JP2017071099A - 機能性薄膜形成用印刷装置及び機能性薄膜形成方法 - Google Patents

機能性薄膜形成用印刷装置及び機能性薄膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機能性薄膜の微細パターニングを高品質かつ異物を少なく印刷することが出来る機能性薄膜形成用印刷装置及び機能性薄膜形成方法を提供する。【解決手段】基材に機能性薄膜を形成する為の機能性薄膜形成用印刷装置であり、版胴と、位置決め定盤と、インキ供給機構とを少なくとも具備し、前記版胴は、印刷パターンが形成された凸版を外周部に備えるシリンダー状であって、前記位置決め定盤は、被印刷物を位置決めして載置する手段であって、前記インキ供給機構は、前記凸版にインキを供給するためのアニロックスロールと、アニロックスロールに押し付けてアニロックスロール表面の余剰インキを掻き落とすドクターロールと、ドクターロールをアニロックスロールに押し付けるように設けられた押し当てロールとから構成され、該押し当てロールはドクターロールと同幅長である機能性薄膜形成用印刷装置。【選択図】図1

Description

本発明は、機能性薄膜を高品質に印刷する機能性薄膜形成用印刷装置及び機能性薄膜形成方法に関するものである。
近年、微細薄膜パターン形成において、量産性に優れ、製造コストを低く抑えることが可能である公知の印刷方式を利用する試みが検討されている。特にディスプレイ分野では、画面の大型化、コストの低減化に対応するため、印刷方式によって機能性薄膜をパターン形成する検討が進められている。また、成膜される機能性材料の面内均一性の要求品質が非常に高い。
具体的な印刷方式としては、オフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凸版印刷法(樹脂凸版印刷法を含む)などが検討されている。
これらの各種印刷手法の中で特に樹脂凸版印刷法は、樹脂からなる凸版と、アニロックスロールと呼ばれる表面に細かい凹部(セル)が彫刻されたインキロールと、溶剤乾燥型のインキとを用いた印刷方式であり、従来から包装紙などの印刷物に広く使用されている。この樹脂凸版印刷法は、膜厚0.01〜0.2μm程度の薄くて安定した印刷層の形成に、特に適している。
また、樹脂凸版印刷法はキスタッチと称される極低印圧での印刷が可能であることから、ガラス基板や高い圧力をかけることによって特性が破壊され易い透明電極等が成膜された基板に対する印刷にも適しており、ディスプレイ等の電子部品のパターン形成に特段優れた印刷方法である。
次に、一般的な凸版印刷装置について、図5を参照して説明する。図5は、従来の一般的な凸版印刷装置の構成を示す概略図である。この凸版印刷装置は、凸版504の版面にインキを供給するためのセルを有するアニロックスロール501と、アニロックスロールにインキを供給するインキチャンバ508と、版下クッション503を介してパターン形成用の凸版504が装着された回転式の版胴505と、被印刷基板507が載置される基板定盤506と、インキを掻き落とすドクタリングを行うためのドクターブレード502によって構成されている。
次に、図5の印刷機を用いた際の一般的な印刷の流れについて説明する。まず基板定盤506上に被印刷基板507が載置された後、版胴505の直下まで移動する。基板定盤506が移動した後、版胴505が、基板定盤506の矢印511で示される方向への移動動作と同期回転し、矢印513で示す方向に回転する。またアニロックスロール501が、版胴505の回転動作と等速で矢印512で示される方向に回転動作することにより、凸版504へアニロックスロール501上のインキが供給される。凸版504へインキが供給された後、速やかに凸版504上のインキは被印刷基板507へ転写され、印刷動作が終了する。
ここで、ドクターブレード502はアニロックスロール501上に塗布されたインキのうち余剰インキを掻き落とし、アニロックスロール501のセル内に均一にインキを押し込むために、一般的に20kPa程度の圧力でアニロックスロールへ押し当てられる。そのため、アニロックスロール、ドクターブレードの両者が磨耗し、その削れた部材がインキの中へ混入する問題があった。
アニロックスロール501やドクターブレード502の構成材料は、一般的に金属酸化物、若しくは樹脂からなる為、これらが磨耗して削れることで異物としてインキ内に混入することとなる。
従来、樹脂凸版印刷法において一般印刷物ならばこのような異物が生じても大きな問題とならないが、有機半導体薄膜や、有機EL薄膜などを代表とする機能性薄膜の微細パターニングなどを目的としたエレクトロニクス部材向け印刷では、そのような削れた金属異物が原因で、導電することによるショートが発生するなどの不具合が発生し、製品不良となるおそれがある。
以上のように、アニロックスロール501上のインキを掻き落とす手段としては、主として、ドクターブレード502を用いるドクターブレード手法が用いられているが、特許文献1に示すように、ゴムなどをロール状に加工してドクターブレードの代替として用いたドクターロール手法も用いられている。
しかし、ドクターロール手法を用いることにより、ドクターブレード手法で発生したような金属異物や樹脂異物の発生は抑制出来るが、ドクターブレード手法と比較した場合には液掻き性が劣る。特にアニロックスロール中央領域部における液掻き性が悪く、中央領域部においてインキ量が過剰となるため、印刷物の中央領域部におけるムラの発生や、版のパターン部以外に余剰なインキが付着するなどの問題があった。
また、特許文献2のようにドクターロールの中央領域部の硬度を強くし、周辺領域部の硬度を弱くし、中央領域部と周辺領域部との硬度を変更する手段では、若干の効果はあるものの、機械構造上、中央領域部には力がかかりにくく、使用するインキ条件によっては面内均一にインキを掻き取ることができない。特にフレキソ印刷で用いられる比較的低粘度のインキ(特に、インキ粘度が200cP以下の場合)を用いる場合には、アニロックスロール上の余剰インキの回りこみは顕著であり、アニロックスロール上でのインキ量にバラつきが生じてしまい、塗膜面にムラが発生する問題があった。
そこで特許文献3の発明のように、中央領域部のドクタリングを補助する機構を設けた装置が考えられたが、この発明では中央部のドクタリング補助は改善するものの、アニロックスロール上を中央領域部から逃げた余剰インキが伝い、外周領域部へ行くにつれて、インキの盛り方が変化し、被転写物でムラが発生する。これは中央領域部では強くインキを掻く事はできるが、全面に均一な転写は得られない。また、低粘度インキ(特に、インキ粘度が200cP以下の場合)を使用する印刷では、局所的にアニロックスロールを掻くことは、より敏感にムラを発生させ、目視程度で確認可能であり、不具合として顕著な状態を生じる。
また、特許文献4の発明のようにアニロックスロールと接するドクターロールを2本以上使用した場合、有機半導体薄膜や、有機EL薄膜の印刷では、掻きの弱い箇所でアニロックスロール上にある流動的な余剰インキが存在することで、より少ないところに液が流れていき、これを繰り返し実施することで改善は可能であるが、液体の流動性を制御することは非常に困難で、転写物にムラが多く発生する問題があった。このことから、一度のドクタリングで面内均一に掻きとることが必要と考えられた。
特開2012−206309号公報 特開2014−162020号公報 特開2014−144575号公報 特開2014−65222号公報
従来のドクターロール手法を用いた樹脂凸版印刷法はアニロックスロールの周面中央領域の液掻き性が悪く、ドクターロール中央領域部から端部領域にかけて、幅方向で液掻き性にムラを生じ、機能性薄膜の微細パターニングを高品質に印刷することが出来なかった。
上記課題を解決する為に、本発明者が鋭意研究を行った結果、ドクターロールを用いて液掻きを実施する際に中央領域部で液掻き不良が発生する原因は、ドクターロールをアニロックスに押し付けた際のドクターロールの撓みである事が明らかとなった。即ち、図3に示す様に、ドクターロール302がアニロックスロール301と接触する接触点304を支点として撓みを発生させてしまい、中央部分がアニロックスロール301より逃げてしまう事が原因であることが明らかとなった。
特許文献3では、このドクターロールの撓みは改善したが、局所的な部位での余剰インキの掻きでは余剰インキの回り込みによる影響が顕著に現れるために、中央領域部から逃げてくる少量のインキが発生する。尚、符号303はドクターロール302の軸受け部を押し付ける力の方向を示す。
そこで前記問題に鑑みて、本発明の目的は、機能性薄膜の微細パターニングを高品質かつ異物を少なく印刷することが出来る機能性薄膜形成用印刷装置及び機能性薄膜形成方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、基材に機能性薄膜を形成する為の機能性薄膜形成用印刷装置であり、
版胴と、位置決め定盤と、インキ供給機構とを少なくとも具備し、
前記版胴は、印刷パターンが形成された凸版を外周部に備えるシリンダー状であって、
前記位置決め定盤は、被印刷物を位置決めして載置する手段であって、
前記インキ供給機構は、前記凸版にインキを供給するためのアニロックスロールと、アニロックスロールに押し付けてアニロックスロール表面の余剰インキを掻き落とすドクターロールと、ドクターロールをアニロックスロールに押し付けるように設けられた押し当てロールとから構成され、該押し当てロールはドクターロールと同幅長であることを特徴とする機能性薄膜形成用印刷装置である。
請求項2に係る発明は、前記押し当てロールはドクターロールの中央部を接点に押し付けることを特徴とする請求項1に記載の機能性薄膜形成用印刷装置である。
請求項3に係る発明は、前記アニロックスロールの中央部を押し付ける押し当てロールの形状において、中央部径Lと最外周端部径Mの関係が、M+100μm≦L≦M+300μmであることを特徴とする請求項2記載の機能性薄膜形成用印刷装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の機能性薄膜形成用印刷装置を用いて機能性薄膜を形成することを特徴とする機能性薄膜形成方法である。
本発明の機能性薄膜形成用印刷装置及び機能性薄膜形成方法によれば、有機半導体薄膜や、有機EL薄膜などを代表とする機能性薄膜の微細パターニングなどの均一な膜厚の印
刷パターンを容易に形成でき、なおかつ薄膜の機能を損なう異物の発生を低減することができる。そのため、機能性薄膜を高品質かつ異物を少なく印刷出来る。
本発明の機能性薄膜形成用印刷装置を側面から見た概略図。 図1の矢印120で示す方向から見た本発明の機能性薄膜形成用印刷装置のインキ供給機構を示す図。 従来の凸版印刷装置でのドクターロールの撓みを説明するための図。 本発明の押し当てロールを説明する概略図。 ドクターブレードを有する従来の一般的な凸版印刷装置を説明する概略図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。尚、発明はこれに限るものではない。
本発明の実施の形態を図1、図2を用いて説明する。
図1は本発明の機能性薄膜形成用印刷装置の概略を側面から見た図で、図2は図1の矢印120で示す方向から見たインキ供給機構を示す図である。本発明の機能性薄膜形成用印刷装置は版胴105と、位置決め定盤106と、インキ供給機構109と、を具備している。版胴105は、その外周部に版下クッション103を介して凸版104を備えたシリンダー状の部材で、位置決め定盤106は、被印刷物107を位置決めして載置するものである。
インキ供給装置109は、印刷パターンが形成された凸版104にインキチャンバ108に貯えられたインキを供給するアニロックスロール101と、該アニロックスロール101をシリンダー状版胴105の方向に押し付けてアニロックスロール上の余剰インキを掻き落とすドクターロール102と、ドクターロール102を押し付けるように設けられた押し当てロール110と、から構成されている。尚、図1に示される符号111は位置決め定盤106の移動方向を示し、符号112、113、114、115はそれぞれアニロックスロール101、版胴105、ドクターロール102、押し当てロール110の回転方向を示す。
本発明に係る凸版104には樹脂凸版を用いることが出来る。更に、アニロックスロール101としては、SUS材などで作成された芯ロール上に、酸化クロムをプラズマ溶射して形成した酸化クロム皮膜をレーザー彫刻によってパターニングしたセラミックスロール、又は、芯ロール上に銅メッキを施した後樹脂を塗布し、レーザーパターニングした後に腐食処理をし、得られたパターン上にクロムメッキを施したクロムロールのいずれも用いることが出来る。
また、アニロックスロール101上に形成されるパターンとしては、ヘリカルパターン、FMパターン、ハニカムパターン、ダイヤパターン、ARTパターンなどいずれのパターンも用いることが出来る。
これらのパターンは印刷物上のモアレを防止する為に適宜角度を設けても良い。これらのパターンが形成された後、アニロックスロール101表面は、ドクターロール102側に傷をつけるのを防止する為に研磨されることが望ましい。具体的にはアニロックスロール101のパターン土手部において4μm以上の突起がなくなるよう研磨されることが望ましい。アニロックスロール101を回転する機構としては、回転速度ムラが印刷物に大きな影響を与える為、高精度に回転を制御可能なサーボモータでダイレクトドライブを行うことが望ましい。また、必要トルクを得るために減速機構を使用する場合にはバックラ
ッシュレスの機構を用いることが望ましい。
使用することが出来るドクターロール102としてはSUS材などで作成された芯ロールに、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどを巻きつけて作成してもよいし、上記のゴムを巻きつけて作製したゴムロール表面に、PFA熱収縮チューブを巻きつけたものを用いることが出来る。これらゴム材は、インキとして使用する溶剤に対する耐性を考慮して適宜選定される。
上記のようにして作成されたドクターロール102の表面の平滑性は、算術平均粗さRaが0.1μm以下、最大高さRzが1μm以下であることが望ましい。これらの条件を満たすことによって低発塵かつ、平滑な液掻き面を得ることが出来る。
ドクターロール102の硬度としては、JIS−A硬度で30°〜70°の範囲のものを使用することが出来る。ドクターロール102を回転する機構としては、回転速度ムラが印刷物に大きな影響を与える為、高精度に回転を制御可能なサーボモータを使用し、ダイレクトドライブを行うことが望ましく、アニロックスロールの回転と同期回転可能な形で制御することが出来るシステムを持つことが望ましい。
図3に示す従来のドクターロール302では、アニロックルロール301へ押し当てた際にアニロックスロールとの接触部304を支点に中央部がアニロックスロールから逃げる方向に撓みを発生してしまう。
そこで本発明では、図2に示すように、ドクターロール202の撓みをアニロックスロール201の方向へ押し付ける為の押し当てロール203を設けた。このように押し当てロール203を設けることによって、押し当てロール203の支点206により、ドクターロール202の中央部の撓みをなくすことが出来る。
前記押し当てロール203の作製には、ドクターロール202と同様な方法でゴム硬度、表面材質を選定して作製する事が出来る。押し当てロール203の長さは、ドクターロールの中央付近を効率良く押さえる事が出来ることと、液掻き性を均一にドクタリングできるように緩やかにドクターロール202を押し込むことが必要なため、同程度にする事が望ましい。またこの押し当てロールは使用するインク条件や印刷機に応じ、本発明の押し当てロールの押し当てを補助するロールとして複数本使用することもできる。
また図4に示すように、押し当てロール406の中央領域部の径Lと最外周端部の径Mは、L≧Mであることが望ましく、さらに所望の印刷品質に応じて加工を施すのが望ましい。
例えば、図4記載の押し当てロール406の中央領域部の径L407および最外周端部の径M408の関係として、L<Mの場合、中央領域部の掻き性が弱いため、中央領域部に濃い転写ムラが発生する場合がある。また、L>MでLがM+100μm未満の場合も、中央領域部の掻き性が弱くなるために、全面に転写ムラが発生する場合がある。また、L>MでLがM+300μmより大きい場合は、中央領域部の掻きが周辺領域部より強くなるため、中央領域部が薄い転写ムラが発生する場合がある。
そのため、これらの径の関係は、最も好ましくはM+100μm≦L≦M+300μmであることが望ましい。なお、押し当てロールの形状は、中央領域部から最外周端部にかけて、緩やかに、段差無く仕上げることがより望ましい。
本発明の機能性薄膜形成用印刷装置を用いて印刷を行う場合の動作について図1を用いて説明する。
図1に示す基板定盤106上に、ガラス基板を用いた被印刷基板107を載置した後、装置操作者の印刷開始指示によって印刷動作が開始される。この間、アニロックスロール101上にはインキチャンバ108のインキが供給され、ドクターロール102によってドクタリングが継続的に実施され、平滑なインキ表面が常に保持されている。次に基板定盤106が版胴直下に移動した後、アニロックスロール101より凸版104上へインキが転写され、その後、版胴105上に版下クッション103を介して貼り付けられた凸版104の表面の周速と同速度で移動する基板定盤106上に置かれた被印刷基板107へ印刷が行われる。以上の動作によってガラス基板には均一な膜厚の印刷パターンを容易に形成することが出来る。
(実施例1)
本発明の機能性薄膜形成用印刷装置の実施例について述べる。尚、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明を達成できる範囲での改良・変形等は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
本実施例では高分子型有機発光材料を、ガラス基板上へ印刷した例を示す。
機能性薄膜形成用印刷装置としては、図1に示す構成の印刷機を用いた。
本実施例で用いるアニロックスロール101にはクロムロールを用いた。ロールに形成されるパターンは1辺65μmの正方形のセルが、72.5μmピッチで配列して形成されるダイヤパターンであり、これらのパターンはロール水平線より60°傾いて形成されている。
また、ドクターロール102としては、SUS材のロール芯に硬度JIS−A50°のウレタンゴムを巻き付け、その直径が目標直径に対して0.5mm以内になるように円柱状に加工した。更に加工したウレタンゴムロール上にPFA熱収縮チューブを巻きつけた後、ロール周面全体に研磨を実施し、ロール表面の算術平均粗さRaを0.05μm、最大高さRzを1μmとした。
また、ドクターロール102の全長は、アニロックスロール上のインキを全幅で掻き取れる様にアニロックスロール101の全長より10mm長くなる様に作製した。これは、ドクターロールの幅がアニロックスロール幅より狭い場合、アニロックスロール端部で掻きが弱い箇所が発生してしまう可能性があるためである。このようにして作成したドクターロール102をアニロックスロール101に対して、ドクターロールを50μm押し込むようにして設置した。また、設置されたアニロックスロール101はサーボモータ制御しながら回転させ、ドクターロール102はアニロックスロール101への連れまわりで同期回転をさせてドクタリングを行った。
また、本実施例で用いる押し当てロール110としては、ドクターロールと同様にSUS材の芯に硬度JIS−A50°のウレタンゴムを巻き付け、その直径が目標直径に対して0.5mm以内になるように円柱状に加工した。全長はドクターロールと同程度となる様に加工を行った。
また、押し当てロールの中央領域部の径Lを目標直径で0.75mm、最外周端部の径Mを0.6mmとし、押し当てロールの形状が中央領域部から最外周端部にかけて、緩やかに、段差無く仕上げるよう研磨を施した。即ち、図4記載の押し当てロール406の中央領域部の径L407および最外周端部の径M408の関係を、LがM+150μmとな
るように加工した。
次に凸版104について説明する。
まず、厚さ0.2mmのSUS304の板の表面に反射抑制層として黒色油性染料を厚さ1.5μmになるようにダイコート法により塗工した。この積層体の表面に、ポリアミドを主成分とするネガ型感光性樹脂を総厚が0.1mmとなるように塗工し、版のベースとした。
その後、この版材に対し、ストライプ上のパターンを有するネガパターン(有効領域開口106μm×100mm、非開口スペース392μm×100mm、総有効線数400本、サイズ:W200mm×L100mm)のクロムマスクを用いて50μmのプロキシミティギャップを開けて露光した。露光の後、温水を掛け流しながら現像を行い、凸部高さ90μm、凸部ライン幅106μm、スペース392μmの凸版を形成した。作製した凸版を版胴105に版下クッション103として0.5mm厚の印刷用クッションテープを用いて版を貼り付けた。
次にインキについて説明する。
(機能性材料形成用塗工液の調製)
機能性材料の印刷用インキとして、塗布法でも高い結晶性が得られる可能性の高い有機半導体のビストリイソプロピルシリルエチニルペンタセンをテトラリンに1質量%で調整、溶解させたインキを作製し、インキチャンバ108へ投入した。
以上の印刷装置、版、発光材料インキを用いてサイズ300mm角でt=0.7mmのソーダガラス上に印刷を行った。印刷はタクト60s(秒)で行い、ドクタリング速度は5mm/s(Ca=0.01)、印刷速度は100mm/sとした。
(実施例2:押し当てロールサイズを中央領域部が最外周端部より小さいサイズとした場合)
実施例として、使用する押し当てロールとしてL<Mとなるように加工し、その他の条件は実施例と同じ条件で印刷を行った。
(実施例3:押し当てロールサイズを中央領域部と最外周端部が同サイズとした場合)
実施例として、使用する押し当てロールとしてLとMが同サイズとなるように加工し、その他の条件は実施例と同じ条件で印刷を行った。
(実施例4:押し当てロールサイズを中央領域部より最外周端部の方が大きく、Lの上限値)
実施例として、使用する押し当てロールとしてLがM+300μmとなるように加工し、その他の条件は実施例と同じ条件で印刷を行った。
(実施例5:押し当てロールサイズを中央領域部より最外周端部の方が大きく、Lの下限値)
実施例として、使用する押し当てロールとしてLがM+100μmとなるように加工し、その他の条件は実施例と同じ条件で印刷を行った。
(実施例6:押し当てロールサイズを中央領域部より最外周端部の方が大きく、Lの上限値)
比較例として、使用する押し当てロールとしてLがM+310μmとなるように加工し、
その他の条件は実施例と同じ条件で印刷を行った。
(実施例7:押し当てロールサイズを中央領域部より最外周端部の方が大きく、Lの下限値)
比較例として、使用する押し当てロールとしてLがM+90μmとなるように加工し、その他の条件は実施例と同じ条件で印刷を行った。
以下は、実施例1と同様の製法を用いて、押し当てロール違いでの比較検討したことについて示す。
(比較例1:押し当てロールを用いない場合)
比較例として上記実施例で使用した押し当てロール110を使用せず、その他の条件は実施例と同じ条件で印刷を行った。
(比較例2:押し当てロールサイズにおいて幅方向サイズを半分にした場合)
比較例として、使用する押し当てロールの幅方向をドクターロールの幅の1/2になるよう加工し、その他の条件は実施例と同じ条件で印刷を行った。
以上の実施例と比較例において得られた、有機発光層の印刷パターンが形成されたガラス基板について以下の評価を行った。
(評価項目1)印刷パターン全体のムラ評価(目視確認)
(評価項目2)ガラス基板に印刷された印刷幅方向のインキ膜厚のバラツキ(転移量分布)の測定
これらの評価結果を表1に示す。
総合評価は下記の通りとする。
◎:ムラ、膜厚のバラツキともに発生せず、製品特性に影響なし。
○:ムラ、膜厚のバラツキが若干発生しているが、製品特性に影響なし。
△:「○」評価よりもムラ、膜厚のバラツキがやや強いレベルで発生しているが、製品特性としては及第点である。
×:ムラと、膜厚のバラツキが発生し、製品特性に影響あり。
評価の結果、実施例1では特異的なムラは観測されなかった。更に、比較例1の押し当てロールの無い状態では幅方向の転移量分布が±20%であったものが、実施例でのインキの膜厚は±5%内であり、バラツキが改善された。
実施例2では中央領域部の液掻き性が改善されず、アニロックスロール上で中央領域部に濃いムラを確認し、転移量分布が±10%であった。
実施例3でも、実施例2と同様、中央領域部の液掻き性は改善されず、転移量分布が±10%であった。また印刷パターンの全面にムラも発生していた。
実施例4では中央領域部の液掻き性は改善され、前述よりもムラは改善された。ただし、幅方向の転移量分布が±10%程度であった。これは中央領域部を強く押し込みすぎたために、局所的な液掻き領域が中央領域部に存在し、外周領域部との液量に差が大きく生じたことが原因と考えられる。また、印刷パターンもそれに倣い、中央領域部が薄いムラが発生していた。
実施例5では、中央領域部の液掻き性は改善されず、転移量分布が±10%であった。また印刷パターンの全面にムラも発生していた。
実施例6では中央部に薄いムラを確認し、転移量分布が±15%であった。
同様に実施例7では全面にムラが発生し、転移量分布が±15%であった(以上、表1参照)。
比較例2では、中央領域部の液掻き性は改善されたが、幅方向の転移量分布が±20%程度であった。これは中央領域部を強く押し込みすぎたために、局所的な液掻き領域が中央領域部に存在し、外周領域部との差が大きくなったことが原因と考えられる。また、印刷パターンの全面にムラが発生していた。
転移量分布が15%より大きい場合、面内の製品特性上、不具合を引き起こす可能性が考えられ、これら製品特性や外観は検討する製品により変更するため、本発明の効果を最も発揮されるより好ましい範囲としては、M+100μm<L<M+300μmと考えられる。
以上のように本発明の機能性薄膜形成用印刷装置によれば、押し当てロールを用いることによって、ドクターロールの撓みが無くなり、かつ局所的なドクターロールへの当たりで発生する余剰インキの回り込みも緩和し、中央領域部から最外周端部にかけて緩やかにドクターロールを押し付けた結果、より均一な膜厚の印刷パターンを容易に形成することが出来る。
101・・・アニロックスロール
102・・・ドクターロール
103・・・版下クッション
104・・・凸版
105・・・版胴
106・・・基板定盤
107・・・被印刷基板
108・・・インキチャンバ
109・・・インキ供給機構
110・・・押し当てロール
111・・・基板定盤106の移動方向
112・・・アニロックスロール101の回転方向
113・・・版胴105の回転方向
114・・・ドクターロール102の回転方向
115・・・押し当てロール110の回転方向
201・・・アニロックスロール
202・・・ドクターロール
203・・・押し当てロール
204・・・ドクターロール軸受け部を押し付ける方向
205・・・押し当てロール軸受け部を押し付ける方向
206・・・押し当てロール203の支点
301・・・アニロックスロール
302・・・ドクターロール
303・・・ドクターロール軸受け部を押し付ける方向
304・・・ドクターロール302の撓みの支点
406・・・押し当てロール
407・・・中央領域部の径L
408・・・最外周端部の径M
501・・・アニロックスロール
502・・・ドクターブレード
503・・・版下クッション
504・・・凸版
505・・・版胴
506・・・基板定盤
507・・・被印刷基板
508・・・インキチャンバ
511・・・基板定盤506の移動方向
512・・・アニロックスロール501の回転方向
513・・・版胴505の回転方向

Claims (4)

  1. 基材に機能性薄膜を形成する為の機能性薄膜形成用印刷装置であり、
    版胴と、位置決め定盤と、インキ供給機構とを少なくとも具備し、
    前記版胴は、印刷パターンが形成された凸版を外周部に備えるシリンダー状であって、
    前記位置決め定盤は、被印刷物を位置決めして載置する手段であって、
    前記インキ供給機構は、前記凸版にインキを供給するためのアニロックスロールと、アニロックスロールに押し付けてアニロックスロール表面の余剰インキを掻き落とすドクターロールと、ドクターロールをアニロックスロールに押し付けるように設けられた押し当てロールとから構成され、該押し当てロールはドクターロールと同幅長であることを特徴とする機能性薄膜形成用印刷装置。
  2. 前記押し当てロールはドクターロールの中央部を接点に押し付けることを特徴とする請求項1に記載の機能性薄膜形成用印刷装置。
  3. 前記アニロックスロールの中央部を押し付ける押し当てロールの形状において、中央部径Lと最外周端部径Mの関係が、M+100μm≦L≦M+300μmであることを特徴とする請求項2記載の機能性薄膜形成用印刷装置。
  4. 請求項1に記載の機能性薄膜形成用印刷装置を用いて機能性薄膜を形成することを特徴とする機能性薄膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109774327A (zh) * 2019-01-22 2019-05-21 山东天惠印刷有限公司 一种柔板印刷工艺

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