JP2017066758A - 水洗大便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1切替工程において、ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁が全開状態となる前に、加圧ポンプの回転数を上げ始めるため、ジェット開閉弁が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔTを比較的短くすることができ、サイホン作用の発生に寄与しない無駄水を削減することができ、さらに、ジェット開閉弁を作動させるために必要な駆動トルクを低減することができ、ジェット開閉弁を作動させるためのモーターを小型化することができる水洗大便器を提供する。【解決手段】水洗大便器1は、加圧ポンプ16により加圧された洗浄水をリム吐水口12およびジェット吐水口10から吐水して洗浄を行い、制御手段26は、第1切替工程において、ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁が全開状態となる前に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始める。【選択図】図2

Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、加圧ポンプにより加圧された洗浄水をリム吐水口およびジェット吐水口から吐水して洗浄を行う水洗大便器に関する。
従来から、特許文献1に示すように、加圧ポンプにより加圧された洗浄水により水洗大便器の洗浄を行うことが知られている。加圧ポンプにより加圧された洗浄水により水洗大便器の洗浄を行うため、給水圧力が低い低水圧地域においても、一定の洗浄性能を保つことができ、加圧ポンプを積んだ水洗大便器は、各社により開発が行われている。このような水洗大便器においては、電気エネルギーを利用して加圧ポンプを制御するため、洗浄性能は、加圧ポンプの制御により大きく影響を受けることとなる。また、加圧ポンプの制御により、例えば必要なモーターのサイズの小型化等、必要な構成部材の小型化等の改良についても影響がある。よって、加圧ポンプの制御を工夫し、便器の洗浄性能を向上させ、節水性を向上させ、構成部材を小型化するなどの改良をすることは、将来にわたって重要である。
特許文献1に記載されているように、加圧ポンプにより加圧された洗浄水によりリム吐水口からの吐水、ジェット吐水口からの吐水を行い、前リム洗浄→ジェット洗浄→リフィールを行う水洗大便器が知られている。特許文献1のように、加圧ポンプにより加圧された洗浄水を1つのポンプからリム吐水口とジェット吐水口のそれぞれに供給することで、より自由度が高い洗浄モードを実現することができる。
特開2010−156201号公報
しかしながら、特許文献1のように、加圧ポンプにより加圧された洗浄水を1つの加圧ポンプからリム吐水口とジェット吐水口のそれぞれに供給しようとすると、前リム洗浄からジェット洗浄に工程が切り替わる際に、加圧ポンプで水圧がかかった状態でリム側の流路とジェット側の流路とを切替える切替弁を動作させる必要がある。比較的大きな水圧がかかった状態で切替弁を動作させるためには切替弁を駆動するために比較的大きなトルクが必要とされるという問題があった。トルクを増大させるためにはモーターを大型化する必要があり、水洗大便器において収納場所が限られていることから、モーターの大型化が問題となる。
これに対し、モーターの大型化を避けるため、ポンプの回転数が比較的低く、比較的低い水圧がかかった状態で切替弁を動作させることが検討された。この場合においては、切替弁を動かすために必要なトルクを低減するため、ポンプの回転数が比較的低く、比較的低い水圧がかかった状態で切替弁のジェット側開閉弁が全開状態にされ、ジェット側開閉弁が全開状態とされた後に、ポンプの回転数を上昇させることとなる。
しかしながら、一方で、ジェット側開閉弁が全開状態とされた後にポンプの回転数を上昇させるため、サイホンの発生に寄与しない無駄水が多く発生してしまうという問題があった。このように、切替弁を駆動させるために必要なトルクの低減と無駄水の抑制を両立することができなかった。
そこで、本発明は、第1切替工程において、ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁が全開状態となる前に、加圧ポンプの回転数を上げ始めるため、ジェット開閉弁が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔTを比較的短くすることができ、サイホン作用の発生に寄与しない無駄水を削減することができ、さらに、ジェット開閉弁を作動させるために必要な駆動トルクを低減することができ、ジェット開閉弁を作動させるためのモーターを小型化することができる水洗大便器を提供することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明は、加圧ポンプにより加圧された洗浄水をリム吐水口およびジェット吐水口から吐水して洗浄を行う水洗大便器であって、汚物を受けるボウル部と、このボウル部の上部に設けられ、洗浄水を吐出するリム吐水口と、入口からいったん上昇した後に下降するような排水トラップを形成する排水トラップ管路と、この排水トラップ管路の入口に向けて開口しており、洗浄水を吐出するジェット吐水口と、給水源から供給された洗浄水を貯水する貯水タンクと、この貯水タンクに貯水された洗浄水をリム吐水口およびジェット吐水口に供給するための加圧ポンプと、加圧ポンプで加圧された洗浄水をリム吐水口に供給する第1給水路と、第1給水路から分岐するように設けられ、加圧ポンプで加圧された洗浄水をジェット吐水口に供給する第2給水路と、この第2給水路に設けられ、ジェット吐水口からの洗浄水の吐水量を変更可能なジェット開閉弁と、加圧ポンプ及びジェット開閉弁を制御する制御手段と、を有し、制御手段は、リム吐水口から洗浄水を吐水してボウル部の内壁面を洗浄する第1洗浄工程と、この第1洗浄工程後に行われ、ジェット開閉弁が全開状態に開弁されることによりジェット吐水口から洗浄水を吐水してサイホン作用を発生させる第2洗浄工程と、第1洗浄工程から第2洗浄工程に切り替える工程であって、ジェット開閉弁が上記全開状態まで開弁される第1切替工程と、を備え、制御手段は、加圧ポンプを、第2洗浄工程における加圧ポンプの第2の回転数が、第1洗浄工程における加圧ポンプの第1の回転数よりも高くなるように制御しており、第1切替工程において、ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁が全開状態となる前に、加圧ポンプの回転数を上げ始めることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、制御手段は、第1切替工程において、ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁が全開状態となる前に、加圧ポンプの回転数を上げ始めるため、ジェット吐水口から吐水される洗浄水の流量を比較的早期に増大させることができる。よって、従来の第1切替工程においてジェット開閉弁を全開状態とした後に、加圧ポンプの回転数を上げ始める場合におけるジェット開閉弁が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔTに比べて、本発明は、ジェット開閉弁が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔTを比較的短くすることができ、サイホン作用が発生するまでに排出されてしまうためサイホン作用の発生に寄与しない無駄水を削減することができる。
また、制御手段は、第1切替工程において、ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁が全開状態となる前に、加圧ポンプの回転数を上げ始めるため、加圧ポンプの回転数が比較的低いとき、すなわち加圧ポンプによる洗浄水の圧力が比較的小さいときに、ジェット開閉弁を開き始めることができる。そのため、ジェット開閉弁を作動させるために必要な駆動トルクを低減することができ、ジェット開閉弁を作動させるためのモーターを小型化することができる。
したがって、本発明は、無駄水の削減と、ジェット開閉弁を作動させるために必要な駆動トルクの低減とを両立させることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、第1切替工程の間、リム吐水口から吐水される洗浄水の流量が所定の規定流量を超えないように、ジェット開閉弁及び加圧ポンプを制御する。
このように構成された本発明の検討に際し、第1切替工程において、ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁が全開状態となる前に、加圧ポンプの回転数を急激に上昇させる場合、リム吐水口から吐水される洗浄水の流量が増加し、ボウル部から洗浄水が外部に溢れたり飛散してしまうという新たな課題が発生することが分かった。
そこで、このように構成された本発明においては、制御手段は、第1切替工程の間、リム吐水口から吐水される洗浄水の流量が所定の規定流量を超えないように、ジェット開閉弁及び加圧ポンプを制御するため、無駄水の削減を行いながら、洗浄水がボウル部から外部に溢れたり、飛散してしまうことを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、第1切替工程の間、リム吐水口から吐水される洗浄水の流量が第1洗浄工程(前リム洗浄)におけるリム吐水口から吐水される洗浄水の流量を超えないように、ジェット開閉弁及び加圧ポンプを制御する。
このように構成された本発明の検討に際し、第1切替工程において、ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁が全開状態となる前に、加圧ポンプの回転数を急激に上昇させる場合、リム吐水口から吐水される洗浄水の流量が増加し、ボウル部から洗浄水が外部に溢れたり飛散してしまうという新たな課題が発生することが分かった。
そこで、このように構成された本発明においては、制御手段は、第1切替工程の間、リム吐水口から吐水される洗浄水の流量が第1洗浄工程(前リム洗浄)におけるリム吐水口から吐水される洗浄水の所定流量を超えないように、ジェット開閉弁及び加圧ポンプを制御するため、無駄水の削減を行いながら、洗浄水がボウル部から外部に溢れたり、飛散してしまうことを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、第1切替工程において加圧ポンプの回転数を上げ始めてから、加圧ポンプの回転数が第2の回転数となる以前に、ジェット開閉弁を全開状態とする。
このように構成された本発明においては、制御手段は、第1切替工程において加圧ポンプの回転数を上げ始めてから、加圧ポンプの回転数が最大回転数となる以前に、ジェット開閉弁を全開状態とするため、加圧ポンプの回転数の増大により増加された洗浄水を無駄なくジェット開閉弁からジェット吐水口に供給することができる。よって、より効率的にサイホンを発生させることができる。
本発明において、好ましくは、第1給水路に設けられ、リム吐水口からの洗浄水の吐水量を変更可能なリム開閉弁を備え、制御手段は、加圧ポンプの回転数を上げ始めてから、加圧ポンプの回転数が第2の回転数に至る以前に、リム開閉弁を小開状態又は全閉状態とする。
このように構成された本発明においては、制御手段は、加圧ポンプの回転数を上げ始めてから、加圧ポンプの回転数が第2の回転数に至る以前に、リム開閉弁を小開状態又は全閉状態とするため、加圧ポンプの回転数が第2の回転数に至る際に洗浄水がリム開閉弁からリム吐水口に供給されにくく又はリム吐水口に供給されず、主にジェット吐水口に供給される。従って、ジェット吐水口から吐水される洗浄水の流量を確保することができ、より効率的にサイホン作用を発生させることができるとともに、洗浄水がボウル部から外部に溢れたり、飛散してしまうことを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、ジェット開閉弁が閉弁された閉弁状態であり、且つ洗浄水をリム吐水口から吐水してボウル部へのリフィールを行う第3洗浄工程と、第2洗浄工程から第3洗浄工程に切り替える工程であって、ジェット開閉弁が全開状態から閉弁状態まで閉弁される第2切替工程と、を備え、制御手段は、加圧ポンプを、第3洗浄工程における加圧ポンプの第3の回転数が、第2洗浄工程における加圧ポンプの第2の回転数よりも低くなるよう制御しており、さらに、加圧ポンプを、第2切替工程が開始される前且つ第2洗浄工程の後期において、加圧ポンプの回転数を第2の回転数から第3の回転数まで下降させるように制御する。
このように構成された本発明においては、制御手段は、第2切替工程が開始される前且つ第2洗浄工程の後期において、加圧ポンプの回転数を第2の回転数から第3の回転数まで下降させ、第2切替工程が開始されるより前に、加圧ポンプの回転数を第3の回転数まで下降させ終えるため、第2切替工程において、加圧ポンプの回転が比較的低い第3の回転数のときに、ジェット開閉弁を作動させることができる。従って、ジェット開閉弁にかかる洗浄水の水圧が比較的低い状態でジェット開閉弁を閉止することができるので、ジェット開閉弁が閉弁状態になる間際においてジェット開閉弁が水圧により衝撃を受けることを抑制することができる。
本発明の水洗大便器によれば、第1切替工程において、ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁が全開状態となる前に、加圧ポンプの回転数を上げ始めるため、ジェット開閉弁が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔTを比較的短くすることができ、サイホン作用の発生に寄与しない無駄水を削減することができ、さらに、ジェット開閉弁を作動させるために必要な駆動トルクを低減することができ、ジェット開閉弁を作動させるためのモーターを小型化することができる。
本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す平面図である。 図1の水洗大便器の内部構造を示す概略ブロック図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器の切替弁の側面図である。 図3のIV−IV線に沿って見た断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器のリム開閉弁及びリム吐水流量、ジェット開閉弁及びジェット吐水流量、加圧ポンプの回転数を、各工程において示すタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による水洗大便器のリム開閉弁、リム吐水流量、ジェット開閉弁、ジェット吐水流量、加圧ポンプの回転数を、第1洗浄工程及び第1切替工程において、本発明と従来技術とを比較して示すタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による水洗大便器のリム開閉弁、リム吐水流量、ジェット開閉弁、ジェット吐水流量、加圧ポンプの回転数を、第1洗浄工程及び第1切替工程において、本発明と比較例とを比較して示すタイムチャートである。 図3の断面図により示される切替弁において、時刻T2におけるリム開閉弁、ジェット開閉弁の状態及び洗浄水の流れを示す図である。 図3の断面図により示される切替弁において、時刻T2の直後におけるリム開閉弁、ジェット開閉弁の状態及び洗浄水の流れを示す図である。 図3の断面図により示される切替弁において、時刻T3〜T4の間におけるリム開閉弁、ジェット開閉弁の状態及び洗浄水の流れを示す図である。 図3の断面図により示される切替弁において、時刻T5におけるリム開閉弁、ジェット開閉弁の状態及び洗浄水の流れを示す図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器のリム開閉弁、リム吐水流量、ジェット開閉弁、ジェット吐水流量、加圧ポンプの回転数を、第2洗浄工程、第2切替工程及び第3洗浄工程において、本発明と従来技術とを比較して示すタイムチャートである。 図3の断面図により示される切替弁において、時刻T7におけるリム開閉弁、ジェット開閉弁の状態及び洗浄水の流れを示す図である。 図3の断面図により示される切替弁において、時刻T7〜T8の間におけるリム開閉弁、ジェット開閉弁の状態及び洗浄水の流れを示す図である。 図3の断面図により示される切替弁において、時刻T8〜T9の間におけるリム開閉弁、ジェット開閉弁の状態及び洗浄水の流れを示す図である。 図3の断面図により示される切替弁において、時刻T9におけるリム開閉弁、ジェット開閉弁の状態及び洗浄水の流れを示す図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器の内部構造を示す概略ブロック図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器の切替弁の断面図である。 本発明の第3実施形態による水洗大便器の内部構造を示す概略ブロック図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器を説明する。
先ず、図1及び図2により、本発明の第1実施形態による水洗大便器の構造を説明する。ここで、図1は本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す平面図であり、図2は図1の水洗大便器の内部構造を示す概略ブロック図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態による水洗大便器1は、便器本体2と、この便器本体2の上面に配置された便座(図示せず)と、便座を覆うように配置されたカバー(図示せず)と、便器本体2の後方に配置された機能部4とを備えている。
便器本体2は陶器製であり、便器本体2には、汚物を受けるボウル部6と、このボウル部6の底部から延びる排水トラップ管路8と、ジェット吐水を行うジェット吐水口10と、リム吐水を行うリム吐水口12が形成されている。
ジェット吐水口10は、ボウル部6の底部に形成されており、排水トラップ管路8の入口に向けて開口しており、排水トラップ管路8の入口に指向してほぼ水平に配置され、洗浄水を排水トラップ管路8に向けて吐出するようになっている。
リム吐水口12は、ボウル部6の左側上部後方に形成されており、ボウル部6の縁に沿って洗浄水を吐出するようになっている。図1において、リム吐水口12から吐水された洗浄水がボウル部6内を旋回しながらボウル部6を洗浄する様子を矢印A1により示している。これに対し、後述するように、リム吐水口12から吐水される洗浄水の流量が所定の規定流量F0を超える場合には、図1において仮想線の矢印Aoutで示すように、ボウル部6から洗浄水が外部に溢れたり飛散してしまう問題が生じることを示している。
排水トラップ管路8は、入口部8aと、この入口部8aから上昇するトラップ上昇管8bと、このトラップ上昇管8bから下降するトラップ下降管8cとからなり、トラップ上昇管8bとトラップ下降管8cとの間が頂部8dとなっている。よって、排水トラップ管路8は、入口からいったん上昇した後に下降するような排水トラップを形成している。
第1実施形態による水洗大便器1は、リム吐水に関しては、機能部4に内蔵された貯水タンク14に貯水された洗浄水を加圧ポンプ16によって加圧して、リム吐水口12から洗浄水が吐出される。また、ジェット吐水に関しては、機能部4に内蔵された貯水タンク14に貯水された洗浄水を加圧ポンプ16によって加圧して、大流量でジェット吐水口10から吐出させるようになっている。
次に、図2により、第1実施形態による水洗大便器1の機能部4を説明する。
図2に示すように、機能部4には、水道等の給水源からの流路を電気的に開閉する電磁弁18と、貯水タンク14と、貯水タンク14に貯水された洗浄水を加圧して送出する加圧ポンプ16と、加圧ポンプ16の下流側の給水路に設けられ、且つリム側給水路20と、ジェット側給水路22とを切り替える切替弁24と、を備えている。
また、機能部4には、電磁弁18の開閉操作、切替弁24の切換操作、及び、加圧ポンプ16の回転数や作動時間等を制御するコントローラ(制御手段)26が内蔵されている。コントローラ26は使用者の操作部5の操作を受けて作動される。
機能部4は、定流量弁、リム吐水用バキュームブレーカ、ジェット吐水用バキュームブレーカ等の他の部材を必要に応じて備えていてもよい。
水道等の給水源から供給される洗浄水は、止水栓(図示せず)を介して、電磁弁18に流入し、電磁弁18を通過した洗浄水は、貯水タンク14に供給されるようになっている。電磁弁18は、コントローラ26の制御信号により開閉され、供給された洗浄水を貯水タンク14に流入させ、又は停止させるようになっている。貯水タンク14は、リム吐水口12及びジェット吐水口10から吐水すべき洗浄水を貯水するように構成されている。貯水タンク14に供給された洗浄水は、加圧ポンプ16により加圧して送出され、切替弁24により、リム吐水口12又はジェット吐水口10に供給されるようになっている。この切替弁24は、リム側であるリム側給水路20とジェット側であるジェット側給水路22の両方に同じタイミングで洗浄水を供給可能であって、リム側とタンク側への給水量の割合を任意に変更することができる切替弁である。また、リム側給水路20又はジェット側給水路22の片方のみに洗浄水を供給するように流路を切替えることも可能である。
加圧ポンプ16は、貯水タンク14に貯水された洗浄水を加圧して、リム吐水口12及び/又はジェット吐水口10から吐出させるためのものである。加圧ポンプ16は、貯水タンク14の下部から延びる洗浄水給水管路28上に設けられ、貯水タンク14内に貯水された洗浄水を加圧して圧送する。
加圧ポンプ16が貯水タンク14に貯水された洗浄水を加圧して圧送するので、水道直圧の給水方式とは異なり、水道等の給水圧が比較的低い地域においても、洗浄水の予め決められた所定の瞬間流量でリム吐水及びジェット吐水を行うことができ、安定した洗浄性能を有することができる。
一方、加圧ポンプ16の流出口は、洗浄水給水管路28を介して、切替弁24に接続されている。
また、切替弁24は、コントローラ26の制御信号により切り替えられ、加圧ポンプ16を介して圧送された洗浄水をリム吐水口12から吐出させ、及び/又は、ジェット吐水口10から吐出させさせるようになっている。
コントローラ26は、使用者による操作部5の操作により、電磁弁18、加圧ポンプ16、切替弁24、を順次作動させ、リム吐水口12及びジェット吐水口10からの吐水を順次開始させて、ボウル部6を洗浄する。さらに、コントローラ26は、洗浄終了後、電磁弁18を開放し、洗浄水を貯水タンク14に補給する。貯水タンク14内の水位が上昇し、上端フロートスイッチ30が規定の貯水量を検出すると、コントローラ26は、電磁弁18を閉鎖して給水を停止する。
次に、図2乃至図4により、切替弁24について説明する。
図3は本発明の第1実施形態による水洗大便器の切替弁の側面図であり、図4は図3のIV−IV線に沿って見た断面図である。
図2乃至図4に示すように、切替弁24は、その上流側の流入口部32が、洗浄水給水管路28に接続され、その下流側のリム側排出口部34が、リム側給水路(第1給水路)20と接続され、及びその下流側のジェット側排出口部36が、ジェット側給水路(第2給水路)22に接続されている。
切替弁24は、流入口部32からリム側排出口部34及びジェット側排出口部36に二つに分岐する流路を有している。切替弁24は、さらに、リム開閉弁38と、ジェット開閉弁40とを備えている。リム側給水路20の入口に設けられるリム側排出口部34には、リム開閉弁38が取付けられ、リム開閉弁38の開閉により、リム側排出口部34の流路が開閉されるようになっている。また、ジェット側給水路22の入口に設けられるジェット側排出口部36には、ジェット開閉弁40が取付けられ、ジェット開閉弁40の開閉により、ジェット側排出口部36の流路が開閉されるようになっている。
リム開閉弁38には、リム側弁体用モーター42が接続され、リム側弁体用モーター42の駆動力によりリム開閉弁38が回動するように作動され、流路を開閉するようになっている。ジェット開閉弁40には、ジェット側弁体用モーター44が接続され、ジェット側弁体用モーター44の駆動力によりジェット開閉弁40が回動するように作動され、流路を開閉するようになっている。リム側弁体用モーター42及びジェット側弁体用モーター44は一つの共通のモーターであってもよい。
切替弁24、リム側弁体用モーター42及びジェット側弁体用モーター44は、加圧ポンプ16の下流側(リム吐水口12及びジェット吐水口10に近い前方側)に設置される必要があり、便器本体2の後部の比較的狭い取付けスペースに取付けるため、取付けスペースが非常に限られている。従って、リム側弁体用モーター42及びジェット側弁体用モーター44は、小型化されることが要望されている。
リム開閉弁38は、リム側弁体用モーター42により、自在に開度を調整でき、弁体の開度(閉弁状態から全開状態までの開度)に応じてリム吐水口12からの洗浄水の吐水量を変更することができる。
ジェット開閉弁40は、ジェット側弁体用モーター44により、自在に開度を調整でき、弁体の開度(閉弁状態から全開状態までの開度)に応じてジェット吐水口10からの洗浄水の吐水量を変更することができる。
次に、図5乃至図10Dにより、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1の作用(動作)を説明する。
図5に示すように、待機状態(時刻T0〜T1)において、操作部5が操作されると、リム吐水(第1洗浄工程(前リム洗浄))が開始される(時刻T1)。即ち、使用者が操作部5を操作すると、コントローラ26は電磁弁18を開状態とするとともに、加圧ポンプ16を始動させ、且つ回転数を後述する第1の回転数N1まで上昇させる。
時刻T1において、切替弁24は、リム開閉弁38が全開状態(100%の開度の状態)とされ、ジェット開閉弁40が閉弁状態となるように作動され(切替えられ)ている。従って、貯水タンク14から加圧ポンプ16によって圧送される洗浄水は、洗浄水給水管路28からリム側給水路20のみに供給される。よって、第1洗浄工程においては、加圧ポンプ16の給水圧力によりリム吐水口12から洗浄水が吐出され、ボウル部6の内壁面を洗浄する。
第1洗浄工程においては、リム開閉弁38が全開状態且つ加圧ポンプ16の回転数が第1の回転数N1(例えば1500rpm)であり、リム吐水口12から吐水される洗浄水の流量が、ボウル部6から洗浄水が外部に溢れたり飛散してしまう問題が生じないような所定の流量となるように設定されている。例えば本実施形態においては、リム吐水口12から吐水される洗浄水の流量は、所定の規定流量F0であり、10L/mの流量とされている。
第1洗浄工程においては、ジェット開閉弁40が閉弁状態とされているため、ジェット吐水口10から吐水されるジェット流量は、0L/mとなっている。また、第一洗浄工程においては、加圧ポンプ16の回転数は、時刻T1から上昇された後、所定の低回転数である第1の回転数N1(例えば1500rpm)で維持されている。
その後、時刻T2になると、第1洗浄工程(前リム洗浄)から後述する第2洗浄工程(ジェット洗浄)に加圧ポンプ16を継続作動した状態で切り替える工程であって、ジェット開閉弁40が閉弁状態から全開状態まで開弁される第1切替工程が開始される。
第1切替工程においては、図5乃至図8Dに示すように、ジェット開閉弁40が閉弁状態から全開状態まで一定の割合で徐々に開弁される。
第1切替工程におけるリム開閉弁38及びジェット開閉弁40の動作を説明する。
図8Aに示すように、ジェット開閉弁40が時刻T2において閉弁状態となっている。このとき、リム開閉弁38は全開状態となっている。また、図8Bに示すように、ジェット開閉弁40は時刻T2の直後において徐々に開弁される。このとき加圧ポンプ16の回転数は第1の回転数N1であり、比較的低い回転数になっている。すなわち加圧ポンプ16による洗浄水の圧力が比較的小さいときに、ジェット開閉弁40を開き始めることができる。図8Bに示すように、ジェット開閉弁40を開き始める際に、ジェット開閉弁40を水力に抗して開けるためには、ジェット側弁体用モーターが水圧を上回る力をジェット開閉弁40に作用させる必要がある。そのため、ジェット開閉弁40を作動させるために必要な駆動トルクを低減することができ、ジェット開閉弁40を作動させるためのジェット側弁体用モーター44を小型化することができる。このとき、リム開閉弁38は徐々に閉まり始める状態となっている。同様に、図8Cに示すように、ジェット開閉弁40は時刻T3からT4において徐々に開度が増大されている。このとき、リム開閉弁38は閉弁される途中の状態となっている。図8Dに示すように、ジェット開閉弁40が時刻T5においては全開状態となっている。このとき、リム開閉弁38は小開状態(絞り状態)となっている。なお、リム開閉弁38は全閉状態とされてもよい。
図5に示すように、第1切替工程において、ジェット開閉弁40が徐々に開弁されることにより、ジェット吐水口10から吐水されるジェット流量(ジェット吐水流量)も0L/mから80L/m(毎分80リットル)まで上昇される。
このとき、第1切替工程において、時刻T2においてジェット開閉弁40が閉弁状態から開き始めた後、且つ、時刻T4においてジェット開閉弁40が全開状態となる前に、時刻T3において加圧ポンプ16の回転数を第1の回転数N1から上げ始める。
これに対し従来においては、図6において点線で示すように、時刻T4においてジェット開閉弁40が全開状態(100%の開度の状態)となった後に、加圧ポンプ16の回転数を第1の回転数N1から上げ始めていた。
本発明においては、図6において実線により示すように、第1切替工程において、従来に比べて、ジェット吐水口10から吐水される洗浄水の流量を比較的早期に増大させることができる。すなわち、排水トラップ管路8内に供給される洗浄水の流量が比較的早期に増大され、サイホン作用の発生が早められる。より具体的には、時刻T3からT4において加圧ポンプ16の回転数が増大され、図8Cに示すような、矢印F1に示すジェット流量が増大される。さらに、時刻T5において加圧ポンプ16の回転数が第2の回転数N2となり、図8Dに示すような、矢印F2に示すジェット流量が、サイホン作用の発生に必要な流量まで増大されている。
よって、図6に示すように、従来の第1切替工程において時刻T4から加圧ポンプ16の回転数を上げ始める場合におけるジェット開閉弁40が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔT(時刻T2からT6までの時間)に比べて、本発明は、ジェット開閉弁40が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔT(時刻T2からT5までの時間)を比較的短くすることができ、サイホン作用が発生するまでに排水トラップ管路8から排水されてしまうためサイホン作用の発生に寄与しない無駄水を削減することができる。例えば、本実施形態では、ジェット流量は80L/m等の大きな流量となっていることから、数秒以下の時間であってもΔTを短くすることができれば、サイホンが発生するまでに排出されてしまうジェット吐水された洗浄水を減らすことができ、比較的大きな節水の効果を奏することとなる。
第1切替工程において、加圧ポンプ16の回転数は、時刻T3から第1の上昇割合で回転数の上昇が開始され、時刻T4から第1の上昇割合よりも大きな第2の上昇割合で回転数が上昇される。加圧ポンプ16の回転数は、第1切替工程終了後、時刻T5において、最大の回転数である第2の回転数N2(例えば3500rpm)となっている。
従って、コントローラ26は、時刻T3において加圧ポンプ16の回転数を上げ始めてから、時刻T5において加圧ポンプ16の回転数が最大の第2の回転数N2となる以前に、時刻T4においてジェット開閉弁40を全開状態とする。加圧ポンプ16の回転数が最大の第2の回転数N2となる以前に、ジェット開閉弁40を全開状態とするため、加圧ポンプ16の回転数が最大の第2の回転数N2まで増大されることにより増加された洗浄水を無駄なくジェット開閉弁40からジェット吐水口10に供給することができる。よって、より効率的にサイホンを発生させることができる。
第1切替工程において、図5乃至図8Dに示すように、リム開閉弁38は全開状態から小開状態まで一定の割合で徐々に閉弁される。図5及び図8Dに示すように、リム開閉弁38の小開状態は、閉弁状態よりはリム開閉弁38が比較的小さな開度でわずかに開弁されている状態であり、比較的少量の洗浄水がリム吐水口12からボウル部6に吐水されている状態となる。
第1切替工程において、リム開閉弁38は全開状態から小開状態まで一定の割合で徐々に閉弁されるので、リム開閉弁38の開度の観点によれば、リム吐水口12から吐水されるリム吐水の流量は、減少される。なお、リム開閉弁38は第1切替工程の終わり(第2洗浄工程の開始)から第2洗浄工程の間において全閉状態とされてもよい。
しかしながら、図7に比較例として示すように、時刻T3から加圧ポンプ16の回転数を一気に上昇させようとすると、図7の上から二つ目のタイムチャートに示すように、リム吐水口12から吐水されるリム吐水の流量が所定の規定流量を超えるまで増加されてしまい、リム吐水口12から吐水される洗浄水の流量が第1洗浄工程(前リム洗浄)におけるリム吐水口12から吐水される洗浄水の所定の規定流量F0を超える場合には、瞬間流量が高く且つ流速も早くなるため、図1において仮想線の矢印Aoutで示すように、ボウル部6から洗浄水が外部に溢れたり飛散してしまう問題が生じることが分かった。このような課題は、本発明の発明者らが加圧ポンプ16の回転数を従来の時刻T4よりも早期の時刻T3から上昇させようとする中で新たに生じることが分かった課題である。なお、図7に示す比較例は、加圧ポンプ16の回転数を増大させるタイミングを早めた他は本実施形態と同様の構造及び動作により洗浄が行われているので詳細な説明は省略する。
そこで、本発明の発明者らは、コントローラ26は、第1切替工程の間及び他の洗浄工程の間においても、リム吐水口12から吐水される洗浄水の流量が第1洗浄工程(前リム洗浄)におけるリム吐水口12から吐水される洗浄水の所定の規定流量F0を超えないように、ジェット開閉弁40及び加圧ポンプ16を制御させ、無駄水の削減を行いながら、洗浄水がボウル部6から外部に溢れたり、飛散してしまうことを抑制することができることを発明した。
具体的には、本実施形態においては、加圧ポンプ16の回転数は、時刻T3から時刻T4まで比較的緩やかな傾きの第1の上昇割合で回転数の上昇が開始されるので、リム吐水口12から吐水されるリム吐水の流量の増加が比較的低く抑えられ、第1洗浄工程においてリム吐水口12から吐水される洗浄水の所定の規定流量F0を超えないようになっている。また、加圧ポンプ16の回転数は、時刻T4から時刻T5まで比較的急な傾きの第2の上昇割合で回転数の上昇が開始されるが、図8Dに示すように、リム吐水口12から矢印F3により示される吐水されるリム吐水の流量の増加が比較的低く抑えられ、リム吐水口12から吐水される洗浄水の所定の規定流量F0を超えないようになっている。このように加圧ポンプ16の回転数は、2段階または3段階以上の複数の段階により回転数の上昇の割合を変化させることができる。
後述する時刻T4から時刻T7までの第2洗浄工程においても、リム開閉弁38が小開状態にされるので、加圧ポンプ16の回転数が最大の回転数である第2の回転数N2をとっていても、リム吐水口12から吐水されるリム吐水の流量の増加が抑えられ、リム吐水口12から吐水される洗浄水の所定の規定流量F0を超えないようになっている。従って、洗浄水がボウル部から外部に溢れたり、飛散してしまうことを抑制することができる。
コントローラ26は、時刻T3において加圧ポンプ16の回転数を上げ始めてから、時刻T5において加圧ポンプ16の回転数が最大回転数の第2の回転数N2に至る以前に、時刻T4においてリム開閉弁38を小開状態まで開度を低減させるように変化させる。よって、加圧ポンプ16の回転数が第2の回転数N2に至る際に洗浄水がリム開閉弁38からリム吐水口12に供給されにくく、ジェット吐水口10に供給される。従って、ジェット吐水口10から吐水される洗浄水の流量を確保することができ、より効率的にサイホン作用を発生させることができるとともに、洗浄水がボウル部6から外部に溢れたり、飛散してしまうことを抑制することができる。
その後、時刻T4からT7においては、第2洗浄工程が行われる。
第2洗浄工程は、第1切替工程終了後に、ジェット開閉弁40が全開状態に開弁された状態で、ジェット吐水口10から洗浄水を吐水してサイホン作用を開始させる発生させるとともにボウル部6の汚物を排水トラップ管路8に搬送する。
第2洗浄工程においては、ジェット開閉弁40は、時刻T4からT8において全開状態とされている。一方、リム開閉弁38は、時刻T4からT8において小開状態とされている。従って、加圧ポンプ16から圧送された洗浄水は、切替弁24において、比較的少量の流量がリム吐水口12に向かって流れ、及び、比較的大量の流量がジェット吐水口10に流れるようになっている。
第2洗浄工程においては、ジェット吐水口10から吐出された洗浄水は排水トラップ管路8内に流入し、排水トラップ管路8を満水にしてサイホン現象を引き起こす。このサイホン現象により、ボウル部6内の溜水及び汚物は、排水トラップ管路8に吸引され、排水管15から排出される。
コントローラ26は、加圧ポンプ16を、第2切替工程が開始される前且つ第2洗浄工程の後期において、加圧ポンプ16の回転数を第2の回転数N2から第3の回転数N3まで一定の割合で徐々に下降させるように制御する。本実施形態においては、第3の回転数N3は第1の回転数N1と同じ回転数(例えば1500rpm)とされている。このように、第2洗浄工程の後期において、例えば時刻T7において、加圧ポンプ16の回転数の減少が開始される。第2洗浄工程の後期において、加圧ポンプ16の回転数は第3の回転数N3まで低下され、以後、第2切替工程及び第3洗浄工程において一定の回転数を維持するようになっている。
図5及び図9に示すように、時刻T7からT8において、加圧ポンプ16の回転数が第2の回転数N2から第3の回転数N3まで低下されるので、ジェット吐水口10から吐水されるジェット流量は徐々に低下される。さらに、リム吐水口12から吐水されるリム吐水流量も徐々に低下される。
よって、図9及び図10Aに示すように、第2洗浄工程の後に引き続いて開始される第2切替工程において、ジェット開閉弁40の閉弁を開始させる際に、加圧ポンプ16の回転数を第3の回転数N3まで下降させた状態で、ジェット開閉弁40を作動させることができる。
また、第2切替工程において、リム開閉弁38の開度を再び増大させる際に、加圧ポンプ16の回転数を第3の回転数N3まで下降させた状態で、リム開閉弁38を作動させることができる。そのため、リム開閉弁38を水圧に抗して作動させるために必要な駆動トルクを低減させることができ、リム開閉弁38を作動させるためのリム側弁体用モーター42も小型化することができる。
図5及び図9に示すように、時刻T7からT8において、ジェット吐水口10から吐水されるジェット流量は徐々に低下されるので、概ね時刻T7においてサイホン作用は比較的早期に終了する。従って、ジェット開閉弁40が時刻T9において閉弁されるまで、ジェット吐水口10から吐水されるジェット流量は、ボウル部6の洗浄水の補給(溜水の補給)としてのリフィールに寄与することとなる。
第2洗浄工程が終了すると、第2切替工程が開始される(時刻T8)。第2切替工程は、第2洗浄工程(ジェット洗浄)から第3洗浄工程(リフィール)に切り替える工程であって、ジェット開閉弁40が全開状態から閉弁状態まで閉弁される工程である。第2切替工程においては、図5及び図9に示すように、ジェット開閉弁40が全開状態から閉弁状態まで一定の割合で徐々に閉弁される。ジェット開閉弁40が徐々に閉弁されることにより、ジェット吐水口10から吐水されるジェット流量(ジェット吐水流量)も徐々に低下される。
図9及び図10Dに示すように、コントローラ26は、第2切替工程が開始されるより前に、加圧ポンプ16の回転数を第3の回転数N3まで下降させ終えるため、時刻T9において、加圧ポンプ16の回転が比較的低い第3の回転数N3のときに、ジェット開閉弁40を閉弁させることができる。従って、ジェット開閉弁40にかかる洗浄水の水圧が比較的低い状態でジェット開閉弁40を閉止することができるので、ジェット開閉弁40が閉弁状態になる間際においてジェット開閉弁40が水圧により衝撃を受けるように急激に閉止されることを抑制することができる。
これに対し、従来においては、図9において点線により示すように、時刻T9において、ジェット開閉弁40を閉弁させるタイミングとほぼ同時に加圧ポンプ16の回転数を第3の回転数N3まで下降させていた。このような従来のやり方によれば、ジェット開閉弁40が閉弁状態になる間際においてジェット開閉弁40が水圧により衝撃を受けるように急激に閉止されるという問題が生じていた。
図10A乃至図10Dにより、第2洗浄工程の後期及び第2切替工程におけるリム開閉弁38及びジェット開閉弁40の動作を説明する。
図10Aに示すように、ジェット開閉弁40が時刻T7において全開状態となっている。このとき、リム開閉弁38は小開状態となっている。また、図10Bに示すように、ジェット開閉弁40は時刻T8においても全開状態となっている。このとき加圧ポンプ16の回転数は第1の回転数N3まで低下されている。すなわち加圧ポンプ16による洗浄水の圧力が比較的小さいときに、ジェット開閉弁40を閉じ始めることができる。このとき、リム開閉弁38は依然として小開状態となっている。図10Cに示すように、ジェット開閉弁40は時刻T8からT9において徐々に一定の割合で開度が減少されている。このとき、リム開閉弁38は徐々に一定の割合で開度が増大される。加圧ポンプ16の回転数が第3の回転数N3まで下降されているため、切替弁24の流入口部32から流路内に流入する洗浄水の流量及び流速についても減少されている。図10Dに示すように、ジェット開閉弁40が時刻T9において閉止状態とされる。このとき、リム開閉弁38は全開状態となっている。加圧ポンプ16の回転数は第3の回転数N3で一定となっている。
第3洗浄工程においては、リム開閉弁38が全開状態とされ、且つジェット開閉弁40が閉止状態とされている。従って、洗浄水は、リム吐水口12からのみボウル部6に吐水され、ボウル部6の洗浄水のリフィールを行う。このとき、加圧ポンプ16の回転数は第3の回転数N3で維持されている。
第3洗浄工程におけるリム吐水口12からの吐水によりボウル部6内の溜水の水位は上昇し、所定のリム吐水時間経過後(時刻T10)、ボウル部6内は所定の溜水水位W0に到達する。時刻T10において、リム吐水が終了すると、貯水タンク14の洗浄水が補給される。貯水タンク14内に洗浄水が補給され、貯水タンク14内の水位が規定の貯水水位に達すると、フロートスイッチ30がONになる。フロートスイッチ30がONになると、コントローラ26は電磁弁18に信号を送り、これを閉鎖させる。このようにして水洗大便器1の一連の洗浄動作は終了し、再び待機状態に戻る。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1によれば、コントローラ26は、第1切替工程において、ジェット開閉弁40が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁40が全開状態となる前に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始めるため、ジェット吐水口10から吐水される洗浄水の流量を比較的早期に増大させることができる。よって、従来の第1切替工程においてジェット開閉弁40を全開状態とした後に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始める場合におけるジェット開閉弁40が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔTに比べて、本発明は、ジェット開閉弁40が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔTを比較的短くすることができ、サイホン作用が発生するまでに排出されてしまうためサイホン作用の発生に寄与しない無駄水を削減することができる。
また、コントローラ26は、第1切替工程において、ジェット開閉弁40が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁40が全開状態となる前に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始めるため、加圧ポンプ16の回転数が比較的低いとき、すなわち加圧ポンプ16による洗浄水の圧力が比較的小さいときに、ジェット開閉弁40を開き始めることができる。そのため、ジェット開閉弁40を作動させるために必要な駆動トルクを低減することができ、ジェット開閉弁40を作動させるためのモーターを小型化することができる。
したがって、本発明は、無駄水の削減と、ジェット開閉弁40を作動させるために必要な駆動トルクの低減とを両立させることができる。
本発明の検討に際し、第1切替工程において、ジェット開閉弁40が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁40が全開状態となる前に、加圧ポンプ16の回転数を急激に上昇させる場合、リム吐水口12から吐水される洗浄水の流量が増加し、ボウル部6から洗浄水が外部に溢れたり飛散してしまうという新たな課題が発生することが分かった。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1によれば、コントローラ26は、第1切替工程の間、リム吐水口12から吐水される洗浄水の流量が所定の規定流量F0を超えないように、ジェット開閉弁40及び加圧ポンプ16を制御するため、無駄水の削減を行いながら、洗浄水がボウル部6から外部に溢れたり、飛散してしまうことを抑制することができる。
本発明の検討に際し、第1切替工程において、ジェット開閉弁40が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁40が全開状態となる前に、加圧ポンプ16の回転数を急激に上昇させる場合、リム吐水口12から吐水される洗浄水の流量が増加し、ボウル部6から洗浄水が外部に溢れたり飛散してしまうという新たな課題が発生することが分かった。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1によれば、コントローラ26は、第1切替工程の間、リム吐水口12から吐水される洗浄水の流量が第1洗浄工程(前リム洗浄)におけるリム吐水口12から吐水される洗浄水の所定の規定流量F0を超えないように、ジェット開閉弁40及び加圧ポンプ16を制御するため、無駄水の削減を行いながら、洗浄水がボウル部6から外部に溢れたり、飛散してしまうことを抑制することができる。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1によれば、コントローラ26は、第1切替工程において加圧ポンプ16の回転数を上げ始めてから、加圧ポンプ16の回転数が最大回転数となる以前に、ジェット開閉弁40を全開状態とするため、加圧ポンプ16の回転数の増大により増加された洗浄水を無駄なくジェット開閉弁40からジェット吐水口10に供給することができる。よって、より効率的にサイホンを発生させることができる。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1によれば、コントローラ26は、加圧ポンプ16の回転数を上げ始めてから、加圧ポンプ16の回転数が第2の回転数に至る以前に、リム開閉弁38を小開状態又は全閉状態とするため、加圧ポンプ16の回転数が第2の回転数に至る際に洗浄水がリム開閉弁38からリム吐水口12に供給されにくく、又はリム吐水口に供給されず、主にジェット吐水口10に供給される。従って、ジェット吐水口10から吐水される洗浄水の流量を確保することができ、より効率的にサイホン作用を発生させることができるとともに、洗浄水がボウル部6から外部に溢れたり、飛散してしまうことを抑制することができる。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1によれば、コントローラ26は、第2切替工程が開始される前且つ第2洗浄工程の後期において、加圧ポンプ16の回転数を第2の回転数から第3の回転数まで下降させ、第2切替工程が開始されるより前に、加圧ポンプ16の回転数を第3の回転数まで下降させ終えるため、第2切替工程において、加圧ポンプ16の回転が比較的低い第3の回転数のときに、ジェット開閉弁40を作動させることができる。従って、ジェット開閉弁40にかかる洗浄水の水圧が比較的低い状態でジェット開閉弁40を閉止することができるので、ジェット開閉弁40が閉弁状態になる間際においてジェット開閉弁40が水圧により衝撃を受けることを抑制することができる。
次に、図11及び図12により、本発明の第2実施形態による水洗大便器101を説明する。この第2実施形態は、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。第2実施形態に関し、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。図11及び図12に示すように、この第2実施形態では、第1実施形態のリム開閉弁及びジェット開閉弁の両方を備えている切替弁24に代えて、リム開閉弁を省略し且つジェット開閉弁を備えている切替弁124を設けたものである。
図11は本発明の第2実施形態による水洗大便器の内部構造を示す概略ブロック図であり、図12は本発明の第2実施形態による水洗大便器の切替弁の断面図である。
第2実施形態による水洗大便器101の機能部4は、加圧ポンプ16の下流側の洗浄水給水管路28に設けられ、且つリム側給水路20と、ジェット側給水路22とを切り替える切替弁124を備えている。貯水タンク14に供給された洗浄水は、加圧ポンプ16により加圧して送出され、切替弁124により、リム吐水口12又はジェット吐水口10に供給されるようになっている。切替弁124は、コントローラ26の制御信号により切り替えられ、加圧ポンプ16を介して圧送された洗浄水をリム吐水口12から吐出させ、及び/又は、ジェット吐水口10から吐出させるようになっている。
次に、切替弁124について説明する。
図11及び図12に示すように、切替弁124は、その上流側の流入口部32が、洗浄水給水管路28に接続され、その下流側のリム側排出口部34が、リム側給水路(第1給水路)20と接続され、及びその下流側のジェット側排出口部36が、ジェット側給水路(第2給水路)22に接続されている。
切替弁124は、流入口部32からリム側排出口部34及びジェット側排出口部36に二つに分岐する流路を有している。切替弁124は、さらに、ジェット開閉弁40を備えている。ジェット側給水路22の入口に設けられるジェット側排出口部36には、ジェット開閉弁40が取付けられ、ジェット開閉弁40の開閉により、ジェット側排出口部36の流路が開閉されるようになっている。リム側給水路20の入口に設けられるリム側排出口部34には、リム開閉弁が取付けられておらず、リム開閉弁は省略されている。ジェット開閉弁40の開閉により、流入口部32から流入する洗浄水が、リム側排出口部34側に流れる洗浄水の流量と、ジェット側排出口部36に流れる洗浄水の流量とに分岐する割合を調整することができるようになっている。従って、本発明の第2実施形態による水洗大便器101においても、ジェット開閉弁40の開閉により、図5に示すような本発明の第1実施形態による水洗大便器のリム開閉弁及びリム吐水流量、ジェット開閉弁及びジェット吐水流量、加圧ポンプの回転数を、各工程において制御すること、とほぼ同様の制御及び動作を行うことが可能となっている。
リム開閉弁が省略されているため、リム側弁体用モーターを省略することができ、コストを低下させることができる。また、リム側弁体用モーターを省略するため、切替弁124をコンパクトに形成し、便器本体2の後部の比較的狭い取付けスペースに取付けることができる。
上述した本発明の第2実施形態による水洗大便器1によれば、コントローラ26は、第1切替工程において、ジェット開閉弁40が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁40が全開状態となる前に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始めるため、ジェット吐水口10から吐水される洗浄水の流量を比較的早期に増大させることができる。よって、従来の第1切替工程においてジェット開閉弁40を全開状態とした後に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始める場合におけるジェット開閉弁40が開き始めてからサイホン作用が発生するまでにかかった時間ΔTに比べて、本発明は、ジェット開閉弁40が開き始めてからサイホン作用が発生するまでにかかった時間ΔTを比較的短くすることができ、サイホン作用が発生するまでに排水されてしまうためサイホン作用の発生に寄与しない無駄水を削減することができる。
また、コントローラ26は、第1切替工程において、ジェット開閉弁40が開き始めた後、且つ、ジェット開閉弁40が全開状態となる前に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始めるため、加圧ポンプ16の回転数が比較的低いとき、すなわち加圧ポンプ16による洗浄水の圧力が比較的小さいときに、ジェット開閉弁40を開き始めることができる。そのため、ジェット開閉弁40を作動させるために必要な駆動トルクを低減することができ、ジェット開閉弁40を作動させるためのモーターを小型化することができる。したがって、本発明は、無駄水の削減と、ジェット開閉弁40を作動させるために必要な駆動トルクの低減とを両立させることができる。
次に、図13により、本発明の第3実施形態による水洗大便器201を説明する。この第3実施形態は、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。第3実施形態に関し、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。図13に示すように、この第3実施形態では、第1実施形態のリム開閉弁及びジェット開閉弁の両方を備えている切替弁24に代えて、リム開閉弁及びジェット開閉弁の両方の機能を果たすような共通連動開閉弁239が備えられている切替弁124を設けたものである。
図13は本発明の第3実施形態による水洗大便器の内部構造を示す概略ブロック図である。
第3実施形態による水洗大便器201の機能部4は、加圧ポンプ16の下流側の洗浄水給水管路28に設けられ、且つリム側給水路20と、ジェット側給水路22とを切り替える切替弁224を備えている。貯水タンク14に供給された洗浄水は、加圧ポンプ16により加圧して送出され、切替弁224により、リム吐水口12又はジェット吐水口10に供給されるようになっている。切替弁224は、コントローラ26の制御信号により切り替えられ、加圧ポンプ16を介して圧送された洗浄水をリム吐水口12から吐出させ、及び/又は、ジェット吐水口10から吐出させるようになっている。
次に、切替弁224について説明する。
図13に示すように、切替弁224は、その上流側の流入口部32が、洗浄水給水管路28に接続され、その下流側のリム側排出口部34が、リム側給水路(第1給水路)20と接続され、及びその下流側のジェット側排出口部36が、ジェット側給水路(第2給水路)22に接続されている。切替弁224は、流入口部32からリム側排出口部34及びジェット側排出口部36に二つに分岐する流路を有している。切替弁224は、この流路中に1つの共通連動開閉弁239を備えている。
共通連動開閉弁239は、リム開閉弁38及びジェット開閉弁40の両方の機能を果たすことができるような形状に形成されている。例えば、共通連動開閉弁239は、ディスク状に形成され、且つ自身が流路内で移動することにより、リム側排出口部34側の流路の開度(開き度合い)を減少させるとき、ジェット側排出口部36側の流路の開度(開き度合い)を増大させるように形成されている。共通連動開閉弁239は、リム開閉弁38及びジェット開閉弁40の両方を連動させているタイプの開閉弁とも言える。
リム側給水路20の入口に設けられるリム側排出口部34には、共通連動開閉弁239が取付けられ、共通連動開閉弁239の開閉により、リム側排出口部34の流路が開閉されるようになっている。ジェット側給水路22の入口に設けられるジェット側排出口部36には、共通連動開閉弁239が取付けられ、共通連動開閉弁239の開閉により、ジェット側排出口部36の流路が開閉されるようになっている。このように、共通連動開閉弁239の開閉移動により、流入口部32から流入する洗浄水が、リム側排出口部34側に流れる洗浄水の流量と、ジェット側排出口部36に流れる洗浄水の流量とに分岐する割合を調整することができるようになっている。従って、本発明の第3実施形態による水洗大便器201においても、共通連動開閉弁239の開閉により、図5に示すような本発明の第1実施形態による水洗大便器のリム開閉弁及びリム吐水流量、ジェット開閉弁及びジェット吐水流量、加圧ポンプの回転数を、各工程において制御すること、とほぼ同様の制御及び動作を行うことが可能となっている。
共通連動開閉弁239により2つの弁体の機能を有することとなるため、リム側弁体用モーター又はジェット側弁体用モーターのいずれかを省略することができ、モーターのコストを低下させることができる。また、モーターの個数を省略するため、切替弁124をコンパクトに形成し、便器本体2の後部の比較的狭い取付けスペースに取付けることができる。
上述した本発明の第3実施形態による水洗大便器によれば、コントローラ26は、第1切替工程において、共通連動開閉弁239が開き始めた後、且つ、共通連動開閉弁239が全開状態となる前に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始めるため、ジェット吐水口10から吐水される洗浄水の流量を比較的早期に増大させることができる。よって、従来の第1切替工程において共通連動開閉弁239を全開状態とした後に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始める場合における共通連動開閉弁239が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔTに比べて、本発明は、共通連動開閉弁239が開き始めてからサイホン作用が発生するまでの時間ΔTを比較的短くすることができ、サイホン作用が発生するまでに排水されてしまうためサイホン作用の発生に寄与しない無駄水を削減することができる。また、制御手段は、第1切替工程において、共通連動開閉弁239が開き始めた後、且つ、共通連動開閉弁239が全開状態となる前に、加圧ポンプ16の回転数を上げ始めるため、加圧ポンプ16の回転数が比較的低いとき、すなわち加圧ポンプ16による洗浄水の圧力が比較的小さいときに、共通連動開閉弁239を開き始めることができる。そのため、共通連動開閉弁239を作動させるために必要な駆動トルクを低減することができ、共通連動開閉弁239を作動させるためのモーターを小型化することができる。したがって、本発明は、無駄水の削減と、共通連動開閉弁239を作動させるために必要な駆動トルクの低減とを両立させることができる。
1 水洗大便器
2 便器本体
4 機能部
5 操作部
6 ボウル部
8 排水トラップ管路
8a 入口部
8b トラップ上昇管
8c トラップ下降管
8d 頂部
10 ジェット吐水口
12 リム吐水口
14 貯水タンク
15 排水管
16 加圧ポンプ
18 電磁弁
20 リム側給水路
22 ジェット側給水路
24 切替弁
26 コントローラ
28 洗浄水給水管路
30 フロートスイッチ
32 流入口部
34 リム側排出口部
36 ジェット側排出口部
38 リム開閉弁
40 ジェット開閉弁
42 リム側弁体用モーター
44 ジェット側弁体用モーター
101 水洗大便器
124 切替弁
201 水洗大便器
224 切替弁
239 共通連動開閉弁
A1 矢印
Aout 矢印
F0 規定流量
F1 矢印
F2 矢印
F3 矢印
N1 第1の回転数
N2 第2の回転数
N3 第3の回転数
T0 時刻
T1 時刻
T2 時刻
T3 時刻
T4 時刻
T5 時刻
T7 時刻
T8 時刻
T9 時刻
T10 時刻
W0 溜水水位
ΔT サイホン作用が発生するまでにかかった時間

Claims (6)

  1. 加圧ポンプにより加圧された洗浄水をリム吐水口およびジェット吐水口から吐水して洗浄を行う水洗大便器であって、
    汚物を受けるボウル部と、
    このボウル部の上部に設けられ、洗浄水を吐出するリム吐水口と、
    入口からいったん上昇した後に下降するような排水トラップを形成する排水トラップ管路と、
    この排水トラップ管路の入口に向けて開口しており、洗浄水を吐出するジェット吐水口と、
    給水源から供給された洗浄水を貯水する貯水タンクと、
    この貯水タンクに貯水された洗浄水を上記リム吐水口および上記ジェット吐水口に供給するための上記加圧ポンプと、
    上記加圧ポンプで加圧された洗浄水を上記リム吐水口に供給する第1給水路と、
    上記第1給水路から分岐するように設けられ、上記加圧ポンプで加圧された洗浄水を上記ジェット吐水口に供給する第2給水路と、
    この第2給水路に設けられ、上記ジェット吐水口からの洗浄水の吐水量を変更可能なジェット開閉弁と、
    上記加圧ポンプ及び上記ジェット開閉弁を制御する制御手段と、を有し、
    上記制御手段は、
    上記リム吐水口から洗浄水を吐水して上記ボウル部の内壁面を洗浄する第1洗浄工程と、
    この第1洗浄工程後に行われ、上記ジェット開閉弁が全開状態に開弁されることによりジェット吐水口から洗浄水を吐水してサイホン作用を発生させる第2洗浄工程と、
    上記第1洗浄工程から上記第2洗浄工程に切り替える工程であって、上記ジェット開閉弁が上記全開状態まで開弁される第1切替工程と、
    を備え、
    上記制御手段は、上記加圧ポンプを、上記第2洗浄工程における上記加圧ポンプの第2の回転数が、上記第1洗浄工程における上記加圧ポンプの第1の回転数よりも高くなるように制御しており、上記第1切替工程において、上記ジェット開閉弁が開き始めた後、且つ、上記ジェット開閉弁が全開状態となる前に、上記加圧ポンプの回転数を上げ始めることを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記制御手段は、上記第1切替工程の間、上記リム吐水口から吐水される洗浄水の流量が所定の規定流量を超えないように、上記ジェット開閉弁及び上記加圧ポンプを制御することを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
  3. 上記制御手段は、上記第1切替工程の間、上記リム吐水口から吐水される洗浄水の流量が上記第1洗浄工程における上記リム吐水口から吐水される洗浄水の流量を超えないように、上記ジェット開閉弁及び上記加圧ポンプを制御することを特徴とする請求項2に記載の水洗大便器。
  4. 上記制御手段は、上記第1切替工程において上記加圧ポンプの回転数を上げ始めてから、上記加圧ポンプの回転数が上記第2の回転数となる以前に、上記ジェット開閉弁を全開状態とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水洗大便器。
  5. 上記第1給水路に設けられ、上記リム吐水口からの洗浄水の吐水量を変更可能なリム開閉弁を備え、
    上記制御手段は、上記加圧ポンプの回転数を上げ始めてから、上記加圧ポンプの回転数が上記第2の回転数に至る以前に、上記リム開閉弁を小開状態又は全閉状態とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水洗大便器。
  6. 上記制御手段は、
    上記ジェット開閉弁が閉弁された閉弁状態であり、且つ洗浄水を上記リム吐水口から吐水して上記ボウル部へのリフィールを行う第3洗浄工程と、
    上記第2洗浄工程から上記第3洗浄工程に切り替える工程であって、上記ジェット開閉弁が上記全開状態から上記閉弁状態まで閉弁される第2切替工程と、
    を備え、
    上記制御手段は、上記加圧ポンプを、上記第3洗浄工程における上記加圧ポンプの第3の回転数が、上記第2洗浄工程における上記加圧ポンプの上記第2の回転数よりも低くなるよう制御しており、
    さらに、上記加圧ポンプを、上記第2切替工程が開始される前且つ上記第2洗浄工程の後期において、上記加圧ポンプの回転数を上記第2の回転数から上記第3の回転数まで下降させるように制御する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水洗大便器。
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