JP2017078124A - アンチブロッキング剤 - Google Patents

アンチブロッキング剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2017078124A
JP2017078124A JP2015206935A JP2015206935A JP2017078124A JP 2017078124 A JP2017078124 A JP 2017078124A JP 2015206935 A JP2015206935 A JP 2015206935A JP 2015206935 A JP2015206935 A JP 2015206935A JP 2017078124 A JP2017078124 A JP 2017078124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agent
film
alumina
particles
silica
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015206935A
Other languages
English (en)
Inventor
信秀 栗田
Nobuhide Kurita
信秀 栗田
淳任 櫻井
Atsutaka Sakurai
淳任 櫻井
尚生 魚住
Naoki Uozumi
尚生 魚住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mizusawa Industrial Chemicals Ltd filed Critical Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Priority to JP2015206935A priority Critical patent/JP2017078124A/ja
Publication of JP2017078124A publication Critical patent/JP2017078124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、延伸フィルムに用いたときに十分なアンチブロッキング性能を発揮しうるアンチブロッキング剤を提供することである。【解決手段】本発明によれば、表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子からなり、表面処理剤成分としてアミノアルキルアルコキシシランを含み、且つ、コールターカウンター法で測定した体積基準の中位径(D50)が1.9〜25.0μmであることを特徴とするアンチブロッキング剤が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、アンチブロッキング剤に関し、より詳細には、特に延伸フィルムに使用されるアンチブロッキング剤に関する。
一般に、プラスチックフィルムには、重ね合わせるとフィルム同士が密着して剥がれ難くなる(ブロッキングし易い)という性質が有るため、アンチブロッキング剤(AB剤)が配合されている。AB剤の配合により、密着したフィルム同士は剥がれ易くなる。
また、プラスチックフィルムについては、延伸操作により強度などの各種物性が向上することが知られており、延伸されたプラスチックフィルムは、例えば食品包装等の用途に広く使用されている。このような延伸フィルムにもAB剤は配合されている。
AB剤としては、非晶質のシリカ・アルミナ球状粒子が知られている。例えば、特許文献1には、P型ゼオライトをカルシウムなどの2価金属でイオン交換した後、焼成することにより得られるイオン交換ゼオライト(非晶質ゼオライト)をAB剤として使用することが提案されている。
ところで、AB剤が配合されている樹脂組成物から成形されたフィルムを延伸操作に供すると、ボイド(マトリックス樹脂からAB剤の剥離)が生じるという問題がある。このため、延伸フィルム用のAB剤としては、上記の非晶質シリカ・アルミナ系球状粒子の中でも粒径の小さいものが使用されている(平均粒径が1.8μm程度)。フィルムを延伸するに際し、大きな粒子が配合されているものほどボイドを生じやすいからである。
しかるに、粒径の小さな粒子は凝集しやすいので、樹脂に配合したときに均一に分散することが難しく、アンチブロッキング性や透明性等の性能にバラつきを生じ易く、粒径の小さなものよりも大きなものの方が好ましい。更に、アンチブロッキング性に関しては、粒径の小さな従来公知の非晶質シリカ・アルミナ系球状粒子からなるアンチブロッキング剤は、未延伸フィルム中に配合されている場合や延伸フィルムに配合されている場合も、アンチブロッキング性能は不十分である。
また、発生したボイドの大きさによっては、延伸後の巻き取り工程などにおいて、アンチブロッキング剤粒子が脱落し、機械やフィルムを汚染するなどの問題を引き起こす。
特開平2−225314号公報
従って、本発明の目的は、延伸フィルムに用いたときに十分なアンチブロッキング性能を発揮しうるアンチブロッキング剤を提供することにある。
本発明者等は、延伸フィルムに用いるアンチブロッキング剤について鋭意検討したところ、シリカ・アルミナ非晶質粒子をアミノアルキルアルコキシシランで表面処理した粒子は、粒径が大きなものであっても、延伸成形したときのボイドの発生を、粒径の小さなものと同程度かそれ以上に効果的に抑制できるという極めて予想外の事実を見出し、かかる事実にもとづいて本発明を完成させるに至った。
本発明によれば、表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子からなり、表面処理剤成分としてアミノアルキルアルコキシシランを含み、且つ、コールターカウンター法で測定した体積基準の中位径(D50)が1.9〜25.0μmであることを特徴とするアンチブロッキング剤が提供される。
本発明のアンチブロッキング剤は、前記アミノアルキルアルコキシシランを0.1〜4.0質量%の量で含んでいることが好ましい。また、本発明のアンチブロッキング剤は、延伸フィルム用に使用されることが好ましく、かかる延伸フィルムが延伸ポリオレフィンフィルムであることがより好ましい。
本発明のアンチブロッキング剤として使用する表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子は、粒径が1.9〜25.0μmの範囲にあり、従来の延伸フィルム用途に使用されているAB剤の粒径に比べて大きいものである。にもかかわらず、後述の実施例で示されているように、本発明アンチブロッキング剤を用いた樹脂組成物から得られる延伸フィルムにおいては、ボイドの発生が有効に抑制されている。また、この延伸フィルムは、配合されているアンチブロッキング剤の粒径が大きいことから、当然、アンチブロッキング性能にも優れている。
延伸フィルムからのAB剤剥離評価(ボイド数)の図である。
本発明の表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子は、シリカ・アルミナ非晶質粒子を、アミノアルキルアルコキシシランで表面処理したものであり、その粒径が1.9〜25.0μmと比較的大きい点に特徴を有している。
<表面処理剤(アミノアルキルアルコキシシラン)>
アミノアルキルアルコキシシラン(以下、単にアミノシランと略すことがある)は、メタクリルシラン等の従来公知のシランカップリング剤に比べて安価に入手でき、且つ、アンチブロッキング性、透明性、滑り性等の各性能を向上させることができるものであり、下記の式(1)で表される。
−Si(R)(OR)4−n−m (1)
式中、
nは、1〜3の整数であり、
mは、0〜2の整数であり、
Rは、メチル基、エチル基もしくはイソプロピル基であり、
Xは、アミノアルキル基であり、該アミノ基は、アルキル基やフェニル基等の置換
基を有していてもよく、該置換基は、さらにアミノ基を有していてもよく、
X及びRが複数存在するとき、複数のX及びRは互いに異なっていてもよい。
アミノシランの具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などが挙げられる。これらの中でも、特に3−アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)が好適である。
本発明において、シリカ・アルミナ非晶質粒子は、上述のアミノシランにより表面処理されるのであるが、その処理量は、未処理のシリカ・アルミナ非晶質粒子100質量部あたり0.1〜4.2質量部とすることが好ましく、0.2〜3.0質量部とすることがより好ましい。このようにして得られた表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子は、未反応シランの含有量が3mg/kg以下に抑制されている。表面処理量が少なすぎると、得られた表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子を樹脂に分散したときに均一分散が困難となり、アンチブロッキング性をはじめとする各性能の発現が不安定となる虞がある。表面処理量が多すぎると、粒子同士が凝集しやすくなり、やはり各種性能の発現が不安定となる虞がある。加えて、粒径を一定の範囲(1.9〜25.0μm)に調整することが困難となることもある。
上記のアミノシランを用いての表面処理は、乾式法、スラリー法、スプレー法等の公知の手法を用いて容易に行うことができるが、未反応シランの量を抑制するために、乾式法で表面処理を行うことが好適である。乾式法は、例えば、未処理の非晶質シリカと所定量のアミノシランとをスーパーミキサー等の乾式混合機を用いて100〜150℃程度の加熱下で混合することにより容易に行うことができる。反応の終点は、エタノール等のアルコール蒸気の生成が停止することで確認できる。アルコール蒸気の生成は、時計皿等の表面が曇ることで認識される。
<シリカ・アルミナ非晶質粒子>
本発明において、表面処理されるシリカ・アルミナ非晶質粒子(未処理シリカ・アルミナ非晶質粒子)としては、アンチブロッキング性を発現しうるものであれば公知のものを特に制限なく使用することができる。
未処理シリカ・アルミナ非晶質粒子の大きさとしては、最終的に得られる表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子の粒径が後述の範囲(1.9〜25.0μm)となるように適宜決定すればよいが、一般的には、コールターカウンター法で測定した体積基準の中位径(D50)が1.9〜20.0μmの粒径であることが好ましい。
前述のとおり、未処理シリカ・アルミナ非晶質粒子としては、公知のものを何ら制限なく使用することができるが、十分なアンチブロッキング性を発現させるという観点および非晶質化により吸湿性が抑えられているという観点から、P型ゼオライトをイオン交換および焼成して得られる非晶質粒子(以下、これを「P型ゼオライト非晶質粒子」と呼ぶことがある。)が最適である。
P型ゼオライトは、特有のX線回折像を有し且つ個々の粒子が全体として明確な球状形状と梨子状の表面とを有する。P型ゼオライトは、ケイ酸ナトリウムまたは活性ケイ酸ゲル、シリカゾル、メタカオリン、アルミン酸ナトリウム、アルミナゾル及び水酸化ナトリウムを、下記の配合条件を満足するように混合してアルミノケイ酸アルカリのゲルを生成させ、このゲルを均質化した後、80〜200度の温度で常圧もしくは水熱条件下で結晶化を行うことにより製造される。
配合条件(モル比)
NaO/SiO:0.2〜8(好ましくは0.5〜1.0)
SiO/Al:3〜20(好ましくは3.5〜6)
O/NaO:20〜200(好ましくは30〜120)
生成したP型ゼオライトの化学組成の一例を示すと次の通りである。
kNaO・pSiO・Al・q′H
式中、
kは1.1±0.2の数であり、pは4±1.5の数であり、q′は1.0以下
の数である。
P型ゼオライトは、水洗し、更に所定の粒度への分級操作を行った後、次のイオン交換処理工程に供される。イオン交換に用いる2価金属としては、周期律表第II族金属であるCa,Mg,Zn,BaまたはSrが、白色性の点で有利に使用されるが、それ以外にCu,Sn,Fe,Ni,Cr等の他の金属を用いることもできる。イオン交換は、これらの金属の水溶性塩、例えば塩化物、硝酸塩、硫酸塩等の水溶液を使用し、金属塩溶液とP型ゼオライトとを接触させることにより行われる。イオン交換処理には、金属塩水溶液とP型ゼオライトとを水性スラリーの状態で攪拌処理する方法や、P型ゼオライトを固定床又は流動床で金属塩水溶液と接触させる方法が採用される。この接触は一段式でも多段式でも行われ、また連続式にも回分式にも行われる。
イオン交換の条件は、P型ゼオライト中のNaO分の少なくとも10モル%以上、特に30モル%以上がMO(Mは2価金属である)で置換されるものである。このために、処理系における金属塩溶液では、P型ゼオライト中のNaO分当り0.5モル倍以上、特に0.8モル倍以上の金属塩を使用する。P型ゼオライトは、一般に初期濃度が10〜40重量%、特に20〜50重量%の塩水溶液と接触させるのがよい。接触時の温度は20〜100℃、特に30〜70℃の範囲が好適であり、当然のことながら、高温の方が、交換処理が短縮される。接触時間は、温度や交換率によっても相違するが、0.5〜3時間がよい。
上記のようにして金属塩溶液とP型ゼオライトとを接触させた後、得られたイオン交換P型ゼオライトを固−液分離し、水洗し必要により乾燥或いは解砕等を行い、次の焼成工程を行う。
焼成工程では、イオン交換後のP型ゼオライトを焼成する。焼成条件は、イオン交換P型ゼオライトが実質上非晶質化する程度に設定すればよい。具体的には、焼成温度は、交換率や金属種によっても相違するが、水分をより効率よく飛ばす観点および生産性向上の観点から、450〜850℃、特に600〜800℃が好ましい。非晶質化のための焼成は、固定床、移動床或いは流動床で行うことができる。処理時間は0.5〜5時間で十分である。
焼成後のP型ゼオライトを、解砕乃至粉砕し、必要により分級することで、原料として最適な、P型ゼオライト非晶質粒子が得られる。P型ゼオライト非晶質粒子の特徴は、特許文献1に開示されている通りであり、即ち、粒子全体が球状形状であり、表面はギザギザしており、低い吸湿性を示す。
P型ゼオライト非晶質粒子等の未処理シリカ・アルミナ非晶質粒子は、前述のアミノシランによる表面処理に供されて本発明のアンチブロッキング剤(表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子)になるのであるが、表面処理直前の段階で、コールターカウンター法で測定した体積基準の中位径(D50)が1.9〜20.0μmであることが好ましく、2.0〜8.0μmであることがより好ましく、2.0〜5.3μmの範囲にあることが更に好ましい。表面処理直前の未処理シリカ・アルミナ非晶質粒子の粒径が上記範囲にあると、表面処理により粒径が大きくなったとしても、後述の数値範囲(1.9〜25.0μm)内の粒径を有する表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子が得られるからである。
<アンチブロッキング剤>
上記のようにして得られた本発明のAB剤(表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子)は、コールターカウンター法で測定した体積基準の中位径(D50)が1.9〜25.0μmの範囲内にある。表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子の粒径がこのような範囲にあると、粒子同士の凝集を防ぐことができるので、延伸フィルムにおけるボイドの発生を有効に抑制する。更に、粒径が大きいことに起因して、本発明における表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子は、アンチブロッキング性等の各性能を効果的に発揮することができる。更にまた、表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子の粒径が大きすぎると、耐傷付き性が損なわれる傾向にあるが、上記範囲内であれば良好な耐傷つき性が得られるという利点もある。
後述する実施例で確認されているように、上述の効果は粒径が大きいほど顕著になる傾向にあることから、表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子の粒径は、1.9〜25.0μmの範囲にあることが好ましく、2.0〜8.0μmの範囲にあることが特に好ましく、2.0〜5.5μmの範囲にあることが更に好ましい。
本発明のアンチブロッキング剤は、表面処理剤として上述のアミノシランを0.1〜4.0質量%含んでいることが好ましく、0.2〜3.0質量%含んでいることがより好ましい。アミノシラン量が少なすぎるということは、表面処理が不十分であることを意味しているので、アンチブロッキング剤として樹脂に分散したときに均一分散が困難となり、アンチブロッキング性をはじめとする各性能の発現が不安定となる虞がある。アミノシラン量が多すぎるということは、表面処理が過多であることを意味しているので、粒子同士が凝集しやすくなり、やはり各種性能の発現が不安定となる虞がある。
また、本発明のアンチブロッキング剤は、未反応シランの含有量が3mg/kg以下に抑制されている。このため、表面処理剤(アミノアルキルアコキシシラン)が環境に与える影響も無視することができ、従ってこのアンチブロッキング剤が配合されたフィルムは用途に制限を受けず、例えば食品用包装材としての用途にも何ら制限無く使用することができるという利点がある。
かかる特徴を有する本発明のアンチブロッキング剤は、樹脂組成物の調製に供され、得られた樹脂組成物からは、フィルムなどの種々の物品が成形される。最終成形品をフィルムとする場合、かかるフィルムは公知の用途に幅広く適用することができる。
樹脂組成物は、従来公知の方法により調製すればよく、例えば、本発明のアンチブロッキング剤を直接溶融基材樹脂中に混合してもよく、或いは、本発明のアンチブロッキング剤を基材樹脂中に配合したマスターバッチを調製し、このマスターバッチを更に基材樹脂に配合(即ち、基材樹脂による希釈)してもよい。
基材樹脂としては、熱可塑性樹脂等、フィルムの成形に使用されている従来公知のものを何ら制限なく使用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル;6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド;塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の塩素含有樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン類;ポリアセタール等が挙げられるが、ボイド発生の問題が特に顕著に確認されているため本発明の効果を最大限に発揮することができるという観点から、ポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。
樹脂組成物におけるアンチブロッキング剤の使用量は、最終成形品の種類等に応じて適宜決定すればよいが、一般的には、樹脂組成物100質量部当り0.01〜5質量部、特に0.05〜0.6質量部である。
最終成形品をフィルムとする場合、本発明のアンチブロッキング剤を直接あるいはマスターバッチの状態で、基材樹脂と溶融混合し、得られた樹脂組成物を用いて、用途に応じてフィルム成形を行い、目的とするフィルムを得ることができる。溶融混合は、それ自体公知の方法で行えばよく、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、バンバリミキサー、リボンブレンダー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機により行えばよい。フィルムの成形は、それ自体公知の方法により行えばよく、例えば、樹脂組成物を押出機で溶融混練した後、ダイを通して押し出し、インフレーション製膜法、T−ダイ法等により行うことができる。
また、フィルムには、それ自体公知の各種の添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、滑剤などが配合されていてもよく、このような添加剤は、マスターバッチ中に配合することもできるし、フィルム成形時に希釈用の基材樹脂と共に配合することもできる。
かかるフィルムは、本発明の効果を最大限に発揮することができるという観点から、一軸或いは二軸延伸されていることが好ましく、二軸延伸されていることが特に好ましい。また、延伸倍率は、要求するフィルム物性により、任意に変えられる。ボイドは、一般に、厳しい延伸を行う場合に発生しやすいため、ボイドの発生を有効に抑制するという本発明の効果が顕著に発揮される。例えば、後述の実験例に示されているように、本発明のフィルムが6×6倍で二軸延伸したものである場合のボイド個数は22〜62個/mmであり、フィルム観察面積に対するボイド面積割合は0.10〜0.30%であるので、小粒径の表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子を配合した場合に比べて著しく少ない。
フィルムは、単層構造であってもよいが、本発明の効果を損なわない限りにおいて、少なくとも一方の表面が本発明のAB剤が配合された樹脂組成物から形成されており、さらに他の層を有している積層構造であってもよい。
本発明を次の実験例により更に説明する。なお、各種物性は、以下の方法で測定した。
(1)未反応シランの含有量分析
試料約3gをジクロロメタン30mLで5時間撹拌して抽出を行った。抽出液を下記条件でガスクロマトグラフ/質量分析(GC/MS)測定し、抽出可能な未反応シランの残存量(含有量)を定量した。なお、単位はmg/kgフィラーであるが、明細書ではmg/kgと表記している。
GC/MS分析条件
装置:サーモサイエンティフィック社製 TRACE DSQ
カラム:Rtx―5Amine(30m×0.25mm×0.25μm)
注入モード:スプリット(スプリット比10:1)
カラム流量:1.0mL/min
GC温度条件
注入口:250℃
昇温条件:50℃〜280℃
MSインターフェース:280℃
MS条件
イオン源温度:250℃
イオン化電圧:70eV
測定モード:SIM
定量イオン:163m/z
(2)嵩密度
JIS.K.6220−1 7.7:2001に準拠して測定した。
(3)中位径(D50
200mlビーカーに試料0.5gを計り取り、これに脱イオン水150mlを加えて撹拌下、実験例1、2、4と5は超音波で2分間分散させ、実験例3と6は超音波で3分間分散させた。この分散液をコールターカウンター(Beckman Coulter Multisizer3)アパーチャーチューブ50μmを使用し、体積基準の中位径(D50)を測定した。
(4)吸油量
JIS.K.5101−13−1:2004に準拠して測定した。
(5)水分
JIS.K.5101−15−1:2004を参照し、250℃x2時間の減量を測定した。
(比較例1)
特開平2−225314の実施例4試料No.4−1に記載の方法で得た体積基準の中位径(D50)が1.8μmの非晶質シリカ・アルミナ系球状粒子Aを使用した。
(比較例2)
カワタ(株)製スーパーミキサーSMV−20に非晶質シリカ・アルミナ系球状粒子Aを110℃乾燥ベースで3.0kg投入し撹拌した。撹拌中にシランカップリング剤である3−アミノプロピルトリエトキシシラン(表面処理剤A)を90g滴下し,140℃まで加熱した。排気口に時計皿をかざした時に揮発分であるエタノールによって曇らなくなるまで撹拌し、表面処理非晶質シリカ・アルミナ系球状粒子A−30を得た。
(比較例3)
特開平2−225314の実施例に記載の方法を参考にし、焼成温度700℃にて得られた、体積基準の中位径(D50)が2.1μmのP型ゼオライト非晶質粒子からなるシリカ・アルミナ非晶質粒子Bを使用した。
(比較例4)
特開平2−225314の実施例に記載の方法を参考にし、焼成温度750℃にて得られた、体積基準の中位径(D50)が2.9μmのP型ゼオライト非晶質粒子からなるシリカ・アルミナ非晶質粒子Cを使用した。
(実施例1)
非晶質シリカ・アルミナ系球状粒子Aをシリカ・アルミナ非晶質粒子Bに、また、表面処理剤Aの量を15gに変更した以外は、比較例2と同様にして表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子B−05を得た。
(実施例2)
表面処理剤Aの量を60gに変更した以外は、実施例1と同様にして表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子B−20を得た。
(実施例3)
表面処理剤Aの量を90gに変更した以外は、実施例1と同様にして表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子B−30を得た。
(実施例4)
非晶質シリカ・アルミナ系球状粒子Aをシリカ・アルミナ非晶質粒子Cに、また、表面処理剤Aの量を15gに変更した以外は、比較例2と同様にして表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子C−05を得た。
(実施例5)
表面処理剤Aの量を90gに変更した以外は、実施例4と同様にして表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子C−30を得た。
得られた粒子について物性測定をそれぞれ行い、結果を表1に示した。
<アンチブロッキング剤(AB剤)としての評価>
ポリプロピレン樹脂(ランダムPP、MFR=7g/10分)100質量部あたり、2質量部になるように各AB剤を添加し、二軸押出機(φ26mm)を用いて230℃溶融混合し、トータル押出量2.7kg/hrで押出し、マスターバッチ(MB)を得た。尚、AB剤以外の成分は添加していない。
このマスターバッチに、上記ポリプロピレン樹脂を溶融混合して、ポリプロピレン100質量部あたりのアンチブロッキング剤の配合量が0.2質量部となるようにし、Tダイフィルム製造装置を使用して370〜390μm厚のPPシートを作製した。次いで、東洋製機製二軸延伸装置EX−10Bを用いて延伸スピード26m/min、延伸温度127℃で、縦×横=6×6倍で同時延伸を行い、約11μm厚の単層BOPPフィルムを作製した。作製したBOPPフィルムについて、以下の評価を行った。その評価結果を表2に示した。
(6)ブロッキング力
ISO 11502−1995 method Bに準拠した方法でフィルムのブロッキング力を測定した。フィルム同士の熱圧着条件は、6kgf/100cm、60℃、3日間とした。測定装置は島津製作所製オートグラフ AGSH20Nを用いた。
(7)ボイド個数、ボイド面積割合の評価
菱化システム社製表面粗さ計VertScan2.0を用いて観察範囲630μm×470μmのフィルム表面形状を観察した。凹凸の無い平滑な面を基準とし、深さ0.25μm以上、平滑面での面積5μm以上の凹みをボイドと規定し、その個数(個/mm)及び観察面積に対するボイド面積割合(%)を計測した。
(8)耐傷付き性の評価
東洋精機製摩擦測定機TR−2を用いて作成したフィルム同士を用いて擦り合わせ、傷付き前後のHazeを測定し、その差ΔHazeを耐傷付き性の指標とした。ΔHazeが小さいほど耐傷付き性に優れる。
BOPPフィルムの評価結果を表2に示した。

Claims (4)

  1. 表面処理シリカ・アルミナ非晶質粒子からなり、表面処理剤成分としてアミノアルキルアルコキシシランを含み、且つ、コールターカウンター法で測定した体積基準の中位径(D50)が1.9〜25.0μmであることを特徴とするアンチブロッキング剤。
  2. 前記アミノアルキルアルコキシシランを0.1〜4.0質量%の量で含んでいる、請求項1記載のアンチブロッキング剤。
  3. 延伸フィルム用に使用される、請求項1または2記載のアンチブロッキング剤。
  4. 前記延伸フィルムが延伸ポリオレフィンフィルムである、請求項3記載のアンチブロッキング剤。
JP2015206935A 2015-10-21 2015-10-21 アンチブロッキング剤 Pending JP2017078124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015206935A JP2017078124A (ja) 2015-10-21 2015-10-21 アンチブロッキング剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015206935A JP2017078124A (ja) 2015-10-21 2015-10-21 アンチブロッキング剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017078124A true JP2017078124A (ja) 2017-04-27

Family

ID=58666133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015206935A Pending JP2017078124A (ja) 2015-10-21 2015-10-21 アンチブロッキング剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017078124A (ja)

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63256512A (ja) * 1987-04-15 1988-10-24 Mizusawa Ind Chem Ltd 無機充填剤
JPH01156333A (ja) * 1987-12-15 1989-06-19 Ube Ind Ltd ポリアミドフィルム
JPH03139537A (ja) * 1989-10-25 1991-06-13 Mizusawa Ind Chem Ltd 新規充填剤及びその製法
JPH03153743A (ja) * 1989-11-13 1991-07-01 Nippon Chem Ind Co Ltd 樹脂添加剤及びその製造法並びに樹脂組成物
JPH05125223A (ja) * 1991-11-08 1993-05-21 Mizusawa Ind Chem Ltd ハイドロタルサイト被覆粒子、その製法及び樹脂用配合剤
JPH0617217B2 (ja) * 1989-02-28 1994-03-09 水澤化学工業株式会社 非晶質シリカ・アルミナ系球状粒子及びその製法
JP2003504441A (ja) * 1999-06-30 2003-02-04 ミネラルズ テクノロジーズ インク. 粘着防止剤組成物および製造方法
JP2006057086A (ja) * 2004-07-22 2006-03-02 Mizusawa Ind Chem Ltd 表面被覆粒子
JP2006225640A (ja) * 2005-01-21 2006-08-31 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 結晶性樹脂組成物および結晶性樹脂フィルム
JP2006241439A (ja) * 2005-02-01 2006-09-14 Ube Ind Ltd ポリアミド樹脂組成物及びそれからなるフィルム
WO2009119860A1 (ja) * 2008-03-27 2009-10-01 宇部興産株式会社 フィルム用ポリアミド樹脂組成物

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63256512A (ja) * 1987-04-15 1988-10-24 Mizusawa Ind Chem Ltd 無機充填剤
JPH01156333A (ja) * 1987-12-15 1989-06-19 Ube Ind Ltd ポリアミドフィルム
JPH0617217B2 (ja) * 1989-02-28 1994-03-09 水澤化学工業株式会社 非晶質シリカ・アルミナ系球状粒子及びその製法
JPH03139537A (ja) * 1989-10-25 1991-06-13 Mizusawa Ind Chem Ltd 新規充填剤及びその製法
JPH03153743A (ja) * 1989-11-13 1991-07-01 Nippon Chem Ind Co Ltd 樹脂添加剤及びその製造法並びに樹脂組成物
JPH05125223A (ja) * 1991-11-08 1993-05-21 Mizusawa Ind Chem Ltd ハイドロタルサイト被覆粒子、その製法及び樹脂用配合剤
JP2003504441A (ja) * 1999-06-30 2003-02-04 ミネラルズ テクノロジーズ インク. 粘着防止剤組成物および製造方法
JP2006057086A (ja) * 2004-07-22 2006-03-02 Mizusawa Ind Chem Ltd 表面被覆粒子
JP2006225640A (ja) * 2005-01-21 2006-08-31 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 結晶性樹脂組成物および結晶性樹脂フィルム
JP2006241439A (ja) * 2005-02-01 2006-09-14 Ube Ind Ltd ポリアミド樹脂組成物及びそれからなるフィルム
WO2009119860A1 (ja) * 2008-03-27 2009-10-01 宇部興産株式会社 フィルム用ポリアミド樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5937063B2 (ja) 樹脂用炭酸カルシウム填料、その製造方法、及び該填料を含む樹脂組成物
WO2009119860A1 (ja) フィルム用ポリアミド樹脂組成物
BR112014001429B1 (pt) composição de resina
JP2012214554A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP6486170B2 (ja) ポリオレフィンまたはポリエステル用アンチブロッキング剤
JP4785134B2 (ja) 電気絶縁性が改良された受酸剤、それを含む組成物およびその成形品
JP5893598B2 (ja) 熱可塑性樹脂シート及び成形体
JPH04288353A (ja) 非晶質シリカ系充填剤
JP2006241439A (ja) ポリアミド樹脂組成物及びそれからなるフィルム
Beuguel et al. Crystallization behavior of polypropylene/graphene nanoplatelets composites
WO2012052778A1 (en) Film compositions
JP2017078124A (ja) アンチブロッキング剤
WO2021186862A1 (ja) 粒状核剤、樹脂組成物およびその製造方法ならびに成形品
KR101427677B1 (ko) 파우치용 나일론 필름
JP6992319B2 (ja) 吸湿性抗菌樹脂組成物および成形体
CN108690222A (zh) 一种复合聚丙烯成核剂和由其制备的医用聚丙烯材料
WO2006038507A1 (ja) フィルム用ポリアミド樹脂成形材料およびその製造方法
Cao et al. Preparation, characterization, and properties of modified barium sulfate nanoparticles/polyethylene nanocomposites as T‐shaped copper intrauterine devices
JP7074268B2 (ja) 薄膜状成形体、及びその製造方法
JP2006131891A (ja) フィルム用ポリアミド樹脂成形材料
EP3560893A1 (en) Plate-shaped hydrotalcite with high aspect ratio, method for manufacturing same and resin composition
JP2010047703A (ja) 難燃性樹脂組成物
Liu et al. Effect of ionomer on clay dispersions in polypropylene‐layered silicate nanocomposites
EP1840168A1 (en) Crystalline resin composition and crystalline resin film
JP2833827B2 (ja) 樹脂用配合剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191112