JP2017063985A - バルーンカテーテルおよびケミカルアブレーション装置 - Google Patents

バルーンカテーテルおよびケミカルアブレーション装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガイドワイヤを挿通した状態のガイドワイヤルーメンにエタノールを供給しても、ガイドワイヤルーメンにおけるガイドワイヤの移動(挿入・抜去操作を含む)が妨げられることがなく、しかも、血管形状の追従性に優れたバルーンカテーテルを提供すること。【解決手段】インナーチューブ41と、アウターチューブ43と、バルーン45とを有するオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルであって、インナーチューブ41は、耐エタノール性の良好な樹脂で内層48が形成された相対的に剛性の高い基端部46と、樹脂により形成された相対的に剛性の低い先端チップ部47とを有してなり、先端チップ部47の内径(d1)が基端部46の内径(d2)よりも大きい。【選択図】 図4A

Description

本発明は、例えばマーシャル静脈へのエタノール注入法に好適に使用することのできるバルーンカテーテルおよびケミカルアブレーション装置に関する。
心房細動に対するカテーテル治療として、マーシャル静脈にエタノールを注入投与することにより不整脈起源組織を壊死させるケミカルアブレーション法(マーシャル静脈へのエタノール注入法)が注目されつつある(下記非特許文献1参照)。
ここに、マーシャル静脈(VOM)は、冠静脈洞から分枝し、左房後壁から側壁へ向けて心外膜側を走行している静脈である。
Heart Rhythem.2009 November;6(11):1552−1558(Ethanol Infusion in Vein of Marshall:Adjuctive Effects during Ablation of Atrial Fibrillation)
マーシャル静脈にエタノールを注入投与する方法として、親ガイディングカテーテルと、この親ガイディングカテーテルのルーメンに挿通可能な子ガイディングカテーテルと、マーシャル静脈における電位を測定(ペーシングおよび/またはマッピング)するための電極カテーテルと、先端チップからエタノールを噴射するバルーンカテーテルとを備えたケミカルアブレーションシステムを使用し、下記(1)〜(9)のような手順で実施する方法が考えられる。
ここに、このシステムを構成する電極カテーテルおよびバルーンカテーテルは、ガイドワイヤに沿ってマーシャル静脈に挿入抜去されるものであり、このため、電極カテーテルはガイドワイヤルーメンが形成された筒状体であり、バルーンカテーテルは、ガイドワイヤルーメンおよび拡張ルーメンを有するオーバーザワイヤ型のダブルルーメン構造である。
(1)親ガイディングカテーテルの挿入:
先ず、上大静脈からのアプローチにより、親ガイディングカテーテルの先端を冠状静脈洞の入口部にエンゲージする。
(2)子ガイディングカテーテルの挿入:
次に、親ガイディングカテーテルのルーメンに子ガイディングカテーテルを挿入して、親ガイディングカテーテルの先端開口から延び出させた子ガイディングカテーテルの先端をマーシャル静脈の入口部の近傍に位置させる。
(3)ガイドワイヤの挿入:
次に、子ガイディングカテーテルのルーメンにガイドワイヤを挿入し、子ガイディングカテーテルの先端開口から延び出させたガイドワイヤの先端部分をマーシャル静脈に挿入する。この操作は、通常、透視下でX線像を見ながら行われる。
(4)電極カテーテルの挿入(電位測定):
次に、筒状の電極カテーテルを、ガイドワイヤに沿って子ガイディングカテーテルのルーメンに挿入し、電極が装着されている先端部分を、子ガイディングカテーテルの先端開口から延び出させてマーシャル静脈に挿入し、治療前の電位測定(ペーシング・マッピング)を行う。
(5)電極カテーテルの抜去とバルーンカテーテルの挿入:
次に、ガイドワイヤに沿って電極カテーテルを抜去し、オーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルを、ガイドワイヤに沿って、子ガイディングカテーテルのルーメンに挿入し、子ガイディングカテーテルの先端開口から延び出させた先端部分をマーシャル静脈に挿入する。
(6)ガイドワイヤの抜去とアブレーション治療:
次に、バルーンカテーテルのガイドワイヤルーメンに挿通された状態のガイドワイヤを抜去し、バルーンを拡張させた後に、バルーンカテーテルの後端に接続されている止血弁からガイドワイヤルーメンにエタノールを注入する。注入されたエタノールは、バルーンカテーテルのガイドワイヤルーメンを経由して、先端チップの開口からマーシャル静脈に注入され、これにより、ケミカルアブレーションが行われる。なお、ケミカルアブレーション(エタノールの注入)は、通常、毛細血管が位置している奥側から開始して、バルーンカテーテルを入口部が位置する方向に段階的に移動させながら複数回(3〜4回)に分けて行われる。
(7)ガイドワイヤの再挿入:
次に、アブレーション治療時に抜去したガイドワイヤを、バルーンカテーテルのガイドワイヤルーメンに沿ってマーシャル静脈に再度挿入する。
(8)バルーンカテーテルの抜去:
次に、再挿入したガイドワイヤに沿って、バルーンカテーテルを抜去する。
(9)電極カテーテルの再挿入(電位測定):
次に、上記(4)で使用した電極カテーテルを、ガイドワイヤに沿って親ガイディングカテーテルのルーメンに挿入し、電極が装着されている先端部分をマーシャル静脈に再度挿入して治療後の電位測定(ペーシング・マッピング)を行う。
ここに、電位測定の結果、アブレーションが不十分であると判断された場合には、上記(5)〜(9)の操作を繰り返す。
しかしながら、上記のようなケミカルアブレーションシステムを使用して行われる手技(治療前後の電位測定を含むアブレーション治療)はきわめて煩雑である。
このような問題に対して、本発明者は、治療前後の電位測定を含むケミカルアブレーション治療を簡便に行うことのできるケミカルアブレーション装置として、心内電位を測定可能な電極付ガイドワイヤと;前記電極付ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤルーメンを有するインナーチューブと、前記インナーチューブの外側に配置されて拡張ルーメンを形成するアウターチューブと、前記アウターチューブの先端にその後端が装着されて前記インナーチューブの外側に配置されたバルーンと、前記インナーチューブに連続して、前記バルーンの先端より延び出た位置にある先端チップとを有するオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルと;前記バルーンカテーテルの後端側に接続され、前記バルーンカテーテルのガイドワイヤルーメンと連通するガイドワイヤポートと、前記バルーンカテーテルの拡張ルーメンと連通する拡張ポートとを有するY字コネクタと;前記Y字コネクタのガイドワイヤポートに接続され、前記バルーンカテーテルのガイドワイヤルーメンにアブレーション用の薬液(エタノール)を供給するための側注チューブを備えた止血弁とを備えてなり;前記バルーンカテーテルのガイドワイヤルーメンに供給されたエタノールを、前記先端チップの開口から噴射するケミカルアブレーション装置を提案している(特願2014−206899号明細書参照)。
このケミカルアブレーション装置を構成する電極付ガイドワイヤは、コアワイヤと、前記コアワイヤの最先端部を除いた先端部分を少なくとも内包する樹脂シャフトと、金属シャフトを介してまたは介さずに前記樹脂シャフトの後端側に接続されたコネクタと、前記樹脂シャフトの外周に装着された複数のリング状電極と、前記リング状電極の各々に接続されるとともに、前記樹脂シャフトの内部に挿通されて前記コネクタに接続される複数の導線とを有しており、従来の装置におけるガイドワイヤの機能と電極カテーテルの機能を兼ね備えたものである。
このようなケミカルアブレーション装置において、バルーンカテーテルのガイドワイヤルーメンに電極付ガイドワイヤを挿通させた状態で、Y字コネクタのガイドワイヤポートに接続されている止血弁に備えられた側注チューブから当該ガイドワイヤルーメンにエタノールを供給することにより、先端チップの開口(この開口から延び出ている電極付ガイドワイヤとの隙間)から目的部位にエタノールを噴射することができるので、電極付ガイドワイヤを体内に留置した状態で治療を行うことができ、治療後の電位測定を直ちに実施することができる。そして、測定電位から治療が不十分であると判断すれば、直ちに治療を再開することができる。
従って、従来の装置において、治療前の電位測定のために挿入した電極カテーテルを、治療の際に抜去したり(上記の手順(5))、治療の際にガイドワイヤを抜去したり(上記の手順(6))、治療後の電位測定のために、ガイドワイヤを再挿入し、バルーンカテーテルを抜去し、電極カテーテルを再挿入したり(上記の手順(7)〜(9))するような煩雑な操作を行う必要はない。
然るに、このようなケミカルアブレーション装置による治療の際には、当該装置を構成するバルーンカテーテルのガイドワイヤルーメンにエタノールが供給され、インナーチューブの内周にはエタノールが接触する。これにより、インナーチューブを構成する樹脂がエタノールにより浸食されて徐々に膨潤し、これに伴って、ガイドワイヤルーメンが縮径し、膨潤した樹脂によって電極付ガイドワイヤが固着されることで、ガイドワイヤルーメンにおいて電極付ガイドワイヤを移動させることができなくなったり、ガイドワイヤルーメンにおけるエタノールの流路(インナーチューブの内周とガイドワイヤの外周との間の隙間)が閉塞されて、バルーンカテーテルの先端チップの開口からエタノールを噴射することができなくなったりすることがある(この場合に供給を継続するとエタノールが逆流する)。
このような問題を回避するために、インナーチューブを耐エタノール性の良好な樹脂で形成したり、二層構造のインナーチューブの内層を耐エタノール性の良好な樹脂により形成したりすることが考えられる。
しかしながら、耐エタノール性の良好な樹脂(例えばポリイミド樹脂)を使用してインナーチューブを構成すると、当該インナーチューブは剛性が高くて撓みにくくなり、これを備えたバルーンカテーテルは血管形状の追従性に劣るもの、すなわち、複雑な血管形状に追従して変形できないためにそのような血管への挿通性に劣るものとなる。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、ガイドワイヤ(電極付ガイドワイヤ)を挿通した状態のガイドワイヤルーメンにエタノールを供給しても、ガイドワイヤルーメンにおけるガイドワイヤの移動(挿入・抜去操作を含む)が妨げられることがなく、しかも、複雑な血管形状に追従することができるバルーンカテーテルを提供することにある。
本発明の他の目的は、治療前後の電位測定を含むケミカルアブレーション治療、特に、マーシャル静脈へのエタノール注入法に係る手技を簡便に行うことのできるケミカルアブレーション装置を提供することにある。
(1)本発明のバルーンカテーテルは、ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤルーメンを有するインナーチューブと、前記インナーチューブの外側に配置されて拡張ルーメンを形成するアウターチューブと、前記アウターチューブの先端に装着されて前記インナーチューブの外側に配置されたバルーンとを有するオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルであって、
前記インナーチューブは、耐エタノール性の良好な樹脂で少なくとも内層が形成されている相対的に剛性の高い基端部と、樹脂により形成された相対的に剛性の低い先端チップ部とを有してなり、
前記先端チップ部の内径が前記基端部の内径よりも大きいことを特徴とする。
本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記基端部の内径に対する前記先端チップ部の内径の比は1.02以上であることが好ましい。
このような構成のバルーンカテーテルによれば、インナーチューブの基端部においては、耐エタノール性の良好な樹脂によって少なくとも内層が形成されているので、基端部における内周にエタノールが接触しても、当該基端部の構成樹脂が膨潤することを防止することができる。
一方、インナーチューブの先端チップ部は、耐エタノール性の良好な樹脂によって構成されていないものの、先端チップ部の内径は基端部の内径よりも大きいので、先端チップ部の構成樹脂が膨潤して、先端チップ部におけるガイドワイヤルーメンが縮径したとしても、縮径後の内径がある程度確保されるため、膨潤した樹脂によってガイドワイヤが固着されることを回避することができ、この結果、ガイドワイヤの移動(挿入・抜去操作を含む)が妨げられるのを防止することができる。また、縮径後においても、ガイドワイヤルーメンにおけるエタノールの流路(先端チップ部の内周とガイドワイヤの外周との間の隙間)を確保することができるので、先端チップ部の開口からエタノールを噴射することができる。
また、インナーチューブの基端部が撓みにくくても、先端チップ部が撓みやすくなっているので、そのようなインナーチューブを備えたバルーンは、血管形状に対する追従性に優れたものとなる。
本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記基端部の内径と、前記ガイドワイヤルーメンに挿通される前記ガイドワイヤの外径との差が0.05〜0.60mmであり、前記先端チップ部の内径と前記基端部の内径との差が0.02mm以上であることが好ましい。
本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記基端部と前記先端チップ部との接合部分が前記バルーンの内側に位置していることが好ましい。
このような構成のバルーンカテーテルによれば、エタノールが供給されたガイドワイヤルーメンにおけるガイドワイヤの挿通性と、血管形状に対する追従性をバランスよく兼ね備えることができる。
本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記先端チップ部の外径が前記基端部の外径と等しいこと(先端チップ部と基端部の境界においてインナーチューブの外周に段差がないこと)が好ましい。
このような構成のバルーンカテーテルによれば、先端チップ部の外径を小さくすることができるため、シースや血管への挿入性を向上させることができる。
本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記基端部が、耐エタノール性の良好な樹脂により形成された内層と、樹脂により形成された外層とからなる二層チューブにより構成され、
前記先端チップ部が、前記基端部の外層の構成樹脂と同一の樹脂からなる単層チューブにより構成されていることが好ましい。
この場合において、前記基端部の外層および前記先端チップ部の構成樹脂がポリエーテルブロックアミド共重合体であり、前記基端部の内層の構成樹脂がポリイミドであることが好ましい。
本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記ガイドワイヤが心内電位を測定可能な電極付ガイドワイヤであることが好ましい。
本発明のケミカルアブレーション装置は、電極付ガイドワイヤと、
本発明のバルーンカテーテルと、
ガイドワイヤポートおよび拡張ポートを有するY字コネクタと、
Y字コネクタのガイドワイヤポートに接続され、ガイドワイヤルーメンにエタノールを供給するための側注チューブを有する止血弁とを備えてなることを特徴とする。
本発明のバルーンカテーテルによれば、ガイドワイヤ(電極付ガイドワイヤ)を挿通した状態のガイドワイヤルーメンにエタノールを供給しても、ガイドワイヤルーメンにおけるガイドワイヤの移動(挿入・抜去操作を含む)が妨げられることがなく、しかも、本発明のバルーンカテーテルは、複雑な血管形状に追従して、そのような血管に容易に挿通することができる。
本発明のケミカルアブレーション装置によれば、治療前後の電位測定を含むケミカルアブレーション治療、特に、マーシャル静脈へのエタノール注入法に係る手技を簡便に行うことができる。
本発明の第1実施形態に係るバルーンカテーテルを示す側面図である。 図1の部分拡大図(II部詳細図)である。 図2の IIIA− IIIA断面図である。 図2の IIIB− IIIB断面図である。 図2の部分拡大断面図である。 図4Aの部分拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るバルーンカテーテルの部分拡大断面図である。 図5Aの部分拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係るバルーンカテーテルの部分拡大断面図である。 本発明の第4実施形態に係るバルーンカテーテルの部分拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係るバルーンカテーテルの部分拡大断面図である。 本発明の第6実施形態に係るバルーンカテーテルの部分拡大断面図である。 本発明のバルーンカテーテルを備えたケミカルアブレーション装置の一例を示す側面図である。 図10のXIA−XIA断面図である。 図10のXIB−XIB断面図である。 図10に示したケミカルアブレーション装置を構成する電極付ガイドワイヤを示す側面図である。 図12の部分拡大図(XIII部詳細図)である。 図13の XIV−XIV 断面図である。 図13のXVA−XVA断面図である。 図13のXVB−XVB断面図である。 図13のXVC−XVC断面図である。 図13のXVD−XVD断面図である。 図12のXVE−XVE断面図である。 図10に示したケミカルアブレーション装置の使用状態を示す説明図である。
<第1実施形態>
図1〜図4(図4Aおよび図4B)に示す本実施形態のバルーンカテーテル40は、マーシャル静脈へのエタノール注入法に使用されるバルーンカテーテルである。
このバルーンカテーテル40は、ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤルーメン42を有するインナーチューブ41と、インナーチューブ41の外側に配置されて拡張ルーメン44を形成するアウターチューブ43と、アウターチューブ43の先端に装着されて、インナーチューブ41の外側に配置されたバルーン45とを有するオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルであって、インナーチューブ41は、相対的に剛性の高い基端部46と、相対的に剛性の低い先端チップ部47とが接合されてなり、インナーチューブ41の基端部46は、耐エタノール性の良好な樹脂により形成された内層48と、樹脂により形成された外層49とからなる二層チューブによって構成され、インナーチューブ41の先端チップ部47は、基端部46の外層49の構成樹脂と同一の樹脂からなる単層チューブにより構成されており、先端チップ部47の内径(d1 )が基端部46の内径(d2 )よりも大きく、その比率(d1 )/(d2 )が1.02以上のバルーンカテーテルである。
本実施形態のバルーンカテーテル40は、インナーチューブ41と、アウターチューブ43と、バルーン45とを有するオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルである。
バルーンカテーテル40を構成するインナーチューブ41は、ガイドワイヤ(図示省略)を挿通可能な内径のガイドワイヤルーメン42を有している。
このガイドワイヤルーメン42は、ガイドワイヤの挿通路となるとともに、アブレーション用の薬液であるエタノールの流路となる。
バルーン45の内部におけるインナーチューブ41の外周(2箇所)には造影マーカー417が装着されている。
インナーチューブ41は、相対的に剛性の高い基端部46と、相対的に剛性の低い先端チップ部47とが接合されてなる。
具体的には、基端部46を構成する樹脂チューブと、先端チップ部47を構成する樹脂チューブとを熱融着することによって接合されている。
インナーチューブ41の基端部46は、内層48と外層49とからなる二層構成の樹脂チューブにより構成されている。
インナーチューブ41の基端部46を構成する内層48は耐エタノール性の良好な樹脂によって形成されている。
ここに、「耐エタノール性の良好な樹脂」とは、エタノールに不溶で、エタノールと接触させたときに膨潤や変質などを起こしにくい樹脂をいう。
そのような樹脂としては、ポリイミド、PTFEやPFAのようなフッ素樹脂、ゴム系樹脂、ポリエチレンなどを挙げることができ、これらのうちポリイミドが好ましい。
然るに、インナーチューブ41の構成材料として使用可能である耐エタノール性の良好な樹脂は剛性が高いものである。これにより、基端部46の剛性は不可避的に高くなり、基端部46は撓みにくいものとなる。
インナーチューブ41の基端部46を構成する外層49を形成する樹脂としては、インナーチューブを構成する従来公知の樹脂を使用することができ、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン、ナイロン、PEBAX(登録商標)(ポリエーテルブロックアミド共重合体)などの合成樹脂を挙げることができ、これらのうち、基端部46の剛性を低下させる観点から柔軟性のある樹脂が好ましく、具体的にはPEBAXが好ましい。
インナーチューブ41の先端チップ部47は、単層の樹脂チューブから構成されている。先端チップ部47は、その剛性が基端部46よりも低いために、インナーチューブ41の先端部分に柔軟性を付与することができる。これにより、当該インナーチューブ41を備えたバルーンカテーテル40を、血管形状に対する追従性に優れたものとすることができる。
インナーチューブ41の先端チップ部47(単層の樹脂チューブ)を形成する樹脂としては、基端部46よりも低い剛性のチューブを形成することのできる樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、基端部46の外層49を形成する樹脂として例示したものを挙げることができる。これらのうち、基端部46の外層49の構成樹脂と同一の樹脂を使用することが好ましく、具体的にはPEBAXが好ましい。
図4(図4Aおよび図4B)に示すように、先端チップ部47の内径(d1 )は基端部46の内径(d2 )よりも大きくなっている。
ここに、基端部46の内径(d2 )としては、ガイドワイヤが挿入された状態であってもエタノールの流路を確保する観点から、挿入されるガイドワイヤの外径より0.05〜0.60mm程度大きいことが好ましい。
具体的には、0.68mm以上であることが好ましく、更に好ましくは0.70〜0.90mm、好適な一例を示せば0.78mmである。
基端部46の外径(D2 )としては、0.80〜1.00mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.90mmである。
基端部46の長さとしては、800〜1500mmであることが好ましく、好適な一例を示せば1100mmである。
先端チップ部47の内径(d1 )としては、エタノールとの接触による樹脂の膨潤後においても、エタノールの流路を確保する観点から、挿入されるガイドワイヤの外径より0.07〜0.62mm程度大きいことが好ましい。
具体的には、0.70mm以上であることが好ましく、更に好ましくは0.72〜0.92mm、好適な一例を示せば0.81mmである。
先端チップ部47の外径(D1 )としては、0.85〜1.05mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.93mmである。
先端チップ部47の長さとしては1〜12mmであることが好ましく、好適な一例を示せば6mmである。
基端部46の内径に対する先端チップ部47内径の比率(d1 )/(d2 )としては1.02以上であることが好ましく、更に好ましくは1.02〜1.10、好適な一例を示せば1.04(≒0.81/0.78)である。
この比率(d1 )/(d2 )が1.02未満である場合には、ガイドワイヤルーメン42においてガイドワイヤを移動させることが困難となる場合がある。
また、先端チップ部47内径と基端部46の内径との差〔(d1 )−(d2 )〕としては0.02mm以上であることが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.10mm、好適な一例を示せば0.03mm(0.81mm−0.78mm)である。
バルーンカテーテル40を構成するアウターチューブ43は、バルーン45を拡張させるための流体の流路となる拡張ルーメン44を形成する。
ここに、拡張ルーメン44に供給される流体としては生理食塩水を例示することができる。
アウターチューブ43の外径としては1.00〜1.70mmであることが好ましく、好適な一例を示せば1.21mmである。
アウターチューブ43の内径としては0.80〜1.55mmであることが好ましく、好適な一例を示せば1.00mmである。
アウターチューブ43の長さは700〜1300mmであることが好ましく、好適な一例を示せば1000mmである。
アウターチューブ43の構成材料としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン、ナイロン、PEBAX(登録商標)(ポリエーテルブロックアミド)などの合成樹脂を挙げることができ、これらのうちPEBAXが好ましい。
バルーンカテーテル40を構成するバルーン45は、アウターチューブ43の先端に装着されて、アウターチューブ43の先端から延び出ているインナーチューブ41の外側に配置されている。
バルーン45の拡張時における直径としては、通常1.0〜3.0mmとされ、好ましくは1.5〜2.5mmとされる。
バルーン45の長さとしては、通常5〜30mmとされ、好ましくは10〜20mmとされる。
バルーン45の構成材料としては、従来公知のバルーンカテーテルを構成するバルーンと同一のものを使用することができ、好適な材料としてPEBAXを挙げることができる。
図1に示すように、バルーンカテーテル40の後端側には、Y字コネクタ50が装着されている。このY字コネクタ50には、バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42に連通するガイドワイヤポート51と、バルーンカテーテル40の拡張ルーメン44に連通する拡張ポート53とを有している。同図において、55はストレインリリーフである。
Y字コネクタ50のガイドワイヤポート51には、止血弁60が装着されている。
ガイドワイヤは、この止血弁60を介して、Y字コネクタ50のガイドワイヤポート51から、バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42に挿入される。
止血弁60は側注チューブ65を備えており、この側注チューブ65から、アブレーション用の薬液であるエタノールが供給される。
側注チューブ65から止血弁60に供給されたエタノールは、Y字コネクタ50のガイドワイヤポート51から、バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42に供給され、インナーチューブ41(先端チップ部47)の先端開口から噴射される。
本実施形態のバルーンカテーテル40によれば、インナーチューブ41の基端部46の内層48が耐エタノール性の良好な樹脂により形成されているので、当該基端部46における内周にエタノールが接触しても、当該基端部46の構成樹脂が膨潤することはない。
一方、インナーチューブ41の先端チップ部47は、耐エタノール性の良好な樹脂によって構成されていないものの、先端チップ部47の内径(d1 )が基端部46の内径(d2 )よりも大きい(例えば、比率(d1 )/(d2 )が1.04である)ので、先端チップ部47の構成樹脂が膨潤して先端チップ部47におけるガイドワイヤルーメン42が縮径したとしても、縮径後の内径がある程度確保される(基端部46の内径の同等程度に維持される)ことにより、膨潤した樹脂によってガイドワイヤが固着されることを回避することができ、この結果、ガイドワイヤの挿入・抜去操作を含む移動操作が妨げられるのを防止することができる。
また、縮径後においても、インナーチューブ41の内周とガイドワイヤの外周との隙間が閉塞されずに、ガイドワイヤルーメン42におけるエタノールの流路を確保することができるので、インナーチューブ41(先端チップ部47)の先端開口から、エタノールを噴射することができる。
また、インナーチューブ41の基端部46が撓みにくくても、先端チップ部47が撓みやすくなっているので、そのようなインナーチューブ41を備えた本実施形態のバルーンカテーテル40は、血管形状に対する追従性に優れたものとなる。
また、インナーチューブ41の基端部46と先端チップ部47との接合部分がバルーン45の内側に位置していることにより、本実施形態のバルーンカテーテルは、エタノールが供給されたガイドワイヤルーメン42におけるガイドワイヤの挿通性と、血管形状に対するバルーンカテーテル40の追従性とをバランスよく兼ね備えたものとなる。
<第2実施形態>
その要部を図5(図5Aおよび図5B)に示す本実施形態のバルーンカテーテル402は、これを構成するインナーチューブ412の形態のみが第1実施形態のバルーンカテーテル40と異なる。
すなわち、インナーチューブ412においては、先端チップ部472の内径(d1 )は基端部462の内径(d2 )よりも大きくなっているが、先端チップ部472の外径(D)と基端部462の外径(D)とは等しく、先端チップ部472と基端部462の接合部分において、インナーチューブ412の外周に段差がない。
ここに、基端部462の内径(d2 )としては、挿入されるガイドワイヤの外径よりも0.05〜0.60mm程度大きいことが好ましい。
具体的には、0.68mm以上であることが好ましく、更に好ましくは0.70〜0.90mm、好適な一例を示せば0.78mmである。
先端チップ部472の内径(d1 )としては、挿入されるガイドワイヤの外径より0.07〜0.62mm程度大きいことが好ましい。
具体的には、0.70mm以上であることが好ましく、更に好ましくは0.72〜0.92mm、好適な一例を示せば0.81mmである。
基端部462の内径に対する先端チップ部472内径の比率(d1 )/(d2 )としては1.02以上であることが好ましく、更に好ましくは1.02〜1.10、好適な一例を示せば1.04(≒0.81/0.78)である。
インナーチューブ412の外径(D)としては、0.80〜1.00mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.90mmである。
本実施形態のバルーンカテーテル402によれば、第1実施形態のバルーンカテーテル40と同様の効果を奏するとともに、インナーチューブ412の外周に段差がなく、先端チップ部の外径を小さくすることができるため、シースや血管への挿入性を向上させることができる。
<第3実施形態>
その要部を図6に示す本実施形態のバルーンカテーテル403は、これを構成するインナーチューブ413の形態のみが第1実施形態のバルーンカテーテル40と異なる。
すなわち、インナーチューブ413においては、先端チップ部473と基端部463の接合部分が、第1実施形態における接合部分よりも先端側(バルーン45の先端近傍)に位置している。
このようなバルーンカテーテル403によれば、エタノールが供給されたガイドワイヤルーメン42におけるガイドワイヤの挿通性が特に優れたものとなる。
なお、先端チップ部と基端部の接合部分が、図6に示した位置よりも更に先端側にある場合(例えば、バルーン45の先端より先端側にある場合)には、先端チップ部の長さが十分に確保されないことになり、血管形状に対する追従性が低下することがある。
<第4実施形態>
その要部を図7に示す本実施形態のバルーンカテーテル404は、これを構成するインナーチューブ414の形態のみが第3実施形態のバルーンカテーテル403と異なる。
すなわち、インナーチューブ414においては、先端チップ部474の外径(D)と基端部464の外径(D)とは等しく、先端チップ部474と基端部464の接合部分において、インナーチューブ414の外周に段差がない。
<第5実施形態>
その要部を図8に示す本実施形態のバルーンカテーテル405は、これを構成するインナーチューブ415の形態のみが第1実施形態のバルーンカテーテル40と異なる。
すなわち、インナーチューブ415においては、先端チップ部475と基端部465の接合部分が、第1実施形態における接合部分よりも基端側(バルーン45の基端近傍)に位置している。
このようなバルーンカテーテル405は、インナーチューブ415における先端チップ部475の長さが十分に確保されているので、先端部分の柔軟性に優れており、血管形状に対する追従性が特に優れたものとなる。
なお、先端チップ部と基端部の接合部分が、図7に示した位置よりも更に基端側にある場合(例えば、バルーン45の基端より基端側にある場合)には、エタノールが供給されたガイドワイヤルーメン42におけるガイドワイヤの挿通性が低下することがある。
<第6実施形態>
その要部を図9に示す本実施形態のバルーンカテーテル406は、これを構成するインナーチューブ416の形態のみが第5実施形態のバルーンカテーテル405と異なる。
すなわち、インナーチューブ416においては、先端チップ部476の外径と基端部466の外径とは等しく、先端チップ部476と基端部466の接合部分において、インナーチューブ416の外周に段差がない。
<ケミカルアブレーション装置>
図10は、本発明のバルーンカテーテルを備えたケミカルアブレーション装置の一例を示す側面図である。
図10〜図15(図15A〜図15D)に示すこのケミカルアブレーション装置は、コアワイヤ31と、コアワイヤ31の最先端部において軸方向に沿って装着されたコイルスプリング33と、コアワイヤ31の最先端部を除いた先端部分を内包する樹脂シャフト35と、樹脂シャフト35の後端側に接続された金属シャフト37と、金属シャフト37の後端側に接続されたコネクタ39と、コアワイヤ31の最先端部に装着された電極361,362と、樹脂シャフト35の外周に装着されたリング状電極363,364,365,366と、電極361〜366の各々に接続されるとともに、樹脂シャフト35および金属シャフト37の内部に挿通されてコネクタ39に接続される導線381〜386とを有する、心内電位を測定可能な電極付ガイドワイヤ30と;
本発明の第1実施形態のバルーンカテーテル40と;
バルーンカテーテル40の後端側に接続され、バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42と連通するガイドワイヤポート51と、バルーンカテーテル40の拡張ルーメン44と連通する拡張ポート53とを有するY字コネクタ50と;
Y字コネクタ50のガイドワイヤポート51に接続され、バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42にアブレーション用の薬液であるエタノールを供給するための側注チューブ65を備えた止血弁60とを備えてなり;
バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42に供給されたエタノールを、当該ガイドワイヤルーメン42(電極付ガイドワイヤ30が挿通された状態のガイドワイヤルーメン)を通して、インナーチューブ41(先端チップ部47)の先端開口から噴射する装置である。
このケミカルアブレーション装置を構成する電極付ガイドワイヤ30は、ガイドワイヤとして使用することができる細径の電極カテーテルである。
電極付ガイドワイヤ30は、コアワイヤ31と、コイルスプリング33と、樹脂シャフト35と、金属シャフト(ハイポチューブ)37と、コネクタ39と、電極361〜366と、導線381〜386とを有している。
なお、図13〜図14、図15Bおよび図15Dにおいて、341および342は、それぞれ、接着剤から構成されるリング状の絶縁部材である。
また、345は、樹脂材料から構成されるストレインリリーフである。
電極付ガイドワイヤ30を構成するコアワイヤ31は、通常、先端側小径部311と、先端側小径部より外径の大きな基端側大径部312とを有している。
図14に示すように、本実施形態においては、先端側小径部311によって、コアワイヤ31の最先端部が構成されている。
なお、先端側小径部311と基端側大径部312との間に、軸方向に沿って外径が変化するテーパ部が形成されていてもよい。
コアワイヤ31の先端は、電極361(先端電極)の内部に挿入されてハンダ等により固定され、コアワイヤ31の基端は、例えば、金属シャフト37の基端に固定されている。
コアワイヤ31の先端側小径部311の外径としては、例えば0.01〜0.15mm、好ましくは0.04〜0.08mmとされる。
また、コアワイヤ31の基端側大径部312の外径としては、例えば0.10〜0.20mm、好ましくは0.12〜0.16mmとされる。
コアワイヤ31の構成材料としては、特に限定されるものではないが、ステンレス(例えばSUS316、SUS304)、金、白金、アルミニウム、タングステン、タンタルまたはこれらの合金、Ni−Tiなどを挙げることができ、これら金属の表面は樹脂被覆されていてもよい。
ここに、コアワイヤ31の好適な構成材料としてステンレスを挙げることができる。
コアワイヤ31の最先端部(先端側小径部311)には、当該コアワイヤ31の軸方向に沿って、コイルスプリング33が装着されている。
コイルスプリング33のコイル外径は0.76mm以下であることが好ましく、好適な一例を示せば0.36mm(0.014インチ)である。
コイルスプリング33の長さとしては、例えば5〜30mmとされ、好ましくは8〜15mmとされる。
コイルスプリング33の構成材料としても特に限定されるものではないが、ステンレス(例えばSUS316、SUS304)などを挙げることができ、コイルスプリング33の表面は樹脂被覆されていてもよい。
コイルスプリング33の先端は、絶縁部材342を形成する接着剤によってコアワイヤ31に固定され、コイルスプリング33の後端は、ストレインリリーフ345を形成する樹脂材料により、コアワイヤ31および樹脂シャフト35の先端に固定されている。
上記のようなコアワイヤ31とコイルスプリング33との構造により、ガイドワイヤに要求される柔軟性、曲げ剛性、トルク伝達性を確保することができ、ガイドワイヤとしての操作性を満足することができる。
コイルスプリング33が装着されている最先端部を除いたコアワイヤ31の先端部分(基端側大径部312)は、樹脂シャフト35により内包されている。
電極付ガイドワイヤ30を構成する樹脂シャフト35は、中央ルーメン350と、その周囲に60°間隔で配列された6つのサブルーメン351〜356とを有するマルチルーメン構造体である。
樹脂シャフト35において、中央ルーメン350およびサブルーメン351〜356は、例えば、低硬度のナイロンエラストマーからなるインナー部357に形成されている。 また、これらのルーメン350〜356を有するインナー部357の外周面は、例えば、高硬度のナイロンエラストマーからなるアウター部359によって被覆されている。
樹脂シャフト35の外径としては、バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42に挿入可能であり、樹脂シャフト35が挿入された状態においてもエタノールの流路(隙間)を確保する観点から0.89mm以下であることが好ましく、好適な一例を示せば0.64mm(0.025インチ)である。
樹脂シャフト35の長さとしては、例えば10〜40mmとされ、好ましくは15〜25mmとされる。
樹脂シャフト35に形成されている中央ルーメン350の径は、例えば0.13〜0.20mmとされ、好ましくは0.15〜0.18mmとされる。
また、樹脂シャフト35に形成されているサブルーメン351〜356の径は、例えば0.10〜0.20mmとされ、好ましくは0.12〜0.16mmとされる。
樹脂シャフト35の中央ルーメン350には、コアワイヤ31の基端側大径部312が挿通されている。
樹脂シャフト35は、その後端部におけるアウター部359を剥離して露出させたインナー部357が金属シャフト37の先端開口に挿入されることにより、当該金属シャフト37と接続している。
電極付ガイドワイヤ30を構成する金属シャフト37は、ステンレス、Ni−Ti、Cu−Mn−Al合金などから構成されたシングルルーメン構造体である。
金属シャフト37の後端側にはコネクタ39が接続されている。
金属シャフト37の外径としては、樹脂シャフト35の外径と同じか、僅かに小さいことが好ましい。
金属シャフト37の長さとしては、例えば800〜2200mmとされ、好ましくは1200〜1600mmとされる。
コアワイヤ31の最先端部には、コイルスプリング33の装着位置より先端側において、心内電位(バイポーラ電位)を測定するための電極361および362が装着されている。
電極361および362の外径が何れも0.76mm以下である。
電極361および362の各々には、導線381および382の各々の先端部が接続されており、導線381および382の各々は、樹脂シャフト35の内部(サブルーメン351および352)および金属シャフト37の内部に挿通され、各々の後端部がコネクタ39に接続されている。
また、樹脂シャフト35の外周には、心内電位を測定するためのリング状電極363,364,365,366が装着されている。
これらリング状電極363〜366の各々には、導線383〜386の各々の先端部が接続されており、導線383〜386の各々は、樹脂シャフト35の内部(サブルーメン353〜356)および金属シャフト37の内部に挿通され、各々の後端部がコネクタ39に接続されている。
本実施形態のケミカルアブレーション装置を使用することによれば、下記のような手順でマーシャル静脈(VOM)へのエタノール注入法を実施することができる。
すなわち、電極付ガイドワイヤ30を挿入して電位を測定し、電極付ガイドワイヤ30に沿ってバルーンカテーテル40をマーシャル静脈に挿入し、電極付ガイドワイヤ30を抜去することなく、バルーンカテーテル40を構成するインナーチューブ41(先端チップ部47)の先端開口からエタノールをフラッシュする。
以下、詳細に説明する。
(1)親ガイディングカテーテルの挿入:
先ず、上大静脈からのアプローチにより、親ガイディングカテーテルの先端を冠状静脈洞(CS)の入口部にエンゲージする。
なお、この段階で、オーバーザワイヤ型のバルーンカテーテル(本実施形態のケミカルアブレーション装置を構成するものとは別のバルーンカテーテル)を親ガイディングカテーテルのルーメンに挿入し、冠状静脈洞(CS)の入口部でバルーンを拡張させてオクルージョンするとともに、このバルーンカテーテルの先端チップから造影剤を噴射して冠状静脈洞(CS)を造影することによりマーシャル静脈(VOM)の有無を確認してもよい。
(2)子ガイディングカテーテルの挿入:
次に、親ガイディングカテーテルのルーメンに子ガイディングカテーテルを挿入して、親ガイディングカテーテルの先端開口から延び出させた子ガイディングカテーテルの先端をマーシャル静脈(VOM)の入口部の近傍に位置させる。
(3)電極付ガイドワイヤ30の挿入(治療前の電位測定):
予め、電極付ガイドワイヤ30を、バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42に挿入して、電極付ガイドワイヤ30の先端を、先端チップ部47の開口から引き出しておく。このように両者を接続した状態で、電極付ガイドワイヤ30を操作する。
子ガイディングカテーテルのルーメンに電極付ガイドワイヤ30およびバルーンカテーテル40を挿入し、子ガイディングカテーテルの先端開口から延び出させた電極付ガイドワイヤ30の先端部分(リング状電極361〜366が装着されている部分)をマーシャル静脈(VOM)に挿入して治療前の電位測定(ペーシング・マッピング)を行う。
なお、電極付ガイドワイヤ30の先端は、一般的な医療用ガイドワイヤの先端と同等の性能を備えているため、先端をシェイピングしてカーブ形状などをつけることができる。そして、一般的な医療用ガイドワイヤと同様の操作を行うことができるため、比較的容易にマーシャル静脈に電極付ガイドワイヤ30を導くことができる。
(4)バルーンカテーテル40の挿入とアブレーション治療:
次に、電極付ガイドワイヤ30にインナーチューブ41を嵌挿することによって、電極付ガイドワイヤ30に沿ってバルーンカテーテル40をマーシャル静脈(VOM)に挿入する。
図16は、親ガイディングカテーテル10の先端開口から、子ガイディングカテーテル20を延び出させ、この子ガイディングカテーテル20の先端開口から延び出たバルーンカテーテル40が、電極付ガイドワイヤ30に沿って、マーシャル静脈(VOM)に挿入されている状態を示している。
図16に示した状態において、電極付ガイドワイヤ30を構成する樹脂シャフト35の先端部分は、インナーチューブ41(先端チップ部47)の先端開口から延び出ている。
次に、図16に示した状態、すなわち、電極付ガイドワイヤ30をマーシャル静脈(VOM)に挿入したままの状態で、バルーンカテーテル40のバルーン45を拡張させた後、側注チューブ65からエタノールを注入する。
注入されたエタノールは、止血弁60から、電極付ガイドワイヤ30が挿通されているバルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42を経由し、インナーチューブ41(先端チップ部47)の先端開口からマーシャル静脈(VOM)に注入され、これにより、ケミカルアブレーションが行われる。
なお、ケミカルアブレーション(エタノールの注入)は、通常、毛細血管が位置する奥側から開始して、バルーンカテーテルを入口部が位置する方向に段階的に移動させながら複数回(3〜4回)に分けて行われる。
(5)治療後の電位測定:
次に、バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42に挿入されたままの電極付ガイドワイヤ30により治療後の電位測定(ペーシング・マッピング)を行う。
そして、電位測定の結果、アブレーションが不十分であると判断された場合には、直ちに治療を再開することができる。
本実施形態のケミカルアブレーション装置によれば、治療前後の電位測定を含むマーシャル静脈へのエタノール注入法に係る手技を確実かつ簡便に行うことができる。
また、本実施形態のケミカルアブレーション装置によれば、バルーンカテーテル40のガイドワイヤルーメン42における電極付ガイドワイヤ30の移動操作(挿入・抜去操作を含む)が妨げられることがなく、しかも、バルーンカテーテル40を、複雑な血管形状に追従させて、そのような血管に容易に挿通させることができる。
10 親ガイディングカテーテル
20 子ガイディングカテーテル
30 電極付ガイドワイヤ
31 コアワイヤ
311 コアワイヤの先端側小径部
312 コアワイヤの基端側大径部
33 コイルスプリング
341,342 絶縁部材
345 ストレインリリーフ
35 樹脂シャフト
350 中央ルーメン
351〜356 サブルーメン
357 インナー部
359 アウター部
361,362 電極
363〜366 リング状電極
381〜386 導線
37 金属シャフト
39 コネクタ
40,402−406 バルーンカテーテル
41,412−416 インナーチューブ
417 造影マーカー
42 ガイドワイヤルーメン
43 アウターチューブ
44 拡張ルーメン
45 バルーン
46,462−466 基端部
47,472−476 先端チップ部
48 基端部の内層
49 基端部の外層
50 Y字コネクタ
51 ガイドワイヤポート
53 拡張ポート
55 ストレインリリーフ
60 止血弁
65 側注チューブ

Claims (9)

  1. ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤルーメンを有するインナーチューブと、前記インナーチューブの外側に配置されて拡張ルーメンを形成するアウターチューブと、前記アウターチューブの先端に装着されて前記インナーチューブの外側に配置されたバルーンとを有するオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルであって、
    前記インナーチューブは、耐エタノール性の良好な樹脂で少なくとも内層が形成されている相対的に剛性の高い基端部と、樹脂により形成された相対的に剛性の低い先端チップ部とを有してなり、
    前記先端チップ部の内径が前記基端部の内径よりも大きいことを特徴とするバルーンカテーテル。
  2. 前記基端部の内径に対する前記先端チップ部の内径の比が1.02以上であることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記基端部の内径と、前記ガイドワイヤルーメンに挿通される前記ガイドワイヤの外径との差が0.05〜0.60mmであり、
    前記先端チップ部の内径と前記基端部の内径との差が0.02mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバルーンカテーテル。
  4. 前記基端部と前記先端チップ部との接合部分が前記バルーンの内側に位置していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のバルーンカテーテル。
  5. 前記先端チップ部の外径が前記基端部の外径と等しいことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のバルーンカテーテル。
  6. 前記基端部が、耐エタノール性の良好な樹脂により形成された内層と、樹脂により形成された外層とからなる二層チューブにより構成され、
    前記先端チップ部が、前記基端部の外層の構成樹脂と同一の樹脂からなる単層チューブにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のバルーンカテーテル。
  7. 前記基端部の外層および前記先端チップ部の構成樹脂がポリエーテルブロックアミド共重合体であり、前記基端部の内層の構成樹脂がポリイミドであることを特徴とする請求項6に記載のバルーンカテーテル。
  8. 前記ガイドワイヤが心内電位を測定可能な電極付ガイドワイヤであることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のバルーンカテーテル。
  9. 電極付ガイドワイヤと、
    請求項8に記載のバルーンカテーテルと、
    ガイドワイヤポートおよび拡張ポートを有するY字コネクタと、
    Y字コネクタのガイドワイヤポートに接続され、ガイドワイヤルーメンにエタノールを供給するための側注チューブを有する止血弁とを備えてなるケミカルアブレーション装置。
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