JP2017084601A - リチウム空気二次電池空気極の製造方法 - Google Patents

リチウム空気二次電池空気極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム空気二次電池において、充放電を繰り返しても放電容量の低下が抑制でき、コストが低減できる。【解決手段】カーボンとカルボキシル基を有する有機酸と触媒を構成する金属の金属塩とを混合した混合体を作製する。例えば、ギ酸またはシュウ酸などの有機酸液に、カーボンの粉末を加えて80℃に加熱して攪拌し、カーボン粉末を有機酸液に分散させる。ここに、金属塩を添加することで上記混合体を作製する。次に、混合体を加熱することで触媒が担持した触媒担持カーボンを作製する。【選択図】 図1

Description

本発明は、正極活性物質として酸素を用いるリチウム空気二次電池の空気極を製造するリチウム空気二次電池空気極の製造方法に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。このため、電池の単位重量当たりの放電容量の値を非常に大きくできることが報告されている。
これまでに、非特許文献1に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に種々の触媒を添加することにより、放電容量やサイクル特性などの電池性能を改善する試みがなされている。このような触媒として、貴金属が検討されている。例えば、非特許文献1では、空気極に用いる触媒として、白金(Pt)−パラジウム(Pd)、Pt−Ru(Ru)などの白金系合金が検討されている。電池特性としては、空気極重量当たりで700mAh/gの比較的大きな放電容量が得られている。
B. K. Ko et al., "Synthesis and electrocatalytic properties of various metals supportedon carbon for lithium-air battery", Journal of Molecular Catalysis A: Chemical, vol.379, pp.9-14, 2013.
しかしながら、上述したリチウム空気二次電池では、充放電を繰り返すと、充電電圧が上昇し、例えば、触媒としてPt−Ru(元素比1:1)を用いた場合、42サイクルで充放電できなくなった。このように、上述した従来の技術では、二次電池としての十分な特性が得られないという問題があった。また、従来の技術では、貴金属を用いた触媒の担持量が多く、高コストであるという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、リチウム空気二次電池において、充放電を繰り返しても放電容量の低下が抑制でき、コストが低減できるようにすることを目的とする。
本発明に係るリチウム空気二次電池空気極の製造方法は、カーボンおよびカーボンに担持された触媒を備える空気極と、リチウムを含んで構成された負極と、空気極と負極とに挾まれて配置された電解質とを備えるリチウム空気二次電池の空気極を製造するリチウム空気二次電池空気極の製造方法であって、カーボンとカルボキシル基を有する有機酸と触媒を構成する金属の金属塩とを混合した混合体を作製する第1工程と、混合体を加熱することで触媒が担持した触媒担持カーボンを作製する第2工程と、触媒担持カーボンを担体に担持させて空気極を成形する第3工程とを備える。
上記リチウム空気二次電池空気極の製造方法において、第2工程では、乾固した混合体を加熱することで金属からなる触媒が担持した触媒担持カーボンを作製すればよい。
上記リチウム空気二次電池空気極の製造方法において、第2工程では、乾固した混合体を加熱することで金属が担持した金属担持カーボンを作製し、作製した金属担持カーボンの金属を酸化することで金属酸化物からなる触媒が担持した触媒担持カーボンを作製するようにしてもよい。
上記リチウム空気二次電池空気極の製造方法において、有機酸は、ギ酸またはシュウ酸であればよい。また、金属は、白金およびルテニウムの少なくとも1つから構成すればよい。
以上説明したように、本発明によれば、カーボンとカルボキシル基を有する有機酸と触媒を構成する金属の金属塩とを混合するようにしたので、リチウム空気二次電池において、充放電を繰り返しても放電容量の低下が抑制でき、コストが低減できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池空気極の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図2は、リチウム空気二次電池の構成を示す構成図である。 図3は、リチウム空気二次電池のより詳細な構成例を示す断面図である。 図4は、実施例1における各サンプルの初回の放電および充電曲線を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池空気極の製造方法を説明するためのフローチャートである。
この製造方法は、カーボンおよびカーボンに担持された触媒を備える空気極と、リチウムを含んで構成された負極と、空気極と負極とに挾まれて配置された電解質とを備えるリチウム空気二次電池の空気極を製造するリチウム空気二次電池空気極の製造方法である。
まず、第1工程S101で、カーボンとカルボキシル基を有する有機酸と触媒を構成する金属の金属塩とを混合した混合体を作製する。例えば、ギ酸またはシュウ酸などの有機酸液に、カーボンの粉末(粉体)を加えて80℃に加熱して攪拌し、カーボン粉末を有機酸液に分散させる。ここに、金属塩を添加することで上記混合体を作製する。金属塩は、白金(Pt)やルテニウム(Ru)などの白金族の塩であればよい。例えば、上記分散液に超音波を印加している状態で、所定量を秤量したH2PtCl6・6H2OとRuCl3を少量ずつ滴下していけばよい。
次に、第2工程S102で、混合体を加熱することで触媒が担持した触媒担持カーボンを作製する。例えば、上述したように分散液に金属塩を滴下し、この後、室温(25℃程度)にて一晩攪拌した混合体を、50℃に加熱して蒸発乾固させる。次に、蒸発乾固させた粉末を、Ar雰囲気で熱処理(焼成)して焼結体を形成させることで、触媒担持カーボンを作製すればよい。この場合、金属塩から得られる金属が触媒として担持した状態となる。
次に、第3工程S103で、触媒担持カーボンを担体(支持体)に担持させて空気極を成形する。例えば、触媒担持カーボンの粉末を、必要に応じてポリフッ化ビニリデン(PVdF)のようなバインダー粉末を混合し、この混合物をチタンメッシュなどの支持体上に圧着(冷間プレス)することで、空気極とすればよい。また、空気極の強度を高め、電解液の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極を作製することができる。また、触媒担持カーボンの粉末をバインダー粉末に混合し、これを有機溶剤に分散してスラリー状にし、このスラリーを金属メッシュまたはカーボンクロスやカーボンシートなどの支持体上に塗布して乾燥することで、空気極としてもよい。
また、第2工程において、焼成により金属塩から得られる金属が担持したカーボン(金属担持カーボン)を作製した後、作製した金属担持カーボンの金属を酸化することで、金属酸化物やこの水和物からなる触媒が担持した触媒担持カーボンを作製するようにしてもよい。
上述した実施の形態によれば、触媒をカーボンに高分散担持させることができるようになり、充放電を繰り返しても放電容量の低下が抑制できるようになる。また、用いる触媒の量を増加させることが無く低減できるので、コストが低減できるようになる。
従来知られている放電容量の低下は、カーボンと金属塩との混合体を焼成して金属を担持させる過程で、酸化反応によりカーボンの一部が消失(酸化消失)することが原因と考えられている。このようにカーボンが消失すれば、混合体におけるカーボンの比率が減少し、触媒がより多い状態となるために触媒が凝集する。また、触媒が凝集するようになるため、触媒の無い箇所が形成され、この触媒の無い箇所において、充放電時に炭酸リチウムなどの副生成物が析出する。これらの結果、放電容量の低下が発生する。また、触媒の凝集、凝集による触媒の無い箇所の形成による電池性能の低下を補うために、従来ではより多くの触媒を必要としていた。
これに対し、実施の形態によれば、カーボンと金属塩との混合体に上記有機酸を加えた状態で焼成するようにしたので、有機酸が還元剤として作用し、カーボンの酸化消失を防止できるようになる。この結果、触媒の凝集が防止でき、上述した問題が解消できるようになる。
なお、リチウム空気二次電池は、図2に示すように、正極でありガス拡散型の空気極101と、リチウムを含んで構成された負極102と、空気極101と負極102とに挾まれて配置された電解質103とを備える。空気極101の一方の面は大気に曝され、他方の面は電解質103と接する。また、負極102の電解質103の側の面は、電解質103と接する。なお、電解質103は、電解液または固体電解質のいずれであってもよい。電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。また、固体電解質とは、電解質がゲル形態または固体形態である場合をいう。
空気極101に、前述したように触媒を添加することによって、電池性能は大きく向上する。空気極101中に電解質103の電解液が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、上述したような電解液−電極−ガス(酸素)の三相界面が形成される。この三相界面サイトにおいて、触媒が高活性であれば、電極表面における酸素還元(放電)および酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池性能は大きく向上することになる。
空気極101上での電極反応は次のように表すことができる。
2Li++(1/2)O2+2e- → Li2O・・・(1)
2Li++O2+2e- → Li22・・・(2)
上式中のリチウムイオン(Li+)は、負極102から電気化学的酸化により電解質103中に溶解し、この有機電解液中を空気極101表面まで移動してきたものである。また、酸素(O2)は、大気(空気)中から空気極101内部に取り込まれたものである。なお、負極102から溶解する材料(Li+)、空気極101で析出する材料(Li22)、および空気(O2)を図2の構成要素と共に示している。
次に、負極102は、負極活性物質から構成する。この負極活性物質は、リチウム空気二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。あるいは、リチウムイオンを吸蔵および放出することができる物質である、リチウムと、シリコンまたは錫との合金、あるいはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
なお、シリコンまたは錫の合金を負極102として用いる場合、負極102を作成する時にリチウムを含まないシリコンまたは錫などを用いることもできる。しかし、この場合には、リチウム空気二次電池の作製に先立って、化学的手法または電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコンまたは錫との合金化を行う方法)によって、シリコンまたは錫が、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。
具体的には、作用極にシリコンまたは錫を含み、対極にリチウムを用い、有機電解質中で還元電流を流すことによって合金化を行うなどの電気化学的な処理をしておくことが好ましい。
負極102は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極102とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極102を作製すればよい。
金属リチウムから構成した負極102における放電時の反応は、以下のように表すことができる。
Li→Li++e-…(3)
一方、充電時の負極102においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
次に、電解質103について説明する。電解質103は、空気極101(正極)および負極102間でリチウムイオンの移動が可能な物質であればよい。例えば、リチウムイオンを含む金属塩を溶解した有機電解液(非水溶媒)を電解質103とすればよい。具体的には、リチウムイオンを含む金属塩としては、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSI)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)などのリチウムイオンを含む金属塩を挙げることができる。
また、非水溶媒としては、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、またはジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド系溶媒、あるいはこれらの中から2種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。
また、電解質103を構成する他の材料として、リチウムイオンを通す固体電解質(例えば、Li2SやP25を含む硫化物系固体電解質など)、リチウムイオンを通すポリマー電解質(例えば、ポリエチレンオキシド系、具体的には、例えば、上記有機電解液とポリエチレンオキシドをコンポジット化した物質など)等を挙げることができる。ただし、電解質103を構成する材料は、これらに限定されず、リチウム空気二次電池で使用される公知のリチウムイオンを通す固体電解質またはリチウムイオンを通すポリマー電解質であれば好適に使用することができる。
なお、リチウム空気二次電池は、上記構成に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、また、リチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
以下、より詳細に説明する。本発明のリチウム空気二次電池は、空気極製造方法により得られる空気極と負極と電解質とを、所望のリチウム空気二次電池の構造に基づいた他の必要な要素と共に、ケースなどの適切な容器内に適切に配置することで作製することができる。これらのリチウム空気二次電池の製造手順は、従来知られている方法を適用することができる。
まず、より詳細な電池の構成について図3を用いて説明する。図3は、リチウム空気二次電池のより詳細な構成例を示す断面図である。このリチウム空気二次電池は、空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204,空気極支持体205、空気極固定用リング206,負極固定用リング207,負極固定用座金208,負極支持体209,固定ねじ210,Oリング211,空気極端子221,負極端子222を備える。
空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204は、円筒形状の空気極支持体205に収容されている。空気極支持体205は、円筒内中央部に仕切り251があり、仕切り251により空気極201が配置される第1領域205aと、負極202およびセパレータ204が配置される第2領域205bとに区画されている。また、仕切り251は中央部が開口しており、開口部により第1領域205aと第2領域205bが連通している。
液状の電解質203は、仕切り251の開口に配置され、空気極201および塩橋となるセパレータ204に挟まれている。セパレータ204には電解質203が含浸している。なお、セパレータ204の周囲にも電解質203は配置されている。電解質203は、1mol/Lのリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド/炭酸プロピレン[(CF3SO22NLi/PC]溶液である。
また、空気極201は、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)より構成された空気極固定用リング206と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第1領域205aに固定されている。空気極固定用リング206の開口内において、空気極101と空気との接触する電極の有効面積は、2cm2とされている。一方、セパレータ204は、PTFEより構成された負極固定用リング207と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第2領域205bに固定されている。このようにして、液状の電解質203が、仕切り251の開口において空気極201とセパレータ204との間に封入されている。
また、負極202は、負極固定用リング207の内部で、負極固定用座金208が積層され、この上に金属から構成された負極支持体209が被せられている。負極202は、厚さ300μmの4枚の金属リチウム箔が同心円上に重ねられて構成され、負極固定用座金208に圧着されている。負極202は、有効面積が2cm2とされている。負極支持体209は、固定ねじ210により空気極支持体205に固定されている。また、空気極支持体205と負極支持体209との間には、Oリング211が配置されている。
固定ねじ210により空気極支持体205の側に押しつけられている負極支持体209により、負極固定用座金208を介し、負極202がセパレータ204の方向に押圧され、セパレータ204に圧接されている。これら構成としたリチウム空気二次電池は、露点が−60℃以下の乾燥空気中で作製した。
なお、空気極支持体205は、金属から構成されているが、図示していないが、PTFEに被覆され、電解質203,セパレータ204などと絶縁分離されている。なお、空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さない。また、金属から構成された固定ねじ210も、図示していないが、PTFEに被覆され、空気極支持体205と負極支持体209とが、電気的に分離された状態としている。
[実施例1]
以下、実施例を用いて説明する。はじめに、実施例1について説明する。実施例1では、有機酸液としてギ酸を用いた。
まず、空気極の製造について説明する。まず、カーボン(KetjenBlack EC600JD;KB、ライオン社製)粉末を用意する。用意したカーボン粉末をギ酸に加え、80℃に加熱し、ギ酸にカーボンを混合させる。このカーボンとギ酸との混合液に超音波をかけながら、秤量したH2PtCl6・6H2OとRuCl3を少量ずつ滴下する。室温にて500rpmの攪拌で24時間攪拌させる。この後、50℃で蒸発乾固させる。触媒として用いるPt−Ru合金のPtとRuの割合は、出発物質であるH2PtCl6・6H2OとRuCl3の添加量で決定(制御)することができる。
蒸発乾固させることで得られた混合体の粉末を、Ar雰囲気において、300℃で12時間焼成することで、高分散で触媒が担持したカーボンが得られる。ここでは、Pt,Ru,またはPt−Ru合金から触媒を構成している。上述したように、H2PtCl6・6H2OやRuCl3の量により、Ptのみから触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル1)、Pt70Ru30合金より触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル2)、Pt40Ru60合金より触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル3)、Pt25Ru75合金より触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル4)、Pt10Ru90合金より触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル5)、Ruより触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル6)を作製した。なお、カーボンと触媒の比率が、重量比8:1となるように調整した。
以上のようにすることで作製した触媒担持カーボンの各サンプルについて、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)粉末に分散させてスラリーを作製した。PVdF粉末を、カーボンと触媒のコンポジット粉末に対して重量比で10%(10wt%)になるように、N−メチル−2ピロリドン(NMP)溶媒中で分散させスラリーにした。この条件では、触媒の担持量は、空気極総重量に対して10wt%となる。このようにして得たスラリーをチタンメッシュ上に塗布し、乾燥させ、このメッシュ状電極を直径16mmの円形に切り抜くことにより、空気極とした。
次に、各サンプルについて作製した空気極を、図3を用いて説明したリチウム空気二次電池の空気極201とし、各サンプルについてリチウム空気二次電池を組み立てた。まず、作製した空気極201を、空気極支持体205の第1領域205aにおいて、仕切り251に接する状態に配置して空気極固定用リング206で固定した。
次に、空気極支持体205の第2領域205bにおいて、仕切り251に接する状態にセパレータ204を配置した。次に、負極固定用リング207に負極202として厚さ300μmの金属リチウム箔(有効面積:2cm2)を同心円上に重ねて圧着した。次に、負極固定用リング207を、空気極支持体205の第2領域205bに配置し、この中央部に、負極202が圧着された負極固定用リング207を勘合した。
次に、空気極201と負極202との間に電解質203を構成する有機電解液を充填し、この状態で、空気極支持体205の底面にOリング211を配置して負極支持体209を被せ、固定ねじ210で空気極支持体205に固定した。有機電解液としては、1mol/リットルのリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド/テトラエチレングリコールジメチルエーテル(LiTFSA/TEGDME)溶液を用いた。この後、空気極端子221を空気極支持体205に設置し、負極端子222を負極支持体209に設置した。
次に、実際に作製したリチウム空気二次電池の電池性能を測定した実施例1の結果について説明する。なお、空気極端子221および負極端子222を、電池性能の測定試験に用いた。電池のサイクル試験は、充放電測定システム(Bio Logic社製)を用い、空気極の有効面積当たりの電流密度で0.1mA/cm2を通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。また、電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が4.2Vに増加するまで行った。電池の放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+触媒+PVdF)1重量当たりの値(mAh/g)で表した。
各サンプルの測定結果として、初回の放電および充電曲線を図4に示す。また、平均放電電圧と放電容量、充電容量を以下の表1に示す。
Figure 2017084601
図4に示すように、初回の充電容量と放電容量がほぼ同様であることから、可逆性に優れていることが分かる。また、表1に示すように、各サンプルとも、充放電サイクルを100回繰り返しても、比較的高容量の放電容量(mAh/g)が維持されていた。また、これらの結果が、触媒の担持量が、空気極総重量に対して10wt%と少ない量で実現されている。
上述したようなサイクル特性の向上は、カーボンに触媒が高分散担持しており、触媒活性が高く、充放電時に炭酸リチウムなどの副生成物を析出しないためであると考えられる。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。実施例2では、有機酸液としてシュウ酸を用いた。
まず、空気極の製造について説明する。まず、カーボン(KetjenBlack EC600JD;KB、ライオン社製)粉末を用意する。用意したカーボン粉末をシュウ酸に加え、80℃に加熱し、シュウ酸にカーボンを混合させる。このカーボンとシュウ酸との混合液に超音波をかけながら、秤量したH2PtCl6・6H2OとRuCl3を少量ずつ滴下する。室温にて500rpmの攪拌で24時間攪拌させる。この後、50℃で蒸発乾固させる。前述したように、触媒として用いるPt−Ru合金のPtとRuの割合は、出発物質であるH2PtCl6・6H2OとRuCl3の添加量で決定(制御)することができる。
蒸発乾固させることで得られた混合体の粉末を、Ar雰囲気において、300℃で12時間焼成することで、高分散で触媒が担持したカーボンが得られる。ここでは、Pt,Ru,またはPt−Ru合金から触媒を構成している。上述したように、H2PtCl6・6H2OやRuCl3の量により、Ptのみから触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル7)、Pt70Ru30合金より触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル8)、Pt40Ru60合金より触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル9)、Pt25Ru75合金より触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル10)、Pt10Ru90合金より触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル11)、Ruより触媒を構成した触媒担持カーボン(サンプル12)を作製した。なお、カーボンと触媒の比率が、重量比8:1となるように調整した。
以上のようにすることで作製した触媒担持カーボンの各サンプルについて、前述した実施例1と同様に空気極を作製し、また、作製した空気極を用いてリチウム空気二次電池を組み立てた。
次に、実際に作製したリチウム空気二次電池の電池性能を測定した実施例2の結果について説明する。前述した実施例1と同様に、平均放電電圧,放電容量,充電容量を測定した。測定結果を以下の表2に示す。
Figure 2017084601
ギ酸を用いた実施例1と同様に、可逆性およびサイクル性に優れていることが分かる。また、これらの結果が、触媒の担持量が、空気極総重量に対して10wt%と少ない量で実現されている。
[比較例]
次に、比較例について説明する。比較例では、カーボン(KetjenBlack EC600JD;KB、ライオン社製)粉末を用い、これを純水に加え、超音波を1時間かけた、ここに、H2PtCl6・6H2OとRuCl3を少量ずつ滴下する。次に、液温を80℃に加熱し、水酸化ナトリウムを加えてpHを8に調整する。ここに、0.5mol/リットルのNaBH4を懸濁剤として加え、2時間攪拌する。室温に戻した後、12時間攪拌を継続した後、ろ過し、また、純水で洗浄して粉末を得る。この粉末を80℃に保持して一晩乾燥させ、比較例の触媒担持カーボンを得る。
以上のようにすることで作製した比較例の触媒担持カーボンについて、前述した実施例1,2と同様に空気極を作製し、また、作製した空気極を用い、比較例のリチウム空気二次電池を組み立てた。
次に、実際に作製したリチウム空気二次電池の電池性能を測定した比較例の結果について説明する。前述した実施例1,実施例2と同様に、平均放電電圧,放電容量,充電容量を測定した。測定結果を以下の表3に示す。表3には、サンプル5の結果も同時に示す。
Figure 2017084601
表3に示されるように、比較例では、初回放電容量は653mAh/gであったが、10サイクル行うことで容量が低下し、301mAh/gとなった。これは、比較例の場合には、触媒担持プロセスの際にカーボンの一部が酸化消失したために、触媒が凝集しており、触媒が無い箇所で充放電時に炭酸リチウムなどの副生成物が析出したためと考えられる。
以上の結果より、本発明の製造方法により製造したリチウム空気二次電池は、従来よりも、サイクル特性に優れており、また、この結果が、触媒の少ない担持量で実現されおり、コスト低減の観点からも、リチウム空気二次電池用の空気極の製造方法として極めて有効であることが確認された。
以上に説明したように、本発明によれば、カーボンとカルボキシル基を有する有機酸と触媒を構成する金属の金属塩とを混合するようにしたので、リチウム空気二次電池において、充放電を繰り返しても放電容量の低下が抑制でき、コストが低減できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…空気極、102…負極、103…電解質。

Claims (5)

  1. カーボンおよびカーボンに担持された触媒を備える空気極と、リチウムを含んで構成された負極と、前記空気極と前記負極とに挾まれて配置された電解質とを備えるリチウム空気二次電池の空気極を製造するリチウム空気二次電池空気極の製造方法であって、
    カーボンとカルボキシル基を有する有機酸と前記触媒を構成する金属の金属塩とを混合した混合体を作製する第1工程と、
    前記混合体を加熱することで前記触媒が担持した触媒担持カーボンを作製する第2工程と、
    前記触媒担持カーボンを担体に担持させて空気極を成形する第3工程と
    を備えることを特徴とするリチウム空気二次電池空気極の製造方法。
  2. 請求項1記載のリチウム空気二次電池空気極の製造方法において、
    前記第2工程では、乾固した前記混合体を加熱することで前記金属からなる前記触媒が担持した触媒担持カーボンを作製する
    ことを特徴とするリチウム空気二次電池空気極の製造方法。
  3. 請求項1記載のリチウム空気二次電池空気極の製造方法において、
    前記第2工程では、乾固した前記混合体を加熱することで前記金属が担持した金属担持カーボンを作製し、作製した金属担持カーボンの金属を酸化することで金属酸化物からなる前記触媒が担持した触媒担持カーボンを作製する
    ことを特徴とするリチウム空気二次電池空気極の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム空気二次電池空気極の製造方法において、
    前記有機酸は、ギ酸またはシュウ酸であることを特徴とするリチウム空気二次電池空気極の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム空気二次電池空気極の製造方法において、
    前記金属は、白金およびルテニウムの少なくとも1つから構成することを特徴とするリチウム空気二次電池空気極の製造方法。
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