JP2017066466A - ステンレス鋼箔帯の焼鈍方法 - Google Patents

ステンレス鋼箔帯の焼鈍方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚みが極めて薄いステンレス鋼箔帯を、水平方向に通板しながら焼鈍を行った場合であっても、焼鈍後の当該箔帯の幅方向におけるセンター部分の変位を低減し、平坦度に優れたステンレス鋼箔帯が得られる焼鈍方法を提供すること。【解決手段】水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、焼鈍時の最高温度が850〜1000℃の範囲内であることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法。【選択図】図2

Description

本発明は、厚みが極めて薄いステンレス鋼箔帯の焼鈍方法に関する。特に、水平方向に通板しながら焼鈍を行った場合であっても、ステンレス鋼箔帯の平坦度が良好な焼鈍方法に関する。
ステンレス鋼は、主成分であるFeにCr等を添加して得られる合金鋼である。ステンレス鋼の表面には不動態膜が形成され、この不動態膜によりステンレス鋼はさびにくいという特性を有しており、用途に応じて種々の形状に加工されて利用される。
たとえば、厚みが極めて薄い箔形状のステンレス鋼(ステンレス鋼箔)は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)の磁気ヘッドを支持するためのサスペンション(バネ)用材料として用いられている。
このようなステンレス鋼箔は、ステンレス鋼箔帯を所望の形状に切断することにより得られる。ステンレス鋼箔帯は、所定の元素が配合され溶製されたステンレス鋼スラブを熱間圧延、冷間圧延等を行うことにより得られるステンレス鋼帯を箔圧延することにより、所定の厚みの箔形状とした後、焼鈍を行って得られる。
焼鈍を行う際に、水平方向に通板(移動)させながら連続的に焼鈍を行う、いわゆる横型焼鈍炉が用いられることがある。このような横型焼鈍炉では、その入口から出口に向かう通板方向に沿って、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンが設けられている。ステンレス鋼箔帯は、通板方向に張力が印加され、炉内に適宜配置されたハースロール等の支持手段に支持されながら通板される。そして、加熱ゾーンを通過する際に所定の温度まで加熱されて焼鈍され、加熱ゾーン通過後に冷却ゾーンにおいて冷却され、ステンレス鋼箔帯の焼鈍が完了する。
特許文献1および2には、横型焼鈍炉を用いて鋼帯等を焼鈍する場合、被焼鈍物に応力が作用して変形が生じ、形状不良となっていることが記載されている。
特許文献1では、焼鈍後の冷却時に通板方向の温度勾配により鋼帯に圧縮熱応力が作用し、通板方向平行な筋状の波形状となるカヌーイングや座屈波等が発生して形状不良となることが記載されている。また、特許文献1には、この形状不良を改善するために、冷却時に過冷却が生じないようにすること、および冷却開始点の近傍にサポートロールを配置することが記載されている。
特許文献2では、特許文献1に記載されている、冷却時の圧縮熱応力による変形に加えて、加熱時における鋼帯の弾性変形領域と塑性変形領域との境界領域近傍で発生する機械的圧縮応力による変形が生じて形状不良となることが記載されている。また、特許文献2には、この形状不良を改善するために、鋼帯に印加される張力に応じた鋼帯の降伏温度となる位置にサポートロールを配置することが記載されている。
特開平1−255628号公報 特開平11−256247号公報
特許文献1および2に記載されているように、焼鈍される鋼帯の厚みは様々である。本発明者らは、厚みが極めて薄いステンレス鋼箔帯を、水平方向に通板しながら焼鈍すると、ステンレス鋼箔帯の幅方向においてエッジ部分およびセンター部分が大きく変位し、焼鈍後のステンレス鋼箔帯の幅方向に変形が生じるという厚みが極めて薄いステンレス鋼箔帯特有の問題を見出した。すなわち、焼鈍後のステンレス鋼箔帯を幅方向から見た形状が、「ω」字状に伸びひずみ差分布を持つ耳伸びと中伸びの複合波(伸び)が発生する(以降、ω形状ともいう)。特に、センター部分の伸びは焼鈍前には生じておらず、焼鈍時に何らかの原因がセンター部分の伸びを引き起こしていると考えられた。
焼鈍後のステンレス鋼箔帯が変形して、幅方向の形状がω形状となり、センター部分の伸びが大きくなると、歩留まりが低下してしまう。エッジ部分については、変形が多少大きくても、箔とする際に所望の幅長さに応じてエッジ部分をカットすれば、エッジ部分の変形による影響は抑制できるが、センター部分の変形が大きい場合には、上記のような対応を行うことができず、ステンレス鋼箔帯全体が不良品となってしまうからである。したがって、センター部分の変形を低減することは極めて重要である。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされ、厚みが極めて薄い(たとえば、60μm以下)ステンレス鋼箔帯を、水平方向に通板しながら焼鈍を行った場合であっても、焼鈍後の当該箔帯の幅方向におけるセンター部分の変位を低減し、平坦度に優れた(たとえば、I−unitで10×10−5以下)ステンレス鋼箔帯が得られる焼鈍方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、まず、本発明者らは、焼鈍後のステンレス鋼箔帯の幅方向における形状がω形状となる変形挙動を有限要素法により再現することを検討した。
本発明者らは、焼鈍時の温度勾配変化に起因する応力分布が、クリープ歪みとして固定され、焼鈍後にω形状の永久変形を示すと推定した。
そこで、有限要素法を用いて、焼鈍時の温度履歴等の操業条件、クリープ歪み速度等を考慮した解析モデルを構築して計算を行った。しかしながら、得られた計算結果では、幅方向において、エッジ部分の変位が大きくなることは再現できたものの、エッジ部分およびセンター部分の両方の変位が大きくなるω形状は再現されなかった。
次に、本発明者らは、ステンレス鋼箔帯がカテナリー状態で移動する(通板される)ことに着目した。このような動的な変動がカテナリー上で生じることにより、通板されるステンレス鋼箔帯には遠心力が作用していることになる。そして、このような遠心力が、焼鈍時に曲げ剛性が極めて小さいステンレス鋼箔帯に作用することにより、ω形状となる張力分布を引き起こす。その結果、高温状態でクリープ現象が生じ、ω状の張力分布を緩和する方向にクリープひずみ分布(永久変形)が発生していると推定した。
このような推定に基づき、遠心力等の慣性力を考慮した有限要素法による計算を行った結果、ω形状となる変形挙動を再現できた。そして、本発明者らは、カテナリー状態で通板されるステンレス鋼箔帯に作用する遠心力により、幅方向にω形状となるような応力分布が生じ、この応力分布がクリープ現象によりクリープ歪みとして固定され、ω形状の永久変形が生じることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の態様は、
(1)水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
焼鈍時の最高温度が850〜1000℃の範囲内であることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法である。
(2)水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
焼鈍時の温度が700℃以上である時間が0.5秒以上3.5秒未満であることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法である。
(3)水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
前記ステンレス鋼箔帯の通板速度が1mpm以上35mpm未満であることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法である。
(4)水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
前記ステンレス鋼箔帯の通板パスラインを基準に前記ステンレス鋼箔帯のハースロール支持点とカテナリーの最大位置の3点を通過する円の曲率半径が60m以上であることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法である。
(5)水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
焼鈍時の最高温度を850℃以上1050℃未満の範囲内とする制御を第1制御とし、焼鈍時の温度が700℃以上である時間を0.5秒以上4.7秒未満とする制御を第2制御とし、前記ステンレス鋼箔帯の通板速度を1mpm以上40mpm未満とする制御を第3制御とし、前記ステンレス鋼箔帯の通板パスラインを基準に前記ステンレス鋼箔帯のハースロール支持点とカテナリーの最大位置の3点を通過する円の曲率半径が35m以上とする制御を第4制御としたときに、
前記第1制御から前記第4制御のうち、2つ以上の制御を組み合わせることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法である。
本発明によれば、厚みが極めて薄い(たとえば、60μm以下)ステンレス鋼箔帯を、水平方向に通板しながら焼鈍を行った場合であっても、焼鈍後の当該箔帯の幅方向におけるセンター部分の変位を低減し、平坦度に優れた(たとえば、I−unitで10×10−5以下)ステンレス鋼箔帯が得られる焼鈍方法を提供することができる。
図1は、有限要素法による解析時に用いた温度履歴を示す。 図2は、計算により得られるステンレス鋼箔帯の幅方向における相当クリープ歪みの分布と、実機による焼鈍後のステンレス鋼箔帯の幅方向における形状測定結果と、を比較したグラフである。 図3は、表1に示す計算条件と、ステンレス鋼箔帯を通板させずにかつ、温度履歴を与えない場合と、当該箔帯を通板させずに高さ方向の変位を拘束し温度履歴を与えた場合と、当該箔帯を通板させ、温度履歴を与えなかった場合と、におけるステンレス鋼箔帯の幅方向における張力分布を示すグラフである。 図4は、横型焼鈍炉の断面模式図である。 図5は、表1に示す計算条件と、焼鈍時の最高温度を1175℃とした場合と、におけるステンレス鋼箔帯の幅方向におけるI−unit分布差を示すグラフである。 図6は、表1に示す計算条件と、焼鈍時の最高温度を985℃とした場合と、におけるステンレス鋼箔帯の幅方向におけるI−unit分布差を示すグラフである。 図7は、表1に示す計算条件と、温度履歴に要する時間を20%減らした場合と、温度履歴に要する時間を20%増加させた場合と、におけるステンレス鋼箔帯の幅方向におけるI−unit分布差を示すグラフである。 図8は、表1の計算条件と、通板速度を2倍とした場合と、通板速度を0.5倍とした場合と、におけるステンレス鋼箔帯の幅方向におけるI−unit分布差を示すグラフである。 図9は、表1に示す計算条件と、最高温度の位置近傍に配置されたハースロールの前後にサポートロールを配置した場合と、サポートロールを当該ハースロールに対して炉の入り口側に配置した場合と、サポートロールを当該ハースロールに対して炉の出口側に配置した場合と、におけるステンレス鋼箔帯の幅方向におけるI−unit分布差を示すグラフである。 図10は、実機での焼鈍条件に対し、焼鈍時の最高温度を変化させた条件を設定して有限要素法による解析を行い、実機での形状変形と、計算により得られる形状変化を比較した図である。 図11は、実機での焼鈍条件に対し、焼鈍温度が700℃以上である温度域での加熱時間を変化させた条件を設定して有限要素法による解析を行い、実機での形状変形と、計算により得られる形状変化を比較した図である。 図12は、実機での焼鈍条件に対し、通板速度を変化させた条件を設定して有限要素法による解析を行い、実機での形状変形と、計算により得られる形状変化を比較した図である。 図13は、実機での焼鈍条件に対し、通板パスラインを基準に鋼箔帯のハースロール支持点とカテナリーの最大位置の3点を通過する円の曲率半径を変化させた条件を設定して有限要素法による解析を行い、実機での形状変形と、計算により得られる形状変化を比較した図である。 図14は、図10〜13において、基準となるI−unit値の定義を説明するための図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき、以下の順序で詳細に説明する。
1.有限要素法による焼鈍後のステンレス鋼箔帯の形状悪化原因の解析
2.ステンレス鋼箔帯の焼鈍方法
2−1 ステンレス鋼箔帯
2−2 クリープ現象の抑制
2−3 遠心力の低減
3.本実施形態の効果
(1.有限要素法による焼鈍後のステンレス鋼箔帯の形状悪化原因の解析)
本発明者らは、焼鈍後のステンレス鋼箔帯の幅方向における形状がω形状となる要因を見つけ出すために、有限要素法を用いてω形状となる変形挙動を再現できるモデルについて検討を行った。
上述したように、当初、本発明者らは、焼鈍時の温度勾配変化に起因する応力により、ステンレス鋼箔帯の幅方向に張力分布が生じ、この張力分布がクリープ歪みとなり永久変形として固定されることによりω形状となると推定した。
しかしながら、陰解法解析による有限要素法を用いて、焼鈍時の操業条件(焼鈍炉内部の温度履歴、ステンレス鋼箔帯のサイズ、通板速度、通板方向の張力等)、クリープ歪み速度等の計算条件を与えて、解析モデルを構築し計算を行った。しかしながら、得られた計算結果からは、幅方向において、エッジ部分の変位が大きくなることは再現できたものの、エッジ部分とセンター部分との両方の変位が大きくなるω形状は再現されなかった。
そこで、本発明者らは、さらに検討を行った結果、通板されているステンレス鋼箔帯のカテナリーに着目した。横型焼鈍炉では、ステンレス鋼箔帯は、ハースロールに支持され水平方向に通板されるが、このとき、ハースロールとハースロールとの間では、自重によりカテナリーを生じており、このカテナリーに沿って通板されている。そのため、カテナリー上を移動しているステンレス鋼箔帯は、ある1点に対して回転しているとみなすことができる。そうすると、この回転により、ステンレス鋼箔帯には遠心力が作用していることになる。
しかも、ステンレス鋼箔帯の厚みが非常に薄い場合(たとえば、60μm以下)、たとえば、厚みが0.2mm程度のようなステンレス鋼帯とは異なり、ステンレス鋼箔帯の曲げ剛性が極めて小さいので、本発明者らは、焼鈍時に遠心力がステンレス鋼箔帯に作用すると、ω形状となる変形を引き起こしていると推定した。
このような推定に基づき、陰解法解析の代わりに、遠心力等の慣性力を考慮可能な動的陽解法による計算を行った。計算条件を表1に示す。なお、クリープ歪み速度の構成式は、Garofalo則を用い、
εc=1.1×10・[sinh(τ/9.8)]・exp(−30000/T)
とした。ただし、τeは相当応力(MPa)、Tは絶対温度(K)である。また、境界条件はセンター部分を反対称条件とし、先端部はTyingとし、高さ方向変位を拘束した。
また、ω形状となる変形が生じている実機での操業条件(以下、標準操業条件ともいう)を表2に示す。この標準操業条件に基づき、計算に用いる温度履歴を図1に示す温度履歴とした。この温度履歴は、最高温度が1080℃であり幅方向温度を均一とし、ステンレス鋼箔帯を移動させながら、熱境界条件として与えた。ステンレス鋼箔帯の温度は、温度履歴上の温度と一致するようにした。したがって、ステンレス鋼箔帯のセンター部分の温度とエッジ部分の温度とは一致する。
実機におけるハースロールの配置に基づき、ステンレス鋼箔帯を支持するハースロールを加熱開始位置近傍と、焼鈍時の最高温度を示す位置近傍と、に配置し、さらに、冷却開始位置から冷却終了位置までの間に3本配置した構成を想定した計算を行った。
計算により得られる冷却終了後のステンレス鋼箔帯の幅方向における相当クリープ歪みの分布と、実機による焼鈍後のステンレス鋼箔帯の幅方向における形状測定結果と、の比較を図2に示す。なお、計算でのステンレス鋼箔帯の幅は340mmであり、実機でのステンレス鋼箔帯の幅は400mmであったので、無次元化して幅を揃えた。同様に、伸び変形についても、センター部分の伸びの大きさを基準にして無次元化した。
図2より、計算結果と実機での実験結果とがよく一致していることが確認できた。したがって、通板時の動的な変動に起因する遠心力が、幅方向にω状に分布する張力分布となり、焼鈍中にステンレス鋼箔帯が幅方向においてω状のクリープひずみ分布(波形状)を示す変形の要因であるという推定は正しいことが確認できた。
さらに、上記の解析結果が得られた表1に示す計算条件(ベース条件)を変化させて、ステンレス鋼箔帯を通板させずに静止状態において当該箔帯のカテナリーが生じている場合であって、温度履歴を与えない場合(条件1)と、当該箔帯を通板させずに高さ方向の変位を拘束し温度履歴を与えた場合(条件2)と、当該箔帯を通板させ、温度履歴を与えなかった場合(条件3)と、における冷却後のステンレス鋼箔帯の幅方向における張力分布を図3に示す。なお、図3における張力分布は、焼鈍時の最高温度を示す位置近傍に配置されたハースロールの位置における応力分布である。
図3より、条件1では、ステンレス鋼箔帯が通板されていない静的な状態であり、かつ加熱されていないため、幅方向における張力は、通板方向に印加された張力(3N/mm)とほぼ同じ値を示した。したがって、伸びが生じるような応力分布は示さなかった。
条件2では、条件1と同様に、ステンレス鋼箔帯が通板されていない静的な状態であるが、温度履歴を与えた結果、熱応力が発生し、エッジ部分の張力が最大になるのに対し、センター部分の張力は最小となった。したがって、通板時の動的な変動を考慮せず熱応力のみを考慮した場合、エッジ部分のみにおいて伸びが大きくなる応力分布が得られた。
条件3では、温度履歴を与えずに、ステンレス鋼箔帯が通板されている動的な状態であるが、意外にも、幅方向における張力分布は、ベース条件における張力分布と同じ傾向、すなわち、センター部分およびエッジ部分の伸びが大きくなる応力分布を示した。これは、センター部分の伸びは、熱応力のみを考慮した場合には発生せず、通板されているステンレス鋼箔帯に遠心力が作用したことを考慮しなければ発生しないことを示唆している。
以上より、本発明者らは、カテナリー状態で通板されるステンレス鋼箔帯に作用する遠心力により、当該箔帯の幅方向にω形状の張力分布が生じ、クリープ歪みが生じる温度域において、この張力分布が永久変形として固定されるのが、ω形状の形状変形の原因であることを見出した。
上記の解析結果は、遠心力が、焼鈍時の通板方向で生じる温度勾配による熱応力よりも、ω形状となる形状変形に大きな影響を与えていることを意味している。さらに、遠心力に起因する幅方向の張力はステンレス鋼箔帯の降伏応力を超えない、すなわち、弾性領域内で生じており、クリープ現象が生じなければ、永久変形として発現しないことを意味している。これは、厚みが非常に薄い(たとえば、60μm以下)のステンレス鋼箔帯特有の現象であると考えられる。
したがって、焼鈍後のステンレス鋼箔帯の幅方向におけるω形状の伸び歪みを低減して平坦度を向上させるためには、クリープ現象をなるべく生じさせない、あるいは、遠心力を小さくすればよい。具体的な方策は、下記のステンレス鋼箔帯の焼鈍方法において後述する。
(2.ステンレス鋼箔帯の焼鈍方法)
本実施形態に係る焼鈍方法は、横型焼鈍炉を用いて、標準操業条件に基づき、所定の焼鈍条件を制御してステンレス鋼箔帯を焼鈍する方法である。横型焼鈍炉は、図4に示すように、被焼鈍物(本実施形態ではステンレス鋼箔帯1)を、水平方向に通板しながら焼鈍する。図4に示す横型焼鈍炉10は、加熱ゾーン11および冷却ゾーン12を備え、ステンレス鋼箔帯1に張力を与えるためのブライドルロール13と、炉内においてステンレス鋼箔帯1を支持するためのハースロール14〜18と、を有している。
箔圧延により得られたステンレス鋼箔帯1に所定の張力が与えられ、横型焼鈍炉10の入口側から炉内に搬送され、複数のハースロール14〜18により支持された状態で加熱ゾーン11を通板されながら所定の温度で焼鈍され、続いて冷却ゾーン12を通板されながら冷却された後、炉の出口側から炉外に搬送されて焼鈍が完了する。
(2−1 ステンレス鋼箔帯)
上記の方法により焼鈍されるステンレス鋼箔帯は、所定の組成を有するステンレス鋼を溶製、鋳造して鋼片を作製し、当該鋼片を熱間圧延し、必要に応じて焼鈍を行った鋼板を、さらに冷間圧延および箔圧延することにより製造される。
本実施形態では、ステンレス鋼箔帯を構成するステンレス鋼としては特に制限されず、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト−フェライト系の二相ステンレス鋼のいずれであってもよい。
また、ステンレス鋼箔帯の厚みは、本実施形態では、5〜60μmである。このような極めて薄いステンレス鋼箔帯は、厚みが100μm(0.1mm)以上のステンレス鋼帯とは異なり、曲げ剛性が非常に小さい。
(2−2 クリープ現象の抑制)
上述したように、ω形状となる形状不良の要因の1つであるクリープ現象をなるべく生じさせないようにするには、焼鈍時の最高温度を低下させる、あるいは、クリープ現象が生じやすい温度域の時間を短くすることが考えられる。
まず、焼鈍時の最高温度を低下させた場合に、クリープ現象が生じにくいことを実証するために、表2に示す標準操業条件において、焼鈍時の最高温度を1175℃とした場合(条件4)および985℃とした場合(条件5)について解析を行った。結果を図5および6に示す。
図6より明らかなように、ベース条件と比較して、焼鈍時の最高温度を低くした条件5におけるセンター部分を基準にした場合の幅方向のI−unitの変化がほとんどない、すなわち、平坦度に優れていることが分かる。
以上の結果より、本実施形態では、ω形状の形状不良が発生する標準操業条件に基づき、焼鈍時の最高温度を850〜1000℃の範囲内とする。尚、他の条件は標準操業条件でよい。焼鈍時の最高温度が低いほどセンター部分に生じる伸び変形を小さくすることができる。一方、焼鈍効果を確実に得るには温度が高い方が好ましい。このトレードオフの関係を考慮して、焼鈍時の最高温度を上記の範囲内としている。
続いて、クリープ現象が生じやすい温度域の時間を短縮した場合にクリープ現象が生じにくくなることを実証するために、表2に示す標準操業条件において、ベース条件での温度履歴に要する時間(加熱および冷却時間)を20%減らした場合(条件6)および20%増加させた場合(条件7)について解析を行った。結果を図7に示す。
図7より明らかなように、ベース条件と比較して、クリープ現象が生じやすい温度域での加熱および冷却時間を減らした場合(条件6)には、センター部分を基準にした場合の幅方向のI−unitの変化が小さく、エッジ部分のI−unitの変化も小さくなっていることが分かる。
以上の結果より、本実施形態では、ω形状の形状不良が発生する標準操業条件に基づき、ステンレス鋼箔帯が焼鈍時に700℃以上となる温度域に曝される時間を0.5秒以上3.5秒未満とする。尚、他の条件は標準操業条件でよい。焼鈍時の最高温度と同様に、センター部分の伸び変形抑制の観点からは、クリープ現象が生じやすい温度域での加熱時間をできるだけ短くすることが好ましいが、焼鈍効果を確実に得るという観点も考慮して、当該時間を上記の範囲内としている。
温度が高いほどクリープひずみ速度が速くなり、高温時間が長くなるほどクリープひずみ速度(変位)が大きくなる。したがって、遠心力が作用して、ω形状の張力分布が生じるような操業条件の場合(たとえば、ステンレス鋼箔帯の通板速度が35mpm以上、または、ステンレス鋼箔帯のカテナリーは通板パスラインを基準に鋼箔帯のハースロール支持点とカテナリーの最大位置の3点を通過する円の曲率半径が60m未満(ハースロールピッチ5000mmでのカテナリー高さの最大値が40mm以上に相当)、焼鈍時の最高温度を850〜1000℃の範囲内、または、焼鈍時の温度が700℃以上である時間が0.5秒以上3.5秒未満とすればよい。あるいは、これらの制御を組み合わせてもよい。このようにすることにより、ω形状の張力分布が、クリープ歪みとして発現しなくなる。ω形状の張力分布に起因する伸び歪みは弾性変形であるため、クリープ歪みとして発現しなければ、冷却時に当該伸び歪みが解消される。すなわち、焼鈍後のステンレス鋼箔帯の幅方向におけるセンター部分の伸びが小さくなる。
(2−3 遠心力低減)
上述したように、ω形状となる形状不良の要因の1つである遠心力を低減するには、通板速度を遅くする、あるいは、カテナリー高さを小さくしてカテナリーの曲率半径を大きくすること等が考えられる。
まず、通板速度を遅くした場合に、遠心力が低減することを実証するために、表2に示す標準操業条件において、通板速度をベース条件の2倍とした場合(条件7)および0.5倍とした場合(条件8)について解析を行った。遠心力Fは、カテナリー上のステンレス鋼箔帯の質量をm、通板速度をv、曲率半径をrとすると、F=m(v/r)と表される。したがって、通板速度vが小さいほど、遠心力Fが小さくなる。なお、条件7および8において、温度履歴に要する時間は変更しなかった。結果を図8に示す。
図8から明らかなように、通板速度を遅くすることで、遠心力が小さくなった結果、エッジ部分のI−unitの変化は比較的大きいものの、センター部分近傍のI−unitの変化が小さくなっていることが確認できる。
以上の結果より、本実施形態では、ω形状の形状不良が発生する標準操業条件に基づき、焼鈍時にステンレス鋼箔帯に作用する遠心力を小さくするために、通板速度を1mpm以上35mpm未満とする。尚、他の条件は、標準操業条件でよい。遠心力低減という観点からは、通板速度が遅いほど好ましいが、生産性を考慮して、上記の範囲とする。
続いて、図4に示すカテナリー高さhを低くして上記の式における曲率半径rを大きくした場合に、遠心力が低減することを実証するために、実機におけるハースロール位置に対応するハースロールを配置する条件に加え、最高温度の位置近傍に配置されたハースロールの前後にサポートロールを配置した場合(条件9)、サポートロールを当該ハースロールに対して炉の入り口側に配置した場合(条件10)、サポートロールを当該ハースロールに対して炉の出口側に配置した場合(条件11)について解析を行った。結果を図9に示す。
さらにカテナリーはカテナリー最大高さの位置とサポートロールの位置2点の計3点を通過する円と近似できる。結果として遠心力はこの円の曲率半径に反比例すると考えられる。そこで、ハースロールピッチが5000mm時の最大カテナリー高さに対応した曲率半径ならびにその時発生したI−unitの値を示す。ここで示した結果は一例であり、設備によっては、ハースロールピッチは変化する。しかしながら、遠心力は曲率半径で規定されるため、ハールロールピッチが変化しても曲率半径が同じならば生じるI−unitは同じと考えて良い。
図9から明らかなように、条件9および11の場合には、幅方向のI−unitの変化が小さくなっていることが確認できる。
以上の結果より、本実施形態では、ω形状の形状不良が発生する標準操業条件に基づき、ステンレス鋼箔のカテナリー高さの最大値はハースロール間ピッチ5000mmを前提とすると0mm超40mm未満(曲率半径は60m〜∞)である。尚、他の条件は、標準条件でよい。遠心力低減という観点からは、カテナリーの最大値は小さいほど好ましいが、サポートロールの増加、通板方向に印加する張力の増加に伴う不具合の観点も考慮して上記の範囲内としている。
標準操業条件では、ステンレス鋼箔帯がカテナリー状態で通板されることにより発生する遠心力がステンレス鋼箔帯に作用すると、ω形状の張力分布となり、この張力分布がクリープ現象によりクリープ歪みとして固定される。したがって、クリープ現象が生じるような操業条件の場合(たとえば、ステンレス鋼箔帯の焼鈍時の温度が1050℃以上、または、焼鈍時の温度が700℃以上である時間が3.5秒以上)、ステンレス鋼箔帯の通板速度を1mpm以上35mpm未満、または、ステンレス鋼箔帯のカテナリーを通板パスラインを基準に鋼箔帯のハースロール支持点とカテナリーの最大位置の3点を通過する円の曲率半径が60m以上とすればよい。あるいは、これらの制御を組み合わせてもよい。通板速度あるいはカテナリー高さの最大値を上記の範囲内とすることにより、ステンレス鋼箔帯に作用する遠心力を小さくすることができる。その結果、遠心力に起因する張力分布において、センター部分の応力が小さくなるため、このような張力分布がクリープ歪みとして発現した場合であっても、センター部分の伸びは小さいため、平坦度を良好にすることができる(たとえば、I−unitで10×10−5以下)。
また、上記の焼鈍条件制御を組み合わせてもよい。すなわち、焼鈍時の最高温度、700℃以上である時間、通板速度および曲率半径の各制御を2つ以上組み合わせることにより、相乗効果が得られ、平坦度をより改善することができる。
さらに、単独の条件でI−unitで10×10−5以下を達成できる条件よりも緩和した条件とした場合であっても、各制御を組み合わせれば、I−unitで10×10−5以下の平坦度を得ることができる。具体的には、各制御を組み合わせる場合、焼鈍時の最高温度は850℃以上1050℃未満、700℃以上である時間は0.5秒以上7.5秒未満、通板速度は1mpm以上40mpm未満、曲率半径は60m以上とすることができる。これらの範囲は、上述した単独でI−unitを10×10−5以下にできる範囲よりも広くなっている。
たとえば、焼鈍時の最高温度を1020℃とし、他の焼鈍条件が標準操業条件である場合、平坦度はある程度改善されるが、I−unitで10×10−5以下となる平坦度を実現することはできない。しかしながら、最高温度を1020℃とする制御と、条件が緩和された他の焼鈍制御と、を組み合わせることにより、I−unitで10×10−5以下を実現することができる。
(3.本実施形態の効果)
本発明者らは、厚みが非常に薄いステンレス鋼箔帯が動的な状態でカテナリー上を移動していることに着目し、有限要素法を用いて解析した。その結果、標準操業条件に基づく操業では、カテナリーに沿って移動するステンレス鋼箔帯に遠心力が作用することにより幅方向においてω形状を示す張力分布が生じ、この応力分布が、クリープ現象によりクリープ歪みとして固定されることを見出した。そこで、本実施形態では、この知見に基づき、焼鈍後のステンレス鋼箔帯の幅方向におけるω形状の形状変形、特にセンター部分の伸び変形が低減されるような焼鈍条件を設定している。
ω形状を示す張力はステンレス鋼箔帯の降伏応力を超えず、弾性領域内での伸び歪みに留まる。したがって、クリープ現象をなるべく生じさせなければ、冷却時にω形状の応力分布が解消され、焼鈍後に、センター部分の伸びが大きくなることはない。そこで、本実施形態では、標準操業条件に基づき、クリープ現象の進行に影響を与えるパラメータである焼鈍時の最高温度とクリープ現象を生じうる温度域の時間を十分な焼鈍効果が得られることも考慮しながら制御している。具体的には、焼鈍時の最高温度を上記の範囲内とすることにより、ステンレス鋼箔帯の幅方向におけるセンター部分の伸び歪みを効果的に低減することができる。さらに、クリープ現象を生じうる温度域の時間を上記の範囲内とすることにより、ステンレス鋼箔帯の幅方向におけるセンター部分の伸び歪みを効果的に低減することができる。
一方、焼鈍時のステンレス鋼箔帯の幅方向において、ω形状の張力分布が生じる最大の要因は、上述したように、カテナリー上を移動する(通板される)ステンレス鋼箔帯に作用する遠心力である。この遠心力は、上述したように、通板速度の二乗に比例し、かつカテナリーの曲率半径に反比例する。そこで、本実施形態では、標準操業条件に基づき、ステンレス鋼箔帯の焼鈍時の生産性を考慮しながら通板速度およびカテナリーの高さを制御している。具体的には、生産性に問題がない程度まで通板速度を遅くしている。また、カテナリーの高さを低くするには、サポートロールを配置してカテナリーの曲率半径を大きくすること、通板方向に通板させるために印加される張力を大きくすること等が考えられる。本実施形態では、操業条件に与える影響が少ないサポートロールを配置することにより、カテナリーの高さを低減して、ステンレス鋼箔帯に作用する遠心力を低減している。
センター部分の伸び歪みを低減するための方策として上記で説明した4つの焼鈍条件制御は、それぞれ単独であっても十分な効果を奏することができるが、これらを2つ以上組み合わせることにより相乗効果が得られ、好ましい。また、各制御を組み合わせる場合、個々の焼鈍条件は、単独で効果を奏するための条件よりも緩和された条件とすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実機での標準操業条件において、焼鈍時の最高温度を1050℃、焼鈍温度が700℃以上である温度域での加熱時間を7.5秒、通板速度を60mpmとして得られたステンレス鋼箔帯の幅方向におけるセンター部分の伸びと、焼鈍時の最高温度、焼鈍温度が700℃以上である温度域での加熱時間、通板速度、曲率半径を、それぞれ変化させて得られた計算結果におけるセンター部分の伸びと、の比較を行った。結果を図10〜13に示す。なお、図10〜13において、縦軸は、図14に示すように、板センター部分の伸びひずみとセンターから50mm位置での伸びひずみの差をI−unitで示している。以後、図10〜13はこのI−unitを用いて評価した。
図10〜13より、実機での実験結果と、有限要素法による計算結果と、がよい相関を持っていることが確認できた。すなわち、標準操業条件に基づき、焼鈍時の最高温度、焼鈍温度が700℃以上である温度域での加熱時間、通板速度、曲率半径を、それぞれ本発明の範囲内とすることにより、センター部分の伸び歪みを低減可能なことが確認できた。その結果、ステンレス鋼箔帯の平坦度がI−unitで10×10−5以下となり、良好な平坦度を実現することができた。
1 ステンレス鋼箔帯
10 横型焼鈍炉

Claims (5)

  1. 水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
    前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
    焼鈍時の最高温度が850〜1000℃の範囲内であることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法。
  2. 水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
    前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
    焼鈍時の温度が700℃以上である時間が0.5秒以上3.5秒未満であることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法。
  3. 水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
    前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
    前記ステンレス鋼箔帯の通板速度が1mpm以上35mpm未満であることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法。
  4. 水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
    前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
    前記ステンレス鋼箔帯の通板パスラインを基準にステンレス鋼箔帯のハースロール支持点とカテナリーの最大位置の3点を通過する円の曲率半径が60m以上であることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法。
  5. 水平方向に通板され、カテナリーが生じているステンレス鋼箔帯を連続的に焼鈍する方法であって、
    前記ステンレス鋼箔帯の厚みが5〜60μmであり、
    焼鈍時の最高温度を850℃以上1050℃未満の範囲内とする制御を第1制御とし、焼鈍時の温度が700℃以上である時間を0.5秒以上4.7秒未満とする制御を第2制御とし、前記ステンレス鋼箔帯の通板速度を1mpm以上40mpm未満とする制御を第3制御とし、前記ステンレス鋼箔帯のカテナリーは通板パスラインを基準にステンレス鋼箔帯のハースロール支持点とカテナリーの最大位置の3点を通過する円の曲率半径が35m以上とする制御を第4制御としたときに、
    前記第1制御から前記第4制御のうち、2つ以上の制御を組み合わせることを特徴とするステンレス鋼箔帯の焼鈍方法。
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