JP2017061202A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぎ耐偏摩耗性能を向上する。
【解決手段】トレッド部2の接地中央部に設けられたセンター主溝3Aと、センター主溝のタイヤ幅方向外側に設けられたショルダー主溝3Bと、センター主溝とショルダー主溝とで区画形成されたセンター陸部4Aと、センター主溝におけるセンター陸部側の開口縁に設けられて当該開口縁の位置をタイヤ周方向に対して斜めに変化させる面取5Aがタイヤ周方向に沿って複数配置された面取部5と、センター陸部に設けられてセンター主溝の面取部を有する開口縁のタイヤ幅方向に併設されタイヤ周方向に沿って延在しつつ面取部の面取の形状に合わせて屈曲して設けられた屈曲溝6と、センター陸部におけるショルダー主溝と屈曲溝との間に設けられてタイヤ周方向に交差して屈曲溝に向けて延在し、屈曲溝に向く一端7aがセンター陸部内で終端する副溝7と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】トレッド部2の接地中央部に設けられたセンター主溝3Aと、センター主溝のタイヤ幅方向外側に設けられたショルダー主溝3Bと、センター主溝とショルダー主溝とで区画形成されたセンター陸部4Aと、センター主溝におけるセンター陸部側の開口縁に設けられて当該開口縁の位置をタイヤ周方向に対して斜めに変化させる面取5Aがタイヤ周方向に沿って複数配置された面取部5と、センター陸部に設けられてセンター主溝の面取部を有する開口縁のタイヤ幅方向に併設されタイヤ周方向に沿って延在しつつ面取部の面取の形状に合わせて屈曲して設けられた屈曲溝6と、センター陸部におけるショルダー主溝と屈曲溝との間に設けられてタイヤ周方向に交差して屈曲溝に向けて延在し、屈曲溝に向く一端7aがセンター陸部内で終端する副溝7と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上することのできる空気入りタイヤに関するものである。
従来、例えば、特許文献1に記載の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する少なくとも4本の周方向主溝と、前記周方向主溝により区画されて成るリブ状かつ複数の陸部とをトレッド部に備え、タイヤ幅方向最外側にある前記周方向主溝により当該周方向主溝のタイヤ幅方向内側に区画されたセカンド陸部が、タイヤ周方向に延在してジグザグ形状を有すると共にセカンド陸部をタイヤ幅方向に分断するジグザグ細溝を備える。この特許文献1に記載の空気入りタイヤによれば、セカンド陸部がジグザグ細溝を備えるので、タイヤ接地面のエッジ成分が確保され、タイヤのウェット性能である湿潤路面での制動性能が確保される利点がある。
しかしながら、ジグザグ細溝は、屈曲部を有するため、タイヤを成形する際の型抜き時に陸部に欠損が起こることがあり外観不良が発生するおそれがある。また、ジグザグ細溝は、屈曲部を有するため、付近に剛性差を生じて偏摩耗が発生するおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部の接地中央部にタイヤ周方向に沿って延在して設けられた第一主溝と、前記第一主溝のタイヤ幅方向外側にタイヤ周方向に沿って延在して設けられた第二主溝と、前記第一主溝と前記第二主溝とで区画形成されてタイヤ周方向に連続する陸部と、前記第一主溝における前記陸部側の開口縁に設けられて当該開口縁の位置をタイヤ周方向に対して斜めに変化させる面取がタイヤ周方向に沿って複数配置された面取部と、前記陸部に設けられて前記第一主溝の前記面取部を有する前記開口縁のタイヤ幅方向に併設されタイヤ周方向に沿って延在しつつ前記面取部の前記面取の形状に合わせて屈曲して設けられた屈曲溝と、前記陸部における前記第二主溝と前記屈曲溝との間に設けられてタイヤ周方向に交差して前記屈曲溝に向けて延在し、前記屈曲溝に向く端部が前記陸部内で終端する副溝と、を備えることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、屈曲溝によりタイヤ接地面のエッジ成分が確保され、タイヤのウェット性能である湿潤路面での制動性能が確保される。また、屈曲溝が第一主溝の開口縁に設けられた面取部の面取の形状に合わせて屈曲して設けられ、かつ屈曲溝に向く一端が陸部内で終端する副溝が設けられていることで、タイヤ成形時に屈曲溝から成形型が抜かれる際、屈曲溝を有する陸部が面取部側や副溝側に変形して屈曲溝が広がるため、成形型の抜け性が向上し、型抜き時に陸部に欠損が起こる事態を防ぎ外観不良を防ぐことができる。しかも、屈曲溝が第一主溝の開口縁に設けられた面取部の面取の形状に合わせて屈曲して設けられ、かつ屈曲溝に向く一端が陸部内で終端する副溝が設けられていることで、屈曲溝を有する陸部の剛性差が抑制されて接地圧が均一化されるため、耐偏摩耗性能を向上することができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記屈曲溝は、その溝幅Waが、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対し、4%以上8%以下の範囲に形成されていることを特徴とする。
屈曲溝の溝幅Waが陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して4%未満であると、屈曲溝の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、屈曲溝の溝幅Waが陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して8%を超えると、陸部の剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、屈曲溝の溝幅Waが、陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して4%以上8%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記屈曲溝は、その中心線における前記面取部の前記陸部でのエッジまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対し、20%以上45%以下の範囲に形成されていることを特徴とする。
屈曲溝の中心線における面取部の陸部でのエッジまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して20%未満であると、屈曲溝が面取部に近くなり、その間での陸部の剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。一方、屈曲溝の中心線における面取部の陸部でのエッジまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して45%を超えると、副溝を配置する範囲が狭くなって副溝の長さが確保し難くなるため、副溝の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、屈曲溝の中心線における面取部の陸部でのエッジまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して20%以上45%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記屈曲溝は、その溝深さHaが、前記第一主溝の溝深さHに対し、30%以上55%以下の範囲に形成されていることを特徴とする。
屈曲溝の溝深さHaが第一主溝の溝深さHに対して30%未満であると、屈曲溝の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、屈曲溝の溝深さHaが第一主溝の溝深さHに対して55%を超えると、屈曲溝の溝深さHaが第一主溝の溝深さHに近づくため、タイヤ成形時に屈曲溝から成形型が抜かれる際に陸部に欠損が起こり易くなり外観不良を防ぐ効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐうえで、屈曲溝の溝深さHaが第一主溝の溝深さHに対して30%以上55%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記面取部は、前記面取がタイヤ周方向に対して傾斜する長辺および短辺を有して前記第一主溝の開口縁に三角形状に形成され、前記屈曲溝は、当該面取の長辺に沿ってタイヤ周方向に傾斜する長尺の第一傾斜部および前記面取の短辺に沿ってタイヤ周方向に傾斜する短尺の第二傾斜部を有して屈曲して形成されており、前記第一傾斜部のタイヤ周方向に対する角度αが2°以上7°以下の範囲であって、前記第二傾斜部のタイヤ周方向に対する角度βが20°以上60°以下の範囲に形成されていることを特徴とする。
第一傾斜部のタイヤ周方向に対する角度αが2°未満であったり、第二傾斜部のタイヤ周方向に対する角度βが20°未満であったりすると、屈曲溝がタイヤ周方向に近づいてエッジ効果が低下するため、湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、第一傾斜部のタイヤ周方向に対する角度αが7°を超えたり、第二傾斜部のタイヤ周方向に対する角度βが60°を超えたりすると、屈曲溝の屈曲が過大となって角部が鋭角に近くなるため、陸部の剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなり、また、タイヤ成形時に屈曲溝から成形型が抜かれる際に陸部に欠損が起こり易くなり外観不良を防ぐ効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上するうえで、第一傾斜部のタイヤ周方向に対する角度αが2°以上7°以下の範囲であって、第二傾斜部のタイヤ周方向に対する角度βが20°以上60°以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記面取部は、そのタイヤ幅方向寸法Wcが、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対し、4%以上15%以下の範囲に形成されていることを特徴とする。
面取部のタイヤ幅方向寸法Wcが陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して4%未満であると、第一主溝の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部のタイヤ幅方向寸法Wcが陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して15%を超えると、面取が陸部内で大きく切り欠かれるため、陸部の剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部のタイヤ幅方向寸法Wcが陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して4%以上15%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記面取部は、そのタイヤ径方向寸法Hbが、前記第一主溝の溝深さHに対し、30%以上60%以下の範囲に形成されていることを特徴とする。
面取部のタイヤ径方向寸法Hbが第一主溝の溝深さHに対して30%未満であると、第一主溝の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部のタイヤ径方向寸法Hbが第一主溝の溝深さHに対して60%を超えると、陸部の剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部のタイヤ径方向寸法Hbが第一主溝の溝深さHに対して30%以上60%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記面取部と前記屈曲溝とがタイヤ幅方向で向き合う部分において、前記面取部における前記面取のタイヤ幅方向寸法Wcと、当該面取に対してタイヤ幅方向で向き合う前記屈曲溝の部分でのタイヤ幅方向の屈曲範囲Wdとが等しく、かつ前記面取部における1つの前記面取のタイヤ周方向寸法Laと、当該面取に対してタイヤ幅方向で向き合う前記屈曲溝の部分での1つの屈曲単位のタイヤ周方向寸法Lbとが等しく形成されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、面取のタイヤ幅方向寸法Wcと、当該面取に対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝の部分でのタイヤ幅方向の屈曲範囲Wdとが等しく、かつ面取のタイヤ周方向寸法Laと、当該面取に対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝の部分での1つの屈曲単位のタイヤ周方向寸法Lbとが等しく形成されていることで、面取のエッジ形状と屈曲溝の屈曲が平行となり、その間の陸部におけるタイヤ周方向での剛性差を均一化させ、耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記副溝は、そのタイヤ幅方向寸法Weが、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対し、40%以上50%以下の範囲に形成されていることを特徴とする。
副溝のタイヤ幅方向寸法Weが陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して40%未満であると、副溝の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、副溝のタイヤ幅方向寸法Weが陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して50%を超えると、陸部の剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、副溝のタイヤ幅方向寸法Weが陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対して40%以上50%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記第一主溝のタイヤ幅方向両側に前記第二主溝がそれぞれ設けられ、前記陸部が前記第一主溝のタイヤ幅方向両側に前記第一主溝と各前記第二主溝とで区画形成され、前記第一主溝の両開口縁に前記面取部が設けられ、各前記陸部に前記屈曲溝が設けられ、かつ各前記陸部に前記副溝が設けられており、正規リムにリム組みし、正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたときに、トレッド部を平坦面と接地させた状態において、前記面取部を含む前記第一主溝の溝開口面積が、前記面取部を除く前記第一主溝の溝開口面積に対して15%以上20%以下の範囲で大きく形成されていることを特徴とする。
面取部を含む第一主溝の溝開口面積が面取部を除く第一主溝の溝開口面積に対して15%未満で大きい場合は、面取のエッジ効果が低下するため、湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部を含む第一主溝の溝開口面積が面取部を除く第一主溝の溝開口面積に対して20%を超えて大きい場合は、面取が陸部内で大きく切り欠かれるため、陸部の剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部を含む第一主溝の溝開口面積が面取部を除く第一主溝の溝開口面積に対して15%以上20%以下の範囲で大きく形成されていることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記第一主溝のタイヤ幅方向両側に前記第二主溝がそれぞれ設けられ、前記陸部が前記第一主溝のタイヤ幅方向両側に前記第一主溝と各前記第二主溝とで区画形成され、前記第一主溝の両開口縁に前記面取部が設けられ、各前記陸部に前記屈曲溝が設けられ、かつ各前記陸部に前記副溝が設けられており、前記第一主溝の両開口縁の各前記面取部は、前記面取がタイヤ周方向で連続して設けられており、当該面取が連続する境界部が前記第一主溝の各開口縁においてタイヤ周方向でずれて設けられていることを特徴とする。
面取が連続する境界部が第一主溝の各開口縁においてタイヤ周方向で一致すると、その一致した部分に面取がタイヤ周方向で存在しないことから、その部分だけ排水性能が低下するため、湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなり、耐ハイドロプレーニング性能も低下する。従って、面取が連続する境界部が第一主溝の各開口縁においてタイヤ周方向でずれて設けられることで、面取がタイヤ周方向で常に存在するため、湿潤路面での制動性能を確保することができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、2本の前記第一主溝の各タイヤ幅方向外側に前記第二主溝が設けられ、前記陸部が前記第一主溝のタイヤ幅方向外側に前記第一主溝と前記第二主溝とで区画形成され、前記第一主溝のタイヤ幅方向外側の開口縁にのみ前記面取部が設けられ、前記陸部に前記屈曲溝が設けられ、かつ前記陸部に前記副溝が設けられており、正規リムにリム組みし、正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたときに、トレッド部を平坦面と接地させた状態において、前記面取部を含む前記第一主溝の溝開口面積が、前記面取部を除く前記第一主溝の溝開口面積に対して8%以上13%以下の範囲で大きく形成されていることを特徴とする。
面取部を含む第一主溝の溝開口面積が面取部を除く第一主溝の溝開口面積に対して8%未満で大きい場合は、面取のエッジ効果が低下するため、湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部を含む第一主溝の溝開口面積が面取部を除く第一主溝の溝開口面積に対して13%を超えて大きい場合は、面取が陸部内で大きく切り欠かれるため、陸部の剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部を含む第一主溝の溝開口面積が面取部を除く第一主溝の溝開口面積に対して8%以上13%以下の範囲で大きく形成されていることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上することができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の平面図である。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の一部拡大平面図(図2(a))および断面図(図2(b))である。図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤの他の例のトレッド部の一部拡大平面図である。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の平面図である。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の一部拡大平面図(図2(a))および断面図(図2(b))である。図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤの他の例のトレッド部の一部拡大平面図である。
以下の説明において、タイヤ周方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、前記回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、図1に示すように、トレッド部2を有している。トレッド部2は、ゴム材からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面がトレッド面2aとして空気入りタイヤ1の輪郭となる。
トレッド部2は、トレッド面2aに、タイヤ周方向に沿って延在する周方向主溝(主溝)3が、タイヤ幅方向に複数(本実施形態では3本)並んで設けられている。そして、本実施形態では、タイヤ幅方向の中央の周方向主溝3をセンター主溝(第一主溝)3Aとし、当該センター主溝3Aのタイヤ幅方向両外側の周方向主溝3をショルダー主溝(第二主溝)3Bとする。なお、周方向主溝3は、5mm以上20mm以下の溝幅で、5mm以上15mm以下の溝深さ(トレッド面2aの開口位置から溝底までの寸法)のものをいう。
周方向主溝3のセンター主溝3Aは、接地領域における接地中央部に配置されている。接地中央部は、タイヤ赤道面CLの近傍の領域であって、本実施形態において接地中央部に配置された周方向主溝3であるセンター主溝3Aは、タイヤ赤道面CLの最も近くに配置された周方向主溝3であって、タイヤ赤道面CL上に配置されている。
なお、接地領域は、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたとき、この空気入りタイヤ1のトレッド部2のトレッド面2aが乾燥した平坦な路面と接地する領域である。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
トレッド部2は、トレッド面2aに、周方向主溝3により陸部4がタイヤ幅方向に複数(本実施形態では4本)区画形成されている。そして、本実施形態では、センター主溝3Aと、そのタイヤ幅方向両外側の各ショルダー主溝3Bとで区画形成された2本のリブ状の陸部4をセンター陸部4Aとする。また、各ショルダー主溝3Bのタイヤ幅方向外側に配置されたリブ状の各陸部4をショルダー陸部4Bとする。
このような空気入りタイヤ1において、センター主溝3Aは、ショルダー主溝3B側のセンター陸部4Aの開口縁に、当該開口縁の位置をタイヤ周方向に対して斜めに変化させる面取5Aがタイヤ周方向に沿って複数配置された面取部5が設けられている。本実施形態のセンター主溝3Aは、そのタイヤ幅方向両外側にショルダー主溝3Bが設けられて、タイヤ幅方向両外側にセンター陸部4Aが設けられているため、両側の開口縁に面取部5が設けられている。面取5Aは、図2(b)に示すように、センター陸部4Aのトレッド面2aにおいて、センター主溝3Aの開口縁の角部が三角形状に切り欠かれ、かつ図2(a)および図3に示すように平面視で三角形状の凹部として形成されている。具体的に、面取5Aは、タイヤ周方向に対して傾斜する長さの異なる長辺5aおよび短辺5bを有してセンター主溝3Aの開口縁に三角形状に形成されている。なお、図には明示しないが、面取5Aは、タイヤ周方向に対して傾斜する同じ長さの2辺を有してセンター主溝3Aの開口縁に三角形状に形成されていてもよい。従って、センター主溝3Aは、面取部5によりタイヤ周方向に対して傾斜する縁部を有する。そして、センター主溝3Aは、タイヤ幅方向両側の開口縁に設けられた各面取部5が、相互に面取5Aが反転して形成されているため、センター主溝3Aの開口部は、タイヤ周方向に沿って直線が何度も折れ曲がる稲妻形が連続するジグザグ状に形成されている。また、面取5Aは、図2(a)に示すように、タイヤ周方向に連続して設けられていてもよく、図3に示すように、タイヤ周方向で間隔5Bをおいて設けられていてもよい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1は、センター主溝3Aとショルダー主溝3Bとで区画形成されたセンター陸部4Aに、屈曲溝6および副溝7が形成されている。
屈曲溝6は、センター主溝3Aの面取部5を有する開口縁のタイヤ幅方向に併設しタイヤ周方向に沿って延在して設けられている。屈曲溝6は、面取部5の面取5Aの形状に合わせて傾斜することで屈曲して形成されている。具体的に、屈曲溝6は、図2(a)および図3に示すように、面取5Aの長辺5aに沿ってタイヤ周方向に傾斜する長尺の第一傾斜部6a、および面取5Aの短辺5bに沿ってタイヤ周方向に傾斜する短尺の第二傾斜部6bを有して屈曲して形成されている。そして、屈曲溝6は、三角形状の面取5Aの形状に合わせてタイヤ周方向に沿って設けられているため、タイヤ周方向に沿って直線が何度も折れ曲がる稲妻形が連続するジグザグ状に形成されている。なお、図3に示す空気入りタイヤ1では、面取5Aがタイヤ周方向で間隔5Bをおいてセンター主溝3Aの開口縁がタイヤ周方向に延在して設けられているため、屈曲溝6は、タイヤ周方向に延在して傾斜しない中間部6cを有している。この屈曲溝6により、センター陸部4Aがセンター主溝3A側の第一センター陸部4Aaと、ショルダー主溝3B側の第二センター陸部4Abとに分割される。なお、屈曲溝6は、1.5mm以上であって周方向主溝3未満の溝幅で、周方向主溝3未満の溝深さのものをいう。
副溝7は、ショルダー主溝3Bと屈曲溝6との間に設けられてタイヤ周方向に交差して形成されている。副溝7は、図2(a)および図3に示すように、一端7aが屈曲溝6に向けて延在して屈曲溝6との間に間隔を有するようにセンター陸部4A(第二センター陸部4Ab)内で終端して設けられている。具体的に、副溝7は、一端7aが屈曲溝6の屈曲が大きい短尺の第二傾斜部6bに向けて設けられている。また、副溝7は、他端7bがショルダー主溝3Bに向けて延在して当該ショルダー主溝3Bに連通して設けられている。なお、図には明示しないが、副溝7は、他端7bがショルダー主溝3Bとの間に間隔を有するようにセンター陸部4A(第二センター陸部4Ab)内で終端して設けられていてもよい。なお、副溝7は、1.5mm以上であって周方向主溝3未満の溝幅で、周方向主溝3未満の溝深さのものをいう。
このように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2の接地中央部にタイヤ周方向に沿って延在して設けられたセンター主溝(第一主溝)3Aと、センター主溝3Aのタイヤ幅方向外側にタイヤ周方向に沿って延在して設けられたショルダー主溝(第二主溝)3Bと、センター主溝3Aとショルダー主溝3Bとで区画形成されてタイヤ周方向に連続するセンター陸部4Aと、センター主溝3Aにおけるセンター陸部4A側の開口縁に設けられて当該開口縁の位置をタイヤ周方向に対して斜めに変化させる面取5Aがタイヤ周方向に沿って複数配置された面取部5と、センター陸部4Aに設けられてセンター主溝3Aの面取部5を有する開口縁のタイヤ幅方向に併設されタイヤ周方向に沿って延在しつつ面取部5の面取5Aの形状に合わせて屈曲して設けられた屈曲溝6と、センター陸部4Aにおけるショルダー主溝3Bと屈曲溝6との間に設けられてタイヤ周方向に交差して屈曲溝6に向けて延在し、屈曲溝6に向く一端7aがセンター陸部4A内で終端する副溝7と、を備える。
この空気入りタイヤ1によれば、屈曲溝6によりタイヤ接地面のエッジ成分が確保され、タイヤのウェット性能である湿潤路面での制動性能が確保される。また、屈曲溝6がセンター主溝3Aの開口縁に設けられた面取部5の面取5Aの形状に合わせて屈曲して設けられ、かつ屈曲溝6に向く一端7aがセンター陸部4A内で終端する副溝7が設けられていることで、タイヤ成形時に屈曲溝6から成形型が抜かれる際、屈曲溝6を有するセンター陸部4A(第一センター陸部4Aa、第二センター陸部4Ab)が面取部5側や副溝7側に変形して屈曲溝6が広がるため、成形型の抜け性が向上し、型抜き時にセンター陸部4Aに欠損が起こる事態を防ぎ外観不良を防ぐことができる。しかも、屈曲溝6がセンター主溝3Aの開口縁に設けられた面取部5の面取5Aの形状に合わせて屈曲して設けられ、かつ屈曲溝6に向く一端7aがセンター陸部4A内で終端する副溝7が設けられていることで、屈曲溝6を有するセンター陸部4Aの剛性差が抑制されて接地圧が均一化されるため、耐偏摩耗性能を向上することができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(a)および図3に示すように、屈曲溝6は、その溝幅(開口幅)Waが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対し、4%以上8%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
屈曲溝6の溝幅Waがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して4%未満であると、屈曲溝6の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、屈曲溝6の溝幅Waがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して8%を超えると、センター陸部4Aの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、屈曲溝6の溝幅Waが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して4%以上8%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、屈曲溝6の溝幅Waが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して5%以上7%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(a)および図3に示すように、屈曲溝6は、その中心線Sにおける面取部5のセンター陸部4Aでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対し、20%以上45%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
屈曲溝6の中心線Sは、屈曲溝6の溝幅Waの中心を通過する直線である。面取部5のセンター陸部4Aでのエッジ5cは、面取部5の面取5Aがセンター陸部4Aのトレッド面2aにおいて最も大きく切り欠かれた部分の縁である。
屈曲溝6の中心線Sにおける面取部5のセンター陸部4Aでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して20%未満であると、屈曲溝6が面取部5に近くなり、その間でのセンター陸部4Aの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。一方、屈曲溝6の中心線Sにおける面取部5のセンター陸部4Aでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して45%を超えると、副溝7を配置する範囲が狭くなって副溝7の長さが確保し難くなるため、副溝7の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、屈曲溝6の中心線Sにおける面取部5のセンター陸部4Aでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して20%以上45%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、屈曲溝6の中心線Sにおける面取部5のセンター陸部4Aでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して25%以上35%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(b)に示すように、屈曲溝6は、その溝深さHaが、センター主溝3Aの溝深さHに対し、30%以上55%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに対して30%未満であると、屈曲溝6の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに対して55%を超えると、屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに近づくため、タイヤ成形時に屈曲溝6から成形型が抜かれる際にセンター陸部4Aに欠損が起こり易くなり外観不良を防ぐ効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐうえで、屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに対して30%以上55%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐ効果を顕著に得るうえで、屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに対して35%以上50%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(a)および図3に示すように、面取部5は、面取5Aがタイヤ周方向に対して傾斜する長辺5aおよび短辺5bを有してセンター主溝3Aの開口縁に三角形状に形成され、屈曲溝6は、当該面取5Aの長辺5aに沿ってタイヤ周方向に傾斜する長尺の第一傾斜部6aおよび面取5Aの短辺5bに沿ってタイヤ周方向に傾斜する短尺の第二傾斜部6bを有して屈曲して形成されており、第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが2°以上7°以下の範囲であって、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが20°以上60°以下の範囲に形成されていることが好ましい。
第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが2°未満であったり、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが20°未満であったりすると、屈曲溝6がタイヤ周方向に近づいてエッジ効果が低下するため、湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが7°を超えたり、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが60°を超えたりすると、屈曲溝6の屈曲が過大となって角部が鋭角に近くなるため、センター陸部4Aの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなり、また、タイヤ成形時に屈曲溝6から成形型が抜かれる際にセンター陸部4Aに欠損が起こり易くなり外観不良を防ぐ効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上するうえで、第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが2°以上7°以下の範囲であって、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが20°以上60°以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが3°以上5°以下の範囲であって、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが30°以上45°以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(a)および図3に示すように、面取部5は、そのタイヤ幅方向寸法Wcが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対し、4%以上15%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
面取部5のタイヤ幅方向寸法Wcがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して4%未満であると、センター主溝3Aの排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部5のタイヤ幅方向寸法Wcがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して15%を超えると、面取5Aがセンター陸部4A内で大きく切り欠かれるため、センター陸部4Aの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部5のタイヤ幅方向寸法Wcがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して4%以上15%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお。湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、面取部5のタイヤ幅方向寸法Wcがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して6%以上8%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(b)に示すように、面取部5は、そのタイヤ径方向寸法Hbが、センター主溝3Aの溝深さHに対し、30%以上60%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
面取部5のタイヤ径方向寸法Hbがセンター主溝3Aの溝深さHに対して30%未満であると、センター主溝3Aの排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部5のタイヤ径方向寸法Hbがセンター主溝3Aの溝深さHに対して60%を超えると、センター陸部4Aの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部5のタイヤ径方向寸法Hbがセンター主溝3Aの溝深さHに対して30%以上60%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、面取部5のタイヤ径方向寸法Hbがセンター主溝3Aの溝深さHに対して40%以上55%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(a)および図3に示すように、面取部5と屈曲溝6とがタイヤ幅方向で向き合う部分において、面取部5における面取5Aのタイヤ幅方向寸法Wcと、当該面取5Aに対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝6の部分でのタイヤ幅方向の屈曲範囲Wdとが等しく、かつ面取部5における1つの面取5Aのタイヤ周方向寸法Laと、当該面取5Aに対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝6の部分での1つの屈曲単位のタイヤ周方向寸法Lbとが等しく形成されていることが好ましい。
この空気入りタイヤ1によれば、面取5Aのタイヤ幅方向寸法Wcと、当該面取5Aに対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝6の部分でのタイヤ幅方向の屈曲範囲Wdとが等しく、かつ面取5Aのタイヤ周方向寸法Laと、当該面取5Aに対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝6の部分での1つの屈曲単位のタイヤ周方向寸法Lbとが等しく形成されていることで、面取5Aのエッジ形状と屈曲溝6の屈曲が平行となり、その間のセンター陸部4Aにおけるタイヤ周方向での剛性差を均一化させ、耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得ることができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(a)および図3に示すように、副溝7は、そのタイヤ幅方向寸法Weが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対し、40%以上50%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
副溝7のタイヤ幅方向寸法Weは、副溝7をタイヤ周方向に投影した場合のタイヤ幅方向の寸法である。
副溝7のタイヤ幅方向寸法Weがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して40%未満であると、副溝7の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、副溝7のタイヤ幅方向寸法Weがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して50%を超えると、センター陸部4Aの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、副溝7のタイヤ幅方向寸法Weがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して40%以上50%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、副溝7のタイヤ幅方向寸法Weがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して43%以上46%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(a)および図3に示すように、副溝7は、屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfが、センター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して7%以上20%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して7%未満であると、センター陸部4Aの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。一方、副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して20%を超えると、センター陸部4Aの剛性が高まって、タイヤ成形時に屈曲溝6から成形型が抜かれる際にセンター陸部4Aに欠損が起こり易くなり外観不良を防ぐ効果が小さくなる。従って、外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上するうえで、副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して7%以上20%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfがセンター陸部4Aのタイヤ幅方向寸法Wに対して10%以上15%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、同様の作用効果を得るうえで、副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfは、2mm以上5mm以下の範囲に形成することが好ましく、3mm以上4mm以下の範囲に形成することがより好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図1〜図3に示すように、センター主溝3Aのタイヤ幅方向両外側にショルダー主溝3Bがそれぞれ設けられ、センター陸部4Aがセンター主溝3Aのタイヤ幅方向両外側にセンター主溝3Aとショルダー主溝3Bとで区画形成され、センター主溝3Aの両開口縁に面取部5が設けられ、各センター陸部4Aに屈曲溝6が設けられ、かつ各センター陸部4Aに副溝7が設けられており、正規リムにリム組みし、正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたときに、トレッド部2を平坦面と接地させた状態において、面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が、面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して15%以上20%以下の範囲で大きく形成されていることが好ましい。
面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して15%未満で大きい場合は、面取5Aのエッジ効果が低下するため、湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して20%を超えて大きい場合は、面取5Aがセンター陸部4A内で大きく切り欠かれるため、センター陸部4Aの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して15%以上20%以下の範囲で大きく形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して17%以上19%以下の範囲で大きく形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2(a)に示すように、センター主溝3Aのタイヤ幅方向両外側にショルダー主溝3Bがそれぞれ設けられ、センター陸部4Aがセンター主溝3Aのタイヤ幅方向両外側にセンター主溝3Aとショルダー主溝3Bとで区画形成され、センター主溝3Aの両開口縁に面取部5が設けられ、各センター陸部4Aに屈曲溝6が設けられ、かつ各センター陸部4Aに副溝7が設けられており、センター主溝3Aの両開口縁の各面取部5は、面取5Aがタイヤ周方向で連続して設けられており、当該面取5Aが連続する境界部Aがセンター主溝3Aの各開口縁においてタイヤ周方向でずれて設けられていることが好ましい。
面取5Aが連続する境界部Aがセンター主溝3Aの各開口縁においてタイヤ周方向で一致すると、その一致した部分に面取5Aがタイヤ周方向で存在しないことから、その部分だけ排水性能が低下するため、湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなり、耐ハイドロプレーニング性能も低下する。従って、面取5Aが連続する境界部Aがセンター主溝3Aの各開口縁においてタイヤ周方向でずれて設けられることで、面取5Aがタイヤ周方向で常に存在するため、湿潤路面での制動性能を確保することができる。
ところで、本実施形態において、各ショルダー陸部4Bは、それぞれショルダー主溝3Bに沿ってタイヤ周方向に延在する周方向細溝8が形成されている。この周方向細溝8により、各ショルダー陸部4Bがショルダー主溝3B側の第一ショルダー陸部4Baと、最もタイヤ幅方向外側の第二ショルダー陸部4Bbとに分割される。なお、周方向細溝8は、1.5mm以上であって周方向主溝3未満の溝幅で、周方向主溝3未満の溝深さのものをいう。
また、各ショルダー陸部4Bは、第二ショルダー陸部4Bbにおいてタイヤ周方向に交差するショルダー副溝9が形成されている。ショルダー副溝9は、一端が周方向細溝8を貫通して第一ショルダー陸部4Ba内で終端し、他端がトレッド面2aのタイヤ幅方向外側に延在して設けられている。なお、ショルダー副溝9は、1.5mm以上であって周方向主溝3未満の溝幅で、周方向主溝3未満の溝深さのものをいう。
また、各ショルダー陸部4Bは、第二ショルダー陸部4Bbにおいてタイヤ周方向に交差するショルダー細溝10が形成されている。ショルダー細溝10は、一端が周方向細溝8に連通し、他端がトレッド面2aのタイヤ幅方向外側に延在して設けられている。なお、ショルダー細溝10は、0.4mm以上1.2mm以下の範囲であって、いわゆるサイプとして形成される。
[実施形態2]
図4は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の平面図である。図5は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の一部拡大平面図(図5(a))および断面図(図5(b))である。図6は、本実施形態に係る空気入りタイヤの他の例のトレッド部の一部拡大平面図である。
図4は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の平面図である。図5は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の一部拡大平面図(図5(a))および断面図(図5(b))である。図6は、本実施形態に係る空気入りタイヤの他の例のトレッド部の一部拡大平面図である。
以下の説明において、タイヤ周方向とは、空気入りタイヤ11の回転軸(図示せず)を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、前記回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ11のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ11のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施形態の空気入りタイヤ11は、図4に示すように、トレッド部2を有している。トレッド部2は、ゴム材からなり、空気入りタイヤ11のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面がトレッド面2aとして空気入りタイヤ11の輪郭となる。
トレッド部2は、トレッド面2aに、タイヤ周方向に沿って延在する周方向主溝(主溝)3が、タイヤ幅方向に複数(本実施形態では4本)並んで設けられている。そして、本実施形態では、タイヤ赤道面CLを挟むタイヤ幅方向の中央の2本の周方向主溝3をセンター主溝(第一主溝)3Aとし、当該センター主溝3Aのタイヤ幅方向外側の各周方向主溝3をショルダー主溝(第二主溝)3Bとする。なお、周方向主溝3は、5mm以上20mm以下の溝幅で、5mm以上15mm以下の溝深さ(トレッド面2aの開口位置から溝底までの寸法)のものをいう。
周方向主溝3の各センター主溝3Aは、接地領域における接地中央部に配置されている。接地中央部は、タイヤ赤道面CLの近傍の領域であって、本実施形態において接地中央部に配置された周方向主溝3であるセンター主溝3Aは、タイヤ赤道面CLに隣接して配置された周方向主溝3である。
なお、接地領域は、空気入りタイヤ11を正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたとき、この空気入りタイヤ11のトレッド部2のトレッド面2aが乾燥した平坦な路面と接地する領域である。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
トレッド部2は、トレッド面2aに、周方向主溝3により陸部41がタイヤ幅方向に複数(本実施形態では5本)区画形成されている。そして、本実施形態では、各センター主溝3Aの間に区画形成された1本のリブ状の陸部41をセンター陸部41Aとする。また、センター主溝3Aと、そのタイヤ幅方向外側のショルダー主溝3Bとで区画形成された2本のリブ状の陸部41をミドル陸部41Bとする。また、各ショルダー主溝3Bのタイヤ幅方向外側に配置されたリブ状の陸部41をショルダー陸部41Cとする。
このような空気入りタイヤ11において、センター主溝3Aは、ショルダー主溝3B側のミドル陸部41Bの開口縁に、当該開口縁の位置をタイヤ周方向に対して斜めに変化させる面取5Aがタイヤ周方向に沿って複数配置された面取部5が設けられている。本実施形態のセンター主溝3Aは、そのタイヤ幅方向外側にショルダー主溝3Bが設けられて、タイヤ幅方向外側にミドル陸部41Bが設けられているため、タイヤ幅方向外側の開口縁にのみ面取部5が設けられている。面取5Aは、図5(b)に示すように、ミドル陸部41Bのトレッド面2aにおいて、センター主溝3Aの開口縁の角部が三角形状に切り欠かれ、かつ図5(a)および図6に示すように平面視で三角形状の凹部として形成されている。具体的に、面取5Aは、タイヤ周方向に対して傾斜する長さの異なる長辺5aおよび短辺5bを有してセンター主溝3Aの開口縁に三角形状に形成されている。なお、図には明示しないが、面取5Aは、タイヤ周方向に対して傾斜する同じ長さの2辺を有してセンター主溝3Aの開口縁に三角形状に形成されていてもよい。従って、センター主溝3Aは、面取部5によりタイヤ周方向に対して傾斜する縁部を有する。また、面取5Aは、図5(a)に示すように、タイヤ周方向に連続して設けられていてもよく、図6に示すように、タイヤ周方向で間隔5Bをおいて設けられていてもよい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11は、センター主溝3Aとショルダー主溝3Bとで区画形成されたミドル陸部41Bに、屈曲溝6および副溝7が形成されている。
屈曲溝6は、センター主溝3Aの面取部5を有する開口縁のタイヤ幅方向に併設しタイヤ周方向に沿って延在して設けられている。屈曲溝6は、面取部5の面取5Aの形状に合わせて傾斜することで屈曲して形成されている。具体的に、屈曲溝6は、図5(a)および図6に示すように、面取の長辺5aに沿ってタイヤ周方向に傾斜する長尺の第一傾斜部6a、および面取5Aの短辺5bに沿ってタイヤ周方向に傾斜する短尺の第二傾斜部6bを有して屈曲して形成されている。そして、屈曲溝6は、三角形状の面取5Aの形状に合わせてタイヤ周方向に沿って設けられているため、タイヤ周方向に沿って直線が何度も折れ曲がる稲妻形が連続するジグザグ状に形成されている。なお、図6に示す空気入りタイヤ11では、面取5Aがタイヤ周方向で間隔5Bをおいてセンター主溝3Aの開口縁がタイヤ周方向に延在して設けられているため、屈曲溝6は、タイヤ周方向に延在して傾斜しない中間部6cを有している。この屈曲溝6により、ミドル陸部41Bがセンター主溝3A側の第一ミドル陸部41Baと、ショルダー主溝3B側の第二ミドル陸部41Bbとに分割される。なお、屈曲溝6は、1.5mm以上であって周方向主溝3未満の溝幅で、周方向主溝3未満の溝深さのものをいう。
副溝7は、ショルダー主溝3Bと屈曲溝6との間に設けられてタイヤ周方向に交差して形成されている。副溝7は、図5(a)および図6に示すように、一端7aが屈曲溝6に向けて延在して屈曲溝6との間に間隔を有するようにミドル陸部41B(第二ミドル陸部41Bb)内で終端して設けられている。具体的に、副溝7は、一端7aが屈曲溝6の屈曲が大きい短尺の第二傾斜部6bに向けて設けられている。また、副溝7は、他端7bがショルダー主溝3Bに向けて延在して当該ショルダー主溝3Bに連通して設けられている。なお、図には明示しないが、副溝7は、他端7bがショルダー主溝3Bとの間に間隔を有するようにミドル陸部41B(第二ミドル陸部41Bb)内で終端して設けられていてもよい。なお、副溝7は、1.5mm以上であって周方向主溝3未満の溝幅で、周方向主溝3未満の溝深さのものをいう。
このように、本実施形態の空気入りタイヤ11は、トレッド部2の接地中央部にタイヤ周方向に沿って延在して設けられたセンター主溝(第一主溝)3Aと、センター主溝3Aのタイヤ幅方向外側にタイヤ周方向に沿って延在して設けられたショルダー主溝(第二主溝)3Bと、センター主溝3Aとショルダー主溝3Bとで区画形成されてタイヤ周方向に連続するミドル陸部41Bと、センター主溝3Aにおけるミドル陸部41B側の開口縁に設けられて当該開口縁の位置をタイヤ周方向に対して斜めに変化させる面取5Aがタイヤ周方向に沿って複数配置された面取部5と、ミドル陸部41Bに設けられてセンター主溝3Aの面取部5を有する開口縁のタイヤ幅方向に併設されタイヤ周方向に沿って延在しつつ面取部5の面取5Aの形状に合わせて屈曲して設けられた屈曲溝6と、ミドル陸部41Bにおけるショルダー主溝3Bと屈曲溝6との間に設けられてタイヤ周方向に交差して屈曲溝6に向けて延在し、屈曲溝6に向く一端7aがミドル陸部41B内で終端する副溝7と、を備える。
この空気入りタイヤ11によれば、屈曲溝6によりタイヤ接地面のエッジ成分が確保され、タイヤのウェット性能である湿潤路面での制動性能が確保される。また、屈曲溝6がセンター主溝3Aの開口縁に設けられた面取部5の面取5Aの形状に合わせて屈曲して設けられ、かつ屈曲溝6に向く一端7aがミドル陸部41B内で終端する副溝7が設けられていることで、タイヤ成形時に屈曲溝6から成形型が抜かれる際、屈曲溝6を有するミドル陸部41B(第一ミドル陸部41Ba、第二ミドル陸部41Bb)が面取部5側や副溝7側に変形して屈曲溝6が広がるため、成形型の抜け性が向上し、型抜き時にミドル陸部41Bに欠損が起こる事態を防ぎ外観不良を防ぐことができる。しかも、屈曲溝6がセンター主溝3Aの開口縁に設けられた面取部5の面取5Aの形状に合わせて屈曲して設けられ、かつ屈曲溝6に向く一端7aがミドル陸部41B内で終端する副溝7が設けられていることで、屈曲溝6を有するミドル陸部41Bの剛性差が抑制されて接地圧が均一化されるため、耐偏摩耗性能を向上することができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11では、図5(a)および図6に示すように、屈曲溝6は、その溝幅(開口幅)Waが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対し、4%以上8%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
屈曲溝6の溝幅Waがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して4%未満であると、屈曲溝6の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、屈曲溝6の溝幅Waがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して8%を超えると、ミドル陸部41Bの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、屈曲溝6の溝幅Waが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して4%以上8%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、屈曲溝6の溝幅Waが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して5%以上7%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11では、図5(a)および図6に示すように、屈曲溝6は、その中心線Sにおける面取部5のミドル陸部41Bでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対し、20%以上45%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
屈曲溝6の中心線Sは、屈曲溝6の溝幅Waの中心を通過する直線である。面取部5のミドル陸部41Bでのエッジ5cは、面取部5の面取5Aがミドル陸部41Bのトレッド面2aにおいて最も大きく切り欠かれた部分の縁である。
屈曲溝6の中心線Sにおける面取部5のミドル陸部41Bでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して20%未満であると、屈曲溝6が面取部5に近くなり、その間でのミドル陸部41Bの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。一方、屈曲溝6の中心線Sにおける面取部5のミドル陸部41Bでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して45%を超えると、副溝7を配置する範囲が狭くなって副溝7の長さが確保し難くなるため、副溝7の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、屈曲溝6の中心線Sにおける面取部5のミドル陸部41Bでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して20%以上45%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、屈曲溝6の中心線Sにおける面取部5のミドル陸部41Bでのエッジ5cまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して25%以上35%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11では、図5(b)に示すように、屈曲溝6は、その溝深さHaが、センター主溝3Aの溝深さHに対し、30%以上55%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに対して30%未満であると、屈曲溝6の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに対して55%を超えると、屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに近づくため、タイヤ成形時に屈曲溝6から成形型が抜かれる際にミドル陸部41Bに欠損が起こり易くなり外観不良を防ぐ効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐうえで、屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに対して30%以上55%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐ効果を顕著に得るうえで、屈曲溝6の溝深さHaがセンター主溝3Aの溝深さHに対して35%以上50%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11では、図5(a)および図6に示すように、面取部5は、面取5Aがタイヤ周方向に対して傾斜する長辺5aおよび短辺5bを有してセンター主溝3Aの開口縁に三角形状に形成され、屈曲溝6は、当該面取5Aの長辺5aに沿ってタイヤ周方向に傾斜する長尺の第一傾斜部6aおよび面取5Aの短辺5bに沿ってタイヤ周方向に傾斜する短尺の第二傾斜部6bを有して屈曲して形成されており、第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが2°以上7°以下の範囲であって、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが20°以上60°以下の範囲に形成されていることが好ましい。
第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが2°未満であったり、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが20°未満であったりすると、屈曲溝6がタイヤ周方向に近づくため、エッジ効果が低下するため、湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが7°を超えたり、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが60°を超えたりすると、屈曲溝6の屈曲が過大となって角部が鋭角に近くなるため、ミドル陸部41Bの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなり、また、タイヤ成形時に屈曲溝6から成形型が抜かれる際にミドル陸部41Bに欠損が起こり易くなり外観不良を防ぐ効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上するうえで、第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが2°以上7°以下の範囲であって、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが20°以上60°以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、第一傾斜部6aのタイヤ周方向に対する角度αが3°以上5°以下の範囲であって、第二傾斜部6bのタイヤ周方向に対する角度βが30°以上45°以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11では、図5(a)および図6に示すように、面取部5は、そのタイヤ幅方向寸法Wcが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対し、4%以上15%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
面取部5のタイヤ幅方向寸法Wcがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して4%未満であると、センター主溝3Aの排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部5のタイヤ幅方向寸法Wcがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して15%を超えると、面取5Aがミドル陸部41B内で大きく切り欠かれるため、ミドル陸部41Bの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部5のタイヤ幅方向寸法Wcがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して4%以上15%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお。湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、面取部5のタイヤ幅方向寸法Wcがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して6%以上8%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11では、図5(b)に示すように、面取部5は、そのタイヤ径方向寸法Hbが、センター主溝3Aの溝深さHに対し、30%以上60%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
面取部5のタイヤ径方向寸法Hbがセンター主溝3Aの溝深さHに対して30%未満であると、センター主溝3Aの排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部5のタイヤ径方向寸法Hbがセンター主溝3Aの溝深さHに対して60%を超えると、ミドル陸部41Bの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部5のタイヤ径方向寸法Hbがセンター主溝3Aの溝深さHに対して30%以上60%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、面取部5のタイヤ径方向寸法Hbがセンター主溝3Aの溝深さHに対して40%以上55%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11では、図5(a)および図6に示すように、面取部5と屈曲溝6とがタイヤ幅方向で向き合う部分において、面取部5における面取5Aのタイヤ幅方向寸法Wcと、当該面取5Aに対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝6の部分でのタイヤ幅方向の屈曲範囲Wdとが等しく、かつ面取部5における1つの面取5Aのタイヤ周方向寸法Laと、当該面取5Aに対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝6の部分での1つの屈曲単位のタイヤ周方向寸法Lbとが等しく形成されていることが好ましい。
この空気入りタイヤ11によれば、面取5Aのタイヤ幅方向寸法Wcと、当該面取5Aに対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝6の部分でのタイヤ幅方向の屈曲範囲Wdとが等しく、かつ面取5Aのタイヤ周方向寸法Laと、当該面取5Aに対してタイヤ幅方向で向き合う屈曲溝6の部分での1つの屈曲単位のタイヤ周方向寸法Lbとが等しく形成されていることで、面取5Aのエッジ形状と屈曲溝6の屈曲が平行となり、その間のミドル陸部41Bにおけるタイヤ周方向での剛性差を均一化させ、耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得ることができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11では、図5(a)および図6に示すように、副溝7は、そのタイヤ幅方向寸法Weが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対し、40%以上50%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
副溝7のタイヤ幅方向寸法Weは、副溝7をタイヤ周方向に投影した場合のタイヤ幅方向の寸法である。
副溝7のタイヤ幅方向寸法Weがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して40%未満であると、副溝7の排水性が低下して湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、副溝7のタイヤ幅方向寸法Weがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して50%を超えると、ミドル陸部41Bの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、副溝7のタイヤ幅方向寸法Weがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して40%以上50%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、副溝7のタイヤ幅方向寸法Weがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して43%以上46%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図5(a)および図6に示すように、副溝7は、屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfが、ミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して7%以上20%以下の範囲に形成されていることが好ましい。
副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して7%未満であると、ミドル陸部41Bの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。一方、副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して20%を超えると、ミドル陸部41Bの剛性が高まって、タイヤ成形時に屈曲溝6から成形型が抜かれる際にミドル陸部41Bに欠損が起こり易くなり外観不良を防ぐ効果が小さくなる。従って、外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上するうえで、副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して7%以上20%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、外観不良を防ぐと共に耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfがミドル陸部41Bのタイヤ幅方向寸法Wに対して10%以上15%以下の範囲に形成されていることが好ましい。なお、同様の作用効果を得るうえで、副溝7の屈曲溝6に向く端部と屈曲溝6との最短寸法Wfは、2mm以上5mm以下の範囲に形成することが好ましく、3mm以上4mm以下の範囲に形成することがより好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ11では、図4〜図6に示すように、2本のセンター主溝3Aの各タイヤ幅方向外側にショルダー主溝3Bが設けられ、ミドル陸部41Bがセンター主溝3Aのタイヤ幅方向外側にセンター主溝3Aとショルダー主溝3Bとで区画形成され、センター主溝3Aのタイヤ幅方向外側の開口縁にのみ面取部5が設けられ、各ミドル陸部41Bに屈曲溝6が設けられ、かつ各ミドル陸部41Bに副溝7が設けられており、正規リムにリム組みし、正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたときに、トレッド部2を平坦面と接地させた状態において、面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が、面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して8%以上13%以下の範囲で大きく形成されていることが好ましい。
面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して15%未満で大きい場合は、面取5Aのエッジ効果が低下するため、湿潤路面での制動性能への寄与が小さくなる。一方、面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して20%を超えて大きい場合は、面取5Aがミドル陸部41B内で大きく切り欠かれるため、ミドル陸部41Bの剛性が低下して耐偏摩耗性能の向上効果が小さくなる。従って、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上するうえで、面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して8%以上13%以下の範囲で大きく形成されていることが好ましい。なお、湿潤路面での制動性能を確保しつつ耐偏摩耗性能を向上する効果を顕著に得るうえで、面取部5を含むセンター主溝3Aの溝開口面積が面取部5を除くセンター主溝3Aの溝開口面積に対して9%以上11%以下の範囲で大きく形成されていることが好ましい。
ところで、本実施形態において、各ショルダー陸部41Cは、それぞれショルダー主溝3Bに沿ってタイヤ周方向に延在する周方向細溝8が形成されている。この周方向細溝8により、各ショルダー陸部41Cがショルダー主溝3B側の第一ショルダー陸部41Caと、最もタイヤ幅方向外側の第二ショルダー陸部41Cbとに分割される。なお、周方向細溝8は、1.5mm以上であって周方向主溝3未満の溝幅で、周方向主溝3未満の溝深さのものをいう。
また、各ショルダー陸部41Cは、第二ショルダー陸部41Cbにおいてタイヤ周方向に交差するショルダー副溝9が形成されている。ショルダー副溝9は、一端が周方向細溝8を貫通して第一ショルダー陸部41Ca内で終端し、他端がトレッド面2aのタイヤ幅方向外側に延在して設けられている。なお、ショルダー副溝9は、1.5mm以上であって周方向主溝3未満の溝幅で、周方向主溝3未満の溝深さのものをいう。
また、各ショルダー陸部41Cは、第二ショルダー陸部41Cbにおいてタイヤ周方向に交差するショルダー細溝10が形成されている。ショルダー細溝10は、一端が周方向細溝8に連通し、他端がトレッド面2aのタイヤ幅方向外側に延在して設けられている。なお、ショルダー細溝10は、0.4mm以上1.2mm以下の範囲であって、いわゆるサイプとして形成される。
本実施例では、条件が異なる複数種類の試験タイヤについて、湿潤路面での制動性能、耐偏摩耗性能、および加硫故障(外観不良)に関する性能試験が行われた(図7〜図10参照)。
この性能試験では、上述した実施形態1に対応する図1および図2に示す形態の空気入りタイヤであって、タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを試験タイヤ1とした。この試験タイヤ1は、15×6Jの正規リムに組み付け、正規内圧(200kPa)を充填し、試験車両(1400cc・フロントエンジンフロント駆動車)に装着される。また、上述した実施形態2に対応する図4および図5に示す形態の空気入りタイヤであって、タイヤサイズ215/45R17の空気入りタイヤを試験タイヤ2とした。この試験タイヤ2は、17×7Jの正規リムに組み付け、正規内圧(200kPa)を充填し、試験車両(1400cc・フロントエンジンフロント駆動車)に装着される。
湿潤路面での制動性能の評価方法は、上記試験車両にて水深1mmの湿潤路面のテストコースで時速100km/hからの制動距離が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例1,2を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
耐偏摩耗性能の評価方法は、上記試験車両にて乾燥路面のテストコースで平均時速80km/hにて10000km走行後に摩耗形態を目視により確認する。そして、この目視確認結果に基づいて従来例1,2を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
加硫故障の評価方法は、試験タイヤ1,2を200本加硫し、陸部の欠損や割れの外観不良を目視により確認する。そして、この目視確認結果に基づいて従来例1,2を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
図7および図8に示す実施例は、図1および図2に示す形態の空気入りタイヤに基づく試験タイヤ1を適用した。従来例1の空気入りタイヤは、図1および図2に示す形態に対し、第一主溝に面取部が設けられておらず、かつ屈曲溝に替えてタイヤ周方向に沿って延在する直線溝が設けられている。比較例1の空気入りタイヤは、図1および図2に示す形態に対し、第一主溝に面取部が設けられていない。一方、実施例1〜実施例33の空気入りタイヤは、図1および図2に示す形態であって、第一主溝に面取部が設けられ、かつ屈曲溝および副溝が設けられている。
図7および図8の試験結果に示すように、実施例1〜実施例33の空気入りタイヤは、湿潤路面での制動性能が確保されつつ、耐偏摩耗性能および加硫故障(外観不良)が改善されていることが分かる。
図9および図10に示す実施例は、図4および図5に示す形態の空気入りタイヤに基づく試験タイヤ2を適用した。従来例2の空気入りタイヤは、図1および図2に示す形態に対し、第一主溝に面取部が設けられておらず、かつ屈曲溝に替えてタイヤ周方向に沿って延在する直線溝が設けられている。比較例2の空気入りタイヤは、図4および図5に示す形態に対し、第一主溝に面取部が設けられていない。一方、実施例34〜実施例65の空気入りタイヤは、図4および図5に示す形態であって、第一主溝に面取部が設けられ、かつ屈曲溝および副溝が設けられている。
図9および図10の試験結果に示すように、実施例34〜実施例65の空気入りタイヤは、湿潤路面での制動性能が確保されつつ、耐偏摩耗性能および加硫故障(外観不良)が改善されていることが分かる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
2a トレッド面
3A センター主溝(第一主溝)
3B ショルダー主溝(第二主溝)
4A センター陸部(陸部)
5 面取部
5A 面取
5a 長辺
5b 短辺
5c エッジ
6 屈曲溝
6a 第一傾斜部
6b 第二傾斜部
7 副溝
7a 一端
7b 他端
A 境界部
S 中心線
11 空気入りタイヤ
41B ミドル陸部(陸部)
2 トレッド部
2a トレッド面
3A センター主溝(第一主溝)
3B ショルダー主溝(第二主溝)
4A センター陸部(陸部)
5 面取部
5A 面取
5a 長辺
5b 短辺
5c エッジ
6 屈曲溝
6a 第一傾斜部
6b 第二傾斜部
7 副溝
7a 一端
7b 他端
A 境界部
S 中心線
11 空気入りタイヤ
41B ミドル陸部(陸部)
Claims (12)
- トレッド部の接地中央部にタイヤ周方向に沿って延在して設けられた第一主溝と、
前記第一主溝のタイヤ幅方向外側にタイヤ周方向に沿って延在して設けられた第二主溝と、
前記第一主溝と前記第二主溝とで区画形成されてタイヤ周方向に連続する陸部と、
前記第一主溝における前記陸部側の開口縁に設けられて当該開口縁の位置をタイヤ周方向に対して斜めに変化させる面取がタイヤ周方向に沿って複数配置された面取部と、
前記陸部に設けられて前記第一主溝の前記面取部を有する前記開口縁のタイヤ幅方向に併設されタイヤ周方向に沿って延在しつつ前記面取部の前記面取の形状に合わせて屈曲して設けられた屈曲溝と、
前記陸部における前記第二主溝と前記屈曲溝との間に設けられてタイヤ周方向に交差して前記屈曲溝に向けて延在し、前記屈曲溝に向く端部が前記陸部内で終端する副溝と、
を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記屈曲溝は、その溝幅Waが、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対し、4%以上8%以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記屈曲溝は、その中心線における前記面取部の前記陸部でのエッジまでのタイヤ幅方向寸法Wbが、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対し、20%以上45%以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記屈曲溝は、その溝深さHaが、前記第一主溝の溝深さHに対し、30%以上55%以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記面取部は、前記面取がタイヤ周方向に対して傾斜する長辺および短辺を有して前記第一主溝の開口縁に三角形状に形成され、前記屈曲溝は、当該面取の長辺に沿ってタイヤ周方向に傾斜する長尺の第一傾斜部および前記面取の短辺に沿ってタイヤ周方向に傾斜する短尺の第二傾斜部を有して屈曲して形成されており、前記第一傾斜部のタイヤ周方向に対する角度αが2°以上7°以下の範囲であって、前記第二傾斜部のタイヤ周方向に対する角度βが20°以上60°以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記面取部は、そのタイヤ幅方向寸法Wcが、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対し、4%以上15%以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記面取部は、そのタイヤ径方向寸法Hbが、前記第一主溝の溝深さHに対し、30%以上60%以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記面取部と前記屈曲溝とがタイヤ幅方向で向き合う部分において、前記面取部における前記面取のタイヤ幅方向寸法Wcと、当該面取に対してタイヤ幅方向で向き合う前記屈曲溝の部分でのタイヤ幅方向の屈曲範囲Wdとが等しく、かつ前記面取部における1つの前記面取のタイヤ周方向寸法Laと、当該面取に対してタイヤ幅方向で向き合う前記屈曲溝の部分での1つの屈曲単位のタイヤ周方向寸法Lbとが等しく形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記副溝は、そのタイヤ幅方向寸法Weが、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wに対し、40%以上50%以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一主溝のタイヤ幅方向両側に前記第二主溝がそれぞれ設けられ、前記陸部が前記第一主溝のタイヤ幅方向両側に前記第一主溝と各前記第二主溝とで区画形成され、前記第一主溝の両開口縁に前記面取部が設けられ、各前記陸部に前記屈曲溝が設けられ、かつ各前記陸部に前記副溝が設けられており、
正規リムにリム組みし、正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたときに、トレッド部を平坦面と接地させた状態において、前記面取部を含む前記第一主溝の溝開口面積が、前記面取部を除く前記第一主溝の溝開口面積に対して15%以上20%以下の範囲で大きく形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。 - 前記第一主溝のタイヤ幅方向両側に前記第二主溝がそれぞれ設けられ、前記陸部が前記第一主溝のタイヤ幅方向両側に前記第一主溝と各前記第二主溝とで区画形成され、前記第一主溝の両開口縁に前記面取部が設けられ、各前記陸部に前記屈曲溝が設けられ、かつ各前記陸部に前記副溝が設けられており、
前記第一主溝の両開口縁の各前記面取部は、前記面取がタイヤ周方向で連続して設けられており、当該面取が連続する境界部が前記第一主溝の各開口縁においてタイヤ周方向でずれて設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。 - 2本の前記第一主溝の各タイヤ幅方向外側に前記第二主溝が設けられ、前記陸部が前記第一主溝のタイヤ幅方向外側に前記第一主溝と前記第二主溝とで区画形成され、前記第一主溝のタイヤ幅方向外側の開口縁にのみ前記面取部が設けられ、前記陸部に前記屈曲溝が設けられ、かつ前記陸部に前記副溝が設けられており、
正規リムにリム組みし、正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたときに、トレッド部を平坦面と接地させた状態において、前記面取部を含む前記第一主溝の溝開口面積が、前記面取部を除く前記第一主溝の溝開口面積に対して8%以上13%以下の範囲で大きく形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
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