〔参考技術〕
まず、本発明の参考となる技術(以下、参考技術)について、図1〜図5に基づいて説明する。
まず、本参考技術に係る携帯端末1が実行する日付変換処理の概要について、図2を参照して説明する。図2は携帯端末1が実行する日付変換処理の流れを示す遷移図である。本参考技術では、予定を音声で入力し、後で音声出力することでユーザに予定を認識させる音声メモに本発明を適用した例を説明する。
図2に示すように、携帯端末1は、ユーザが入力した音声に、日付を相対的に表現した相対日付(図2の例では、「明日」)が含まれている場合、当該相対日付の直後に、日付を絶対的に表現した絶対日付(図2の例では、6/24(水)や6/25(木))を追加した音声を出力する。例えば、図2の(a)に示すように、ユーザが「明日、部長に報告する」という音声を入力すると、携帯端末1は、図2の(c)に示すように、所定の時刻(図2の(c)の例では午前6時30分)に絶対日付を追加した音声を出力する。なお、図2では、所定の時刻に自動的に音声を出力する例を説明したが、ユーザの入力操作に応じて音声を出力してもよい。
また、携帯端末1は、音声が入力された時刻が、ユーザにとって日付が曖昧な時間帯に含まれるか否かに応じて、異なる絶対日付を追加する。ユーザにとって日付が曖昧な時間帯とは、具体的には、日付が変わってから所定の時刻となるまでの時間帯であり、換言すれば、ユーザが前日から起きている状態を継続していることにより、日付が変わっていないと認識している可能性がある時間帯である。なお、本参考技術では当該時間帯を午前0時〜午前5時であるとして説明するが、当該時間帯の終了時刻は、午前5時に限定されるものではない。
具体的には、図2の(a)に示すように、音声を入力した日時が6月24日の午前1時4分である、すなわち音声を入力した時刻が上記の時間帯に含まれる場合、音声を入力したユーザは、今の日付が6月23日であると認識して、音声を入力した可能性が高い。この場合、携帯端末1は、図2の(b)に示すように、音声に含まれる相対日付である「明日」に、実際の日付を基準とした「明日」である「6/25」ではなく、1日前の「6/24」という絶対日付を追加した音声を出力する。なお、図2の例では絶対日付だけでなく、曜日も追加して出力しているが、曜日の追加は必須ではない。
一方、図2の(d)に示すように、音声を入力した日時が6月24日の午前10時17分である、すなわち音声を入力した時刻が上記の時間帯に含まれない場合、音声を入力したユーザは、今の日付が6月24日であると認識して、音声を入力した可能性が高い。この場合、携帯端末1は、図2の(e)に示すように、音声に含まれる相対日付である「明日」に、実際の日付を基準とした「明日」である「6/25」という絶対日付を追加した音声を出力する。
次に、図1を参照して、携帯端末1の要部構成について説明する。図1は、携帯端末1の要部構成の一例を示すブロック図である。
携帯端末1は、図1に示すように、マイク11、制御部12、記憶部13、およびスピーカ14を備えている。なお、携帯端末1としては、具体的にはスマートフォンを想定しているが、携帯端末1はスマートフォンに限定されない。例えば、フィーチャーフォンやタブレット端末であってもよい。また、図1では、携帯端末1が備える部材のうち、本発明に関連の薄い部材(例えば、画面を表示する表示部、ユーザ操作を受け付ける操作部、通話機能を実行する通話部など)については記載を省略している。
マイク11は、音声を取得し、音声データに変換して後述する音声認識部21に出力する。スピーカ14は、後述する音声出力制御部25から取得した音声データを音声に変換して外部に出力する。
制御部12は、携帯端末1の機能を統括して制御する。制御部12は、音声認識部21、相対日付判定部22、時刻判定部23、テキスト合成部24、および音声出力制御部25を含む。
音声認識部21は、音声データをテキストデータに変換する。具体的には、音声認識部21は、マイク11から取得した音声データに対して音声認識を実行し、テキストデータに変換する。そして、当該テキストデータを識別するテキストIDを生成し、テキストデータとテキストIDとを相対日付判定部22に出力する。また、音声認識部21は、音声データをテキストデータに変換したとき、現在時刻および本日の日付を特定し、これらをテキストデータおよびテキストIDに対応付けて、記憶部13に記憶されている、後述するテキスト関連情報31に格納する。
なお、音声認識部21は、携帯端末1の外部装置に備えられている構成であってもよい。この場合、携帯端末1は、取得した音声データを、通信部(図示せず)を介して当該外部装置に送信する。外部装置は、受信した音声データに対して音声認識を実行し、生成したテキストデータを携帯端末1に送信する。
ここで、図3を参照して、テキスト関連情報31の詳細について説明する。図3は、テキスト関連情報31のデータ構造および具体例を示す図である。なお、テキスト関連情報31は、図3に示すデータ構造および具体例に限定されるものではない。テキスト関連情報31は、テキストデータを識別する識別情報、テキストデータ、テキストデータを取得した時刻、およびテキストデータを取得した日付を対応付けて記憶するものである。「テキストID」のカラムには、テキストデータを識別する情報であるテキストIDが格納される。なお、図3の例では、テキストIDを英数字からなる文字列としているが、テキストIDはこの例に限定されない。「テキストデータ」のカラムには、音声認識部21が生成したテキストデータが格納される。「取得日付」のカラムには、音声認識部21が特定した、音声データをテキストデータに変換した日付、換言すれば、テキストデータを取得した日付(以下、取得日付)が格納される。「取得時刻」のカラムには、音声認識部21が特定した、音声データをテキストデータに変換した時刻、換言すれば、テキストデータを取得した時刻(以下、取得時刻)が格納される。
なお、取得時刻は、音声データをテキストデータに変換した時刻に限定されない。例えば、音声データを取得した時刻であってもよいし、取得した音声データを記憶部13に記憶する構成の場合、音声データを記憶した時刻であってもよい。
相対日付判定部22は、テキストデータ内の相対日付の有無を特定し、また、相対日付がある場合は、当該相対日付が示す、基準日からの日付の移動量を特定する。この移動量について具体的に説明すると、例えば、「明日」という相対日付は、基準日の翌日を意味する。つまり、「明日」という相対日付が示す移動量は「+1」である。同様に、「明後日」という相対日付が示す移動量は「+2」である。
相対日付判定部22は、音声認識部21からテキストデータを取得すると、記憶部13に記憶されている、後述する相対日付データベース32(以下、相対日付DB32)に含まれている相対日付を示す単語が、テキストデータ内にあるか否かを判定する。
ここで、図4を参照して、相対日付DB32の詳細について説明する。図4は、相対日付DB32のデータ構造および具体例を示す図である。図4に示すように、相対日付DB32は、相対日付を示す単語と、当該単語が示す日数の移動量とが対応付けられて記憶されたデータベースである。なお、本参考技術では、相対日付DB32には、現在または未来の日付を示す単語が格納されている。そのため、上記移動量は基準日からの加算日数(以下、加算日数)と表現することができる。「単語」のカラムには、相対日付を示す単語が格納されている。また、「加算日数」のカラムには、上述した加算日数、すなわち、基準日からの日付の移動量を示す数値が格納されている。
相対日付判定部22は、相対日付を示す単語が、テキストデータ内にあると判定した場合、相対日付DB32において当該単語と対応付けられた加算日数を特定する。例えば、テキストデータ内に「明日」がある場合、加算日数として「+1」を特定する。そして、特定した加算日数とテキストIDとをテキスト合成部24に出力するとともに、テキストIDを時刻判定部23に出力する。一方、テキストデータ内に無いと判定した場合、相対日付判定部22は、テキストIDをテキスト合成部24に出力する。
時刻判定部23は、テキストデータを取得した時刻(取得時刻)が、ユーザにとって日付が曖昧な時間帯(以下、日付曖昧時間帯)に含まれるか否かを判定する。具体的には、時刻判定部23は、相対日付判定部22からのテキストIDを受け取ると、テキスト関連情報31を参照して、取得したテキストIDに対応付けられた取得時刻を読み出すとともに、記憶部13から日付境界時刻33(日付変更時刻)を読み出す。日付境界時刻33は、ユーザにとって日付が変わる時刻であり、予め設定された時刻である。本参考技術では、日付境界時刻33として午前5時が格納されているが、この例に限定されるものではない。また、記憶部13は日付境界時刻33に代えて、日付曖昧時間帯(本参考技術の場合、午前0時から午前5時)を記憶してもよい。
時刻判定部23は、読み出した取得時刻が、実際に日付が変わる時刻から、読み出した日付境界時刻33までの時間帯に含まれるか否か(すなわち、本参考技術の場合、午前0時≦取得時刻≦午前5時を満たすか否か)を判定する。そして、時刻判定部23は、判定結果をテキスト合成部24(具体的には、後述する絶対日付決定部241)に出力する。
テキスト合成部24は、音声認識部21が生成したテキストデータに、絶対日付を追加する。また、テキスト合成部24は絶対日付決定部241を含んでいる。
絶対日付決定部241は、テキストデータに追加する絶対日付を決定する。絶対日付決定部241は、時刻判定部23から判定結果を取得すると、テキスト関連情報31から、相対日付判定部22から取得したテキストIDと対応付けられた取得日付を読み出す。そして、読み出した取得日付、相対日付判定部22から取得した加算日数、および時刻判定部23から取得した判定結果を用いて、絶対日付を決定する。
具体的には、絶対日付決定部241は、判定結果が、取得時刻が日付曖昧時間帯に含まれることを示すものであった場合、「絶対日付=取得日付+加算日数−1」を演算することによって、絶対日付を特定する。一方、判定結果が、取得時刻が日付曖昧時間帯に含まれないことを示すものであった場合、「絶対日付=取得日付+加算日数」を演算することによって、絶対日付を特定する。
テキスト合成部24は、絶対日付決定部241が決定した絶対日付を、テキストデータに追加する。具体的には、テキスト合成部24は、相対日付判定部22から加算日数とテキストIDとを取得したとき、テキスト関連情報31を参照して、当該テキストIDと対応付けられたテキストデータを読み出す。そして、絶対日付決定部241が絶対日付を特定すると、読み出したテキストデータの相対日付に続くように、当該絶対日付を追加する。例えば、テキストデータが「明日、部長に報告する」であった場合、「明日6/24、部長に報告する」となるように、絶対日付を追加する。なお、テキスト合成部24は絶対日付の後に曜日を追加してもよい。テキスト合成部24は、絶対日付を追加したテキストデータを、出力用データ34として記憶部13に記憶する。また、テキスト合成部24は、絶対日付を追加したテキストデータを用いて、確認用データ(出力用テキストデータ)を生成する。確認用データとは、追加した絶対日付が、ユーザが意図した日付であるか否かをユーザに確認させるためのデータである。具体的には、テキスト合成部24は、「(絶対日付を追加したテキストデータ)を登録しました」というテキストデータを生成する。なお、「(絶対日付を追加したテキストデータ)」には、例えば、「明日6/24、部長に報告する」が入る。そして、テキスト合成部24は、生成した確認用データを音声出力制御部25に出力する。
また、テキスト合成部24は、相対日付判定部22からテキストIDのみを取得した場合(すなわち、相対日付判定部22が、テキストデータ内に相対日付が無いと判定した場合)、テキスト関連情報31を参照して、当該テキストIDと対応付けられたテキストデータを読み出す。そして、当該テキストデータを用いて確認用データを生成し、音声出力制御部25に出力する。
音声出力制御部25は、スピーカ14を制御して音声を出力させる。具体的には、音声出力制御部25は、テキスト合成部24から確認用テキストデータを受け取ると、当該確認用データを音声データ(以下、確認用音声データ)に変換する。そして、スピーカ14から確認用音声データに基づく音声を出力させる。また、音声出力制御部25は、所定の時間になったとき、記憶部13から出力用データ34を読み出し、音声データに変換してスピーカ14から出力する。なお、音声出力制御部25は、ユーザが操作部(図示せず)を操作することによって入力された、音声メモの出力指示を取得した場合に、記憶部13から出力用データ34を読み出し、音声データに変換してスピーカ14から出力してもよい。
記憶部13は、携帯端末1が使用する各種データを記憶する。図1に示すように、記憶部13は少なくとも、テキスト関連情報31、相対日付DB32、日付境界時刻33、および出力用データ34を記憶している。なお、これらの詳細については既に説明しているため、ここでの説明を省略する。
次に、図5を参照して、携帯端末1が実行する日付変換処理の流れについて説明する。図5は、日付変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、音声認識部21は、音声データの取得を待機する状態となっている(ステップS1、以下「ステップ」を省略)。音声データを取得すると(S1でYES)、音声認識部21は、音声認識を行い、テキストデータを生成する(S2)。音声認識部21は、当該テキストデータをテキストIDとともに相対日付判定部22に出力する。また、音声認識部21は、生成したテキストデータを、テキストID、取得日付、取得時刻と対応付けて記憶する(S3)。具体的には、これらの情報を対応付けてテキスト関連情報31に格納する。
続いて、相対日付判定部22は、音声認識部21から取得したテキストデータに相対日付が含まれるか否かを判定する(S4)。具体的には、相対日付DB32に格納されている単語が、テキストデータ内にあるか否かを判定する。相対日付が含まれていると判定した場合(S4でYES)、相対日付判定部22は、相対日付DB32を参照して、相対日付に対応付けられた加算日数を特定する(S5)。そして、相対日付判定部22は、特定した加算日数とテキストIDとをテキスト合成部24に出力するとともに、テキストIDを時刻判定部23に出力する。
続いて、時刻判定部23は、テキストIDを取得すると、テキスト関連情報31から、当該テキストIDに対応付けられた取得時刻を読み出す。さらに、時刻判定部23は日付境界時刻33を読み出す。そして、時刻判定部23は、取得時刻が午前0時≦取得時刻≦日付境界時刻を満たすか否かを判定する(S6)。そして、時刻判定部23は、判定結果を絶対日付決定部241に出力する。
続いて、絶対日付決定部241は、判定結果を取得すると、相対日付判定部22から取得したテキストIDと対応付けられた取得日付を、テキスト関連情報31から読み出す。そして、取得した時刻判定部23の判定結果が、取得時刻が午前0時≦取得時刻≦日付境界時刻を満たすものである場合(S6でYES)、読み出した取得日付、および相対日付判定部22から取得した加算日数を用いて、絶対日付を、取得日付+加算日数−1を満たす日付に決定する(S7)。一方、取得時刻が午前0時≦取得時刻≦日付境界時刻を満たすものでない場合(S6でNO)、絶対日付を、取得日付+加算日数を満たす日付に決定する(S8)。
続いて、テキスト合成部24は、相対日付判定部22からテキストIDを取得したときに読み出しておいたテキストデータに、相対日付に続くように絶対日付決定部241が決定した絶対日付を追加する(S9)。そして、テキスト合成部24は、絶対日付を追加したテキストデータを出力用データ34として記憶部13に記憶する。
続いて、テキスト合成部24は、絶対日付を追加したテキストデータから、確認用データを生成する。そして、確認用データを音声出力制御部25に出力する。音声出力制御部25は、確認用データを用いて、確認用音声データを生成する(S10)。そして、音声出力制御部25は、確認用音声データをスピーカ14から出力させる(S12、出力ステップ)。
なお、相対日付判定部22が、相対日付が含まれていないと判定した場合(S4でNO)、相対日付判定部22は、テキストIDのみをテキスト合成部24に出力する。テキスト合成部24は、テキストIDを取得すると、テキスト関連情報31から、当該テキストIDに対応付けられたテキストデータを読み出し、確認用データを生成して音声出力制御部25に出力する。音声出力制御部25は、確認用データを用いて、確認用音声データを生成する(S11)。そして、音声出力制御部25は、確認用音声データをスピーカ14から出力させる(S12)。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図6〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、以降の実施形態では、説明の便宜上、上記参考技術にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
まず、本実施形態に係る携帯端末1a(テキスト処理装置)が実行する日付変換処理の概要について、図7を参照して説明する。図7は携帯端末1aが実行する日付変換処理の流れを示す遷移図である。携帯端末1aは、図7の(a)に示すように、音声を入力した日時が6月24日の午前1時4分である、すなわち音声を入力した時刻が日付曖昧時間帯に含まれる場合、参考技術で説明した携帯端末1と異なり、図7の(b)に示すように、実際の日付を基準とした「明日」である「6/25」という絶対日付を追加した音声を出力する。
一方、携帯端末1aは、図7の(c)に示すように、音声を入力した日時が6月24日の午前10時17分である、すなわち音声を入力した時刻が日付曖昧時間帯に含まれない場合、参考技術で説明した携帯端末1と異なり、図7の(d)に示すように、絶対日付を追加せず、入力された音声をそのまま出力する。
つまり、本実施形態に係る携帯端末1aは、音声を入力した時刻が日付曖昧時間帯に含まれる場合、相対日付が示す絶対日付を追加した音声を出力するのに対し、日付曖昧時間帯に含まれない場合、絶対日付が追加されていない音声を出力する。よって、ユーザは日付曖昧時間帯に入力した音声について、絶対日付を確認することができるので、ユーザの意図とどおりの絶対日付が追加されているか否かを確認することができる。また、意図と異なる場合は、入力した音声メモを修正することができる。
次に、図6を参照して、携帯端末1aの要部構成について説明する。図6は、携帯端末1aの要部構成の一例を示すブロック図である。なお、本実施形態および後述する実施形態2および3では、参考技術にて説明した部材と部材名が同じ、かつ部材番号が異なる部材については、参考技術にて説明した部材と異なる機能についてのみ説明し、参考技術にて説明した部材と同様の機能については説明を省略する。携帯端末1aは、参考技術にて説明した携帯端末1と異なり、制御部12に代えて制御部12aを備えている。
制御部12aは、参考技術にて説明した制御部12と異なり、音声認識部21a、相対日付判定部22a、時刻判定部23a(判定部)、およびテキスト合成部24a(テキスト変換部)を含む。
音声認識部21aは、参考技術で説明した音声認識部21と異なり、テキストID、テキストデータ、取得日付、および取得時刻を、時刻判定部23aに出力する。
時刻判定部23aは、参考技術で説明した時刻判定部23と異なり、音声認識部21aから取得したテキストID、テキストデータ、取得日付、および取得時刻を対応付けて、テキスト関連情報31に記憶する。また、時刻判定部23aは、取得時刻が日付曖昧時間帯に含まれると判定した場合、テキストIDおよびテキストデータを相対日付判定部22aに出力する。一方、取得時刻が日付曖昧時間帯に含まれないと判定した場合、テキストIDをテキスト合成部24aに出力する。
相対日付判定部22aは、参考技術にて説明した相対日付判定部22と異なり、相対日付を示す単語が、テキストデータ内にあると判定した場合、加算日数を特定し、特定した加算日数とテキストIDとを対応付けて後述する絶対日付決定部241aに出力する。
テキスト合成部24aは、絶対日付決定部241aを含む。絶対日付決定部241aは、参考技術にて説明した絶対日付決定部241と異なり、相対日付判定部22aからテキストIDと加算日数とを取得すると、テキスト関連情報31から、当該テキストIDに対応付けられた取得日付を読み出し、「絶対日付=取得日付+加算日数」を演算することによって、絶対日付を決定する。
テキスト合成部24aは、絶対日付決定部241aが絶対日付を決定した場合(すなわち、取得時刻が日付曖昧時間帯に含まれ、かつ、テキストデータに相対日付が含まれる場合)、テキスト関連情報31から、テキストIDを用いて読み出したテキストデータの相対日付に続くように、当該絶対日付を追加し、絶対日付を追加したテキストデータを出力用データ34とし、絶対日付を追加したテキストデータを用いて確認用データを生成する。一方、絶対日付決定部241aが絶対日付を決定しなかった場合(すなわち、取得時刻が日付曖昧時間帯に含まれない、または、テキストデータに相対日付が含まれない場合)、読み出したテキストデータを出力用データ34とし、また、読み出したテキストデータを用いて確認用データを生成する。
次に、図8を参照して、携帯端末1aが実行する日付変換処理の流れについて説明する。図8は、日付変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ステップS21、S22、およびS31に係る処理は、参考技術にて説明した図5のステップS1、S2、およびS12と同様の処理であるため、ここでの説明を省略する。
時刻判定部23aは、音声認識部21aが生成したテキストデータを、テキストID、取得日付、取得時刻と対応付けて記憶する(S23)。具体的には、これらの情報を対応付けてテキスト関連情報31に格納する。続いて、時刻判定部23aは、日付境界時刻33を読み出し、取得時刻が午前0時≦取得時刻≦日付境界時刻を満たすか否かを判定する(S24、判定ステップ)。取得時刻が午前0時≦取得時刻≦日付境界時刻を満たす場合(S24でYES)、時刻判定部23aは、テキストIDおよびテキストデータを相対日付判定部22aに出力する。
続いて、相対日付判定部22aは、時刻判定部23aから取得したテキストデータに相対日付が含まれるか否かを判定する(S25)。相対日付が含まれていると判定した場合(S25でYES)、相対日付判定部22aは、相対日付DB32を参照して、相対日付に対応付けられた加算日数を特定する(S26)。そして、相対日付判定部22aは、特定した加算日数とテキストIDとを絶対日付決定部241aに出力する。
続いて、絶対日付決定部241aは、テキスト関連情報31から、相対日付判定部22から取得したテキストIDと対応付けられた取得日付を読み出す。そして、読み出した取得日付、相対日付判定部22から取得した加算日数に応じた絶対日付を決定する(S27)。具体的には、絶対日付決定部241aは、絶対日付を、取得日付+加算日数を満たす日付に決定する。
続いて、テキスト合成部24aは、相対日付判定部22aから取得したテキストIDを用いて、テキスト関連情報31から読み出したテキストデータに、相対日付に続くように絶対日付決定部241aが決定した絶対日付を追加する(S28、テキスト変換ステップ)。そして、テキスト合成部24aは、絶対日付を追加したテキストデータを出力用データ34として記憶部13に記憶する。
続いて、テキスト合成部24aは、絶対日付を追加したテキストデータから、確認用データを生成する。そして、確認用データを音声出力制御部25(出力部)に出力する。音声出力制御部25は、確認用データを用いて、確認用音声データを生成する(S29)。
なお、時刻判定部23aが、取得時刻が午前0時≦取得時刻≦日付境界時刻を満たさないと判定した場合(S24でNO)、および、相対日付判定部22aが、相対日付が含まれていないと判定した場合(S25でNO)、時刻判定部23aおよび相対日付判定部22は、テキストIDのみをテキスト合成部24aに出力する。テキスト合成部24aは、テキストIDを取得すると、テキスト関連情報31から、当該テキストIDに対応付けられたテキストデータを読み出し、確認用データを生成して音声出力制御部25に出力する。音声出力制御部25は、確認用データを用いて、確認用音声データを生成する(S30)。
〔実施形態1の変形例〕
上述した実施形態1では、絶対日付決定部241が、取得日付+加算日数を満たす日付を絶対日付として決定する構成を説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、絶対日付決定部241は、取得日付+加算日数−1を満たす日付を絶対日付として決定してもよい。つまり、絶対日付決定部241は、相対日付が示す日付の一日前の日付を、絶対日付として決定してもよい。
また、上述した実施形態1に係る携帯端末1aは、時刻判定部23aが、取得時刻が午前0時≦取得時刻≦日付境界時刻を満たさないと判定した場合、絶対日付を決定しないものとして説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、携帯端末1aは、取得時刻が午前0時≦取得時刻≦日付境界時刻を満たすか否かに関わらず、絶対日付を決定し、取得時刻が午前0時≦取得時刻≦日付境界時刻を満たす場合のみ、確認用データに絶対日付を追加し、音声出力する構成であってもよい。ここで、決定した絶対日付と、入力されたテキストデータとを対応付けて記憶すれば、例えば、カレンダーを表示するアプリケーションにおいて、入力されたテキストデータが示す予定を、対応付けられた絶対日付の予定として表示することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図9〜図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
まず、図9を参照して、本実施形態に係る携帯端末1bの要部構成について説明する。図9は、携帯端末1bの要部構成の一例を示すブロック図である。携帯端末1bは、参考技術にて説明した携帯端末1と異なり、制御部12および記憶部13に代えて、制御部12bおよび記憶部13bをそれぞれ備えている。また、携帯端末1bは、新たに表示部15を備えている。
表示部15は、後述する表示制御部27から入力される画面を表示する。表示部15としては、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)が挙げられるが、表示機能を有するものであればLCDに限定されない。
制御部12bは、参考技術に手説明した制御部12と異なり、新たに日付境界時刻算出部26(決定部)および表示制御部27を含む。
表示制御部27は、表示部15に表示する画面を生成し、表示部15に表示させる。また、表示制御部27は、表示部15の画面の表示と非表示とを切り換える。例えば、表示制御部27は、携帯端末1bの操作部(図示せず)に対して、所定時間ユーザの操作が無かった場合、表示部15に表示していた画面を非表示とする(換言すれば、表示部15を消灯する)。また、表示制御部27は、ユーザが操作部に対して所定の操作を入力した(例えば、画面の表示と非表示とを切り換えるボタンを押下した)場合、当該操作に応じた信号を取得し、表示部15に画面を表示したり、表示していた画面を非表示としたりしてもよい。表示制御部27は、表示部15の画面を非表示としたとき、その旨を日付境界時刻算出部26に通知する。
日付境界時刻算出部26は、ユーザが就寝した時刻を推定し、当該時刻に基づいて日付境界時刻を算出する。具体的には、日付境界時刻算出部26は、表示制御部27からの通知を受けると、通知を受けた時刻を、表示部15を消灯した時刻(以下、消灯時刻)として一時的に保持する。そして、日付境界時刻算出部26は、表示制御部27から通知を受けるたびに消灯時刻を更新する。また、日付境界時刻算出部26は、ユーザが起床するために設定した、携帯端末1bにおいてアラームを鳴動させる時刻(以下、アラーム時刻)を予め取得しておき、当該アラーム時刻となったとき、保持している消灯時刻を、その日の日付を示す日付情報と対応付けて、就寝時刻履歴35(履歴)に格納する。これはつまり、ユーザが起床する時刻の直前の消灯時刻をユーザが就寝した時刻と推定し、当該時刻を就寝時刻として記憶するということである。
ここで、図10を参照して、就寝時刻履歴35の詳細について説明する。図10は、就寝時刻履歴35のデータ構造および具体例を示す図である。なお、就寝時刻履歴35は、図10に示すデータ構造および具体例に限定されるものではない。就寝時刻履歴35は、上述した日付情報と消灯時刻とを対応付けて記憶するものである。「日付情報」のカラムには、図10に示すように、日付を特定するための年月日および曜日が格納される。なお、当該カラムに記憶される情報は、日付が特定可能なものであればよい。例えば、曜日が省略されていてもよい。「就寝時刻」のカラムには、図10に示すように、時刻の情報が格納される。この情報は上述したように、日付境界時刻算出部26が保持していた消灯時刻である。なお以降、就寝時刻履歴35に格納されている時刻を「就寝時刻」と称する。
日付境界時刻算出部26は、就寝時刻履歴35に消灯時刻を格納すると、所定の期間(例えば、本日から6日前まで、すなわち直近の1週間)の就寝時刻を読み出し、就寝時刻の平均(以下、平均就寝時刻)を算出する。そして、日付境界時刻算出部26は、算出した平均就寝時刻を、日付境界時刻33として記憶部13bに記憶する。
なお、上述した例では、直近の1週間の就寝時刻を用いて平均就寝時刻、すなわち日付境界時刻33を算出したが、この例に限定されるものではない。例えば直近の1か月の就寝時刻を用いてもよい。また、最新の就寝時刻に対応付けられた日付情報が示す曜日を含む日付情報に対応付けられた就寝時刻を用いてもよい。これにより、曜日を考慮した日付境界時刻の設定が可能となる。例えば、金曜日は就寝時刻が遅いので、日付境界時刻33を遅い時刻とする、といった設定が可能となる。
記憶部13bは、参考技術にて説明した記憶部13と異なり、新たに就寝時刻履歴35を記憶している。なお、就寝時刻履歴35の詳細については既に説明しているため、ここでの説明を省略する。
次に、図11を参照して、携帯端末1b(日付境界時刻算出部26)が実行する日付境界時刻算出処理の流れについて説明する。図11は日付境界時刻算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、携帯端末1bが実行する日付変換処理の流れは、実施形態1にて、図6を参照して説明した日付変換処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。
まず、日付境界時刻算出部26は、表示制御部27からの表示部15の消灯の通知を待機する(S41)。表示制御部27から、表示部15の消灯を通知された場合(S41でYES)、日付境界時刻算出部26は、保持している消灯時刻を更新する(S42)。続いて、日付境界時刻算出部26は、アラーム時刻となるまで待機する(S43)。アラーム時刻となっていない場合(S43でNO)、日付境界時刻算出処理はステップS41に戻る。すなわち、日付境界時刻算出部26は、アラーム時刻となるまで、表示制御部27からの通知を受けた場合に消灯時刻を更新する処理を繰り返す。
一方、アラーム時刻となった場合(S43でYES)、日付境界時刻算出部26は保持している消灯時刻を就寝時刻履歴35に格納する(S44)。続いて、日付境界時刻算出部26は、就寝時刻履歴35に格納されている就寝時刻(消灯時刻)を用いて、平均就寝時刻を算出する(S45)。最後に、日付境界時刻算出部26は、算出して平均就寝時刻を日付境界時刻33として記憶部13bに記憶する(S46)。そして、日付境界時刻算出処理はステップS41に戻る。
以上のように、本実施形態に係る携帯端末1bは、ユーザの就寝時刻を推定し、推定した就寝時刻に基づいて日付境界時刻33を決定する。これにより、ユーザの就寝時刻に応じて、日付曖昧時間帯を変更することができる。
〔実施形態2の変形例〕
本実施形態では、アラーム時刻の直前の消灯時刻をユーザの就寝時刻とし、就寝時刻履歴35に格納する例を説明したが、この例に限定されるものではない。例えば、日付境界時刻算出部26は、表示部15の消灯の通知を受けてから所定時間、新たな消灯の通知を受けなかった場合、保持している消灯時刻を就寝時刻履歴35に格納してもよい。
また、日付境界時刻算出部26は、就寝時刻ではなく起床時刻を推定してもよい。具体的には、日付境界時刻算出部26は、ユーザがアラーム時刻を設定するたびに当該アラーム時刻を取得し、取得したアラーム時刻を日付境界時刻33として記憶部13bに記憶してもよい。また、日付境界時刻算出部26は、アラーム時刻を越えてから最初に取得した、表示制御部27から表示部15が点灯したことを示す通知(すなわち、表示部15に画面が表示されたことを示す通知)について、当該通知を受けた時刻を起床時刻として起床時刻履歴(図示せず)に格納してもよい。そして、日付境界時刻算出部26は、起床時刻履歴に格納された時刻を用いて、起床時刻の平均を算出し、算出した時刻を日付境界時刻33として記憶部13bに記憶してもよい。なお、起床時刻履歴の詳細は、時刻を格納するカラムのタイトルが「起床時刻」に変わるほかは、図10に示した就寝時刻履歴35と同様であるため、ここでの説明を省略する。さらに、日付境界時刻算出部26が推定する時刻は、ユーザが所定の行動をとった時刻であり、かつ、携帯端末1bにて当該行動をとったことを特定可能な時刻(例えば、当該行動に応じて、携帯端末1bが所定の状態となった時刻)であればよく、就寝時刻、起床時刻に限定されない。
なお、携帯端末1bは、参考技術にて説明した携帯端末1に、表示部15、日付境界時刻算出部26、表示制御部27を追加したものとして説明したが、実施形態1に係る携帯端末1aにこれらの部材を追加したものであってもよい。つまり、実施形態1の構成に本実施形態の構成を適用したものであってもよい。
〔実施形態3〕
本発明のさらに別の実施形態について、図12および図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
実施形態2では、ユーザの就寝時刻や起床時刻を推定し、推定したこれらの時刻から日付境界時刻33を算出する例を説明したが、日付境界時刻33は、上述した例のように変更される構成に限定されるものではない。例えば、ユーザが望みの日付境界時刻33を設定する構成であってもよい。
図12は、本実施形態に係る携帯端末1cの要部構成を示すブロック図である。携帯端末1cは、参考技術にて説明した携帯端末1と異なり、制御部12に代えて制御部12cを備えている。また、新たに表示部15および操作部16(入力部)を備えている。なお、表示部15については実施形態3にて既に説明しているため、ここでの説明を省略する。
操作部16は、ユーザの入力操作を取得し、当該入力操作を示す情報を制御部12c(具体的には、後述する日付境界時刻設定部29)に出力する。なお、本実施形態では、操作部16はタッチパネルであり、表示部15と一体となっているものとして説明する。ただし、操作部16はタッチパネルに限定されるものではなく、物理ボタンや、その他の入力デバイスであってもよい。
ここで、図13を参照して、本実施形態におけるユーザの入力操作の詳細を説明する。図13は、携帯端末1cに対するユーザの入力操作に応じた画面遷移図である。表示部15は、操作部16に対するユーザの入力操作に応じて、図13の(a)に示す画面を表示する。当該画面は、音声メモのアプリケーションにおける設定画面であり、図13の(a)に示すように、日付境界時刻を設定するユーザインターフェース(以下、UI)を表示するためのソフトウェアキー61が表示されている。ユーザがソフトウェアキー61にタッチ操作を行うと、表示部15に表示された画面が図13の(b)に示す画面に切り替わる。図13の(b)に示すように、当該画面には、日付境界時刻を設定するためのUI62が表示されている。ユーザがUI62に対するタッチ操作によって時刻を入力した後、設定キー63を押下することで、操作部16は、入力された時刻の情報(以下、入力時刻)を日付境界時刻設定部29に出力する。
制御部12cは、参考技術にて説明した制御部12と異なり、新たに表示制御部28および日付境界時刻設定部29を含む。
日付境界時刻設定部29は、ユーザ操作に応じて日付境界時刻33を設定する。具体的には、日付境界時刻設定部29は、操作部16から、UI62を表示するための入力操作を示す情報を取得すると、表示制御部28にUI62を表示するよう指示する。また、日付境界時刻設定部29は、操作部16から入力時刻を取得すると、当該時刻を日付境界時刻33として記憶部13に記憶する。
以上のように、本実施形態に係る携帯端末1cは、日付境界時刻33をユーザが設定可能な構成である。これにより、ユーザは自身の望みどおりに日付境界時刻33を変更することができる。なお、携帯端末1cは、参考技術にて説明した携帯端末1に、表示部15、操作部16、表示制御部28、日付境界時刻設定部29を追加したものとして説明したが、実施形態1に係る携帯端末1aにこれらの部材を追加したものであってもよい。つまり、実施形態1の構成に本実施形態の構成を適用したものであってもよい。
なお、本実施形態では、操作部16に対するユーザの操作に応じて、日付境界時刻33を設定する構成を説明したが、ユーザの入力によって日付境界時刻33を設定する構成であれば、本実施形態の構成に限定されない。例えば、マイク11に対する音声入力で日付境界時刻33を設定する構成であってもよい。
〔実施形態1〜3に共通の変形例〕
上述した各実施形態では、ユーザが入力した音声データをテキストデータに変換し、相対日付を絶対日付に変換する例を説明した。しかしながら、本発明は音声データを入力する構成に限定されない。例えば、ユーザが操作部を操作することで入力したテキストデータに含まれる相対日付を、絶対日付に変換する構成であってもよい。
また、上述した各実施形態では、予定、すなわち未来の行動を入力する音声メモのアプリケーションに本発明を適用した例を説明した。すなわち、相対日付DB32には、現在または未来の日付を示す単語が格納されている例を説明した。しかしながら、本発明はこの例に限定されない。例えば、相対日付DB32には過去の日付を示す単語(例えば、「昨日」、「一昨日」、「n日前」など)が格納されていてもよい。相対日付DB32をこのような構成とすることで、音声やユーザ操作などで過去の行動を入力するアプリケーション(例えば、日記として利用できるアプリケーション)に、本発明を適用することができる。
また、相対日付判定部22、22aは、テキストデータに含まれる相対日付が「今日」である場合、加算日数とテキストIDとを時刻判定部23、23aに出力せず、相対日付が「今日」である旨を絶対日付決定部241、241aに通知してもよい。絶対日付決定部241、241aは、当該通知を受けると、相対日付判定部22、22aから取得したテキストIDと対応付けられた取得日付を、テキスト関連情報31から読み出す。そして、絶対日付を読み出した取得日付に決定する。これは、上述した各実施形態では、予定(すなわち、未来の行動)を入力する音声メモのアプリケーションに本発明を適用しているため、「今日」という相対日付が含まれる場合、取得時刻に関わらず「今日」は本日の日付を示すと特定できるためである。
また、上述した各実施形態では、本発明を携帯端末に適用した例を説明したが、本発明は、携帯端末以外にも適用可能である。例えば、音声の入出力機能、またはテキストデータの入出力機能を備えた、冷蔵庫、電子レンジ、掃除機などの家電、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置、および自動車などに適用可能である。また、音声の入出力機能、またはテキストデータの入出力機能を備えた装置と、本発明を適用した装置(すなわち、相対日付を含むテキストデータを処理する装置)とが別体であってもよい。この場合、これら2つの装置は通信可能に接続された構成である。
〔ソフトウェアによる実現例〕
携帯端末1a〜1cの制御ブロック(特に制御部12a〜12c)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、携帯端末1a〜1cは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るテキスト処理装置(携帯端末1a)は、日付を相対的に表現した相対日付を含むテキストデータを処理するテキスト処理装置であって、上記テキストデータまたは上記テキストデータの生成に使用するデータを取得した時刻である取得時刻が、上記テキストデータを入力するユーザにとって日付が曖昧な時間帯に含まれるか否かを判定する判定部(時刻判定部23a)と、曖昧な時間帯に含まれると判定された場合、上記相対日付が示す日付を絶対的に表現した絶対日付を特定し、該絶対日付を追加した出力用テキストデータを生成する一方、含まれないと判定された場合、入力された上記テキストデータを出力用テキストデータとするテキスト変換部(テキスト合成部24a)と、上記出力用テキストデータの内容を出力する出力部(音声出力制御部25)と、を備える。
上記の構成によれば、ユーザにとって日付が曖昧な時間帯に含まれると判定された場合、絶対日付を追加した出力用テキストデータを生成し、当該データの内容を出力するので、ユーザに、相対日付と絶対日付の両方を示すことができる。これにより、ユーザに自身の意図通りの絶対日付が追加されているか確認させ、意図と異なる絶対日付が追加されている場合は修正を促すことができる。よって、意図した日付と異なる絶対日付がテキストデータに記載されたとしても、ユーザが容易に気づくことができる。
なお、「テキストデータの生成に使用するデータ」の具体例としては、例えば、音声データが挙げられる。この場合、当該音声データが音声認識されることにより、テキストデータが生成される。
本発明の態様2に係るテキスト処理装置は、上記態様1において、上記時間帯は、午前0時から、予め設定された日付変更時刻までの時間帯であってもよい。
上記の構成によれば、ユーザにとって日付が曖昧な時間帯は、午前0時から日付変更時刻までの時間帯であり、当該日付変更時刻はユーザにとって予め設定されているので、判定時に日付が曖昧な時間帯を算出する必要がなくなる。
本発明の態様3に係るテキスト処理装置は、上記態様2において、上記ユーザの入力を受け付ける入力部(操作部16)をさらに備え、上記日付変更時刻は、上記入力部に対する上記ユーザの入力によって設定されてもよい。
上記の構成によれば、ユーザの入力によって日付変更時刻が設定されるので、ユーザは自身が望む時刻を日付変更時刻とすることができる。
本発明の態様4に係るテキスト処理装置は、上記態様2において、ユーザが所定の行動をとった時刻の履歴に基づいて、上記日付変更時刻を決定する決定部(日付境界時刻算出部26)をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、ユーザが所定の行動をとった時刻の履歴に基づいて日付変更時刻を決定する。これにより、ユーザの行動に合わせて、ユーザにとって日付が曖昧な時間帯を変更することができる。なお、「所定の行動をとった時刻」とは、例えば起床時刻や就寝時刻などが挙げられる。
本発明の態様5に係るテキスト処理装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、上記テキスト変換部は、曖昧な時間帯に含まれると判定された場合、上記相対日付が示す日付の一日前の日付を上記絶対日付として特定してもよい。
曖昧な時間帯にテキストデータを取得した場合、当該テキストデータに含まれる相対日付について、ユーザは現在の日付の前日を基準とした相対日付を意図している可能性が高い。そこで上記の構成によれば、曖昧な時間帯に含まれると判定された場合、相対日付が示す日付の一日前の日付を絶対日付として特定する。これにより、ユーザの意図通りの絶対日付をテキストデータに追加することができるので、ユーザはテキストデータを修正する手間を省くことができる。
本発明の態様6に係るテキスト処理装置の制御方法は、日付を相対的に表現した相対日付を含むテキストデータを処理するテキスト処理装置の制御方法であって、上記テキストデータまたは上記テキストデータの生成に使用するデータを取得した時刻である取得時刻が、上記テキストデータを入力するユーザにとって日付が曖昧な時間帯に含まれるか否かを判定する判定ステップ(S24)と、曖昧な時間帯に含まれると判定した場合、上記相対日付が示す日付を絶対的に表現した絶対日付を特定し、該絶対日付を追加した出力用テキストデータを生成する一方、含まれないと判定した場合、入力された上記テキストデータを出力用テキストデータとするテキスト変換ステップ(S28)と、上記出力用テキストデータを出力する出力ステップ(S12)と、を含む。上記の構成によれば、態様1に係るテキスト処理装置と同様の作用効果を奏する。
本発明の各態様に係るテキスト処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記テキスト処理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記テキスト処理装置をコンピュータにて実現させるテキスト処理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。