JP2017069170A - 把持検出装置及びセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な回路構成で広い検出範囲を有するセンサを提供する。【解決手段】センサ20Aは、リム12に取付可能な下側基板22と、下側基板22の上方に配置される上側基板26と、下側基板22の上面に取り付けられる下側電極50と、下側電極50に対向するように上側基板26の下面に取り付けられる上側電極60とにより構成される電極対80と、電極対80の周囲に配置される基板スペーサ24とを備える。上側電極60及び下側電極50は感圧電極により構成される。基板スペーサ24は、上側基板26と下側基板22との間に配置される。センサ20Aは、互いに対向する下側電極50と上側電極60とが離間するように基板スペーサ24の内側に配置される少なくとも1つの電極スペーサ90とを備える。そして、少なくとも1つの電極スペーサ90は、第1の方向の長さが第2の方向の長さよりも長くなるように形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、把持検出装置及びセンサに係り、特に自動車のステアリングホイールのリムを運転者が把持したことを検出する把持検出装置に用いられるセンサに関するものである。
自動車には様々なセンサが実装されており、これらのセンサにより検出された信号を用いて各種機器の制御が行われている。例えば、運転者がステアリングホイールのリムを把持しているか否かに応じて、カーナビゲーションシステムや運転支援システム、ヒータ、エアバッグなどを制御することが行われている。このように、運転者がリムを把持したか否かを検出するために、リムに複数のタッチセンサを組み込み、これらのタッチセンサにより運転者の手がリムに接触しているか否かを検出することも行われている(例えば、特許文献1参照)。
リムの把持状態をより正確に検出するためには、広い範囲にわたってリムの把持を検出できることが必要となる。このため、特許文献1に開示されている技術では、複数のタッチセンサをリムの周方向に沿って等間隔で配置して検出範囲を広げている。しかしながら、これらのタッチセンサは、それぞれ独立して接触又は非接触を判断するものであるため、タッチセンサの数だけ独立した配線が必要となり、配線が複雑化し、コストも上昇するという問題があった。
特開2014−061761号公報
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な回路構成で広い検出範囲を有するセンサを提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、リムを運転者が把持したことを正確に検出することができる把持検出装置を提供することを第2の目的とする。
本発明の第1の態様によれば、簡単な回路構成で広い検出範囲を有するセンサが提供される。このセンサは、ステアリングホイールのリムに組み込まれる。上記センサは、上記リムに取付可能な下側基板と、上記下側基板の上方に配置される上側基板と、上記下側基板の上面に取り付けられる下側電極と、該下側電極に対向するように上記上側基板の下面に取り付けられる上側電極とにより構成される少なくとも1つの電極対と、上記少なくとも1つの電極対の周囲に配置される基板スペーサとを備える。上記上側電極及び上記下側電極の少なくとも一方は感圧電極により構成される。上記基板スペーサは、上記上側基板と上記下側基板との間に配置される。また、上記センサは、互いに対向する上記下側電極と上記上側電極とが離間するように上記基板スペーサの内側に配置される少なくとも1つの電極スペーサを備える。そして、上記少なくとも1つの電極スペーサは、上記リムの延びる方向に垂直なリム断面の周方向に対応する第1の方向の長さが上記リムの延びる方向に対応する第2の方向の長さよりも長くなるように形成されている。
このように、上側電極及び下側電極の少なくとも一方が感圧電極により構成されているため、単に電極間の接触又は非接触による検出ではなく、感圧電極に作用する押圧力に基づく検出が可能となる。したがって、それぞれの電極の面積を大きくしてもリムの把持状態の検出が可能であり、広い検出範囲を確保できる。このように、それぞれの電極の面積を大きくすることができるので、電極の総数を減らすことができる。これに伴い、配線の数が減るため、センサの回路構成を簡略化してコストを下げることができる。また、電極スペーサは、リムの延びる方向に垂直なリム断面の周方向に対応する第1の方向の長さがリムの延びる方向に対応する第2の方向の電極スペーサの長さよりも長くなるように構成されているため、このように電極の面積を大きくしたセンサを湾曲させた場合でも、一対の電極対の周囲に設けられた基板スペーサの内側に電極スペーサが介在する結果、該上側電極と下側電極とが意図せず接触することを防止することができる。
この場合において、上記第1の方向の長さが上記第2の方向における最大幅よりも長くなるように上記少なくとも1つの電極スペーサを形成してもよい。また、上記下側電極の上面又は上記上側電極の下面を上記第1の方向に延びる直線に対して0度以上45度未満の角度で交わるように上記少なくとも1つの電極スペーサを形成してもよい。さらに、上記少なくとも1つの電極スペーサは上記第1の方向に沿って延在してもよい。加えて、上記少なくとも1つの電極スペーサは、互いに対向する上記下側電極又は上側電極の、上記第2の方向における中央部又は該中央部の近傍に設けられてもよい。このような構成により、上側電極と下側電極とが意図せず接触することを効果的に防止することができる。
上記少なくとも1つの電極対は、上記第2の方向に沿って複数の電極対を配置してもよい。この場合において、上記上側電極に接続される上側電線と、上記下側電極に接続される下側配線とをさらに備え、上記上側配線及び上記下側配線の少なくとも一方が、上記第2の方向に沿って配置された複数の電極対に対して異なるチャンネルで接続されることが好ましい。このような構成により、第2の方向における電極対の位置に応じて独立した検出が可能となるので、より正確な把持検出が可能となる。
また、第1の方向に沿って複数の電極対を配置してもよい。この場合において、上記上側電極に接続される上側電線と、上記下側電極に接続される下側配線とをさらに備え、上記上側配線及び上記下側配線の少なくとも一方が、上記第1の方向に沿って配置された複数の電極対に対して異なるチャンネルで接続されることが好ましい。このような構成により、第1の方向における電極対の位置に応じて独立した検出が可能となるので、より正確な把持検出が可能となる。
本発明の第2の態様によれば、リムを運転者が把持したことを正確に検出することができる把持検出装置が提供される。この把持検出装置は、ステアリングホイールのリムに組み込まれた上述したセンサと、上記センサの上記上側電極及び上記下側電極に接続される把持検出部とを備えている。この把持検出部は、上記センサの上記上側電極と該上側電極に対向する上記下側電極との間の導通状態に基づいて運転者が上記リムを把持したことを検出する。
上述したセンサは広い検出範囲を有するものであるから、このような構成の把持検出装置は、広い範囲でリムの把持を検出することが可能であり、運転者がリムを把持したことを正確に検出することができる。
この場合において、上記把持検出装置は、上記リムのコアの外周面と上記下側電極の下面との間に設けられるクッション材をさらに備えてもよい。このような構成により、上記把持検出装置の感圧センサが押された場合でもクッション材がその押圧を吸収するため、上側電極と下側電極とが意図せず接触することを効果的に防止することができる。なお、このようなクッション材をウレタンで形成してもよい。
本発明によれば、簡単な回路構成で広い検出範囲を有するセンサを提供できる。また、リムを運転者が把持したことを正確に検出することができる把持検出装置を提供できる。
本発明の一実施形態における把持検出装置の構成を模式的に示す図である。 図1のA−A線断面を模式的に示す図である。 図1に示す把持検出装置におけるセンサを示す平面図であり、ステアリングホイールのリムに組み込む前のセンサの状態を示すものである。 図3に示すセンサの底面図である。 図3のB−B線断面図である。 図5のC−C線断面図である。 図5に示す基板スペーサの平面図である。 図5のD−D線断面図である。 図5のE−E線断面図である。 図3に示すセンサをリムのコアに取り付けた状態を示す図である。 図5に示すセンサの変形例の図6に対応する図である。 図11に示すセンサの図8に対応する図である。 図8に示すセンサの変形例を示す図である。 図5に示すセンサの上側基板上に形成される上側電極と上側配線とを模式的に示す底面図である。 図5に示すセンサの下側基板上に形成される下側電極と下側配線とを模式的に示す平面図である。 図1に示す把持検出装置の回路構成を模式的に示す図である。 図1に示す把持検出装置の回路構成を模式的に示す図である。 図1に示す把持検出装置の回路構成を模式的に示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 図3に示すセンサの製造工程を示す図である。 本発明に係るセンサの実施例における電極対の上側電極と下側電極との間の抵抗値を示す図である。 本発明に係るセンサの実施例に対する比較例における電極対の上側電極と下側電極との間の抵抗値を示す図である。
以下、本発明に係る把持検出装置の実施形態について図1から図22を参照して詳細に説明する。なお、図1から図22において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図22においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。
図1は、本発明の一実施形態における把持検出装置1の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、把持検出装置1は、ステアリングホイール10のリム12に組み込まれた3つの感圧センサ20A,20B,20Cと、ステアリングホイール10のハブ14内に配置された把持検出部30と、それぞれの感圧センサ20A,20B,20Cと把持検出部30とを電気的に接続する接続配線部40とを備えている。それぞれの感圧センサ20A,20B,20Cは、ハブ14内の把持検出部30からステアリングホイール10のスポーク15の内部を通って延びる接続配線部40に接続される接続部21A,21B,21Cを有している。
感圧センサ20Aは、リム12の左側の領域Hから上側の領域Jにわたって設けられており、感圧センサ20Bは、リム12の右側の領域Mから上側の領域Jにわたって設けられており、感圧センサ20Cは、リム12の下側の領域Kの部分に設けられている。以下では、これら3つの感圧センサ20A,20B,20Cのうち感圧センサ20Aを中心に説明するが、他の感圧センサ20B,20Cの構成は、以下に述べる感圧センサ20Aの構成と同様である。なお、感圧センサ20A,20B,20Cの位置や数は図示のものに限られるものではない。例えば、感圧センサの数を1つにしてもよく、あるいは2つにしてもよく、あるいは4つ以上にしてもよい。
図2は、図1のA−A線断面を模式的に示す図である。図2における上側はリム12の表側(図1の紙面表側)、下側はリム12の裏側(図1の紙面裏側)を示している。図2に示すように、リム12のコア16の外周面にはクッション材300が周設されている。感圧センサ20Aは、リム12のコア16の断面の外周面を略全面にわたり覆うようにこのようなクッション材300上に取り付けられている。なお、このようなクッション材300を例えばウレタンなどで構成してもよい。
感圧センサ20Aの外周面上には、感圧センサ20Aによる凹凸を吸収してリム12の表面に凹凸が生じないようにするための緩衝材17が設けられている。この緩衝材17の外周面は、革などから構成されるスキン18により覆われており、運転者はこのスキン18の上からリム12を握って自動車を操縦する。
図2に示すように、感圧センサ20Aは、クッション材300上に取り付けられた下側基板22と、下側基板22上に固定された基板スペーサ24と、基板スペーサ24上に固定された上側基板26と、下側基板22の上面に取り付けられた複数の下側電極50と、上側基板26の下面に取り付けられた複数の上側電極60と、互いに対向する下側電極50と上側電極60との間に配置される少なくとも1つの電極スペーサ90とを含んでいる。本実施形態において、互いに対向する下側電極50及び上側電極60は、電極スペーサ90により互いに離間されており、これらの下側電極50及び上側電極60により1つの電極対80が構成される。
図3はリム12に組み込まれる前の感圧センサ20Aを示す平面図であり、図4は底面図である。また、図5は図3のB−B線断面図、図6は図5のC−C線断面図である。図3及び図4に示すように、上側基板26と下側基板22とは、同一の外形をしており、例えばポリイミドやポリエチレンテレフタート(PET)などの可撓性を有する樹脂から形成される。図3及び図4において、X方向(第1の方向)は、感圧センサ20Aをコア16の外周面に取り付けた際のリム12が延びる方向に垂直なリム断面(コア16の断面)の周方向R(図2参照)に対応しており、Y方向(第2の方向)は、リム12(コア16)が延びる方向E(図1参照)に対応している。以下、リム12(コア16)が延びる方向をリム延在方向E、リム断面の周方向をリム断面周方向Rということがある。
図3に示すように、上側基板26は、Y方向に長い略矩形状の板材から構成されており、Y方向に沿って所定の間隔でX方向の両側に切り欠き70が形成されている。このような切り欠き70を形成することによって、上側基板26は、複数の略短冊状の基板片26AがY方向に連結された構造となっている。同様に、図4に示すように、下側基板22は、Y方向に長い略矩形状の板材から構成されており、Y方向に沿って所定の間隔でX方向の両側に切り欠き71が形成されている。このような切り欠き71を形成することによって、下側基板22は、複数の略短冊状の基板片22AがY方向に連結された構造となっている。
図5及び図6に示すように、上側基板26と下側基板22との間には基板スペーサ24が配置されている。ここで、図7はこの基板スペーサ24の平面図である。図7に示すように、基板スペーサ24は、上側基板26及び下側基板22と略同一の外形を有しており、例えばポリイミドやポリエチレンテレフタート(PET)などの可撓性を有する樹脂から形成され得る。基板スペーサ24は、Y方向に長い略矩形状の板材から構成されており、Y方向に沿って所定の間隔でX方向の両側に切り欠き72が形成されている。このような切り欠き72を形成することによって、基板スペーサ24は、複数の略短冊状の基板スペーサ片24AがY方向に連結された構造となっている。
このように、感圧センサ20Aは、それぞれ略同一の外形を有する下側基板22と基板スペーサ24と上側基板26とが互いに重なった積層構造を有している。すなわち、下側基板22の上に基板スペーサ24が配置され、基板スペーサ24の上に上側基板26が配置された積層構造を有している(図5参照)。ここで、下側基板22の1つの基板片22A、その上に配置された基板スペーサ片24A、この基板片22Aに形成された下側電極50、この基板スペーサ片24Aの上に配置された上側基板26の基板片26A、この基板片26Aに形成された上側電極60、及び下側電極50と上側電極60との間に配置された電極スペーサ90を1つのまとまりとして電極ユニット75(図3〜図6参照)ということとする。本実施形態において、それぞれの電極ユニット75はX方向に沿って配置された2つの電極対80を有しており、それぞれの電極対80に対して単一の電極スペーサ90が配置される(図5及び図6参照)。すなわち、本実施形態における電極ユニット75は、2つの電極スペーサ90を含んでいる。感圧センサ20Aは、このような複数の電極ユニット75(本実施形態では15個)がY方向に連結された構造を有している(図3及び図4参照)。
なお、本実施形態において、電極ユニット75は2つの電極対80を含んでいるが(図5参照)、これに限られるものでなく、電極ユニット75が1つだけの電極対を含んでいてもよいし、あるいは3つ以上の電極対を含んでいてもよい。また、本実施形態において、感圧センサ20AはY方向に15個の電極ユニット75が連結した構造を有しているが(図3及び図4参照)、電極ユニットの数は適宜変更できることはいうまでもない。
ここで、図7に示すように、基板スペーサ24のそれぞれの基板スペーサ片24Aには、上側電極60及び下側電極50に対応して、2つの貫通孔25,25がX方向に沿って所定の間隔で形成されている。なお、本実施形態では、電極ユニット75を構成する電極対80が2つであることに対応して基板スペーサ片24Aに2つの貫通孔25が形成されているが、電極ユニット75を構成する電極対の数に応じて貫通孔25の数を変更してもよい。
再び図5及び図6を参照すると、基板スペーサ24の貫通孔25の中に互いに対向する上側電極60と下側電極50(すなわち電極対80)が位置している。すなわち、それぞれの電極対80のX方向の両側には基板スペーサ24が位置している。そして本実施形態では、電極対80の周囲を囲むようにして基板スペーサ24が配置されている。この基板スペーサ24によって、それぞれの電極ユニット75を構成する下側基板22と上側基板26とが互いに離間されており、このように下側基板22と上側基板26とを互いに離間した状態で感圧センサ20Aをコア16の外周面に取り付けることが可能となっている。
図5における電極ユニット75には、X方向に沿って2つの電極対80が形成されている。ここで、それぞれの電極対80を構成する上側電極60及び下側電極50は、貫通孔25より少し小さい寸法を有しており、略長方形の同一の外形を有している。このような構成により、電極対80を形成する下側電極50と上側電極60とが、互いに全面的に対向するようになっている。なお、基板スペーサ24は、電極ユニット75を構成する下側基板22と上側基板26とが互いに離間するように下側基板22と上側基板26との間に配置されればよく、電極対80を構成する上側電極60及び下側電極50を、貫通孔25より少し大きい寸法とし、上側電極60及び下側電極50の周囲(周縁)を囲むように基板スペーサ24が配置されるようにしてもよい。
図8は図5のD−D線断面図、図9は図5のE−E線断面図である。図8及び図9に示すように、上側電極60及び下側電極50はいずれも外形が略矩形状の同一形状であり、上述したように互いに対向している。そして、上側電極60及び下側電極50は基板スペーサ24に周囲を囲まれている。したがって、感圧センサ20Aをコア16の外周面に取り付けた際には、それぞれの電極対80のリム断面周方向Rの両側とリム延在方向Eの両側には基板スペーサ24が位置することとなる。このような構成により、下側基板22と上側基板26とが互いに離間した状態で感圧センサ20Aがコア16の外周面に取り付けられる(図2参照)。
また、図8及び図9に示すように、電極対80の周囲を囲む基板スペーサ24の内側には、電極対80のY方向の中央部にX方向に延びる細長い電極スペーサ90が配置されている。すなわち、互いに対向する下側電極50と上側電極60との間に、その電極対80のY方向の中央部にX方向に延びる細長い電極スペーサ90が配置されている。電極スペーサ90は、Y方向における幅がX方向における長さに比べて極めて短い、概して直線状のスペーサとして構成されている。このような電極スペーサ90が、電極対80のX方向における一方の端部から他方の端部にわたって延びており、下側電極50の上面50Aと上側電極60の下面60Aとを連結している(図6参照)。このような構成により、電極対80を形成する下側電極50と上側電極60とが互いに離間され、感圧センサ20Aをコア16の外周面に取り付けた際にも、下側電極50と上側電極60とが互いに離間された状態が維持される(図2参照)。なお、このような電極スペーサ90を例えばシリコンゴムなどの可撓性のある材料によって形成してもよい。
図10は、感圧センサ20Aをリム12のコア16に取り付けた状態を示す平面図であり、感圧センサ20Aがスキン18(図2参照)で覆われる前の状態を示している。図10に示すように、感圧センサ20Aは、感圧センサ20AのX方向の中央がコア16の環状部の外周部に沿うように(リム延在方向Eに沿って)取り付けられる。ここで、上述したように、互いに隣接する電極ユニット75間に切り欠き70,71,72が形成されているため、感圧センサ20Aをコア16の外周面に取り付けた際にリム延在方向Eに隣接する電極ユニット75が重なり合うことを防止することができるとともに、感圧センサ20Aがコア16の外周面を覆う面積を大きくすることができる。
ここで、本実施形態における下側電極50及び上側電極60は、押圧される力によって抵抗値が変化する感圧電極として構成されており、後述するように、例えば銀をカーボンなどの感圧材料でコーティングすることにより形成される。このような感圧電極は、対向する2つの電極が接触したか否かのみを検出する接触型のセンサと異なり、抵抗値の変化により押圧される力を検出することができるため、それぞれの電極の面積を大きくすることにより検出範囲を広げることが可能となる。
ところで、図2及び図10に示すように、感圧センサ20Aをリム12に取り付ける際には、感圧センサ20Aはリム断面周方向Rに沿って大きく湾曲する(すなわち、図5に示すZ方向に大きく湾曲する)こととなるため、それぞれの電極対80を構成する下側電極50及び上側電極60の面積を大きくしようとすると、感圧センサ20Aをリム12に取り付ける際に、上側電極60が撓んで下側電極50に接触してしまうことが考えられる。このような状態では、運転者がリム12を把持していない場合であっても、電極対80が常に導通した状態となるため、把持検出部30による正確な把持検出ができない。
発明者らは、このような問題を解決するべく鋭意研究を重ねたところ、X方向における長さがY方向における長さよりも長い電極スペーサを、電極対80の下側電極50と上側電極60との間に配置することにより、電極の面積を大きくした感圧センサ(例えば、感圧センサ20A)をリム12に取り付けた場合であっても、電極対80の下側電極50と上側電極60とが互いに接触することを防止する効果があることを見出した。すなわち、感圧センサ20Aをリム12に取り付ける際に電極スペーサ90がリム断面周方向Rに沿って延在するように電極スペーサ90を配置することにより、電極対80の下側電極50と上側電極60とが接触することを防止できることを見出した。特に、後述するように、電極対80のY方向の中央部近傍でX方向に延びる直線状の電極スペーサ90を、電極対80の下側電極50と上側電極60との間に配置することにより顕著な効果を奏することを見出した。
図8及び図9に示すように、本実施形態では、電極対80のY方向の中心部をX方向に延びる単一の電極スペーサ90が電極対80の下側電極50と上側電極60との間に配置されている。したがって、上側電極50及び下側電極60の面積を大きくした場合であっても、感圧センサ20Aをリム12に取り付ける際に上側電極50と下側電極60とが意図せず接触することを防止することができる(図2参照)。
また、上述のように、下側基板22とリム12のコア16との間にはクッション材300(図2参照)が配置されている。このような構成により、感圧センサ20Aを湾曲させるために電極対80が上方から押されたような場合でも、この押圧をクッション材300に吸収させることができる。したがって、電極対80の下側電極50と上側電極60とが意図せず接触することをさらに効果的に防止することができる。なお、クッション材300を設けない場合でも、後述するように電極対80の下側電極50と上側電極60とが意図せず接触することを抑制することが可能である。
すなわち、本実施形態によれば、電極対80の下側電極50と上側電極60とは単にリム12に取り付けられただけでは互いに接触することがなく、上側基板26の外側から下側基板22に向けて力が加わり、上側基板26及び電極スペーサ90がコア16に向けて撓んで初めて、その部分の上側電極60が下側電極50に接触することとなる。したがって、上側電極60及び下側電極50の面積を大きくすることができ、検出範囲を広くするとともに、電極の数を減らして配線を簡単な構成にすることができる。
ところで、電極対80の下側電極50と上側電極60との間に設ける電極スペーサ90の数は1つに限られない。ここで、図11は感圧センサ20Aの変形例の図6に対応する図であり、図12は図11に示す感圧センサの図8に対応する図である。図11及び図12に示すように、電極対80の下側電極50と上側電極60との間には、電極対80のY方向の中央部近傍に(該中央部を挟んでその両側に)2つの直線状の電極スペーサ90,90が配置されている。このような構成においても、後述するように、単一の電極スペーサ90を設けた感圧センサと同等の効果を得ることができる。
ただし、電極スペーサ90の数が多すぎると、運転者がステアリングを把持した際に、その把持されたリム12の部分に電極スペーサ90が配置されている可能性が増大する。運転者がリム12を把持した部分に電極スペーサ90が配置されていると、下側電極50と上側電極50とが接触しないため下側電極50と上側電極60とが導通せず、「把持」が検知されないおそれがある。また、電極スペーサ90の数が増えることにより製造コストが増大することも考えられる。したがって、このような観点を踏まえて電極対80の下側電極50と上側電極60との間に設ける電極スペーサの数を調整することが好ましい。具体的には、電極対80の下側電極50と上側電極60との間に設ける電極スペーサ90の数を1つ又は2つにすることが好ましい。
ところで、上述した「感圧センサ20Aをリム12に取り付ける際に電極スペーサ90がリム断面周方向Rに沿って延在するように電極スペーサ90を配置する」観点からすれば、必ずしも電極スペーサがX方向に延びている必要はない。すなわち、X方向の長さがY方向の長さよりも長くなるように電極スペーサを形成することで一定の効果を得ることができる。例えば、図13に示すように、上側電極60の下面60AをX方向に延びる直線Lに対して0度から45度未満の角度で交わるように延びる直線状の電極スペーサ91を備えた感圧センサを構成してもよい。さらに、電極スペーサを曲線状に形成にした場合でも、電極スペーサのX方向の長さが電極スペーサのY方向における最大幅よりも長くなるように形成されているのであれば、電極スペーサがX方向に延在するように形成されていることになるため、一定の効果を得ることができる。
図14は、上側基板26を上側電極60及び配線とともに模式的に示す底面図である。図14に示すように、それぞれの上側電極60には共通の配線62Aが接続されており、上側電極60は配線62Aを介して互いに接続される。また、感圧センサ20Aの接続部21Aに近い上側電極60AHには、接続部21Aに設けられた端子41まで延びる配線62Bが接続されている。したがって、すべての上側電極60は、1つの共通の配線(上側配線)62によって端子41に電気的に接続されている。この端子41が把持検出部30から延びる接続配線部40(図1参照)の端子に接続されることによって、把持検出部30と上側電極60とが電気的に接続される。
図14に示すように、本実施形態における上側電極60は、リム12に組み込まれた際に、リム12の上側の領域J(図1参照)の表側に配置される5つの上側電極60AJと、リム12の上側の領域Jの裏側に配置される5つの上側電極60BJと、リム12の左側の領域H(図1参照)の表側に配置される10個の上側電極60AHと、リム12の左側の領域Hの裏側に配置される10個の上側電極60BHとを含んでいる。
図15は、下側基板22を下側電極50及び配線とともに模式的に示す平面図である。図15に示すように、本実施形態における下側電極50は、リム12に組み込まれた際に、リム12の上側の領域J(図1参照)の表側に配置される5つの下側電極50AJと、リム12の上側の領域Jの裏側に配置される5つの下側電極50BJと、リム12の左側の領域H(図1参照)の表側に配置される10個の下側電極50AHと、リム12の左側の領域Hの裏側に配置される10個の下側電極50BHとを含んでいる。
下側基板22には、これらの下側電極50に加えて、下側電極50に電気的に接続される5つの配線51〜55(下側配線)が形成されている。本実施形態においては、配線51は、リム12の領域Jの表側に配置される5つの下側電極50AJに接続されており、接続部21Aに設けられた端子42まで延びている。配線52は、リム12の領域Jの裏側に配置される5つの下側電極50BJに接続されており、接続部21Aに設けられた端子43まで延びている。配線53は、リム12の領域Hの表側に配置される5つの下側電極50AHに接続されており、接続部21Aに設けられた端子44まで延びている。配線54は、リム12の領域Hの表側に配置される5つの下側電極50AHに接続されており、接続部21Aに設けられた端子45まで延びている。配線55は、リム12の領域Hの裏側に配置される10個の下側電極50BHに接続されており、接続部21Aに設けられた端子46まで延びている。これらの端子42〜46が把持検出部30から延びる接続配線部40(図1参照)の端子に接続されることによって、把持検出部30と下側電極50とが電気的に接続される。
図16から図18は、把持検出装置1の回路構成を模式的に示す図である。図16から図18では、理解を容易にするために、リム12の領域Jに配置される複数の電極ユニット75のうちの1つの電極ユニット75についての配線のみ図示し、他の電極ユニットについての配線は図示を省略する。図16から図18に示すように、把持検出部30は、検出回路32AJ,32BJと、これらの検出回路32AJ,32BJからの出力に基づいてステアリングホイール10のリム12の把持状態を判断する判断部34とを含んでいる。
検出回路32AJは、上側電極60AJに接続される配線62と、下側電極50AJに接続される配線51との間に接続されており、配線62と配線51との間の導通を検出するものである。検出回路32BJは、上側電極60BJに接続される配線62と、下側電極50BJに接続される配線52との間に接続されており、配線62と配線52との間の導通を検出するものである。すなわち、検出回路32AJは、上側電極60AJと下側電極50AJとの間の接触及びその接触圧力を検出し、検出回路32BJは、上側電極60BJと下側電極50BJとの接触及びその接触圧力を検出する。
運転者がステアリングホイール10のリム12を把持すると、その把持する力によって把持した部分の上側基板26がコア16側に押されて撓む。これに伴い、その部分の上側電極60が下側電極50に接触してこの電極対80が導通するとともに、接触圧力に応じた抵抗値の変化により電流が変化することとなる。検出回路32AJ,32BJは、このリム12の把持により生ずる電極対間の導通及び電流の変化(接触圧力の変化)を検出するものである。判断部34は、検出回路32AJ,32BJからの検出結果に応じて運転者がリム12を把持しているか否かを判断する。
このとき、判断部34は、任意の基準に従ってリム12の把持状態を判断することができる。例えば、所定の閾値を超える電流が流れている検出回路が1個以上あるときに把持状態にあると判断してもよいし、所定の閾値を超える電流が流れている検出回路が所定の個数以上あるときに把持状態にあると判断してもよいし、所定の閾値を超える電流が流れている複数の検出回路が特定の位置関係にあるときに把持状態にあると判断してもよいし、その他様々な基準を設定することができる。本実施形態における判断部34は、リム12の表側の電極対80Aに対応する検出回路32AJと裏側の電極対80Bに対応する検出回路32BJの双方で流れる電流が所定の閾値を超えたときに把持状態にあると判断するものとする。
図16は、運転者がステアリングホイール10のリム12を把持していない状態を示している。この状態では、電極対80A,80Bの双方において上側電極60が下側電極50から離間しているため、いずれの配線51,52も配線62と導通していない。したがって、把持検出部30の検出回路32AJ,32BJは電極対80A,80Bの導通を検出することはなく、検出回路32AJ,32BJからの出力を受けた判断部34は、運転者がリム12を把持していないと判断する。
図17は、運転者の手がステアリングホイール10のリム12の表側に接触した状態を示している。この状態では、電極対80Aの上側電極60AJが下側電極50AJに接触している。これにより、把持検出部30の検出回路32AJが電極対80Aの導通を検出し、電極対80Aの接触圧力が所定の値以上になると(流れる電流が所定の閾値以上になると)、この検出結果(検出信号)が判断部34に送られる。このとき、リム12の裏側に対応する検出回路32BJが電極対80Bの導通を検出しておらず、「リム12の表側の電極対80Aに対応する検出回路32AJと裏側の電極対80Bに対応する検出回路32BJの双方で流れる電流が所定の閾値を超える」という把持状態の判定条件が満たされていないので、判断部34は、運転者がリム12を把持していないと判断する。
図18は、運転者がステアリングホイール10のリム12を把持した状態を示している。この状態では、電極対80Aの上側電極60AJが下側電極50AJに接触し、電極対80Bの上側電極60BJが下側電極50BJに接触している。これにより、把持検出部30の検出回路32AJ,32BJが電極対80A,80Bの導通を検出し、電極対80A,80Bの接触圧力が所定の値以上になると(流れる電流が所定の閾値以上になると)、この検出結果(検出信号)が判断部34に送られる。このとき、リム12の表側の電極対80Aと裏側の電極対80Bの双方で流れる電流が所定の閾値を超えており、「リム12の表側の電極対80Aに対応する検出回路32AJと裏側の電極対80Bに対応する検出回路32BJの双方で流れる電流が所定の閾値を超える」という把持状態の判定条件が満たされることとなるので、判断部34は、運転者がリム12を把持していると判断し、外部のカーナビゲーションシステムや運転支援システム、ヒータ、エアバッグなどに制御信号を出力する。
上述したように、本実施形態では、上側電極60及び下側電極50が感圧電極により構成されているため、単に電極50,60間の接触又は非接触による検出ではなく、電極50,60に作用する押圧力に基づく検出が可能となる。したがって、それぞれの電極50,60の面積を大きくしてもリム12の把持状態の検出が可能であり、広い検出範囲を確保できる。このように、それぞれの電極50,60の面積を大きくすることができるので、電極50,60の総数を減らすことができる。これに伴い、配線の数が減るため、感圧センサ20Aの回路構成を簡略化してコストを下げることができる。
また、図16から図18に示した例では、リム12の表側の下側電極50AJと裏側の下側電極50BJとを異なるチャンネルの配線51と配線52で接続しているため、リム12の表側と裏側とで独立した検出が可能となる。したがって、例えば、上述の例のように、検出回路32AJと検出回路32BJの双方から判断部34に検出信号が送られたときにはじめて運転者がリム12を把持していると判断することで、運転者がリム12の表側と裏側をしっかりと把持したときにはじめて把持状態が検出されるように構成することができる。
さらに、図15に示すように、例えば、リム12が延びる方向に対応するY方向に沿って配置された下側電極50BJと下側電極50BHとを異なるチャンネルの配線52と配線55で接続しているため、Y方向における電極対80の位置に応じて独立した検出が可能となるので、より正確な把持検出が可能となる。
上述した実施形態においては、上側電極60に接続される配線62(上側配線)を単一の共通配線とし、下側電極50に接続される配線51〜55(下側配線)を異なるチャンネルの配線としているが、これを逆にしてもよい。すなわち、上側電極60に接続される配線を異なるチャンネルの配線とし、下側電極50に接続される配線を単一の共通配線としてもよい。
次に、本実施形態における感圧センサ20Aの製造方法について図19A〜図19E及び図20A〜図20Fを参照して詳細に説明する。この感圧センサ20Aの製造方法は、図5に示される感圧センサ20Aの上半分を構成する上側積層体(第1の積層体)を形成する上側積層体形成工程(第1の積層体形成工程)と、感圧センサ20Aの下半分を構成する下側積層体(第2の積層体)を形成する下側積層体形成工程(第2の積層体形成工程)と、上側積層体と下側積層体とを接合して感圧センサ20Aを形成する積層体接合工程とを含んでいる。上側積層体形成工程及び下側積層体形成工程は、図示しない印刷装置で所定の材料を印刷してこれらの材料を積層することによって上側積層体及び下側積層体を形成する。
より具体的には、上側積層体形成工程は以下のようなステップからなる。
(ステップA1)
絶縁材料からなる薄板状の可撓性基板、例えば可撓性を有する樹脂フィルム(ポリイミドやPETなどからなる)を所定の形状に切断し、図19Aに示すような上側基板26を準備する。
(ステップA2)
次に、上側基板26上に導電材料、例えば銀ペーストを印刷し、図19Bに示すように複数の電極部160と、これに接続される配線62(上側配線)及び端子41を形成する。
(ステップA3)
そして、電極部160上に感圧材料、例えばカーボンなどからなる感圧インク161を印刷し、図19Cに示すように感圧電極としての上側電極60を形成する。
(ステップA4)
その後、図19Dに示すように、上側基板26上の上側電極60の周囲に絶縁材料(レジスト)171を印刷する。
(ステップA5)
最後に、図19Eに示すように、レジスト171上に粘着材181を印刷して、レジスト171と粘着材181とからなる上側基板スペーサ191を形成する。これにより上側積層体201が完成する。
また、下側積層体形成工程は以下のようなステップからなる。
(ステップB1)
絶縁材料からなる薄板状の可撓性基板、例えば可撓性を有する樹脂フィルム(ポリイミドやPETなどからなる)を所定の形状に切断し、図20Aに示すような下側基板22を準備する。
(ステップB2)
次に、下側基板22上に導電材料、例えば銀ペーストを印刷し、図20Bに示すように複数の電極部150とこれに接続される配線51〜55(下側配線)及び端子42〜46を形成する。
(ステップB3)
そして、電極部150上に感圧材料、例えばカーボンなどからなる感圧インク162を印刷し、図20Cに示すように感圧電極としての下側電極50を形成する。
(ステップB4)
その後、図20Dに示すように、下側基板22上の下側電極50の周囲に絶縁材料(レジスト)172を印刷する。
(ステップB5)
そして、図20Eに示すように、レジスト172上に粘着材182を印刷して、レジスト172と粘着材182とからなる下側基板スペーサ192を形成する。
(ステップB6)
次に、下側電極50上に絶縁材料、例えばシリコンゴムを印刷し、図20Fに示すように直線状の電極スペーサ90を形成する。これにより下側積層体202が完成する。
次に、上述した上側積層体形成工程により形成された上側積層体201と、下側積層体形成工程により形成された下側積層体202とを接合して一体化する(積層体接合工程)。このとき、上側積層体201の上側電極60と下側積層体202の下側電極50とが互いに対向するように上側積層体201と下側積層体202とを重ね合わせる。上側積層体201の上側基板スペーサ191の粘着材181と、下側積層体202の下側基板スペーサ192の粘着材182とによって上側積層体201と下側積層体202とが接着される。これにより感圧センサ20Aが完成する。
ここで、上側積層体201のレジスト171上の粘着材181(図19E参照)と下側積層体202のレジスト172上の粘着材182(図20F参照)には、リム断面周方向Rに対応する方向に不連続部181A,182Aが形成されている。このような不連続部181A,182Aを形成することにより、完成した感圧センサ20Aをリム12に取り付ける際に上側基板26及び下側基板22に生じる表面の皺などを不連続部181A,182Aで吸収することができ、感圧センサ20Aのリム12への取付が容易になる。
本実施形態では、上側電極60及び下側電極50の双方を感圧電極とした例について説明したが、上側電極60及び下側電極50の一方のみを感圧電極にしてもよい。その場合には、上述したステップA3又はステップB3が不要となる。
また、上述したステップA2〜A5とステップB2〜B5とは同様の工程であるため、同一の印刷装置を用いてステップA2とステップB2とを同時に行い、ステップA3とステップB3とを同時に行い、ステップA4とステップB4とを同時に行い、ステップA5とステップB5とを同時に行ってもよい。その場合には、感圧センサの製造時間が短くなるためスループットが向上する。
発明者らは、本発明に係る電極スペーサの性能を調べるために以下の実験を実施した。具体的には、図8の断面におけるY方向における幅を15mm、X方向における長さを35mmとした上側電極60と、図9の断面におけるY方向における幅を15mm、X方向における長さを35mmとした下側電極50とにより電極対80を形成した。この電極対80の下側電極50と上側電極50との間に、X方向の長さが35mm、及びY方向の幅が0.053mmとなるように形成されたX方向に延びる直線状の電極スペーサ90を配置したセンサを構成した。このセンサ(電極対80)を直径25mmの円筒に巻きつけた場合における、該電極対80の下側電極50と上側電極60との間の抵抗値を測定する実験を実施した。なお、抵抗値が高い程、センサが円筒に巻き付けられた際に電極対80の下側電極50と上側電極60とが互いに接触しにくいことを示す。
実施例1として、電極対80のY方向における中央部(すなわち、電極50,60のY方向におけるそれぞれの端部から7.5mmの位置)に単一の直線状の電極スペーサ90を配置した感圧センサを使用した。また、実施例2として、電極対80のY方向におけるそれぞれの端部から中央部に向かって6mmの位置に2つの直線状の電極スペーサ90,90を配置した感圧センサを使用した。また、実施例3として、電極対80のY方向におけるそれぞれの端部から中央部に向かって5mmの位置に2つの直線状の電極スペーサ90,90を配置した感圧センサを使用した。また、実施例4として、電極対80のY方向におけるそれぞれの端部から中央部に向かって4mmの位置に2つの直線状の電極スペーサ90,90を配置した感圧センサを使用した。
比較例として、下側電極50と上側電極50との間にY方向に延びる直線状の電極スペーサを配置したセンサについても抵抗値を測定した。比較例に使用した電極対80の下側電極50及び上側電極50の寸法は、実施例1〜4に使用した電極対80の下側電極50及び上側電極60の寸法と同様である。比較例1として、電極対80のX方向における中央部(すなわち、電極50,60のX方向におけるそれぞれの端部から17.5mmの位置)に単一の直線状の電極スペーサを配置した感圧センサを使用した。また、比較例2として、電極対80のX方向におけるそれぞれの端部から中央部に向かって16mmの位置に2つの直線状の電極スペーサを配置した感圧センサを使用した。また、比較例3として、電極対80のX方向におけるそれぞれの端部から中央部に向かって実質的に11.5mmの位置に2つの直線状の電極スペーサを配置した感圧センサを使用した。また、比較例4として、電極対80のX方向における中央部と、X方向の方向におけるそれぞれの端部から中央部に向かって14.5mmの位置とに3つの直線状の電極スペーサを配置した感圧センサを使用した。また、比較例5として、電極対80のX方向における中央部と、X方向の方向におけるそれぞれの端部から中央部に向かって8.5mmの位置とに3つの直線状の電極スペーサを配置した感圧センサを使用した。
以上のような実験を実施したところ、図21及び図22に示すような結果を得た。ここで、図21は実施例1から実施例4における電極対80の上側電極60と下側電極50との間の抵抗値を示す図であり、図22は比較例1から比較例5における電極対80の上側電極60と下側電極50との間の抵抗値を示す図である。
図21に示すように、実施例1から実施例4の感圧センサではおよそ5000kΩからおよそ7000kΩまでの抵抗値を示すことが判った。具体的には、実施例2の感圧センサがおよそ6900〜およそ7000kΩの最も高い抵抗値を示し、次いで実施例1と実施例3の感圧センサがともにおよそ5000kΩを超える高い抵抗値を示すことが判った。すなわち、電極スペーサ90の本数に依存することなく、概して高い抵抗値を示すことが判った。一方、図22に示すように、比較例1から比較例5の感圧センサでは、0.8kΩから10kΩの抵抗値を示し、実施例1から実施例4と比較して極めて低い抵抗値(具体的には、3桁程度の相違がある)しか示さないことが判った。
以上の結果より、リム断面周方向R(図2参照)に対応するX方向に延びる直線状の電極スペーサ90を電極対80のY方向における中央部近傍に設けることによって、Y方向に延びる直線状の電極スペーサ90を設ける場合と比較して、電極対80の下側電極50と上側電極60とが顕著に接触しにくくなることが判った。
さてこれまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいものであることは言うまでもない。
なお、本明細書において使用した用語「下」及び「上」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において使用されているのであり、装置の相対的な位置関係によって変化するものである。
1 把持検出装置
10 ステアリングホイール
12 リム
14 ハブ
15 スポーク
16 コア
17 緩衝材
18 スキン
20A,20B,20C 感圧センサ
21A,21B,21C 接続部
22 下側基板
22A 基板片
24 基板スペーサ
24A 基板スペーサ片
25 貫通孔
26 上側基板
26A 基板片
30 把持検出部
32AJ,32BJ 検出回路
34 判断部
40 接続配線部
41〜46 端子
50 下側電極
50A 上面
51〜55 配線(下側配線)
60 上側電極
60A 下面
62 配線(上側配線)
75 電極ユニット
80 電極対
90,91,92 電極スペーサ
150,160 電極部
161,162 感圧インク
171,172 レジスト
181,182 粘着材
181A,182A 不連続部
191 上側基板スペーサ
192 下側基板スペーサ
201 上側積層体
202 下側積層体
300 クッション材

Claims (12)

  1. ステアリングホイールのリムに組み込まれるセンサであって、
    前記リムに取付可能な下側基板と、
    前記下側基板の上方に配置される上側基板と、
    前記下側基板の上面に取り付けられる下側電極と、該下側電極に対向するように前記上側基板の下面に取り付けられる上側電極とにより構成される少なくとも1つの電極対であって、前記上側電極及び前記下側電極の少なくとも一方が感圧電極により構成されている少なくとも1つの電極対と、
    前記少なくとも1つの電極対の周囲に配置される基板スペーサであって、前記上側基板と前記下側基板との間に配置される基板スペーサと、
    互いに対向する前記下側電極と前記上側電極とが離間するように前記基板スペーサの内側に配置される少なくとも1つの電極スペーサと、
    を備え、
    前記少なくとも1つの電極スペーサは、前記リムの延びる方向に垂直なリム断面の周方向に対応する第1の方向の長さが前記リムの延びる方向に対応する第2の方向の長さよりも長くなるように形成されていることを特徴とするセンサ。
  2. 前記少なくとも1つの電極スペーサは、前記第1の方向の長さが前記第2の方向における最大幅よりも長くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
  3. 前記少なくとも1つの電極スペーサは、前記下側電極の上面又は前記上側電極の下面を前記第1の方向に延びる直線に対して0度以上45度未満の角度で交わるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ。
  4. 前記少なくとも1つの電極スペーサは、前記第1の方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ。
  5. 前記少なくとも1つの電極スペーサは、互いに対向する前記下側電極又は上側電極の、前記第2の方向における中央部又は該中央部の近傍に設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ。
  6. 前記少なくとも1つの電極対は、前記第2の方向に沿って配置された複数の電極対を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサ。
  7. 前記上側電極に接続される上側配線と、前記下側電極に接続される下側配線とをさらに備え、
    前記上側配線及び前記下側配線の少なくとも一方は、前記第2の方向に沿って配置された複数の電極対に対して異なるチャンネルで接続されることを特徴とする、請求項6に記載のセンサ。
  8. 前記少なくとも1つの電極対は、上記第1の方向に沿って配置された複数の電極対を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサ。
  9. 前記上側電極に接続される上側配線と、前記下側電極に接続される下側配線とをさらに備え、
    前記上側配線及び前記下側配線の少なくとも一方は、前記第1の方向に沿って配置された複数の電極対に対して異なるチャンネルで接続されることを特徴とする請求項8に記載のセンサ。
  10. ステアリングホイールのリムに組み込まれた請求項1から9のいずれか一項に記載のセンサと、
    前記センサの前記上側電極及び前記下側電極に電気的に接続され、前記センサの前記上側電極と該上側電極に対向する前記下側電極との間の導通状態に基づいて運転者が前記リムを把持したことを検出する把持検出部と、
    を備えたことを特徴とする把持検出装置。
  11. 前記リムのコアの外周面と前記下側電極の下面との間に設けられるクッション材をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の把持検出装置。
  12. 前記クッション材はウレタンで形成されていることを特徴とする請求項11に記載の把持検出装置。
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