗値R1〜Rnの関係を、
R2/R1=A1
R3/R2=A2
・・・
Rn/Rn−1=An-1
とすると、前記の式(13)の関係から、本実施形態の基準電圧発生回路10による基準電圧Vrefは以下の式で表すことができる。
Vref=VSM1+(1/A1)VSM2+(1/A2)VSM3+
・・・+(1/An-1)VSMn (14)
この第1実施形態の変形例においても、第1実施形態と同様に、高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さの全てを低コストで両立できる。
[基準電圧発生回路の第2実施形態]
第2実施形態の基準電圧発生回路は、その構成は図1及び図2に示した第1実施形態と同じであるが、第1抵抗14−1の抵抗値R1と第2抵抗14−2の抵抗値R2の比(R2/R1)を、下記の式(15)のように、第1デジタルPWM回路12−1のデューティ分解能(Rd1−1)に設定することで、基準電圧Vrefを高精度に制御できるようにしたものである。
R2/R1 = Rd1−1 (15)
以下、本実施形態による基準電圧の発生動作を、図1及び図2に示した第1デジタルPWM回路12−1および第2デジタルPWM回路12−2のHレベル出力電圧を共にVHとし、Lレベル出力電圧を0として説明を行う。
本実施形態は、第1実施形態で示した式(8)〜式(15)から得られる以下の式で説明できる。
第1デジタルPWM回路12−1および第2デジタルPWM回路12−2からの矩形波信号のHレベル出力電圧をVHとすると、VH1=VH2=VHとなる。また、Lレベル出力電圧が0であるので、VL1=VL2=0となる。この条件を式(8)、式(9)に与える。
また、式(12)で第1抵抗14−1と第2抵抗14−2の抵抗値の関係を記述するのに用いた
A=R2/R1
を、式(15)に代入すると
A=Rd1−1
となるので、これを式(12)に代入する。これより、以下の式が得られる。
Vref=(VH・duty1) + (1/Rd1)(VH・duty2) (16)
第1デジタルPWM回路12−1のduty1は(1/Rd1)を最小単位として0〜1まで変化することができる。第2デジタルPWM回路12−2のduty2は(1/Rd2)を最小単位として0〜1まで変化することができる。
式(16)より、第2デジタルPWM回路12−2のduty2が基準電圧Vrefの電圧変化に及ぼす寄与率は、(1/Rd1)となっている。第2デジタルPWM回路12−2のduty2が0〜1の範囲で変化したとき、第2デジタルPWM回路12−2がVrefの電圧変化に及ぼす影響は、第1デジタルPWM回路12−1のdutyの最小単位(1/Rd1)分ということになる。
以上の点に関して、具体的に数値を与えて説明すると次のようになる。まず、
矩形波信号のHレベル出力電圧VH=5V、
第1デジタルPWM回路12−1の第1設定値S11=99
第2デジタルPWM回路12−2の第1設定値S21=99
とする。
第1デジタルPWM回路12−1からの矩形波信号のデューティduty1は、
duty1=S12/(S11+1)
であるので、第1設定値S12=0のときデューティduty1=0、第2設定値S12=100のときデューティduty1=1となる。第2設定値S12は0から100の値を取り得ることからデューティduty1の分解能Rd1はRd1=100となる。
そこで、第1抵抗14−1と第2抵抗14−2の抵抗値R1,R2を、
R1=1kΩ
R2=99kΩ
とすることで、(R2/R1=Rd1−1)の関係を満たすことができる。
また、第2デジタルPWM回路12−2から出力される矩形波信号のデューティduty2は、
duty2=S22/(S21+1)
であるので、デューティduty2は第2設定値S22=0のときduty2=0となり、第2設定値S22=100のときデューティduty2=1となる。これにより式(16)は以下の式に変形できる。
Vref=(5・S12/100 )+(1/100)(5・S22/100)
(17)
第1デジタルPWM回路12−1の第1設定値S12=0のとき(周期Tpwm=1で出力を0Vに固定)、第2デジタルPWM回路12−2の第2設定値S22を0から100の範囲で変化させると、式(17)の右辺第2項から、基準電圧Vrefは、0から50mVの範囲で変化させることができる。ここで、第2設定値S22は整数であるので、S22=1とすると、基準電圧Vrefは式(17)の右辺第2項から、
(1/100)・5・(1/100)=0.5mV
単位で値を設定できる。
一方、第1設定値S12=0とし、第2設定値S22=100としたときの基準電圧Vref=50mVは、第1設定値S12=1とし、第2設定値S22=0としても作ることができる。第1デジタルPWM回路12−1の第1設定値S12=1 のとき、第2デジタルPWM回路12−2の第2設定値S22を0から100の範囲で変化させると、基準電圧Vrefは、50mVから100mVの範囲で、先と同様に、0.5mV単位で値を設定できる。
以上のように、本実施形態にあっては、第1デジタルPWM回路12−1の第1設定値S12の設定値によって基準電圧Vrefを50mV単位で変化させることが可能であり(粗調整)、同時に第2デジタルPWM回路12−2の第2設定値S22によって基準電圧Vrefを0.5mV単位で変化させる(微調整)ことが可能であることが分かる。
従って、第1デジタルPWM回路12−1の第1設定値S12と第2デジタルPWM回路12−2の第2設定値S22を調整することで、基準電圧Vrefは0〜5Vの範囲で0.5mV単位で設定できることになる。このとき、基準電圧Vrefの分解能は、第1デジタルPWM回路12−1のデューティ分解能Rd1=100と第2デジタルPWM回路12−2のデューティ分解能Rd2=100を掛け合わせた分解能
Rd1×Rd2=100×100=10000
となる。
(第2実施形態のメリット)
本実施形態は、図1及び図2に示した基準電圧発生回路10において、第1デジタルPWM回路12−1および第2デジタルPWM回路12−2のHレベル出力電圧を共にVHとし、Lレベル出力電圧を0とし、第1抵抗14−1と第2抵抗14−2の抵抗値R1,R2の比(R2/R1)を第1デジタルPWM回路12−1のデューティ分解能Rd1から1を引いた値(Rd1−1)、即ち第1デジタルPWM回路12−1の第1設定値S11に設定することで、基準電圧Vrefを、0〜VHの範囲で、第1デジタルPWM回路12−1と第2デジタルPWM回路12−2のデューティ分解能を乗算した値で除算した
VH/(Rd1×Rd2
の単位で調整することが可能となるため、基準電圧Vrefを高精度に制御することが可能となる。
第1実施形態と比較すると、第1デジタルPWM回路12−1の分解能に対して第1抵抗14−1と第2抵抗14−2の抵抗値R1,R2の比(R2/R1)を設定したことで、基準電圧Vrefを変化させる際の調整を均等な変化幅で調整できることが第2実施形態の利点となる。
また、第1実施形態と同様に、第1及び第2デジタルPWM回路12−1,12−2に高速クロックで動作する高価なデジタルPWMを用いることなく、周期を短く設定して用いることが可能となる。例えば、従来の図8のデジタルPWM回路102と比較すると、次のようになる。
まず、図8の従来例では、第1比較回路106の第1設定値S1をS1=3999としていたので分解能RdはRd=S1+1=4000となり、クロック周期Tck=100nSの場合のデジタルPWM回路102の周期はTpwm=400μSとなる。
これに対し本実施形態では、例えば第1デジタルPWM回路12−1における第1比較回路22−1の第1設定値S11=99とし、第2デジタルPWM回路12−2における第1比較回路22−2の第1設定値S21=99と、
(S11+1)×(S21+1)=(99+1)×(99+1)=10000
により分解能は10000となり、クロック周期Tck=100nSの場合、第1及び第2デジタルPWM回路12−1,12−2からの矩形波信号の周期はTpwm=10μSとなる。
従って、従来に比べ本実施形態は、デューティ分解能が4000から10000と2.5倍になっているにも関わらず、周期は400μSから10μSと短くなっており、40倍速い周波数で動作させていることが分かる。このため、第1及び第2デジタルPWM回路12−1,12−2の出力に接続する第1及び第2抵抗14−1,14−2とコンデンサ16の時定数を小さくしても、基準電圧Vrefのリップル電圧を小さくすることができることになり、高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さの全てを低コストで両立できる。
(第2実施形態の変形1)
第2実施形態の基準電圧発生回路では、第1抵抗14−1の抵抗値R1と第2抵抗14−2の抵抗値R2の比を第1デジタルPWM回路12−1のデューティ分解能(Rd1−1)に設定したが、実際の回路においては、以下の式(18)のように、第1抵抗14−1の抵抗値R1と第2抵抗14−2の抵抗値R2の比を第1デジタルPWM回路12−1のデューティ分解能Rd1とほぼ近い値としても、上記の効果が得られる。
R2/R1 ≒ Rd1 (18)
(第2実施形態の変形2)
第2実施形態の基準電圧発生回路では、2回路のデジタルPWM回路を、それぞれ抵抗を介してコンデンサに接続した回路としているが、図4に示したと同様に、3回路以上のデジタルPWM回路12−1〜12−nのそれぞれの出力に、抵抗14−1〜14−nの一端を接続し、抵抗14−1〜14−nの他端のすべてをコンデンサ16と接続し、コンデンサ16から電圧Vrefを得る構成とすることができる。
この場合、図4に示したと同様に、複数のデジタルPWM回路12−1〜12−n及び抵抗14−1〜14−nを、相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループG1〜Gn−1に分け、i番目とi+1番目を含む任意のグループGiのデジタルPWM回路を、グループ内での並び順に第1デジタルPWM回路12−iと第2デジタルPWM回路12−(i+1)とした場合、第1デジタルPWM回路12−iの分解能をRdiとすると、第1抵抗14−iの抵抗値Riと第2抵抗14−(i+1)の抵抗値Ri+1を以下の式の形にすれば良い。
i+1/Ri = Rdi−1 (19)
これにより本実施形態の基準電圧発生回路10で発生する基準電圧Vrefは次のようになる。本実施形態の基準電圧発生回路10に設けた抵抗14−1〜14−nの抵抗値R1〜Rnの関係を
R2/R1=Rd1−1
R3/R2=Rd2−1
・・・
Rn/Rn−1=Rdn-1−1
とすると、式(16)の関係から、本実施形態の基準電圧発生回路10による基準電圧Vrefは以下の式で表すことができる。
Vref=(VH・duty1) + (1/Rd1)(VH・duty2)+
・・・・+(1/Rdn-1)(VH・dutyn
(20)
従って、第2実施形態の変形例においても、第2実施形態と同様に、高分解能の出力電圧設定、出力電圧のリップル電圧の低減、設定電圧変更時間の短さの全てを低コストで両立できる。
また、この場合でも、第1抵抗14−iの抵抗値Riと第2抵抗14−(i+1)の抵抗値Ri+1の比を、以下の式のように、第1デジタルPWM回路12−iのデューティ分解能Rdiとほぼ近い値としても、上記と同様の効果が得られる。
i+1/Ri ≒ Rdi (21)
[スイッチング電源装置]
(スイッチング電源装置の第1実施形態)
図5は本発明による基準電圧発生回路を設けたスイッチング電源装置の第1実施形態を示した回路ブロック図である。
図5に示すように、本実施形態のスイッチング電源装置30は、電力変換部34、スイッチング素子駆動回路38、フィードバック制御回路36及び基準電圧発生回路10を備える。
電力変換部34は、入力電源28が供給する入力電圧Vinを断続電圧に変換するためのスイッチング素子、および、スイッチング素子が生成した断続電圧を整流平滑して直流出力電圧Voを生成する整流平滑回路を内部に備えている。
スイッチング素子駆動回路38は、フィードバック制御信号FBAを受けて、スイッチング素子の駆動信号を生成する回路であり、スイッチング素子のデューティを制御する。即ち、スイッチング素子駆動回路38は、三角波発振器48とPWMコンパレータ46で構成されており、三角波電圧Vtriがフィードバック信号FBAよりも低いとき、スイッチング素子をオンし、三角波電圧Vtriがフィードバック信号FBAよりも高いとき、スイッチング素子をオフする制御を行う。これにより、フィードバック信号FBAが上昇するとスイッチング素子のデューティを広くし、フィードバック信号FBAが低下するとスイッチング素子のデューティを狭くする制御を行う。
フィードバック制御回路36は、誤差アンプ44により出力電圧Voと基準電圧Vrefを比較し、出力電圧Voが基準電圧Vrefで決定される所定の値にフィードバック信号FBAを調整する。
即ち、誤差アンプ44は、出力電圧Voが基準電圧Vrefよりも高いとフィードバック信号FBAを低下させ、出力電圧Voが基準電圧Vrefよりも低いとフィードバック信号FBAを上昇させる。これにより、出力電圧Voが基準電圧Vrefで決定される所定の値になるように制御される。
基準電圧発生回路10は、図1〜図4に示した第1実施形態、第1実施形態の変形、第2実施形態または第2実施形態の変形に示した回路であり、デジタルプロセッサ等で基準電圧発生回路10に設けている複数のデジタルPWM回路の周期、デューティ分解能、及びデューティを制御することで、基準電圧Vrefを高精度かつ高速応答に制御し、この結果、スイッチング電源装置の出力電圧を高精度且つ高速応答に制御し、出力電圧リップルが小さいスイッチング電源装置を低コストで作ることができる。
(スイッチング電源装置の第2実施形態)
図6は本発明による基準電圧発生回路を設けたスイッチング電源装置の第2実施形態を示した回路ブロック図である。
図5の第1実施形態では、フィードバック制御回路36に、基準電圧発生回路10の出力を接続していたが、本実施形態では、フィードバック制御回路36に設けた誤差アンプ44の非反転入力に所定の基準電圧Vref1を固定的に発生する基準電圧源45を接続し、誤差アンプ44の反転入力に、出力電圧Voを抵抗40,42で分圧した出力電圧情報Vo1を入力しており、この出力電圧情報Vo1が入力される箇所に基準電圧発生回路10の出力を抵抗50を介して接続して基準電圧Vrefを加算している。それ以外の構成は図5の第1実施形態と同じになる。
図6のスイッチング電源装置30にあっては、基準電圧発生回路10からの基準電圧Vrefを大きくすると、フィードバック制御回路36に設けた誤差アンプ44からのフィードバック制御信号FBAを低下させ、スイッチング素子のデューティを狭くして出力電圧Voを下げることかできる。また、基準電圧発生回路10からの基準電圧Vrefを小さくすると、フィードバック制御回路36に設けた誤差アンプ44からのフィードバック制御信号FBAを上昇させ、スイッチング素子のデューティを広くして出力電圧Voを上げることかできる。
本実施形態の基準電圧発生回路10は、図5のスイッチング電源装置の第1実施形態と同様に、図1〜図4に示した第1実施形態、第1実施形態の変形、第2実施形態または第2実施形態の変形に示した回路であり、デジタルプロセッサ等で基準電圧発生回路10に設けている複数のデジタルPWM回路の周期、デューティ分解能、及びデューティを制御することで、基準電圧を高精度かつ高速応答に制御し、この結果、スイッチング電源装置の出力電圧を高精度かつ高速応答に制御でき、出力電圧リップルが小さいスイッチング電源装置を低コストで作ることができる。
(スイッチング電源装置の第3実施形態)
図7は本発明による基準電圧発生回路を設けたスイッチング電源装置の第3実施形態を示した回路ブロック図である。
図5及び図6では、フィードバック制御回路36を持つスイッチング電源装置に本発明による基準電圧発生回路10を適用していたが、図7の本実施形態に示すように、フィードバック制御回路を持たないスイッチング電源装置に適用しても良い。
図7の第3実施形態によるスイッチング電源装置30では、基準電圧発生回路10の出力をスイッチング素子駆動回路38のPWMコンパレータ46に入力することで、電力変換部34に設けたスイッチング素子のデューティを直接制御し、スイッチング素子のデューティで決定される出力電圧に変換する。
本実施形態の基準電圧発生回路10は、図5及び図6の第1及び第2実施形態と同様に、図1〜図4に示した第1実施形態、第1実施形態の変形、第2実施形態または第2実施形態の変形に示した回路であり、デジタルプロセッサ等で基準電圧発生回路10に設けている複数のデジタルPWM回路の周期、デューティ分解能、及びデューティを制御することで、基準電圧を高精度かつ高速応答に制御し、この結果、スイッチング電源装置の出力電圧を高精度かつ高速応答に制御し、出力電圧リップルが小さいスイッチング電源装置を低コストで作ることができる。
[本発明の変形例]
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:基準電圧発生回路
12−1:第1デジタルPWM回路
12−2:第2デジタルPWM回路
14−1:第1抵抗
14−1:第2抵抗
15−1,15−2:クロック発振回路
16:コンデンサ
20−1,20−2:カウンタ回路
22−1,22−2:第1比較回路
24−1,24−2:第2比較回路
26−1,26−2:RS−フリップフロップ回路
28:入力電源
30:スイッチング電源装置
32:負荷
34:電力変換部
36:フィードバック制御回路
38:スイッチング素子駆動回路
44:誤差アンプ
45:基準電圧源
46:PWMコンパレータ
48:三角波発振器

Claims (8)

  1. 周期とデューティを外部から設定可能な矩形波信号を出力する複数のパルス幅変調回路と、
    前記複数のパルス幅変調回路の出力の各々に一端を接続した複数の抵抗と、
    前記複数の抵抗の他端を共通接続したコンデンサと、
    を備え、
    前記複数の抵抗とコンデンサの接続点に発生する電圧を基準電圧として取り出す構成を備えたことを特徴とする基準電圧発生回路。
  2. 請求項1記載の基準電圧発生回路に於いて、
    前記複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、前記第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)に対し前記第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)が十分に大きな値に設定されたことを特徴とする基準電圧発生回路。
  3. 請求項1記載の基準電圧発生回路に於いて、
    前記複数のパルス幅変調回路は所定のデューティ分解能を有し、
    前記複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2回路ずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、前記第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)と前記第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)の比(Ri+1/Ri)が前記第1パルス幅変調回路のデューティ分解能とほぼ等しくなるように、前記第1抵抗及び第2抵抗の抵抗値が設定されたことを特徴とする基準電圧発生回路。
  4. 請求項1記載の基準電圧発生回路に於いて、
    前記パルス幅変調回路は、カウンタ回路、第1比較回路、第2比較回路及び出力反転回路を備え、
    前記カウンタ回路は、外部から供給されたクロック信号を計数してカウント値を出力すると共に前記第1比較回路から出力されたリセット信号によりリセットされ、
    前記第1比較回路は、前記カウンタ回路のカウント値を外部から設定された所定の第1設定値と比較し、前記カウント値が前記第1設定値に一致した場合に前記リセット信号を出力し、
    前記第2比較回路は、前記カウンタ回路のカウント値を外部から設定された第2設定値と比較し、前記カウント値が前記第2設定値に一致した場合に出力反転信号を出力し、
    前記出力反転回路は、前記リセット信号が得られたときに出力を正転し、前記出力反転信号が得られた場合に出力を反転して矩形波信号を出力することを特徴とする基準電圧発生回路。
  5. 電力変換部、スイッチング素子駆動回路及び基準電圧発生回路を備え、
    前記電力変換部はスイッチング素子のオンオフによって入力電源が供給する入力電圧を断続電圧に変換すると共に当該断続電圧を整流平滑して直流電圧を生成し、
    スイッチング素子駆動回路は、前記基準電圧発生回路からの基準電圧に対応して前記スイッチング素子のオンデューティを制御するスイッチング電源装置に於いて、
    前記基準電圧発生回路は、
    周期とデューティを外部から設定できる矩形波の電圧パルスを出力する複数のパルス幅変調回路と、
    前記複数のパルス幅変調回路の出力の各々に一端を接続した複数の抵抗と、
    前記複数の抵抗の他端を共通接続したコンデンサと、
    を備え、
    前記複数の抵抗とコンデンサの接続点で発生する電圧を基準電圧として取り出す構成を備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  6. 請求項5記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2つずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、前記第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)に対し前記第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)が十分に大きな値に設定されたことを特徴とする基準電圧発生回路。
  7. 請求項5記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記複数のパルス幅変調回路は所定のデューティ分解能を有し、
    前記複数のパルス幅変調回路を相互に重なるように並び順に2つずつのグループに分け、各グループ内で並び順に第1パルス幅変調回路と第2パルス幅変調回路とした場合、前記第1パルス幅変調回路に接続した第1抵抗の抵抗値(Ri)と前記第2パルス幅変調回路に接続した第2抵抗の抵抗値(Ri+1)の抵抗値の比(Ri+1/Ri)が前記第1パルス幅変調回路のデューティ分解能とほぼ等しくなるように、前記第1抵抗及び第2抵抗の抵抗値が設定されたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  8. 請求項5記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記パルス幅変調回路は、カウンタ回路、第1比較回路、第2比較回路及び出力反転回路を備え、
    前記カウンタ回路は、外部から供給されたクロック信号を計数してカウント値を出力すると共に前記第1比較回路から出力されたリセット信号によりリセットされ、
    前記第1比較回路は、前記カウンタ回路のカウント値を外部から設定された所定の第1設定値と比較し、前記カウント値が前記第1設定値に一致した場合に前記リセット信号を出力し、
    前記第2比較回路は、前記カウンタ回路のカウント値を前記第1設定値以下の外部から設定された第2設定値と比較し、前記カウント値が前記第2設定値に一致した場合に出力反転信号を出力し、
    前記出力反転回路は、前記リセット信号が得られたときに前記リセット信号が得られたときに出力を正転し、前記出力反転信号が得られた場合に出力を反転して矩形波信号を出力することを特徴とするスイッチング電源装置。
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