JP2017072212A - シールリング及びそれを具備するターボチャージャ - Google Patents

シールリング及びそれを具備するターボチャージャ Download PDF

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Motoji Hayashi
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和範 中屋
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和範 中屋
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Shingo Yato
真吾 矢頭
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Abstract

【課題】シール性の向上を図ることができるシールリング及びそれを具備するターボチャージャを提供する。【解決手段】円環状に形成されると共に一部分が分断された第一合口部112及び第二合口部122をそれぞれ有する第一円環状部材110及び第二円環状部材120を具備し、第一円環状部材110及び第二円環状部材120は、軸線方向に互いに対向して配置され、第一円環状部材110及び第二円環状部材120は、互いに嵌合する第一嵌合部111及び第二嵌合部121をそれぞれ有し、第一合口部112及び第二合口部122の周方向の位相が互いに異なっている。【選択図】図4

Description

本発明は、シールリング及びそれを具備するターボチャージャの技術に関する。
従来、シールリング及びそれを具備するターボチャージャの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載のターボチャージャは、タービンハウジングとコンプレッサハウジングとの間に配置される軸受ハウジングと、軸受ハウジングのコンプレッサハウジング側端部に固定されるリテーナと、軸受ハウジングに回転可能に支持されるシャフトと、シャフトに潤滑油を供給する油路と、シャフトに外嵌されるカラーと、を具備する。前記カラーの外周面には、周方向に亘って溝部が形成される。前記溝部には、合口部を有する略C字状のシールリングが装着される。前記シールリングは、溝部に装着された状態で、外方向への張力によりリテーナの内周面と密着する。
このような構成により、前記ターボチャージャは、潤滑油が供給されたシャフト(カラー)が回転している場合、シールリングによって軸受ハウジング内の潤滑油がコンプレッサハウジング側へと漏れるのを抑制することができる。
特開平5−280366号公報
しかしながら、前記シールリングは、溝部への装着やリテーナとの密着のために合口部を有している。したがって、前記ターボチャージャにおいては、軸受ハウジング内の潤滑油がシールリングの合口部を介してコンプレッサハウジング側へと漏れる可能性があるため、シール性の向上が望まれていた。
本発明は以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、シール性の向上を図ることができるシールリング及びそれを具備するターボチャージャを提供することである。
請求項1においては、円環状に形成されると共に一部分が分断された合口部を有する複数の円環状部材を具備し、複数の前記円環状部材は、軸線方向に互いに対向して配置され、互いに隣り合う前記円環状部材は、互いに嵌合する嵌合部をそれぞれ有し、前記互いに隣り合う前記円環状部材のうち少なくとも1組の前記円環状部材は、それぞれの合口部の周方向の位相が互いに異なっているものである。
請求項2においては、全ての前記合口部の周方向の位相は、互いに異なっているものである。
請求項3においては、複数の前記円環状部材における前記軸線方向の一方側と他方側とが、前記合口部を介して連通されていないものである。
請求項4においては、前記嵌合部は、前記軸線方向へ向けた凸凹状に形成されているものである。
請求項5においては、前記シールリングの外周面が、複数の前記円環状部材のうち一つの前記円環状部材の外周面により形成されているものである。
請求項6においては、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のシールリングを具備するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、シール性の向上を図ることができる。
請求項2においては、シール性の向上を図ることができる。
請求項3においては、シール性の向上を図ることができる。
請求項4においては、複数の円環状部材の組み付けを容易にすることができる。
請求項5においては、シール性の向上を図ることができる。
請求項6においては、シール性の向上を図ることができる。
本発明の第一実施形態に係るシールリングを具備するターボチャージャの全体的な構成を示した側面断面図。 図1の一部拡大図。 (a)シールリングを示した前方斜視図。(b)シールリングを示した前方分解斜視図。 (a)シールリングを示した正面図。(b)図4(a)のA−A矢視断面図。 (a)図4(a)のB−B矢視断面図。(b)図4(a)のC−C矢視断面図。 (a)第一円環状部材を示した正面図。(b)図6(a)のA1−A1矢視断面図。 (a)第二円環状部材を示した正面図。(b)図7(a)のA2−A2矢視断面図。 (a)第一合口部におけるシール構成を示した断面模式図。(b)第二合口部におけるシール構成を示した断面模式図。 (a)本発明の第一実施形態の別例に係るシールリングを示した正面図。(b)図9(a)のAa−Aa矢視断面図。 (a)図9(a)のBa−Ba矢視断面図。(b)図9(a)のCa−Ca矢視断面図。 (a)本発明の第二実施形態に係るシールリングを示した正面図。(b)図11(a)のA10−A10矢視断面図。 (a)図11(a)のB10−B10矢視断面図。(b)図11(a)のC10−C10矢視断面図。 (a)本発明の第三実施形態に係るシールリングを示した正面図。(b)図13(a)のA20−A20矢視断面図。(c)図13(a)のD20−D20矢視断面図。 (a)図13(a)のB20−B20矢視断面図。(b)図13(a)のC20−C20矢視断面図。 (a)本発明の第三実施形態の別例に係るシールリングを示した正面図。(b)図15(a)のA20a−A20a矢視断面図。 (a)図15(a)のB20a−B20a矢視断面図。(b)図15(a)のC20a−C20a矢視断面図。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。また、必要に応じて、矢印に記載したIN及びOUTで、シールリングの内径側及び外径側をそれぞれ示す。
まず、図1及び図2を用いて、本発明の第一実施形態に係るシールリング100を具備するターボチャージャ1について説明する。
ターボチャージャ1は、主としてシャフト10、軸受ハウジング20、タービン30及びコンプレッサ40を具備する。
シャフト10は、軸線方向を前後方向へ向けて配置される。シャフト10は、前後中途部が後述する軸受ハウジング20内に支持される。シャフト10の前後中途部には、第一カラー11及び第二カラー12が固定される。
第一カラー11は、略円筒状であって前端部が他の部分よりも外径方向に延びた形状に形成される。第一カラー11は、シャフト10に外嵌される。第一カラー11は、シャフト10に固定され、当該シャフト10と一体的に回転する。
第二カラー12は、略円筒状であって前端部が他の部分よりも外径方向に延びた形状に形成される。第二カラー12は、第一カラー11のすぐ後方に配置される。第二カラー12は、シャフト10に外嵌される。第二カラー12は、シャフト10に固定され、当該シャフト10と一体的に回転する。図2に示すように、第二カラー12の後側部の外周面には、周方向に亘って内径側へ向けて凹んだ溝部15が形成される。溝部15には、シールリング100が装着される。
軸受ハウジング20は、シャフト10を回転可能に支持するものである。軸受ハウジング20は、後述するタービン30とコンプレッサ40との間に配置される。軸受ハウジング20は、主としてすべり軸受部21、スラスト軸受部22、給油油路23及びリテーナ24を具備する。
すべり軸受部21は、軸受ハウジング20を前後方向に貫通する正面視略円状の孔である。すべり軸受部21には、すべり軸受26が配置される。すべり軸受26は、第一カラー11の前方に配置される。すべり軸受26は、相対回転可能となるようにシャフト10に外嵌され、シャフト10の前後中途部を回転可能に支持する。
スラスト軸受部22は、軸受ハウジング20の後側面に形成される正面視略円状の窪みである。スラスト軸受部22には、スラスト軸受27が配置される。スラスト軸受27は、相対回転可能となるように第一カラー11(シャフト10)に外嵌される。スラスト軸受27は、スラスト軸受部22に固定される。スラスト軸受27は、シャフト10に作用するスラスト荷重を受ける。
給油油路23は、すべり軸受部21及びスラスト軸受部22に潤滑油を供給するための孔である。給油油路23は、軸受ハウジング20の上側面からすべり軸受部21及びスラスト軸受部22まで延びるように形成される。
リテーナ24は、外周側が前方へ向けて湾曲した略円環状に形成される。リテーナ24は、スラスト軸受27を後方から覆うように、スラスト軸受部22に配置される。リテーナ24は、スラスト軸受部22(軸受ハウジング20)に固定される。リテーナ24の内周面には、シールリング100が当接される。
タービン30は、ターボチャージャ1の前側に配置される。タービン30は、タービンハウジング31及びタービンホイール32等を備える。
タービンハウジング31は、軸受ハウジング20の前端部に固定される。タービンハウジング31の内側は、タービンホイール32を覆うような形状に形成される。タービンホイール32は、シャフト10の前端部に固定され、シャフト10に相対回転不能に支持される。タービンホイール32は、タービンハウジング31の内側に配置される。
コンプレッサ40は、ターボチャージャ1の後側に配置される。コンプレッサ40は、コンプレッサハウジング41及びコンプレッサホイール42等を備える。
コンプレッサハウジング41は、軸受ハウジング20の後端部に固定される。コンプレッサハウジング41の内側は、コンプレッサホイール42を覆うような形状に形成される。コンプレッサホイール42は、シャフト10の後端部に固定され、シャフト10に相対回転不能に支持される。コンプレッサホイール42は、コンプレッサハウジング41の内側に配置される。
このような構成のターボチャージャ1においては、タービンハウジング31に供給されるエンジンの排気ガスによってタービンホイール32が回転する。そして、タービンホイール32が回転すると、給油油路23から潤滑油が供給されたスラスト軸受27及びすべり軸受26を介してシャフト10が回転する。そして、シャフト10が回転すると、コンプレッサホイール42が回転し、当該コンプレッサホイール42の回転によって圧縮された空気が前記エンジンのシリンダへと供給される。
なお、ターボチャージャ1においては、軸受ハウジング20のすべり軸受部21やスラスト軸受部22に供給された潤滑油が、コンプレッサ40側へと漏れるのを防止するためのシール構造が設けられる。前記シール構造には、第二カラー12の溝部15に装着されたシールリング100が含まれる。
次に、図2から図7を用いて、シールリング100の構成について詳細に説明する。
シールリング100は、軸受ハウジング20内の潤滑油がコンプレッサ40側へと漏れるのを抑制するものである。シールリング100は、図2に示すように、リテーナ24と第二カラー12との間に配置される。シールリング100は、第一円環状部材110と、第二円環状部材120と、を具備する。
図3から図6に示す、第一円環状部材110は、シールリング100の概ね前側及び内径側を構成する部材である(図4参照)。第一円環状部材110は、軸線方向を前後方向へ向けた略円環状に形成される。第一円環状部材110の内径は、第二カラー12の外径(より詳細には、第二カラー12のうち、後側部の外径)よりも若干小さく形成される。第一円環状部材110は、主として第一嵌合部111と、第一合口部112と、を具備する。
第一嵌合部111は、後述する第二円環状部材120の第二嵌合部121と嵌合される部分である。第一嵌合部111は、第一円環状部材110の後部において、前後方向へ向けた凸凹状に形成される。より詳細には、第一嵌合部111は、第一円環状部材110の後側面の外径側が前方へ凹となること(内径側が後方へ凸となること)で形成される。なお以下では、前記前方へ凹となった外径側の部分を「第一凹部115」と称する。第一凹部115は、第一嵌合部111に含まれる。第一凹部115は、第一円環状部材110の周方向に亘って円環状に形成される。また以下では、第一円環状部材110において第一凹部115の前方の部分を「第一外径側部113」と称する。
なお、第一凹部115は、幅(径方向の長さ)が、第一円環状部材110の幅(径方向の長さ)の略半分に形成される。また、第一凹部115は、厚さ(前後方向の長さ)が、第一円環状部材110の厚さ(前後方向の長さ)の略半分に形成される。
第一合口部112は、前後方向(軸線方向)に貫通した部分である。第一合口部112は、第一円環状部材110の内周面から外周面に亘って形成される。第一合口部112は、正面視で第一円環状部材110の右端部に形成される。このように、第一合口部112によって、第一円環状部材110は、一部分(右側部分)が分断された正面視略C字状に形成される。
図3から図5、及び図7に示す、第二円環状部材120は、シールリング100の概ね後側及び外径側を構成する部材である(図4参照)。第二円環状部材120は、軸線方向を前後方向へ向けた略円環状に形成される。第二円環状部材120の外径は、リテーナ24の内径よりも若干大きく形成される。第二円環状部材120は、幅(径方向の長さ)及び厚さ(前後方向の長さ)が、第一円環状部材110と略同一に形成される。また、第二円環状部材120は、正面視で第一円環状部材110よりも全体的に若干大きく形成される。第二円環状部材120は、主として第二嵌合部121と、第二合口部122と、を具備する。
第二嵌合部121は、第一円環状部材110の第一嵌合部111と嵌合される部分である。第二嵌合部121は、第二円環状部材120の前部において、前後方向へ向けた凸凹状に形成される。より詳細には、第二嵌合部121は、第二円環状部材120の前側面の内径側が後方へ凹となること(外径側が前方へ凸となること)で形成される。なお以下では、前記後方へ凹となった内径側の部分を「第二凹部125」と称する。第二凹部125は、第二嵌合部121に含まれる。第二凹部125は、第二円環状部材120の周方向に亘って円環状に形成される。また以下では、第二円環状部材120において第二凹部125の後方の部分を「第二内径側部123」と称する。
なお、第二凹部125は、幅(径方向の長さ)が、第二円環状部材120の幅(径方向の長さ)の略半分に形成される。また、第二凹部125は、厚さ(前後方向の長さ)が、第二円環状部材120の厚さ(前後方向の長さ)の略半分に形成される。
また、第二凹部125は、幅(径方向の長さ)及び厚さ(前後方向の長さ)が、第一円環状部材110の第一外径側部113と略同一に形成される。すなわち、第二凹部125は、第一円環状部材110の第一外径側部113と略同一の大きさ、且つ形状に形成される。また、第二内径側部123は、幅(径方向の長さ)及び厚さ(前後方向の長さ)が、第一円環状部材110の第一凹部115と略同一に形成される。すなわち、第二内径側部123は、第一円環状部材110の第一凹部115と略同一の大きさ、且つ形状に形成される。
第二合口部122は、前後方向(軸線方向)に貫通した部分である。第二合口部122は、第二円環状部材120の内周面から外周面に亘って形成される。第二合口部122は、正面視で第二円環状部材120の左端部に形成される。こうして、第二合口部122によって、第二円環状部材120は、一部分(左側部分)が分断された正面視略C字状に形成される。
このような第一円環状部材110及び第二円環状部材120は、互いに組み付けられることによって、シールリング100を形成する。
具体的には、図3(b)に示すように、第一円環状部材110及び第二円環状部材120は、互いに組み付けられる場合、まずそれぞれの軸線を重複させた状態で前後に配置される。そして、第一円環状部材110及び第二円環状部材120が前後方向に互いに近接し、第一円環状部材110が第二円環状部材120の概ね内側に収容される(図3(a)参照)。このように、第一円環状部材110が第二円環状部材120の概ね内側に収容されると、第一円環状部材110及び第二円環状部材120は前後方向(軸線方向)や径方向に互いに対向して配置される(図4(b)参照)。
また、第一円環状部材110が第二円環状部材120の概ね内側に収容されると、それぞれの嵌合部(第一嵌合部111及び第二嵌合部121)が互いに嵌合される。具体的には、第一円環状部材110が第二円環状部材120の概ね内側に収容されると、第一嵌合部111の第一外径側部113が、第二嵌合部121の第二凹部125に嵌合される。また、第二嵌合部121の第二内径側部123が、第一嵌合部111の第一凹部115に嵌合される。こうして、第一円環状部材110及び第二円環状部材120のそれぞれの嵌合部が互いに嵌合されると、シールリング100の組み付けが終了する。
なお、第一円環状部材110及び第二円環状部材120が互いに組み付けられると、図4(b)に示すように、断面視で概ね前側及び内径側に第一円環状部材110が位置し、概ね後側及び外径側に第二円環状部材120が位置するように形成される。また、第一円環状部材110及び第二円環状部材120は、断面視において互いの対向面(合わせ面)間にほとんど隙間を有さない。すなわち、シールリング100は、断面視で略矩形状の中実の部材のように形成される。
こうして、第一円環状部材110及び第二円環状部材120が互いに組み付けられると、シールリング100が形成される。ここで、第一円環状部材110及び第二円環状部材120は、それぞれ合口部(第一合口部112及び第二合口部122)を有している。すなわち、シールリング100も、2つの合口部を有することとなる。なお、シールリング100における2つの合口部の構成についての詳細な説明は後述する。
このように構成されたシールリング100は、第二カラー12の外周面に形成された溝部15に装着される。シールリング100は、溝部15に装着される際、当該シールリング100の内径を第二カラー12の後側部の外径よりも大きくするため、合口部(第一合口部112及び第二合口部122)の幅が外力によって広げられる。そして、シールリング100は、合口部の幅が広げられた状態で、後方から第二カラー12の溝部15上に配置される。シールリング100は、溝部15上に配置されると外力が取り去られ、弾性変形により元の大きさに戻る。これによって、シールリング100は、溝部15に装着される。
また、シールリング100の外径(すなわち、第二円環状部材120の外径)は、リテーナ24の内径よりも若干大きく形成される。したがって、(第二カラー12の溝部15に装着された)シールリング100は、リテーナ24との間に配置される際、当該リテーナ24の内周面に圧入される。すなわち、シールリング100は、内径が小さくなった状態(合口部の幅が狭められた状態)でリテーナ24との間に配置される。ここで、シールリング100は、合口部の幅が狭められた状態では、弾性変形により元の大きさに戻ろうとする。すなわち、シールリング100がリテーナ24との間に配置されると、シールリング100の外周面(より詳細には、第二円環状部材120の外周面)がリテーナ24の内周面に密着することになる。
このように、シールリング100がリテーナ24の内周面に密着(当接)されると、当該シールリング100は軸受ハウジング20内の潤滑油がコンプレッサ40側へと流通するのを規制する。すなわち、シールリング100(より詳細には、シールリング100におけるリテーナ24の内周面との当接面(第二円環状部材120の外周面))は、軸受ハウジング20内の潤滑油がコンプレッサ40側へと漏れるのを抑制することができる。
次に、図3から図5、及び図8を用いて、シールリング100における2つの合口部の構成について詳細に説明する。
シールリング100は、2つの合口部(第一合口部112及び第二合口部122)を有している。ここで、第一合口部112は、第一円環状部材110の右端部に配置されるため、シールリング100においても右端部に配置される。また、第二合口部122は、第二円環状部材120の左端部に配置されるため、シールリング100においても左端部に配置される。このように、シールリング100において、第一合口部112及び第二合口部122は、軸線方向(前後方向)に重複しないように配置される。すなわち、第一合口部112及び第二合口部122は、周方向の位相を互いに異ならせて(本実施形態においては、180度異ならせて)配置される。
まず、シールリング100における第一合口部112の構成について説明する。
第一合口部112は、上述の如くシールリング100の右端部に配置される。第一合口部112は、正面視でシールリング100の右端部において内周面から径方向中途部に亘って形成される。すなわち、第一合口部112は、正面視でシールリング100の右端部において内周面から外周面に亘って形成されていない。また、図5(a)に示すように、第一合口部112のうち、外径側の部分(第一円環状部材110の第一外径側部113に相当する部分)の後方には、第二円環状部材120の第二内径側部123が配置される。このように、シールリング100においては、第一合口部112が形成された部分のうち、外径側の部分は前後方向(軸線方向)に貫通せず、内径側の部分だけが前後方向(軸線方向)に貫通する。
こうして、図8(a)に示すように、シールリング100の右端部(第一合口部112が配置されている部分)においては、第一合口部112が配置されているにも関わらず、リテーナ24の内周面とシールリング100とが密着している。また、シールリング100の右端部においては、軸受ハウジング20内とコンプレッサ40とを連通している部分は、第一合口部112が形成された部分のうち、内径側の部分だけである。したがって、シールリング100は、右端部において第一合口部112が配置されているにも関わらず、軸受ハウジング20内の潤滑油がコンプレッサ40側へと漏れるのを、従来技術と比較して効果的に抑制することができる。
次に、シールリング100における第二合口部122の構成について説明する。
第二合口部122は、上述の如くシールリング100の左端部に配置される。第二合口部122は、正面視でシールリング100の左端部において径方向中途部から外周面に亘って形成される。すなわち、第二合口部122は、正面視でシールリング100の左端部において内周面から外周面に亘って形成されていない。また、図5(b)に示すように、第二合口部122のうち、内径側の部分(第二円環状部材120の第二内径側部123に相当する部分)の前方には、第一円環状部材110の第一外径側部113が配置される。このように、シールリング100においては、第二合口部122が形成された部分のうち、内径側の部分は前後方向(軸線方向)に貫通せず、外径側の部分だけが前後方向(軸線方向)に貫通する。
こうして、図8(b)に示すように、シールリング100の左端部(第二合口部122が配置されている部分)においては、軸受ハウジング20内とコンプレッサ40とを連通している部分は、第二合口部122が形成された部分のうち、外径側の部分だけである。したがって、シールリング100は、左端部において第二合口部122が配置されているにも関わらず、軸受ハウジング20内の潤滑油がコンプレッサ40側へと漏れるのを、従来技術と比較して効果的に抑制することができる。
以上のように、本発明の第一実施形態に係るシールリング100は、円環状に形成されると共に一部分が分断された合口部を有する複数の円環状部材(第一円環状部材110及び第二円環状部材120)を具備し、複数の前記円環状部材は、軸線方向に互いに対向して配置され、互いに隣り合う前記円環状部材は、互いに嵌合する嵌合部(第一嵌合部111及び第二嵌合部121)をそれぞれ有し、前記互いに隣り合う前記円環状部材のうち少なくとも1組の前記円環状部材(第一円環状部材110及び第二円環状部材120)は、それぞれの合口部(第一合口部112及び第二合口部122)の周方向の位相が互いに異なっているものである。
このような構成により、第一嵌合部111及び第二嵌合部121を互いに嵌合させると共に、第一合口部112及び第二合口部122の周方向の位相を互いに異ならせることによって、軸受ハウジング20内とコンプレッサ40とを連通している部分を従来の技術と比較して小さくすることができる。すなわち、シールリング100は、シール性の向上を図ることができる。
また、第一円環状部材110及び第二円環状部材120は、第一嵌合部111及び第二嵌合部121を互いに嵌合させることで組み付けられるので、第一合口部112及び第二合口部122の周方向の位相の設定を容易に行うことができる。
また、本発明の第一実施形態に係るシールリング100において、全ての前記合口部(第一合口部112及び第二合口部122)の周方向の位相は、互いに異なっているものである。
このような構成により、軸受ハウジング20内の潤滑油が、第一合口部112及び第二合口部122を介してコンプレッサ40側へと漏れるのを抑制することができる。すなわち、シールリング100は、シール性の向上を図ることができる。
また、本発明の第一実施形態に係るシールリング100において、前記第一嵌合部111及び第二嵌合部121は、前記軸線方向へ向けた凸凹状に形成されているものである。
このような構成により、第一円環状部材110及び第二円環状部材120を互いに軸線方向に近接させるだけで、容易に組み付けることができる。すなわち、第一円環状部材110及び第二円環状部材120の組み付けを容易にすることができる。
また、本発明の第一実施形態に係るシールリング100においては、前記シールリング100の外周面が、複数の前記円環状部材(第一円環状部材110及び第二円環状部材120)のうち一つの前記円環状部材(第二円環状部材120)の外周面により形成されているものである。
このような構成により、シールリング100におけるリテーナ24の内周面との当接面に、第一円環状部材110及び第二円環状部材120の対向面(合わせ面)の隙間が形成されるのを防止することができる。すなわち、シールリング100は、シール性の向上を図ることができる。
また、本発明の第一実施形態に係るシールリング100は、断面視において第一円環状部材110及び第二円環状部材120の互いの対向面(合わせ面)間が、ほとんど隙間を有していない。すなわち、シールリング100は、断面視で略矩形状の中実の部材のように形成されている。
このような構成により、第一円環状部材110及び第二円環状部材120の互いの対向面(合わせ面)間を介して、軸受ハウジング20内の潤滑油がコンプレッサ40側へと漏れるのを抑制することができる。すなわち、シールリング100は、シール性の向上を図ることができる。
また、本発明の第一実施形態に係るターボチャージャ1は、上述の如き構成のシールリング100を具備するものである。
このような構成により、ターボチャージャ1は、軸受ハウジング20内の潤滑油がコンプレッサ40側へと漏れるのを抑制することができる(シール性の向上を図ることができる)。
なお、第一円環状部材110及び第二円環状部材120は、本発明に係る複数の円環状部材の実施の一形態である。
また、第一合口部112及び第二合口部122は、本発明に係る合口部の実施の一形態である。
また、第一嵌合部111及び第二嵌合部121は、本発明に係る嵌合部の実施の一形態である。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
本発明の第一実施形態に係るシールリング100は、ターボチャージャ1に具備されるものとしたが、本発明に係るシールリングはこれに限定するものではない。すなわち、本発明に係るシールリングは、(潤滑油だけでなく)水等の流体の漏れの抑制が望まれる任意の機器に具備されることができる。
また、本実施形態に係るシールリング100は、軸受ハウジング20内の潤滑油がコンプレッサ40側へと漏れるのを抑制するものとしたが、軸受ハウジング20内の潤滑油がタービン30側へと漏れるのを抑制するものであってもよい。
また、本実施形態に係る第一合口部112及び第二合口部122は、周方向の位相を180度異ならせて配置されるものであるが、本発明に係る合口部の周方向の位相はこれに限定するものではない。
また、本発明に係る円環状部材及び嵌合部の構成は、第一実施形態に係る第一円環状部材110及び第二円環状部材120並びに第一嵌合部111及び第二嵌合部121の構成に限定するものではない。
以下では、図9及び図10を用いて、第一実施形態に係るシールリング100の別例(シールリング100a)について説明する。
なお、第一実施形態の別例に係るシールリング100aにおいて、第一実施形態に係るシールリング100と特に異なる点は、本発明に係る円環状部材及び嵌合部の構成である。したがって、以下においては、第一実施形態の別例に係るシールリング100aが具備する円環状部材及び嵌合部の構成について、第一実施形態とは異なる点を中心に説明を行う。
シールリング100aは、第一円環状部材110aと、第二円環状部材120aと、を具備する。第一円環状部材110aは、主として第一嵌合部111aと、第一合口部112aと、を具備する。第二円環状部材120aは、主として第二嵌合部121aと、第二合口部122aと、を具備する。第一円環状部材110a及び第二円環状部材120aは、正面視で略同一の大きさに形成される。
図9(b)に示すように、第一円環状部材110aの第一嵌合部111aは、主として第一凹部115a及び第一凸部116aを具備する。第一凹部115a及び第一凸部116aは、第一円環状部材110aの後部に形成される。具体的には、第一凹部115aは、第一円環状部材110aの後部において外径側に形成される。第一凸部116aは、第一円環状部材110aの後部において内径側に形成される。
図9(b)に示すように、第二円環状部材120aの第二嵌合部121aは、主として第二凹部125a及び第二凸部126aを具備する。第二凹部125a及び第二凸部126aは、第二円環状部材120aの前部に形成される。具体的には、第二凹部125aは、第二円環状部材120aの前部において内径側に形成される。第二凸部126aは、第二円環状部材120aの後部において外径側に形成される。
図9(b)に示すように、第一円環状部材110a及び第二円環状部材120aが互いに組み付けられると、第一円環状部材110a及び第二円環状部材120aが軸線方向(前後方向)に互いに対向して配置される。また、第一円環状部材110a及び第二円環状部材120aが互いに組み付けられると、第一嵌合部111a及び第二嵌合部121aが互いに嵌合される。具体的には、第一嵌合部111aの第一凹部115a及び第一凸部116aが、第二嵌合部121aの第二凸部126a及び第二凹部125aにそれぞれ嵌合される。こうして、シールリング100aは、断面視で略矩形状の中実の部材のように形成される。
第一合口部112aは、シールリング100aの前部の右端部に配置される。図10(a)に示すように、第一合口部112aは、正面視でシールリング100aの右端部において内周面から外周面に亘って形成される。ここで、第一合口部112aの後方には、シールリング100aの内周面から外周面に亘って、第二円環状部材120aが配置される。このように、シールリング100aの右端部(第一合口部112aが配置されている部分)においては、第一合口部112aが配置されているにも関わらず、前後方向(軸線方向)に貫通(連通)していない。
第二合口部122aは、シールリング100aの後部の左端部に配置される。図10(b)に示すように、第二合口部122aは、正面視でシールリング100aの左端部において内周面から外周面に亘って形成される。ここで、第二合口部122aの前方には、シールリング100aの内周面から外周面に亘って、第一円環状部材110aが配置される。このように、シールリング100aの左端部(第二合口部122aが配置されている部分)においては、第二合口部122aが配置されているにも関わらず、前後方向(軸線方向)に貫通(連通)していない。
以上のように、本発明の第一実施形態の別例に係るシールリング100aにおいては、複数の前記円環状部材(第一円環状部材110a及び第二円環状部材120a)における前記軸線方向の一方側(前側)と他方側(後側)とが、前記合口部(第一合口部112a及び第二合口部122a)を介して連通されていないものである。
このような構成により、軸受ハウジング20内の潤滑油が、第一合口部112a及び第二合口部122aを介してコンプレッサ40側へと漏れるのを抑制することができる。すなわち、シールリング100aは、シール性の向上を図ることができる。
以下では、図11及び図12を用いて、第一実施形態に係る第一円環状部材110及び第二円環状部材120並びに第一嵌合部111及び第二嵌合部121とは異なる構成の円環状部材及び嵌合部を有する、第二実施形態に係るシールリング200の構成について説明する。
なお、第二実施形態に係るシールリング200において、第一実施形態に係るシールリング100と特に異なる点は、本発明に係る円環状部材及び嵌合部の構成である。したがって、以下においては、第二実施形態に係るシールリング200が具備する円環状部材及び嵌合部の構成について、第一実施形態とは異なる点を中心に説明を行う。
シールリング200は、第一円環状部材210と、第二円環状部材220と、を具備する。第一円環状部材210は、主として第一嵌合部211と、第一合口部212と、を具備する。第二円環状部材220は、主として第二嵌合部221と、第二合口部222と、を具備する。第一円環状部材210及び第二円環状部材220は、正面視で略同一の大きさに形成される。
図11(b)に示すように、第一円環状部材210の第一嵌合部211は、主として第一凹部215、第一凹部216及び第一凸部217を具備する。第一凹部215、第一凹部216及び第一凸部217は、第一円環状部材210の後部に形成される。具体的には、第一凹部215は、第一円環状部材210の後部において外径側に形成される。第一凹部216は、第一円環状部材210の後部において内径側に形成される。第一凸部217は、第一円環状部材210の後部において径方向中途部(第一凹部215及び第一凹部216の間)に形成される。
図11(b)に示すように、第二円環状部材220の第二嵌合部221は、主として第二凹部225、第二凸部226及び第二凸部227を具備する。第二凹部225、第二凸部226及び第二凸部227は、第二円環状部材220の前部に形成される。具体的には、第二凹部225は、第二円環状部材220の前部において径方向中途部(第二凸部226及び第二凸部227の間)に形成される。第二凸部226は、第二円環状部材220の前部において外径側に形成される。第二凸部227は、第二円環状部材220の後部において内径側に形成される。
図11(b)に示すように、第一円環状部材210及び第二円環状部材220が互いに組み付けられると、第一円環状部材210及び第二円環状部材220が軸線方向(前後方向)に互いに対向して配置される。また、第一円環状部材210及び第二円環状部材220が互いに組み付けられると、第一嵌合部211及び第二嵌合部221が互いに嵌合される。具体的には、第一嵌合部211の第一凹部215及び第一凹部216が、第二嵌合部221の第二凸部226及び第二凸部227にそれぞれ嵌合される。また、第一嵌合部211の第一凸部217が、第二嵌合部221の第二凹部225に嵌合される。こうして、シールリング200は、断面視で略矩形状の中実の部材のように形成される。
第一合口部212は、シールリング200の前部の右端部に配置される。図12(a)に示すように、第一合口部212は、正面視でシールリング200の右端部において内周面から外周面に亘って形成される。ここで、第一合口部212の後方には、シールリング200の内周面から外周面に亘って、第二円環状部材220が配置される。このように、シールリング200の右端部(第一合口部212が配置されている部分)においては、第一合口部212が配置されているにも関わらず、前後方向(軸線方向)に貫通(連通)していない。
第二合口部222は、シールリング200の後部の左端部に配置される。図12(b)に示すように、第二合口部222は、正面視でシールリング200の左端部において内周面から外周面に亘って形成される。ここで、第二合口部222の前方には、シールリング200の内周面から外周面に亘って、第一円環状部材210が配置される。このように、シールリング200の左端部(第二合口部222が配置されている部分)においては、第二合口部222が配置されているにも関わらず、前後方向(軸線方向)に貫通(連通)していない。
以上のように、本発明の第二実施形態に係るシールリング200においては、複数の前記円環状部材(第一円環状部材110及び第二円環状部材120)における前記軸線方向の一方側(前側)と他方側(後側)とが、前記合口部(第一合口部212及び第二合口部222)を介して連通されていないものである。
このような構成により、軸受ハウジング20内の潤滑油が、第一合口部212及び第二合口部222を介してコンプレッサ40側へと漏れるのを抑制することができる。すなわち、シールリング200は、シール性の向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、本発明に係る複数の円環状部材として2つの円環状部材(第一円環状部材110及び第二円環状部材120)を具備するものとしたが、本発明に係る複数の円環状部材はこれに限定するものではない。本発明に係る複数の円環状部材は、3つ以上であってもよい。
以下では、図13及び図14を用いて、複数の円環状部材として3つの円環状部材を具備する、第三実施形態に係るシールリング300の構成について説明する。
第三実施形態に係るシールリング300は、第一円環状部材310と、第二円環状部材320と、第三円環状部材330と、を具備する。第一円環状部材310、第二円環状部材320及び第三円環状部材330は、軸線方向に互いに対向して配置される。第一円環状部材310、第二円環状部材320及び第三円環状部材330において、互いに隣り合う円環状部材(具体的には、第一円環状部材310及び第二円環状部材320、また第二円環状部材320及び第三円環状部材330)は、それぞれ互いに嵌合する嵌合部を有する。
また、図13(a)及び図14(a)に示すように、第一円環状部材310は、右端部に第一合口部312が形成される。また、図13(a)及び図14(b)に示すように、第二円環状部材320は、左端部に第二合口部322が形成される。また、図13(a)及び図13(c)に示すように、第三円環状部材330は、下端部に第三合口部332が形成される。
シールリング300は、第一円環状部材310、第二円環状部材320及び第三円環状部材330が互いに組み付けられることによって形成される。このように、第一円環状部材310、第二円環状部材320及び第三円環状部材330が互いに組み付けられると、シールリング300において、第一合口部312、第二合口部322及び第三合口部332は、それぞれ右端部、左端部及び下端部に配置される。
このように、シールリング300において、第一合口部312、第二合口部322及び第三合口部332は、それぞれ軸線方向(前後方向)に重複しないように配置される。すなわち、全ての合口部(第一合口部312、第二合口部322及び第三合口部332)は、周方向の位相を互いに異ならせて配置される。
以上のように、本発明の第三実施形態に係るシールリング300においては、全ての前記合口部(第一合口部312、第二合口部322及び第三合口部332)の周方向の位相は、互いに異なっているものである。
このような構成により、複数の合口部が軸線方向に重複していないため、シールリング300において合口部と共に軸線方向に配置される部分の長さが極端に短くなるのを防止することができる。
具体的には、例えば第一合口部312及び第三合口部332が軸線方向に重複した場合には、当該第一合口部312及び第三合口部332と共に軸線方向に配置される部分の長さとは、第二円環状部材320の軸線方向の長さだけだけとなる(極端に短くなる)。しかしながら、シールリング300においては、複数の合口部が軸線方向に重複していないため、例えば第一合口部312と共に軸線方向に配置される部分の長さとは、第二円環状部材320及び第三円環状部材330の軸線方向の長さとなる(極端に短くならない)。
このように、シールリング300においては、軸線方向の一方側(前側)と他方側(後側)とが、第一合口部312、第二合口部322及び第三合口部332を介して連通されないと共に、合口部と共に軸線方向に配置される部分の長さが極端に短くなるのを防止しているため、軸受ハウジング20内の潤滑油が、第一合口部312、第二合口部322及び第三合口部332を介してコンプレッサ40側へと漏れるのを、より一層抑制することができる。すなわち、シールリング300は、シール性の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係る第一合口部312、第二合口部322及び第三合口部332は、周方向の位相が全て異なって配置されるものであるが、本発明に係る合口部の周方向の位相はこれに限定するものではない。すなわち、第一円環状部材310、第二円環状部材320及び第三円環状部材330のうち、少なくとも1組の円環状部材(例えば第一円環状部材310及び第二円環状部材320や、第二円環状部材320及び第三円環状部材330)の合口部の周方向の位相が互いに異なっていればよい。
以下では、図15及び図16を用いて、第三実施形態に係るシールリング300の別例(シールリング300a)について説明する。
なお、第三実施形態の別例に係るシールリング300aにおいて、第三実施形態に係るシールリング300と特に異なる点は、本発明に係る円環状部材及び嵌合部の構成である。したがって、以下においては、第三実施形態の別例に係るシールリング300aが具備する円環状部材及び嵌合部の構成について、第三実施形態とは異なる点を中心に説明を行う。
シールリング300aは、第一円環状部材310aと、第二円環状部材320aと、を具備する。第一円環状部材310aは、主として第一嵌合部311aと、第一合口部312aと、を具備する。第二円環状部材320aは、主として第二嵌合部321aと、第二合口部322aと、を具備する。第一円環状部材310a及び第二円環状部材320aは、正面視で略同一の大きさに形成される。
図15(b)に示すように、第一円環状部材310aの第一嵌合部311aは、主として、前後方向に凸凹状に形成される第一凹凸部315aを具備する。第一凹凸部315aは、第一円環状部材310aの後部に形成される。
図15(b)に示すように、第二円環状部材320aの第二嵌合部321aは、主として、前後方向に凸凹状に形成される第二凹凸部325aを具備する。第二凹凸部325aは、第二円環状部材320aの前部に形成される。
図15(b)に示すように、第一円環状部材310a及び第二円環状部材320aが互いに組み付けられると、第一円環状部材310a及び第二円環状部材320aが軸線方向(前後方向)に互いに対向して配置される。また、第一円環状部材310a及び第二円環状部材320aが互いに組み付けられると、第一嵌合部311a及び第二嵌合部321aが互いに嵌合される。具体的には、第一嵌合部311aの第一凹凸部315aと、第二嵌合部321aの第二凹凸部325aとが嵌合される。こうして、シールリング300aは、断面視で略矩形状の中実の部材のように形成される。
第一合口部312aは、シールリング300aの前部の右端部に配置される。図16(a)に示すように、第一合口部312aは、正面視でシールリング300aの右端部において内周面から外周面に亘って形成される。ここで、第一合口部312aの後方には、シールリング300aの内周面から外周面に亘って、第二円環状部材320aが配置される。このように、シールリング300aの右端部(第一合口部312aが配置されている部分)においては、第一合口部312aが配置されているにも関わらず、前後方向(軸線方向)に貫通(連通)していない。
第二合口部322aは、シールリング300aの後部の左端部に配置される。図16(b)に示すように、第二合口部322aは、正面視でシールリング300aの左端部において内周面から外周面に亘って形成される。ここで、第二合口部322aの前方には、シールリング300aの内周面から外周面に亘って、第一円環状部材310aが配置される。このように、シールリング300aの左端部(第二合口部322aが配置されている部分)においては、第二合口部322aが配置されているにも関わらず、前後方向(軸線方向)に貫通(連通)していない。
以上のように、本発明の第三実施形態の別例に係るシールリング300aにおいては、複数の前記円環状部材(第一円環状部材310a及び第二円環状部材320a)における前記軸線方向の一方側(前側)と他方側(後側)とが、前記合口部(第一合口部312a及び第二合口部322a)を介して連通されていないものである。
このような構成により、軸受ハウジング20内の潤滑油が、第一合口部312a及び第二合口部322aを介してコンプレッサ40側へと漏れるのを抑制することができる。すなわち、シールリング300aは、シール性の向上を図ることができる。
1 ターボチャージャ
100 シールリング
110 第一円環状部材
111 第一嵌合部
112 第一合口部
120 第二円環状部材
121 第二嵌合部
132 第二合口部

Claims (6)

  1. 円環状に形成されると共に一部分が分断された合口部を有する複数の円環状部材を具備し、
    複数の前記円環状部材は、軸線方向に互いに対向して配置され、
    互いに隣り合う前記円環状部材は、互いに嵌合する嵌合部をそれぞれ有し、
    前記互いに隣り合う前記円環状部材のうち少なくとも1組の前記円環状部材は、それぞれの合口部の周方向の位相が互いに異なっている、
    シールリング。
  2. 全ての前記合口部の周方向の位相は、互いに異なっている、
    請求項1に記載のシールリング。
  3. 複数の前記円環状部材における前記軸線方向の一方側と他方側とが、前記合口部を介して連通されていない、
    請求項1又は請求項2に記載のシールリング。
  4. 前記嵌合部は、前記軸線方向へ向けた凸凹状に形成されている、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のシールリング。
  5. 前記シールリングの外周面が、複数の前記円環状部材のうち一つの前記円環状部材の外周面により形成されている、
    請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のシールリング。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のシールリングを具備するターボチャージャ。
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