JP2017065021A - サーマルプリントヘッド - Google Patents

サーマルプリントヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP2017065021A
JP2017065021A JP2015191914A JP2015191914A JP2017065021A JP 2017065021 A JP2017065021 A JP 2017065021A JP 2015191914 A JP2015191914 A JP 2015191914A JP 2015191914 A JP2015191914 A JP 2015191914A JP 2017065021 A JP2017065021 A JP 2017065021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
heating resistor
recording medium
heating
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015191914A
Other languages
English (en)
Inventor
山本 剛
Takeshi Yamamoto
剛 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Hokuto Electronics Corp
Original Assignee
Toshiba Hokuto Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Hokuto Electronics Corp filed Critical Toshiba Hokuto Electronics Corp
Priority to JP2015191914A priority Critical patent/JP2017065021A/ja
Publication of JP2017065021A publication Critical patent/JP2017065021A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

【課題】高品質な画像を印刷し得るサーマルプリントヘッドを提供する。【解決手段】サーマルプリンタは、サーマルプリントヘッドの発熱抵抗体基板12において、発熱抵抗体23Hの下流側に離隔窪み12Dを形成したことにより、記録媒体5の固着範囲AFを該発熱抵抗体基板12の表面から引き離すことができる。このためサーマルプリンタは、記録媒体5に連続加熱印画を行った後で低加熱印画を行った場合に、該記録媒体5を該発熱抵抗体基板12の表面に固着させることなく、感熱成分及び溶解物を再凝固させることができるので、負荷変動ムラの発生を有効に抑えながら、高品質な画像を印刷できる。【選択図】図10

Description

本発明は、画像記録デバイスであるサーマルプリントヘッドに関する。
サーマルプリントヘッドは、主走査方向に沿って複数の発熱抵抗体が配列された発熱部において各発熱抵抗体をそれぞれ発熱させ、その熱により記録媒体に画素を形成し、この画素の集合により文字や図形等を印画・印刷することができる。このサーマルプリントヘッドは、例えばバーコードプリンタ、デジタル製版機、フォトプリンタ、イメージャー、シールプリンタなどの記録機器に広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。
サーマルプリントヘッドは、プラテンローラに記録媒体を圧接すると共に該プラテンローラの回転により該記録媒体を副走査方向に移動させながら、発熱部において各発熱抵抗体をそれぞれ発熱させて記録媒体に予め含有された感熱成分等の印画材料を溶融させ、この印画材料を該記録媒体上で凝固させることにより各画素を形成する。
特開2015−74131号公報(第1図)
ところでサーマルプリントヘッドでは、プラテンローラによる記録媒体の移動速度が一定であることを前提に、発熱抵抗体において1個の画素を形成するための発熱時間を一定としている。これによりサーマルプリントヘッドは、媒体の移動方向(すなわち副走査方向)に関する各画素の長さを一定に保つことができる。
しかしながらサーマルプリントヘッドを搭載したサーマルプリンタでは、印刷する画像の内容によっては、溶融した印画材料が記録媒体の移動に伴い発熱部の下流側へ移動し、凝固する際にサーマルプリントヘッドの表面に固着しようとして、該記録媒体と該サーマルプリントヘッドとの間の抵抗を一時的に増減させる場合がある。
このような場合、サーマルプリンタでは、記録媒体に作用する負荷が変動して移動速度が変化することになり、これにより副走査方向に関する各画素の長さを変動させ、印刷される画像の画質を大幅に低下させてしまう、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、高品質な画像を印刷し得るサーマルプリントヘッドを提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明のサーマルプリントヘッドにおいては、回転されるプラテンローラの周側面と発熱抵抗体基板との間に挟まれ副走査方向に沿って上流側から下流側へ移動する記録媒体に印画するサーマルプリントヘッドであって、発熱抵抗体基板は、副走査方向と直交する主走査方向に沿って複数配置され、それぞれ発熱によって印画材料を加熱し溶融させてから記録媒体上で凝固させることにより定着させ、該記録媒体に画素を印画する発熱抵抗体と、プラテンローラと対向する対向面における発熱抵抗体よりも下流側に形成され、該対向面の表面を記録媒体から離隔させる離隔窪みとを設けるようにした。
本発明は、発熱抵抗体により加熱されて溶融された印画材料が、記録媒体の進行により該発熱抵抗体の下流側で凝固するときに、該記録媒体を離隔窪みにより発熱抵抗体基板の表面から引き離すことができる。これにより本発明は、発熱抵抗体基板に対する記録媒体の固着を未然に回避できるので、該記録媒体の負荷変動による移動速度の変動を防止でき、ラインピッチの変化による画質の低下を回避できる。
本発明によれば、高品質な画像を印刷し得るサーマルプリントヘッドを実現できる。
サーマルプリンタの構成を示す略線的断面図である。 発熱抵抗体基板の構成を示す略線的断面図である。 従来の発熱抵抗体基板の構成を示す略線的断面図である。 従来の発熱抵抗体基板による印刷結果を示す略線図である。 記録媒体における感熱成分の溶融及び凝固と位置との関係を示す略線図である。 連続加熱印画のライン数を変化させた場合の印刷結果を示す略線図である。 連続加熱印画を2ラインとした場合における発熱抵抗体の位置と加熱画素の形成及び移動との関係を示す略線図である。 連続加熱印画を4ラインとした場合における発熱抵抗体の位置と加熱画素の形成及び移動との関係を示す略線図である。 連続加熱印画を8ラインとした場合における発熱抵抗体の位置と加熱画素の形成及び移動との関係を示す略線図である。 実施の形態における発熱抵抗体基板による記録媒体の加熱を示す略線図である。 実施の形態における発熱抵抗体基板による印刷結果を示す略線図である。 他の実施の形態による発熱抵抗体基板の構成を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。尚、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれに限定されない。
[1.サーマルプリントヘッドの構成]
図1に断面図を示すように、本実施の形態によるサーマルプリンタ1は、サーマルプリントヘッド2及びプラテンローラ3の間に記録媒体5を挟んだ構成となっている。サーマルプリンタ1は、記録媒体5に予め含有されている印画材料をサーマルプリントヘッド2により感熱させることにより、所望の画像や文字を印刷するようになっている。
記録媒体5は、いわゆる感熱紙であり、熱に反応する感熱成分を含有する感熱層が表面に設けられている。印画材料としての感熱成分は、当初無色や白色であるものの、熱が加えられると化学反応により他の色(例えば黒色)に変化する性質を有している。このため記録媒体5は、熱が加えられた箇所の性質を変化させることにより、画像や文字が印刷されることになる。
説明の都合上、以下ではプラテンローラ3側へ向かう方向を上方向、サーマルプリントヘッド2側へ向かう方向を下方向と定義する。また記録媒体5の進行方向を前方向、その反対方向を後方向と定義する。さらに紙面の手前側へ向かう方向を左方向、紙面の奥へ向かう方向を右方向と定義する。また以下では、左右方向を主走査方向とも呼び、前後方向を副走査方向とも呼ぶ。これに加えて以下では、記録媒体5の進行方向に着目した場合、後側を上流側とも呼び、前側を下流側とも呼ぶ。
サーマルプリントヘッド2は、大きく分けて放熱板11、発熱抵抗体基板12及び回路基板13により構成されている。放熱板11は、全体として左右方向(主走査方向)を長手方向とする直方体状に形成され、且つ上下方向に十分な厚さを有しており、外力等に対し容易に変形しないような、十分な剛性を有している。
この放熱板11は、例えば、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金等のような熱伝導率の高い金属からなり、発熱抵抗体基板12において発生した熱を、主に下面側に伝達して空気中へ放出する。因みに放熱板11の上面は、前側の発熱抵抗体基板12を載置する部分と比較して、後側の回路基板13を載置する部分の方が低く形成されている。
発熱抵抗体基板12は、左右方向を長手方向とする長方形の板状に形成されている。この発熱抵抗体基板12は、図2に示すように、支持基板21上にグレーズ層22、抵抗膜層23、導電層24及び保護層25といった複数の層が順次積層されている。
支持基板21は、例えばアルミナ(Al)等のセラミックスでなり、左右方向に細長い薄板状に形成されている。また支持基板21の前後長は、放熱板11の前後長よりも短くなっている。グレーズ層22は、絶縁性を有するガラス材料でなり、例えば支持基板21上にペースト状のガラス材料が塗布され、焼成される。またグレーズ層22の前端近傍には、周囲よりも上方に***した突条部22Aが形成される。この突条部22Aは、ガラス材料の焼成により、左右方向から見た場合の外形(図2等)が円周の一部に近似した形状となる。
抵抗膜層23は、例えばTa−SiOなどのサーメット材料でなり、電気抵抗率が比較的高くなっている。この抵抗膜層23は、例えばグレーズ層22の上面にスパッタリングにより形成され、エッチングにより所定のパターンに形成される。因みに抵抗膜層23は、左右方向、すなわち主走査方向に関し、互いに分離した複数の領域として構成される。
導電層24は、例えばアルミニウム(Al)のように電気伝導率が高い材料でなり、抵抗膜層23の上面にスパッタリングにより形成され、エッチングにより所定の配線パターンを構成する。因みに導電層24の配線パターンは、主に前後方向、すなわち副走査方向に沿った部分が多く形成される。また導電層24のうち突条部22Aの上部における一部分には、電気的に切り離された隙間24Gが形成されている。
このような構成により、発熱抵抗体基板12は、導電層24の配線パターンに電流が供給された場合、隙間24Gにおいてのみこの電流を抵抗膜層23に流すため、この箇所を局所的に発熱させることができる。以下では、このように抵抗膜層23のうち電流が流れて発熱する箇所を発熱抵抗体23Hとも呼び、また発熱抵抗体基板12において隙間24Gが形成されている箇所を発熱部12Hとも呼ぶ。
保護層25は、例えばSiON等でなり、スパッタリングにより形成される。この保護層25は、導電層24の上側に概ね一様な厚さとなるように形成されており、該導電層24以下の各層を保護している。このため発熱抵抗体基板12には、突条部22Aに応じて上方に***した突条部12Aが形成されている。この突条部12Aは、グレーズ層22の突条部22Aと同様、左右方向から見た場合の外形が円周の一部に近似した形状となる。また保護層25の表面は、発熱抵抗体基板12における最上面であり、記録媒体5と対向する対向面にもなっている。
さらに発熱抵抗体基板12における発熱部12Hよりも下流側(すなわち前側)には、上流側(後側)と比較して、保護層25における上面側の一部分がえぐられることにより、下方に窪んだ離隔窪み12Dが形成されている(詳しくは後述する)。
回路基板13(図1)は、例えばいわゆるガラスエポキシ基板であり、単層又は多層の配線基板となっている。この回路基板13は、上下方向に薄い長方形の板状に形成されており、左右方向の長さが発熱抵抗体基板12とほぼ同等となっている。この回路基板13には、例えば銅(Cu)のような導電性の材料により、所定の配線パターンが形成されている。この配線パターン上には、ボンディングワイヤや電子部品の端子を取り付けるための電極が形成されている。この配線パターンは、電極部分を除き、絶縁性の保護材料により保護されている。
この回路基板13の上面における前寄りの箇所には、複数のドライバIC(Integrated Circuit)14が左右方向に沿って整列するように取り付けられている。ドライバIC14の上面には、電気接続用の多数の端子が設けられている。ドライバIC14は、これらの端子と発熱抵抗体基板12の上面に形成された端子との間、並びにこれらの端子と回路基板13の上面に形成された端子との間が、それぞれボンディングワイヤ15により電気的に接続される。さらにドライバIC14及びボンディングワイヤ15は、エポキシ系の樹脂材料でなる樹脂16により封止される。
因みに回路基板13には、コネクタ(図示せず)が設けられており、サーマルプリンタ1の本体内に設けられたケーブル(図示せず)がこのコネクタに接続されることにより、電源や制御信号等が供給される。
かかる構成によりサーマルプリントヘッド2は、図示しないケーブルからコネクタを介して電源及び制御信号が供給されると、これを回路基板13上の配線パターンにより各ドライバIC14に供給する。ドライバIC14は、グランド線に接続されており、制御信号に基づきスイッチとして機能する。
発熱抵抗体基板12は、導電層24により形成された回路パターンにより、供給された電流を前方へ流し、隙間24Gにおいて抵抗膜層23を通過させることにより発熱させる。これにより発熱抵抗体基板12は、主走査方向に関して制御信号に基づいた箇所のみ、発熱部12Hを発熱させることができる。
プラテンローラ3は、中心軸31及び円筒部32により構成されている。中心軸31は、中心を左右方向(すなわち主走査方向)に沿わせた細長い円柱状に形成されている。円筒部32は、中心を左右方向に沿わせた円筒状でなり、その中心部分を貫通するように中心軸31を挿通させている。この円筒部32は、所定の弾性を有すると共に摩擦力が比較的大きい材料により構成されている。このため円筒部32は、外力が加えられると弾性変形し、この外力に対する反力を作用させる。
プラテンローラ3は、図示しない付勢部材により、中心軸31が発熱抵抗体基板12の突条部12Aへ向けて付勢されている。このためプラテンローラ3は、記録媒体5を発熱抵抗体基板12の突条部12Aに押し付けることができる。このときプラテンローラ3は、弾性変形することにより、記録媒体5を突条部12Aの表面に沿った形状に変形させて、安定的に押し付けることができる。
またプラテンローラ3は、図示しないモータから駆動力が伝達されることにより、図の反時計回りに回転する。このときプラテンローラ3は、図1に示したようにその外周面における下端近傍において記録媒体5と当接していた場合、該記録媒体5に対し摩擦力を作用させることにより、該記録媒体5を前方へ進行させることができる。
かかる構成によりサーマルプリンタ1は、印刷を行う場合、プラテンローラ3を回転させることにより、記録媒体5をサーマルプリントヘッド2における発熱抵抗体基板12の突条部12Aに押し付けながら、副走査方向に沿って前方へ進行させる。これと共にサーマルプリンタ1は、回路基板13に供給する制御信号を適宜変化させ、記録媒体5の進行に合わせて発熱部12Hにおける各発熱抵抗体23Hの発熱パターンを変化させる。これによりサーマルプリンタ1は、1ラインずつ所望の画素のみ記録媒体5を感熱させることができ、これを複数ライン分繰り返すことにより、これらの画素の集合でなる画像や文字等を記録媒体5上に形成すること、すなわち印刷することができる。
説明の都合上、以下では、発熱部12Hを発熱させ記録媒体5に含有される感熱成分を感熱させて画素を形成することを加熱印画と呼び、このとき形成された画素を加熱画素と呼ぶ。この加熱画素は、例えば黒色の画素となる。これと反対に、発熱部12Hを発熱させず記録媒体5を感熱させないことを非加熱印画と呼び、このとき形成された画素を非加熱画素と呼ぶ。この非加熱画素は、例えば白色の画素となる。
[2.記録媒体に対する負荷の作用及び変動]
次に、記録媒体5に対し負荷が作用する場合及びこの負荷が変動する場合について説明する。ここでは、本実施の形態による発熱抵抗体基板12について説明する前に、比較対象として、従来の発熱抵抗体基板の場合を説明する。
図2と対応する図3に示すように、従来の発熱抵抗体基板112は、本実施の形態による発熱抵抗体基板12と比較して、保護層25に代わる保護層125を有している。この発熱抵抗体基板12には、発熱部12Hの下流側(すなわち前側)に、離隔窪み12Dが形成されていない。すなわち保護層125は、突条部112Aの近傍において、発熱部12Hを挟んでほぼ前後対称に形成されている。
このような従来の発熱抵抗体基板112を搭載した従来のサーマルプリントヘッドにより、記録媒体5に特定の印画内容を印刷した場合、画質が低下する場合があった。この特定の印画内容とは、連続して複数ライン分の加熱印画を行った後(以下これを連続加熱印画と呼ぶ)、連続して複数ライン分の非加熱印画を行い、又は加熱画素の比率が低い印画を行う(以下これらをまとめて低加熱印画と呼ぶ)、というものである。
例えば図4は、従来の発熱抵抗体基板112を使用して、連続加熱印画を行った後に、線幅が1画素でなる斜線を所定間隔ごとに繰り返し印画した場合に得られた、斜線部分の印刷結果P1を表している。この印刷結果P1は、矢印J1の方向に沿って印刷されており、境界線LB1において連続加熱印画が終了された後、斜線の印画が開始されている。
ここで、印刷結果P1に形成された各画素を結んで得られる斜線Q1に着目する。この斜線Q1は、理想的な斜線を表す一直線状の補助線LS1に対し蛇行している。具体的に斜線Q1は、概ね最初の6ライン目までの範囲において、補助線LS2に近似しており、境界線LB1に対する傾きが補助線LS1よりも小さくなっている。このことは、この範囲において、印刷結果P1の副走査方向に関する各画素の周期(以下これをラインピッチと呼ぶ)が狭まっていること(詰まっていること)を意味する。
また斜線Q1は、概ね7ライン目から10ライン目までの範囲において、補助線LS3に近似しており、境界線LB1に対する傾きが補助線LS1よりも大きくなっている。このことは、この範囲において、印刷結果P1のラインピッチが広がっていることを意味する。さらに斜線Q1は、11ライン目以降においても、比較的小さい振幅で補助線LS1に対し蛇行している。すなわち、印刷結果P1では、ラインピッチの拡大及び縮小が繰り返されながら、徐々に収束している。
このようなラインピッチの変動は、記録媒体5の副走査方向への進行速度が変動しているために生じていると考えられる。この記録媒体5は、本来であればプラテンローラ3(図1)から加えられる一定の力により一定の進行速度で進行する。このことから、記録媒体5には、連続加熱印画の終了後に何らかの負荷が作用し、若しくは発熱抵抗体基板112との間で摩擦が生じて、且つその負荷若しくは摩擦力が変動しているためと推測される。以下では、このようにラインピッチの変動が繰り返されることを、負荷変動ムラの発生と呼ぶ。
発熱抵抗体基板112は、図5(A)に模式的に示すように、加熱印画を行う場合、発熱抵抗体23H(すなわち発熱部12H)を発熱させ、発生した熱を記録媒体5に伝達する。これに応じて記録媒体5は、所定の領域5Aを発熱部12Hに当接させ、感熱させる。
このとき領域5Aは、感熱層に含まれる感熱成分を熱により一度溶融させた後、プラテンローラ3(図1)の回転に伴い前方へ移動しながら冷却され、徐々に凝固(すなわち再凝固)していく。やがて領域5Aは、完全に凝固することにより、記録媒体5に対し画素(すなわち感熱画素)が形成された状態となる。
ここで記録媒体5では、形成された画素が化学変化により発色することから、領域5Aにおいて感熱成分が一度溶融されたときに何らかの溶解物を発生させ、この領域5Aが前方へ移動しながら冷却されて発熱部12Hの下流側に到達したときに、感熱成分と共に該溶解物を再凝固させている可能性が考えられる。このとき記録媒体5の領域5Aは、感熱成分及び溶解物の再凝固に伴い、当接している発熱抵抗体基板112の表面に固着しようとして、負荷(摩擦力)が高まっていると推測される。
また発熱抵抗体基板112は、上述したように連続加熱印画を行った後で連続的に非加熱印画を行う場合、連続加熱印画を終了した時点で発熱部12Hの発熱を停止する。このとき記録媒体5では、連続的に溶融された複数の隣接した領域のうち、加熱が完了してからの経過時間が最も長く、また余熱が残っている発熱部12Hの近傍からの距離が最も遠い、最も下流側の領域から順次再凝固していくことになる。
さらに記録媒体5は、プラテンローラ3(図1)の回転速度や変形度合、並びに当該記録媒体5を案内するガイドローラ(図示せず)の配置等により、突条部112Aの近傍における進行経路が定まる。具体的に記録媒体5は、図5(A)におけるニップ範囲ANにおいて、プラテンローラ3(図1)により、突条部112Aの表面に押し付けられて(すなわちニップされて)いる。記録媒体5の領域5Aは、このニップ範囲ANから外れた時点で、突条部112Aの表面から離れるため、感熱成分及び溶解物の再凝固による固着しようとする力、すなわち負荷(摩擦力)も発生しなくなる。
この記録媒体5における領域5Aの温度変化をグラフ化すると、図5(B)における曲線QTのように表すことができる。この図5(B)において再凝固温度T1は、感熱成分等が再凝固する温度である。因みに図5(B)では、記録媒体5において加熱により感熱成分が溶融され液状となった部分の量の変化を、曲線QVにより併せて表示している。
この図5(B)において、発熱部12Hよりも下流側において曲線QTが再凝固温度T1になる位置は、記録媒体5において溶融された感熱成分及び溶解物が再凝固して固着を開始する位置(以下これを固着開始位置S1と呼ぶ)となる。また図5(B)では、記録媒体5の領域5Aがニップ範囲ANにおける下流側の端点に到達した場合、発熱抵抗体基板112から離れるため、固着を終了することになる。以下、記録媒体5と発熱抵抗体基板112との固着が終了する位置を固着終了位置S2とも呼ぶ。さらに説明の都合上、発熱抵抗体23Hにおける前後方向の中心位置を発熱中心位置S0とも呼ぶ。
すなわち記録媒体5及び発熱抵抗体基板112では、この固着開始位置S1から固着終了位置S2までの範囲において、再凝固による固着が発生すると考えられる。以下、この範囲を固着範囲AFと呼ぶ。この固着範囲AFにおける前後方向の長さは、固着が発生する面積の大きさと関係し、記録媒体5に作用する負荷の大きさ、若しくは該記録媒体5と発熱抵抗体基板112との間に発生する摩擦力の大きさとも関係する。
例えば記録媒体5は、固着範囲AFが比較的長くなった場合、作用する負荷が増加して進行速度が低下し、印刷結果P1(図4)における最初の6ライン目までの範囲のように、ラインピッチが縮小すると推定される。一方、記録媒体5は、固着範囲AFが比較的短くなった場合、作用する負荷が減少して進行速度が復元し(すなわち本来の進行速度に向けて増加し)、印刷結果P1(図4)における7〜10ライン目のように、ラインピッチが拡大すると推定される。
従って、負荷変動ムラの発生は、記録媒体5の一部が発熱抵抗体基板112の表面に固着しようとする固着範囲AFが発生し、且つその副走査方向に関する長さが変動していることが原因であると考えられる。
[3.固着範囲の特定]
次に、負荷変動ムラの発生原因となる固着範囲AFについての詳細な調査を行うべく、複数の条件下において、発熱抵抗体基板112を用いて記録媒体5に対し連続加熱印画を行った後で低加熱印画を行った。この低加熱印画は、印刷結果P1(図4)と同様に、線幅が1画素でなる斜線を所定の間隔ごとに繰り返し印画することにより、印刷結果にラインピッチの変動を記録できるようにした。
具体的には、連続加熱印画を行うライン数を2ライン、4ライン、8ライン及び16ラインと変化させながら、それぞれにおいて得られる印刷結果を目視することにより、固着範囲AFが形成されたか否か、並びに固着開始位置S1及び固着終了位置S2をそれぞれ確認した。因みに発熱抵抗体基板112は、解像度が1200[dpi:dot per inch]であり、これに伴い副走査方向に関する1ラインの周期が21.1[μm]となっている。
図6(A)、(B)、(C)及び(D)は、連続加熱印画を行うライン数をそれぞれ2ライン、4ライン、8ライン及び16ラインとした場合に得られた印刷結果P2、P3、P4及びP5を表す。また補助線LS1は、図4の場合と同様、理想的な斜線を表している。
印刷結果P2から、連続加熱印画が2ラインの場合には、ラインピッチが殆ど変動していないため、固着範囲AFが形成されていないと考えられる。ここで、連続加熱印画が2ラインの場合における、発熱抵抗体23Hの位置と加熱画素の形成及び移動との関係についてまとめると、図7のように表すことができる。
この図7では、横方向が副走査方向に沿った位置を表しており、ラインごとに破線で区切られている。またニップ上流範囲AN1及びニップ下流範囲AN2は、それぞれニップ範囲ANのうち発熱中心位置S0よりも上流側の範囲及び下流側の範囲を表しており、それぞれ約140[μm]及び約134[μm]である。因みに、発熱抵抗体23Hにおける前後方向(副走査方向)の長さLHは、1ラインの周期よりも短く約13[μm]となっている。
また図7では、縦方向が時間の経過を表しており、時刻K1およびK2において加熱印画を行い黒色の画素(加熱画素)を形成したこと、並びにこれに続く時刻W1〜W10において非加熱印画を行い白色の画素(非加熱画素)を形成したことを表している。
一方、印刷結果P3〜P5(図7)から、連続加熱印画が4ライン以上の場合には、連続加熱印画の終了後における1〜2ライン目まではラインピッチが変動せず、これ以降のラインにおいてラインピッチが変動している。
このうち印刷結果P3から、連続加熱印画が4ラインの場合には、連続加熱印画の終了後における2〜3ライン目においてラインピッチが狭まっており、このとき固着範囲AFが形成されていると考えられる。また印刷結果P4及びP5から、連続加熱印画が8ライン以上の場合には、連続加熱印画の終了後における2〜6ライン目においてラインピッチが狭まっており、このとき固着範囲AFが形成されていると考えられる。
ここで、連続加熱印画が4ライン及び8ラインの場合における、発熱抵抗体23Hの位置と加熱画素の形成及び移動との関係についてまとめると、図7とそれぞれ対応する図8及び図9のように表すことができる。
図8では、図7と異なり、時刻K1〜K4において4回の加熱印画を繰り返し行い、黒色の画素(加熱画素)を連続して形成したことを表している。因みに図8では、右側の「詰まり」欄において、時刻W2及びW3において、ラインピッチの詰まりが発生していることを表している。
また図9では、時刻K1〜K8において8回の加熱印画を繰り返し行い、黒色の画素(加熱画素)を連続して形成したことを表している。この図9では、右側の「詰まり」欄において、時刻W2〜W6において、ラインピッチの詰まりが発生していることを表している。
図8及び図9の時刻W2から、ラインピッチの詰まりが開始されるタイミングは、最後に加熱された加熱画素が2ライン分下流側まで移動したとき、すなわち発熱中心位置S0から約42[μm]下流側へ移動したとき推測される。また図9の時刻W6から、ラインピッチの詰まりが終了するタイミングは、最後に加熱された加熱画素が6ライン分下流側まで移動したとき、すなわち発熱中心位置S0から約127[μm]下流側へ移動したとき推測される。この発熱中心位置S0から約127[μm]下流側の位置は、ニップ範囲AN及びニップ下流範囲AN2における下流側の端点とも概ね一致している。
以上の調査結果をまとめると、従来の発熱抵抗体基板112では、連続加熱印画の後に低加熱印画を行う場合、最後に加熱印画された加熱画素が固着範囲AF、すなわち固着開始位置S1及び固着終了位置S2の間にあるときに、ラインピッチの詰まりが発生する。この固着開始位置S1及び固着終了位置S2は、発熱抵抗体基板112の解像度が1200[dpi]である場合、発熱中心位置S0から約2ライン分及び約6ライン分に相当する、約42[μm]下流側及び約127[μm]下流側となる。
このため発熱抵抗体基板112では、この固着範囲AF、すなわち固着開始位置S1及び固着終了位置S2の間において、該発熱抵抗体基板112の表面と記録媒体5との当接を回避することができれば、ラインピッチの詰まりを抑制し得ると考えられる。
[4.負荷変動ムラの回避]
そこで本実施の形態におけるサーマルプリンタ1では、サーマルプリントヘッド2の発熱抵抗体基板12(図2)において、発熱部12H(すなわち発熱抵抗体23H)の下流側に、離隔窪み12Dを形成した。
この離隔窪み12Dは、発熱抵抗体23Hの下流側における、窪み上流位置D1から窪み下流位置D2の範囲において、保護層25の上面近傍が、従来の発熱抵抗体基板112の場合(図3)よりも下方へ窪むことにより形成されている。
窪み上流位置D1は、発熱中心位置S0から約40[μm]下流側であり、固着開始位置S1(発熱中心位置S0から約42[μm]下流側)よりも僅かに上流側となっている。また窪み下流位置D2は、発熱中心位置S0から約130[μm]下流側であり、固着終了位置S2(発熱中心位置S0から約127[μm]下流側)よりも僅かに下流側となっている。
すなわち離隔窪み12Dは、固着開始位置S1及び固着終了位置S2の間である固着範囲AFよりもやや広い範囲であって、且つ当該固着範囲AFを確実に含む位置に設定されている。また離隔窪み12Dは、従来の発熱抵抗体基板112の場合(図中に破線で示す)と比較して、下方へ約3[μm]だけ窪んでいる。
この発熱抵抗体基板12は、その製造工程において、例えば支持基板21上にグレーズ層22が形成され、さらにその上側に抵抗膜層23が成膜される。続いて発熱抵抗体基板12は、フォトリソプロセス等により導電層24が成膜されて電極及び発熱抵抗体23Hが形成された後、その上側に単層又は多層でなる保護層25が形成される。
最後に発熱抵抗体基板12は、フォトリソプロセス等によって保護層25における表面近傍が選択的にエッチングされることにより、離隔窪み12Dが形成される。すなわち発熱抵抗体基板12は、従来の発熱抵抗体基板112(図3)と同様の製造工程により保護層25の形成までが行われた後、追加的に離隔窪み12Dが形成される。
図10に示すように、発熱抵抗体基板12は、プラテンローラ3により記録媒体5が押し付けられた場合、当該記録媒体5のうち固着範囲AFの部分を、離隔窪み12Dにより、該発熱抵抗体基板12の表面から引き離すことができる。これにより発熱抵抗体基板12は、連続加熱印画を行った後で低加熱印画を行う場合、記録媒体5において溶融された感熱成分及び溶解物を、該記録媒体5を該発熱抵抗体基板12の表面に固着させることなく、再凝固させることができる。
実際に、発熱抵抗体基板12を用いて、記録媒体5に対し連続加熱印画を行った後で低加熱印画を行ったところ、図4及び図6と対応する図11に示す印刷結果P6が得られた。この印刷結果P6では、補助線LS1と照らし合わせた場合に、僅かに斜線のうねり、すなわちラインピッチの変動が認められるものの、図4等と比較して、うねりの程度やラインピッチの変動幅が格段に小さくなっていることが分かる。
かくして発熱抵抗体基板12は、連続加熱印画を行った後で低加熱印画を行った場合であっても、負荷変動ムラの発生量を格段に減少させることができ、ラインピッチをほぼ一定に保ったまま、高品質な画像を印刷することができる。
以上の構成によれば、サーマルプリンタ1は、サーマルプリントヘッド2の発熱抵抗体基板12において、発熱抵抗体23Hの下流側に離隔窪み12Dを形成したことにより、記録媒体5の固着範囲AFを該発熱抵抗体基板12の表面から引き離すことができる。このためサーマルプリンタ1は、記録媒体5に連続加熱印画を行った後で低加熱印画を行った場合に、該記録媒体5を該発熱抵抗体基板12の表面に固着させることなく、感熱成分及び溶解物を再凝固させることができるので、負荷変動ムラの発生を有効に抑えながら、高品質な画像を印刷できる。
[5.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、固着範囲AFについての調査結果(図6〜図9)を基に、固着開始位置S1及び固着終了位置S2をそれぞれ発熱中心位置S0から約42[μm]下流側及び約127[μm]下流側とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、実際に使用する発熱抵抗体基板及び記録媒体を用いて固着範囲AFについての調査を行い、得られた調査結果を基に固着開始位置S1及び固着終了位置S2をそれぞれ設定しても良い。この場合、固着開始位置S1及び固着終了位置S2に影響する要因としては、発熱抵抗体基板における突状部の半径、発熱分布特性や解像度、プラテンローラ3の半径や剛性等、該プラテンローラ3に加えられるトルク、並びに記録媒体5の種類や温度特性(再凝固温度等)、移動速度等が想定される。
例えば、サーマルプリンタ1と比較して解像度を1200[dpi]から半分の600[dpi]にする場合、各ラインの周期が2倍の約82[μm]となるため、発熱中心位置S0から固着開始位置S1までの距離も2倍の約80[μm]とすることが考えられる。これと同様に、解像度を1/4の300[dpi]とする場合には、発熱中心位置S0から固着開始位置S1までの距離を4倍の約160[μm]とすることが考えられる。
また上述した実施の形態においては、離隔窪み12Dにおける窪み上流位置D1の位置を、固着開始位置S1よりも上流側に配置する場合について述べた(図2)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば窪み上流位置D1を、固着開始位置S1と同一の位置等、当該固着開始位置S1に対し種々の位置に設定しても良い。この場合、窪み上流位置D1を固着開始位置S1よりも下流側に設定することもできるが、実施の形態よりも効果が低減されると想定されるため、できるだけ上流寄りに設定することが望ましい。
さらに上述した実施の形態においては、離隔窪み12Dにおける窪み下流位置D2の位置を、固着終了位置S2よりも下流側に配置する場合について述べた(図2)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば窪み下流位置D2を、固着終了位置S2と同一の位置等、当該固着終了位置S2に対し種々の位置に設定しても良い。この場合、窪み下流位置D2を固着終了位置S2よりも上流側に設定することもできるが、やはり実施の形態よりも効果が低減されると想定されるため、できるだけ下流寄りに設定することが望ましい。或いは、窪み下流位置D2を発熱抵抗体基板12の前端と一致させてもよい。
さらに上述した実施の形態においては、従来の発熱抵抗体基板112と比較した場合の発熱抵抗体基板12における離隔窪み12Dの窪み量、すなわち深さを、一様に3[μm]とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば離隔窪みの深さを5[μm]や8[μm]等の他の値としても良く、或いは部分毎に相違させても良い。要は、発熱抵抗体基板の表面を記録媒体5の固着範囲AFから離隔させ、当接による固着を回避できれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、保護層25に対しフォトリソプロセス等によって選択的にエッチングする、といった製造工程により、発熱抵抗体基板12に離隔窪み12Dを形成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、他の種々の製造工程により、発熱抵抗体基板に離隔窪みを形成しても良い。
例えば図2と対応する図12(A)に示すように、発熱抵抗体基板212は、発熱抵抗体基板12と同様の製造工程により導電層24の成膜までが行われた後、保護層25よりも薄く第1保護層225が一様に形成され、さらに当該第1保護層225から離隔窪み212Dに相当する範囲が選択的にエッチングされる。続いて発熱抵抗体基板212は、一様に第2保護層226が形成されることにより、離隔窪み212Dが形成される。
また図2及び図12(A)と対応する図12(B)に示すように、発熱抵抗体基板312は、グレーズ層22に代わるグレーズ層322に対し、予め離隔窪み312Dに相当する窪みが形成されている。この発熱抵抗体基板312は、このグレーズ層322に対し、発熱抵抗体基板12と同様の製造工程が順次行われることにより、抵抗膜層323、導電層324及び保護層325が順次形成され、最終的に所望の離隔窪み312Dが形成される。
さらに上述した実施の形態においては、記録媒体5がいわゆる感熱紙である場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、記録媒体に含有される印画材料が加熱により性質を種々に変化させても良い。要は、記録媒体の加熱された箇所に加熱印画を行うことができれば良い。また記録媒体としては、加熱された箇所に画素を形成する、いわゆる感熱媒体としての性質を有するものに限らず、例えば加熱によりインクリボンのインク(印画材料)を溶融させて該記録媒体に転写させる方式のものでも良い。或いは、例えば記録媒体がオフセット印刷用の刷版であり、熱に反応する感熱成分を含有する感熱層が表面に設けられたものであっても良い。この場合、印画材料としての感熱成分は、例えば当初親水性であるものの、熱が加えられると親油性に変化する性質を有するものが考えられる。この記録媒体は、熱が加えられた箇所の性質を変化させることにより、画像や文字が印刷され、刷版としての機能を果たすことができる。
さらに上述した実施の形態においては、発熱抵抗体基板12に突条部12Aを形成し、当該突条部12Aに発熱部12Hを設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば発熱抵抗体基板を平坦な板状等の種々の形状に形成し、その何れかの部分に発熱部を設けても良い。
さらに本発明は、上述した実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、発熱抵抗体としての発熱抵抗体23Hと、離隔窪みとしての離隔窪み12Dとにより構成された発熱抵抗体基板12を有するサーマルプリントヘッド2を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる発熱抵抗体と、離隔窪みとにより構成された発熱抵抗体基板を有するサーマルプリントヘッドを構成しても良い。
本発明は、例えばオフセット印刷用の刷版でなる記録媒体を感熱させることにより文字や画像を印刷するサーマルプリンタで利用できる。
1……サーマルプリンタ、2……サーマルプリントヘッド、3……プラテンローラ、5……記録媒体、5A……領域、11……放熱板、12、112……発熱抵抗体基板、12A、112A……突条部、12D……離隔窪み、12H……発熱部、13……回路基板、21……支持基板、22……グレーズ層、23……抵抗膜層、23H……発熱抵抗体、24……導電層、24G……隙間、25、125……保護層、AF……固着範囲、AN……ニップ範囲、AN1……ニップ上流範囲、AN2……ニップ下流範囲、D1……窪み上流位置、D2……窪み下流位置、S0……発熱中心位置、S1……固着開始位置、S2……固着終了位置、T1……再凝固温度。

Claims (4)

  1. 回転されるプラテンローラの周側面と発熱抵抗体基板との間に挟まれ副走査方向に沿って上流側から下流側へ移動する記録媒体に印画するサーマルプリントヘッドであって、
    前記発熱抵抗体基板は、
    副走査方向と直交する主走査方向に沿って複数配置され、それぞれ発熱によって印画材料を加熱し溶融させてから前記記録媒体上で凝固させることにより定着させ、該記録媒体に画素を印画する発熱抵抗体と、
    前記プラテンローラと対向する対向面における前記発熱抵抗体よりも下流側に形成され、該対向面の表面を前記記録媒体から離隔させる離隔窪みと
    を具えることを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  2. 前記離隔窪みにおける最も上流側の窪み上流位置は、
    所定の前記発熱抵抗体を発熱させて前記印画材料を前記記録媒体に定着させる加熱印画を所定のライン数以上連続して行った後、該発熱抵抗体を発熱させないことにより前記印画材料を前記記録媒体に定着させない非加熱印画の比率が高い低加熱印画を行った場合に、該記録媒体において前記加熱印画により溶融した前記印画材料が前記発熱抵抗体基板の前記対向面に当接しながら再凝固した場合に固着し始める固着開始位置よりも上流側である
    ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 前記離隔窪みにおける最も下流側の窪み下流位置は、
    前記加熱印画を少なくとも前記有色ライン数以上行った後、前記低加熱印画を行った場合に、該記録媒体において前記加熱印画により溶融した前記印画材料が前記発熱抵抗体基板の前記対向面に当接しながら再凝固した場合に固着を終了する固着終了位置よりも下流側である
    ことを特徴とする請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
  4. 前記発熱抵抗体基板は、
    主走査方向に沿って前記対向面の一部を前記プラテンローラへ向けて凸面状に突出させた突条部
    をさらに具え、
    前記発熱抵抗体は、前記突条部に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
JP2015191914A 2015-09-29 2015-09-29 サーマルプリントヘッド Pending JP2017065021A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015191914A JP2017065021A (ja) 2015-09-29 2015-09-29 サーマルプリントヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015191914A JP2017065021A (ja) 2015-09-29 2015-09-29 サーマルプリントヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017065021A true JP2017065021A (ja) 2017-04-06

Family

ID=58491293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015191914A Pending JP2017065021A (ja) 2015-09-29 2015-09-29 サーマルプリントヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017065021A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109016863A (zh) * 2017-06-08 2018-12-18 罗姆股份有限公司 热敏打印头
CN110193999A (zh) * 2018-02-26 2019-09-03 罗姆股份有限公司 热敏打印头
JP2019166824A (ja) * 2018-02-26 2019-10-03 ローム株式会社 サーマルプリントヘッド
WO2020241581A1 (ja) 2019-05-27 2020-12-03 ローム株式会社 サーマルプリントヘッド
US11305553B2 (en) 2019-06-14 2022-04-19 Rohm Co., Ltd. Thermal print head and method of manufacturing thermal print head

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5077564A (en) * 1990-01-26 1991-12-31 Dynamics Research Corporation Arcuate edge thermal print head
JPH10217521A (ja) * 1997-01-31 1998-08-18 Kyocera Corp サーマルヘッド
KR20060123426A (ko) * 2004-01-26 2006-12-01 로무 가부시키가이샤 감열 프린트 헤드
WO2013129020A1 (ja) * 2012-02-28 2013-09-06 京セラ株式会社 サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5077564A (en) * 1990-01-26 1991-12-31 Dynamics Research Corporation Arcuate edge thermal print head
JPH10217521A (ja) * 1997-01-31 1998-08-18 Kyocera Corp サーマルヘッド
KR20060123426A (ko) * 2004-01-26 2006-12-01 로무 가부시키가이샤 감열 프린트 헤드
CN1914041A (zh) * 2004-01-26 2007-02-14 罗姆股份有限公司 热印刷头
WO2013129020A1 (ja) * 2012-02-28 2013-09-06 京セラ株式会社 サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109016863A (zh) * 2017-06-08 2018-12-18 罗姆股份有限公司 热敏打印头
US10543696B2 (en) 2017-06-08 2020-01-28 Rohm Co., Ltd. Thermal print head
US10639906B1 (en) 2017-06-08 2020-05-05 Rohm Co., Ltd. Thermal print head
CN109016863B (zh) * 2017-06-08 2020-05-08 罗姆股份有限公司 热敏打印头
CN110193999A (zh) * 2018-02-26 2019-09-03 罗姆股份有限公司 热敏打印头
JP2019166824A (ja) * 2018-02-26 2019-10-03 ローム株式会社 サーマルプリントヘッド
US10632760B2 (en) 2018-02-26 2020-04-28 Rohm Co., Ltd. Thermal printhead
CN110193999B (zh) * 2018-02-26 2021-01-08 罗姆股份有限公司 热敏打印头
JP7204492B2 (ja) 2018-02-26 2023-01-16 ローム株式会社 サーマルプリントヘッド
WO2020241581A1 (ja) 2019-05-27 2020-12-03 ローム株式会社 サーマルプリントヘッド
US11772388B2 (en) 2019-05-27 2023-10-03 Rohm Co., Ltd. Thermal print head
US11305553B2 (en) 2019-06-14 2022-04-19 Rohm Co., Ltd. Thermal print head and method of manufacturing thermal print head

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017065021A (ja) サーマルプリントヘッド
JP5317843B2 (ja) インクジェットヘッド用基板及びインクジェットヘッド
CN104870196B (zh) 热敏头以及具备该热敏头的热敏打印机
JP2008036923A (ja) サーマルプリントヘッド
US20070171270A1 (en) Thermal head and manufacturing method thereof
JP4208214B2 (ja) 感熱製版装置および感熱製版方法
JP3656891B2 (ja) サーマルヘッド
JP3376706B2 (ja) 熱転写印字方法
US6400388B1 (en) Thick film thermal head and method of making the same
JP2009061616A (ja) サーマルプリントヘッド、サーマルプリンタおよび印刷方法
WO2015099149A1 (ja) サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ
JP2017064943A (ja) サーマルプリントヘッド及びサーマルプリンタ
JP6842576B2 (ja) サーマルプリントヘッド
JP2003165240A (ja) サーマルヘッド
JP5670076B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP5677165B2 (ja) サーマルヘッド
JP5774342B2 (ja) サーマルヘッドおよびその製造方法
JP4369723B2 (ja) サーマルヘッド、及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP5815964B2 (ja) サーマルヘッドおよびその製造方法
JP6422281B2 (ja) サーマルヘッド
JP6080665B2 (ja) サーマルプリントヘッド
JP3199009U (ja) サーマルヘッド
JP6209040B2 (ja) サーマルヘッド
JP2023082289A (ja) サーマルプリントヘッド、および、サーマルプリントヘッドの製造方法
JP2005169855A (ja) サーマルヘッド及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180926

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190625

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190826

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191118

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191217