JP2017065007A - 脆性基板の分断方法 - Google Patents

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曽山 浩
Hiroshi Soyama
浩 曽山
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Abstract

【課題】脆性基板が分断されることになる位置を、垂直クラックを伴わないラインによって規定する。【解決手段】突起部PPと、平面視において突起部PPから互いに逆方向に延びる第1の稜線部PS1および第2の稜線部PS2とを有する刃先51が準備される。刃先51を脆性基板4上で、第2の稜線部PS2から第1の稜線部PS1へ向かう方向DAに摺動させることによって、トレンチラインが形成される。トレンチラインは、クラックレス状態が得られるように形成される。トレンチラインが形成された方向と逆方向に向かってトレンチラインの少なくとも一部に沿ってクラックを伸展させることによって、クラックラインが形成される。クラックラインによってトレンチラインの下方において脆性基板4は連続的なつながりが断たれている。クラックラインに沿って脆性基板4が分断される。【選択図】図1

Description

本発明は脆性基板の分断方法に関する。
フラットディスプレイパネルまたは太陽電池パネルなどの電気機器の製造において、ガラス基板などの脆性基板を分断することがしばしば必要となる。まず基板上にスクライブラインが形成され、次にこのスクライブラインに沿って基板が分断される。スクライブラインは、カッタを用いて基板を機械的に加工することによって形成され得る。カッタが基板上を摺動または転動することで、基板上に塑性変形によるトレンチが形成されると同時に、このトレンチの下方には垂直クラックが形成される。その後、ブレイク工程と称される応力付与がなされる。ブレイク工程によりクラックを厚さ方向に完全に進行させることで、基板が分断される。
基板が分断される工程は、基板にスクライブラインを形成する工程の直後に行なわれることが多い。しかしながら、スクライブラインを形成する工程とブレイク工程との間において基板を加工する工程を行なうことも提案されている。基板を加工する工程とは、たとえば、基板上に何らかの部材を設ける工程である。
たとえば国際公開第2002/104078号の技術によれば、有機ELディスプレイの製造方法において、封止キャップを装着する前に各有機ELディスプレイとなる領域毎にガラス基板上にスクライブラインが形成される。このため、封止キャップを設けた後にガラス基板上にスクライブラインを形成したときに問題となる封止キャップとガラスカッターとの接触を回避させることができる。
また、たとえば国際公開第2003/006391号の技術によれば、液晶表示パネルの製造方法において、2つのガラス基板が、スクライブラインが形成された後に貼り合わされる。これにより1度のブレイク工程で2枚の脆性基板を同時にブレイクすることができる。
国際公開第2002/104078号 国際公開第2003/006391号
上記従来の技術によれば、脆性基板への加工がスクライブラインの形成後に行なわれ、その後応力付与によりブレイク工程が行なわれる。このことは、脆性基板への加工時に垂直クラックが既に存在することを意味する。この垂直クラックの厚さ方向におけるさらなる伸展が加工中に意図せず発生することで、加工中は一体であるべき脆性基板が分断されてしまうことがあり得た。また、スクライブラインの形成工程と基板のブレイク工程との間に基板の加工工程が行なわれない場合においても、通常、スクライブラインの形成工程の後かつ基板のブレイク工程の前に基板の搬送または保管が必要であり、その際に基板が意図せず分断されてしまうことがあり得た。このため、脆性基板が分断されることになる位置を、垂直クラックを伴わないライン(言い換えれば、後述する「クラックレス状態」にあるライン)によって規定することができれば、極めて有用である。
また上述したような意図しない分断への配慮が不要な場合であっても、脆性基板が分断されることになる位置を、垂直クラックを伴わないラインによって規定することができるのであれば、当該ラインの形成工程において脆性基板へ刃先を押し付ける荷重がより小さくても十分となる。刃先の荷重の軽減は、刃先の摩耗または脆性基板表面のダメージを軽減するのに有用である。
しかしながら、脆性基板が分断されることになる位置を規定することができる、垂直クラックを伴わないラインを、刃先の摺動を用いて形成する技術は、これまで十分に検討されてきていなかった。むしろ、そのように垂直クラックを伴わないラインは、刃先への荷重不足などに起因した単なる不良ラインとしか認識されてこなかったのが通常であった。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、脆性基板が分断されることになる位置を、垂直クラックを伴わないラインによって規定することができる、脆性基板の分断方法を提供することである。
本発明の一の局面に従う脆性基板の分断方法は、以下のa)〜e)の工程を有する。
a)一の面を有し、一の面に垂直な厚さ方向を有する脆性基板が準備される。
b)突起部と、平面視において突起部から互いに逆方向に延びる第1の稜線部および第2の稜線部と、を有する刃先が準備される。
c)刃先を脆性基板の一の面上で、第2の稜線部から第1の稜線部へ向かう方向に摺動させることによって、一の面上に塑性変形を発生させることで、溝形状を有するトレンチラインが形成される。トレンチラインは、トレンチラインの下方において脆性基板がトレンチラインと交差する方向において連続的につながっている状態であるクラックレス状態が得られるように形成される。
d)トレンチラインが形成された方向と逆方向に向かってトレンチラインの少なくとも一部に沿って厚さ方向における脆性基板のクラックを伸展させることによって、クラックラインが形成される。クラックラインによってトレンチラインの下方において脆性基板はトレンチラインと交差する方向において連続的なつながりが断たれている。
e)クラックラインに沿って脆性基板が分断される。
本発明の他の局面に従う脆性基板の分断方法は、以下のa)〜e)の工程を有する。
a)一の面を有し、一の面に垂直な厚さ方向を有する脆性基板が準備される。
b)突起部と、平面視において突起部から互いに逆方向に延びる第1の稜線部および第2の稜線部と、を有する刃先が準備される。
c)刃先を脆性基板の一の面上で、第1の稜線部から第2の稜線部へ向かう方向に摺動させることによって、一の面上に塑性変形を発生させることで、溝形状を有するトレンチラインが形成される。トレンチラインは、トレンチラインの下方において脆性基板がトレンチラインと交差する方向において連続的につながっている状態であるクラックレス状態が得られるように形成される。
d)トレンチラインが形成された方向と同じ方向に向かってトレンチラインの少なくとも一部に沿って厚さ方向における脆性基板のクラックを伸展させることによって、クラックラインが形成される。クラックラインによってトレンチラインの下方において脆性基板はトレンチラインと交差する方向において連続的なつながりが断たれている。
e)クラックラインに沿って脆性基板が分断される。
本発明によれば、脆性基板が分断される位置を規定するラインとして、その下方にクラックを有しないトレンチラインが形成される。分断の直接のきっかけとして用いられることになるクラックラインは、トレンチラインの形成後にそれに沿ってクラックを伸展させることで形成される。これにより、脆性基板が分断されることになる位置を、垂直クラックを伴わないラインによって規定することができる。
本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法に用いられるカッティング器具の構成を概略的に示す側面図である。 図1の矢印IIの視点での概略平面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の構成を概略的に示すフロー図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の第1の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法において形成されるトレンチラインの構成を概略的に示す端面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の第2の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法において形成されるクラックラインの構成を概略的に示す端面図である。 本発明の実施の形態1の第1の変形例の脆性基板の分断方法の第1の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態1の第1の変形例の脆性基板の分断方法の第2の工程を概略的に示す上面図である。 図8の工程の変形例を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態1の第2の変形例の脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法の第1の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法の第2の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法の第3の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2の変形例の脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態3における脆性基板の分断方法の第1の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態3における脆性基板の分断方法の第2の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態4における脆性基板の分断方法の第1の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態4における脆性基板の分断方法の第2の工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態6における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
<実施の形態1>
(カッティング器具の構成)
図1は、本実施の形態におけるガラス基板4(脆性基板)の分断方法に用いられるカッティング器具50の構成を概略的に示す側面図である。図2は、図1の矢印IIの視点での概略平面図である。なお矢印IIの方向は、ガラス基板4の上面SF1(一の面)の法線方向に対応している。カッティング器具50は刃先51およびシャンク52を有している。刃先51は、そのホルダとしてのシャンク52に固定されることによって保持されている。
刃先51は、突起部PPと、稜線部PS1〜PS4(第1〜第4の稜線部)と、側面SD1〜SD4とを有している。側面SD1〜SD4は、互いに異なる方向を向いている。稜線部PS1は側面SD1およびSD2の間の境界部である。稜線部PS2は側面SD3およびSD4の間の境界部である。稜線部PS3は側面SD1およびSD3の間の稜線部である。稜線部PS4は側面SD2およびSD4の間の稜線部である。刃先51を矢印II(図1)の視野で見た平面視(図2)において、稜線部PS1および稜線部PS2は、図2に示すように、一直線上において突起部PPから互いに逆方向に延びている。図1において稜線PS1およびPS2がなす角度、言い換えれば、突起部PPから稜線部PS1が延びる方向と、突起部PPから稜線部PS2が延びる方向とがなす角度、は鈍角であることが好ましく、たとえば140°程度である。刃先51は、図1および図2に示すように、四角錘の頂点部の形状を有していることが好ましい。
なお、稜線部PS1は、側面SD1と側面SD2との間で刃先51の表面が合流する部分であることから、微視的に見れば若干の曲率半径(以下、稜線部PS1の曲率半径ともいう)を有し得る。この曲率半径は、たとえば数μm〜十数μm程度である。稜線部PS2についても同様である。稜線部PS1の曲率半径と稜線部PS2の曲率半径とは、互いに同じであってもよく、異なってもよい。
刃先51は、硬度および表面粗さを小さくすることができる点から、ダイヤモンドで作られていることが好ましい。すなわち刃先51はダイヤモンドポイントであることが好ましい。より好ましくは刃先51は単結晶ダイヤモンドから作られている。なお単結晶でないダイヤモンドが用いられてもよく、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で合成された多結晶体ダイヤモンドが用いられてもよい。あるいは、単結晶または多結晶体ダイヤモンド粒子を鉄族元素などの結合材によって結合させた焼結ダイヤモンドが用いられてもよい。多結晶体ダイヤモンド粒子は、微粒のグラファイトまたは非グラファイト状炭素を、鉄族元素などの結合材を含まずに焼結させることによって作られ得る。
シャンク52は軸方向AXに沿って延在している。図1に示すように、突起部PPから稜線部PS1が延びる方向と突起部PPから稜線部PS2が延びる方向との中間の方向に軸方向AXがおおよそ沿うように、刃先51がシャンク52に取り付けられていてもよい。
(ガラス基板の分断方法)
本実施の形態においては、ガラス基板4の分断方法であって、特に、トレンチライン(詳しくは後述する)の形成のためにガラス基板4の上面SF1上で刃先51(図1および図2)が方向DAに摺動させられる工程を含むものについて説明する。
ステップS10(図3)にて、分断されることになるガラス基板4(図1)が準備される。ガラス基板4は、上面SF1(一の面)と、その反対の下面SF2(他の面)とを有している。さらに図4を参照して、上面SF1を囲む縁は、互いに対向する辺ED1および辺ED2を含む。図4で示す例においては、縁は長方形状である。よって辺ED1およびED2は互いに平行な辺である。また図4で示す例においては辺ED1およびED2は長方形の短辺である。またガラス基板4は、上面SF1に垂直な厚さ方向DTを有している。またステップS20(図3)にて、上述した、刃先51を有するカッティング器具50(図1および図2)が準備される。
図4および図5を参照して、ステップS30(図3)にてトレンチラインTLが形成される。具体的には、以下の工程が行われる。
まず、上面SF1に刃先51(図1)の突起部PPが位置N1で押し付けられる。位置N1の詳細は後述する。刃先51の押し付けは、図1に示すように、ガラス基板4の上面SF1上で刃先51の稜線部PS2が辺ED1および稜線部PS1の間に配置されるように、かつ刃先51の稜線部PS1が稜線部PS2と辺ED2の間に配置されるように行なわれる。
次に、押し付けられた刃先51がガラス基板4の上面SF1上で摺動させられる(図4の矢印参照)。刃先51(図1)は、上面SF1上で、稜線部PS2から稜線部PS1へ向かう方向DAに摺動させられる。言い換えれば、刃先51は、稜線部PS2から稜線部PS1へ向かう方向を上面SF1上に射影した方向DAに摺動させられる。方向DAは、突起部PPの近傍における稜線部PS1および稜線部PS2の各々の延在方向を上面SF1上に射影した方向におおよそ沿っている。図1においては、方向DAは、刃先51から延びる軸方向AXを上面SF1上へ射影した方向に対応している。よって刃先51はシャンク52によって上面SF1上を引き摺られる。
ガラス基板4の上面SF1上を摺動させられる刃先51(図1)の稜線部PS1および稜線部PS2のそれぞれは、ガラス基板4の上面SF1と角度AG1(第1の角度)および角度AG2(第2の角度)をなしている。角度AG2は角度AG1よりも大きい。
この摺動によって上面SF1上に塑性変形が発生させられる。これにより上面SF1上に、溝形状を有するトレンチラインTL(図4においては5つのライン)が形成される。このようにトレンチラインTLはガラス基板4の塑性変形によって生じ、この塑性変形はガラス基板の表面が削れない、低い荷重で十分に形成されるが、ガラス基板4が若干削れてもよい。ただしこのような削れは、好ましくない微細な破片を生じ得ることから、生じないことが好ましい。
トレンチラインTLの形成は、位置N1および位置N3の間で行なわれる。位置N1およびN3の間には位置N2が位置する。よってトレンチラインTLは、位置N1およびN2の間と、位置N2およびN3の間とに形成される。位置N1およびN3は、図4に示すように、ガラス基板4の上面SF1の縁から離れて位置していることが好ましい。これにより、ガラス基板4の縁の欠けが発生することが防止される。位置N1およびN2のうち位置N1の方が辺ED1により近く、また位置N1およびN2のうち位置N2の方が辺ED2により近い。なお図4に示す例では、位置N1は辺ED1およびED2のうち辺ED1に近く、位置N2は辺ED1およびED2のうち辺ED2に近いが、位置N1およびN2の両方が辺ED1またはED2のいずれか一方の近くに位置してもよい。
トレンチラインTLが形成される際には、本実施の形態においては、位置N1から位置N2へ刃先51が変位させられ、さらに位置N2から位置N3へ変位させられる。すなわち、図1を参照して、刃先51が、辺ED1から辺ED2へ向かう方向である方向DAへ変位させられる。
図5を参照して、トレンチラインTLを形成する工程は、トレンチラインTLの下方においてガラス基板4がトレンチラインTLの延在方向(図4における横方向)と交差する方向DCにおいて連続的につながっている状態であるクラックレス状態が得られるように行なわれる。クラックレス状態においては、塑性変形によるトレンチラインTLは形成されているものの、それに沿ったクラックは形成されていない。よって従来のブレイク工程のようにガラス基板4に単純に曲げモーメントなどを発生させる外力を加えても、トレンチラインTLに沿った分断は容易には生じにくい。クラックレス状態を得るために、刃先51に加えられる荷重は、トレンチラインTL形成時にはクラックが発生しない程度に小さく、かつ後の工程でクラックを発生させることができる内部応力の状態を作り出すような塑性変形が発生する程度に調整される。
上記クラックレス状態は所望の時間に渡って維持され得る。クラックレス状態の維持のためには、トレンチラインTLにおいてガラス基板4に対して過度の応力が加わるような操作、たとえば基板に破損を生じるような大きな外部応力の印加または大きな温度変化を伴う加熱、が避けられればよい。その間に、ガラス基板4が搬送されたり、保管されたり、加工されたりし得る。ガラス基板4の加工は、たとえば、ガラス基板4上に部材(図示せず)を設ける工程であってもよい。
図6を参照して、ステップS50(図3)にて、トレンチラインTLの少なくとも一部に沿って厚さ方向DTにおけるガラス基板4のクラックが伸展させられる。図6においては、形成されていたトレンチラインTL(図4)のうち位置N2および位置N1の間の部分に沿って、位置N2から位置N1へガラス基板4のクラックが伸展させられる。これによってクラックラインCLが形成される。
本実施の形態においては、トレンチラインTLと位置N2で交差するアシストラインALが形成されることをきっかけとして、クラックラインCLの形成が開始される。アシストラインALは、厚さ方向DTにおけるクラックをともなう通常のスクライブラインであってよく、トレンチラインTL付近の内部応力の歪みを解放するものである。アシストラインALの形成方法は、特に限定されないが、図6に示すように、上面SF1の縁を基点として形成されてもよい。
図7を参照して、クラックラインCLによってトレンチラインTLの下方においてガラス基板4はトレンチラインTLの延在方向(図6における横方向)と交差する方向DCにおいて連続的なつながりが断たれている。ここで「連続的なつながり」とは、言い換えれば、クラックによって遮られていないつながりのことである。なお、上述したように連続的なつながりが断たれている状態において、クラックラインCLのクラックを介してガラス基板4の部分同士が接触していてもよく、またトレンチラインTLの直下にわずかに連続的なつながりが残されていてもよい。
本実施の形態においては、トレンチラインTL(図4)に沿ってクラックラインCL(図6)が伸展する方向(図6の破線矢印)は、トレンチラインTLが形成された方向(図4の実線矢印)と逆とされる。クラックラインCLの伸展方向をそのように選択するためには、上述したように、刃先51が方向DAへ摺動される際に角度AG2が角度AG1よりも大きくされていればよい。なお、刃先51が方向DAへ摺動される際に角度AG2が角度AG1よりも小さくされていると、トレンチラインに沿ってクラックラインが伸展する方向は、トレンチラインが形成された方向と同じとなりやすい。また角度AG1および角度AG2がおおよそ同じであると、クラックラインの伸展方向は不安定となりやすい。
よってクラックラインCLの伸展方向をトレンチラインTLの形成方向に対して、より確実に逆とするためには、角度AG2が角度AG1よりも十分に大きくなるように、刃先51の姿勢が調整されればよい。言い換えれば、角度AG2を増大させ、かつ角度AG1を減少させることによって、クラックラインCLの伸展方向をより確実にトレンチラインTLの伸展方向と逆とすることができる。
稜線部PS1と稜線部PS2との間の角度が155°の刃先51を用いた実験によれば、角度AG1=15°かつ角度AG2=10°とすると、クラックラインCLの伸展方向はトレンチラインTLの伸展方向と同じとなった。カッティング器具51(図1)の軸方向AXの調整により、角度AG1=9°かつ角度AG2=16°とすると、クラックラインCLの伸展方向はトレンチラインTLの伸展方向と逆となった。より一般的に言えば、本発明者の検討によれば、角度AG2>角度AG1とすると、クラックラインCLの伸展方向はトレンチラインTLの伸展方向と逆となりやすかった。なお、刃先51の突起部PPは、ある程度鋭利であることが望まれるため、稜線部PS1と稜線部PS2との間の角度は160°程度以下であることが好ましい。
上記のように刃先51の姿勢が選択されることで、トレンチラインTLに沿って位置N2から位置N1の方へ(図6中、破線矢印参照)、厚さ方向DT(図7)におけるガラス基板4のクラックが伸展する。これによりクラックラインCLが形成される。なお、クラックラインの伸展方向が上述したように方向依存性を有することから、クラックラインは、位置N2から位置N1への方向に比して、位置N2から位置N3への方向へは形成されにくい。つまりクラックラインの伸展のしやすさには方向依存性が存在する。よって、クラックラインCLが位置N2およびN1の間には形成され位置N2およびN3の間には形成されない、という現象が生じやすい。本実施の形態は位置N2およびN1間に沿ったガラス基板4の分断を目的としており、位置N2およびN3間に沿ったガラス基板4の分離は目的としていない。よって位置N2およびN1間でクラックラインCLが形成されることが必要である一方で、位置N2およびN3間でのクラックラインの形成されにくさは問題とはならない。
次に、ステップS60(図3)にて、クラックラインCLに沿ってガラス基板4が分断される。すなわち、いわゆるブレイク工程が行なわれる。ブレイク工程は、たとえば、ガラス基板4への外力の印加によって行ない得る。たとえば、ガラス基板4の上面SF1上のクラックラインCL(図7)に向かって下面SF2上に応力印加部材を押し付けることによって、クラックラインCLのクラックを開くような応力がガラス基板4へ印加される。なおクラックラインCLがその形成時に厚さ方向DTに完全に進行した場合は、クラックラインCLの形成とガラス基板4の分断とが同時に生じ得る。
以上によりガラス基板4の分断が行なわれる。なお上述したクラックラインCLの形成工程は、いわゆるブレイク工程と本質的に異なっている。ブレイク工程は、既に形成されているクラックを厚さ方向にさらに伸展させることで基板を完全に分離するものである。一方、クラックラインCLの形成工程は、トレンチラインTLの形成によって得られたクラックレス状態から、クラックを有する状態への変化をもたらすものである。この変化は、クラックレス状態が有する内部応力の開放によって生じると考えられる。内部応力の開放にはそのきっかけとして応力印加が必要であり、本実施の形態においては、アシストラインALの形成がそのようなきっかけとして作用する。
なお上記においては上面SF1の縁が長方形状である場合について説明したが、他の形状が用いられてもよい。また上面SF1が平坦である場合について説明したが、上面は湾曲していてもよい。またトレンチラインTLが直線状である場合について説明したが、トレンチラインは曲線状であってもよい。また脆性基板としてガラス基板4が用いられる場合について説明したが、脆性基板は、ガラス以外の脆性材料から作られていてもよく、たとえば、セラミックス、シリコン、化合物半導体、サファイアまたは石英から作られ得る。
(効果)
本実施の形態によれば、ガラス基板4が分断される位置を規定するラインとして、その下方にクラックを有しないトレンチラインTL(図5)が形成される。分断の直接のきっかけとして用いられることになるクラックラインCL(図7)は、トレンチラインTLの形成後にそれに沿ってクラックを伸展させることで形成される。これにより、ガラス基板4が分断されることになる位置を、垂直クラックを伴わないラインであるトレンチラインTLによって規定することができる。
上記のように、垂直クラックを伴わないラインであるトレンチラインTLが形成される際には、垂直クラックを伴う通常のスクライブラインに比して、ガラス基板4へ刃先51を押し付ける荷重が比較的小さくされる。刃先51の荷重の軽減は、刃先51の摩耗またはガラス基板4の上面SF1のダメージを軽減するのに有用である。
また、角度AG2>角度AG1の条件下において、本実施の形態のように刃先51が方向DA(図1)に向かって摺動させられる場合、刃先51が方向DBに向かって摺動させられる場合に比して、刃先51の局所的な摩耗が生じにくくなる。これにより刃先51の寿命が長くなる。
また、トレンチラインTLの形成後かつクラックラインCLの形成前のガラス基板4(図4)は、ガラス基板4が分断される位置がトレンチラインTLによって規定されつつも、クラックラインCLが未だ形成されていないので容易に分断は生じない状態にある。この状態を用いることで、ガラス基板4が分断される位置を予め規定しつつも、分断されるべき時点より前にガラス基板4が意図せず分断されることを防ぐことができる。たとえば、搬送中にガラス基板4が意図せず分断されることを防ぐことができる。また、このガラス基板4への何らかの加工中にガラス基板4が意図せず分断されることを防ぐことができる。
また、後述する実施の形態2と異なり本実施の形態においては、トレンチラインTLが形成された時点(図3)ではアシストラインAL(図5)は未だ形成されていない。よってクラックレス状態を、アシストラインALからの影響なく、より安定的に維持することができる。
(第1の変形例)
図8を参照して、第1の変形例は、アシストラインALとトレンチラインTLとの位置N2での交差ではクラックラインCL(図6)の形成開始のきっかけが十分に得られない場合に関するものである。図9を参照して、ガラス基板4へ、曲げモーメントなどを発生させる外力を加えることで、アシストラインALに沿って厚さ方向DTにおけるクラックが伸展し、その結果、アシストラインALに沿ってガラス基板4が分離される。これをきっかけとしてクラックラインCLの形成が開始される。本変形例によれば、アシストラインALの形成時にクラックラインCLが形成されなくても、クラックラインCLを形成することができる。
図10を参照して、またアシストラインALは、ガラス基板4の上面SF1に代わり下面SF2上に形成されてもよい。この場合、アシストラインALおよびトレンチラインTLは、平面レイアウト上、位置N2で互いに交差するが、互いに直接は接触しない。
(第2の変形例)
図11を参照して、第2の変形例においては、ステップS30(図3)にてトレンチラインTLが形成される際に、刃先51はガラス基板4の上面SF1に位置N1に比して位置N2でより大きな力で押し付けられる。具体的には、位置N4を位置N1およびN2の間の位置として、トレンチラインTLの形成が位置N4に至った時点で、刃先51の荷重が増大される。言い換えれば、刃先51の荷重が、位置N1およびN4の間に比して、トレンチラインTLの終端部である位置N4およびN3の間で高められる。これにより、終端部以外での荷重を軽減しつつ、位置N2からのクラックラインCLの形成を誘起されやすくすることができる。
<実施の形態2>
本実施の形態におけるガラス基板4の分断方法について、図12〜図14を用いつつ、以下に説明する。
図12を参照して、本実施の形態においては、実施の形態1と異なり、アシストラインALがトレンチラインTLの形成前に形成される。アシストラインALの形成方法自体は、図6(実施の形態1)と同様である。
図13を参照して、次にステップS30(図3)にてトレンチラインTLが形成される。トレンチラインTLの形成方法自体は、図4(実施の形態1)と同様である。アシストラインALおよびトレンチラインTLは位置N2で互いに交差する。
図14を参照して、次に、ガラス基板4へ曲げモーメントなどを発生させる外力を加える通常のブレイク工程によって、アシストラインALに沿ってガラス基板4が分離される。これにより、ステップS50(図3)として、実施の形態1と同様のクラックラインCLの形成が開始される(図中、破線矢印参照)。なお、図13においてはアシストラインALがガラス基板4の上面SF1上に形成されるが、ガラス基板4を分離するためのアシストラインALはガラス基板4の下面SF2上に形成されてもよい。この場合、アシストラインALおよびトレンチラインTLは、平面レイアウト上、位置N2で互いに交差するが、互いに直接は接触しない。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じである。
図15を参照して、次に変形例について説明する。本変形例においては、ステップS30(図3)にてトレンチラインTLが形成される際に、刃先51はガラス基板4の上面SF1に、位置N1に比して位置N2で、より大きな力で押し付けられる。具体的には、位置N4を位置N1およびN2の間の位置として、トレンチラインTLの形成が位置N4に至った時点で、刃先51の荷重が増大される。言い換えれば、刃先51の荷重が、位置N1およびN4の間に比して、トレンチラインTLの終端部である位置N4およびN3の間で高められる。これにより、終端部以外での荷重を軽減しつつ、アシストラインALに沿ったガラス基板4の分離をきっかけとした位置N2からのクラックラインCL(図14)の形成(図3:ステップS50)を誘起されやすくすることができる。
なお上記変形例においてはアシストラインALに沿ったガラス基板4の分離をきっかけとしてクラックラインCLの形成が誘起されるが、さらなる変形例として、トレンチラインTLがアシストラインALと位置N2で交差することをきっかけとしてクラックラインCLの形成が誘起されてもよい。このような誘起を発生させるためには、トレンチラインTLの形成時における位置N2での刃先51の荷重が調整されればよい。この場合、アシストラインALに沿ったガラス基板4の分離工程を省略することができる。
<実施の形態3>
図16を参照して、本実施の形態におけるガラス基板4の分断方法においては、ステップS30(図3)にて、位置N1から位置N2を経由して辺ED2へ達するトレンチラインTLが形成される。
図17を参照して、次に、位置N2と辺ED2との間に、トレンチラインTL付近の内部応力の歪みを解放させるような応力が加えられる。これによりトレンチラインTLに沿ったクラックラインの形成が誘起される(図4:ステップS50)。
応力の印加として具体的には、上面SF1上において位置N2と辺ED2との間(図中、破線および辺ED2の間の領域)で、押し付けられた刃先51が摺動させられる。この摺動は辺ED2に達するまで行なわれる。刃先51は、好ましくは、最初に形成されたトレンチラインTLの軌道に交差するように、より好ましくは、最初に形成されたトレンチラインTLの軌道に重なるように摺動させられる(図17の矢印参照)。この再度の摺動の長さは、たとえば0.5mm程度である。またこの再度の摺動は、複数のトレンチラインTL(図16)が形成された後にそれぞれに対して行なわれてもよく、あるいは、1つのトレンチラインTLの形成および再度の摺動を行なう工程がトレンチラインTLごとに順次行なわれてもよい。
変形例として、位置N2と辺ED2との間に応力を加えるために、上述した刃先51の再度の摺動に代えて、上面SF1上において位置N2と辺ED2との間にレーザ光が照射されてもよい。これにより生じた熱応力によっても、トレンチラインTL付近の内部応力の歪みが解放される。それによりクラックラインの形成開始を誘起することができる。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じである。
<実施の形態4>
図18を参照して、本実施の形態におけるガラス基板4の分断方法においては、ステップS30(図3)にて、位置N1から位置N2へ、そしてさらに位置N3へ刃先51を変位させることによって、上面SF1の縁から離れたトレンチラインTLが形成される。トレンチラインTLの形成方法自体は図4(実施の形態1)とほぼ同様である。
図19を参照して、図17(実施の形態3またはその変形例)と同様の応力印加が行なわれる。たとえば、図19における矢印に示すように、刃先51が、最初に形成されたトレンチラインTLの軌道に部分的に重なるように摺動させられる。これによりトレンチラインTLに沿ったクラックラインの形成が誘起される(図3:ステップS50)。
<実施の形態5>
再び図18を参照して、本実施の形態におけるガラス基板4の分断方法においては、ステップS30(図3)にて、位置N1から位置N2へ、そしてさらに位置N3へ刃先51を変位させることによって、上面SF1の縁から離れたトレンチラインTLが形成される。刃先51はガラス基板4の上面SF1に、位置N1に比して位置N2で、より大きな力で押し付けられる。本実施の形態においては、刃先51が、最初に形成されたトレンチラインTLの軌道に部分的に重なるように、位置N3から位置N2へと逆方向に摺動させられる。この再度の摺動は位置N1から位置N2までと同じ方向へ行われてもよいが、位置N3において刃先51がガラス基板4の上面SFから離れることなく折り返し摺動させられることにより、確実に位置N3から位置N2へ、既に形成されたトレンチラインTL上に刃先を再度摺動させることができる。これによりトレンチラインTLに沿ったクラックラインの形成が誘起される(図3:ステップS50)。
<実施の形態6>
本実施の形態においては、実施の形態1〜4と異なり、トレンチラインTLが、ガラス基板4の上面SF1上で刃先51(図1)を方向DBに摺動させることによって形成される。具体的には、以下の工程が行われる。
まず、上面SF1に刃先51の突起部PPが位置N3で押し付けられる。刃先51の押し付けは、図1を参照して、実施の形態1と同様、ガラス基板4の上面SF1上で刃先51の稜線部PS2が辺ED1および稜線部PS1の間に配置されるように、かつ刃先51の稜線部PS1が稜線部PS2と辺ED2の間に配置されるように行なわれる。
図20を参照して、次に、押し付けられた刃先51がガラス基板4の上面SF1上で摺動される(図中の矢印参照)。刃先51(図1)は、上面SF1上で、稜線部PS1から稜線部PS2へ向かう方向DBに摺動させられる。言い換えれば、刃先51(図1)は、稜線部PS1から稜線部PS2へ向かう方向を上面SF1上に射影した方向DBに摺動させられる。方向DBは、突起部PPの近傍における稜線部PS1および稜線部PS2の各々の延在方向を上面SF1上に射影した方向におおよそ沿っている。図1においては、方向DBは、刃先51から延びる軸方向AXを上面SF1上へ射影した方向と逆の方向に対応している。よって刃先51はシャンク52によって上面SF1上を押し進められる。この摺動によって、刃先51の摺動方向をのぞき実施の形態1と同様に、トレンチラインTLが形成される。
トレンチラインTLが形成される際には、本実施の形態においては、位置N3から位置N2へ刃先51が変位させられ、さらに位置N2から位置N1へ変位させられる。すなわち、図1を参照して、刃先51が、辺ED2から辺ED1へ向かう方向である方向DBへ変位させられる。
次に、実施の形態1(図6)と同様に、トレンチラインTLの少なくとも一部に沿って厚さ方向DTにおけるガラス基板4のクラックが伸展させられる。これによってクラックラインCLが形成される。クラックラインCLの伸展方向は実施の形態1のもの(図6における破線矢印)と同じである。よって本実施の形態においては、トレンチラインTL(図20)に沿ってクラックラインCL(図6)が伸展する方向(図6の破線矢印)は、トレンチラインTLが形成された方向(図20の実線矢印)と同じとされる。クラックラインCLの伸展方向をそのように選択するためには、トレンチラインTLの形成方法が適切に選択されればよい。具体的には、刃先51の姿勢が実施の形態1と同様に選択されればよい。本発明者の検討によれば、クラックラインCLの伸展方向は主に、トレンチラインTLの形成時の刃先51の摺動方向が方向DAおよびDB(図1)のいずれであるかには依存せず、トレンチラインTLの形成時の刃先51の姿勢に依存する。具体的には、角度AG2>角度AG1の場合、トレンチラインTLの形成時に稜線PS1から稜線PS2へ向かう方向が、クラックラインCLの伸展方向となる。
なお本実施の形態においても、実施の形態1における第1の変形例(図8〜図10)および第2の変形例(図11)と同様の変形例が適用可能である。また実施の形態2およびその変形例と同様、トレンチラインTLが形成される前にアシストラインALが形成されてもよい。
4 ガラス基板(脆性基板)
51 刃先
AG1,AG2 角度(第1および第2の角度)
AL アシストライン
CL クラックライン
PP 突起部
PS1〜PS4 稜線部(第1〜第4の稜線部)
SF1 上面(一の面)
TL トレンチライン

Claims (3)

  1. a)一の面を有し、前記一の面に垂直な厚さ方向を有する脆性基板を準備する工程と、
    b)突起部と、平面視において前記突起部から互いに逆方向に延びる第1の稜線部および第2の稜線部と、を有する刃先を準備する工程と、
    c)前記刃先を前記脆性基板の前記一の面上で、前記第2の稜線部から前記第1の稜線部へ向かう方向に摺動させることによって、前記一の面上に塑性変形を発生させることで、溝形状を有するトレンチラインを形成する工程とを備え、前記トレンチラインは、前記トレンチラインの下方において前記脆性基板が前記トレンチラインと交差する方向において連続的につながっている状態であるクラックレス状態が得られるように形成され、さらに
    d)前記トレンチラインが形成された方向と逆方向に向かって前記トレンチラインの少なくとも一部に沿って前記厚さ方向における前記脆性基板のクラックを伸展させることによって、クラックラインを形成する工程を備え、前記クラックラインによって前記トレンチラインの下方において前記脆性基板は前記トレンチラインと交差する方向において連続的なつながりが断たれており、さらに
    e)前記クラックラインに沿って前記脆性基板を分断する工程
    を備える、脆性基板の分断方法。
  2. a)一の面を有し、前記一の面に垂直な厚さ方向を有する脆性基板を準備する工程と、
    b)突起部と、平面視において前記突起部から互いに逆方向に延びる第1の稜線部および第2の稜線部と、を有する刃先を準備する工程と、
    c)前記刃先を前記脆性基板の前記一の面上で、前記第1の稜線部から前記第2の稜線部へ向かう方向に摺動させることによって、前記一の面上に塑性変形を発生させることで、溝形状を有するトレンチラインを形成する工程とを備え、前記トレンチラインは、前記トレンチラインの下方において前記脆性基板が前記トレンチラインと交差する方向において連続的につながっている状態であるクラックレス状態が得られるように形成され、さらに
    d)前記トレンチラインが形成された方向と同じ方向に向かって前記トレンチラインの少なくとも一部に沿って前記厚さ方向における前記脆性基板のクラックを伸展させることによって、クラックラインを形成する工程を備え、前記クラックラインによって前記トレンチラインの下方において前記脆性基板は前記トレンチラインと交差する方向において連続的なつながりが断たれており、さらに
    e)前記クラックラインに沿って前記脆性基板を分断する工程
    を備える、脆性基板の分断方法。
  3. 前記工程c)において、前記刃先の前記第1の稜線部および第2の稜線部のそれぞれは前記脆性基板の前記一の面と第1の角度および第2の角度をなし、前記第2の角度は前記第1の角度よりも大きい、請求項1または2に記載の脆性基板の分断方法。
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