JP2017061009A - 刃先交換式切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】切削インサートの押圧力の安定化を図りつつクランプネジを撓ませ易くし、締め際で切削インサートがずれ動くような事態を防ぐ。【解決手段】工具本体1のインサート取付座2にインサート本体3bを有する切削インサート3がクランプネジ4により挟持されて取り付けられ、インサート本体3bには貫通孔3eが形成され、取付座2の一方の取付座壁面2aには取付基準孔5とネジ孔6が、他方の取付座壁面2bにはネジ孔6の中心線L1に対して後端側に偏心した円錐状受け面7aが形成され、クランプネジ4は一端部に雄ネジ部4aが、他端部に頭部4bが形成され、雄ネジ部4aと頭部4bの間には、一端部側の外周面が取付基準孔5の摺接させられ、他端部側の外周面が貫通孔3eに当接させられる円筒部4dが形成され、円筒部4dと頭部4bの間には円筒部4dより外径が小さい可撓部4eが形成される。【選択図】図2
Description
本発明は、工具本体の先端部に形成されたスリット状のインサート取付座に、切刃が形成されたインサート本体を有する切削インサートが着座させられて、クランプネジによって挟持されることにより着脱可能に取り付けられる刃先交換式切削工具に関するものである。
このような刃先交換式切削工具として、例えば特許文献1には、工具本体の先端部にスリット状に設けた中空部のインサート取付座に切削インサートを挟持し、締め付け部材で固定する刃先交換式切削工具において、工具本体のインサート取付座側面部には締め付け部材の頭部円錐面に対応する部分に、締め付け部材の中心線に対し、工具本体後端方向に偏心した円錐受け面を設け、他のインサート取付座側面部には、締め付け部材の円筒部受け穴およびその側壁とこの側壁に連なり締め付け部材の雄ねじ部に対応する雌ねじ部を設け、切削インサートの固定をインサート取付座側面部による押圧と、締め付け部材の円筒部による切削インサートのピン穴側面から工具本体の後端側への押圧とによって行い、かつ、円筒部受け穴の側壁と締め付け部材の円筒部とを当接させて取付基準面としたものが提案されている。
ここで、この特許文献1に記載された刃先交換式切削工具では、上述のように工具本体のインサート取付座側面部の締め付け部材頭部円錐面に対応する部分に、締め付け部材の中心線に対して工具本体後端方向に偏心した円錐受け面を設けることにより、締め付け部材をねじ込むことによって頭部側が工具本体後端側に傾くように撓ませて、円筒部により切削インサートのピン穴側面を工具本体後端側に押圧している。
そして、円筒部受け穴の側壁と締め付け部材の円筒部とを当接させて取付基準面としているので、こうして締め付け部材を撓ませたときの円筒部下端と円筒部受け穴先端側側壁の間の押圧によって円筒部による切削インサートの押圧力を安定させることができ、工具使用中の様々な方向、大きさの荷重に対しても切削インサートの取付精度を高精度に保つことができる。
ところが、この特許文献1に記載された刃先交換式切削工具の締め付け部材では、この円筒部が雄ねじ部と頭部との間の全長に亙って形成されているために締め付け部材の剛性が高く、締め付け部材が撓み難いという問題があった。また、こうして円筒部が雄ねじ部と頭部との間の全長に亙って形成されていることにより、円筒部と切削インサートのピン穴側面との接触面積も大きくなり、円筒部がピン穴側面を工具本体後端側に押圧する際の摩擦抵抗も大きくなって、締め付け部材の締め際で切削インサートがずれ動いてしまうおそれもある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように切削インサートの押圧力の安定化を図りつつも、締め付け部材(クランプネジ)を撓ませ易くするとともに、締め際で切削インサートがずれ動くような事態を防ぐことが可能な刃先交換式切削工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、工具本体の先端部に形成されたスリット状のインサート取付座に、切刃が形成されたインサート本体を有する切削インサートが着座させられて、クランプネジによって挟持されることにより着脱可能に取り付けられる刃先交換式切削工具であって、上記インサート本体には、上記インサート取付座の取付座底面に当接可能な着座面と、該インサート本体を貫通して上記クランプネジが挿通される貫通孔とが形成され、上記インサート取付座の互いに対向する2つの取付座壁面のうち、一方の取付座壁面には取付基準孔とネジ孔とが形成されるとともに、他方の取付座壁面には上記ネジ孔の中心線に対して工具本体後端側に偏心した中心線を有する円錐状受け面が工具本体先端側に形成され、上記クランプネジの一端部には上記ネジ孔にねじ込まれる雄ネジ部が形成され、他端部には上記円錐状受け面に摺接可能な円錐面状の外周面を有する頭部が形成され、上記雄ネジ部と頭部との間には、該クランプネジの上記一端部側の外周面が上記取付基準孔の工具本体先端側の内周面に摺接させられるとともに、上記他端部側の外周面が上記インサート本体の貫通孔における工具本体後端側の内周面に当接させられる円筒部が形成され、さらにこの円筒部と上記頭部との間には、該円筒部よりも外径が小さい可撓部が形成されていることを特徴とする。
このように構成された刃先交換式切削工具では、クランプネジをねじ込んで切削インサートを取り付ける際に、クランプネジの雄ネジ部が形成された一端部側における円筒部の外周面が上記取付基準孔の工具本体先端側の内周面に摺接させられるので、これらの内外周面が特許文献1に記載された刃先交換式切削工具における取付基準面として作用する。このため、やはり特許文献1に記載された刃先交換式切削工具と同様に、切削インサートの押圧力を安定させて、切削加工時の様々な方向、大きさの荷重に対しても切削インサートの取付精度を高精度に維持して、高い加工精度を得ることができる。
そして、さらに上記構成の刃先交換式切削工具では、この円筒部とクランプネジの頭部の間に、円筒部よりも外径が小さい可撓部が形成されており、このような可撓部を形成することによってクランプネジの剛性を必要な範囲で小さくすることができるので、切削インサートを挟持して固定する際に、クランプネジを撓ませ易くすることができる。従って、少ないねじ込み力でも切削インサートを確実かつ安定的にインサート取付座に取り付けることが可能となる。
また、この可撓部は円頭部よりも外径が小さいので、インサート本体の貫通孔と接触することはなく、すなわちクランプネジと貫通孔との接触面積を低減することができる。そして、これに伴いクランプネジが貫通孔を工具本体後端側に押圧する際の摩擦抵抗も低減するので、クランプネジの締め際にインサート本体がずれ動くような事態を防止することができる。このため、切削インサートの取付精度を一層高精度化することができ、加工精度のさらなる向上を図ることが可能となる。
ここで、上記クランプネジが、円筒部の外径が元々小さくて撓み易いものである場合には、雄ネジ部と頭部との間の部分において可撓部が占める長さをそれほど大きくする必要は無い。ただし、これとは逆に円筒部の外径が大きくて撓み難い場合に、上述のようにクランプネジを撓み易くし、かつインサート本体の貫通穴内周面と円筒部外周面との接触面積を小さく抑えるには、上記円筒部と上記可撓部との境界は、上記クランプネジをねじ込んで上記切削インサートを挟持した状態で、上記一方の取付座壁面から、上記ネジ孔の中心線方向における上記インサート本体の厚さの1/2以下の範囲に位置していることが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、クランプネジによる切削インサートの押圧力を安定化させながらも、確実かつ高精度に切削インサートをインサート取付座に取り付けることができ、一層高精度の切削加工を図ることができる。
図1および図2は、本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態の刃先交換式切削工具は、刃先交換式のエンドミル、特にボールエンドミルであり、すなわち軸線Oを中心とする外形略円柱状の工具本体1の先端部(図1および図2における左側部分)に形成されたスリット状のインサート取付座2に、円弧状の切刃3aが形成されたインサート本体3bを有する切削インサート3が着座させられて、クランプネジ4によって挟持されることにより着脱可能に取り付けられている。このような刃先交換式切削工具は、工具本体1後端側の図示されないシャンク部が工作機械の主軸に把持されて、軸線O回りに回転させられつつ通常は軸線Oに交差する方向に送り出され、上記切刃3aにより金型等の被削物を切削加工する。
切削インサート3のインサート本体3bは、超硬合金等の硬質材料によって板状に形成されて、2つの互いに平行な側面3cと、これらの側面3cに垂直な着座面3dとを備えており、上記円弧状の切刃3aが工具本体1の先端部外周に突出して、その軸線O回りになす回転軌跡が該軸線O上に中心を有する半球状となるようにインサート取付座2に取り付けられる。また、インサート本体3bには、上記切刃3aがなす円弧の略中心を通る中心線を有してインサート本体3bを貫通する断面円形の貫通孔3eが形成されていて、上記2つの側面3cに開口している。
一方、工具本体1とクランプネジ4は、インサート本体3bよりは低硬度で弾性変形可能な鋼材等の金属材料により形成されている。このうち、工具本体1の先端部は、切削インサート3が取り付けられた状態で、軸線Oとインサート本体3bの貫通孔3eの上記中心線との交点を中心とする半球状に形成されており、ただしこの工具本体1の先端部がなす半球の半径は、切刃3aの上記回転軌跡がなす半球の半径よりも僅かに小さくされている。
このような工具本体1の先端部に形成される上記インサート取付座2は、図2に示すように軸線Oとインサート本体3bの貫通孔3eの上記中心線とに直交する方向から見て、工具本体1の先端側に「コ」字形に開口するスリット状に形成されており、すなわち互いに平行かつ軸線Oにも平行な対向する2つの取付座壁面2a、2bと、これらの取付座壁面2a、2bに垂直で軸線Oに直交する、工具本体1の先端側を向く取付座底面2cとを備えている。
2つの取付座壁面2a、2bは軸線Oから互いに等しい距離にあり、これらの取付座壁面2a、2b間の間隔は、両取付座壁面2a、2bに上記2つの側面3cをそれぞれ摺接させてインサート本体3bを嵌め入れ可能な大きさとされている。そして、こうしてインサート本体3bを嵌め入れて上記着座面3dを取付座底面2cに当接させることにより、切削インサート3は、貫通孔3eの中心線が軸線Oと直交するようにしてインサート取付座2に着座させられる。
また、2つの取付座壁面2a、2bのうち一方の取付座壁面(図2における下側の取付座壁面)2aには、上述のように切削インサート3をインサート取付座2に着座させた状態で、この一方の取付座壁面2aに摺接したインサート本体3bの側面3cにおける上記貫通孔3eの開口部に臨むように、取付基準孔5とネジ孔6とが形成されている。本実施形態では、取付基準孔5が取付座壁面2aに開口するように形成されるとともに、この取付基準孔5の孔底にネジ孔6が形成されている。
このうち、ネジ孔6は、その中心線L1が軸線Oと直交するように延びている。また、取付基準孔5は、軸線O方向に延びる長孔状をなしており、すなわち取付座壁面2aに平行な断面において、1つの円をその直径で軸線O方向に分割した2つの半円の間を、この直径と等しい幅の方形で繋いだ形状に形成されている。これらの半円のうち工具本体1の先端側に位置する半円の中心はネジ孔6の中心線L1上に位置しており、この先端側の半円に沿う取付基準孔5の半円筒面状の内周面は工具本体1側の取付基準面5aとされる。なお、これらの半円の内径(上記1つの円の直径)は、ネジ孔6の内径(ネジ孔6のネジの谷の直径)よりも僅かに大きい。
これに対して、2つの取付座壁面2a、2bのうち他方の取付座壁面(図2における上側の取付座壁面)2bには、この他方の取付座壁面2bから離れて工具本体1の先端部外周側(図2における上側)に向かうに従い内径が漸次大きくなる凹円錐状孔7が形成されて、工具本体1の外周面に開口している。取付座壁面2bに平行な断面においては、この凹円錐状孔7は円形状に形成されていて、この円の内径が工具本体1の外周側に向かうに従い漸次大きくなる。
さらに、この凹円錐状孔7の工具本体1の先端側の半円に沿う半円錐面は本実施形態における円錐状受け面7aとされており、この円錐状受け面7aの中心線L2は、軸線Oに直交するとともに、ネジ孔6の中心線L1よりも僅かに工具本体1の後端側に偏心している。なお、この凹円錐状孔7の孔底と他方の取付座壁面2bとの間には、取付基準孔5よりも大きい内径の長孔部7bが形成されていて、この他方の取付座壁面2bに摺接したインサート本体3bの側面3cにおける貫通孔3eの開口部に臨むように開口している。
クランプネジ4には、その一端部(図2における下側部分)に上記ネジ孔6にねじ込まれる雄ネジ部4aが形成されるとともに、他端部(図2における上側部分)には、こうして雄ネジ部4aをネジ孔6にねじ込んでいったときに上記円錐状受け面7aと摺接可能な一端部側に向かうに従い漸次拡径する円錐面状の外周面を有する頭部4bが形成されている。また、頭部4bの端面には、クランプネジ4をねじ込み、または緩める際にレンチ等の作業用工具と係合する係合孔4cが形成されている。
さらに、これら雄ネジ部4aと頭部4bとの間には、雄ネジ部4aが設けられた一端部側に円筒部4dが形成されている。この円筒部4dは、その外周面がクランプネジ4の中心線を中心とする円筒面状をなしており、その外径は、雄ネジ部4aの外径よりも僅かに大きく、取付基準孔5の上記取付基準面5aとされた先端側の内周面の内径よりは極僅かに小さく設定され、上述のように雄ネジ部4aをネジ孔6にねじ込んでいったときに円筒部4dの外周面が取付基準面5aに摺接可能とされている。
なお、インサート本体3bの貫通孔3eは、上述のようにインサート本体3bをインサート取付座2に着座させた状態で、雄ネジ部4aをネジ孔6にねじ込み始めたときには、この円筒部4dの外周面と貫通孔3eの工具本体1後端側部分の内周面との間に極僅かな間隔があけられるように、その中心線の位置と内径とが設定されている。
そして、この円筒部4dと頭部4bとの間には、円筒部4dよりも外径が小さい可撓部4eが形成されている。この可撓部4eも、その外周面がクランプネジ4の中心線を中心とした円筒面状をなしており、円筒部4dと可撓部4eとの外径(直径)の差は、例えば0.08〜0.5mm程度とされている。また、本実施形態では、クランプネジ4の中心線方向における可撓部4eの長さは円筒部4dの長さよりも短い。
このような刃先交換式切削工具は、上述のように切削インサート3を、そのインサート本体3bの貫通孔3eの中心線が軸線Oと直交するようにインサート取付座2に嵌め入れて着座面3dを取付座底面2cに当接させることにより着座させ、次いで凹円錐状孔7からクランプネジ4を貫通孔3eに挿通して雄ネジ部4aをネジ孔6にねじ込むことにより組み立てられる。
雄ネジ部4aをネジ孔6にねじ込み始めたときには、クランプネジ4の中心線はネジ孔6の中心線L1と同軸であるが、クランプネジ4の頭部4bの外周面が凹円錐状孔7の円錐状受け面7aに摺接すると、この円錐状受け面7aの中心線L2はネジ孔6の中心線L1よりも僅かに工具本体1の後端側に偏心しているので、クランプネジ4は頭部4bが工具本体1の後端側に倒れ込むように撓み始める。
そして、このようにクランプネジ4が撓むと、その円筒部4dのうち他端部側の外周面が切削インサート3の貫通孔3eの工具本体1後端側の内周面に当接してインサート本体3bをインサート取付座2の取付座底面2cに押圧する。また、これと同時に、クランプネジ4の頭部4bが円錐状受け面7aを押し付けることによりインサート取付座2の2つの取付座壁面2a、2b間の間隔が狭められてインサート本体3bの2つの側面3cが押圧され、これらの押圧によって切削インサート3がインサート取付座2に挟持されて固定される。
ここで、クランプネジ4が撓み始めるときには、円筒部4dの一端部側の外周面が取付基準孔5の工具本体1先端側の取付基準面5aに摺接しているので、クランプネジ4は、この円筒部4dの一端部側の外周面における取付基準面5aと摺接した部分を支点として頭部4b側が工具本体1後端側に傾くように撓んでゆく。すなわち、この円筒部4dの取付基準面5aと摺接した部分がクランプネジ4側の取付基準面として作用し、工具本体1側の取付基準面5aによってクランプネジ4が工具本体1の先端側と外周側とに拘束されるので、切削加工時に切刃3aから切削インサート3に如何なる方向から荷重が作用しても、切削インサート3を強固にインサート取付座2に保持することができる。
そして、さらに上記構成の刃先交換式切削工具では、このクランプネジ4の他端側の円筒部4dと頭部4bとの間に、円筒部4dよりも外径が小さい可撓部4eが形成されている。このため、可撓部4eにおいては円筒部4dよりも必要な範囲で剛性を小さくすることができるので、クランプネジ4を撓み易くすることができ、係合孔4cにレンチ等の作業用工具を係合させてクランプネジ4を回転することにより雄ネジ部4aをネジ孔6にねじ込む際のねじ込み力を小さく抑えることができるとともに、クランプネジ4を確実に撓ませて切削インサート3を安定的にインサート取付座2に固定することが可能となる。
また、この可撓部4eは、インサート本体3bの貫通孔3eに当接する円筒部4dよりも外径が小さいので貫通孔3eと接触することはなく、従ってクランプネジ4と貫通孔3eとの接触面積は小さくなる。このため、クランプネジ4が貫通孔3eに当接してインサート本体3bを工具本体1の後端側に押圧する際のクランプネジ4と貫通孔3eとの間の摩擦抵抗も小さく抑えることができるので、切削インサート3が完全に固定される直前のクランプネジ4の締め際においてインサート本体3bがずれ動いてしまうのを防ぐことができ、切削インサート3を一層高精度にインサート取付座2に取り付けて加工精度の向上を図ることができる。
しかも、このようにクランプネジ4の他端側の円筒部4dと頭部4bとの間に貫通孔3eと接触しない可撓部4eが形成されることにより、雄ネジ部4aと頭部4bとの間の全体が貫通孔3eと接触する円筒部4dとされている場合に比べ、クランプネジ4の撓みによって円筒部4dの外周面が貫通孔3eと接触する位置を、クランプネジ4の取付基準面となる円筒部4dの一端部側外周面に近づけることができる。従って、クランプネジ4の撓み量が同じでも、この一端部側外周面を支点として円筒部4dが貫通孔3eに接触する位置に作用する押圧力を強くすることができ、さらに強固に切削インサート3をインサート取付座2に固定することが可能となる。
また、この第1の実施形態では、クランプネジ4の中心線方向における可撓部4eの長さは円筒部4dの長さよりも短かくされていて、図2に示すように円筒部4dの外周面は貫通孔3eの中心線方向においてインサート本体3bの厚さの略中央部辺りで貫通孔3eと接触することになる。このため、上記インサート本体3bの厚さ方向においてバランスよく切削インサート3を押圧して、さらに安定的にインサート取付座2に固定することができる。しかも、こうして可撓部4eの長さが円筒部4dよりも短くされることにより、クランプネジ4の剛性や強度が必要以上に低下するのも防ぐことができ、折損等も防止することができる。
ただし、クランプネジ4の外径が元々大きくて、円筒部4dや可撓部4eの外径も大きくすることができ、剛性や強度を十分に確保することができる場合などには、図3に断面を示す本発明の第2の実施形態のように、可撓部4eの長さを円筒部4dよりも長くするなどして、これら円筒部4dと可撓部4eとの境界を、クランプネジ4をねじ込んで切削インサート3を挟持した状態で、上記一方の取付座壁面2aから、ネジ孔6の中心線方向L1におけるインサート本体3bの厚さの1/2以下の範囲A内に位置させるようにしてもよい。なお、この図3において、図1および図2に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
従って、このような第2の実施形態によれば、クランプネジ4が撓み難い場合でも、可撓部4eを長く確保することによって確実に撓み易くすることができる。また、第1の実施形態と比べて、貫通孔3eとの接触面積も小さくなるので、摩擦抵抗の一層の低減を図ることもでき、さらには円筒部4dの外周面が貫通孔3eと接触する位置を、クランプネジ4の取付基準面となる円筒部4dの一端部側に近づけることができ、より強固に切削インサート3を固定することもできる。
ただし、この境界の位置があまり一方の取付座壁面2aに近すぎると、円筒部4dと貫通孔3eとの絶対的な接触面積が不足するとともに、インサート本体3bの厚さ方向における押圧位置のバランスも損なわれて、切削インサート3の取り付けが不安定となるおそれがあるので、このように円筒部4dと可撓部4eとの境界を一方の取付座壁面2aから上記範囲A内に位置させる場合でも、少なくとも一方の取付座壁面2aからインサート本体3bの厚さの20%以上離れた位置に配置するのが望ましい。
なお、これら第1、第2の実施形態では、切削インサート3の切刃3aの回転軌跡が半球状をなす刃先交換式のボールエンドミルに本発明を適用した場合について説明したが、同じ刃先交換式エンドミルでも、例えば切刃が、軸線Oに略垂直な方向に延びる底刃と、この底刃の外周端に連なって軸線O回りの回転軌跡が軸線Oを中心とする円筒面状をなす外周刃とから構成されたスクエアエンドミルや、これら底刃と外周刃が交差するコーナ部に円弧状のコーナ刃が形成されたラジアスエンドミルに本発明を適用することも可能である。さらに、エンドミル以外の切削工具でも、例えば刃先交換式のドリルに本発明を適用してもよい。
1 工具本体
2 インサート取付座
2a、2b 取付座壁面
2c 取付座底面
3 切削インサート
3a 切刃
3b インサート本体
3c 側面
3d 着座面
3e 貫通孔
4 クランプネジ
4a 雄ネジ部
4b 頭部
4c 係合孔
4d 円筒部
4e 可撓部
5 取付基準孔
5a 取付基準面
6 ネジ孔
7 凹円錐状孔
7a 円錐状受け面
7b 長孔部
O 工具本体1の軸線
L1 ネジ孔6の中心線
L2 円錐状受け面7aの中心線
A 一方の取付座壁面2aからネジ孔6の中心線方向L1におけるインサート本体3bの厚さの1/2以下の範囲
2 インサート取付座
2a、2b 取付座壁面
2c 取付座底面
3 切削インサート
3a 切刃
3b インサート本体
3c 側面
3d 着座面
3e 貫通孔
4 クランプネジ
4a 雄ネジ部
4b 頭部
4c 係合孔
4d 円筒部
4e 可撓部
5 取付基準孔
5a 取付基準面
6 ネジ孔
7 凹円錐状孔
7a 円錐状受け面
7b 長孔部
O 工具本体1の軸線
L1 ネジ孔6の中心線
L2 円錐状受け面7aの中心線
A 一方の取付座壁面2aからネジ孔6の中心線方向L1におけるインサート本体3bの厚さの1/2以下の範囲
Claims (2)
- 工具本体の先端部に形成されたスリット状のインサート取付座に、切刃が形成されたインサート本体を有する切削インサートが着座させられて、クランプネジによって挟持されることにより着脱可能に取り付けられる刃先交換式切削工具であって、
上記インサート本体には、上記インサート取付座の取付座底面に当接可能な着座面と、該インサート本体を貫通して上記クランプネジが挿通される貫通孔とが形成され、
上記インサート取付座の互いに対向する2つの取付座壁面のうち、一方の取付座壁面には取付基準孔とネジ孔とが形成されるとともに、他方の取付座壁面には上記ネジ孔の中心線に対して工具本体後端側に偏心した中心線を有する円錐状受け面が工具本体先端側に形成され、
上記クランプネジの一端部には上記ネジ孔にねじ込まれる雄ネジ部が形成され、他端部には上記円錐状受け面に摺接可能な円錐面状の外周面を有する頭部が形成され、
上記雄ネジ部と頭部との間には、該クランプネジの上記一端部側の外周面が上記取付基準孔の工具本体先端側の内周面に当接させられるとともに、上記他端部側の外周面が上記インサート本体の貫通孔における工具本体後端側の内周面に当接させられる円筒部が形成され、さらにこの円筒部と上記頭部との間には、該円筒部よりも外径が小さい可撓部が形成されていることを特徴とする刃先交換式切削工具。 - 上記円筒部と上記可撓部との境界が、上記クランプネジをねじ込んで上記切削インサートを挟持した状態で、上記一方の取付座壁面から、上記ネジ孔の中心線方向における上記インサート本体の厚さの1/2以下の範囲に位置していることを特徴とする請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
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2015
- 2015-09-24 JP JP2015186905A patent/JP2017061009A/ja active Pending
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