JP2017060209A - ガス絶縁機器 - Google Patents

ガス絶縁機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2017060209A
JP2017060209A JP2015180435A JP2015180435A JP2017060209A JP 2017060209 A JP2017060209 A JP 2017060209A JP 2015180435 A JP2015180435 A JP 2015180435A JP 2015180435 A JP2015180435 A JP 2015180435A JP 2017060209 A JP2017060209 A JP 2017060209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric field
insulating
gas
metal container
embedded electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015180435A
Other languages
English (en)
Inventor
英章 熊井
Hideaki Kumai
英章 熊井
孝倫 安岡
Takamichi Yasuoka
孝倫 安岡
栄仁 松崎
Sakahito Matsuzaki
栄仁 松崎
野嶋 健一
Kenichi Nojima
健一 野嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2015180435A priority Critical patent/JP2017060209A/ja
Publication of JP2017060209A publication Critical patent/JP2017060209A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02GINSTALLATION OF ELECTRIC CABLES OR LINES, OR OF COMBINED OPTICAL AND ELECTRIC CABLES OR LINES
    • H02G5/00Installations of bus-bars
    • H02G5/06Totally-enclosed installations, e.g. in metal casings
    • H02G5/066Devices for maintaining distance between conductor and enclosure
    • H02G5/068Devices for maintaining distance between conductor and enclosure being part of the junction between two enclosures

Landscapes

  • Installation Of Bus-Bars (AREA)

Abstract

【課題】金属容器内の絶縁性能の向上と機器のコンパクト化を両立させる。【解決手段】実施形態によるガス絶縁機器100は、金属製の高電圧導体2a、2bと、これら嵌合して電気的に接続する金属製の接触子5と、高電圧導体2a、2bおよび接触子5を収納して絶縁ガス3を内部に密封する金属容器1a、1bと、金属容器1a、1bに固定支持されて接触子5を支持する支持構造部材10を有する。支持構造部材10は、埋め込み電極11と、接触子5と金属容器1a、1bとの間の荷重の伝達経路となる絶縁板12と、電界の増加に対し比誘電率が単調増加する非線形誘電率材料を用いた電界緩和部材13、14とを有する。電界緩和部材13、14と、埋め込み電極11または金属容器1a、1bと、絶縁ガス3との間でトリプルジャンクション部18a、18b、17a、17bを形成するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、ガス絶縁機器に関する。
ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switchgear)は、変電所や発電所に設置されており、電力系統において雷サージや開閉サージ等の過電圧が発生した場合に、系統の施設や機器を切り離し、これらを過電圧から保護する役目を果たす。一般に、ガス絶縁開閉装置は、絶縁性能およびアーク消弧性能に優れたSFガスを絶縁ガスとして充填した金属容器内に、遮断器や母線、断路器、接地開閉器、電圧変成器等の機器を収納した構造となっている。容器内に配置する遮断器は、その一端を母線に接続し、また他端をケーブルヘッドやブッシング等の絶縁端子に接続する構成となっている。
図8は、従来の一般的なガス絶縁開閉装置の母線まわりの断面図である。母線、すなわち高電圧導体2a、2bは、接地された金属容器1a、1bの内部に収納されている。金属容器1a、1bの内部には、絶縁ガス3が封入されている。高電圧導体2a、2bは、金属容器1a、1bにより、絶縁スペーサ4を介して支持されている。ガス絶縁を必要とするような高電圧の条件下におけるGISでは、特に、母線の支持部において、十分な絶縁性能を確保する必要がある。
高電圧導体2a、2bが支持されている部分では、高電圧導体2a、2bは、連続的に接続されてはいないが、接触子5とスライドコンタクト6a、6bを介して、互いに電気的に接続されている。高電圧導体2a、2bにはそれを絶縁支持するための絶縁スペーサ4が取付けられている。絶縁スペーサ4の構成は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とし、機械特性の観点からアルミナやシリカを充填した複合材料が現在主流となっている。絶縁スペーサ4の支持部4aは絶縁樹脂で形成され、中心部には埋め込み電極4bが一体注型されている。
ガス絶縁開閉装置において、導体と、固体絶縁体と、絶縁ガスとの3つが接する境界面はトリプルジャンクションと呼ばれ、比誘電率の大きさの差により金属導体の角部に電界が集中し、高電界が発生する。その結果、絶縁容器内の電界強度が高くなり、絶縁破壊を引き起こす可能性がある。そのため、絶縁容器は絶縁寸法に余裕を持たせ、必要とされる耐電圧性能が確保できるようにしていた。また、絶縁スペーサ4の形状は、高電圧の下での絶縁性能を確保する必要性から、出来るだけ長い沿面長さを確保するために、図8に示すように円錐台形状となっている。
近年、経済性の向上が求められており、ガス絶縁開閉装置はコンパクト化が要求されている。コンパクト化するためには、金属容器や絶縁スペーサの縮小化を免れず、必要とされる絶縁寸法を確保することが難しくなる。特にガス絶縁開閉装置において、金属容器1a、1bと支持部4aとの接合部分において、絶縁ガス3が接したときに形成されるトリプルジャンクション部(金属容器側)7、支持部4aと埋め込み電極部4bとの接合部分において絶縁ガス3が接したときに形成されるトリプルジャンクション部(高電圧導体側)8においては高電界が発生するため、必要とされる耐電圧性能の維持が困難となるという問題が生じる。
従来技術では、トリプルジャンクション部の電界集中を緩和する方法には、電界緩和シールドを設ける方法がある(特許文献1参照)。しかしながら、ガス絶縁開閉装置は、電界緩和シールドの設置によって装置が大型化する。
例えば、特許文献1においては高電圧導体の外周を囲うように電界緩和シールド設けると共に、絶縁スペーサの内部に電界緩和シールドを形成している。しかし、通電用の高電圧導体の周囲に電界緩和シールドを設けた場合には、金属容器と高電圧導体との間の絶縁距離を長くする必要があるので、金属容器を大型化する必要がある。また、絶縁スペーサの内部に電界緩和シールドを設けた場合には、支持部が大型になる。ガス絶縁開閉装置の小型化と絶縁特性の向上の両立は非常に困難である。
特開平11−285119号公報 特開2013−176275号公報
ガス絶縁開閉装置の小型化と絶縁特性の向上の両立という課題を解決する手段として、電界の上昇に伴って比誘電率が高くなる、非線形誘電率材料を用いて電界緩和する手法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、特許文献2で提案されている手法は、電界を下げたい部位は一部であるのに、高価な非線形誘電率材料を多量に使うためコストが高くなるという問題があった。
そこで、本発明の実施形態は、金属容器内の絶縁性能の向上と機器のコンパクト化を両立したガス絶縁機器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係るガス絶縁機器は、同一の軸に沿って延びて軸方向に間隙を有する2本の金属製の高電圧導体と、前記2本の高電圧導体とそれぞれ嵌合して前記2本の高電圧導体と電気的に接続する金属製の接触子と、前記2本の高電圧導体および前記接触子を収納し、絶縁ガスを内部に密封して前記軸方向に延びる金属容器と、前記金属容器に固定支持されて、前記接触子を支持する支持構造部材と、を備え、前記支持構造部材は、前記接触子の径方向外側に設けられた金属製で円筒状の埋め込み電極と、前記埋め込み電極の径方向外側に設けられ前記接触子と前記金属容器との間の荷重の伝達経路となる絶縁板と、電界の増加に対し比誘電率が単調増加する非線形誘電率材料を用いた電界緩和部材と、を有し、前記電界緩和部材と、前記埋め込み電極または前記金属容器と、前記絶縁ガスとの間でトリプルジャンクション部を形成するように構成されていることを特徴とする。
第1の実施形態に係るガス絶縁機器の構成を示す断面図である。 エポキシ材と非線形誘電率材料の電界−誘電率特性を比較したグラフである。 第1の実施形態に係る母線構造体の効果を説明するために、非線形誘電率層を設けない場合の電位分布の例を示す概念図であり、(a)は軸方向の一部の中心軸から片側を示す図、(b)は(a)の一部を拡大した図である。 第1の実施形態に係るガス絶縁機器の効果を説明するために、非線形誘電率層を設けた場合の電位分布の例を示す概念図であり、(a)は軸方向の一部の中心軸から片側を示す図、(b)は(a)の一部を拡大した図である。 第1の実施形態に係るガス絶縁機器の支持構造部材の表面の沿面電界の低減効果を示すグラフである。 第2の実施形態に係るガス絶縁機器の構成を示す断面図である。 第2の実施形態に係るガス絶縁機器の支持構造部材の表面の沿面電界を示すグラフである。 従来の一般的なガス絶縁開閉装置の母線まわりの断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るガス絶縁機器について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るガス絶縁機器の構成を示す断面図である。図1は、ガス絶縁遮断器などのように高電圧条件のもとで動作する機器の、高電圧導体とそれを収納する金属容器間を絶縁するものを示している。
ガス絶縁機器100は、高電圧導体2aおよび高電圧導体2b、これらを収納し接地されている金属容器1a、1bを有する。高電圧導体2aおよび高電圧導体2bは、たとえば、銅あるいはアルミニウムなどの金属製で、円筒状であり、同一軸方向に沿って延びている。また、金属容器1a、1bは、絶縁ガス3を内包する。絶縁ガス3としては、たとえば、絶縁性が高く、不活性で、かつ熱伝導性の高い六フッ化硫黄(SF)が一般的に用いられる。
高電圧導体2aと高電圧導体2bは、軸方向に互いに間隙をあけて配されている。この間隙には、接触子5が配されている。接触子5は、ほぼ円柱形状である。接触子5の軸方向の両側の外周には、スライドコンタクト6a、6bがそれぞれ設けられている。スライドコンタクト6a、6bは、金属製であり、たとえばスパイラル状に接触子5に巻き付けられていることにより、圧縮荷重に対して弾力性を有する。
高電圧導体2aは、スライドコンタクト6aの径方向外側に嵌合している。同様に、高電圧導体2bは、スライドコンタクト6bの径方向外側に嵌合している。高電圧導体2a、スライドコンタクト6a、接触子5、スライドコンタクト6b、および高電圧導体2bは、この順番で、電気的に直列に結合している。接触子5は、金属容器1a、1bに固定支持された支持構造部材10によって、固定支持されている。すなわち、支持構造部材10は、接触子5と金属容器1a、1b間の荷重伝達経路となっている。
支持構造部材10は、全体として穴あき円板形状である。支持構造部材10は、埋め込み電極11、絶縁板12、高電圧導体側非線形誘電率材料環13、および金属容器側非線形誘電率材料環14を有する。後述するように、高電圧導体側非線形誘電率材料環13および金属容器側非線形誘電率材料環14は、電界を緩和するために設けられた電界緩和部材である。これらの、支持構造部材10を構成する埋め込み電極11、絶縁板12、高電圧導体側非線形誘電率材料環13、および金属容器側非線形誘電率材料環14はそれぞれ、接触子5と金属容器1a、1b間の荷重伝達経路となっている。
埋め込み電極11、絶縁板12、高電圧導体側非線形誘電率材料環13、および金属容器側非線形誘電率材料環14は、それぞれ環状であり、同心円状に、接触子5の径方向外側に、径方向内側から外側に向かってこの順に配列されている。
絶縁板12は、たとえば、エポキシ樹脂などの絶縁材料製である。電界緩和部材としての高電圧導体側非線形誘電率材料環13および金属容器側非線形誘電率材料環14は、たとえば、エポキシ樹脂を主成分として、充填材として、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム等のいずれか、あるいは、複数を、全体としてたとえば20%ないし30%程度含有する複合材料である。なお、主成分、充填材のそれぞれは、これには限定されない。誘電率の電界強度への依存性が、後述するような非線形特性を有する物であれば、これ以外の組成であってもよい。
埋め込み電極11は、両端(図1において埋め込み電極11の左右)が開放され、軸方向に延びた金属製の円筒である。高電圧導体側非線形誘電率材料環13は、埋め込み電極11の径方向外側に設けられている。高電圧導体側非線形誘電率材料環13は、埋め込み電極11と一体に注型されている。具体的には、高電圧導体側非線形誘電率材料環13用の材料を型枠に流し込んで成型する際に、径方向内側の型枠として埋め込み電極11を用いることにより、高電圧導体側非線形誘電率材料環13と埋め込み電極11とを一体注型することができる。
絶縁板12も同様に、絶縁板12用の材料を型枠に流し込んで成型する際に、一体となった埋め込み電極11および高電圧導体側非線形誘電率材料環13を径方向内側の型枠として用いることにより一体注型することができる。さらに、金属容器側非線形誘電率材料環14も同様に、金属容器側非線形誘電率材料環14用の材料を型枠に流し込んで成型する際に、一体となった埋め込み電極11、高電圧導体側非線形誘電率材料環13および絶縁板12を径方向内側の型枠として用いることにより一体注型することができる。
金属容器1a、1bは、母線の支持部において互いに間隙をもって配されている。金属容器1a、1bのそれぞれには、径方向外側に拡がったフランジ9が取り付けられている。金属容器1a、1bは、それぞれに取り付けられたフランジ9において、図示しないボルト、ナットにより互いに結合されている。金属容器側非線形誘電率材料環14は、金属容器1a、1bおよびフランジ9に挟まれて、フランジ9およびボルト、ナットにより固定されている。
このように、母線の支持部においては、支持構造部材10が、フランジ9において金属容器1a、1bに固定され、支持構造部材10が接触子5を支持している。この結果、接触子5に支持された高電圧導体2a、2bが、間接的に金属容器1a、1bにより支持される。
このような構成においては、金属容器1aの内面と金属容器側非線形誘電率材料環14との境界部の表面が、金属容器1aの内面と金属容器側非線形誘電率材料環14と絶縁ガス3との金属容器側のトリプルジャンクション部17aを形成する。同様に、金属容器1bの内面と金属容器側非線形誘電率材料環14との境界部の表面が、金属容器1bの内面と金属容器側非線形誘電率材料環14と絶縁ガス3との金属容器側のトリプルジャンクション部17bを形成する。
また、埋め込み電極11の外面と高電圧導体側非線形誘電率材料環13との境界部の両側の表面が、埋め込み電極11と高電圧導体側非線形誘電率材料環13と絶縁ガス3との高電圧導体側のトリプルジャンクション部18a、18bを形成する。
図2は、エポキシ材と非線形誘電率材料の電界−誘電率特性を比較したグラフである。横軸は電界の強度[V/m]、縦軸は比誘電率[1/1]すなわち、物質の誘電率の真空の誘電率に対する比を示す。
曲線Aは、通常の絶縁材料であるエポキシ樹脂の場合の特性を示す。曲線Bは、非線形誘電率材料がチタン酸バリウムを充填したエポキシ樹脂の場合の特性を示す。通常の絶縁材料であるエポキシ樹脂の特性においては、曲線Aに示すように、電界の強度が増大するに従って若干は単調増大するものの、変化は小さい。
曲線Bに示すように、チタン酸バリウムを充填したエポキシ樹脂による非線形誘電率材料の特性も、電界の強度に対して単調増大する特性である。この非線形誘電率材料の特性においては、電界の強度が、1×10V/m程度までは、曲線Aのエポキシ樹脂より若干大きいが、ほぼ同程度の比誘電率である。しかしながら、電界の強度が、1×10V/m程度を超えるにしたがって、明確に比誘電率が増大する。
なお、電界の強度が小さい場合は、曲線Aと曲線Bの値は、ほぼ同程度であることが望ましい。これは、ある電圧の高電圧導体2a、2bと接地された金属容器1a、1b間の電位差が決まっている条件の下では、元々の電界強度の分布が比較的平坦な場合に、比誘電率が大きな部分が存在すると、その部分の電界強度は低下する代わりに、他の部分の電界強度が増加してしまうという好ましくない状態となるからである。
図3は、第1の実施形態に係る母線構造体の効果を説明するために非線形誘電率層を設けない場合の電位分布の例を示す概念図であり、(a)は軸方向の一部の中心軸から片側を示す図、(b)は(a)の一部を拡大した図である。図3において、支持構造部材10の、埋め込み電極11を除く部分は、エポキシ樹脂製の絶縁板12である。この場合、図3に示す埋め込み電極11と絶縁板12の境界が、埋め込み電極11、絶縁板12および絶縁ガスのトリプルジャンクション部8であり、この近傍の電界強度が最大である。トリプルジャンクション部8の近傍においては、等電位線31の間隔が狭い状態、すなわち、電界強度が大きい状態である。
図4は、本実施形態に係るガス絶縁機器の効果を説明するために、非線形誘電率層を設けた場合の電位分布の例を示す概念図であり、(a)は軸方向の一部の中心軸から片側を示す図、(b)は(a)の一部を拡大した図である。すなわち、支持構造部材10の表面の沿面電界を示す。図4において、埋め込み電極11と絶縁板12の間に、電界緩和部材としての高電圧導体側非線形誘電率材料環13が設けられている。すなわち、電界強度の大きな箇所に高電圧導体側非線形誘電率材料環13が設けられている。
すなわち、本実施形態においては、埋め込み電極11と高電圧導体側非線形誘電率材料環13との境界の両側の面内の部分がそれぞれ、埋め込み電極11、高電圧導体側非線形誘電率材料環13および絶縁ガスのトリプルジャンクション部18a、18bとなる。このトリプルジャンクション部18a、18bにおいては、電界強度が高く、このため、高電圧導体側非線形誘電率材料環13の比誘電率は、絶縁板12の比誘電率より十分に大きい状態となっている。電界強度は、比誘電率に逆比例することから、この結果、図4に示すように、このトリプルジャンクション部18a、18b近傍では、図3の場合に比べて、等電位線32の間隔が広がり、電界強度が低下する。
図5は、ガス絶縁機器の支持構造部材の表面の沿面電界の低減効果を示すグラフである。横軸は、図3に示した通常のエポキシ樹脂製の絶縁板12の場合と、図4に示した通常のエポキシ樹脂製の絶縁板12の内側に電界緩和部材としての高電圧導体側非線形誘電率材料環13を設けた場合の2つのケースを示す。縦軸は、従来の例における最大電界を基準とした、最大電界の大きさの相対値である。
図5に示すように、本実施形態に係るガス絶縁機器100においては、従来の電界強度の約80%程度まで最大電界を低減することができる。
また、本実施形態に係るガス絶縁機器100においては、従来のガス絶縁機器における絶縁スペーサ4の支持部4aが、沿面長さをできるだけ長くするため、円錐台形状であるのに対して、絶縁性能に余裕があるため沿面長さの確保による電解強度低減対策が不要となり、絶縁板12は円板形状でもよく、コンパクトな形状となっている。
以上のように、本実施形態においては、金属容器1a、1b内の絶縁性能の向上と機器のコンパクト化を両立したガス絶縁機器を提供することができる。
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態に係るガス絶縁機器の構成を示す断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。第1の実施形態においては、たとえば、従来は、埋め込み電極と、エポキシ樹脂製の絶縁板と、絶縁ガスの境界部がトリプルジャンクション部であったものを、埋め込み電極と、非線形誘電率材料と、絶縁ガスの境界部をトリプルジャンクション部としている。
本実施形態における支持構造部材20は、埋め込み電極11の径方向外側に絶縁板22を設け、軸方向の両側の端面の一部に高電圧導体側非線形誘電率材料膜23および金属容器側非線形誘電率材料膜24を有する。
本実施形態においても、埋め込み電極と、非線形誘電率材料と、絶縁ガスの境界部をトリプルジャンクション部としている点では、第1の実施形態と同様である。ただし、第1の実施形態においては、埋め込み電極11の径方向外側に高電圧導体側非線形誘電率材料環13および金属容器側非線形誘電率材料環14が設けられている。
一方、本第2の実施形態においては、埋め込み電極11と、エポキシ樹脂製の絶縁板22との境界部が、トリプルジャンクション部とならないように、軸方向の両側の端面における埋め込み電極11と絶縁板12の境界部を覆うように、電界緩和部材としての高電圧導体側非線形誘電率材料膜23が設けられている。
同様に、金属容器1a、1bと、エポキシ樹脂製の絶縁板22との境界部が、トリプルジャンクション部とならないように、軸方向の両側の端面における金属容器1aと絶縁板22との境界部、および金属容器1bと絶縁板22との境界部を覆うように、電界緩和部材としての金属容器側非線形誘電率材料膜24が設けられている。
この結果、高電圧側は、埋め込み電極11、高電圧導体側非線形誘電率材料膜23、および絶縁ガス3の境界の両面内の部分がそれぞれ、トリプルジャンクション部28a、28bとなる。また、金属容器1a、1b側は、金属容器1a、金属容器側非線形誘電率材料膜24、および絶縁ガス3の境界が金属容器側のトリプルジャンクション部27aとなる。また、金属容器1b、金属容器側非線形誘電率材料膜24、および絶縁ガス3の境界が、金属容器側のトリプルジャンクション部27bとなる。
すなわち、第1の実施形態と同様に、埋め込み電極11または金属容器1a、1bと、絶縁板12と、絶縁ガス3によるトリプルジャンクション部が形成されずに、埋め込み電極11または金属容器1a、1bと、非線形誘電率材料の部分と、絶縁ガス3によるトリプルジャンクション部を形成するように構成されている。
図7は、第2の実施形態に係るガス絶縁機器の支持構造部材の表面の沿面電界を示すグラフである。図7に示すように、本第2の実施形態によるガス絶縁機器100においては、従来の電界強度の約90%程度まで最大電界を低減することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、本実施形態においては、非線形誘電率材料を用いることにより、等電位線の集中が緩和されるため、沿面距離を確保する必要のない例を示したが、さらに絶縁性能の余裕を確保するために、沿面距離を確保することでもよい。
あるいは、高電圧導体側と金属容器側の両方に、非線形誘電率材料を用いる場合を示したが、一方においては絶縁性能が確保されている場合であれば、残る厳しい箇所のみに、非線形誘電率材料を用いてもよい。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。たとえば、高電圧導体側は、高電圧導体側非線形誘電率材料環を用い、金属容器側は、金属容器側非線形誘電率材料膜を用いることでもよい。あるいは、その逆でもよい。
さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1a、1b…金属容器、2a、2b…高電圧導体、3…絶縁ガス、4…絶縁スペーサ、4a…支持部、4b…埋め込み電極、5…接触子、6a、6b…スライドコンタクト、7…トリプルジャンクション部(金属容器側)、8…トリプルジャンクション部(高電圧導体側)、9…フランジ、10…支持構造部材、11…埋め込み電極、12…絶縁板、13…高電圧導体側非線形誘電率材料環(電界緩和部材)、14…金属容器側非線形誘電率材料環(電界緩和部材)、17a、17b…トリプルジャンクション部(金属容器側)、18a、18b…トリプルジャンクション部(高電圧導体側)、20…支持構造部材、22…絶縁板、23…高電圧導体側非線形誘電率材料膜(電界緩和部材)、24…金属容器側非線形誘電率材料膜(電界緩和部材)、27a、27b…トリプルジャンクション部(金属容器側)、28a、28b…トリプルジャンクション部(高電圧導体側)、31、32…等電位線、100…ガス絶縁機器

Claims (6)

  1. 同一の軸に沿って延びて軸方向に間隙を有する2本の金属製の高電圧導体と、
    前記2本の高電圧導体とそれぞれ嵌合して前記2本の高電圧導体と電気的に接続する金属製の接触子と、
    前記2本の高電圧導体および前記接触子を収納し、絶縁ガスを内部に密封して前記軸方向に延びる金属容器と、
    前記金属容器に固定支持されて、前記接触子を支持する支持構造部材と、
    を備え、
    前記支持構造部材は、
    前記接触子の径方向外側に設けられた金属製で円筒状の埋め込み電極と、
    前記埋め込み電極の径方向外側に設けられ前記接触子と前記金属容器との間の荷重の伝達経路となる絶縁板と、
    電界の増加に対し比誘電率が単調増加する非線形誘電率材料を用いた電界緩和部材と、
    を有し、
    前記電界緩和部材と、前記埋め込み電極または前記金属容器と、前記絶縁ガスとの間でトリプルジャンクション部を形成するように構成されていることを特徴とするガス絶縁機器。
  2. 前記電界緩和部材は、前記埋め込み電極と前記絶縁板の間に設けられ、円筒状であることを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁機器。
  3. 前記電界緩和部材は、前記絶縁板の径方向外側に設けられ、前記金属容器に固定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス絶縁機器。
  4. 前記電界緩和部材は、前記埋め込み電極と前記絶縁板との接触部分を覆うように、軸方向の端面に設けられることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のガス絶縁機器。
  5. 前記電界緩和部材は、前記金属容器と前記絶縁板との接触部分を覆うように、軸方向の端面に設けられることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のガス絶縁機器。
  6. 前記絶縁板は、中央に円形の開口を有する円板状であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のガス絶縁機器。
JP2015180435A 2015-09-14 2015-09-14 ガス絶縁機器 Pending JP2017060209A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015180435A JP2017060209A (ja) 2015-09-14 2015-09-14 ガス絶縁機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015180435A JP2017060209A (ja) 2015-09-14 2015-09-14 ガス絶縁機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017060209A true JP2017060209A (ja) 2017-03-23

Family

ID=58390982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015180435A Pending JP2017060209A (ja) 2015-09-14 2015-09-14 ガス絶縁機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017060209A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019111298A1 (ja) * 2017-12-04 2019-06-13 株式会社東芝 絶縁スペーサ

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63198518A (ja) * 1987-02-13 1988-08-17 株式会社東芝 コ−ン形絶縁スペ−サ
JP2000316225A (ja) * 1999-04-28 2000-11-14 Mitsubishi Electric Corp 絶縁スペーサ
JP2013176275A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Toshiba Corp ガス絶縁機器
JP2013223366A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Toshiba Corp ガス絶縁開閉装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63198518A (ja) * 1987-02-13 1988-08-17 株式会社東芝 コ−ン形絶縁スペ−サ
JP2000316225A (ja) * 1999-04-28 2000-11-14 Mitsubishi Electric Corp 絶縁スペーサ
JP2013176275A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Toshiba Corp ガス絶縁機器
JP2013223366A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Toshiba Corp ガス絶縁開閉装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019111298A1 (ja) * 2017-12-04 2019-06-13 株式会社東芝 絶縁スペーサ
WO2019111891A1 (ja) * 2017-12-04 2019-06-13 株式会社東芝 絶縁スペーサ
JPWO2019111891A1 (ja) * 2017-12-04 2020-11-26 株式会社東芝 絶縁スペーサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9214292B2 (en) Compact vacuum interrupter with selective encapsulation
JP3860553B2 (ja) ガス絶縁開閉装置
JP5117987B2 (ja) ガス絶縁開閉装置
US20150364285A1 (en) Dead Tank Circuit Breaker With Surge Arrester Connected Across The Bushing Tops Of Each Pole
JP4764139B2 (ja) ガス絶縁開閉装置と油入変圧器の接続構造
JP4177628B2 (ja) 複合絶縁方式ガス絶縁開閉装置
WO2011083772A1 (ja) 避雷器
JP2017060209A (ja) ガス絶縁機器
US3624450A (en) Metal enclosed gas insulated lightning arrester
JP2016082823A (ja) ガス絶縁着脱母線装置
JP6071209B2 (ja) ガス絶縁開閉装置、及びガス絶縁母線
JP7123705B2 (ja) 乾式変圧器
JP6953936B2 (ja) 接地開閉器・避雷器ユニットおよびガス絶縁開閉装置
JP2007274823A (ja) ガス絶縁母線
JP3432407B2 (ja) ガス絶縁開閉装置と変圧器の接続装置
KR200490476Y1 (ko) 가스절연 개폐장치
JPH0622420A (ja) スイッチギヤ
JP2014007887A (ja) ガス絶縁開閉装置
KR102066227B1 (ko) 가스절연 개폐장치
EP4203212A1 (en) Switchgear device and method of assembling thereof
JP2000037009A (ja) ガス絶縁開閉装置
JP2011135675A (ja) ガス絶縁機器
JPH0145685B2 (ja)
JP2933747B2 (ja) ガス絶縁開閉装置
JP2012038928A (ja) 避雷器

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190528