JP2017078013A - サファイア単結晶とその製造方法 - Google Patents

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古滝 敏郎
Toshiro Furutaki
敏郎 古滝
一彦 鎌田
Kazuhiko Kamata
一彦 鎌田
弘倫 斎藤
Hirotomo Saito
弘倫 斎藤
数人 樋口
Kazuto Higuchi
数人 樋口
佐藤 次男
Tsugio Sato
次男 佐藤
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Abstract

【課題】ネックから直胴部分への移行間隔(ΔT)を確実に低減可能にすると共に、ΔTの低減を製造装置の複雑化や高コスト化を招くこと無く実現することが出来るサファイア単結晶とその製造方法の提供。
【解決手段】スリットを有するダイを坩堝に収容し、坩堝に酸化アルミニウム原料を投入して加熱、溶融して酸化アルミニウム融液を用意し、スリット上部に酸化アルミニウム融液溜まりを形成し、その酸化アルミニウム融液に種結晶を接触させ、種結晶を引き上げることで、所望の主面を有するサファイア単結晶2を種結晶からネックを介して成長させ、スリットの中心位置と種結晶の厚み中心位置を、種結晶を引き上げる方向で同軸上に設定して、サファイア単結晶2の直胴部分の幅をWとしたとき、サファイア単結晶の直胴部分の中心線SCとネックの中心線NCとのずれ量を、0.05W以下とするサファイア結晶の製造方法。
【選択図】図13

Description

本発明は、サファイア単結晶とその製造方法に関する。
従来、単結晶を成長させる方法として、チョクラルスキー(CZ:Czochralski)法、熱交換法(HEM:Heat Exchanger Method)、ベルヌイ法、エッジデファインド・フィルムフェッド・グロース(EFG:Edge-defined Film-fed Growth)法などが知られている。このうち、平板形状の単結晶を製造する方法としてはEFG法が唯一の方法として知られている。EFG法は、所定の結晶方位を有する単結晶を製造する場合に極めて利用価値が高い結晶製造方法であり、EFG法を用いて育成されたサファイア単結晶は、基板加工への工数を減らすことができるという利点があることから、青色発光素子のエピタキシャル成長基板をはじめとする様々な用途に用いられている。
EFG法を用いたサファイア単結晶の量産方法として、特許文献1が知られている。特許文献1には、幅15cm以上、厚さ0.5cm以上であり、スプレーディング(spreading)部分(特許文献1ではネックと呼称しているサファイア単結晶部分)と本体を有するサファイア単結晶が開示されている。更に、スプレーディング部分から本体部分(直胴部分)への移行が、本体の側面のそれぞれ第一および第二の移行点によって規定され、サファイア単結晶の長さ方向(直胴長さの方向)に投影された該移行点間の間隔ΔTが、4.0cm以下であることを特徴とするサファイア単結晶が開示されている。
特表2007−532458号公報
しかしながら、前記特許文献1記載の製造方法によりサファイア単結晶を実際に本出願人が製造し、作製したサファイア単結晶を検証したところ、ΔTを4.0cm以下に収めることが困難であることが判明した。より詳述すると、特許文献1記載の製造方法では融液(メルト:melt)の温度勾配を調整することによってΔTの低減を図っているが、融液の温度勾配の調整だけではΔTを確実に低減することが困難であることが分かった。
特許文献1では幅が15cm以上という大型のサファイア単結晶の製造を対象にしており、且つ融液の温度勾配の調整をダイの長さ方向に沿って調整している。しかし、成長形成するサファイア単結晶が大型になるほど坩堝も大型化し、ダイの長さ方向も長大になるため、ダイの長さ方向に沿った温度勾配の調整が困難になることが、本出願人が検証した結果により、判明した。
このような要因が有るにも関わらず、ΔTの低減をダイの長さ方向に沿った温度勾配の調整のみで行おうとすると、温度勾配の調整のために製造装置が複雑化し、高コスト化を招いてしまう。特に特許文献1開示のような、幅が15cm以上と云う大型のサファイア単結晶になるほど、製造装置の複雑化や高コスト化に拍車が掛かってしまう。実際に特許文献1では、ダイの長さ方向での温度勾配を動的に調整する勾配微調整(trim)システムを備えると共に、静的に調整する熱シールドやシールド・アセンブリも備えていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ΔTを確実に低減可能になると共に、ΔTの低減を製造装置の複雑化や高コスト化を招くこと無く実現することが出来るサファイア単結晶とその製造方法の提供を目的とする。
前記課題は、以下の本発明により解決される。即ち、
(1)本発明のサファイア単結晶は、ネックを介して形成されており、サファイア単結晶の直胴部分の幅をWとしたとき、サファイア単結晶の直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量が、0.05W以下であることを特徴とする。
(2)本発明のサファイア単結晶の一実施形態は、直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量が、0.0Wであることが好ましい。
(3)本発明のサファイア単結晶の他の実施形態は、サファイア単結晶の厚みtの変動が、直胴部分の全面において0.10t以下であることが好ましい。
(4)本発明のサファイア単結晶の他の実施形態は、幅Wが1.0cm以上26.0cm以下であることが好ましい。
(5)本発明のサファイア単結晶の他の実施形態は、幅Wが1.0cm以上26.0cm以下であり、サファイア単結晶の厚みtが0.05cm以上1.5cm以下であることが好ましい。
(6)本発明のサファイア単結晶の他の実施形態は、幅Wが15.0cm以上26.0cm以下であることが好ましい。
(7)本発明のサファイア単結晶の他の実施形態は、サファイア単結晶の長さLが、幅Wよりも小さいことが好ましい。
(8)本発明のサファイア単結晶の他の実施形態は、サファイア単結晶が複数形成され、各々のサファイア単結晶がネックを介して成長されており、サファイア単結晶の数nが、n≧2であることが好ましい。
(9)本発明のサファイア単結晶の他の実施形態は、サファイア単結晶の厚みtのサファイア単結晶間でのばらつきが、0.10t以下であることが好ましい。
(10)また、本発明のサファイア単結晶の製造方法は、スリットを有するダイを坩堝に収容し、坩堝に酸化アルミニウム原料を投入して加熱し、酸化アルミニウム原料を坩堝内で溶融して酸化アルミニウム融液を用意し、スリットを介してスリット上部に酸化アルミニウム融液溜まりを形成し、そのスリット上部の酸化アルミニウム融液に種結晶を接触させ、種結晶を引き上げることで、所望の主面を有するサファイア単結晶を種結晶からネックを介して成長させ、ダイの幅の中心位置と種結晶の厚み中心位置を、種結晶を引き上げる方向で同軸上に設定して、サファイア単結晶の直胴部分の幅をWとしたとき、サファイア単結晶の直胴部分の中心線とネックの中心線とのずれ量を、0.05W以下とすることを特徴とする。
(11)本発明のサファイア単結晶の製造方法の一実施形態は、直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量を、0.0Wとすることが好ましい。
(12)本発明のサファイア単結晶の製造方法の他の実施形態は、種結晶の厚みを0.2cm以上に設定することが好ましい。
(13)本発明のサファイア単結晶の製造方法の他の実施形態は、ダイの幅の中心位置に切り欠き部が形成されていることが好ましい。
(14)本発明のサファイア単結晶の製造方法の他の実施形態は、サファイア単結晶の厚みtの変動を、直胴部分の全面において0.10t以下とすることが好ましい。
(15)本発明のサファイア単結晶の製造方法の他の実施形態は、幅Wを1.0cm以上26.0cm以下とすることが好ましい。
(16)本発明のサファイア単結晶の製造方法の他の実施形態は、幅Wを1.0cm以上26.0cm以下とし、サファイア単結晶の厚みtを0.05cm以上1.5cm以下とすることが好ましい。
(17)本発明のサファイア単結晶の製造方法の他の実施形態は、幅Wが15.0cm以上26.0cm以下であることが好ましい。
(18)本発明のサファイア単結晶の製造方法の他の実施形態は、サファイア単結晶の長さLを、幅Wよりも小さくしてサファイア単結晶を成長させることが好ましい。
(19)本発明のサファイア単結晶の製造方法の他の実施形態は、種結晶から複数のサファイア単結晶を各々、ネックを介して成長させており、サファイア単結晶の数nを、n≧2とすることが好ましい。
(20)本発明のサファイア単結晶の製造方法の他の実施形態は、サファイア単結晶の厚みtの前記サファイア単結晶間でのばらつきを、0.10t以下とすることが好ましい。
本発明のサファイア単結晶及びその製造方法に依れば、サファイア単結晶の直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量を、0.05W以下に抑えている(但しWは、サファイア単結晶の直胴部分の幅である)。従って、サファイア単結晶のネックを中心とした左右に亘るスプレーディング速度のばらつきを低減することが可能となり、ΔTを低減することが可能となる。従って、スプレーディング部分から直胴部分への移行に関して、ΔTを低減して、略対称なスプレーディング部分を形成することが可能となる。従って、直胴部分の面積を十分に確保することが可能となり、サファイア単結晶の量産性と結晶品質を向上させることが出来る。更に、サファイア基板の量産性も向上させることが可能となる。また、スプレーディング速度のばらつきが抑えられることで、直胴部分の幅や結晶品質に対する問題を解決することが可能となった。
更に本発明ではΔT値の低減を、サファイア単結晶の直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量の管理により行っているので、従来の製造方法及びサファイア単結晶に比べて、ΔT値をより確実に低減することが可能となる。更に、ΔT値の低減を前記ずれ量の管理で行うことが出来るので、従来のような温度勾配の調整に伴う製造装置の複雑化を防止して、より低コストでΔT値の低減を達成することが出来る。従って、ΔTを確実に低減することが可能になると共に、ΔTの低減を製造装置の複雑化や高コスト化を招くこと無く実現することが出来る。
EFG法によるサファイア単結晶の製造装置を示す概略構成図である。 (a)本発明の実施形態に係るダイの一例を模式的に示す平面図である。(b)同図(a)の正面図である。(c)同図(a)の側面図である。 (a)本発明の実施形態に係る種結晶の一例を示す説明図である。(b)本発明の実施形態に係る種結晶の他の例を示す説明図である。(c)本発明の実施形態に係る種結晶の更に他の例を示す説明図である。 本発明の実施形態における種結晶と仕切り板との位置関係を模式的に示す斜視図である。 (a)本発明の実施形態における種結晶と仕切り板との位置関係を模式的に示す正面図である。(b)本発明の実施形態における、種結晶の一部を溶融する様子を示す正面図である。 本発明の実施形態におけるネックが成長する様子を模式的に示す斜視図である。 (a)本発明の実施形態に係る種結晶において、下辺が櫛歯形状の種結晶を示す説明図である。(b)本発明の実施形態に係る種結晶において、下辺が鋸形形状の種結晶を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るサファイア単結晶のスプレーディング工程を模式的に示す斜視図である。 EFG法により得られる、複数のサファイア単結晶を部分的且つ模式的に示す斜視図である。 本発明の実施形態の変更例における、種結晶と仕切り板との位置関係を模式的に示す斜視図である。 (a)本発明の実施形態の変更例に係る種結晶の正面図である。(b)同図(a)の平面図である。(c)同図(a)の側面図である。 (a)図11の種結晶を用いて育成されたサファイア単結晶の底面図である。 (b)同図(a)の正面図である。(c)同図(a)の側面図である。 サファイア単結晶の直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量を模式的に示す平面図である。 長さが、直胴部分の幅よりも小さいサファイア単結晶を模式的に示す平面図である。
本実施の形態の第一の特徴は、サファイア単結晶はネックを介して形成されており、サファイア単結晶の直胴部分の幅をWとしたとき、サファイア単結晶の直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量が、0.05W以下であるとした。
第二の特徴は、スリットを有するダイを坩堝に収容し、坩堝に酸化アルミニウム原料を投入して加熱し、酸化アルミニウム原料を坩堝内で溶融して酸化アルミニウム融液を用意し、スリットを介してスリット上部に酸化アルミニウム融液溜まりを形成し、そのスリット上部の酸化アルミニウム融液に種結晶を接触させ、種結晶を引き上げることで、所望の主面を有するサファイア単結晶を種結晶からネックを介して成長させ、ダイの幅の中心位置と種結晶の厚み中心位置を、種結晶を引き上げる方向で同軸上に設定して、サファイア単結晶の直胴部分の幅をWとしたとき、サファイア単結晶の直胴部分の中心線とネックの中心線とのずれ量を、0.05W以下とした。
これらの構成に依れば、サファイア単結晶のネックを中心とした左右に亘るスプレーディング速度のばらつきを低減することが可能となり、ΔTを低減することが可能となる。従って、スプレーディング部分から直胴部分への移行に関して、ΔTを低減して、略対称なスプレーディング部分を形成することが可能となる。従って、直胴部分の面積を十分に確保することが可能となり、サファイア単結晶の量産性と結晶品質を向上させることが出来る。更に、サファイア基板の量産性も向上させることが可能となる。また、スプレーディング速度のばらつきが抑えられることで、直胴部分の幅や結晶品質に対する問題を解決することが可能となった。
更にΔT値の低減を、サファイア単結晶の直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量の管理により行っているので、ΔT値をより確実に低減することが可能となる。更に、ΔT値の低減を前記ずれ量の管理で行うことが出来るので製造装置の複雑化を防止して、より低コストでΔT値の低減を達成することが出来る。従って、ΔTを確実に低減することが可能になると共に、ΔTの低減を製造装置の複雑化や高コスト化を招くこと無く実現することが出来る。
第三の特徴は、直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量が、0.0Wの点である。この構成に依れば、より確実にΔTを低減することが可能となる。
第四の特徴は、サファイア単結晶の厚みtの変動が、直胴部分の全面において0.10t以下の点である。また第五の特徴は、サファイア単結晶の厚みtのサファイア単結晶間でのばらつきが、0.10t以下の点である。これらの構成に依れば、サファイア単結晶の量産性を更に向上させることが可能となる。
第六の特徴は、幅Wが1.0cm以上26.0cm以下であると云う点である。この構成に依れば、0.5インチ未満の極小サイズから、約10インチの大径サイズに至るまで、様々なサイズのサファイア単結晶の製造に対応可能である。
第七の特徴は、幅Wが1.0cm以上26.0cm以下であり、サファイア単結晶の厚みtが0.05cm以上1.5cm以下であると云う点である。この構成に依れば、0.5インチ未満の極小サイズから、約10インチの大径サイズに至るまで、様々なサイズのサファイア単結晶の製造に対応可能である。更に、サファイア単結晶自身の強度と自立性を確保出来ると共に、サファイア単結晶をサファイア基板に加工する場合でも、十分な加工代を確保することが出来る。更に、結晶品質に優れたサファイア単結晶を得ることが可能となる。
第八の特徴は、幅Wが15.0cm以上26.0cm以下であると云う点である。この構成に依れば、ΔTを4.0cm以下に低減することが可能となる。
第九の特徴は、サファイア単結晶の長さLが、幅Wよりも小さい点である。この構成に依れば、スプレーディング部分もサファイア基板の切り抜き部分として利用することが可能となる。従って、より短い長さLのサファイア単結晶でサファイア基板の切り抜き枚数を確保することが出来る為、サファイア基板の量産性を向上出来ると共に、長さLをより短くすることが出来るので、サファイア単結晶の成長時間も短縮して量産性を更に向上させることが可能となる。
第十の特徴は、サファイア単結晶が複数形成され、各々のサファイア単結晶がネックを介して成長されており、サファイア単結晶の数nが、n≧2である点である。この構成に依れば、量産性を向上させることが可能となる。
第十一の特徴は、種結晶の厚みを0.2cm以上に設定する点である。この構成に依れば、サファイア単結晶の引き上げ時に於ける種結晶の変形が防止され、育成成長されるサファイア単結晶の主面と、種結晶の結晶面間の結晶軸方向のずれ角を抑制することが可能となる。更に坩堝の高温条件下でも種結晶の強度が保たれると共に、育成成長される各サファイア単結晶の重量に加えて種結晶自体の自重による種結晶の変形が防止可能となり、前記結晶軸方向のずれ角抑制の効果を得ることが出来る。
更に種結晶の変形が防止されることにより、引き上げるサファイア単結晶の枚数が増加しても、ダイの幅の中心位置と種結晶の厚み中心位置の位置決めの正確性を向上させることが可能となる。従って、より確実に直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量を0.05W以下に抑えて、ΔTを低減することが可能となる。
更に種結晶の形状及びその剛性によって、各サファイア単結晶間での主面の結晶軸のずれ角を0.5°以下の範囲内に収めることが出来る。より具体的には、結晶育成の引き上げ進行に伴って増加していくサファイア単結晶の重量に対して種結晶の変形を防止し、種結晶の結晶面と、サファイア単結晶の主面での結晶面との間で生じる結晶軸方向のずれ角を、0.5°以下に収まる種結晶の形状を設定している。これにより、サファイア単結晶毎における結晶軸のずれ角の補正に必要な研磨量を、サファイア単結晶の厚み方向において1.5mm程度に収めることが可能となる。この為、半導体用基板としての加工性向上という効果も有する。
第十二の特徴は、ダイの幅の中心位置に切り欠き部が形成されている点である。この構成に依れば、ダイの幅の中心位置と種結晶の厚み中心位置の位置決めが容易となる。
以下に、本発明の実施形態に係る複数のサファイア単結晶及びその製造方法について、図1から図10を参照しながら説明する。
図1に示すように、サファイア単結晶の製造装置1は、サファイア単結晶2を育成する育成容器3と、育成したサファイア単結晶2を引き上げる引き上げ容器4とから構成され、EFG(Edge-defined Film-fed Growth)法によりサファイア単結晶2を育成成長する。
育成容器3は、坩堝5、坩堝駆動部6、ヒータ7、電極8、ダイ9、及び断熱材10を備える。坩堝5はモリブデン製であり、酸化アルミニウム原料を溶融する。坩堝駆動部6は、坩堝5をその鉛直方向を軸として回転させる。ヒータ7は坩堝5を加熱する。また、電極8はヒータ7を通電する。ダイ9は坩堝5内に設置され、サファイア単結晶2を引き上げる際の酸化アルミニウム融液(以下、必要に応じて単に「融液」と表記)21の液面形状を決定する。また断熱材10は、坩堝5とヒータ7とダイ9を取り囲んでいる。
更に育成容器3は、雰囲気ガス導入口11と排気口12を備える。雰囲気ガス導入口11は、雰囲気ガスとして例えばアルゴンガスを育成容器3内に導入するための導入口であり、坩堝5やヒータ7、及びダイ9の酸化消耗を防止する。一方、排気口12は育成容器3内を排気するために備えられる。
引き上げ容器4は、シャフト13、シャフト駆動部14、ゲートバルブ15、及び基板出入口16を備え、種結晶17から育成成長した複数の平板形状のサファイア単結晶2を引き上げる。シャフト13は種結晶17を保持する。またシャフト駆動部14は、シャフト13を坩堝5に向けて昇降させると共に、その昇降方向を軸としてシャフト13を回転させる。ゲートバルブ15は育成容器3と引き上げ容器4とを仕切る。また基板出入口16は、種結晶17を出し入れする。
なお製造装置1は図示されない制御部も有しており、この制御部により坩堝駆動部6及びシャフト駆動部14の回転を制御する。
次に、ダイ9について説明する。ダイ9はモリブデン製であり、図2に示すように多数の仕切り板18を有する。図2ではダイの一例として、仕切り板18が30枚であり、ダイ9が15個形成されている場合を示している。仕切り板18は同一の平板形状を有し、微小間隙(スリット)19を形成するように互いに平行に配置されて、1つのダイ9を形成している。スリット19は、ダイ9のほぼ全幅に亘って設けられる。また複数のダイ9は同一形状を有すると共に、その長手方向が互いに平行となるように所定の間隔で並列に配置されているため、複数のスリット19が設けられることとなる。各仕切り板18の上部は斜面30が形成されており、互いの斜面30が向かい合わせで配置されることで、鋭角の開口部20が形成されている。またスリット19は融液21を毛細管現象によって、各ダイ9の下端から開口部20に上昇させる役割を有している。
坩堝5内に投入される酸化アルミニウム原料は、坩堝5の温度上昇に基づいて溶融(原料メルト)し、融液21となる。この融液21の一部は、ダイ9のスリット19に侵入し、前記のように毛細管現象に基づいてスリット19内を上昇し開口部20から露出して、開口部20で酸化アルミニウム融液溜まり22が形成される(図5(a)参照)。EFG法では、酸化アルミニウム融液溜まり(以下、必要に応じて「融液溜まり」と表記)22で形成される融液面の形状に従って、サファイア単結晶2が成長する。図2に示したダイ9では、融液面の形状は細長い長方形となるので、平板形状のサファイア単結晶2が製造される。
次に、種結晶17について説明する。図1、図4、及び図5に示すように本実施形態では、種結晶17として平板形状の基板を用い、更にc軸が主面(結晶面28と直交する面)の面方向に沿って水平なサファイア単結晶製の基板を用いる。更に、種結晶17の平面方向とダイ9の長手方向は、互いに90°の角度で以て直交となるように、種結晶17が配置される。従って、種結晶17のc軸は、仕切り板18と垂直になる。また、種結晶17とサファイア単結晶2も90°の角度で以て直交するので、図1ではサファイア単結晶2の側面を示している。種結晶17の平面方向と仕切り板18の長手方向との位置関係を垂直にする(種結晶17を仕切り板18と交叉させる)ことにより、融液21と種結晶17との接触面積を最小にすることが可能となる。従って、種結晶17の接触部分が融液21と馴染み易くなり、サファイア単結晶2での結晶欠陥の発生が低減又は解消される。
種結晶17は、シャフト13の下部の基板保持具(図示せず)との接触面積が大きいと、熱膨張率の差による応力のため変形し、場合によっては破損してしまう。反対に熱膨張率の差により種結晶17の固定が緩む場合もある。従って、種結晶17と基板保持具との接触面積は小さい方が好ましい。また、種結晶17は基板保持具に確実に固定できる基板形状の必要がある。
図3は種結晶17の基板形状の一例を示した図である。このうち、同図(a)及び(b)は、種結晶17の上部に切り欠き部23を設けたものである。この切り欠き部23を利用して、例えば2カ所の切り欠き部23の下側からU字形の基板保持具を差し込んで、接触面積を小さくしつつ確実に種結晶17を保持することが可能となる。
また、図3(c)に示したように、種結晶17内側に切り欠き穴24を設けても良い。この切り欠き穴24を利用して、例えば2カ所の切り欠き穴24に係止爪を差し込んで、基板保持具と種結晶17との接触面積を小さくしつつ、確実に種結晶17を保持することが可能となる。
次に、前記製造装置1を使用したサファイア単結晶2の製造方法を説明する。最初にサファイア原料である、造粒された酸化アルミニウム原料粉末(99.99%酸化アルミニウム)をダイ9が収納された坩堝5に所定量投入して充填する。酸化アルミニウム原料粉末には、製造しようとするサファイア単結晶の純度又は組成に応じて、酸化アルミニウム以外の化合物や元素が含まれていても良い。
続いて、坩堝5やヒータ7若しくはダイ9を酸化消耗させないために、育成容器3内をアルゴンガスで置換し、酸素濃度を所定値以下とする。
次に、ヒータ7で加熱して坩堝5を所定の温度とし、酸化アルミニウム原料粉末を溶融する。酸化アルミニウムの融点は2050℃〜2072℃程度なので、坩堝5の加熱温度はその融点以上の温度(例えば2100℃)に設定する。加熱後しばらくすると原料粉末が溶融して、酸化アルミニウム融液21が用意される。更に融液21の一部はダイ9のスリット19を毛細管現象により上昇してダイ9の表面に達し、スリット19上部に融液溜まり22が形成される。
次に図4及び図5に示すように、スリット19上部の融液溜まり22の長手方向に対して垂直な角度に種結晶17を保持しつつ降下させ、種結晶17を融液溜まり22の融液面に接触させる。なお、種結晶17は、予め基板出入口16から引き上げ容器4内に導入しておく。図4ではスリット19や開口部20の見易さを優先するため、融液21と融液溜まり22の図示を省略している。
図4は、種結晶17と仕切り板18との位置関係を示した図である。前記の通り、種結晶17の平面方向を仕切り板18の長手方向と直交させることにより、種結晶17と融液21との接触面積を小さくすることが可能となる。従って、種結晶17の接触部分が融液21となじみ、育成成長されるサファイア単結晶2に結晶欠陥が生じにくくなる。更に、融液21と種結晶17との接触面積を小さくすることで、後述するネック25を細く形成することができ、この点でもサファイア単結晶2の結晶欠陥の発生を低減又は解消して、結晶品質を高品質に保つことが可能となる。従って、サファイア単結晶2の歩留まりを向上させることが出来る。
種結晶17を融液面に接触させる際に、種結晶17の下部を仕切り板18の上部に接触させて溶融しても良い。図5(b)は、種結晶17の一部を溶融する様子を示した図である。このように種結晶17の一部を溶融することで、種結晶17と融液21との温度差を速やかに解消ことができ、サファイア単結晶2での結晶欠陥の発生を更に低減することが可能となる。
続いて基板保持具を所定の上昇速度で引き上げて、種結晶17の引き上げを開始し、図6に示すようにネック25を形成する。具体的には、まずシャフト13により基板保持具を高速で上昇させながら細いネック25を作製(ネッキング)する。以降ではこの工程をネッキング工程と称する。図6はネック25が成長する様子を示した説明図である。ネック25は、種結晶17の厚みT若しくは融液溜まり22の幅程度の細い径を有する結晶部分であり、結晶欠陥を低減又は除去するために形成される。またネック25の長さは、その径の3倍程度まで形成される。この程度まで結晶成長されると、ネック25で結晶欠陥が発生しても、その欠陥はサファイア単結晶2まで形成されることが防止される。従ってネッキング工程を経ることにより、結晶欠陥が低減又は解消された平板形状のサファイア単結晶2を製造することが可能となる。
なお本実施形態の製造方法に依れば、種結晶と融液面とを平行に接触させる製造方法と比較して、結晶欠陥が除去されるまでにサファイア単結晶2の引き上げに必要となる原料が少なくて済むので、製造コストを下げることが可能となる。また、サファイア単結晶2の引き上げ方向において結晶欠陥が抜け切るまでの時間も短くて済むので、製造速度の向上も図れる。
なお、ネッキング工程をより容易にするため、種結晶17の下辺に凹凸を設けてもよい。図7は、種結晶17の下辺の形状を例示した図であり、同図(a)は下辺が櫛歯形状の場合を、同図(b)では鋸形形状の場合を示している。
この凹凸の間隔は、開口部20の間隔に合わせ、凸部分を融液溜まり22の中心に合わせる。凸部分を設けることで凸部分をサファイア単結晶2の成長開始点とすることができ、ネック25がより容易に形成可能となる。なお、凹凸の形状は図7に示したものには限定されず、例えば波形の凹凸形状であっても良い。
ネッキング工程を経た後、ヒータ7を制御して坩堝5の温度を降下させると共に、基板保持具の上昇速度を所定の速度に設定し、種結晶17を中心に図8に示すようにサファイア単結晶2をダイ9の長手方向に拡幅するように結晶成長させる(スプレーディング:spreading)。サファイア単結晶2が、ダイ9の全幅(仕切り板18の端)まで拡幅すると(フルスプレッド)、ダイ9の全幅と同程度の幅を有する、面積の広い平板形状のサファイア単結晶2が育成される(直胴工程)。図8は、スプレーディング工程によりサファイア単結晶2の幅が広がる様子を示した模式図である。幅の広いサファイア単結晶2が得られることにより、サファイア単結晶製品の歩留まりが向上する。
スプレーディング工程により、ダイ9の全幅までサファイア単結晶2を成長させた後、図9に示すようにダイ9の全幅と同程度の一定幅を有する、平板形状の直胴部分26を所定の速度で所定の長さ(直胴長さ)まで引き上げて、平板形状のサファイア単結晶2を得る。
この後、得られたサファイア単結晶2を放冷し、ゲートバルブ15を空け、引き上げ容器4側に移動して、基板出入口16から取り出す。得られた平板形状のサファイア単結晶2の外観を図9に示す。直胴部分26の長さは特に限定されないが、2インチ以上(50.8mm以上)が好ましい。
本発明に係るサファイア単結晶2は、図9に示すようにネック25を介して形成されており、互いに略平行で対向する側面で規定される直胴部分26を有する。サファイア単結晶2を複数形成する場合は、各々のサファイア単結晶2がネック25を介して成長されており、一度の結晶育成で作製されるサファイア単結晶2の数nは2以上(n≧2)の複数枚となる。一度の結晶育成で複数のサファイア単結晶2を作製する際は、図1、図4〜図6及び図8〜図9に示すように、1つの共通の種結晶17から成長させることが、主面27の面方向のばらつき防止や結晶育成の効率化という点から好ましい。一度の結晶育成で作製されるサファイア単結晶2の数nをn≧2の複数枚とすることにより、量産性を向上させることが可能となる。
更に図2(c)に示すようにダイ9の幅をW、及び図4等に示すように種結晶17の厚みをTと設定し、更に種結晶17を融液溜まり22の融液面に接触させる際に、ダイ9の幅の中心位置(W/2の位置)と種結晶17の厚み中心位置(T/2の位置)を、種結晶17を引き上げる方向で同軸上に設定する。ここで、サファイア単結晶2の直胴部分26の幅Wは、ダイ9の長手方向の長さ(幅W)によって規定される。即ち理想的には、サファイア単結晶2の直胴部分26の幅W(図13参照)は、ダイ9の幅Wと等しくなる。
サファイア単結晶2の直胴部分26の幅Wは、1.0cm以上26.0cm以下とし、0.5インチ未満の極小サイズから、約10インチの大径サイズに至るまで、様々なサイズのサファイア単結晶の製造に対応可能とする。このように幅Wが大きくなるほど、サファイア単結晶2のスプレーディング部分から直胴部分26への移行時間が掛かるため、スプレーディング速度のばらつきが大きくなり、ΔTは大きな値となる。
しかし本発明の製造方法では、ダイ9の幅の中心位置と種結晶17の厚み中心位置を、種結晶17の引き上げ方向で同軸上に位置決めすることにより、理想的には直胴部分26の中心線とネック25の中心線を、種結晶17の引き上げ方向で同軸上に位置決めしている。従って直胴部分26の中心線と、ネック25の中心線とのずれ量は0.0Wとなり、より確実にΔTを低減することが可能となる。
更にΔT値の低減を、直胴部分26の中心線とネック25の中心線とのずれ量の管理により行うことで、従来の製造方法及びサファイア単結晶に比べて、ΔT値をより確実に低減することが可能となる。更にΔT値の低減を前記ずれ量の管理で行うことが出来るので、従来のような温度勾配の調整に伴うサファイア単結晶の製造装置の複雑化を防止して、より低コストでΔT値の低減を達成することが出来る。従って、ΔTを確実に低減することが可能になると共に、ΔTの低減を製造装置1の複雑化や高コスト化を招くこと無く実現することが出来る。
しかし、製造装置1が設置される室内の温度や湿度などの外的要因や、ダイ9の個数の増加に伴って各ダイ9における中心位置の位置決めに微小な狂いが生じる事も考えられる。詳述すると、複数のサファイア単結晶2を一度に成長させる場合はダイ9も複数になり、ダイ9の個数が増えるほど全てのダイ9に於いて幅Wの中心位置を、種結晶17の厚み中心位置に正確に位置決めすることが困難となる。従って前記のようにダイ9の幅の中心位置と種結晶17の厚み中心位置を、種結晶17の引き上げ方向で同軸上に設定しても、図13に実線で示すように、サファイア単結晶2の直胴部分26の中心線SCと、ネック25の中心線NCとのずれ量が0.0Wとならず、ある値で以てずれ量Gが発生する場合も出てくる。図9の斜視図、及び図13中の二点鎖線では、理想的な状態としてずれ量Gが0.0Wの状態で育成された場合のサファイア単結晶2及びネック25aを示している。しかし前記のようにずれ量Gがある値で発生する場合も出てくるため、図13中に実線で示すようなサファイア単結晶2が製造される場合もある。
本発明ではずれ量Gが発生した場合、そのずれ量Gを0.05W以下に設定する。このように、ずれ量Gがある値で以て発生した場合でもそのずれ量Gを0.05W以下に設定することにより、ずれ量Gの管理のみで幅Wが1.0cm以上26.0cm以下の範囲に亘って、ΔTを低減することが可能であることを、本出願人は検証の末見出した。ΔTは、4.0cm以下、例えば3.0cm以下、特に2.0cm、1.5cm、1.0cm、0.8cm又は0.7cm以下である。
このように本発明ではΔT値の低減を、直胴部分26の中心線SCと、ネック25の中心線NCとのずれ量Gの管理により行っているので、従来の製造方法及びサファイア単結晶に比べて、ΔT値をより確実に低減することが可能となる。更に、ΔT値の低減をずれ量Gの管理で行うことが出来るので、従来のような温度勾配の調整に伴う製造装置の複雑化を防止して、より低コストでΔT値の低減を達成することが出来る。従って、ΔTを確実に低減することが可能になると共に、ΔTの低減を製造装置1の複雑化や高コスト化を招くこと無く実現することが出来る。
更にずれ量Gを0.05W以下に抑えることにより、サファイア単結晶2のネック25を中心とした左右に亘るスプレーディング速度のばらつきを低減することが可能となり、ΔTを低減出来ることも、検証の上見出された。従って、スプレーディング部分から直胴部分26への移行に関して、ΔTを低減して、略対称なスプレーディング部分を形成することが可能となる。従って、直胴部分26の面積を十分に確保することが可能となり、サファイア単結晶2の量産性と結晶品質を向上させることが出来る。更に、サファイア基板の量産性も向上させることが可能となる。また、スプレーディング速度のばらつきが抑えられることで、従来、スプレーディング速度が極端に遅いサファイア単結晶で発生していた直胴部分26の幅Wや結晶品質に対する問題を解決することが可能となった。
更に、本発明に係る複数のサファイア単結晶では、ずれ量Gを0.05W以下に抑えてΔTを低減することで、複数のサファイア単結晶2を一度に成長させる場合における各サファイア単結晶2間の厚みtのばらつきを、0.10t以下に抑えられる。ここで、各サファイア単結晶2の厚みtは、ダイ9の厚みtによって規定される。即ち理想的には各サファイア単結晶2の厚みtは、ダイ9の厚みtと等しくなる。しかし実際には、各サファイア単結晶2間の厚みtには僅かにばらつきが生じる。
各サファイア単結晶2間の厚みtのばらつきとは、ダイ9の長手方向に垂直な方向に沿って複数枚育成されるサファイア単結晶2のうち、各々のサファイア単結晶2が有する厚みtのばらつきを意味する。前記ずれ量Gを0.05W以下に抑えることで、ΔTを低減することが可能となる為、ΔTに対応して発生する各サファイア単結晶2間の厚みtのばらつきも0.10t以下に低減することが出来る。従って、サファイア単結晶2の量産性を更に向上させることが可能となる。
また、1つ毎のサファイア単結晶2に生じる厚みtの変動も、ΔTに対応して発生する。本発明では、前記ずれ量Gを0.05W以下に抑えることでΔTを低減しているため、ずれ量Gを0.05W以下に抑えることにより前記厚みtの変動も、直胴部分26の全面において0.10t以下に抑えることが可能となる。よって、サファイア単結晶2の量産性を更に向上させることが出来る。
上述した各サファイア単結晶2間の厚みtのばらつきやサファイア単結晶2の厚みtの変動は、理想的には0であるが、僅かなばらつきや変動は常に発生する。
本発明に係るサファイア単結晶2は、前記の通り直胴部分26の幅Wを1.0cm以上26.0cm以下とする。また、サファイア単結晶2の厚みtは、0.05cm以上1.5cm以下と設定する。育成されたサファイア単結晶2自身の強度と自立性を確保可能な厚みtとして、0.05cm以上が好ましい。更に、サファイア単結晶2をサファイア基板に加工する場合でも、十分な加工代を確保することが出来る。一方、厚みtが1.5cmを超えると結晶品質に優れたサファイア単結晶2を得ることが困難となるため、厚みtは1.5cm以下が好ましい。
また直胴部分26の幅Wは、15.0cm以上26.0cm以下に設定することが、サファイア単結晶2の大型化の観点から望ましい。幅Wが15.0cm以上26.0cm以下に設定されることにより、ΔTを4.0cm以下に低減することが可能となる。
ダイ9の幅W(長手方向の長さ)は、成長させるサファイア単結晶2の直胴部分26の幅Wに対応して、1.0cm以上26.0cm以下の範囲で設定される。なお幅Wは、サファイア基板への加工代を加味した値が設定される。
またダイ9の厚みtは、成長させるサファイア単結晶2の厚みtに対応して、0.05cm以上1.5cm以下の範囲で設定される。なおサファイア単結晶2の厚みtは、サファイア基板への加工代を加味した値が設定される。
ダイ9の個数は、成長させるサファイア単結晶2の枚数に対応し、坩堝の大きさや成長させるサファイア単結晶2の直胴部分26の幅W、更には量産性を考慮して、適宜設定される。高い量産性を確保するためには、ダイ9の個数は2以上の複数枚が好ましいが、ダイ9の個数を1個とし、種結晶17から育成されるサファイア単結晶2を1枚に限定して、大径サイズのサファイア単結晶2を1枚育成しても良い。
以上説明したような製造装置1、種結晶17、及びダイ9を用いることにより、共通の種結晶17から複数のサファイア単結晶2を同時に製造することが出来る。従って、一枚当たりのサファイア単結晶2の製造コストを下げることが可能となる。
またEFG法では、複数のサファイア単結晶2の主面27の面方向が、種結晶17の結晶面28と同じ結晶方向を取りながら、複数のサファイア単結晶2が育成成長される。一例として、種結晶17がサファイア単結晶製で結晶面28がc面の場合、得られる平板形状のサファイア単結晶2の全ての主面27を、c面とすることが出来る。従って、複数のサファイア単結晶2を結晶方向の観点から見てばらつきの無い状態で得ることが出来る。
従って、種結晶17、及び仕切り板18を含めたダイ9は、精密に位置決めする必要がある。よって図1に示したように製造装置1は、ダイ9を設置する坩堝5を回転する坩堝駆動部6、及びその回転を制御する制御部(図示せず)が設けられている。またシャフト13に関しても、シャフト13を回転するシャフト駆動部14、及びその回転を制御する制御部(図示せず)が設けられている。即ち、ダイ9に対する種結晶17の位置決めは、制御部によりシャフト13又は坩堝5を回転させて調整する。
なお、種結晶17とダイ9との精密な位置決めについては、各ダイ9の幅の中心位置を、一部切り欠いたダイ9を使用することによっても行うことが出来る。図10は、ダイ9に切り欠き部29が形成された例を示した図である。図10では一例として、ダイ9の長手方向での中央に、V字形の切り欠き部29をそれぞれ形成したダイ9を図示している。
切り欠き部29は、ダイ9が複数の場合はそのダイ9の厚さ方向において一直線上に形成されている。このような切り欠き部29を設けることにより、ダイ9の幅の中心位置と種結晶17の厚み中心位置の位置決めが容易となる。
尚、種結晶17の結晶面28はc面に限定されず、例えばr面、a面、m面等、所望の結晶面に設定することが可能である。このように結晶面28を任意に設定することで、サファイア単結晶2の主面27の面方向も任意に変更することが可能となる。
また、前記幅Wと厚みtを有するサファイア単結晶2の育成に関して、種結晶17の厚みTの好ましい設定値として、0.2cm以上が挙げられる。厚みTを0.2cm以上に設定することにより、サファイア単結晶2の引き上げ時に於ける種結晶17の変形が防止され、育成成長されるサファイア単結晶2の主面27と、種結晶17の結晶面28間の結晶軸方向のずれ角を抑制することが可能となる。更に坩堝5の高温条件下でも種結晶17の強度が保たれると共に、育成成長される各サファイア単結晶2の重量に加えて種結晶17自体の自重による種結晶17の変形が防止可能となり、前記結晶軸方向のずれ角抑制の効果を得ることが出来る。
更に種結晶17の変形が防止されることにより、引き上げるサファイア単結晶2の枚数が増加しても、ダイ9の幅の中心位置と種結晶17の厚み中心位置の位置決めの正確性を向上させることが可能となる。従って、より確実に直胴部分26の中心線SCと、ネック25の中心線NCとのずれ量を0.05W以下に抑えて、ΔTを低減することが可能となる。
前記効果に加えて、本実施形態では前記種結晶17の形状及びその剛性によって、各サファイア単結晶2間での主面27の結晶軸のずれ角を0.5°以下の範囲内に収めることが出来る。より具体的には、結晶育成の引き上げ進行に伴って増加していくサファイア単結晶2の重量に対して種結晶17の変形を防止し、種結晶17の結晶面28と、サファイア単結晶2の主面27での結晶面との間で生じる結晶軸方向のずれ角を、0.5°以下に収まる種結晶17の形状を設定している。これにより、サファイア単結晶2毎における結晶軸のずれ角の補正に必要な研磨量を、サファイア単結晶2の厚み方向において1.5mm程度に収めることが可能となった。この為、本実施形態のサファイア単結晶2では、半導体用基板としての加工性向上という効果も有するものである。
本実施形態の製造方法に依れば、結晶品質が保持された大型のサファイア単結晶2を、共通の種結晶17から一度に複数形成することが可能となった。
なお本発明は、前述の実施形態に限定するものでは無く、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。即ち本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱すること無く、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることが出来るものである。
例えば本発明は、主面にステップ構造を有するサファイア単結晶の育成にも適用することが可能である。サファイア単結晶の主面を例えばc面とする、EFG法によるサファイア単結晶の製造方法において、種結晶のm軸をサファイア単結晶の引き上げ方向に合わせる。更に、引き上げ方向に対して垂直方向に位置する種結晶のc軸を、引き上げ方向を回転軸としてサファイア単結晶の主面の法線に対してa軸方向に所定角度(例えば、0.05°以上)に傾斜させて育成しても良い。なお、前記実施形態と重複する説明は省略又は簡略化する。
ここで、c軸が傾斜した種結晶について図11を参照して説明する。図11に示す種結晶31の平面の法線をZ軸、種結晶31の側面(結晶面)の法線をY軸、及び種結晶31の正面の法線をX軸とする直交座標系を用いて説明する。Z軸はサファイア単結晶の引き上げ方向に対して平行に配置されている。
種結晶31のc軸は、図11(a)に示すように、Z軸(引き上げ方向の軸)とのなす角αが所定の範囲内(例えば、90°±0.5°)に調整されており、また、図11(b)に示すように、c軸は、X軸方向(a軸方向)に所定角度β(例えば、0.05°以上1.0°以下の範囲)に傾斜している。一方、引き上げ軸方向(Z軸方向)のm軸は、図11(a)に示すように、c軸に対して垂直であり、また、 このm軸は、図11(c)に示すように、引き上げ軸方向(Z軸)とのずれ角γが、Z軸に対してX軸方向に所定角度の範囲内(例えば、0.5°以下)に調整されている。
このように種結晶31のc軸をX軸方向に所定角度βだけ傾斜させることにより、この種結晶31を用いて育成成長されたサファイア単結晶32は、図12(a)に示すようにc軸がZ軸(引き上げ方向)を回転軸として主面の法線nv方向に対して所定角度β(前記の通り、0.05°以上1.0°以下の範囲)で傾斜している。即ち所定角度βに対応した、主面におけるc軸の傾斜角度を有するサファイア単結晶を、ずれ量Gが0.05W以下で以て得ることが出来る。これにより、得られるサファイア単結晶の主面におけるステップ構造が全て同一方向になり、結晶欠陥の無い複数のサファイア単結晶を得ることが出来る。またm軸とZ軸とのずれ角は前記γ(0.5°)以内に形成され、図12(c)に示すようにc軸とZ軸とは前記α(90°±0.5°)以内に形成される。なお、図12(c)ではネックの図示は省略している。
またずれ量Gを0.05W以下とした上で、図14に示すように、サファイア単結晶2の長さLを、直胴部分26の幅Wよりも小さく設定して、サファイア単結晶2を成長形成しても良い。図14では一例として、各中心線NCとSCが同軸上に設定され、ずれ量Gが0.0Wの場合のサファイア単結晶を図示している。図14のサファイア単結晶2における長さLとは、直胴部分26の長さ(直胴長さ)にスプレーディング部分33の長さを含む寸法とする。また長さLが幅Wよりも小さいとは、幅W>長さLの関係を満足することである。幅W>長さLを満足するサファイア単結晶2を形成することにより、直胴長さだけで無く、スプレーディング部分33もサファイア基板の切り抜き部分として利用することが可能となる。従って、より短い長さLのサファイア単結晶2でサファイア基板の切り抜き枚数を確保することが出来る為、サファイア基板の量産性を向上出来ると共に、長さLをより短くすることが出来るので、サファイア単結晶2の成長時間も短縮して量産性を更に向上させることが可能となる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
本実施例においては、図1に示す製造装置1及び図2に示すような切り欠き部29の無いダイを使用し、EFG法により主面がc面のサファイア単結晶を育成成長した。ダイは複数個用意し、互いに平行に所定間隙で以て並列に配置した。
酸化アルミニウム原料には、造粒された酸化アルミニウム原料粉末(99.99%酸化アルミニウム)を用い、ダイ9を収納した坩堝5に所定量投入して溶融し、酸化アルミニウム融液を得た。また雰囲気ガスとして、アルゴンガスを育成容器3内に導入した。
種結晶には、サファイア単結晶製で厚みTが0.2cmの基板を用い、更にc軸が主面(結晶面28と直交する面)の面方向に沿って水平な基板とした。種結晶の形状は図3(a)に示す基板とした。更に、その種結晶の平面方向とダイの長手方向とを、図4に示すように互いに90°の角度で以て直交となるように、種結晶を配置した。
その種結晶を用いて、複数枚の平板形状のサファイア単結晶を引き上げて育成成長した。実施例1、2では、サファイア単結晶の幅W(ダイ9の幅W)は5.5cmとし、サファイア単結晶の厚みt(ダイ9の厚みt)は0.3cmとした。
実施例1では、全てのサファイア単結晶におけるずれ量Gが、0.05W以下に収まると共に0.0W超となるように各中心線NC及びSCを位置決めした。更に、実施例2では、全てのサファイア単結晶におけるずれ量Gが、0.0Wとなるように各中心線NC及びSCを同軸上に位置決めした。
育成成長された複数枚の平板形状のサファイア単結晶のずれ量Gを測定したところ、実施例1ではずれ量Gが0.05W以下(但し、0.0W超)の範囲に収められていることが確認された。更に、ΔTが0.3cmに収まっていることも確認された。
また、実施例2ではずれ量Gが0.0Wとなっていることが確認されたと共に、ΔTが0cmとなっていることも確認された。
また、各サファイア単結晶の厚みtの変動が、各サファイア単結晶の直胴部分全面において0.10t以下に抑えられていることが確認されたと共に、厚みtのばらつきも0.10t以下に抑えられていることが確認された。
実施例3では、サファイア単結晶の幅W(ダイ9の幅W)は15cmとし、全てのサファイア単結晶におけるずれ量Gが、0.05W以下に収まると共に0.0W超となるように各中心線NC及びSCを位置決めした。これ以外の条件は、実施例1と同一に設定した。
育成成長された複数枚の平板形状のサファイア単結晶のずれ量Gを測定したところ、実施例3ではずれ量Gが0.05W以下(但し、0.0W超)の範囲に収められていることが確認された。更に、ΔTが4.0cmに収まっていることも確認された。
また、各サファイア単結晶の厚みtの変動が、各サファイア単結晶の直胴部分全面において0.10t以下に抑えられていることが確認されたと共に、厚みtのばらつきも0.10t以下に抑えられていることが確認された。
比較例
以下に、前記実施例1及び2に対する比較例1、並びに前記実施例3に対する比較例2を説明する。なお各比較例では、各実施例と重複する部分や工程は記載を省略又は簡略化し、異なる部分や工程を重点的に説明する。
比較例1、2が実施例1〜3と異なる点は、全てのサファイア単結晶におけるずれ量Gが、0.05W超となるように、各中心線NC及びSCを位置決めした点である。なお、比較例1ではサファイア単結晶の幅W(ダイ9の幅W)は5.5cmとし、比較例2ではサファイア単結晶の幅W(ダイ9の幅W)は15cmとした。
育成成長された複数枚の平板形状のサファイア単結晶のずれ量Gを測定したところ、比較例1、2ではずれ量Gが0.05Wを超えていることが確認された。更に、比較例1ではΔTが40.3cm超であることも確認されたと共に、比較例2ではΔTが4.0cm超であることも確認された。
また、各サファイア単結晶の厚みtの変動が、各サファイア単結晶の直胴部分全面において0.10tを超えていることが確認されたと共に、厚みtのばらつきも0.10tを超えていることが確認された。
1 サファイア単結晶の製造装置
2、32 サファイア単結晶
3 育成容器
4 引き上げ容器
5 坩堝
6 坩堝駆動部
7 ヒータ
8 電極
9 ダイ
10 断熱材
11 雰囲気ガス導入口
12 排気口
13 シャフト
14 シャフト駆動部
15 ゲートバルブ
16 基板出入口
17、31 種結晶
18 仕切り板
19 スリット
20 開口部
21 酸化アルミニウム融液
22 酸化アルミニウム融液溜まり
23 種結晶の切り欠き部
24 種結晶の切り欠き穴
25、25a ネック
26 直胴部分
27 主面
28 結晶面
29 仕切り板の切り欠き部
30 斜面
33 スプレーディング部分
NC ネックの中心線
SC サファイア単結晶の直胴部分の中心線
G 直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量
L サファイア単結晶の長さ
T 種結晶の厚み
t ダイの厚み又はサファイア単結晶の厚み
W ダイの幅又はサファイア単結晶の直胴部分の幅

Claims (20)

  1. サファイア単結晶はネックを介して形成されており、
    サファイア単結晶の直胴部分の幅をWとしたとき、
    サファイア単結晶の直胴部分の中心線と、ネックの中心線とのずれ量が、0.05W以下であることを特徴とするサファイア単結晶。
  2. 前記直胴部分の中心線と、前記ネックの中心線とのずれ量が、0.0Wであることを特徴とする請求項1記載のサファイア単結晶。
  3. 前記サファイア単結晶の厚みtの変動が、前記直胴部分の全面において0.10t以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のサファイア単結晶。
  4. 前記幅Wが1.0cm以上26.0cm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のサファイア単結晶。
  5. 前記幅Wが1.0cm以上26.0cm以下であり、前記サファイア単結晶の厚みtが0.05cm以上1.5cm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のサファイア単結晶。
  6. 前記幅Wが15.0cm以上26.0cm以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載のサファイア単結晶。
  7. 前記サファイア単結晶の長さLが、前記幅Wよりも小さいことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のサファイア単結晶。
  8. 前記サファイア単結晶が複数形成され、各々の前記サファイア単結晶が前記ネックを介して成長されており、前記サファイア単結晶の数nが、n≧2であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のサファイア単結晶。
  9. 前記サファイア単結晶の厚みtの前記サファイア単結晶間でのばらつきが、0.10t以下であることを特徴とする請求項8に記載のサファイア単結晶。
  10. スリットを有するダイを坩堝に収容し、
    坩堝に酸化アルミニウム原料を投入して加熱し、酸化アルミニウム原料を坩堝内で溶融して酸化アルミニウム融液を用意し、
    スリットを介してスリット上部に酸化アルミニウム融液溜まりを形成し、
    そのスリット上部の酸化アルミニウム融液に種結晶を接触させ、種結晶を引き上げることで、所望の主面を有するサファイア単結晶を種結晶からネックを介して成長させ、
    ダイの幅の中心位置と種結晶の厚み中心位置を、種結晶を引き上げる方向で同軸上に設定して、サファイア単結晶の直胴部分の幅をWとしたとき、サファイア単結晶の直胴部分の中心線とネックの中心線とのずれ量を、0.05W以下とすることを特徴とするサファイア単結晶の製造方法。
  11. 前記直胴部分の中心線と、前記ネックの中心線とのずれ量を、0.0Wとすることを特徴とする請求項10記載のサファイア単結晶の製造方法。
  12. 前記種結晶の厚みを0.2cm以上に設定することを特徴とする請求項10又は11に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  13. 前記ダイの幅の中心位置に切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項10〜12の何れかに記載のサファイア単結晶の製造方法。
  14. 前記サファイア単結晶の厚みtの変動を、前記直胴部分の全面において0.10t以下とすることを特徴とする請求項10〜13の何れかに記載のサファイア単結晶の製造方法。
  15. 前記幅Wを1.0cm以上26.0cm以下とすることを特徴とする請求項10〜14の何れかに記載のサファイア単結晶の製造方法。
  16. 前記幅Wを1.0cm以上26.0cm以下とし、前記サファイア単結晶の厚みtを0.05cm以上1.5cm以下とすることを特徴とする請求項10〜14の何れかに記載のサファイア単結晶の製造方法。
  17. 前記幅Wが15.0cm以上26.0cm以下であることを特徴とする請求項15又は16に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  18. 前記サファイア単結晶の長さLを、前記幅Wよりも小さくして前記サファイア単結晶を成長させることを特徴とする請求項10〜17の何れかに記載のサファイア単結晶の製造方法。
  19. 前記種結晶から複数の前記サファイア単結晶を各々、前記ネックを介して成長させており、前記サファイア単結晶の数nを、n≧2とすることを特徴とする請求項10〜18の何れかに記載のサファイア単結晶の製造方法。
  20. 前記サファイア単結晶の厚みtの前記サファイア単結晶間でのばらつきを、0.10t以下とすることを特徴とする請求項19に記載のサファイア単結晶の製造方法。
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