JP2017057487A - イオンビームスパッタ装置 - Google Patents

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泰敬 宮本
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光伸 奥田
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Abstract

【課題】2台のイオン源を搭載して、2元スパッタリングおよびイオンビームアシストスパッタリングのいずれの製膜も可能であり、さらにイオンビームアシストスパッタリングにおいて、製膜速度が低下すること等なくアシストイオンの入射角を任意に設定可能なイオンビームスパッタ装置を提供する。【解決手段】イオンビームスパッタ装置10は、2台のイオン源1,1がそれぞれ回転導入機13で回動自在に軸支されてイオンビームの照射方向を変化させることができ、イオン源1を水平にしてイオンビームIB3をスパッタターゲットT3に照射してスパッタリングし、仰角に傾斜させてアシスト用のイオンビームIBaを所望の入射角θa1,θa2で基板Wを傾斜させることなく基板Wに照射することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、複数台のイオン源を搭載したイオンビームスパッタ装置、特にイオンビームアシスト法を併用して製膜するものに関する。
物理蒸着(PVD)法の1つであるイオンビームスパッタリング法は、膜材料となるスパッタターゲット(スパッタ源)にイオンビームを照射してスパッタ粒子を飛散させ、被処理体に堆積させて膜を形成する。イオンビームスパッタリング法は、製膜速度が遅いものの、1〜数原子膜レベルでの膜厚調整の可能な製膜方法として、半導体装置等の製造に広く使用され、特にCo/Pd多層膜やCrPt3規則合金膜のような磁性膜の形成に好適である。さらに2台以上のイオン源(イオン銃)を搭載したイオンビームスパッタ装置を使用することにより、2種類以上のスパッタターゲットのそれぞれにイオンビームを同時に照射して(多元スパッタリング)、スパッタターゲット材料の組成によらずに所望の組成の合金膜を形成することができる(例えば、特許文献1,2)。また、2台のイオン源が交互にイオンビームを照射することにより、前記の規則合金膜等を効率的に形成することができる。このような製膜装置として、例えば図6に示すイオンビームスパッタ装置100は、2台のイオン源101,101、被処理体である基板Wを保持する基板ステージ31、板状のスパッタターゲットT6,T7をそれぞれ装着するターゲットホルダ41,41等を備える。なお、図6および後記図7において、イオンビーム(イオンビーム束)は、その中心のみが破線で示されている。
イオンビームスパッタ装置100は、2台のイオン源101,101が、イオンビームの取出し口をターゲットホルダ41,41に装着されたスパッタターゲットT6,T7に向けて、処理室(真空処理室、チャンバ)102に形成された孔(窓)を貫通して設置されている。また、基板自転機構103は、モータ等の回転手段132および回転手段132の回転運動を基板ステージ31へ伝達する直進回転導入機133を備える。このような構成により、基板Wが膜形成面(表面)の面内で回転(自転)しながら表面にスパッタ粒子が付着するので、面内均一に膜が形成される。さらに基板自転機構103は、回転手段132および直進回転導入機133により基板ステージ31が上下に昇降して、スパッタターゲットT6,T7と基板Wとの距離を調整することができる。また、ターゲットホルダ41を固定された基台142が回転導入機143により紙面垂直方向な回転軸(図中、十字で表す)で回転自在に処理室102に設置され、スパッタターゲットT6,T7を所望の角度に傾斜させることによりイオンビームの入射角θT6,θT7を任意に設定することができる。このような構成により、イオンビームスパッタ装置100は、イオン源101,101が個別のイオン種(ガス種)や加速電圧、入射角等でイオンビームIB6,IB7をスパッタターゲットT6,T7に照射して、所望の組成の合金膜を基板W表面に形成することができる。また、2つのターゲットホルダ41,41に同一材料のスパッタターゲットを装着して、それぞれに同時にイオンビームを照射して製膜速度を速くすることもできる。
あるいは、1台または複数台のイオン源でイオンビームスパッタをする際に、別の1台のイオン源が基板に直接にイオンビームを低出力で照射しながら製膜することにより、所望の特性の膜を基板表面に形成することができる(イオンビームアシスト法、例えば、特許文献3,4)。イオンビームアシスト法の可能なイオンビームスパッタ装置100Aは、図7に示すように、2台のイオン源101,101Aを備え、一方のイオン源101がスパッタターゲットT8に向けて、他方のイオン源101Aが基板ステージ31に向けて、それぞれイオンビームIB8,IBaを照射するように設置されている。イオンビームアシスト法においては、基板Wへ照射するイオンビーム(アシストイオンビーム)IBaのイオン種(ガス種)や加速電圧等の他に、基板Wへの入射角θaが膜の特性に影響する。そのため、基板自転機構103Aは、基板ステージ31(基板W)を自転させるだけでなく、所望の角度に傾斜させて基板WへのイオンビームIBaの入射角θaを任意に設定することができる。また、最大4枚のスパッタターゲットTを装着することができるように、正四角柱の基台142Aの4側面のそれぞれにターゲットホルダ41を固定されたターゲットホルダユニット104Aが、回転導入機143により基台142Aの中心軸を回転軸(図中、十字で表す)にして処理室102Aに回転自在に設置されている。このような構造によって、イオンビームスパッタ装置100Aは、処理室102Aを開放することなく、基台142Aを90°刻みで回転させてイオンビームが照射されるスパッタターゲットTを切り換えて異なる材料の膜を積層することができる。
特公平7−74440号公報 特許第2713481号公報 特許第2744069号公報 特開2001−237136号公報 特開2011−168828号公報
一般に、イオンビームスパッタ装置においては、図6に示すように基板Wの表面を下へ向けて、下方からスパッタ粒子を飛散させて製膜することが好ましい。これは、製膜時に処理室102の壁面や基板ステージ31等にもスパッタ粒子が付着するので、これが堆積してフレーク(金属剥片)になったものが剥離、落下して基板Wを汚染することを防止するためである。しかしながら、イオンビームアシスト法に対応したイオンビームスパッタ装置100Aにおいては、図7に示すように、イオンビームIBaの入射角θaを設定するために基板Wの表面を傾斜させる必要がある。その結果、基板Wの傾斜角によっては基板Wがフレークで汚染される虞がある。さらに、イオンビームスパッタ装置100Aにおいては、基板ステージ31を傾斜させた状態で自転させるために、回転導入機133Aの鉛直な回転軸の向きを処理室102A内でかさ歯車(ギア)等の回転伝達手段(図示省略)により変化させる。基板自転機構103Aの回転伝達手段に付着したフレークは、その駆動時(入射角θaの設定時)に特に剥離し易く、回転伝達手段が基板Wの上側さらに近傍に設けられているので、基板Wが汚染される虞がある。
また、イオンビームスパッタリング法においては、スパッタターゲットT(T6,T7)へのイオンビームの入射角θT(θT6,θT7)によって、スパッタターゲットTからのスパッタ粒子の飛散量の多い方向が変化し、この方向に基板Wの表面の法線がより近いことが好ましい。例えばイオンビームスパッタ装置100Aにおいては、図7に示すように、斜め上45°に傾斜させたスパッタターゲットT8へイオン源101がイオンビームIB8を水平(0°)に入射して入射角θT8を45°とし、主に真上へスパッタ粒子を飛散させている。しかし、アシストイオンビームの入射角θaによっては基板Wを傾斜させるため、製膜速度が低下する等の影響が生じ得る。また、イオンビームスパッタ装置100においては、2つのスパッタターゲットT6,T7への各イオンビームの入射角θT6,θT7によっては所望の組成の合金膜を形成することが困難である。
また、イオンビームスパッタ装置100は多元(2元)スパッタリングに、イオンビームスパッタ装置100Aはイオンビームアシストスパッタリングに、それぞれ機能が限定されている。言い換えれば、1基のイオンビームスパッタ装置で、2元スパッタリングとイオンビームアシストスパッタリングの両方を可能とするためには、いずれも同時に稼働しているイオン源が2台であるにもかかわらず、3台以上のイオン源を搭載する必要があり、高額な製膜装置になる。
また、スパッタターゲットTの切換え可能な回転式(ドラム式)のターゲットホルダユニット104Aは、隣り合うスパッタターゲットT,Tのイオンビーム照射面(表面)の角度を270°以上とすることで、スパッタ粒子がイオンビームの照射されていないスパッタターゲットTに付着して汚染されることのないように構成されている。したがって、ターゲットホルダユニット104A(基台142A)は正四角柱や正三角柱、あるいは円柱に形成され、装着することのできるスパッタターゲットTは最大4枚(正三角柱の場合は3枚)である。しかし、例えばMRAM(磁気抵抗メモリ:Magneto-resistive Random Access Memory)の製造においては、搭載される磁気抵抗効果素子が磁気特性の異なる2層以上の磁性膜、ならびに非磁性の中間層および保護膜等を積層されていて、これらの膜を連続して形成するためにはスパッタターゲットの装着枚数(膜材料の種類)が不十分である。
あるいは、ターゲットホルダユニットを正多角柱や正多角錐台、あるいは内側が正多角錐台の皿状に形成して、各側面にスパッタターゲットを装着し、イオンビームが照射されていないスパッタターゲットを覆う遮蔽板(スパッタ粒子防着板)を備える構成とすることもできる(例えば、特許文献5)。しかしながら、装着するスパッタターゲットの数を増やすにしたがいターゲットホルダユニットが大口径化し、特に多元スパッタリングではこのようなターゲットホルダユニットを複数搭載するために、処理室を広く形成する必要があり、イオンビームスパッタ装置が大型化する。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、スパッタターゲットや被処理体へのイオンビームの入射角を任意に設定しつつ、製膜性の低下や被処理体の汚染を防止したイオンビームスパッタ装置を提供することを課題とする。さらに本発明は、少なくとも2台のイオン源を搭載していれば、2元スパッタリングおよびイオンビームアシストスパッタリングのいずれの製膜も可能なイオンビームスパッタ装置を提供することを課題とする。また、本発明は、処理室の拡張を抑制しつつ切換え可能な多数のスパッタターゲットを装着可能なイオンビームスパッタ装置を提供することを課題とする。
すなわち本発明に係るイオンビームスパッタ装置は、表面に膜を形成される被処理体を保持するワークステージと、前記被処理体にまたは膜材料であるスパッタターゲットにイオンビームを照射する複数台のイオン源と、前記スパッタターゲットを装着する複数のターゲットホルダと、を処理室内に備え、前記複数台のイオン源の少なくとも1台が、前記被処理体および前記スパッタターゲットの少なくとも一方に対して入射角を変化させてイオンビームを照射することができるように、回動機構に支持されていることを特徴とする。さらに、前記回動機構は、前記被処理体および前記スパッタターゲットのいずれにもイオンビームを照射することができるように前記イオン源を支持していることが好ましい。
かかる構成により、イオンビームスパッタ装置は、被処理体の向きを変えることなくアシストイオンビームの入射角を設定したり、スパッタリング用とアシスト用の各イオンビームを同じイオン源で照射することができる。
また、本発明に係るイオンビームスパッタ装置は、複数のターゲットホルダを直線方向に並べて備えるターゲットホルダユニットをイオン源別に備えてもよく、飛散するスパッタ粒子から前記ターゲットホルダに装着したスパッタターゲットを遮蔽するスパッタ粒子防着板を共に備え、前記ターゲットホルダユニットが、装着した複数のスパッタターゲットのいずれか1つがイオンビームの射線上に配置されるように、前記直線方向に沿って往復移動自在となる案内手段を備えることを特徴とする。
かかる構成により、イオンビームスパッタ装置は、多数のスパッタターゲットを装着することができる。
本発明に係るイオンビームスパッタ装置は、複数のスパッタターゲットへの、またはスパッタターゲットと被処理体とへの各イオンビームの入射角をそれぞれ所望の値に設定することができ、さらに2台のイオン源で、2元スパッタリングおよびイオンビームアシストスパッタリングのいずれの製膜方法も可能となる。また、本発明に係るイオンビームスパッタ装置は、直線移動するターゲットホルダユニットを備えることにより、多数のスパッタターゲットを装着しつつ、処理室の拡張が限定的なものに抑えられる。
本発明の第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置の側面図であり、2元スパッタリングを説明する模式図である。 図1に示すイオンビームスパッタ装置の要部の外観図で、イオン源の配置およびターゲットホルダユニットの構造を説明する模式図である。 図1に示すイオンビームスパッタ装置の側面図であり、イオンビームアシストスパッタリングを説明する模式図である。 本発明の第2実施形態に係るイオンビームスパッタ装置の側面図であり、2元スパッタリングを説明する模式図である。 本発明の第3実施形態に係るイオンビームスパッタ装置の側面図であり、イオンビームアシストスパッタリングを説明する模式図である。 2元スパッタリングを行う従来のイオンビームスパッタ装置の側面図である。 イオンビームアシストスパッタリングを行う従来のイオンビームスパッタ装置の側面図である。
〔第1実施形態:イオンビームスパッタ装置〕
本発明の第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置について、図1〜3を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10は、処理室(真空処理室、チャンバ)2と、イオンビームを照射する2台のイオン源1,1と、基板(被処理体)Wを保持する基板ステージ(ワークステージ)31を含む基板自転機構3と、スパッタターゲットT(図1では、各1枚のスパッタターゲットT1,T2を示す)を装着する複数のターゲットホルダ41(図2参照)を設けた2台のターゲットトレイン(ターゲットホルダユニット)4,4と、ターゲットトレイン4,4を覆うスパッタ粒子防着板44と、処理室2を真空(減圧)状態に排気する排気系5と、処理室2に接続された予備室(図示省略)およびターゲット収容室21a,21b(図2参照)と、予備室と処理室2の基板ステージ31との間で基板Wを出し入れする搬送系(図示省略)と、イオン源1,1およびスパッタターゲットTを冷却する冷媒(冷却水)を供給する冷却機構(図示省略)と、を備える。したがって、イオンビームスパッタ装置10は、イオン源1およびターゲットトレイン4を2台ずつ備え、図1に示すように側面視において左右略対称な構造である。さらにイオンビームスパッタ装置10は、イオン源1毎に、イオン種(ガス)からイオンビームを引き出すための電源(PS)11、イオン源1にイオン種としてArガス等を供給するマスフローコントローラ(MFC)12、ならびに回転導入機(回動機構)13およびこれにイオン源1を固定する支持部材14を備える。
(処理室)
処理室2は、公知のイオンビームスパッタ装置(図6、図7参照)等の真空処理装置に適用されるものと同様の構造であり、真空ポンプ52や自動圧力制御器(APC:Auto Pressure Controller)51等からなる排気系5によって所望の圧力(真空状態)に制御され、これを保持する。また、処理室2には、基板Wの出し入れの際の処理室2の真空状態や雰囲気の変化を抑制するために、開閉可能なシャッタ(図示省略)を隔てて予備室が接続され、この予備室は排気系5とは別の排気系で圧力を制御される。さらに処理室2には、ターゲットトレイン4,4を処理室2から移動させるためのターゲット収容室21a,21bが、イオンビームスパッタ装置10の幅方向(x方向)の両側へ突出して接続されている(図2参照)。処理室2は、外形(ターゲット収容室21a,21bおよび予備室を除く)が、図1では側面視矩形の直方体または円柱で表されるがこれらに限られず、例えばドーム(半球)型等に形成されてもよい。
(イオン源)
イオン源1は、イオンビームIB1,IB2(適宜まとめて、イオンビームIB)をスパッタターゲットTまたは基板Wに向けて照射する。イオン源1は、公知のイオンビームスパッタ装置に搭載されるイオン源であり、カウフマン型(フィラメント)、ホローカソード型、RF型、バケット型、デュオプラズマトロン型等を適用することができ、出力(加速電圧)やビーム径等がイオンビームスパッタおよびアシストイオンビームの両方に設定可能なものとする。イオン源1は、その全体が筐体に収納されて外形が図2に示すような円柱、あるいは角柱を呈し、一方の底面(前面)から柱体の軸方向に沿ってイオンビームIBを照射する。本明細書においては、この柱体の軸方向、すなわちイオンビームの射線方向をイオン源の向きと表し、例えば、図1に示すイオン源1,1は、2台共に水平な状態であるという。また、図2において、下側のイオン源1は水平な状態であり、上側のイオン源1は仰角に傾斜させた状態である。なお、図1および後記図3、図4、図5において、イオンビームIB(イオンビーム束)は、その中心のみが破線で表される。
イオン源1は、処理室2において前面をy方向における中央に向けて設置され、もう一方の処理室2の側壁に向いた底面(後面)に、電流、ガス、冷却水等を供給するための可撓性の管が接続されている。図1〜3では、イオン源1毎に電源11およびマスフローコントローラ12に接続する2本の管11a,12a(図2参照)を示し、その他は省略する。これらの管11a,12aは、フランジ2f1,2f2(図1参照)を貫通する電流導入端子やガス導入端子を経由して、処理室2の外(大気側)に設けられた電源11、マスフローコントローラ12、冷却機構等に接続する。各種導入端子は真空処理装置に一般に使用される部品であり、処理室2の側壁に形成された孔(窓)にフランジ2f1,2f2で固定される。マスフローコントローラ12は、イオン源1がイオンビームを照射する対象のスパッタターゲットTの材料に応じて、あるいは基板Wへのアシストイオンビームの仕様によって、Ar,Kr,Xe等の希ガスを切り替えてイオン源1に供給する。電源11も、スパッタターゲットTの材料や基板Wへのアシストイオンビームの仕様に応じて出力(加速電圧)を設定する。
さらにイオン源1は、イオンビームの照射方向を変化させることができるように、回転導入機13および支持部材14により、向きが上下に変化(回動)自在に処理室2に軸支されている。図2に示すように、回転導入機13は、処理室2の側壁(図示省略)に固定されたフランジ2f4,2f5を通ってx方向を回転軸とするyz面での回転運動を処理室2の外から伝達する。そして、支持部材14は、イオン源1の胴部(筐体)を後部で把持する環状の留め金(クランプ)と、回転導入機13のシャフト(回転軸)に接続するL字型のアームとからなる。支持部材14のアームは、回転導入機13のシャフトからイオンビームスパッタ装置10の幅方向(x方向)に延伸し、イオン源1の上方で90°屈曲して留め金に接続する。回転導入機13は、真空処理装置に一般に使用され、伝達方向に沿った回転軸の回転運動を伝達することができるものであればよい。また、回転導入機13で伝達させる回転運動は、自動、手動のいずれによるものでもよく、処理室2の外にモータやハンドル等の回転手段(図示せず)を設けて回転導入機13に接続する。
本実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10において、回転導入機13は、イオン源1が水平な(イオンビームIBを水平(0°)に照射した)ときにスパッタターゲットTの表面中央にイオンビームIBが入射し、かつイオン源1が傾斜されて基板Wへの入射角θaを所望の範囲とすることのできる位置に設定される。ここでは、支持部材14により、回転軸をイオン源1の後部寄りに配置することにより、イオン源1の仰角(90°−θa)が小さくてもイオンビームIBaがスパッタターゲットT(ターゲットトレイン4)に遮られずに基板Wに入射することができ、一方、イオン源1の上方に配置することにより、仰角を大きくしたときにイオンビームIBaの射線が上方へ振れ過ぎずに基板Wに入射することができる(図3参照)。また、堆積したフレークが基板Wを汚染しないように、支持部材14や回転導入機13は、基板W(基板ステージ31)よりも上に配置されないことが好ましい。なお、ここでは、イオン源1がL字型の支持部材14の1本のアームを介して回転導入機13のみの1箇所で処理室2に支持されているが、支持部材14の形状やイオン源1への取付け部位等は、回転軸の位置(回転導入機13の配置)やイオン源1の重量等に応じて設計される。例えば支持部材14のアームをx方向の両側へ延伸したT字型に形成して、一方を回転導入機13に接続し、他方を処理室2内に設けた支柱で回転自由に支持されていてもよい(図示せず)。
(基板自転機構)
基板自転機構3は、公知のイオンビームスパッタ装置に搭載され、特に基板Wの高さ(z方向)位置を設定することのできるものと同様の構成とすることができる。すなわち基板自転機構3は、基板Wを保持する基板ステージ31、モータ等の回転手段32、および回転手段32の回転運動を基板ステージ31へ伝達する直進回転導入機(直進機構)33を備える。基板ステージ31は、表面(基板Wの設置面、下面)で基板Wを保持することのできる構造とし、表面近傍にヒータを内蔵して基板Wを所望の温度に加熱したり、水冷や液体窒素等で基板Wを冷却する構造としてもよい。直進回転導入機33は、イオン源1の回転導入機13と同様に真空処理装置に一般に適用されるものであって、回転運動および回転軸方向の直線移動を、処理室2の外から内へ処理室2の壁面(天井)に固定されたフランジ2f3を通って伝達するものである。直進回転導入機33による基板ステージ31の昇降範囲は、スパッタターゲットT1,T2(ターゲットトレイン4)から基板Wまでを所望の距離に設定することができ、また、イオンビームアシストスパッタリングにおいて、所望の入射角θaに設定されたイオンビームIBaの射線上に基板Wを配置することができればよい(図3参照)。基板自転機構3は、このような構成によって、基板Wを所望の高さ位置に配置し、また、必要に応じて、製膜時に基板Wを膜形成面(表面)の面内で回転(自転)させることができる。そのため、基板Wが、入射角θaにかからわずイオンビームIBaを入射され、また、自転しながらスパッタ粒子が付着して、表面に均一に膜が形成される。
(ターゲットトレイン)
ターゲットトレイン4は、複数枚のスパッタターゲットTを装着するために、同数のターゲットホルダ41が基台42に固定されてなる。基台42は、イオンビームスパッタ装置10における側面視(図1参照)で直角二等辺三角形の略三角柱に形成され、柱体の軸を水平かつイオンビームに垂直な方向、すなわちイオンビームスパッタ装置10の幅方向(x方向、図1の紙面垂直方向)に延設される。そして、スパッタターゲットTが表面を斜め上45°に向けて装着されるように、ターゲットホルダ41は基台42の斜面上に固定され、さらに延設方向に沿って複数が一列に並べられている。図2では、簡潔に示すために、ターゲットトレイン4は4つのターゲットホルダ41を備える。また、ターゲットトレイン4における左端のターゲットホルダ41にスパッタターゲットTが装着されていない状態で表す。基台42上で隣り合うターゲットホルダ41,41(スパッタターゲットT,T)同士の間隔は、イオンビームIBを照射されていないスパッタターゲットTに、このスパッタターゲットTを覆うスパッタ粒子防着板44との間隙からスパッタ粒子が飛散してきて付着しないように空けるものとする。また、ターゲットトレイン4(基台42)は、装着するスパッタターゲットTの枚数に応じて、処理室2からはみ出して長く延設されてもよい。
ターゲットホルダ41は、公知のイオンビームスパッタ装置(例えば図6、図7参照)に搭載されるものと同様の構成とすることができる。すなわちターゲットホルダ41は、ステンレス鋼等でスパッタターゲットTよりも一回り大きな板状に形成され、表面にスパッタターゲットTをネジ等(図示省略)で固定して、内部に水を循環させて冷却する。また、基台42にも冷却水の流路を設けて、4つのターゲットホルダ41の流路が接続される。あるいは、ターゲットトレイン4は、基台42とこの基台42に固定されている複数のターゲットホルダ41とが一体に形成されていてもよい。イオンビームスパッタ装置10においては、2台のターゲットトレイン4,4がそれぞれの基台42の垂直な面同士を対向、近接させて設けられ、したがって、イオン源1,1がターゲットトレイン4,4のそれぞれに装着されたスパッタターゲットT(T1,T2)に対面する。
また、イオンビームスパッタ装置10は、ターゲットトレイン4が基台42の延設方向(x方向)に往復移動自在に設置されるように、基台42が下面に2本のレール(案内手段)42r,42rを備え、処理室2の床面に固定された案内部43の上面に形成された溝に嵌合される。イオンビームスパッタ装置10において、案内部43は、2つのターゲットトレイン4,4で共有される。このような構造により、2つのターゲットトレイン4,4を個別に移動させて、所望のスパッタターゲットT(T1,T2)が各イオン源1に対向するように切り替えられる。
(スパッタ粒子防着板)
スパッタ粒子防着板44は、処理室2においてイオン源1に対面しないターゲットトレイン4上のスパッタターゲットTを覆うように設けられる。スパッタ粒子防着板44は、スパッタターゲットTに合わせて45°傾斜させた平板状で、イオン源1に対面するスパッタターゲットTの形状に合わせた孔が開けられ、スパッタターゲットTに接触せず、かつスパッタ粒子が侵入しても、被覆されているスパッタターゲットTまで到達しない程度に間隙を設けて案内部43または処理室2に固定される。図2では、スパッタ粒子防着板44は、イオン源1に対面するスパッタターゲットTの全面を空けて孔が形成されているが、これ以外のスパッタターゲットTを被覆し、かつイオンビームIBおよびスパッタターゲットTから飛散するスパッタ粒子を遮らなければこれに限られない。ここでは、スパッタ粒子防着板44は、2つのターゲットトレイン4,4で共有されるように、山型に90°に折り曲げられた一枚の板で形成される。このように、ターゲットトレイン4,4により、イオン源1,1に対向する2枚のスパッタターゲットT1,T2が角度270°の差で隣り合って装着されているので、位置が近くても互いのスパッタ粒子で汚染され難く、イオン源1に対向していないスパッタターゲットTもスパッタ粒子防着板44によりスパッタ粒子の付着が防止される。
イオンビームスパッタ装置10においては、ターゲットトレイン4の両端に装着したスパッタターゲットT,Tをそれぞれイオン源1に対向させたときに、ターゲットトレイン4が処理室2に収まらない場合は、処理室2からはみ出した部分が収容されるターゲット収容室21a,21bが処理室2の両側に突出して接続される。したがって、案内部43は、処理室2を挟んでターゲット収容室21a,21bの全体にわたって延設される。イオンビームスパッタ装置10は、このような構成とすることで、処理室2を全体に拡張することなく、スパッタターゲットTを多数装着してそのすべてを1枚ずつイオン源1に対向させることができる。ターゲットトレイン4の移動手段は特に規定されず、例えば基台42の下面に移動(延設)方向に沿ったラックを備え、案内部43に備えたピニオンを回転導入機を介して処理室2の外に設けたモータやハンドル等の回転手段で移動させることができる(図示省略)。さらに、ターゲット収容室21a,21bの一方が、ターゲットトレイン4の全体を収容可能な長さに設けられ、基板Wの予備室と同様、処理室2との間に開閉可能なシャッタを備えて、排気系5とは別の排気系を備えてもよい。このような構成とすることで、ターゲットトレイン4に装着するスパッタターゲットTを容易に交換することができる。
(2元スパッタリング)
第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10により、2元スパッタリングで所望の組成の合金膜を形成する手順の一例を図1を参照して説明する。イオンビームスパッタ装置10において、イオン源1,1がそれぞれ水平になるように向きを設定する。また、合金膜の材料とする異なる金属からなるスパッタターゲットT1,T2がイオンビームIB1,IB2の射線上に配置されるように、ターゲットトレイン4,4をそれぞれ移動させる。ここでは、スパッタターゲットT1,T2へのイオンビームの入射角θT1,θT2はそれぞれ45°に設定される。一方、予備室から基板Wを処理室2に搬送して基板ステージ31で保持したら、回転手段32を駆動して基板ステージ31を昇降させて位置(基板WとスパッタターゲットT1,T2との距離)を設定する。なお、本明細書において、イオンビームの入射角とは、スパッタターゲットTまたは基板Wのイオンビーム照射面(表面)の法線との角度を指す。
そして、イオン源1,1のそれぞれにマスフローコントローラ12によりAr,Kr等の動作ガスを導入し、さらに排気系5により、処理室2を10-4Torr程度に減圧された状態に調整する。回転手段32を駆動して基板ステージ31を自転させ、必要に応じてマスフローコントローラ12,12から供給するガスを切り替えて、電源11,11をONにしてイオン源1,1からイオンビームIB1,IB2をスパッタターゲットT1,T2の表面中央へ照射する。イオンビームIB1,IB2は水平なのでそのイオンビーム束がスパッタターゲットT1,T2の表面に対して45°傾斜して入射し、イオンが衝突することで、スパッタターゲットT1,T2が表面から粒子状(スパッタ粒子)になって飛散する(スパッタリング)。スパッタ粒子は、イオンビームIB1,IB2に対してスパッタターゲットT1,T2の法線を挟んで対称な方向へ主に飛散する傾向があり、したがって鉛直上向きに多く飛散して、基板自転機構3により自転している基板Wの表面に付着して、スパッタターゲットT1,T2の各金属からなる合金膜を形成する。このとき、スパッタターゲットT1,T2のそれぞれに照射されるイオンビームのイオン種や加速電圧を異なるものに設定することにより、合金膜の組成を変化させることができる。あるいは、ターゲットトレイン4,4に同一材料のスパッタターゲットTを装着して、それぞれに同時にイオンビームIBを照射して製膜速度を速くすることもできる。
所望の厚さの膜が形成されたら、イオンビームIB1,IB2の照射を停止する。そして、基板ステージ31の自転を停止し、元の高さ位置に移動させて基板Wを搬出する。あるいは異なる材料の膜を積層する場合は、ターゲットトレイン4,4をそれぞれ移動させて所望のスパッタターゲットTをイオン源1に対向させ、同様の工程を行う。
また、2台のイオン源1,1からそれぞれ所定時間ずつ交互にイオンビームIB1,IB2を照射することにより、スパッタターゲットT1,T2の材料である2種類の金属の1〜数原子膜を交互に積層した多層膜や規則合金膜を形成することができる。規則合金膜等は、例えば回転式のターゲットホルダユニット104Aを備えたイオンビームスパッタ装置100A(図7参照)により、スパッタターゲットTを切り換えながら1台のイオン源101で形成することもできるが、切換えに時間を要する上、スパッタターゲットTの材料に合わせてイオン源101のガス種を頻繁に切り換えることが困難である。
(イオンビームアシストスパッタリング)
イオンビームスパッタ装置10により、イオンビームアシスト法で製膜する手順の一例を図3を参照して説明する。イオンビームスパッタ装置10において、イオン源1,1の一方(左側)を水平(0°)に、他方(右側)を回動させて基板Wへの入射角θa(θa1,θa2)に合わせて仰角に(90°−θa)傾斜させて、それぞれの向きを設定する。また、左側のターゲットトレイン4を移動させて所望のスパッタターゲットT3をイオン源1に対向させる。そして、予備室から基板Wを処理室2に搬送して基板ステージ31で保持したら、回転手段32を駆動して基板ステージ31を昇降させて、基板Wの位置を右側のイオン源1から照射されるイオンビームIBaの射線上に設定する。図3に示すように、基板Wへの入射角θa1,θa2によって、イオンビームIBaの基板Wに到達する高さ位置が異なる。
2元スパッタリングと同様に、処理室2を動作ガス雰囲気に調整し、基板ステージ31を自転させる。そして、右側のイオン源1からイオンビームIBaを基板Wへ照射し、左側のイオン源1からイオンビームIB3をスパッタターゲットT3へ照射する。所望の厚さの膜が形成されたら、イオンビームIB3,IBaの照射を停止する。そして、基板ステージ31の自転を停止し、元の高さ位置に移動させて基板Wを搬出する。
イオンビームスパッタ装置10は、左側のイオン源1が向きを変えて基板WへイオンビームIBaを照射することもできる。所望の材料のスパッタターゲットTが装着された方のターゲットトレイン4に対向する側のイオン源1がスパッタリング用のイオンビームIBを照射すればよい。また、イオンビームスパッタ装置10は、一方のイオン源1のみを稼働して通常のイオンビームスパッタリング(単元スパッタリング)で製膜することもできる。
(変形例)
スパッタ粒子防着板44は、スパッタターゲットTに平行な板に限られず、例えば、基台42の斜面上のターゲットホルダ41,41間のそれぞれに、垂直(yz方向)に突出させた壁を設けてもよい(図示省略)。壁は、隣のスパッタターゲットT上へのスパッタ粒子の飛散が遮られる高さに設計される。このような構成とする場合は、ターゲット収容室21a,21bが、基台42に固定された壁も含めて収容可能な広さに形成される。
本実施形態に係るイオンビームスパッタ装置は、装着するスパッタターゲットの種類が少なく、イオン源1あたり7、8枚程度以下であれば、ターゲットトレイン4,4のそれぞれに代えて皿状の回転式のターゲットホルダを備えてもよい。さらに装着するスパッタターゲットの種類が少なく全部で4枚以下でよい場合は、ターゲットトレイン4,4に代えて例えば図7に示すドラム式のターゲットホルダユニット104Aを1つ備えてもよい。また、本発明に係るイオンビームスパッタ装置は、2台のイオン源の一方を水平に固定してスパッタリング専用としてもよい(図7の左側のイオン源101)。
以上のように、本発明の第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置は、極めて簡素な回動機構を設けることにより、2台のイオン源を搭載して、2元スパッタリングおよびイオンビームアシストスパッタリングの両方で製膜することができ、装置の価格が抑えられる。また、基板の表面を真下(水平)に向けたままで、アシストイオンビームの入射角を任意に設定することができ、基板が汚染し難く、また、スパッタターゲットに対する角度が変化しないので製膜速度が低下しない。さらに、直線移動式のターゲットホルダユニットであるターゲットトレインを備えることにより、基板に多種類の膜を連続的に形成して積層することができる。
〔第2実施形態:イオンビームスパッタ装置〕
本発明に係るイオンビームスパッタ装置は、スパッタターゲットへも所望の入射角にイオンビームを照射することができる。ここで、図3に示すように、第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10においては、イオン源1の後部寄りに回転軸(回転導入機13)を配置することにより、イオン源1が小さな角度で傾斜してもイオンビームがスパッタターゲットTから外れるように構成されている。これに対して、非水平な照射方向のイオンビームIBがスパッタターゲットTに入射するために、次のように構成する。以下、第2実施形態に係るイオンビームスパッタ装置について、図4を参照して説明する。第1実施形態(図1〜3参照)と同一の要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
図4に示すように、第2実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10Aは、処理室2A、2台のイオン源1,1、基板自転機構3、2台のターゲットトレイン4,4A、スパッタ粒子防着板44、排気系5、ならびにイオン源1毎の電源11およびマスフローコントローラ12を備え、さらに第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10(図1参照)と同様に、処理室2Aに接続された予備室(図示省略)およびターゲット収容室21a,21b(図2参照)、搬送系(図示省略)、ならびに冷却機構(図示省略)を備える。イオンビームスパッタ装置10Aはさらに、回転導入機(回動機構)13,13A、およびそれぞれにイオン源1,1を1台ずつ固定する支持部材14,14Aを備える。すなわち、本実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10Aは、2台のイオン源1,1の一方が、他方と異なる支持部材14Aおよび回転導入機13Aで処理室2Aに取り付けられ、さらにこのイオン源1に対向してターゲットトレイン4Aが設けられ、処理室2Aが下方に広く形成されていること以外は、第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10(図1〜3参照)と同様の構成である。
したがって、イオンビームスパッタ装置10Aにおいて、支持部材14および回転導入機13で固定されている方の(図4における右側の)イオン源1は、第1実施形態と同様に作動する。すなわち、このイオン源1は、図4に示すように、入射角θT2が45°に固定されてスパッタターゲットT2へイオンビームIB2を照射するか、あるいは所定の範囲内における所望の入射角θaで基板WへイオンビームIBaを照射する(図3参照)。このイオン源1を、区別するために、適宜、アシスト兼用イオン源1と称する。これに対して、他方の(図4における左側の)イオン源1はスパッタリング専用であり、適宜、スパッタリング専用イオン源1と称し、後記するように、スパッタターゲットT(T4,T5)へ異なる入射角θT4,θT5でイオンビームIB(IB4,IB5)を照射することができる。また、このスパッタリング専用イオン源1は、水平に配置されているときに対して回動して上下両方に大きく移動するため、処理室2Aが下方に広く形成されている。以下に、スパッタリング専用イオン源1を回動させる回転導入機13A、およびスパッタリング専用イオン源1を支持する支持部材14Aについて、説明する。
(回転導入機および支持部材)
回転導入機13Aは、回転導入機13と同じ構造であり、処理室2Aの側壁への取付け位置が第1実施形態と異なる。具体的には、イオン源1が回動されてもイオンビームIBをスパッタターゲットTに照射するために、図4に示すように、イオン源1の前方のスパッタターゲットT近傍に回転軸が設けられるように回転導入機13Aが取り付けられる。本実施形態においては、回転導入機13Aは、ターゲットトレイン4Aの設置および移動を妨げないように、側面視においてイオン源1とターゲットトレイン4Aとの間のターゲットトレイン4A寄りの位置に取り付けられている。そして、この回転導入機13Aにイオン源1を固定する支持部材14Aは、イオン源1の胴部を中央部で把持する環状の留め金と、回転導入機13Aのシャフト(回転軸)に接続するL字型のアームとからなる。支持部材14Aのアームは、留め金から回転導入機13Aが取り付けられた処理室2Aの側壁へ向かってイオンビームスパッタ装置10Aの幅方向(x方向、図2参照)に突出し、側壁の近傍で90°屈曲して、前記側壁に沿って延伸して回転導入機13Aのシャフトに接続する。このように、支持部材14Aは、イオン源1の前側に配置されるアームの部分が、処理室2Aの側壁の近傍に配置されて、イオンビームIBを照射されているスパッタターゲットTから距離を空けていることにより、スパッタ粒子の付着が抑えられ、フレークによるスパッタターゲットTへの汚染が防止される。
(ターゲットトレイン)
また、イオンビームスパッタ装置10Aは、スパッタ粒子の飛散する方向を鉛直上向きに保持するために、スパッタリング専用イオン源1の向き(イオンビームIBの照射方向)に対応した角度にスパッタターゲットTを傾斜させて装着することが好ましい。そのために、本実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10Aは、以下の構造のターゲットトレイン4Aを備える。
ターゲットトレイン4Aは、基台42の斜面(ターゲットホルダ41が固定される面)の形状以外は、図2に示すターゲットトレイン4と同じ構造である。ターゲットトレイン4Aにおいては、装着したスパッタターゲットT(T4,T5)毎に異なる傾斜角になるように、斜面に段差を有する。図4においては、手前により垂直に近付けて傾斜させたスパッタターゲットT4が、奥に傾斜角がより水平に近いスパッタターゲットT5が、紙面垂直方向(x方向)に並べてターゲットトレイン4Aに装着されている。
スパッタターゲットTの傾斜角については、例えば図4の右側の(ターゲットトレイン4に対向する)アシスト兼用イオン源1からのイオンビームIB2のように、イオンビームの入射角θT2を45°に設定するときは、第1実施形態にて説明したように、スパッタターゲットT2の傾斜角は45°である。また、イオンビームIB2の照射方向は0°である。一方、イオンビームの入射角θT5が45°よりも小さく、例えば30°に設定すると、スパッタターゲットT5の傾斜角は30°である。また、このとき、イオンビームIB5の照射方向は水平に対して下方へ30°(−30°)である。反対に、イオンビームの入射角θT4が45°よりも大きく、例えば65°に設定すると、スパッタターゲットT4の傾斜角は65°であり、イオンビームIB4の照射方向は+40°である。このように、スパッタターゲットTの傾斜角は、イオンビームの入射角θTと同じ角度に設定すればよい。したがって、ターゲットトレイン4Aの基台42は、装着するスパッタターゲットTのそれぞれについて予め設定された入射角θTに合わせた傾斜角に形成されて、段差のある斜面となる。あるいは、基台42は、スパッタターゲットT(ターゲットホルダ41)の1枚分ずつに分割されて入射角θTに合わせて組み合わせたり、各ターゲットホルダ41が傾斜角を調整して取り付けられるように構成されてもよい。
ここで、スパッタリング専用イオン源1についても、イオンビームの入射角θTは45°を標準とし、したがって、ターゲットトレイン4Aも、装着するスパッタターゲットTの傾斜角が45°を標準にして構成される。そのため、ターゲットトレイン4Aの上方に設けられたスパッタ粒子防着板44は、ターゲットトレイン4の側と同様に、45°に傾斜した板で形成される。そこで、ターゲットトレイン4Aは、傾斜角が45°ではないスパッタターゲットT(T4,T5)が、スパッタ粒子防着板44に接触しないために、傾斜角が45°のスパッタターゲットT(図4に示すターゲットトレイン4に装着したスパッタターゲットT2参照)よりも上方に突出する部分がないように、基台42が斜面を凹ませて形成される。その結果、ターゲットトレイン4Aに装着されるこれらのスパッタターゲットT4,T5は、当該スパッタターゲットTの寸法等にもよるが、傾斜角が45°で装着されたスパッタターゲットTよりも中心の位置が低くなる場合がある。このようなスパッタターゲットT4,T5は、スパッタ粒子防着板44との間隙が一部で広いため、イオンビームIBを照射されていないときに飛散したスパッタ粒子が侵入しないように、基台42の斜面上のターゲットホルダ41,41間に、垂直(yz方向)に、スパッタ粒子防着板44に接触しない高さの壁を備えてもよい(図示省略)。
また、45°ではない入射角θT(θT4,θT5)のイオンビームIB4,IB5がターゲットトレイン4Aに装着されたスパッタターゲットT4,T5の表面の略中心に到達するように、回転導入機13Aの位置等が設計される。なお、スパッタリング専用イオン源1のイオンビームIBの照射方向は、水平を0°、上方への照射を正(+)、下方への照射を負(−)と表すと、(2θT−90°)で表される。したがって、スパッタリング専用イオン源1は、イオンビームの入射角θTの変化量の2倍の角度で回動し、また、イオンビームの入射角θTの設定の範囲で回動可能に回転導入機13Aが構成される。
(スパッタリング)
第2実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10Aにより、2元スパッタリングまたはイオンビームアシストスパッタリングで製膜する手順は、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態においては、スパッタリング専用イオン源1からイオンビームIB4,IB5を照射する前に、必要に応じてスパッタリング専用イオン源1を回動させて、イオンビームの入射角θT4,θT5に対応した向きに設定する。また、イオンビームアシストスパッタリングにおいては、アシスト兼用イオン源1がアシストイオンビームIBaを照射する(図3参照)
(変形例)
イオンビームスパッタ装置10Aにおいては、スパッタターゲットTへのイオンビームの入射角θTが、予め設定された複数の値(例えば、45°,30°,65°)であるが、スパッタターゲットTの傾斜角を任意に変化させる構成とすることもできる。例えば、ターゲットトレイン4Aに代えて、図6に示す回動自在な基台142およびこの基台142に固定した4つのターゲットホルダ41を備えてもよく、スパッタリング専用イオン源1の回動に追随してスパッタターゲットTの傾斜角を任意に変化させる。あるいは、ターゲットトレイン4Aの基台42を回転自在な構成にしてもよい。
以上のように、本発明の第2実施形態に係るイオンビームスパッタ装置は、第1実施形態と同様に、簡素な回動機構を設けることにより、2台のイオン源を搭載して、2元スパッタリングおよびイオンビームアシストスパッタリングの両方で製膜することができ、また、基板の表面を真下(水平)に向けたままで、アシストイオンビームの入射角を任意に設定することができる。さらに、第2実施形態に係るイオンビームスパッタ装置は、スパッタ粒子の飛散方向を変化させずに、スパッタターゲットへのイオンビームの入射角を変化させることができ、製膜性が低下しない。また、入射角の異なるイオンビームを照射されるスパッタターゲットについても、直線移動式のターゲットホルダユニットであるターゲットトレインに装着することができる。
〔第3実施形態:イオンビームスパッタ装置〕
本発明に係るイオンビームスパッタ装置は、イオン源を2箇所の回転軸で作動させることにより、イオンビームの1台のイオン源が基板およびスパッタターゲットの両方へそれぞれ所望の入射角にイオンビームを照射することができる。以下、第3実施形態に係るイオンビームスパッタ装置について、図5を参照して説明する。第1、第2実施形態(図1〜4参照)と同一の要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
図5に示すように、第3実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10Bは、処理室2B、2台のイオン源1,1、基板自転機構3、2台のターゲットトレイン4B,4B、スパッタ粒子防着板44、排気系5、ならびにイオン源1毎の電源11、マスフローコントローラ12、回転導入機(回動機構)13B、回転伝達アーム15、回転軸変換部材16、および支持部材14Bを備える。さらにイオンビームスパッタ装置10Bは、第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10(図1参照)と同様に、処理室2Bに接続された予備室(図示省略)およびターゲット収容室21a,21b(図2参照)、搬送系(図示省略)、ならびに冷却機構(図示省略)を備える。すなわち、本実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10Bは、処理室2Bが第2実施形態と同様に下方に広く形成され、2台のイオン源1,1のそれぞれを支持して作動させる機構、およびターゲットトレイン4B,4B以外は、第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10(図1〜3参照)と同様の構成である。さらに、イオンビームスパッタ装置10Bは、図5においてはイオン源1,1が作動してそれぞれ異なる位置に示されているが、第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10と同様、側面視において左右略対称な構造である。以下に、イオン源1を回動、回転させる回転導入機13B、回転伝達アーム15、および回転軸変換部材16、ならびにイオン源1を支持する支持部材14Bについて、説明する。
(回転導入機等、および支持部材)
回転導入機13Bは、第1実施形態の回転導入機13と同様、処理室2Bの側壁(図示省略)に固定されたフランジ(図2のフランジ2f4,2f5参照)を通ってx方向を回転軸とするyz面での回転運動を処理室2Bの外から伝達する。本実施形態における回転導入機13Bは、2軸型であり、1つの共通の回転軸(図5に十字で表す)で、独立して回転するインナーシャフトとアウターシャフトとを有する。そして、回転導入機13Bのシャフトの一方、ここではアウターシャフトに直線状の回転伝達アーム15が接続される。回転伝達アーム15は、処理室2Bの側壁近傍でこの側壁に沿って延伸し、回転導入機13Bのアウターシャフトに接続した一端を軸に揺動(枢動)される。さらに回転伝達アーム15は、回転導入機13Bのインナーシャフトの回転を伝達されて、当該回転伝達アーム15の長手方向に沿った中心線を軸に回転(自転)する。そのために、例えば、回転導入機13Bのインナーシャフトにギアが接続され、回転伝達アーム15の一端にウォームが設けられている。また、回転伝達アーム15の他端には、回転軸変換部材16が接続されて、回転伝達アーム15の自転運動をx方向を回転軸(図5に十字で表す)とするyz面での回転運動に変換する。そのために、例えば、回転伝達アーム15の他端にもウォームが設けられ、ギアからなる回転軸変換部材16を回転させる。このような構成により、回転軸変換部材16は、側面視(yz面)で、回転導入機13Bを軸に回動(円運動、公転)し、かつ、当該回転軸変換部材16の中心を軸に回転(自転)し、さらに、これら2通りの回転運動が互いに独立して1つの回転導入機13Bを介して制御される。なお、回転伝達アーム15および回転軸変換部材16の回転伝達手段は、ウォームとギアの組み合わせに限られず、傘歯車等の公知の機構を適用することができる。
そして、イオン源1を支持する支持部材14Bは、イオン源1の胴部を前部で把持する環状の留め金と、回転軸変換部材16の回転軸に接続するL字型のアームとからなる。支持部材14Bのアームは、第1実施形態の支持部材14と同様、回転軸変換部材16からイオンビームスパッタ装置10Bの幅方向(x方向)に延伸し、イオン源1の上方で90°屈曲して留め金に接続する。このように、回転伝達アーム15や回転軸変換部材16が、処理室2Bの側壁の近傍に配置されて、イオンビームIBを照射されているスパッタターゲットT(T4,T5)から距離を空けていることにより、第2実施形態と同様に、スパッタ粒子の付着が抑えられ、フレークによるスパッタターゲットTへの汚染が防止される。また、支持部材14Bの形状は、回転導入機13Bの処理室2Bの側壁への取付け位置および回転伝達アーム15の長さと共に、イオン源1が基板WおよびスパッタターゲットTにそれぞれ入射角を変化させてイオンビームを照射する際の、配置される位置と向きに応じて設計される。
本実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10Bにおいては、イオンビームIB(IB4,IB5)を照射される、ターゲットトレイン4Bに装着されたスパッタターゲットT4,T5は、中心の位置が傾斜角度を変えてもほとんど変化しない。一方、基板Wは、基板自転機構3によって高さ(z方向)位置を調整することができる。そこで、入射角θT(θT4,θT5)を変化させてスパッタターゲットTにイオンビームIBを照射することができるように、このスパッタターゲットTの近傍を軸にイオン源1が回動するように構成される。そのために、回転導入機13Bは、第2実施形態の回転導入機13Aのように、ターゲットトレイン4Bの設置および移動を妨げないように、側面視においてイオン源1とターゲットトレイン4Bとの間のターゲットトレイン4B寄りの位置に取り付けられている。そして、イオン源1からスパッタターゲットTまで適切な距離になるように、回転伝達アーム15の長さが設計される。
そして、イオン源1が基板WにイオンビームIBaを所望の入射角θa(θa1,θa2)で照射するために、仰角に(90°−θa)向けたときの射線が、基板自転機構3で移動させた基板Wに到達する位置に配置されるように、支持部材14Bの形状(側面視におけるイオン源1と回転軸変換部材16との距離)を設計する。このように設計されたイオンビームスパッタ装置10Bは、第1、第2実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10,10Aを組み合わせた構成となる。詳しくは、第2実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10A(図4参照)において、支持部材14Aのアームの一部を回転伝達アーム15に置き換えて、さらにその先の回転軸変換部材16を、第1実施形態(図1〜3参照)の回転導入機13の代わりにして支持部材14を接続した構成である。
(ターゲットトレイン)
ターゲットトレイン4Bは、第2実施形態のターゲットトレイン4Aと概ね同じ構造である。装着したスパッタターゲットTの中心が、それぞれの入射角θTで照射されるイオンビームIBの射線上に配置されるように、基台42の斜面(ターゲットホルダ41が固定される面)の形状が設計される。
(スパッタリング)
第3実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10Bにより、2元スパッタリングまたはイオンビームアシストスパッタリングで製膜する手順は、第1、第2実施形態と同様である。本実施形態においては、イオン源1からイオンビームIB,IBaを照射する前に、必要に応じて、回転導入機13Bおよび回転軸変換部材16のそれぞれを軸に回転させてイオン源1の位置および向きを設定する。本実施形態においては、イオン源1の位置と向きとを個別に制御することができるので、スパッタターゲットTへのイオンビームIBの照射においては、スパッタターゲットTまでの距離を制御する(例えば、入射角θTにかかわらず一定の距離にする)ことができる。一方、基板WへのアシストイオンビームIBaの照射においては、基板自転機構による基板Wの移動(高さ位置の変動)の範囲を狭くすることができる。
(変形例)
イオンビームスパッタ装置10Bにおいては、第2実施形態の変形例と同様に、スパッタターゲットTの傾斜角を任意に変化させるために、ターゲットトレイン4Bに代えて、図6に示す回動自在な基台142およびこの基台142に固定した4つのターゲットホルダ41を備えてもよく、ターゲットトレイン4B,4Bの一方のみを置き換えてもよい。また、2台のイオン源1,1は、回転導入機13Bの処理室2Bの側壁への取付け位置や回転伝達アーム15の長さ等が互いに異なっていてもよく、このような構成により、作動範囲等を互いに異なるものとして、2台のイオン源1,1を合わせてより広い範囲に制御可能なイオンビームスパッタ装置となる。あるいは、2台のイオン源1,1の一方を、第1、第2実施形態のように、1軸型の回転導入機で回動させてもよい。
以上のように、本発明の第3実施形態に係るイオンビームスパッタ装置は、第2実施形態と同様に、2台のイオン源を搭載して、2元スパッタリングおよびイオンビームアシストスパッタリングの両方で製膜することができ、基板およびスパッタターゲットへのイオンビームの入射角を変化させることができる。また、比較的簡素な回動機構により、イオン源の作動域を広くして、イオンビームの入射角および射線の位置の設定の自由度が高くなる。
本発明に係るイオンビームスパッタ装置は3台のイオン源を備えてもよく、例えば、第1実施形態に係るイオンビームスパッタ装置10にアシストイオンビーム専用のイオン源を1台追加して、イオンビームアシスト法を用いた2元スパッタリングで製膜することができる。なお、3元スパッタリングでも製膜するためには、3台のイオン源1,1,1を平面視で120°ずつ向きを変えて均等に配置し、さらにそれぞれのイオン源1に対向するように3つのターゲットホルダ41を配置する。この場合、直線移動式のターゲットトレイン4は1台のイオン源1に対向する1台まで備えることができ、他の2台のイオン源1,1からイオンビームを照射されるスパッタターゲットTは固定される。
以上、本発明に係るイオンビームスパッタ装置を実施するための実施形態について述べてきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
10,10A,10B イオンビームスパッタ装置
1 イオン源
13,13A,13B 回転導入機(回動機構)
2,2A,2B 処理室
3 基板自転機構
31 基板ステージ(ワークステージ)
33 直進回転導入機(直進機構)
4,4A,4B ターゲットトレイン(ターゲットホルダユニット)
41 ターゲットホルダ
42r レール(案内手段)
44 スパッタ粒子防着板
T,T1,T2,T3,T4,T5 スパッタターゲット
W 基板(被処理体)

Claims (6)

  1. 表面に膜を形成される被処理体を保持するワークステージと、前記被処理体にまたは膜材料であるスパッタターゲットにイオンビームを照射する複数台のイオン源と、前記スパッタターゲットを装着する複数のターゲットホルダと、を処理室内に備え、
    前記複数台のイオン源の少なくとも1台は、前記被処理体および前記スパッタターゲットの少なくとも一方に対して入射角を変化させてイオンビームを照射することができるように、回動機構に支持されていることを特徴とするイオンビームスパッタ装置。
  2. 前記回動機構は、前記被処理体および前記スパッタターゲットのいずれにもイオンビームを照射することができるように、前記イオン源を支持していることを特徴とする請求項1に記載のイオンビームスパッタ装置。
  3. 前記ワークステージは、前記被処理体を直線方向に移動して前記スパッタターゲットからの距離を変化させる直進機構に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオンビームスパッタ装置。
  4. 複数の前記ターゲットホルダを直線方向に並べて備えるターゲットホルダユニットを前記イオン源別に備えると共に、飛散するスパッタ粒子から前記ターゲットホルダに装着したスパッタターゲットを遮蔽するスパッタ粒子防着板を備え、
    前記ターゲットホルダユニットは、装着した前記複数のスパッタターゲットのいずれか1つがイオンビームの射線上に配置されるように、前記直線方向に沿って往復移動自在となる案内手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のイオンビームスパッタ装置。
  5. 前記スパッタ粒子防着板は、前記ターゲットホルダユニットに装着したスパッタターゲットを、前記イオンビームが入射するスパッタターゲットの領域を空けて被覆するように形成されて、前記処理室内に固定されていることを特徴とする請求項4に記載のイオンビームスパッタ装置。
  6. 前記イオン源から入射角を変化させてイオンビームを照射されるスパッタターゲットを装着する前記ターゲットホルダが、前記スパッタターゲットを前記イオンビームの入射角に対応した傾斜角にするように設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のイオンビームスパッタ装置。
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