JP2017059378A - 電極、蓄電素子及び電極の製造方法 - Google Patents

電極、蓄電素子及び電極の製造方法 Download PDF

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和輝 川口
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明彦 宮▲崎▼
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Abstract

【課題】導電性粒子の導体層への固定強度及び均一性が格段に向上する電極及びその製造方法、並びにこの電極を用いた蓄電素子の提供を目的とする。【解決手段】本発明の電極は、集電用の導体層と、この導体層の表面の少なくとも一部を被覆する中間層と、上記導体層及び中間層を含む積層体の中間層側に積層される活物質層とを備え、上記中間層は導電性粒子と非導電性無機粒子とを含有し、上記導電性粒子の外面が上記非導電性無機粒子で被覆されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電極、これを用いた蓄電素子及びこの電極の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などに多用されている。
上記非水電解質電池は、一般的には金属箔等の導体層に活物質層を積層した一対の電極を有し、これらをセパレータで電気的に隔離し、負極及び正極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。
上記導体層として金属箔を用いる場合、アルミニウム箔のように金属箔によっては表面に酸化被膜が形成されるものがある。このような酸化被膜は、活物質層と金属箔との界面における接触抵抗を増大させる場合がある。
これに対し、樹脂製バインダーを用いて炭素粒子等の導電性粒子を金属箔の表面に塗工することで中間層を形成し、金属箔と活物質層との接触抵抗を低減する方法が従来から提案されている。しかし、この方法では塗工後に樹脂製バインダーが電解液により膨潤し、金属箔と活物質層との抵抗増大が生じ得る。
そこで、樹脂製バインダーを用いずに炭素粒子を導体層表面に圧着させる方法が提案されている(例えば特開2011−98472号公報参照)。しかし、この方法では炭素粒子の固定強度の確保や炭素粒子による導体層表面の均一な被覆が困難である。
特開2011−98472号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、導電性粒子の導体層への固定強度及び均一性が格段に向上する電極及びその製造方法、並びにこの電極を用いた蓄電素子の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、導体層と、活物質層と、前記導体層と前記活物質層との間に形成され、前記導体層の表面の少なくとも一部を被覆する中間層とを備え、前記中間層は導電性粒子と非導電性無機粒子とを含有し、前記導電性粒子の外面が前記非導電性無機粒子で被覆されている電極である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、導体層と、活物質層と、前記導体層と前記活物質層との間に形成され、前記導体層の表面の少なくとも一部を被覆する中間層を備える電極の製造方法であって、前記導体層の表面の少なくとも一部に導電性粒子及び非導電性無機粒子を擦り付ける工程を備え、前記導電性粒子の外面が前記非導電性無機粒子で被覆されていることを特徴とする。
ここで、「導電性」とは、JIS−H−0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が107Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が107Ω・cm超であることを意味する。「算術平均粗さRa」とは、JIS−B−0601(2001年)に準拠し、カットオフ値(λc)0.25mm、評価長さ(l)150μmで測定される算術平均粗さを意味する。
本発明の電極は、導電性粒子の導体層への固定強度及び均一性が格段に向上する。また、本発明の電極の製造方法は、導電性粒子の導体層への固定強度及び均一性が格段に向上した電極が得られる。さらに、本発明の蓄電素子は、導体層と活物質層との界面における接触抵抗を低減できる。
図1は、本発明の一実施形態における電極を示す模式的断面図である。 図2は、図1の模式的部分拡大図である。 図3は、導電性粒子の接触角を説明するための模式図である。 図4は、本発明の一実施形態における電極の製造方法の一工程を示す模式的斜視図である。 図5は、本発明の一実施形態における蓄電素子を示す模式的断面図である。
以下、本発明に係る電極、この電極の製造方法及びこの電極を用いた蓄電素子の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[電極]
図1は、電極の最低構造単位を示すものである。図1に示す電極1は、集電用の導体層2と、この導体層2の表面の少なくとも一部を被覆する中間層3と、上記導体層2及び中間層3を含む積層体の中間層3側に積層される活物質層4とを備える。なお、これらの導体層2及び中間層3は、いわゆる集電体を構成する。
<導体層>
導体層2は、導電性を有する層である。導体層2の材質としては、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、導電性の高さとコストとのバランスからアルミニウム、アルミニウム合金、銅及び銅合金が好ましい。また、導体層2の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、導体層2としてはアルミニウム箔又は銅箔が好ましい。
なお、アルミニウム又はアルミニウム合金は、当該電極1を蓄電素子の正極又は負極、或いはキャパシタ電極に用いる場合に好適に使用でき、銅又は銅合金は、当該電極1を蓄電素子の負極に用いる場合に好適に使用できる。アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H−4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。また、銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
導体層2の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、導体層2の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。導体層2の平均厚さが上記下限より小さい場合、導体層2の強度が不足し、当該電極1の形成が困難になるおそれがある。逆に、導体層2の平均厚さが上記上限を超える場合、蓄電素子の厚さを一定に収めるために他の構成要素の厚さが不足するおそれがある。
なお、「平均厚さ」とは、任意の十点において測定した厚さの平均値をいう。なお、以下において他の部材等に対して「平均厚さ」という場合にも同様に定義される。
導体層2は、図2に示すように表面が粗面化されていることが好ましい。具体的には、導体層2表面のうち中間層3が被覆する面における算術平均粗さRaの下限としては、0.05μmが好ましく、0.1μmがより好ましく、0.8μmがさらに好ましい。一方、上記算術平均粗さRaの上限としては、4μmが好ましく、2μmがより好ましい。導体層2の算術平均粗さRaを上記範囲とすることで、擦り付け等により導体層2の付着、ひいては中間層3の均一な形成が容易になる。上記算術平均粗さRaが上記下限より小さい場合、導電性粒子6が導体層2の表面に担持され難くなり、導体層2表面の導電性粒子6の固定強度が低下するおそれがある。逆に、上記算術平均粗さRaが上記上限を超える場合、導電性粒子6が導体層2の表面の凹凸を均一に埋められず、均質な中間層3を形成できないおそれがある。なお、圧延箔の場合、別途粗面化処理を行わなくとも圧延条件により算術平均粗さRaを上記範囲に調整できる。
また、導体層2表面における深さ1μm以上の窪み8の平均径の下限としては、3μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、上記窪み8の平均径の上限としては、18μmが好ましく、15μmがより好ましい。上記窪み8の平均径が上記下限より小さい場合、導電性粒子6が導体層2の表面に担持され難くなるおそれがある。逆に、上記窪み8の平均径が上記上限を超える場合、均質な中間層3を形成できないおそれがある。ここで、「導体層の表面の深さ1μm以上の窪み8の平均径」とは、深さ1μm以上の窪みを5個抽出し、これらの窪みの電子顕微鏡で観察した真円換算径(等面積円の直径)を平均した値を意味する。
また、中間層3及び活物質層4との密着性を向上させるために、導体層2の表面にカップリング剤の塗布等の表面処理を行ってもよい。
<中間層>
中間層3は、導体層2の表面の被覆層であり、導電性粒子6と非導電性無機粒子7とを含有する。樹脂製バインダーの膨潤による抵抗増大を抑制する観点から、中間層3は樹脂製バインダーを実質的に含まないことが好ましい。なお、「樹脂製バインダー」とは、樹脂を主成分とするバインダーを意味する。ここで、「主成分」とは、50質量%以上含まれる成分を意味し、より好ましくは90質量%以上含まれる成分である。
(導電性粒子)
導電性粒子6は、図2に示すように導体層2の表面の窪み8を埋めるように導体層2を被覆している。この導電性粒子6としては、導電性の高い粒子が好ましい。導電性粒子6の体積抵抗率は107Ω・cm以下であり、10−1Ω・cm以下が好ましい。この導電性粒子6としては、ニッケル、銀、金等の金属を主成分とする粒子や、炭素を主成分とする粒子などを用いることができる。導電性粒子6としては、これらの中でも炭素を主成分とする炭素粒子が好ましい。炭素粒子の具体例としては、天然又は人造の黒鉛や、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックなどが挙げられる。導電性粒子6は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、導電性粒子6は薄片状であることが好ましい。ここで、「薄片状」とは、板状、シート状、フレーク状、又は鱗片状と呼ばれる形状を包含する概念であり、厚みに対する幅及び長さの比が比較的大きな形状を意味する。
導電性粒子6の平均長径の下限としては、2.5μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、導電性粒子6の平均長径の上限としては、15μmが好ましく、10μmがより好ましい。導電性粒子6の平均長径が上記下限より小さい場合、導体層2を被覆し難くなるおそれがある。逆に、導電性粒子6の平均長径が上記上限を超える場合、均質な中間層3の形成が困難になるおそれがある。ここで、「導電性粒子の平均長径」とは、以下の手順で得られる値を意味する。まず、例えば倍率が2000倍以上10000倍以下のSEM画像を用いて中間層の断面を観察し、導体層と接点を持つ導電性粒子を5個選択する。次に、選択した導電性粒子について、最大幅に近い部分の長さを5回測定し、これらの測定値の偏差(5回の測定値の平均値と各測定値との差)が平均値の10%以内となるまで測定を繰り返す。この作業を5個の導電性粒子毎に行い、最終的に得られる5個の導電性粒子の計測値の平均値を平均したものを導電性粒子の平均長径とする。
導電性粒子6の導体層2との平均接触角度の下限は、通常0°である。一方、導電性粒子6の導体層2との平均接触角度の上限としては、50°が好ましく、30°がより好ましい。導電性粒子6の導体層2との平均接触角度が上記上限を超える場合、導体層2を均質に被覆できないおそれがある。ここで、「導電性粒子の導体層との平均接触角度」とは、以下の手順で得られる値を意味する。まず、例えば倍率が2000倍以上10000倍以下のSEM画像を用いて中間層の断面を観察し、導体層と接点を持つ導電性粒子を5個選択する。次に、選択した各導電性粒子について、図3に示すように導電性粒子6と導体層2との任意の接点Pの近傍を拡大し、接点P近傍での導体層2の表面の接線Lと導電性粒子6の長径方向の中心線Mとの成す角度(鋭角)を5回測定し、これらの測定値の偏差(5回の測定値の平均値と各測定値との差)が平均値の10%以内となるまで測定を繰り返す。この作業を5個の導電性粒子毎に行い、最終的に得られる5個の導電性粒子の計測値の平均値を平均したものを導電性粒子の導体層との平均接触角度とする。
導電性粒子6が薄片状の場合、その長側面が導体層2の表面に沿うよう配設されることが好ましい。これにより、接触抵抗の低減効果を促進することができる。なお、「長側面」とは、導電性粒子6の厚み方向に延在する面のうち、厚み方向と直交する方向の長さが他の面よりも大きい面を意味する。
導電性粒子6のアスペクト比の下限としては、1が好ましく、2がより好ましい。一方、導電性粒子6のアスペクト比の上限としては、100が好ましく、80がより好ましい。導電性粒子6のアスペクト比が上記下限より小さい場合、導体層2を均一に被覆し難くなるおそれがある。逆に、導電性粒子6のアスペクト比が上記上限を超える場合、導電性粒子6が脆くなることで中間層3の形成中に分断され、導体層2を均一に被覆し難くなるおそれがある。ここで、「導電性粒子のアスペクト比」とは、導体層と接点を持つ5個の導電性粒子の長径を短径で除した値の平均値を意味し、「短径」とは、導電性粒子の長径方向と直交する方向の長さについて長径と同様の手順で算出される値を意味する。
中間層3における導電性粒子6の含有量の下限としては、55質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、65質量%がさらに好ましい。一方、導電性粒子6の含有量の上限としては、98質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。中間層3の導電性粒子6の含有量を上記範囲とすることで、導体層2と活物質層4との界面の接触抵抗の低減作用、及び導電性粒子6の固着強度の向上作用を容易かつ確実に発揮できる。導電性粒子6の含有量が上記下限より小さい場合、導体層2と活物質層4との接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。逆に、導電性粒子6の含有量が上記上限を超える場合、非導電性無機粒子7の含有量が低下するため導電性粒子6の固定強度が不十分となるおそれがある。
(非導電性無機粒子)
中間層3が含有する非導電性無機粒子7は、導電性粒子6を導体層2に固定する役割を果たす。この非導電性無機粒子7としては、導電性ができるだけ小さい無機粒子が好ましい。非導電性無機粒子7の体積抵抗率は107Ω・cm超であり、1010Ω・cm超が好ましい。また、非導電性無機粒子7としては、室温(20℃)以上150℃以下の範囲で分解しないものが好ましい。
非導電性無機粒子7としては、金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、無機酸塩、有機酸塩や、鉱物等が挙げられる。具体的には、ジルコニア、マグネシア、アルミナ、セリア、イットリア、シリカ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化ランタン、酸化マンガン等の金属酸化物;オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、プロピオン酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物;窒化チタン、チタン酸カリウム等のチタン化合物;硫酸アルミニウム等のアルミニウム化合物;シリコンカーバイド、窒化ケイ素、アルコキシシラン、アルコキシシランの鉱酸による部分加水分解生成物、珪藻土、珪砂、ガラス等のケイ素化合物;ケイ酸塩鉱物などが挙げられる。これらの中でもケイ酸塩鉱物が好ましい。
また、導電性粒子6の固着強度を高める観点から、非導電性無機粒子7は層状であることが好ましい。層状ケイ酸塩鉱物としては、例えばカオリナイト、ハロイサイト、ベントナイト、モンモリナイト等が挙げられる。このように非導電性無機粒子7として層状ケイ酸塩鉱物を用いることで、容易かつ確実に導電性粒子6の固着強度の向上作用を促進することができる。
非導電性無機粒子7の平均粒径の下限としては、0.001μmが好ましく、0.01μmがより好ましく、0.1μmがさらに好ましい。一方、非導電性無機粒子7の平均粒径の上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましく、2μmがさらに好ましい。非導電性無機粒子7の平均粒径が上記下限より小さい場合、導電性粒子6同士の接点が少なくなり導体層2と活物質層4との接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。逆に、非導電性無機粒子7の平均粒径が上記上限を超える場合、非導電性無機粒子7の被覆による導電性粒子6の固着強度の向上が不十分となるおそれがある。ここで、「平均粒径」とは、JIS−Z−8815(2013年)に準拠し、粒子を溶媒で希釈した希釈液に対しレーザ回折・散乱法により測定した粒径分布に基づき、JIS−Z−8819−2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値を意味する。
導電性粒子6の外面が非導電性無機粒子7で被覆されている。このように非導電性無機粒子7により導電性粒子6を被覆することで、導電性粒子6の導体層2の表面への固定強度及び均一性が格段に向上できる。また、非導導電性無機粒子7を用いて導電性粒子6どうしの密着性を確保することで、樹脂バインダーを含有しない、もしくは、樹脂バインダーの量を極力低減することができるので、中間層3の抵抗を低減することができる。なお、上記の被覆されている形態は、非導電性無機粒子7の一部が導電性粒子6の表面に埋没している形態も含む。また、非導電性無機粒子7が層を形成し、その層の内部に導電性粒子6が分散している形態も、導電性粒子6の外面が非導電性無機粒子7で被覆されている形態に含まれる。
非導電性無機粒子7が導電性粒子6の表面を被覆する面積割合(被覆率)は、30%以上が好ましく、さらには、70%以上が好ましい。上記被覆率が70%以上とすることで、導電性粒子6どうしの密着性および導電性粒子6と導電層2との密着性を確実にすることができる。
一方、接触抵抗低減の観点から、導電性粒子6の表面は非導電性無機粒子7により完全に被覆されずに他の導電性粒子6との接点を有することが好ましく、上記被覆率は90%以下が好ましい。
中間層3における非導電性無機粒子7の含有量の下限としては、1質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。一方、非導電性無機粒子7の含有量の上限としては、40質量%が好ましく、35質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。中間層3の非導電性無機粒子7の含有量を上記範囲とすることで、導体層2と活物質層4との界面の接触抵抗の低減作用、及び導電性粒子6の固着強度の向上作用を容易かつ確実に発揮できる。非導電性無機粒子7の含有量が上記下限より小さい場合、導電性粒子6の固定強度が不十分となるおそれがある。逆に、非導電性無機粒子7の含有量が上記上限を超える場合、導電性粒子6の含有量が低下するため導体層2と活物質層4との接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。
(中間層の構成)
中間層3における導電性粒子6及び非導電性無機粒子7の合計含有量の下限としては、60質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましく、90質量%が特に好ましい。
中間層3における導電性粒子6の含有量に対する非導電性無機粒子7の含有量の質量比の下限としては、1%が好ましく、3%がより好ましく、5%がさらに好ましい。一方、上記質量比の上限としては、70%が好ましく、60%がより好ましく、50%がさらに好ましい。上記質量比が上記下限よりも小さい場合、導電性粒子6の固定強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記質量比が上記上限を超える場合、導体層2と活物質層4との接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。
導電性粒子6が炭素粒子であり、非導電性無機粒子7がケイ酸塩鉱物である場合、中間層3の導電性粒子6の存在領域において、EPMA(電子線マイクロアナライザ)分析によるCの元素強度が最大となる位置にSiが検出されることが好ましい。つまり、導電性粒子6が存在する位置に非導電性無機粒子7が検出されることが好ましい。これにより、導電性粒子6が非導電性無機粒子7により被覆され、導体層2に固定されていることが担保される。なお、EPMA分析とは、当該電極1の断面に対する電子線の照射により各元素強度を測定することを意味する。
また、Cの元素強度が最大となる位置におけるSiに対するCの元素強度比の下限としては、10が好ましく、40がより好ましい。一方、上記元素強度比の上限としては、800が好ましく、500がより好ましい。上記元素強度比が上記下限より小さい場合、導電性粒子6の存在割合が非導電性無機粒子7に対して小さくなり、導体層2と活物質層4との接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記元素強度比が上記上限を超える場合、非導電性無機粒子7の存在割合が導電性粒子6に対して小さくなり、導電性粒子6の固定強度が不十分となるおそれがある。
さらに、Cの元素強度が最大となる位置におけるSiに対するOの元素強度比の下限としては、0.04が好ましく、1がより好ましい。一方、上記元素強度比の上限としては、100が好ましく、10がより好ましい。上記元素強度比が上記下限より小さい場合又は上記上限を超える場合、導電性粒子6及び非導電性無機粒子7以外の不純物の割合が増加し、導電性粒子6の固定強度が不十分となるおそれや、導体層2と活物質層4との接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。
導体層2に対する中間層3の被覆率の下限としては、1%が好ましく、30%がより好ましく、50%がさらに好ましい。一方、上記被覆率の上限としては、95%が好ましく、90%がより好ましく、80%がさらに好ましい。上記被覆率が上記下限より小さい場合、導体層2と活物質層4との接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記被覆率が上記上限を超える場合、製造効率の低下や当該電極1の厚み増加を招来するおそれがある。ここで、「導体層に対する中間層の被覆率」とは、導体層の表面のうち中間層に被覆されている領域の導体層の表面全体に対する面積割合を意味し、中間層が導体層の両面に被覆される場合は一方の表面での値を意味する。
中間層3の目付量(塗工量)の下限としては、0.1g/m2が好ましく、0.5g/m2がより好ましい。一方、中間層3の目付量の上限としては、2g/m2が好ましく、1.2g/m2がより好ましい。中間層3の目付量が上記下限より小さい場合、中間層3による接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。逆に、中間層3の目付量が上記上限を超える場合、製造効率の低下や当該電極1の厚み増加を招来するおそれがある。
中間層3の平均厚さの下限としては、0.1μmが好ましく、0.5μmがより好ましく、0.8μmがさらに好ましい。一方、中間層3の平均厚さの上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましい。中間層3の平均厚さが上記下限より小さい場合、中間層3による接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。逆に、中間層3の平均厚さが上記上限を超える場合、製造効率の低下を招来するおそれがある。
<活物質層>
活物質層4は、活物質粒子を含むいわゆる合材から形成される。また、活物質層4を形成する合材は、必要に応じて導電剤、バインダー、増粘剤等の任意成分を含む。
(活物質粒子)
活物質層4に含まれる活物質粒子としては、蓄電素子に通常用いられる公知のものが使用できる。当該電極1をリチウムイオン二次電池の正極に用いる場合、活物質粒子としては、リチウムイオンを吸蔵及び離脱することができる活物質の紛体が用いられる。具体的な活物質としては、一般式Li1−aM1O2(0≦a≦1、M1はNi、Mn、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、Mo又はZr)で表される化合物、一般式Li1−aNixM2yM3zO2(0≦a≦1、M2、M3はMn、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、Mo又はZrで、かつM2≠M3、x+y+z=1、0<x≦1、0≦y<1、0≦z<1)、一般式LiM4PO4(M4はMn、Fe又はCo)で表される化合物、一般式LibM52O4(M5は遷移金属、0≦b≦2)で表される化合物等が挙げられる。また、上記一般式Li1−aNixM2yM3zO2で表される化合物のうち、LiNixMnyCozO2(x+y+z=1、0<x<1、0<y<1、0<z<1)で表される化合物がさらに好ましい。
上記一般式で表される化合物の具体例としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、Co−Mn−Niの3元系リチウム化合物(LiNixMnyCozO2)、オリビン系リチウム化合物(LiFePO4)等を挙げることができる。
また、蓄電素子の正極に用いる場合の活物質としては、MnO2、FeO2、TiO2等のほか、上記一般式で表される化合物以外のV2O5、V6O13、TiS2等の金属カルコゲン化物や、上述した化合物の複合酸化物等も用いることができる。
蓄電素子の正極に用いる場合の活物質粒子は、中空構造や層状構造を有することが好ましい。
一方、当該電極1をリチウムイオン二次電池の負極に用いる場合、活物質粒子としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる活物質の紛体が用いられる。具体的な活物質としては、例えばリチウム、リチウム合金(リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−錫、リチウム−アルミニウム−錫、リチウム−ガリウム等)等の金属、金属酸化物、ポリリン酸化合物、グラファイト、非晶質カーボン等の炭素材料などが挙げられる。
さらに、当該電極1をキャパシタ電極に用いる場合、活物質粒子を構成する活物質としては、金属酸化物、グラファイト、非晶質カーボン等の炭素材料などが挙げられる。
なお、蓄電素子の正極又は負極に用いる活物質粒子は上述した二種以上を混合して用いてもよい。
活物質粒子の平均粒径の下限としては、0.1μmが好ましく、1μmがより好ましい。一方、活物質粒子の平均粒径の上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましい。活物質粒子の平均粒径が上記下限より小さい場合、活物質粒子の製造や取り扱いが困難になるおそれがある。逆に、活物質粒子の平均粒径が上記上限を超える場合、活物質層4の電子伝導性が低下するおそれがある。
活物質粒子の平均粒径は、導電性粒子6の平均長径よりも小さいことが好ましい。具体的には、導電性粒子6の平均長径に対する活物質粒子の平均粒径の比の下限としては、0.01が好ましく、0.1がより好ましい。一方、上記比の上限としては、2.0が好ましく、1.6がより好ましい。上記比が上記下限より小さい場合、活物質粒子の製造や取り扱いが困難になるおそれや、導電性粒子6が粗大化するおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超える場合、導電性粒子6と活物質粒子との接点が減少し、導体層2と活物質層4との接触抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。
活物質層4における活物質粒子の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、80質量%がより好ましい。一方、活物質粒子の含有量の上限としては、99質量%が好ましい。活物質粒子の含有量を上記範囲とすることで、当該電極1を用いた電池の電気容量を高めることができる。
(任意成分)
上記導電剤としては、電池性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電材としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックスなどが挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
上記バインダーとしては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子などが挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、当該電極1をリチウムイオン二次電池に用いる場合、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
なお、活物質層4を中間層3の表面に形成する際に、活物質層4に含有されるバインダーが中間層3内に存在する空隙に流入することがある。この場合、活物質層4から中間層3に流入したバインダーは活物質層4の成分であって、中間層3の成分とはみなさない。
<利点>
当該電極1は、中間層3が導電性粒子6と共にこの導電性粒子6の外面を被覆する非導電性無機粒子7を含むため、この非導電性無機粒子7に覆われた状態の導電性粒子6が導体層2に担持される。そのため、当該電極1は、比較的高い固定強度で導電性粒子6が導体層2表面に均一的に被覆され、容易かつ確実に導体層2と活物質層4との界面における接触抵抗を低減できる。さらに、当該電極1は、樹脂製バインダーを用いずとも中間層を形成できるため、従来の中間層3を樹脂製バインダーのコーティングで形成する電極よりも樹脂製バインダーの材料費を低減できるほか、固体塗料の擦り付け等により中間層3を形成できるので、製造コストも低減することができる。
[電極の製造方法]
当該電極の製造方法は、導体層の表面の少なくとも一部に導電性粒子と非導電性無機粒子とを含むスラリーの焼成物を擦り付けることで中間層を形成する工程と、中間層を乾燥する工程と、導体層及び中間層を含む積層体の中間層側に活物質層を形成する工程とを主に備える。
<擦り付け工程>
本工程では、まず導電性粒子と非導電性無機粒子とを含むスラリーの焼成物を得る。このスラリーは導電性粒子及び非導電性無機粒子に溶剤を加えて混練することで得られるものである。この溶剤としては導電性粒子及び非導電性無機粒子と反応しないものであれば特に限定されず、例えば有機溶剤や水を用いることができる。また、スラリーには、導電性粒子及び非導電性無機粒子以外の添加剤が含まれてもよい。なお、混練は加熱しながら行うことが好ましい。
なお、上記焼成物は市販のものを用意してもよいし、市販の混練物(スラリー)を用意し、これを焼成して得てもよい。また、上記焼成物は、例えば後述する擦り付けを容易化するための油脂等を含んでもよい。
スラリーを焼成する具体的手順は以下の通りである。まず、スラリーを空気中で例えば100℃以上150℃以下、10時間以上30時間以下の条件で乾燥し、溶剤を蒸発させる。次に、乾燥したスラリーを窒素雰囲気下で加熱し焼成する。その後、必要に応じて焼成物をラード等の油脂に浸漬することで、油脂を添加する。
上記焼成工程における焼成温度の下限としては、1000℃が好ましく、1100℃がより好ましい。一方、焼成温度の上限としては、1400℃が好ましく、1300℃がより好ましい。焼成温度が上記下限より小さい場合、焼成が不十分となり、焼成物の強度が低下するおそれがある。逆に、焼成温度が上記上限を超える場合、導電性粒子等が劣化又は損傷するおそれがある。
上記焼成温度における焼成時間は、30分以上2時間以下が好ましい。また、上記焼成温度までの昇温速度は、100℃/時間以上200℃/時間以下が好ましい。
焼成物の形状としては、図4に示すように円柱状とすることが好ましい。具体的には、スラリーを円柱状に押出し、これを焼成することで円柱状の焼成物が得られる。この焼成物において、非導電性無機粒子が導電性粒子の外面を被覆するよう配設されている。
本工程では、次に上記スラリーの焼成物を固体塗料として導体層の表面の少なくとも一部に擦り付けることで中間層を形成する。具体的には、図4に示すように、導体層2をローラRで送りつつその表面に焼成物Bを押し付けて摺動させる。このとき、導体層2として圧延箔を用いる場合、金属箔の圧延方向を導体層2の送り方向とし、軸方向がこの送り方向に垂直となるように焼成物Bを配置し、一定圧を加えつつ焼成物Bを軸方向に往復運動させることが好ましい。このように焼成物Bを動かすことで、圧延痕に導電性粒子が引っ掛かり、長側面が導体層2の表面に沿うよう導電性粒子を配設することができる。これにより、中間層の導電性を高めることができる。なお、導体層として金属箔を用いる場合、擦り付け前に乾燥させることが好ましい。また、導体層の両面に中間層を備える電極を得る場合は、導体層の両面に焼成物Bを擦り付ける。
擦り付け圧力の下限としては、0.1N/cm2が好ましく、0.2N/cm2がより好ましい。一方、擦り付け圧力の上限としては、1N/cm2が好ましく、0.5N/cm2がより好ましい。擦り付け圧力が上記下限より小さい場合、導電性粒子等の導体層表面への付着が不十分となるおそれがある。逆に、擦り付け圧力が上記上限を超える場合、導体層や導電性粒子等の変形が発生するおそれがある。
擦り付けの回数としては特に限定されないが、例えば1回以上10回以下とできる。擦り付けの回数により、中間層3の目付量を調整できる。
<乾燥工程>
本工程では、上記擦り付け工程で得た中間層を乾燥する。これにより、中間層内に残留している溶剤や油分が除去され、中間層と導体層との密着性が向上する。
乾燥温度の下限としては、60℃が好ましく、70℃がより好ましい。一方、乾燥温度の上限としては、200℃が好ましく、180℃がより好ましい。乾燥温度が上記下限より小さい場合、乾燥が不十分となり、溶剤等が残留するおそれがある。逆に、乾燥温度が上記上限を超える場合、導電性粒子等が劣化又は損傷するおそれがある。
乾燥時間の下限としては、30分が好ましく、40分がより好ましい。一方、乾燥時間の上限としては、60分が好ましく、50分がより好ましい。乾燥時間が上記下限より小さい場合、乾燥が不十分となり、溶剤等が残留するおそれがある。逆に、乾燥時間が上記上限を超える場合、導電性粒子等が劣化又は損傷するおそれがある。
<活物質層形成工程>
本工程では、導体層及び上記擦り付け工程で得た中間層を含む積層体の中間層側に活物質層を形成する。具体的には、上記積層体の中間層側への活物質層の形成材料の塗工及び熱処理により、活物質層を形成する。
活物質層形成材料は、上述した活物質粒子及び任意成分を溶剤と混合した混合液である。この溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、トルエン等の有機溶剤を用いることができる。
熱処理の温度としては、例えば50℃以上150℃以下とすることができる。また、熱処理の時間としては、例えば10分以上3時間以下とすることができる。
なお、上記熱処理後、ロール等により活物質層を積層した積層体をプレスすることが好ましい。また、上記乾燥工程は省略することが可能である。
<利点>
当該電極の製造方法は、導電性粒子と、この導電性粒子の外面を被覆する非導電性無機粒子とを含む焼成物を導体層の表面の少なくとも一部に擦り付けることで中間層を形成し、上述の当該電極が得られる。当該電極の製造方法は、樹脂製バインダーの材料費を低減できるほか、焼成物を擦り付ける工程により乾燥、焼付等の工程が省略できるため塗工コストが低減できる。
[蓄電素子]
図5に示す蓄電素子は、一対の正電極1a,負電極1bとこれらの電極の間に配設されるセパレータ5とを主に備える。図5は、蓄電素子の最低構造単位を示す。当該蓄電素子は、正電極1aと負電極1bとがセパレータ5を介して交互に重ね合わされている。また、当該蓄電素子は、ケース内に、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF6)等を溶解したエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等を含有する非水電解質(電解液)が充填される。
<電極>
正電極1aおよび負電極1bは上述の電極1と同じ構成のものである。正電極1aと負電極1bとは、活物質層4a,4bに含まれる活物質粒子が上述したようにそれぞれの正負に合わせて選択される点を除き、同じ構成とすることができる。また、導体層2、中間層3及び活物質層4a,4bは、図1の実施形態の電極で説明した通りであるので説明を省略する。
<セパレータ>
セパレータ5の材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも多孔質樹脂フィルムが好ましい。多孔質樹脂フィルムの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。また、これらの樹脂とアラミドやポリイミド等の樹脂とを複合した多孔質樹脂フィルムを用いてもよい。
[その他の実施形態]
本発明の本発明の電極及びその製造方法、並びに蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば当該蓄電素子は、一対のみの正電極及び負電極を備える構成とすることができる。この場合、各電極において中間層が導体層の一方の面のみに積層され、活物質層が導体層及び中間層を含む積層体の中間層側のみに積層される。また、当該蓄電素子は、正電極もしくは負電極のどちらか一方に中間層を備える構成であってもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、導電性粒子としての鱗片状の天然黒鉛(平均長径:8μm)70質量部、非導電性無機粒子としてのカオリナイト5質量部及びハロイサイト5質量部、並びに水30質量部とをヘンシェルミキサーで混練しスラリーを得た。なお、このスラリーには樹脂製バインダーを加えていない。次に、このスラリーを水が20質量部程度になるまで加熱混練した。その後、この混合物を押出ダイスを用いて線状体に押出成形した。さらに、この成形物を空気中において120℃で20時間加熱処理することで水分を除去した後、窒素雰囲気中で1200℃まで10時間で昇温し、その後1200℃で1時間焼成した。焼成後、この焼成物をラードに浸漬した。
なお、ラードに浸漬した後の焼成物の質量比は、天然黒鉛70質量部、非導電性無機粒子(カオリナイト及びハロイサイト)10質量部、油分(ラード)20質量部であった。
上記焼成物を導体層としてのアルミニウム箔(A1085P、算術平均粗さRa:0.07μm、平均厚み:15μm)の表面に1.0g/m2の目付量で擦り付け、150℃で乾燥することで中間層を形成した。さらに、この中間層の表面にLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2:アセチレンブラック:ポリフッ化ビニリデンの質量比が90:5:5の活物質層を積層し、実施例1の電極を得た。なお、活物質層の積層後にプレスは行っていない。なお、算術平均粗さRaは、キーエンス社のレーザ顕微鏡「VK−8500」及び解析ソフト「VK−H1W」を用い、倍率2000倍、測定範囲150μm×110μm相当面積(正確には16683μm2)、高さ方向の測定範囲8μm、計測ピッチ0.1μmの条件で高さデータを測定し、最小二乗法により高さデータの基準面を求め、その基準面と各ポイントの高さデータの差から算出した。なお、この算出条件は、JIS−B−0601(2001年)に準拠し、カットオフ値(λc)0.25mm、評価長さ(l)150μmで測定した算術平均粗さRaと同等とみなせる。
[実施例2〜6]
用いたアルミニウム箔の算術平均粗さRa、又は中間層の目付量を表1に示す値とした以外は、実施例1と同様にして実施例2〜6の電極を得た。
[比較例1]
実施例1で用いたアルミニウム箔の表面に中間層を形成せずに実施例1と同じ活物質層を直接積層し、比較例1の電極を得た。
[比較例2]
上記スラリーとして、アセチレンブラック30質量部と樹脂製バインダー(ポリフッ化ビニリデン)70質量部とを混ぜた塗工液を塗付して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較例2の電極を得た。
[評価]
実施例1〜6及び比較例1、2の電極について、以下の方法で評価を行った。まず、各電極を2cm四方に打抜き、この打抜いた試料について、抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテックの「ロレスターEP MCP−T360」)を用い、2端子を試料の活物質層表面に押し当てて試料の抵抗値を測定した。測定は10回行い、その平均値を抵抗値aとした。これを3つの試料について行い、各資料の抵抗値aの平均値である平均抵抗値Aを算出した。
次に、これらの試料を65℃のエチレンカーボネート:ジエチルカーボネートの体積比が3:7の電解液に浸漬し、50時間放置した。浸漬後、試料を取り出してジメチルカーボネートで洗浄及び真空乾燥した後に、上述した抵抗値の測定を再度行い、3つの試料の平均抵抗値Bを算出した。
上記平均抵抗値A及び平均抵抗値Bを用いて、(B/A)×100−100で抵抗増加率を計算した。その結果を表1に示す。
また、実施例1〜6の電極の断面の顕微鏡写真を観察したところ、外面を非導電性無機粒子に被覆された導電性粒子が、アルミニウム箔の窪み内にその長側面が表面に沿うよう配設されていた。
Figure 2017059378
表1に示されるように、実施例1〜6の電極は、比較例1、2の電極に比べ、電解液に浸漬後の抵抗値Bが小さく、抵抗増加率が低く抑えられていることがわかる。これは比較的高い固定強度及び均一性で導電性粒子が導体層表面に被覆されているためであると考えられる。また、抵抗増加率の低減は、樹脂製バインダーによる膨潤が発生していないことにもよると考えられる。
以上のように、本発明の電極は、導電性粒子の導体層への固定強度及び均一性が格段に向上する。また、本発明の電極の製造方法は、導電性粒子の導体層への固定強度及び均一性が格段に向上した電極が得られる。さらに、本発明の蓄電素子は、容易かつ確実に導体層と活物質層との界面における接触抵抗を低減できるため、例えばリチウムイオン二次電池として好適に用いられる。
1,1a,1b 電極
2 導体層
3 中間層
4,4a,4b 活物質層
5 セパレータ
6 導電性粒子
7 非導電性無機粒子
8 窪み
B 焼成物
R ローラ

Claims (6)

  1. 導体層と、活物質層と、前記導体層と前記活物質層との間に形成され、前記導体層の表面の少なくとも一部を被覆する中間層と、を備え、
    前記中間層は導電性粒子と非導電性無機粒子とを含有し、前記導電性粒子の外面が前記非導電性無機粒子で被覆されている電極。
  2. 前記非導電性無機粒子が層状ケイ酸塩鉱物である請求項1に記載の電極。
  3. 前記中間層の前記導電性粒子の含有量が55質量%以上98質量%以下、前記非導電性無機粒子の含有量が1質量%以上40質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の電極。
  4. 前記導体層の算術平均粗さRaが0.05μm以上4μm以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電極。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電極を用いたことを特徴とする蓄電素子。
  6. 導体層と、活物質層と、前記導体層と前記活物質層との間に形成され、前記導体層の表面の少なくとも一部を被覆する中間層を備える電極の製造方法であって、
    前記導体層の表面の少なくとも一部に導電性粒子及び非導電性無機粒子を擦り付ける工程を備え、前記導電性粒子の外面が前記非導電性無機粒子で被覆されていることを特徴とする電極の製造方法。
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