JP2017061724A - 連続鋳造スラブの加熱方法及び加工性に優れた高張力鋼板 - Google Patents

連続鋳造スラブの加熱方法及び加工性に優れた高張力鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】 連続鋳造スラブ中の析出物を、熱間圧延前のスラブ加熱の段階で、加熱温度を高くすることなく、短時間且つ低コストで連続鋳造スラブ中に固溶させる。
【解決手段】 本発明の連続鋳造スラブの加熱方法は、質量%で、C:0.05〜0.12%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.04%以下、S:0.0030%以下、Al:0.005〜0.07%、N:0.006%以下、Ti:0.05〜0.15%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる化学成分の連続鋳造スラブを、熱間圧延前のスラブ加熱処理で加熱するにあたり、前記連続鋳造スラブを、AC3点以上の保持温度で5分間以上50分間以下の期間保持する保持段階と、その後の、AC3点以上で且つ前記保持温度以上の均熱温度で一定時間均熱する均熱段階と、の2段階で加熱する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、自動車の構造部材や補強部材などの内板部品に使用される高張力鋼板の素材である連続鋳造スラブの熱間圧延工程での加熱方法、及び、この連続鋳造スラブから製造される加工性に優れた高張力鋼板に関する。
地球環境保全の観点から、CO2排出量を削減することが求められており、自動車業界においては、自動車々体の強度を維持しつつその軽量化を図り、自動車の燃費を改善することが、非常に重要な課題となっている。自動車々体の強度を維持しつつその軽量化を図るうえでは、自動車部品用の素材となる鋼板の高強度化によって鋼板を薄くすることが有効である。そのため、近年、高張力鋼板が自動車部品に積極的に使用されている。
鋼板を高強度化する手段の一つとして、微細な析出物を鋼板中に分散させる手法が知られている。微細な析出物を鋼板中に均一に分散させることにより、塑性変形の原因となる転位の移動が妨げられ、鋼板の高強度化が実現される。鋼板の高強度化に寄与する析出物は、主として炭化物、窒化物及び炭窒化物である。これらの析出物は、熱間圧延後の冷却過程において鋼板中に析出する。
但し、析出物が鋼板の高強度化に寄与するためには、析出物の平均粒径がナノメートルサイズであることが好ましい。したがって、析出物の平均粒径がナノメートルサイズになるように、鋼板の製造条件や化学成分が最適化されている。
鋼板を素材とする自動車部品の多くは、プレス加工やバーリング加工などによって成型されるので、自動車部品用鋼板には優れた加工性(伸び及び伸びフランジ性)を安定的に発揮することが要求されている。また、部分的に強度の異なる鋼板をプレス成型すると、鋼板の強度に比例してスプリングバック量が変化し、部品がねじれる現象が生じる。つまり、所望の強度と寸法・形状精度とを有する部品を得るためには、素材となる鋼板の強度及び加工性の両立が求められている。尚、一般的に、鉄鋼材料は、強度の上昇に伴って加工性が低下する。
そこで、高強度且つ高加工性を有する鋼板に関して多くの研究がなされてきた。鋼板の加工性の指標である、伸び特性及び伸びフランジ特性を向上させる技術として、例えば、下記の特許文献1及び特許文献2が提案されている。
特許文献1には、実質的にフェライト単相組織であり、平均粒径10nm未満のTi及びMoを含む炭化物が分散析出している、引張強度が590MPa以上の加工性に優れた高張力鋼板が開示されている。
特許文献2には、質量%で、C:0.05〜0.2%、Si:0.001〜3.0%、Mn:0.5〜3.0%、P:0.001〜0.2%、Al:0.001〜3%、V:0.1%を超えて1.0%までを含み、残部はFe及び不可避的不純物からなり、組織が平均粒径1〜5μmのフェライトを主相とし、フェライト粒内に平均粒径が50nm以下のVの炭窒化物が存在する、引張強度が800MPaを超える熱延鋼板が開示されている。
特許第3591502号公報 特開2004−143518号公報
ところで、平均粒径がナノメートルサイズの炭化物や窒化物などを熱間圧延後の鋼板中に析出させるためには、熱間圧延前の連続鋳造スラブ中に析出していた炭化物や窒化物を、熱間圧延前の連続鋳造スラブ(以下、単に「スラブ」とも記す)の加熱段階で完全に固溶させる必要がある。スラブの加熱時間を長くする、或いは、加熱温度を高くすれば、連続鋳造スラブ中に析出していた炭化物や窒化物を固溶させることができる。しかしながら、生産性及び設備上の制約から加熱時間や加熱温度には自ずと限界がある。また、このようにすることで、コスト面でも不利になる。
上記従来技術は、熱間圧延前の連続鋳造スラブ中に析出していた炭化物や窒化物を、熱間圧延前に完全に固溶させるという点について、何ら配慮しておらず、加工性(伸び特性及び伸びフランジ特性)に優れた高張力鋼板を安定して製造する、及び、生産性を高めて製造するという観点からは、未だ改善すべき点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、微細な析出物を利用して加工性に優れた高張力鋼板を製造するにあたり、高張力鋼板の素材である連続鋳造スラブ中に析出していた炭化物や窒化物などを、熱間圧延前のスラブ加熱の段階で、加熱温度を高くすることなく、短時間且つ低コストで連続鋳造スラブ中に固溶させることができ、加工性に優れた高張力鋼板を安定して得ることのできる、連続鋳造スラブの熱間圧延工程での加熱方法を提供することであり、また、この加熱後の連続鋳造スラブから製造される加工性に優れた高張力鋼板を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、連続鋳造スラブ中の炭化物や窒化物などの析出物を熱間圧延前のスラブ加熱時に短時間で固溶させることを目的として、熱間圧延前のスラブ加熱について、非可逆過程における材料ミクロ組織の時間変化を再現することに定評のあるフェーズフィールド法に基づくシミュレーションを実施した。
即ち、TiCが多数析出した状態のFe−C−Mn−Ti成分系鋼材のオーステナイト相マトリックス中を対象とし、図1(A)に示すTiC分布の初期設定と、図1(B)に示すオーステナイト粒界の初期設定とを組み合わせた、図1(C)に示す初期設定の条件下で、図2に示す加熱パターン、つまり、800℃から1250℃まで30℃/sの昇温速度で加熱し、その後、1250℃で保持したとき、加熱中のTiCの溶解挙動とオーステナイト粒の成長挙動とを、刊行物1(I.Steinbach et al.,Phys.D94(1996).p135-147)に記載されるMulti Phase Field法に基づく計算コードMicressによって、フェーズフィールド法シミュレーションを行った。尚、図1において、円形で示すものがTiCである。また、以下、オーステナイトを「γ」とも表示する。
図3に、計算開始時点からほぼTiCが溶解し終わった52秒経過後までのシミュレーション結果を示す。図3に示すように、4秒経過した時点あたりから、溶解途中の残存したTiCによってオーステナイト粒界の移動が阻害されている現象(ピン止め効果)の生じていることが確認できる。
図4は、析出物(TiC)の有無によるオーステナイト粒の成長挙動を比較して示す図である。析出物(TiC)が存在する図4(A)では、オーステナイト粒界がTiCによって固定されたような状態となり、オーステナイト粒界の紙面左側への移動が妨げられているのに対し、析出物(TiC)が存在しない図4(B)では、オーステナイト粒界は時間の経過に伴って紙面左側への移動が進行していることがわかる。
つまり、TiCによってオーステナイト粒界の移動が妨げられ、オーステナイト粒の成長挙動が影響を受けることがわかる。また、「ピン止め効果」に関わっているTiCは、初期設定の状態(球形)から変化し、形状が真円ではなく、先端が尖り、中心部が膨らんだ紡錘形の形状をしている。そのために、TiC/γ相の界面の曲率半径が大きくなっている。これが、後述するように、TiCの完全固溶時間に影響してくると考えられる。
図5は、TiCモル分率とTiCの溶解時間との関係を示す図である。縦軸が0(ゼロ)になるときの時間が、TiCが完全に固溶する時間である。図5に示すように、TiC固溶のみの場合よりも、オーステナイト粒の成長挙動を連成させた場合のほうが、TiCが完全に固溶するまでの時間(完全固溶時間)が長くなることがわかる。また、両者に差が生じ始める時間は、残存TiCによるオーステナイト粒界の「ピン止め効果」が明確になってくる時間(図4参照)と対応していることが認められた。即ち、「ピン止め効果」は、オーステナイト粒の成長挙動だけではなく、TiCの溶解挙動にも影響を及ぼすことが明らかになった。その原因として、以下の事柄を考察した。
一般に、界面エネルギーの単位は[J/m2]で表されるが、[J/m2]=[Nm/m2]=[N/m]と変形できることから、「界面エネルギーの最小化」は「界面長さの最小化」と解釈し直すことができる。即ち、界面は常に長さを最小化しようと張力が印加された状態であるといえる。
ここで、オーステナイト粒界とTiC/γ界面との三重点に注目すると、図6に示すように、各界面の張力の釣り合いから、TiC/γ界面はオーステナイト粒界に引っ張られたような形となり、その結果、TiCは、上述したように紡錘形のような形状となる。したがって、TiCは、溶解が進むにつれて、真円状態と比べて曲率半径が大きくなっていく。尚、図6は、TiC溶解時の表面張力とオーステナイト界面との関係を示す概略図である。
TiCの曲率半径(R)が大きくなると、TiCが有するギブスの自由エネルギー(G)は小さくなる(ギブス・トムソン効果;G∝1/R)。TiCが溶解するときの駆動力はこのギブスの自由エネルギー(G)であり、ギブスの自由エネルギー(G)が小さくなることで溶解の駆動力が小さくなる。即ち、TiCの曲率半径(R)が大きくなるとギブスの自由エネルギー(G)が小さくなるために、TiCの溶解の進行が遅くなり、その結果、完全固溶時間が長くなったと考えられる。したがって、オーステナイト粒界の密度が高いほど、「ピン止め効果」に関与するTiCの割合が増え、TiCの完全固溶時間は長くなる。
フェーズフィールド法シミュレーションにより、上記の結果を得た。これらのフェーズフィールド法シミュレーションによる結果から、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)の知見を得た。
(イ)スラブ加熱前の時点で連続鋳造スラブ中に析出していた炭化物及び窒化物により、スラブ加熱によるフェライトの変態で生成するオーステナイトの粒界の移動が妨げられる(いわゆる「ピン止め効果」)。
(ロ)上記(イ)に記載したオーステナイト粒界との相互作用によって炭化物や窒化物の形態が変化し、炭化物や窒化物は、その曲率半径が大きくなっていきながら固溶していく。
(ハ)上記(ロ)に関連して、オーステナイト粒界との相互作用により、炭化物や窒化物が完全に固溶する時間は長くなる。つまり、オーステナイト粒界の密度が高いほど、炭化物や窒化物が完全に固溶する時間は長くなる。
これらの知見から、熱間圧延前のスラブ加熱時に析出物を完全に固溶させるための時間を短くするには、析出物による「ピン止め効果」が起こりにくい条件とすればよいことがわかった。
そのための方策として、まず考えられることは、スラブ中の析出物を減らすこと、つまりスラブの鋳造時及び鋳造後に析出する析出物の元となる化学成分を減らすことである。しかし、この方策は、最終製品である鋼板の引張強度の低下に直結するので採用することはできない。したがって、析出物による「ピン止め効果」を起こりにくくする別の方策として考えられることは、オーステナイトの粒界密度を減じること、つまりスラブ加熱時に生成するオーステナイト粒径を大きくすることである。この場合、オーステナイト粒の平均結晶粒径が150μm以上であれば、「ピン止め効果」は起こりにくくなることを、本発明者らは確認している。
熱間圧延前のスラブ加熱を昇温段階と均熱段階とに区分すると、析出物の固溶現象は、主に均熱段階において起こる。したがって、析出物の固溶時間を短時間化することを目的としたオーステナイト粒径の粗大化は、均熱段階に入る前の期間において成されていればよい。つまり、均熱期間に入る前の昇温段階において、AC3点以上で且つ均熱温度以下の温度条件でオーステナイト粒径粗大化のための保持段階を設ければよい。いわば、オーステナイト粒径粗大化のために、スラブ加熱時に、AC3点以上で且つ均熱温度以下の温度で一旦保持した後に、更に均熱温度まで加熱して析出物固溶のための均熱段階を設けるという二段階加熱を実施することで、析出物固溶のための均熱時間を短時間化できることを見出した。尚、AC3点とは、フェライトからオーステナイトへの変態点温度である。
即ち、スラブ加熱時、析出物を完全固溶させる時間を短くするべく、析出物による「ピン止め効果」を起こりにくくするためには、熱間圧延前のスラブ加熱時において、二段階加熱を実施し、均熱段階に入る前のオーステナイト粒の平均結晶粒径を150μm以上に制御すればよいとの知見を得た。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.05〜0.12%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.04%以下、S:0.0030%以下、Al:0.005〜0.07%、N:0.006%以下、Ti:0.05〜0.15%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる化学成分の連続鋳造スラブを、熱間圧延前のスラブ加熱処理で加熱する、連続鋳造スラブの加熱方法であって、
前記連続鋳造スラブを、AC3点以上の保持温度で5分間以上50分間以下の期間保持する保持段階と、その後の、AC3点以上で且つ前記保持温度以上の均熱温度で一定時間均熱する均熱段階と、の2段階で加熱することを特徴とする、連続鋳造スラブの加熱方法。
[2]前記保持段階の終了時点で、前記連続鋳造スラブのオーステナイト粒の平均結晶粒径を150μm以上とすることを特徴とする、上記[1]に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
[3]前記連続鋳造スラブは、化学成分として、更に、質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする、上記[1]または上記[2]に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
[4]前記連続鋳造スラブは、化学成分として、更に、質量%で、Cr:0.005〜0.3%、Mo:0.005〜0.3%、Cu:0.005〜0.5%、Ni:0.005〜0.5%のうちから選ばれた少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする、上記[1]ないし上記[3]のいずれか1項に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
[5]前記連続鋳造スラブは、化学成分として、更に、質量%で、B:0.0002〜0.005%を含有することを特徴とする、上記[1]ないし上記[4]のいずれか1項に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
[6]前記連続鋳造スラブは、化学成分として、更に、質量%で、Ca:0.0005〜0.02%、REM(希土類元素):0.0005〜0.02%のうちから選ばれた少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする、上記[1]ないし上記[5]のいずれか1項に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
[7]上記[1]ないし上記[6]のいずれか1項に記載の連続鋳造スラブの加熱方法で加熱された連続鋳造スラブが、熱間圧延されて製造されることを特徴とする、加工性に優れた高張力鋼板。
本発明によれば、熱間圧延前に、連続鋳造スラブを、AC3点以上の保持温度で5分間以上50分間以下の期間保持する保持段階と、その後の、AC3点以上で且つ前記保持温度以上の均熱温度で一定時間均熱する均熱段階と、の2段階で加熱するので、熱間圧延工程におけるスラブ加熱処理の均熱段階までに、連続鋳造スラブのオーステナイト粒の平均結晶粒径が150μm以上となり、連続鋳造スラブ中に析出していた炭化物や窒化物などの析出物を、熱間圧延工程におけるスラブ加熱処理で、加熱温度を高くすることなく短時間でオーステナイトに完全に固溶させることが実現される。その結果、微細な析出物の析出を利用した、加工性(伸び特性及び伸びフランジ特性)に優れた高張力鋼板を安定して製造することが可能になるのみならず、熱間圧延工程におけるスラブ加熱時間を短縮することが可能となる。
フェーズフィールド法シミュレーションにおける各相の初期設定を示す概略図である。 フェーズフィールド法シミュレーションにおける材料の加熱パターンを示す図である。 計算開始時点からほぼTiCが溶解し終わった52秒経過後までのシミュレーション結果を示す概略図である。 析出物の有無によるオーステナイト粒の成長挙動を比較して示す図である。 TiCモル分率とTiCの溶解時間との関係を示す図である。 TiC溶解時の表面張力とオーステナイト界面との関係を示す概略図である。 スラブ加熱処理における連続鋳造スラブの昇温パターンを、本発明に係る昇温パターンと従来方法による昇温パターンとを比較して示す図である。 均熱段階直前のオーステナイト粒の平均結晶粒径とTi析出物の均熱時間(t2)との関係を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。尚、各元素の含有量を示す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
(1)連続鋳造スラブの化学成分
C(炭素):0.05〜0.12%
Cは、主に固溶強化によって鋼板の強度を増加させる元素である。このような効果を得るためには、C含有量を0.05%以上とする必要がある。一方、C含有量が0.12%を超えると、伸びフランジ特性を大きく低下させる。そのため、C含有量は0.05〜0.12%とする必要があり、好ましくは0.07〜0.11%とする。
Si(珪素):0.05〜1.0%
Siは、固溶強化により鋼板の強度を安定させるとともに、延性向上にも寄与する元素である。このような効果を得るためには、Si含有量を0.05%以上とする必要がある。一方、Si含有量が1.0%を超えると、表面性状を低下させるだけでなく、板厚中央部のMnの偏析を助長するとともに、Si自身も偏析する元素である。そのため、Si含有量は0.05〜1.0%とする必要があり、好ましくは0.05〜0.8%とする。
Mn(マンガン):0.5〜1.8%
Mnは、主に固溶強化によって鋼板の強度を増加させる元素である。このような効果を得るためには、Mn含有量を0.5%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が1.8%を超えると、Mnの中心偏析が著しくなり、種々の特性、例えば鋼板の伸びフランジ性を劣化させる原因となる。そのため、Mn含有量は0.5〜1.8%とする必要があり、好ましくは1.0〜1.6%とする。
P(燐):0.04%以下
Pは、粒界に偏析して伸びを低下させる元素である。そのため、P含有量は0.04%以下とするが、できる限り低減させることが好ましい。好ましくは0.020%以下とし、更に好ましくは0.010%以下とする。Pの含有量は0(ゼロ)であっても問題ない。
S(硫黄):0.0030%以下
Sは、硫化物を形成して加工性を低下させる。そのため、S含有量は0.0030%以下とするが、極力低減させることが好ましい。好ましくは0.0020%以下とし、更に好ましくは0.0010%以下とする。Sの含有量は0(ゼロ)であっても問題ない。
Al(アルミニウム):0.005〜0.07%
Alは、脱酸剤として作用する元素である。このような効果を得るためには、Al含有量を0.005%以上とする必要がある。一方、Al含有量が0.07%を超えると、鋼板中にAlの酸化物として残存し、このAlの酸化物が凝集して粗大化し易くなり、伸びフランジ性を劣化させる要因になる。そのため、Al含有量は0.005〜0.07%とする必要があり、好ましくは0.015〜0.05%とする。
N(窒素):0.006%以下
Nは、粗大な窒化物を形成して加工性を低下させる。そのため、N含有量は0.006%以下とするが、できる限り低減させることが好ましい。Nの含有量は0(ゼロ)であっても問題ない。
Ti(チタン):0.05〜0.15%
Tiは、本発明において最も重要な元素であり、鋼板の高強度化に顕著な影響を及ぼす。このような効果を得るためには、Ti含有量を0.05%以上とする必要がある。一方、Ti含有量が0.15%を超えると、Tiの炭化物が粗大化する傾向が見られ、鋼板において所望の引張強度を得ることが困難となる。そのため、Ti含有量は0.05〜0.15%とする必要がある。
残部はFe(鉄)及び不可避的不純物であるが、下記の理由により、更に、下記の(a)〜(d)に示す元素を、個別にまたは同時に含有させることが好ましい。
(a)Nb(ニオブ):0.005〜0.1%、V(バナジウム):0.005〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも一種の元素
(b)Cr(クロム):0.005〜0.3%、Mo(モリブデン):0.005〜0.3%、Cu(銅):0.005〜0.5%、Ni(ニッケル):0.005〜0.5%のうちから選ばれた少なくとも一種の元素
(c)B(ボロン):0.0002〜0.005%
(d)Ca(カルシウム):0.0005〜0.02%、REM(希土類元素):0.0005〜0.02%のうちから選ばれた少なくとも一種の元素
以下、それぞれ説明する。
Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも一種
Nb及びVは、いずれも炭窒化物形成元素であり、鋼を高強度化するうえで最も重要な元素である。このような効果を得るためには、それぞれの含有量を0.005%以上とすることが好ましい。一方、それぞれの含有量が0.1%を超えると、こうした効果は飽和してコストアップを招く。そのため、Nb含有量及びV含有量は0.005〜0.1%とすることが好ましい。
Cr:0.005〜0.3%、Mo:0.005〜0.3%、Cu:0.005〜0.5%、Ni:0.005〜0.5%のうちから選ばれた少なくとも一種
これらの元素は、焼入れ性を向上させる作用を有し、加工性向上にも寄与する元素である。このような効果を得るためには、それぞれの含有量を0.005%以上とすることが好ましい。一方、Cr含有量が0.3%を超え、また、Mo含有量が0.3%を超えると、このような効果は飽和してコストアップを招く。また、Cu含有量やNi含有量が0.5%を超えると、熱間圧延中に表面疵が発生しやすくなる。そのため、Cr含有量は0.005〜0.3%、Mo含有量は0.005〜0.3%、Cu含有量は0.005〜0.5%、Ni含有量は0.005〜0.5%とすることが好ましい。より好ましくは、Cr含有量は0.005〜0.1%、Mo含有量は0.005〜0.1%、Cu含有量は0.005〜0.2%、Ni含有量は0.005〜0.2%である。
B:0.0002〜0.005%
Bは、鋼のオーステナイトからフェライトへの変態を遅延させる元素であり、オーステナイト−フェライト変態を抑制することでTiの炭化物の析出温度を低温化し、該炭化物の微細化に寄与する。このような効果を得るためには、B含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。一方、B含有量が0.005%を超えると、Bによるベイナイト変態効果が強くなり、フェライト組織とすることが困難となる。そのため、B含有量は0.0002〜0.005%とすることが好ましい。より好ましくは0.0002〜0.0025%である。
Ca:0.0005〜0.02%、REM(希土類元素):0.0005〜0.02%のうちから選ばれた少なくとも一種
Ca及びREMは、硫化物の形態制御に有効な元素である。このような効果を得るためには、それぞれの量を0.0005%以上とすることが好ましい。一方、それぞれの量が0.02%を超えると、こうした効果は飽和してコストアップを招く。そのため、Ca含有量は0.0005〜0.02%、REM含有量は0.0005〜0.02%とすることが好ましい。より好ましくは、それぞれ0.0005〜0.005%である。尚、REM(希土類元素)は、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)及びランタノイド(15元素)の合計17元素の総称である。
(2)熱間圧延工程のスラブ加熱処理における連続鋳造スラブのオーステナイト粒の平均結晶粒径が150μm以上
前述したとおり、熱間圧延工程におけるスラブ加熱処理時に、連続鋳造スラブ中の析出物を、加熱温度を従来よりも高くすることなく、短い加熱時間で完全にオーステナイトに固溶させるためには、連続鋳造スラブの均熱段階前のオーステナイト粒の平均結晶粒径を大きくする必要がある。連続鋳造スラブの均熱段階前のオーステナイト粒の平均結晶粒径が大きいほど、短い均熱時間で析出物をオーステナイトに固溶させることができる。そのためには、連続鋳造スラブの均熱段階前のオーステナイト粒の平均結晶粒径を150μm以上とする必要がある。連続鋳造スラブの均熱段階前のオーステナイト粒の平均結晶粒径が150μm未満の場合には、析出物が完全固溶するのに必要な加熱時間が長くなる。
本発明では、スラブ加熱処理における均熱段階前の連続鋳造スラブのオーステナイト粒の平均結晶粒径を150μm以上とするための手段の1つとして、熱間圧延前のスラブ加熱処理で二段階加熱を実施する。つまり、連続鋳造スラブをAC3点以上で且つ均熱温度以下の温度で5分間以上にわたって保持し、その後、更に均熱温度まで昇温して均熱保持を実施する。
これは、スラブ加熱処理の均熱段階に入る時点での連続鋳造スラブのオーステナイト粒の平均結晶粒径を150μm以上とするためには、均熱段階の前段階として、AC3点以上で且つ均熱温度以下の温度条件での保持段階を設け、オーステナイト粒径を粗大化させる必要があるからである。具体的には、均熱段階の前に、連続鋳造スラブをAC3点以上で且つ均熱温度以下の温度で5分間以上保持する必要がある。均熱段階に入る前に、連続鋳造スラブを、AC3点以上で且つ均熱温度以下の温度で5分間以上保持することで、連続鋳造スラブのオーステナイト粒径の粗大化が起こる。この保持段階の期間が5分間未満では、短すぎてオーステナイト粒径の粗大化が十分には起こらない。尚、この段階でのオーステナイト粒の平均結晶粒径は、300μm以下である。
図7に、熱間圧延前のスラブ加熱処理における連続鋳造スラブの昇温パターンを、本発明に係る昇温パターン(図7(A))と従来方法による昇温パターン(図7(B))とを比較して示す。本発明では、スラブ加熱時間は、AC3点以上の保持温度(T1)で連続鋳造スラブを保持する保持時間(t1)と、更に均熱温度(T2)で所定時間保持する均熱時間(t2)との合計となる。
図7に示すように、本発明に係る昇温パターンでは、連続鋳造スラブを、AC3点以上の一定の保持温度(T1)で、保持時間(t1;t1≧5分間)の期間保持し、その後、更に均熱温度(T2;T1<T2)まで昇温し、一定の均熱温度(T2)で保持する。均熱温度(T2)で保持することで、析出物のオーステナイトへの固溶が進行し、やがて、析出物はオーステナイトに完全に固溶する。図7(A)では、スラブ中の析出物がオーステナイトに完全に固溶する時点を、均熱開始からの経過時間である均熱時間(t2)で表示している。その後、析出物がオーステナイトに完全に固溶した連続鋳造スラブを加熱炉から取り出し、熱間圧延に供する。
これに対して、従来方法による昇温パターンは、一気に均熱温度(T2)まで昇温し、この均熱温度(T2)で保持するというパターンである。図7(B)では、スラブ中の析出物がオーステナイトに完全に固溶する時点を、均熱開始からの経過時間である均熱時間(t3)で表示している。尚、図7(A)の均熱温度(T2)と図7(B)の均熱温度(T2)とは同一温度である。また、保持時間(t1)と均熱時間(t2)との和(=t1+t2)及び均熱時間(t3)は、「完全固溶時間」と表示することもできる。
本発明者らの知見に基づけば、保持時間(t1)が長ければ長いほど、オーステナイト粒径は粗大化するので好適であるが、一方、保持時間(t1)を長時間化すれば、スラブ加熱時間そのものが長時間化し、析出物を短時間で固溶させるという本発明の目的の1つと乖離する。したがって、保持時間(t1)は50分間以下とすることが必要である。保持時間(t1)が50分間以下であるならば、従来の加熱方法(「一段階加熱」ともいう)に対してスラブ加熱時間を延長させることなく、スラブ中の析出物をオーステナイト固溶させることができる。
つまり、保持時間(t1)を5分間以上50分間以下とすることで、保持時間(t1)と均熱時間(t2)との和(=t1+t2)を一段階加熱時の均熱時間(t3)よりも短くした条件で、スラブ中の析出物をオーステナイトに固溶させることが実現される。
ここで、更に、保持温度(T1)について説明する。均熱段階前に行う保持段階はオーステナイト粒径の粗大化を目的としているので、当然、オーステナイト温度域で行わないと意味をなさない。したがって、保持温度(T1)はAC3点以上が必要となる。また、仮に保持温度(T1)と均熱温度(T2)とを同じとすれば、これは、二段階加熱ではなく、従来方法(図7(B))と同様の一段階加熱である。つまり、従来のスラブ加熱の均熱時間(t3)に保持時間(t1)を加えただけとなり、これは本発明の意味をなさない。
本発明の意図は、析出物固溶のための均熱時間(t2)を短時間化するべく、図7(A)における均熱開始の時点でオーステナイト粒径を粗大化させるものであり、一段階加熱で加熱した場合は、均熱開始の時点において充分にオーステナイト粒径が粗大化しておらず、本発明の意味をなさない。
均熱温度(T2)は、通常、1200℃〜1300℃の範囲内で実施する。1200℃未満ではスラブが十分に加熱されず、析出物を完全に固溶することができない。また、熱間圧延時の変形抵抗が大きくなり、最悪の場合は熱間圧延ができなくなる。一方で、1300℃を超えて高温になると、スラブ表面にスケールが大量に発生し、そのスケールが原因となって熱延鋼板の表面に欠陥を発生させる。また、歩留まりの点でも不利になる。
このようにして加熱した連続鋳造スラブを、所定の板厚、板幅に熱間圧延して、熱延鋼板とする。そのまま熱延鋼板として使用することも可能であり、冷間圧延及び冷間圧延後の表面処理工程を施した冷延鋼板または表面処理鋼板として使用することも可能である。
尚、高張力鋼板とは、引張強度が340MPa以上の鋼板である。また、本発明の対象とする高張力鋼板は、自動車の車体向けの用途が多いことから薄鋼板が主体であるが、本発明方法で加熱されたスラブを用いるのであれば、薄鋼板以外の製品であっても適用可能である。
以上説明したように、本発明によれば、熱間圧延工程におけるスラブ加熱処理の均熱段階までに、連続鋳造スラブの平均オーステナイト結晶粒径を150μm以上とするので、連続鋳造スラブ中に析出していた炭化物や窒化物などの析出物を、熱間圧延工程におけるスラブ加熱処理で、加熱温度を高くすることなく短時間でオーステナイトに完全に固溶させることが実現される。その結果、微細な析出物を利用した、加工性(伸び特性及び伸びフランジ特性)に優れた高張力鋼板を安定して製造することが可能になるのみならず、熱間圧延工程におけるスラブ加熱時間を短縮することが可能となる。
C:0.08%、Si:0.08%、Mn:1.13%、P:0.036%、S:0.0019%、Al:0.066%、N:0.0038%、Ti:0.15%で、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する250トンの溶鋼を転炉で溶製し、その後、連続鋳造機で連続鋳造スラブに鋳造した。
その後、常温まで冷却したスラブから複数の試料を採取し、これらの試料に対して、加熱処理における均熱段階での均熱温度(T2)を1250℃とし、この均熱期間前の保持段階での保持温度(T1)を1000℃とし、保持時間(t1)を種々変更して、均熱炉で加熱処理試験を実施した。保持温度(T1)から均熱温度(T2)までの昇温速度は、30℃/sとした。また、1000℃での保持段階を設けず、室温から1250℃まで前記昇温速度で加熱し、1250℃の均熱段階のみを実施する試験も実施した(試験番号1)。尚、刊行物2(三好ら、鉄と鋼、Vol.51(1965),p.2006)によれば、本実施例の鋼の化学成分におけるAC3点は914℃程度であるので、保持温度(T1)は1000℃とした。
試験では、所定の保持時間(t1)を経過した時点、及び、均熱段階では所定の時間を経過した時点で試料を均熱炉から取り出し、取り出した直後に水冷し、この試料の固溶Ti量を測定した。固溶Ti量の値がほぼ変化しなくなった時点を均熱時間(t2)とした。また、固溶Ti量の測定と同時に、オーステナイト粒の平均結晶粒径をJIS G 0551:2013に準じて測定した。尚、固溶Ti量の評価は、刊行物3(鋼中固溶マイクロアロイの定量、鉄と鋼、Vol.99(2013).No.5,p.362)に記載の方法に準じて行った。また、AC3点以上の温度で均熱した試料を、Ar3点以上の温度から水中で急冷することで、均熱時の溶質元素の固溶状態が常温まで凍結される。ここで、Ar3点とは、オーステナイトからフェライトへの変態点温度であり、Ar3点はAC3点よりも低温度である。
調査結果を表1に示し、また、1000℃での保持段階終了直後、つまり、1250℃での均熱段階直前のオーステナイト粒の平均結晶粒径とTi析出物の均熱時間(t2)との関係を図8に示す。尚、試験番号1は従来の一段階加熱であり、この場合には、図7(B)に示すように、均熱時間つまり完全固溶時間はt3と表示すべきであるが、表1では便宜上t2と表示している。
表1及び図8に示すように、1250℃での均熱段階直前のオーステナイト粒の平均結晶粒径が大きいほうが、析出物が完全に固溶するまでの時間が短くなり、この時点でのオーステナイト粒の平均結晶粒径を150μm以上とすることで、Ti析出物の均熱時間(t2)は大幅に短縮される。また、保持時間(t1)を5分間以上とすることで、均熱段階直前のオーステナイト粒の平均結晶粒径を150μm以上に制御可能であることが確認できた。また更に、保持時間(t1)と均熱時間(t2)との和を一段階加熱の従来方法よりも短縮するためには、保持時間(t1)を5分間以上50分間以下とすればよいことがわかった。即ち、均熱段階直前のオーステナイト粒の平均結晶粒径が大きすぎると均熱時間(t2)が長くなる傾向にあり、また保持時間(t1)自体も長くなるので、結局、一段階加熱時よりもスラブ加熱時間が長くなってしまうことが判明した。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.12%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.04%以下、S:0.0030%以下、Al:0.005〜0.07%、N:0.006%以下、Ti:0.05〜0.15%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる化学成分の連続鋳造スラブを、熱間圧延前のスラブ加熱処理で加熱する、連続鋳造スラブの加熱方法であって、
    前記連続鋳造スラブを、AC3点以上の保持温度で5分間以上50分間以下の期間保持する保持段階と、その後の、AC3点以上で且つ前記保持温度以上の均熱温度で一定時間均熱する均熱段階と、の2段階で加熱することを特徴とする、連続鋳造スラブの加熱方法。
  2. 前記保持段階の終了時点で、前記連続鋳造スラブのオーステナイト粒の平均結晶粒径を150μm以上とすることを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
  3. 前記連続鋳造スラブは、化学成分として、更に、質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
  4. 前記連続鋳造スラブは、化学成分として、更に、質量%で、Cr:0.005〜0.3%、Mo:0.005〜0.3%、Cu:0.005〜0.5%、Ni:0.005〜0.5%のうちから選ばれた少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
  5. 前記連続鋳造スラブは、化学成分として、更に、質量%で、B:0.0002〜0.005%を含有することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
  6. 前記連続鋳造スラブは、化学成分として、更に、質量%で、Ca:0.0005〜0.02%、REM(希土類元素):0.0005〜0.02%のうちから選ばれた少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の連続鋳造スラブの加熱方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の連続鋳造スラブの加熱方法で加熱された連続鋳造スラブが、熱間圧延されて製造されることを特徴とする、加工性に優れた高張力鋼板。
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