JP2017079392A - 無線撮影システムおよび撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザの位置に関わらず、様々な角度の映像を撮影し、保存できるようにする。
【解決手段】無線撮影システムは、映像を撮影する撮影装置と、撮影装置から物理的に切り離され、撮影装置が撮影した映像を記録する記録装置とを備える。撮影装置は、レンズユニットにより撮影された映像データを記録装置にストリーム伝送する(S16)。記録装置は、撮影装置から送信された映像データを無線受信し(S23)、受信した映像データを表示する(S25)。記録装置は、映像が表示された状態でユーザからの記録指示が入力されると、その入力タイミングに応じて、受信した映像データからユーザ所望の映像データを保存する(S26,S27)。
【選択図】図5
【解決手段】無線撮影システムは、映像を撮影する撮影装置と、撮影装置から物理的に切り離され、撮影装置が撮影した映像を記録する記録装置とを備える。撮影装置は、レンズユニットにより撮影された映像データを記録装置にストリーム伝送する(S16)。記録装置は、撮影装置から送信された映像データを無線受信し(S23)、受信した映像データを表示する(S25)。記録装置は、映像が表示された状態でユーザからの記録指示が入力されると、その入力タイミングに応じて、受信した映像データからユーザ所望の映像データを保存する(S26,S27)。
【選択図】図5
Description
本発明は、無線撮影システムおよび撮影装置に関する。
一般的なカメラ(ビデオカメラを含む)は、撮影部と記録部とを一体的に備えている。
一方で、特開2013−168839号公報(特許文献1)に示されるように、レンズユニットと本体ユニットとを無線通信可能にした撮像システムが、従来から提案されている。この撮像システムにおいては、本体ユニットの画像表示部にレンズユニットのモニタリング画像を表示し、本体ユニットの操作部を操作することによってレンズユニットに撮像動作を伝達することが開示されている。レンズユニットで撮像された画像は、本体ユニットに転送され、本体ユニットに接続されている記録装置に記録することが開示されている。
また、特開2007−67456号公報(特許文献2)には、通常のカメラが撮影する映像をユーザ端末に配信する映像撮影装置が開示されており、ユーザは、ユーザ端末において表示されたカメラの映像を見ながら、好きなシャッターチャンスで映像を撮影することができることが開示されている。
上述のように、特許文献1には、レンズユニットと本体ユニットとを物理的に切り離して使用できる撮像システムが提案されている。しかしながら、特許文献1のシステムでは、本体ユニットのレリーズスイッチが押下されることによって、レンズユニットが撮影した画像(静止画)が本体ユニットに転送される。また、特許文献2のシステムにおいても、ユーザ端末からの撮影信号を受けて、カメラで撮影された画像が配信される。
このように、ユーザ端末からの撮影信号を受けて、撮影した画像を送信するシステムにおいては、ユーザが操作する装置(本体ユニット)と撮影装置(レンズユニット)とが遠く離れて配置されているような場合に、ユーザが撮影指示を入力したタイミングと撮影装置側で撮影信号を受信したタイミングとがずれるため、撮影装置側で複雑な遅延処理等が必要となる。また、遅延処理等を行ったとしても、ユーザは、希望する画像を取得できるとは限らない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザの位置に関わらず、様々な角度の映像を撮影し、保存することのできる無線撮影システムおよび撮影装置を提供することである。
この発明のある局面に従う無線撮影システムは、映像を撮影する撮影装置と、撮影装置から物理的に切り離され、撮影装置が撮影した映像を記録する記録装置とを備える。撮影装置は、レンズユニットと、レンズユニットにより撮影された映像データを、記録装置にストリーム伝送する無線送信手段とを含む。記録装置は、無線送信手段から送信された映像データを無線受信する無線受信手段と、無線受信手段が受信した映像データを表示する表示手段と、表示手段に映像が表示された状態で、ユーザからの記録指示を受け付けるための操作手段と、記録指示の入力タイミングに応じて、無線受信手段が受信した映像データからユーザ所望の映像データを保存するめの保存手段とを含む。
好ましくは、撮影装置は、通信環境を解析し、その解析結果に応じて記録装置との通信条件を判定する判定手段と、判定手段により判定された通信条件を記録装置に通知する通知手段とをさらに含む。これにより、記録装置の無線受信手段は、通知手段により通知された通信条件に基づいて、無線送信手段から送信された映像データを受信する。
好ましくは、通信条件には、無線通信に使用する帯域幅と、無線通信に使用する搬送波の変調方式の種類および符号化率とのうちの少なくとも一方が含まれる。この場合、無線送信手段は、直交周波数分割多重方式によって、判定手段により判定された通信条件で記録装置に映像データを無線送信する。
撮影装置および記録装置は、各々、複数の通信アンテナを含んでいることが望ましい。この場合、無線送信手段は、MIMO方式で映像データを送信し、判定手段は、通信条件の一つとして、複数の通信アンテナのうち無線通信に使用するアンテナ数を判定することが望ましい。
記録装置は、複数の撮影装置から映像データを受信してもよい。この場合、記録装置の保存手段は、撮影装置の識別情報を含むインデックスデータと関連付けて、映像データを保存することが望ましい。
インデックスデータは、撮影装置の設置場所およびカテゴリの少なくとも一方をさらに含んでもよい。
好ましくは、撮影装置と記録装置との接続は、それぞれの識別情報を送受信することによって確立する。
この発明の他の局面に従う撮影装置は、記録装置との間で無線通信が可能な撮影装置であって、映像を撮影するためのレンズユニットと、通信環境を解析し、その解析結果に応じて記録装置との通信条件を判定する判定手段と、判定手段により判定された通信条件を記録装置に通知する通知手段とを備える。また、判定手段により判定された通信条件に基づいて、レンズユニットにより撮影された映像データを記録装置にストリーム伝送する無線送信手段を備える。
本発明によれば、ユーザの位置に関わらず、様々な角度の映像を撮影し、保存することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本発明の実施の形態に係る撮影システムについて説明する。
<構成について>
図1は、本実施の形態に係る無線撮影システム1の概略構成を示す図である。図1を参照して、無線撮影システム1は、映像を撮影する撮影装置10と、撮影装置10と無線通信が可能な記録装置20とを備える。撮影装置10は、一般的なカメラ(ビデオカメラを含む)と異なり、映像(静止画または動画像)を保存するための不揮発性の記憶部を含まない。撮影装置10が撮影した映像は無線にて記録装置20にストリーム伝送され、記録装置20において、映像の一部(静止画または動画像)が保存される。記録装置20は、撮影装置10との通信に用いられる映像記録専用の装置であってもよいし、ユーザが携帯可能な情報処理端末(たとえば、タブレット端末、携帯電話機)により実現されてもよい。
図1は、本実施の形態に係る無線撮影システム1の概略構成を示す図である。図1を参照して、無線撮影システム1は、映像を撮影する撮影装置10と、撮影装置10と無線通信が可能な記録装置20とを備える。撮影装置10は、一般的なカメラ(ビデオカメラを含む)と異なり、映像(静止画または動画像)を保存するための不揮発性の記憶部を含まない。撮影装置10が撮影した映像は無線にて記録装置20にストリーム伝送され、記録装置20において、映像の一部(静止画または動画像)が保存される。記録装置20は、撮影装置10との通信に用いられる映像記録専用の装置であってもよいし、ユーザが携帯可能な情報処理端末(たとえば、タブレット端末、携帯電話機)により実現されてもよい。
無線撮影システム1は、映像の無線通信方式として、直交周波数分割多重方式(OFDM)を採用している。これにより、高画質の映像を高速通信することができる。撮影装置10および記録装置20それぞれの構成例について、以下に説明する。
(撮影装置の構成)
図2は、撮影装置10の構成例を示すブロック図である。撮影装置10は、レンズユニット11と、制御部12と、無線送信部13とを含む。なお、図2では、映像信号の流れが実線矢印で示され、映像以外の情報または制御信号の流れが破線矢印で示されている。
図2は、撮影装置10の構成例を示すブロック図である。撮影装置10は、レンズユニット11と、制御部12と、無線送信部13とを含む。なお、図2では、映像信号の流れが実線矢印で示され、映像以外の情報または制御信号の流れが破線矢印で示されている。
レンズユニット11は、たとえば、光学系要素としてレンズを含み、電子系要素として撮像素子を含む。なお、光学系要素に絞り機構が含まれてもよい。
制御部12は、撮影装置10の各部を制御するとともに、各種演算処理を行う。制御部12は、たとえば、メモリ19を含むプロセッサにより実現される。メモリ19には、各種プログラムおよびデータが記憶される。
撮影装置10では、レンズユニット11で撮影された映像(動画)データが、そのまま無線送信部13に送出される。つまり、撮影装置10は、通常のカメラやビデオカメラとは異なり、静止画を取得するための操作ボタンや、静止画または動画を保存するための画像格納部を有さない。なお、撮影装置10は、絞り機構の調整等を行うための操作部や、撮影範囲等を確認するために映像を表示する表示部などを含んでいてもよい。
無線送信部13は、圧縮部14と、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)無線部15と、通信制御部17と、記憶部18とを含む。
圧縮部14は、映像データを圧縮し、MIMO無線部15に出力する。圧縮部14は、可逆圧縮(ロスレス)と非可逆圧縮(ロッシー)との双方を行う機能を有している。圧縮部14は、これらのうちいずれか一方の圧縮方式で、映像データを圧縮する。
MIMO無線部15には、たとえば8本の通信アンテナ16a,16b,・・・,16hが設けられている。MIMO無線部15は、上述のように直交周波数分割多重方式(OFDM)を採用している。搬送波の変調方式としては、直角位相振幅変調方式が採用され、たとえば256QAM、64QAM、16QAM、QPSKの4種類から選択可能である。QPSK、16QAM、64QAM、256QAMの順に、同時送信できるデータ量が多くなる分、伝送エラーが生じる可能性が高くなる。なお、変調方式の種類は、これらに限定されない。
通信制御部17は、記録装置20との通信のために、圧縮部14およびMIMO無線部15の制御を行う。記憶部18は、各種プログラムおよびデータを記憶する。通信制御部17は、たとえばマイコンなどのコンピュータにより実現され、記憶部18に記憶されたプログラムに基づいて、各種情報処理を行う。通信制御部17の機能構成が、図3に示される。
図3を参照して、通信制御部17は、その機能構成として、環境解析部31と、通信条件判定部32と、映像解析部33と、圧縮方式判定部34と、通知処理部35とを含む。
環境解析部31は、少なくとも映像伝送の開始時に、通信環境を解析する。具体的には、他の無線通信の混雑状況と、通信距離と、ノイズレベルとを解析する。他の無線通信の混雑状況は、映像データの通信に用いられる各帯域(たとえば全8帯域)に対し、他の無線通信で使用されているか否かを検出することによって解析される。通信相手である記録装置20との通信距離は、記録装置20との通信時の電波強度を検出することによって解析される。無線通信環境下で生じるノイズレベルは、記録装置20との通信時の信号の歪み具合を検出することによって解析する。
なお、通信環境の測定には、上記通信アンテナ16a,16b,…,16hが用いられてもよいし、通信環境測定用に、測定用アンテナ16m(図2)が別途設けられてもよい。
通信条件判定部32は、環境解析部31の解析結果に基づいて、記録装置20との通信条件、すなわち記録装置20に映像データを伝送する際に確保すべき条件を判定する。具体的には、他の無線通信の混雑状況に基づいて、無線通信に使用する帯域幅が判定される。また、通信距離、すなわち記録装置20との間の電波強度に基づいて、通信アンテナ16a〜16hのうち無線通信に使用するアンテナ数が判定される。さらに、無線通信環境下で生じるノイズレベルに基づいて、無線通信に使用する搬送波の変調方式の種類および符号化率が判定される。なお、本明細書においては、変調方式の種類と符号化率との組を、単に「変調方式」という場合がある。
映像解析部33は、レンズユニット11から送出される映像データを入力し、送信対象の映像を解析する。具体的には、映像の解像度、色情報、およびフレームレートを解析する。これらの解析は、公知の手法により実現できる。なお、レンズユニット11側の設定により、撮影映像の解像度、色情報、およびフレームレートが定まっている場合には、映像解析部33は不要である。
圧縮方式判定部34は、映像解析部33の解析結果と、通信条件判定部32による判定結果とに基づいて、圧縮部14での映像の圧縮方式(ロスレスまたはロッシー)を判定する。具体的には、映像の解析結果から必要な伝送速度を算出し、算出した伝送速度と、通信条件判定部32にて判定された通信条件から得られる伝送容量とを比較することによって圧縮方式を判定する。
なお、通信条件判定部32における通信条件の判定にも、映像解析部33の解析結果が用いられてもよい(図3の想像線)。
通知処理部35は、通信条件判定部32の判定結果、および、圧縮方式判定部34の判定結果を、記録装置20に通知する処理を行う。
なお、本実施の形態では、図3に示した環境解析部31、通信条件判定部32、映像解析部33、圧縮方式判定部34、および通知処理部35の機能は、通信制御部17としてのコンピュータが、たとえば記憶部18に格納されたソフトウェアを実行することで実現されるものとするが、これらのうちの少なくとも1つの機能部は、ハードウェアにより実現されてもよい。
(記録装置の構成)
図4は、記録装置20の構成を示すブロック図である。記録装置20は、無線受信部21と、制御部22と、操作部24と、表示部25と、計時部26と、ドライブ装置27と、画像格納部28とを含む。なお、図4においても、映像信号の流れが実線矢印で示され、映像以外の情報または制御信号の流れが破線矢印で示されている。
図4は、記録装置20の構成を示すブロック図である。記録装置20は、無線受信部21と、制御部22と、操作部24と、表示部25と、計時部26と、ドライブ装置27と、画像格納部28とを含む。なお、図4においても、映像信号の流れが実線矢印で示され、映像以外の情報または制御信号の流れが破線矢印で示されている。
無線受信部21は、MIMO無線部43と、伸長部45と、通信制御部46と、記憶部47とを含む。
MIMO無線部43は、撮影装置10のMIMO無線部15と同様の機能を有しており、たとえば8本の通信アンテナ44a,44b,・・・,44hが設けられている。つまり、撮像装置10の通信アンテナ数と記録装置20の通信アンテナ数とは同じである。なお、MIMO無線部43にも、通信環境の測定用に、測定用アンテナ44mが別途設けられてもよい。
伸長部45は、MIMO無線部43で受信した映像信号を伸長し、制御部22に出力する。伸長部45は、可逆圧縮方式で圧縮された映像データ、および、非可逆圧縮方式で圧縮された映像データの双方を伸長する機能を有している。
通信制御部46は、撮影装置10との通信のために、MIMO無線部43および伸長部45の制御を行う。記憶部47は、各種プログラムおよびデータを記憶する。通信制御部46は、記憶部47に記憶されたプログラムに基づいて、各種情報処理を行う。通信制御部46は、撮影装置10から通知された通信条件に応じてMIMO無線部43を動作させる。また、撮影装置10から通知された圧縮方式に応じて伸長部45を動作させる。
制御部22は、記録装置20の各部を制御するとともに、各種演算処理を行う。制御部22は、たとえば、メモリ29を含むプロセッサにより実現される。メモリ29には、各種プログラムおよびデータが記憶される。操作部24は、ユーザからの指示を受け付ける。表示部25は、映像などの各種情報を表示する。操作部24および表示部25は、一体型のタッチパネル23として構成されてもよい。計時部26は、時刻を計時するクロックである。ドライブ装置27は、着脱可能な記録媒体(図示せず)からのデータやプログラムを読み出したり書き込んだりする。画像格納部28は、無線受信部21で受信した映像データのうち、ユーザ所望の映像データだけを格納する。画像格納部28は、不揮発性の記憶装置である。
<動作について>
図5は、本実施の形態に係る無線撮影システム1において実行される無線撮影処理の概要を示すフローチャートである。撮影装置10が行う映像送信処理は、制御部12がメモリ19に格納されたプログラムを読み出して実行することによって実現される。また、記録装置20が行う映像記録処理は、制御部22がメモリ29に格納されたプログラムを読み出して実行することによって実現される。なお、記録装置20が映像記録専用の装置でない場合には、記録装置20において無線撮影モードが選択された場合に映像記録処理が開始される。無線撮影モード開始時に、撮影装置10は待機状態であるものとする。
図5は、本実施の形態に係る無線撮影システム1において実行される無線撮影処理の概要を示すフローチャートである。撮影装置10が行う映像送信処理は、制御部12がメモリ19に格納されたプログラムを読み出して実行することによって実現される。また、記録装置20が行う映像記録処理は、制御部22がメモリ29に格納されたプログラムを読み出して実行することによって実現される。なお、記録装置20が映像記録専用の装置でない場合には、記録装置20において無線撮影モードが選択された場合に映像記録処理が開始される。無線撮影モード開始時に、撮影装置10は待機状態であるものとする。
図5を参照して、はじめに、記録装置20において、ユーザからの指示に基づき、接続対象の機器(以下「対象機器」という)の設定処理が行われる(ステップS(以下「S」と略す)20)。本実施の形態のように、撮影装置10と記録装置20との関係が1対1の場合には、対象機器として撮影装置10が選択される。このとき、選択された撮影装置10の識別情報(ID)が内部メモリ29に一時記憶される。対象機器が設定されると、制御部22は、その機器に対し、自身の識別情報(ID)を通知する(S21)。
撮影装置10は、識別情報を受信すると、識別情報で特定される記録装置20を対象機器と判別する(S11)。これにより、撮影装置10と記録装置20との間で接続が確立する。
接続が確立すると、撮影装置10において、通信条件判定処理および圧縮方式判定処理とが行われる(S12)。これらの判定処理については、後にサブルーチンを挙げて説明する。
通信条件および圧縮方式の判定が終了すると、通知処理部35により、その判定結果が記録装置20に通知される(S13)。また、通信制御部17は、圧縮部14に対し、圧縮方式を指示する指令信号を送出し、MIMO無線部15に対し、通信方式を指示する指令信号を送出する。
通信方式および圧縮方式が決定すると、撮影装置10は撮影を開始する(S14)。これにより、レンズユニット11で撮影された映像データが無線送信部13に出力される。それに伴い、圧縮部14が、S12で判定された圧縮方式によって映像データを圧縮し(S15)、MIMO無線部15が、S12で判定された通信条件に応じて、圧縮後の映像データをストリーム伝送する(S16)。
記録装置20では、MIMO無線部43が、S13において撮影装置10から通知された通信条件および圧縮方式の通知を受信する(S22)。通信制御部46は、伸長部45に対し、圧縮方式に対応する伸長方式を指示し、MIMO無線部43に対し、通信方式を指示する。
記録装置20において通信方式および伸長方式が定まった後に、MIMO無線部43は、S22で通知された通信条件に応じて、撮影装置10のMIMO無線部15から送信された映像データを無線受信する(S23)。また、受信した映像データを、S22で通知された圧縮方式に対応する伸長方式で伸長する(S24)。伸長された映像データは、内部メモリ29に一時記録されるとともに、タッチパネル23(表示部25)に表示される(S25)。これにより、ユーザは、記録装置20のタッチパネル23において、物理的に離れた撮影装置10が撮影した映像(モニタリング画像)を確認することができる。
タッチパネル23に撮影映像が表示された状態で、制御部22は、ユーザから記録指示が入力されたか否かを判断する(S26)。記録指示がない場合は、タッチパネル23における撮影映像の表示が継続される(S26にてNO)。撮影映像の表示中に、ユーザから記録指示が入力された場合に(S26にてYES)、記録指示が入力されたときに表示されていた画像(静止画または動画)を、画像格納部28に保存する(S27)。具体的には、制御部22は、内部メモリ29に一時記録された映像データから、記録指示の入力タイミングに応じた映像データを抽出して画像格納部28に出力する。
画像格納部28に保存される映像データ(画像)は、インデックスデータと関連付けて記憶されることが望ましい。インデックスデータは、たとえば、撮影装置10のIDと、撮影日時と、映像データの格納場所(アドレス)とを含む。撮影日時は、記録装置20に備えられた計時部26からの信号に基づいて得られる。
なお、記録装置20において、ユーザから無線撮影モード終了の指示があるまで、映像データの受信および表示が継続される。したがって、無線撮影モードの間、ユーザは、好きなタイミングで何枚でも写真を撮ることができる。ユーザから無線撮影モード終了の指示が入力されると、記録装置20から撮影終了信号が撮影装置10に送信される。撮影装置10は、撮影終了信号を受信すると、撮影処理を終了する。
本実施の形態によれば、記録装置20においてストリーム映像が無線受信されるため、ユーザは映像を見ながら写真や動画を撮ることができる。つまり、ユーザは、遠く離れた場所の写真であっても、手元の記録装置20において、所望の静止画や動画を自装置(画像格納部28)に保存することができる。したがって、記録装置20から遠くの撮影装置10に撮影指示信号を送信して映像データを得るシステムに比べて、複雑な遅延処理を必要としない。その結果、ユーザ所望の映像を確実に保存することができる。
なお、記録装置20において動画を記録する場合には、記録指示の後に、ユーザから記録停止の指示を受け付けてもよいし、事前に設定された時間分の映像データを保存してもよい。
このように、撮影装置10と記録装置20とが遠く離れていても、撮影装置10から高画質の映像データを無線送信できるようにするためには、上述のように、撮影装置10において通信条件および圧縮方式の判定処理(S12)が行われる。これらの処理について、以下に詳細に説明する。
(通信条件判定処理)
図6は、通信条件判定処理の概要を示すフローチャートである。
図6は、通信条件判定処理の概要を示すフローチャートである。
通信条件判定処理では、環境解析部31は、混雑状況解析処理(S101)、通信距離解析処理(S103)、およびノイズレベル解析処理(S105)を行う。これらは並行して行われることが望ましい。通信条件判定部32は、混雑状況解析処理に基づいて帯域幅判定処理(S102)を実行し、通信距離解析処理に基づいてアンテナ数判定処理(S104)を実行し、ノイズレベル解析処理に基づいて変調方式判定処理(S106)を実行する。
図7は、混雑状況解析処理を示すフローチャートである。環境解析部31は、各帯域の使用状況検出処理を実行することで(S111)、混雑レベルを判定する(S112)。S111の検出処理は、図8に示される。
図8を参照して、まず、MIMO無線部15を受信モードとし(S121)、帯域ごとに信号の使用状況を検出する。つまり、特定帯域の受信モードとし(S122)、その帯域の信号の有無、すなわち衝突の有無を確認する(S123)。環境解析部31は、信号があれば、その帯域は使用されていると判断し、信号がなければ未使用と判断する(S124)。このような処理を対象帯域分繰り返し行い、対象帯域全ての混雑状況を解析する。なお、判定された各帯域の使用状況は、記録装置20側に通知しておくことが望ましい。
混雑レベルは、他の無線通信の多さに応じて、たとえば8段階で判断される。たとえば、8帯域中7帯域で衝突があり、1帯域しか未使用でなければ混雑レベル8とし、全帯域において信号がなく、8帯域全てが未使用であれば混雑レベル1とする。このようなレベル判定は、たとえば、予め定めたデータテーブル(図示せず)を用いることで実現可能である。なお、ここでは、理解の容易のために、未使用の帯域が連続して存在する個数に応じて、混雑レベルが判定されるものとする。具体的には、チャネル1、チャネル3,4、およびチャネル6〜8が未使用である場合、チャネル6〜8が最も個数が多い。この場合、連続する3帯域が未使用であるとし、混雑レベル6であると判定する。
混雑状況解析処理が終わると、帯域幅判定処理(S102)が行われる。
図9は、帯域幅判定処理を示すフローチャートである。通信条件判定部32は、まず、記憶部18に予め記憶されたテーブル情報を読み出す(S131)。テーブル情報の一例が図10に示される。図10は、混雑レベルと使用する帯域幅とを対応付けたデータテーブルの構造例を示す図である。図10においては、参考のため、帯域幅に応じたチャネル数も記載されている。なお、本実施の形態では、1チャネルの帯域幅が20MHzである例を示すが、限定的ではない。つまり、1チャネルの帯域幅がたとえば40MHz、または80MHzであるような規格にも、帯域幅判定処理を適用可能である。
テーブル情報に基づいて、通信条件判定部32は、使用する帯域幅を決定する(S132)。たとえば、混雑レベル1であって8帯域全てが使用可能である場合、使用する帯域幅は最大値(たとえば160MHz)として決定する。また、混雑レベル6であって連続する3帯域が未使用である場合、使用する帯域幅を60MHzとして決定する。
なお、混雑レベル1であって8帯域全てが使用可能である場合以外は、他の無線通信との混信が低減できるチャネルを選択することが望ましい。
帯域幅が決定され、使用するチャネルが決定すると、通信条件判定部32は、決定したチャネル(帯域)および帯域幅が妥当かどうかの確認を行うことが望ましい。具体的には、記録装置20に決定したチャネルおよび帯域幅を通知した後、決定したチャネルを使用して記録装置20にパイロットデータを送信する(S133)。このとき、決定した帯域幅に応じた量のパイロットデータを送信する。パイロットデータは既知のデータである。記録装置20は、受信したパイロットデータのBER(Bit Error Rate:符号誤り率)を計算し、撮影装置10に返す。
通信条件判定部32は、受信したBERと予め定められた基準値とを比較することによって、通信状況を判定する(S134)。これにより、決定したチャネルおよび帯域幅の妥当性が判断される。なお、妥当性の判断時におけるパイロットデータの送受信には、環境測定用のアンテナなど1本のアンテナが用いられてもよい。また、パイロットデータの変調方式は固定であってもよい。この場合、パイロットデータの送信時の変調方式としては、ノイズ耐性が最も高い、QPSKと符号化率1/2との組み合わせが採用され得る。
仮に、BERが基準値を上回っていたりした場合には(S134にて「NG」)、S132に戻り、使用する帯域幅または使用するチャネルを変更することが望ましい。なお、通信開始後に、使用中の帯域に他の無線通信との衝突が生じた場合にも、使用する帯域幅またはチャネルを変更することが望ましい。
具体的には、他にも使用可能な帯域群が存在していれば、帯域幅が同じか否かに関わらず別の帯域群に変更してもよい。たとえば、チャネル1,5,8が他の無線通信で使用されている場合、通常はチャネル2〜4の3帯域を使用するが、チャネル3においても衝突が生じた場合は、使用する帯域をチャネル6〜7に変更する。
あるいは、使用中のチャネルの隣のチャネルを使用しないように帯域幅を狭めてもよい。たとえば、チャネル1,6が他の無線通信で使用されている場合、通常はチャネル2〜5の4帯域を使用するが、より他の無線通信との干渉を低減させる場合は、帯域幅を狭め、チャネル3〜4の2帯域に変更してもよい。
図11は、通信距離解析処理を示すフローチャートである。環境解析部31は、電波強度の検出処理を実行することで(S141)、記録装置20までの距離レベルを判定する(S142)。S141の検出処理は、図12に示される。
図12を参照して、まず、環境解析部31は、記録装置20に対してパイロットデータの送信を要求する(S151)。記録装置20が要求に応じてパイロットデータを送信すると、MIMO無線部15は、パイロットデータを受信する(S152)。環境解析部31は、そのときの電波強度を電圧レベルとして測定する(S153)。なお、環境解析の際においてパイロットデータの送受信に用いられるアンテナ数(1本)、変調方式(QPSK)、および帯域幅(1ch)は、いずれも固定である。なお、このときに使用する帯域は、図8のS124で使用可能と判断された帯域から選択される。
記録装置20までの距離レベルは、電波強度の大きさに応じて、たとえば4段階で判断される。ここでのレベル判定も、たとえば、予め定めたデータテーブル(図示せず)を用いることで実現可能である。
通信距離解析処理が終わると、アンテナ数判定処理(S104)が行われる。
図13は、アンテナ数判定処理を示すフローチャートである。通信条件判定部32は、まず、記憶部18に予め記憶されたテーブル情報を読み出す(S161)。テーブル情報の一例が図14に示される。図14は、距離レベルと使用するアンテナ数とを対応付けたデータテーブルの構造例を示す図である。
テーブル情報に基づいて、通信条件判定部32は、使用するアンテナ数を決定する(S162)。たとえば、電波強度が比較的高く、距離レベル1(近い)であれば、使用するアンテナ数を8本(全て)とし、電波強度が比較的低く、距離レベル4(遠い)であれば、使用するアンテナ数を1本とする。このように、通信距離が長い程、使用アンテナ数を少なくする理由は、使用するアンテナ数が増える程、アンテナ1本当たりの出力が低減するためである。つまり、本実施の形態では、電波強度に応じて使用するアンテナ数を判定することで、出力を確保し、確実に映像データを伝送できるようにしている。
アンテナ数が決定されると、ここでも、通信条件判定部32は、決定したアンテナ数が妥当かどうかの確認を行うことが望ましい。具体的には、記録装置20に決定したアンテナ数を通知した後、決定した本数に応じたアンテナ出力で、記録装置20にパイロットデータを送信する(S163)。記録装置20は、受信したパイロットデータのBERを計算し、撮影装置10に返す。
アンテナ数の妥当性の確認の際においても、パイロットデータの送受信には、環境測定用のアンテナなど1本のアンテナが用いられ、疑似的に、アンテナの出力電力を、決定したアンテナ数に相当する電力レベルに設定することが望ましい。パイロットデータの送受信に使用する変調方式および帯域幅は、固定である。帯域幅はたとえば1ch分の20MHzであってよい。
通信条件判定部32は、記録装置20から受信したBERと予め定められた基準値とを比較することによって、通信状況を判定する(S164)。これにより、決定したアンテナ数の妥当性が判断される。仮に、記録装置20から受信したBERが基準値を上回っていた場合には(S164にて「NG」)、S162に戻り、使用するアンテナ数を変更することが望ましい。
図15は、ノイズレベル解析処理を示すフローチャートである。環境解析部31は、信号歪みの検出処理を実行することで(S171)、ノイズレベルを判定する(S172)。S171の検出処理は、図16に示される。
図16を参照して、まず、環境解析部31は、記録装置20に対してパイロットデータの送信を要求する(S181)。記録装置20が要求に応じてパイロットデータを送信すると、MIMO無線部15は、パイロットデータを受信する(S182)。環境解析部31は、公知の手法によりパイロットデータの歪みを測定する(S183)。
ノイズレベルは、歪みの多さに応じて、たとえば8段階で判断される。ここでのレベル判定も、たとえば、予め定めたデータテーブル(図示せず)を用いることで実現可能である。
ノイズレベル解析処理が終わると、変調方式判定処理(S106)が行われる。
図17は、変調方式判定処理を示すフローチャートである。通信条件判定部32は、まず、記憶部18に予め記憶されたテーブル情報を読み出す(S191)。テーブル情報の一例が図18に示される。図18は、ノイズレベルと、変調方式の種類および符号化率とを対応付けたデータテーブルの構造例を示す図である。
テーブル情報に基づいて、通信条件判定部32は、使用する変調方式の種類および符号化率を決定する(S192)。たとえば、信号歪みが少なく、ノイズレベル2であれば、変調方式を256QAMとし、符号化率を2/3とする。信号歪みが大きく、ノイズレベル8であれば、変調方式をQPSKとし、符号化率を1/2とする。
変調方式の種類および符号化率が決定されると、ここでも、通信条件判定部32は、決定した変調方式が妥当かどうかの確認を行うことが望ましい。具体的には、記録装置20に決定した変調方式を通知した後、記録装置20に対し、決定した変調方式によって変調したパイロットデータを送信する(S193)。記録装置20は、受信したパイロットデータのBERを計算し、撮影装置10に返す。このときも、パイロットデータの送受信に使用するアンテナは、環境測定用のアンテナなど1本のアンテナであり、パイロットデータの送受信に使用する帯域幅は固定である。
通信条件判定部32は、記録装置20から受信したBERと予め定められた基準値とを比較することによって、通信状況を判定する(S194)。これにより、決定した変調方式の種類および符号化率の妥当性が判断される。仮に、記録装置20から受信したBERが基準値を上回っていた場合には(S194にて「NG」)、S192に戻り、使用する変調方式の種類および符号化率を変更することが望ましい。
なお、上記説明では、各条件の妥当性を検出する際に、条件ごとにパイロットデータの送受信が行われることとしたが、一度のパイロットデータの送受信によって複数条件の妥当性が検出されてもよい。
また、通信環境の解析の際にも、一度のパイロットデータの送受信によって、電波強度の測定(図12)およびノイズレベルの測定(図16)が実現されてもよい。
また、図6に示したように、複数条件の判定処理が並列的に行われることとしたが、これらは直列的に行われてもよい。この場合、帯域幅の決定を優先的に行うことが望ましい。
(圧縮条件判定処理)
図19は、圧縮方式判定処理を示すフローチャートである。
図19は、圧縮方式判定処理を示すフローチャートである。
圧縮方式判定処理では、まず、映像解析部33が、入力映像を解析する(S201)。その解析結果に基づいて、圧縮方式判定部34が、必要な伝送速度を算出する(S202)。具体的には、必要な伝送速度は、“横の解像度×縦の解像度×色情報×フレームレート”として算出される。
次に、圧縮方式判定部34は、伝送容量を算出する(S203)。具体的には、伝送容量は、“アンテナ数×チャネル数×1キャリア当たりのビット数×1シンボル当たりのビット数×符号化率÷シンボル長”として算出される。
その後、圧縮方式判定部34は、S203で算出された伝送容量が、S202で算出された伝送速度以上か否かを判断する(S204)。伝送容量が伝送速度以上であれば(S204にてYES)、圧縮方式を「ロスレス」と判定する(S205)。一方、伝送容量が伝送速度未満であれば(S204にてNO)、圧縮方式を「ロッシー」と判定する(S206)。
以上説明したように、本実施の形態の無線撮影システム1によれば、通信環境に応じて通信条件が判定されるため、大容量の映像データでも安定的に無線伝送することが可能となる。
なお、複数の通信アンテナを用いて映像データを送信する場合、たとえば、映像データをライン単位(0.5ライン、1ライン、など)で複数のアンテナに振り分けてもよい。
上述のように、本実施の形態では、伝送容量が、必要な伝送速度以上である場合には、データが劣化しない可逆圧縮方式とすることとしたが、伝送容量に余裕がある場合には、図5のS12で判定された通信条件のうちの少なくも1種類(アンテナ数、帯域幅、変調方式)を変更してもよい。具体的には、伝送容量と伝送速度との差が所定値以上である場合に、使用するアンテナ数または変調方式(符号化率を含む)を安全側に変更し、伝送容量を狭めてもよい。これにより、電波強度またはノイズ耐性を向上させることができる。
この場合、通信条件判定部32で判定される各条件は仮条件となるため、通信制御部17は、通信条件を本決定(再判定)する機能をさらに有するものとする。具体的には、通信制御部17は、伝送容量と伝送速度との比較結果に応じて、通信条件を再判定する再判定部(図示せず)をさらに有する。
再判定部は、たとえば、通信条件判定部32で仮判定されたアンテナ数および変調方式を採用した場合のそれぞれの通信状況に応じて、変更する条件の優先順位を定めてもよい。たとえば、アンテナ数判定処理(図13)において計算されたBER(図13のS164)の方が、変調方式判定処理(図17)において計算されたBER(図17のS194)よりも高い場合、1段階少なくした本数を実際に使用するアンテナ数として決定する。
このように使用するアンテナ数を減らす場合、撮影装置10と記録装置20との通信距離を延ばすことができる。たとえば、記録装置20が、後述するように携帯可能な端末によって実現されるような場合には、記録装置20の移動によってアダプタ10,20間の通信距離が多少長くなったとしても、記録装置20における映像データの復元率の低下を防止することができる。
なお、本実施の形態では、無線撮影開始時に、通信条件が判定されることとしたが、通信途中においても、所定タイミングで通信環境(混雑状況、通信距離、ノイズレベル)をモニタリングし、通信条件(帯域幅、アンテナ本数、変調方式の種類および符号化率)を適宜再設定することが望ましい。
また、本実施の形態では、帯域幅判定処理において、連続して使用可能な帯域群の最大帯域幅を判定することとしたが、連続か不連続かに関わらず使用可能な帯域全ての帯域幅の合計値を判定してもよい。具体的には、たとえば図20に示すように、チャネル4とチャネル7が他の無線通信にて使用されているケースにおいては、6チャネル分の120MHzが使用可能な帯域幅と判定することができる。
この場合、使用可能な帯域数に応じて映像データを分割し、6チャネル全てを用いて映像データを伝送してもよい。すなわち、図20のケースにおいては、チャネル1〜3を用いて3/6の映像データを伝送し、チャネル5,6を用いて2/6の映像データを伝送し、チャネル8を用いて1/6の映像データを伝送する。このようにすることで、使用可能な帯域を有効活用することができる。なお、データの分割は、たとえばラインごとに行ってもよい。
<変形例1>
撮影装置10と記録装置20との関係は、1対複数の関係であってもよい。
撮影装置10と記録装置20との関係は、1対複数の関係であってもよい。
図21は、本実施の形態の変形例1に係る無線撮影システム1Aを模式的に示す図である。無線撮影システム1Aは、1つの撮影装置10の撮影映像が2つの記録装置20に送信される。このような場合であっても、基本的には上記した無線撮影システム1における無線撮影処理と同じ処理が行われる。無線撮影システム1と異なる点のみ以下に説明する。
撮影装置10の通信制御部17(図2)は、記録装置20ごとに通信条件を判定することが望ましい。すなわち、本変形例では、図3に示した通信条件判定部32に対応する条件判定部(図示せず)は、環境解析部31の解析結果に応じて記録装置20ごとに通信条件を判定することが望ましい。また、図2のMIMO無線部15は、判定された通信条件で、撮影した映像データを2つの記録装置20に送信(転送)する。
なお、帯域幅は受信側(記録装置20)に依存しないため、送信側と受信側とが1対1の場合と同じ判定方法であってもよい。撮影装置10から2つの記録装置20に送信される映像データは同じであるため、使用可能な帯域幅の全てを使用することができる。
複数の記録装置20に映像データを送信する場合、記録装置20ごとに判定する必要のある通信条件は、アンテナ数および変調方式である。
記録装置20それぞれにおいて距離レベルすなわち電波強度が異なる場合、距離レベルが遠い方に合わせて使用可能なアンテナ数を判定する。たとえば、一方の記録装置20に対して決定されたアンテナ数が8本、他方の記録装置20に対して決定されたアンテナ数が4本の場合、双方の記録装置20との通信に使用可能なアンテナ数は最大4本と判定する。
同様に、記録装置20それぞれにおいてノイズレベルが異なる場合、ノイズレベルが高い方に合わせて使用する変調方式の種類および符号化率を判定する。たとえば、一方の記録装置20に対して決定された変調方式の種類および符号化率がそれぞれ256QAM、3/4であり、他方の記録装置20に対して決定された変調方式の種類および符号化率がそれぞれ64QAM、2/3である場合、双方の記録装置20との通信に使用する変調方式の種類および符号化率は64QAM、2/3と判定する。
なお、使用する帯域が同じであれば、無線通信環境下で生じるノイズレベルは双方の記録装置20ともに大よそ同じであると考えられる。したがって、複数の記録装置20に同じ映像データを送信する場合、撮影装置10は、2つの記録装置20のうちのいずれか一方との間でパイロットデータを用いた変調方式の判定を行うだけであってもよい。
本変形例においても、各記録装置20のユーザは、自分の好きなタイミングで記録指示を入力することができる。したがって、家族に1つ撮影装置10を所有するだけで、各自の記録装置20においてお気に入りの写真を撮ることができる。あるいは、観光地の人気スポットに予め撮影装置10を設置しておくことで、観光客(ユーザ)は、それぞれの記録装置20においてお気に入りの写真を撮ることができる。
なお、記録装置20の個数は3個以上であってもよい。
<変形例2>
撮影装置10と記録装置20との関係は、複数対1の関係であってもよい。
撮影装置10と記録装置20との関係は、複数対1の関係であってもよい。
図22は、本実施の形態の変形例2に係る無線撮影システム1Bを模式的に示す図である。無線撮影システム1Bは、2つの撮影装置10それぞれの撮影映像が1つの記録装置20に送信される。このような場合であっても、基本的には上記した無線撮影システム1における無線撮影処理と同じ処理が行われる。無線撮影システム1と異なる点のみ以下に説明する。
本変形例では、記録装置20において、2つの撮影装置10の双方または一方を対象機器として設定することができる(図5のS20)。ここでは、2つの撮影装置10が対象機器として設定されたと仮定する。つまり、2つの撮影装置10(10a,10b)のIDが内部メモリ29に一時記憶される。
この場合、記録装置20において2つの撮影装置10から高解像度の映像データを無線送信する場合、遅れが生じたり、データ欠損が生じる可能性がある。そのため、記録装置20においてメイン映像とサブ映像とを表示することとし、サブ映像を撮影する撮影装置10から送信される映像データを低解像度としてもよい。
具体的には、無線撮影モードとなった直後において、記録装置20のタッチパネル23には、2つの撮影装置10a,10bが撮影した低解像度の映像(サブ映像)が2画面にて表示される。このときのタッチパネル23の画面例が図23(A)に示される。図23(A)では、比較的小さい2つの表示領域AR1,AR2に、それぞれ撮影装置10a,10bの映像データが表示されている。低解像度の映像データの送受信には、たとえば1帯域が使用される。
その後、ユーザにより、一方の撮影装置10aの映像が選択されたとする。その場合、記録装置20から撮影装置10aに対し、高解像度の映像データを要求する。撮影装置10aは、この要求を受信すると、使用する帯域幅を増やす。なお、本変形例では、撮影装置10aと撮影装置10bとに、使用可能な帯域が予め割り当てられていることが望ましい。たとえば、撮影装置10aには、高解像度データ送信用にチャネル1〜3、低解像データ送信用にチャネル4が割り当てられ、撮影装置10bには、高解像度データ送信用にチャネル5〜7、低解像データ送信用にチャネル8が割り当てられる。これにより、1つの記録装置20と複数の撮影装置10a,10bとの間で無線通信が可能となる。
記録装置20が撮影装置10aから高解像度の映像データを受信すると、タッチパネル23には、図23(B)に示されるように、高解像度の映像(メイン映像)が比較的大きい表示領域AR3に表示される。また、表示領域AR3の近傍に、記録ボタンBT1が表示される。
この状態で、記録ボタンBT1が押下(選択)されると、押下時に表示されていたメイン映像のデータが、画像格納部28に保存される。なお、無線撮影モードの期間中、メイン映像は、たとえば、サブ映像の表示領域AR1,AR2の選択状態を切り替えることで、切替え可能である。
一般的なカメラを用いて所望の映像を撮影するためには、ユーザが自身のカメラを動かして、その角度や向きを調整する必要がある。そのため、たとえばスポーツ観戦において、観客が撮影できる映像の角度は限られている。しかし、本変形例によれば、1台の記録装置20で、様々な角度の映像を撮影することが可能となる。
このように、複数の撮影装置10の映像を保存する場合には特に、記録装置20において後の検索を容易にするために、インデックスデータに付加情報を追加してもよい。この場合、映像データを保存する度に、付加情報が設定されてもよい。つまり、図5のS27に示した映像データ保存処理において、付加情報が設定されてもよい。この場合の映像データ保存処理の流れを、図24に示す。
図24を参照して、記録装置20の制御部22は、記録指示が入力されると、撮影装置10側の情報を内部メモリ29から読み出す(S41)。撮影装置10側の情報は、たとえば、撮影装置10が設置された場所を特定するための情報(以下「場所特定情報」という)であり、撮影場所(設置場所)およびカテゴリの少なくとも一方を含む。カテゴリは、スポーツ、観光地などの大分類と、野球/サッカー、スカイツリー/富士山といった小分類とを含んでいてもよい。
このような場所特定情報は、通信接続確立の際に各撮影装置10から受信しており、内部メモリ29に一時記憶されている。また、各撮影装置10には、たとえば通信端末(記録装置20であってもよい)から、場所特定情報が予め登録されているものとする。各撮影装置10において、場所特定情報は、たとえばメモリ19などの記憶部に不揮発的に記憶される。なお、保存対象の映像データを撮影した撮影装置10の場所特定情報は、タッチパネル23に表示され、ユーザによる変更を受け付けてもよい。
あるいは、場所特定情報は、予め撮影装置10に登録されていなくてもよい。その場合、タッチパネル23に、撮影場所およびカテゴリを入力するための入力欄が表示され、ユーザが、操作部24を介して各欄に文字や記号を入力してもよい。このような、ユーザによる場所特定情報の設定は、初めて映像データを保存するときにのみ行われればよい(2回目以降の保存処理においては省略してよい)。
次に、記録装置20の制御部22は、ユーザ固有の情報の設定を受け付ける(S42)。具体的には、タッチパネル23に、キーワードを入力するためのコメント欄が表示され、ユーザが、操作部24を介して各欄に文字や記号を入力する。あるいは、記録装置20が音声入力部(図示せず)を有する場合、キーワードを音声で登録してもよい。
記録装置20の制御部22は、読み出された撮影装置10側の情報、および、設定されたユーザ固有の情報を付加情報として、インデックスデータに追加し、映像データを保存する(S43)。インデックスデータのデータ構造例が図25に示される。図25に示されるように、各インデックスデータには、撮影装置10aのIDと、撮影日時と、映像データのアドレスとに加え、付加情報として、撮影場所と、カテゴリと、キーワードとが含まれる。なお、撮影場所には、撮影装置10の設置状況(正面/右側面など)が含まれてもよい。
このようなインデックスデータを、格納した撮影画像ごとに関連付けて記憶させておくことで、大量に記録された撮影画像の中から、所望の映像データを容易に選び出すことが可能となる。
なお、撮影装置10の個数は3個以上であってもよい。
以上説明した実施の形態および変形例1,2においては、記録装置20においてユーザが無線撮影モードを選択した場合に、撮影装置10と記録装置20とが識別情報の送受信を行うことで接続が確立することとした。このような接続確立方法は、予め、撮影装置10と記録装置20とが対象機器として互いに登録されている場合に有効である。しかしながら、撮影装置10がユーザの所有物ではなく、企業(たとえば観光地やスポーツスタジアムのスポンサー)の所有物であるような場合には、別途、認証処理が行われることが望ましい。このような場合の対象機器設定処理(図5のS20)の例を、図26に示す。
図26を参照して、記録装置20の制御部22は、通信可能な撮影装置10を検索する(S31)。具体的には、周囲の撮影装置10の情報(たとえば位置情報など)を取得し、タッチパネル23に表示する。ユーザがたとえばスポーツスタジアムにいると仮定した場合、そのスタジアムのウェブページから通信可能な撮影装置10を検索可能である。
タッチパネル23に表示された各撮影装置10の情報に基づき、接続したい1つまたは複数の撮影装置10をユーザが選択することで、対象機器の設定処理が実行される(S32)。具体的には、記録装置20において、ユーザに事前に通知されている認証用のIDまたはパスワードを入力することで、対象機器が設定される。
このような対象機器設定が行われる場合、撮影装置10と記録装置20とが、複数対複数であってもよい。つまり、スタジアム等のイベント地に、複数の撮影装置10が設置され、訪れたユーザがそれぞれの記録装置20において、複数の撮影装置10からの映像を取得できてもよい。
なお、このように、撮影装置10が企業の所有物であるような場合、インデックスデータに含まれ得る場所特定情報は、その企業が運営するサーバから、インターネットを介して各撮影装置10に登録されてもよい。
以上説明した実施の形態では、伝送容量と伝送速度との比較結果に応じて映像データの圧縮方式を変更可能としたが、圧縮方式は可逆圧縮および非可逆圧縮のうちのいずれか一方に予め定められていてもよい。つまり、通信制御部17は圧縮方式判定部34を含まなくてもよい。
また、通信条件判定部32において判定される通信条件に、無線通信に使用するアンテナ数、帯域幅、搬送波の変調方式の種類および符号化率が含まれることとしたが、これらのうちの少なくとも1つが含まれていればよい。この場合、通信条件判定部32において判定される通信条件には、少なくとも使用する帯域幅が含まれることが望ましい。
また、本実施の形態では、送信側および受信側が有する通信アンテナの本数は、それぞれ8本である例を示したが、限定的ではなく、たとえば16本、または32本などであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B 無線撮影システム、10,10a,10b 撮影装置、11 レンズユニット、12,22 制御部、13 無線送信部、14 圧縮部、15,43 MIMO無線部、16a〜16h,44a〜44h 通信アンテナ、16m,44m 測定用アンテナ、17,46 通信制御部、18,23,47 記憶部、19,29 メモリ、20 記録装置、21 無線受信部、23 タッチパネル、24 操作部、25 表示部、26 計時部、27 ドライブ装置、28 画像格納部、31 環境解析部、32 通信条件判定部、33 映像解析部、34 圧縮方式判定部、35 通知処理部、45 伸長部。
Claims (8)
- 映像を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置から物理的に切り離され、前記撮影装置が撮影した映像を記録する記録装置とを備え、
前記撮影装置は、
レンズユニットと、
前記レンズユニットにより撮影された映像データを、前記記録装置にストリーム伝送する無線送信手段とを含み、
前記記録装置は、
前記無線送信手段から送信された映像データを無線受信する無線受信手段と、
前記無線受信手段が受信した映像データを表示する表示手段と、
前記表示手段に映像が表示された状態で、ユーザからの記録指示を受け付けるための操作手段と、
前記記録指示の入力タイミングに応じて、前記無線受信手段が受信した映像データからユーザ所望の映像データを保存するめの保存手段とを含む、無線撮影システム。 - 前記撮影装置は、通信環境を解析し、その解析結果に応じて前記記録装置との通信条件を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された通信条件を前記記録装置に通知する通知手段とをさらに含み、
前記記録装置の前記無線受信手段は、前記通知手段により通知された通信条件に基づいて、前記無線送信手段から送信された映像データを受信する、請求項1に記載の無線撮影システム。 - 前記通信条件には、無線通信に使用する帯域幅と、無線通信に使用する搬送波の変調方式の種類および符号化率とのうちの少なくとも一方が含まれ、
前記無線送信手段は、直交周波数分割多重方式によって、前記判定手段により判定された通信条件で前記記録装置に映像データを無線送信する、請求項2に記載の無線撮影システム。 - 前記撮影装置および前記記録装置は、各々、複数の通信アンテナを含み、
前記無線送信手段は、MIMO方式で映像データを送信し、
前記判定手段は、前記通信条件の一つとして、前記複数の通信アンテナのうち無線通信に使用するアンテナ数を判定する、請求項2または3に記載の無線撮影システム。 - 前記記録装置は、複数の前記撮影装置から映像データを受信し、
前記記録装置の前記保存手段は、前記撮影装置の識別情報を含むインデックスデータと関連付けて、前記映像データを保存する、請求項1〜4のいずれかに記載の無線撮影システム。 - 前記インデックスデータは、前記撮影装置の設置場所およびカテゴリの少なくとも一方をさらに含む、請求項5に記載の無線撮影システム。
- 前記撮影装置と前記記録装置との接続は、それぞれの識別情報を送受信することによって確立する、請求項1〜6のいずれかに記載の無線撮影システム。
- 記録装置との間で無線通信が可能な撮影装置であって、
映像を撮影するためのレンズユニットと、
通信環境を解析し、その解析結果に応じて前記記録装置との通信条件を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された通信条件を前記記録装置に通知する通知手段と、
前記判定手段により判定された通信条件に基づいて、前記レンズユニットにより撮影された映像データを前記記録装置にストリーム伝送する無線送信手段とを備える、撮影装置。
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