JP2017067915A - 電子ピアノにおける疑似共鳴装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、ダンパーペダルを踏み込むと、押鍵していない鍵に対応するダンパーも含めて、全てのダンパーが強制的に弦から離れる。その結果、開放された弦103は、ピアノに装着された響板を介して互いに共鳴し合うことにより、豊かな響き(ラウド効果)を奏でることができる。
例えば、図7に示すように、鍵盤を操作することでピアノ音発生器40に発生したピアノ音を持続させ、残響装置5によって弦共鳴を模擬していた。すなわち、ピアノ音発生器40で発生したピアノ音に対して、ダンパーペダルを踏み込んだ時は乗算係数a=1を、ダンパーペダルを離した時は乗算係数a=0を残響装置5の出力に乗算し、ピアノ音発生器40で発生したピアノ音に加算してピアノの音響出力としていた。乗算係数aが0<a<1の時は、ダンパーペダルがハーフダンパーの状態である。
残響装置5では、ピアノ音として入力された波形に対して、遅延処理等を施すことで弦共鳴を模擬する残響信号を作成する。
鍵盤(17)の操作によりピアノ音を発生させるピアノ音発生器(40)と、ダンパーペダル(14b)の踏み込みで前記ピアノ音の弦共鳴を模擬する残響装置(5)を備えた電子ピアノ(100)において、
前記電子ピアノ(100)にその内部及び外部から伝達される音を収音する収音装置(マイクロフォン1)を設置し、
前記収音装置(マイクロフォン1)で収音された音を前記ピアノ音に加算して前記残響装置(5)へ入力し、
前記残響装置(5)から出力された音に対して前記ダンパーペダル(14b)の踏み込み量に応じた係数を乗算してダンパー開放時の残響音とし、
該残響音に前記ピアノ音を加算して前記電子ピアノの最終出力としてメインスピーカ(22)から発音させることを特徴としている。
前記残響音を発音する共鳴スピーカ(9)を備えたことを特徴としている。
前記メインスピーカ(22)は、左右チャンネル毎に間隔を離してボード(60)にそれぞれ設置し、
前記共鳴スピーカ(9)は、前記ボード(60)の内側面において前記各メインスピーカ(22)に挟まれた位置で、各メインスピーカ(22)を臨む方向に拡音するようにそれぞれ設置し、
前記収音装置(マイクロフォン1)は、前記メインスピーカ(22)と前記共鳴スピーカ(9)との間にそれぞれ設置することを特徴としている。
前記収音装置(マイクロフォン1)の収音部(1a)は、収音装置の上面に設置されたことを特徴としている。
図1は、電子ピアノの主要なハードウエア構成を示すブロック図であり、システムバス30に対して、CPU10、ROM11、RAM12、キースキャン回路13、ピアノ音発生器(音源)40、疑似共鳴装置(ディジタル信号処理回路)50を接続する構成をコンピュータ上に構築している。
CPU10には、回転操作、スライド操作や踏み込み量など、それぞれ物理的な入力が行われる複数の操作子から構成される操作子群14、音色選択や音設定(残響効果や音響効果の設定)を行う操作パネル15、外部装置との間のMIDIデータ受け渡し制御を行うためのMIDIインタフェース回路16が接続されている。
音量スイッチ14aは、操作子となる回転式又はダイヤルスイッチにより、回転角や移動量である操作量(物理的な入力)をポテンションメーターによりアナログ/ディジタル変換して電圧値(AD値)とし、このAD値の変化により音量制御が行われる。
ダンパーペダル14bは、ペダルの踏み込み量(操作量)をポテンションメーターによりアナログ/ディジタル変換して電圧値(AD値)とし、このAD値の変化により発音に対するラウド効果を変化させ残響効果制御が行われる。
鍵盤17は、演奏者が楽音の音高を指示する複数の鍵と、この鍵に連動して開閉するキースイッチにより構成されている。鍵盤17は、キースイッチの状態をスキャンしてキーデータとして出力するキースキャン回路13に接続されている。
また、CPU10は、鍵盤17の押鍵に対し発音チャネルを割り当てるアサイナ処理、ピアノ音発生器(音源)40に対するアクセス処理等を行う。
疑似共鳴装置50は、電子ピアノの内部及び外部から伝達される音を収音装置としてのマイクロフォン1で収音し、収音された音をマイクアンプ2で増幅しA/D変換された信号に対してピアノ音発生器40からのピアノ音を加算する第1加算器4と、加算された音からピアノ音の弦共鳴を模擬する残響装置5と、残響装置5の出力に係数aを乗算する乗算器6と、乗算器6の出力をピアノ音に加算する第2加算器7を備えて構成されている。
係数aは、例えば図3に示すように、ダンパーペダル14bの踏み込み量sに応じて係数a(1以下)が増加するようにするとともに、立ち上がりが緩やかな曲線で構成されたマップを使用することで、乗算器6で使用する係数aを可変とすることが可能となる。係数aの立ち上がりを緩やかにしたのは、ダンパーペダル14bの踏み込み初めにおける残響効果の微調節を可能にするためである。図3のマップは、ROM11に予め記憶されたものをCPU10がシステムバス30を介して読み出し、ダンパーペダル14bの踏み込み量に応じて算出された係数aが疑似共鳴装置50の乗算器6へ出力される。また、複数のマップを記憶させ、希望する残響効果モードを選択できるようにしてもよい。
D/A変換器20は、供給されたディジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換するものである。D/A変換器20が出力するアナログ楽音信号は、増幅器21に送出される。
この例によると、残響装置5及び乗算器6の出力に対して、D/A変換器20及び増幅器8を介してダンパー解放時の残響音を発音する共鳴スピーカ9を設置する。その結果、電子ピアノの残響音を共鳴スピーカ9で発音し、その音も含めてマイクロフォン1で収音することで、図3に比較してより複雑な帰還を得ることで、豊かな響きを得ることができる。すなわち、このような帰還をかけることで、周波数特性−振幅特性のピークとディップが誇張され、アコースティックピアノの数多くの弦が共鳴する様を模擬することができる。
図5は電子ピアノの外観図であり、例えば電子ピアノ100の左右方向に設置された平板状のボード(棚板)60に疑似共鳴装置50の各スピーカが設置される。すなわち、図6に示すように、大音響で外界に音響放射するメインスピーカ22を左右チャネル毎に間隔を空けて音拡散方向が下向きになるようにボード60に設置する。左右の音の拡がり感を得るために、メインスピーカ22はなるべく離れた位置に設置する。
電子ピアノ100の内部においては、ボード60の内側面(電子ピアノ内部側)における二つのメインスピーカ22,22間の中央位置に、音拡散方向が各メインスピーカ22側に向かうように一対の共鳴用スピーカ9,9を配置する。そして、メインスピーカ22,22と共鳴用スピーカ9,9の中間付近に円筒のマイクロフォン1,1をそれぞれ設置する。マイクロフォン1の収音部1aは上面(ボード60の反対側)に設置され、上面方向から収音するようになっているが、指向性が良いので横方向からの音も収音できる。マイクロフォン1の収音部1aを上面に設置することで、周囲の広い範囲から効率良く収音することができる。
Claims (4)
- 鍵盤の操作によりピアノ音を発生させるピアノ音発生器と、ダンパーペダルの踏み込みで前記ピアノ音の弦共鳴を模擬する残響装置を備えた電子ピアノにおいて、
前記電子ピアノにその内部及び外部から伝達される音を収音する収音装置を設置し、
前記収音装置で収音された音を前記ピアノ音に加算して前記残響装置へ入力し、
前記残響装置から出力された音に対して前記ダンパーペダルの踏み込み量に応じた係数を乗算してダンパー開放時の残響音とし、
該残響音に前記ピアノ音を加算し前記電子ピアノの最終出力としてメインスピーカから発音させる
ことを特徴とする電子ピアノにおける疑似共鳴装置。 - 前記残響音を発音する共鳴スピーカを備えた請求項1に記載の電子ピアノにおける疑似共鳴装置。
- 前記メインスピーカは、左右チャンネル毎に間隔を離してボードにそれぞれ設置し、
前記共鳴スピーカは、前記ボードの内側面において前記各メインスピーカに挟まれた位置で、各メインスピーカを臨む方向に拡音するようにそれぞれ設置し、
前記収音装置は、前記メインスピーカと前記共鳴スピーカとの間にそれぞれ設置する
請求項2に記載の電子ピアノにおける疑似共鳴装置。 - 前記収音装置の収音部は、収音装置の上面に設置された請求項3に記載の電子ピアノにおける疑似共鳴装置。
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JP2015191154A JP6618112B2 (ja) | 2015-09-29 | 2015-09-29 | 電子ピアノにおける疑似共鳴装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111009231A (zh) * | 2018-10-05 | 2020-04-14 | 雅马哈株式会社 | 共鸣音信号产生装置及方法、介质以及电子音乐装置 |
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2015
- 2015-09-29 JP JP2015191154A patent/JP6618112B2/ja active Active
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CN111009231A (zh) * | 2018-10-05 | 2020-04-14 | 雅马哈株式会社 | 共鸣音信号产生装置及方法、介质以及电子音乐装置 |
CN111009231B (zh) * | 2018-10-05 | 2023-08-04 | 雅马哈株式会社 | 共鸣音信号产生装置及方法、介质以及电子音乐装置 |
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