JP2017052901A - 防汚性シート - Google Patents

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JP2017052901A JP2015179168A JP2015179168A JP2017052901A JP 2017052901 A JP2017052901 A JP 2017052901A JP 2015179168 A JP2015179168 A JP 2015179168A JP 2015179168 A JP2015179168 A JP 2015179168A JP 2017052901 A JP2017052901 A JP 2017052901A
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靖之 大山
Yasuyuki Oyama
靖之 大山
良二 樋田
Ryoji Toida
良二 樋田
佐藤 裕文
Hirofumi Sato
裕文 佐藤
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Abstract

【課題】アリルエステル樹脂組成物の硬化物からなる光学用透明シートを基材とし、硬度、防汚性、光学的等方性に優れた防汚性シートの提供。【解決手段】アリルエステル樹脂シートの少なくとも一面に、フッ素系化合物を含有する防汚コート層を形成する防汚性ート。前記アリルエステル樹脂シートはアリルエステル樹脂組成物の硬化物であり、アリルエステル樹脂組成物が式(2)で示される基を末端基として有し、脂環式及び/又は芳香環を有するシカルボン酸残基を有する二価の構造を有するオリゴマーを含む防汚シート。(R3はアリル基又はメタリル基;A2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/又は芳香環構造を有する一種以上の有機残基)【選択図】なし

Description

本発明は、各種の表示装置画面の保護フィルムとして有用な防汚性シートに関する。さらに詳しく言えば、アリルエステル樹脂組成物の硬化物を基材とする、硬度、防汚性、光学的等方性に優れた防汚性シートに関する。
スマートフォンやタブレット端末など携帯端末の普及に伴い、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のタッチパネルの飛散防止を目的に保護フィルムや飛散防止フィルムがその最表面に貼られる。
これらフィルムには操作性を維持するための滑り性や傷つきにくさ、端末そのものの画像品質を損なわない透明性が求められ、さらに指紋や汚れのつきにくさ、拭取りやすさ等の防汚性が求められる。
硬度、防汚性に優れたフィルムとしては、フッ素系添加剤を活性エネルギー線硬化性のハードコート液に添加し、基材フィルムに塗布・硬化させることで得られるハードコートフィルム(特開2010−168419号公報;特許文献1)や、さらにその上層にフッ素系化合物を積層するハードコートフィルム(特開2014−134770号公報;特許文献2)等が提案されている。
しかしながら、特許文献1、特許文献2では共に基材フィルムとしてエチレン性不飽和二重結合含有アクリル系共重合体フィルムを用いているため、光学等方性が十分ではなく、偏光サングラスをかけた際に虹ムラが発生するなどの問題を抱えていた。このためスマートフォンやタブレット端末用の飛散防止フィルムや保護フィルムには硬度、防汚性、光学的等方性の諸特性を高いレベルで有する素材が求められている。
特開2010−168419号公報 特開2014−134770号公報
本発明の目的は、硬度、防汚性、光学的等方性に優れた防汚性シートを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アリルエステル樹脂組成物の硬化物を基材とするシートにフッ素系化合物を含有する防汚コート層を形成することにより目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]の防汚性シート及び[6]〜[7]の防汚性シートの製造方法に関する。
[1] アリルエステル樹脂シートの少なくとも一面に、フッ素系化合物を含有する防汚コート層を有する防汚性シート。
[2] アリルエステル樹脂シートとフッ素系化合物を主成分とする防汚コート層との間にプライマー層を有する前項1に記載の防汚性シート。
[3] 前記アリルエステル樹脂シートがアリルエステル樹脂組成物の硬化物であり、アリルエステル樹脂組成物が一般式(2)
Figure 2017052901
(式中、R3はアリル基またはメタリル基を表し、A2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表す。)で示される基を末端基として有し、かつ一般式(3)
Figure 2017052901
(式中、A3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって、さらに上記一般式(2)で示される基を末端基とし、上記一般式(3)で示される構造を構成単位とする分岐構造を有することができる。)で示される構造を構成単位として有するアリルエステルオリゴマーを含むものである前項1または2に記載の防汚性シート。
[4] 前記アリルエステル樹脂シートの防汚コート層と反対側の面の少なくとも一部に粘着層が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の防汚性シート。
[5] 両表面に表面保護の剥離フィルムが貼合されている前項1〜4のいずれかに記載の防汚性シート。
[6] フッ素系化合物を含有する防汚コート剤をアリルエステル樹脂シート表面に真空蒸着して、防汚コート層を形成することを特徴とする防汚性シートの製造方法。
[7] フッ素系化合物を含有する防汚コート剤をアリルエステル樹脂シート表面にウエットコートして、防汚コート層を形成することを特徴とする防汚性シートの製造方法。
アリルエステル樹脂シートを基材とし、フッ素系化合物を含有する防汚コート層を有する本発明の防汚性シートは、硬度、防汚性及び光学的等方性に優れる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明の防汚性シートはアリルエステル樹脂シートの少なくとも一面に、フッ素系化合物を含有する防汚コート層を有することを特徴とする。
アリルエステル樹脂シートはアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなり、防汚コート層は、フッ素系化合物を含有する防汚コート剤を真空蒸着法やウエットコート法によりアリルエステル樹脂シートの表面に適用することで形成することができる。また、防汚コート層との反対側のアリルエステル樹脂シート表面の一部あるいは全部に粘着層を形成してもよい。さらに、本発明の防汚性シートの両面(防汚コート層、粘着層)に保管、移送中に傷が入ったり、汚れやほこりが付着すること防止する目的で剥離フィルム(保護フィルム)を貼合してもよい。
ここで、フィルムは、通常、膜厚が250μm未満のものを指し、シートは厚みが250μm以上のものを指すが、両者の区別は厳密なものではない。本明細書では、単に「シート」と表現してもフィルム領域の厚さのものが含まれ、逆に「フィルム」と表現してもシート領域の厚さのものが含まれるものとする。
[アリルエステル樹脂]
アリルエステル樹脂組成物は熱硬化性樹脂の1種である。
一般的に、「アリルエステル樹脂」は、硬化する前のプレポリマー(オリゴマーや添加剤、モノマーを含む。)を指す場合とその硬化物を示す場合の二通りの場合があるが、本明細書中では「アリルエステル樹脂」は硬化物を示し、「アリルエステル樹脂組成物」は硬化前のプレポリマーを示すものとする。
[アリルエステル樹脂組成物]
アリルエステル樹脂組成物はアリル基またはメタリル基(以降、両者を併せて(メタ)アリル基と言う場合がある。)とエステル構造を有する化合物を主な硬化成分として含有する組成物である。
(メタ)アリル基とエステル構造を有する化合物は、(1)(メタ)アリル基及び水酸基を含む化合物(ここではアリルアルコールと総称する。)とカルボキシル基を含む化合物とのエステル化反応、(2)(メタ)アリル基及びカルボキシル基を含む化合物と水酸基を含む化合物とのエステル化反応、または(3)アリルアルコールとジカルボン酸からなるエステル化合物と多価アルコールとのエステル交換反応により得ることができる。カルボキシル基を含む化合物がジカルボン酸とジオールとのポリエステルオリゴマーである場合には、末端のみアリルアルコールとのエステルとすることもできる。
(メタ)アリルアルコールとジカルボン酸からなるエステル化合物の具体例としては、一般式(1)
Figure 2017052901
(R1、R2は、それぞれ独立してアリル基またはメタリル基のいずれかの基を表し、A1はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表す。)
で示される化合物の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が挙げられる。この化合物は後述のアリルエステルオリゴマーの原料となるほか、反応性希釈剤(反応性モノマー)として本発明のアリルエステル樹脂組成物に含まれてもよい。一般式(1)中のA1は後述の一般式(2)、一般式(3)におけるA2、A3と同様のものが好ましい。
アリルエステル樹脂組成物の主な硬化成分である(メタ)アリル基とエステル構造を有する化合物としては、アリル基及び/またはメタリル基を末端基とし、多価アルコールとジカルボン酸とから形成されたエステル構造を有するアリルエステル化合物(以下、これを「アリルエステルオリゴマー」と記載することがある。)であることが好ましい。
また、その他の成分として、後述する硬化剤、反応性モノマー、添加剤、その他ラジカル反応性の樹脂成分等を含有してもよい。
[アリルエステルオリゴマー]
本発明のアリルエステルオリゴマーとしては、一般式(2)
Figure 2017052901
(式中、R3はアリル基またはメタリル基を表し、A2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表す。)
で示される基を末端基として有し、かつ一般式(3)
Figure 2017052901
(式中、A3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって、さらに上記一般式(2)で示される基を末端基とし、上記一般式(3)で示される構造を構成単位とする分岐構造を有することができる。)
で示される構造を構成単位として有する化合物が好ましい。
アリルエステルオリゴマーにおいて、前記一般式(2)で示される末端基の数は少なくとも2個以上であるが、前記一般式(3)のXが分岐構造を有する場合には3個以上となる。この場合、各末端基のR3も複数個存在することになるが、これらの各R3は必ずしも同じ種類でなくてもよく、ある末端はアリル基、他の末端はメタリル基という構造であってもよい。
また、全てのR3がアリル基またはメタリル基でなければならないということはなく、硬化性を損なわない範囲で、その一部がメチル基またはエチル基等の非重合性基であってもよい。
2で示される構造についても同様に、各末端基で異なっていてもよい。例えば、ある末端のA2はベンゼン環、他方はシクロヘキサン環という構造であってもよい。
一般式(2)におけるA2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する1種以上の有機残基である。ジカルボン酸に由来する部分はA2に隣接するカルボニル構造で示されている。したがって、A2の部分はベンゼン骨格やシクロヘキサン骨格を示す。
2構造を誘導するジカルボン酸としては特に制限はないが、原料の入手しやすさの点からは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、p−フェニレンジ酢酸、p−カルボキシフェニル酢酸、メチルテレフタル酸、テトラクロルフタル酸が好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が特に好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水エンディック酸、無水クロレンド酸等の(反応時において)非環状のジカルボン酸を使用してもよい。
一般式(3)で示される構造単位は、アリルエステルオリゴマー中に少なくとも1つは必要であるが、この構造が繰り返されることによりアリルエステルオリゴマー全体の分子量がある程度大きくなった方が適切な粘度が得られるので作業性が向上し、硬化物の靭性も向上するので好ましい。しかし、分子量が大きくなりすぎると架橋点間分子量が大きくなりすぎるため、Tgが低下し、耐熱性が低下するおそれもある。用途に応じて適切な分子量に調整することが大切である。
アリルエステルオリゴマーの重量平均分子量は500〜200,000が好ましく、1,000〜100,000がさらに好ましい。
また、一般式(3)におけるA3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する1種以上の有機残基であり、その定義及び好ましい化合物の例は一般式(2)におけるA2と同様である。一般式(3)中のXは、多価アルコールから誘導された1種以上の有機残基を表す。
多価アルコールは2個以上の水酸基を有する化合物であり、Xは、多価アルコールの水酸基以外の骨格部分を示す。
また、多価アルコール中の水酸基の数は少なくとも2個あればよく、原料となる多価アルコールが3価以上、すなわち、水酸基が3個以上のときは、未反応の水酸基が残っていてもよい。
多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、イソシアヌル酸のエチレンオキシド3モル付加体、ペンタエリスリトール、トリシクロデカンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのエチレンオキシド3モル付加体、D−ソルビトール及び水素化ビスフェノールA等が挙げられる。これらの化合物の製造方法としては特に制限はないが、例えば特公平6−74239号公報に挙げられる方法で製造することができる。
アリルエステルオリゴマー中の一般式(3)で示される構造単位としては、同一の構造単位が繰り返されていてもよいが、異なる構造単位が含まれていてもよい。つまり、アリルエステルオリゴマーは共重合タイプであってもよい。この場合、1つのアリルエステルオリゴマーには数種類のXが存在することになる。例えば、Xの1つがプロピレングリコール由来の残基、もう1つのXがトリメチロールプロパン由来の残基であるというような構造でもよい。この場合、アリルエステルオリゴマーはトリメチロールプロパン残基の部分で枝分かれすることになる。A3も同様にいくつかの種類が存在してもよい。以下にR3がアリル基、A2,A3がイソフタル酸由来の残基、Xがプロピレングリコールとトリメチロールプロパンの場合の構造式を示す。
Figure 2017052901
[硬化剤]
アリルエステル樹脂組成物には硬化剤を使用してもよい。使用できる硬化剤としては特に制限はなく、一般に重合性樹脂の硬化剤として用いられているものを用いることができる。中でも、アリル基の重合開始の点からラジカル重合開始剤を添加することが望ましい。ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、光重合開始剤、アゾ化合物等が挙げられる。
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステル等の公知のものが使用可能であり、その具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルクミルパーオキサイド、p−メチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート及び2,5−ジメチル−2,5−ジブチルパーオキシヘキシン−3等が挙げられる。
また、光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は1種単独で、または2種以上を混合または組み合わせて用いてもよい。
これらの硬化剤の配合量には特に制限はないが、アリルエステル樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。硬化剤の配合量が0.1質量部より少ないと充分な硬化速度が得ることが困難であり、また配合量が10質量部を超えると、最終的な硬化物がもろくなり、機械強度が低下する場合がある。
[反応性モノマー]
本発明では、硬化反応速度のコントロール、粘度調整(作業性の改善)、架橋密度の向上、機能付加等を目的として、アリルエステル樹脂組成物に反応性モノマー(反応性希釈剤)を加えることもできる。
反応性モノマーとしては特に制限はなく、種々のものが使用できるが、アリルエステルオリゴマーと反応させるためにはビニル基、アリル基等のラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有するモノマーが好ましい。例えば、不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体、架橋性多官能モノマー等が挙げられる。中でも、架橋性多官能性モノマーを使用すれば、硬化物の架橋密度を制御することもできる。反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示す。
不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、フルオロフェニル(メタ)アクリレート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、シアノフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート及びビフェニル(メタ)アクリレート等のアクリル酸芳香族エステル;
フルオロメチル(メタ)アクリレート及びクロロメチル(メタ)アクリレート等のハロアルキル(メタ)アクリレート;
さらに、グリシジル(メタ)アクリレート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、及びα−シアノアクリル酸エステル等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン及びビニルトルエン等を挙げることができる。
飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び安息香酸ビニル等を挙げることができる。
架橋性多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、オリゴエステルジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−ω−(メタ)アクリロイロキシピリエトキシ)フェニル)プロパン等のジ(メタ)アクリレート;
フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジメタリル、テレフタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,4−キシレンジカルボン酸アリル及び4,4’−ジフェニルジカルボン酸ジアリル等の芳香族カルボン酸ジアリル類;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及びジビニルベンゼン等の二官能の架橋性モノマー;トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストーリルトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリ(メタ)アリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート及びジアリルクロレンデート等の三官能の架橋性モノマー;
さらにペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の四官能以上の架橋性基を有するモノマーが挙げられる。
上記の反応性モノマーは、1種単独で、または2種以上を混合または組み合わせて用いることができる。これらの反応性モノマーの樹脂成分の使用量には特に制限はないが、アリルエステルオリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部が好ましく、2〜500質量部がより好ましく、5〜100質量部が特に好ましい。反応性モノマーの使用量が1質量部未満であると、粘度低下効果が小さく、作業性が改善されない。また、反応性モノマーとして単官能性モノマーを使用した場合には、架橋密度が低くなり硬度が不十分になることがある。また、使用量が1000質量部を超えるとアリルエステル樹脂自体の優れた透明性や機械強度が低下する場合がある。
[ラジカル反応性の樹脂組成物]
アリルエステル樹脂組成物は、諸物性を改良する目的でラジカル反応性の樹脂成分を含んでいてもよい。これら樹脂成分としては不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物を、必要に応じてスチレン等の重合性不飽和化合物に溶解したもので、例えば「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社,1988年発行,第16〜18頁及び第29〜37頁などに記載されている樹脂を挙げることができる。この不飽和ポリエステル樹脂は、公知の方法で製造することができる。
ビニルエステル樹脂はエポキシ(メタ)アクリレートとも呼ばれ、一般にエポキシ樹脂に代表されるエポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸などの重合性不飽和基を有するカルボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂、またはカルボキシル基を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレート等の分子内にエポキシ基を持つ重合性不飽和化合物のエポキシ基との開環反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂を指す。詳しくは「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社,1988年発行,第336〜357頁などに記載されており、その製造は、公知の方法により行うことができる。
ビニルエステル樹脂の原料となるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。
上記のラジカル反応性の樹脂成分は、1種単独で、または2種以上を混合または組み合わせて用いることができる。
これらのラジカル反応性の樹脂成分の使用量には特に制限はないが、アリルエステルオリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部が好ましく、2〜500質量部がより好ましく、5〜100質量部が特に好ましい。
反応性モノマーの使用量が1質量部未満であると、ラジカル反応性の樹脂成分由来の機械強度向上などの効果が小さく、作業性が悪化したり、成形性が悪化したりする。また、使用量が1000質量部を超えるとアリルエステル樹脂自体の耐熱性が現れない場合がある。
[添加剤]
アリルエステル樹脂組成物には、硬度、強度、成形性、耐久性、耐水性を改良する目的で、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、架橋助剤、無機充填材、有機充填材、消泡剤、レベリング剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
酸化防止剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、ラジカル連鎖禁止剤であるフェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。フェノール系酸化防止剤としては、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)及び1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられる。
滑剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、金属石鹸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪族炭化水素系滑剤等が好ましく、金属石鹸系滑剤が特に好ましい。金属石鹸系滑剤としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらは複合体として用いられても良い。
紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、特に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
着色剤としては、アントラキノン系、アゾ系、カルボニウム系、キナクリドン系、キノリン系、キノンイミン系、インジゴイド系、フタロシアニン系等の有機顔料、アゾイック染料、硫化染料等の有機染料、チタンイエロー、群青、黄色酸化鉄、亜鉛黄、クロムオレンジ、モリブデンレッド、コバルト紫、コバルトブルー、コバルトグリーン、酸化クロム、酸化チタン、硫化亜鉛、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられる。その配合量は特に限定されない。
難燃剤としては、臭素化エポキシ化合物、酸変性臭素化エポキシ化合物、アクリロイル基を有する臭素化エポキシ化合物、アクリロイル基を有する酸変性臭素化エポキシ化合物等のような臭素含有化合物、赤リン、酸化スズ、アンチモン系化合物、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤、リン酸アンモニウム化合物、ホスフェート化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、含窒素リン化合物、ホスファゼン化合物等のリン系化合物等が挙げられる。難燃剤の配合量としては、他の配合物の種類、量等により変わるが、一般的には、アリルエステル樹脂組成物中の全ラジカル重合性成分100質量部に対して10〜50質量部が好ましい。難燃剤が10質量部未満では十分な難燃効果が期待できず、50質量部を超えると透明性が低下し好ましくない。
架橋助剤の具体例としては、熱重合開始剤による部分架橋処理に際し架橋助剤として働く化合物であり、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレートのような多官能性ビニルモノマーが例示される。
架橋助剤の配合量は、他の配合物の種類、量により変わるが、一般的には、アリルエステル樹脂組成物中の全ラジカル重合性成分100質量部に対して、1〜30質量部が好ましい、架橋助剤が1質量部未満では十分な効果が期待できず、30質量部を超えるとフィルムの柔軟性が低下し好ましくない。
無機充填材としては、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、結晶性シリカ、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉、ガラス球、ガラス繊維、炭素繊維等の公知慣用の無機充填材を例示できるが、これらに限定されるものではない。
また、有機充填材の具体例としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素樹脂等の公知慣用の有機充填材を例示できるが、これらに限定されるものではない。
これらの無機充填材や有機充填材は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、本発明の主旨を損ねない範囲、すなわち本発明のアリルエステル樹脂組成物中の全ラジカル重合性成分100質量部に対して1〜50質量部で添加することができる。
さらに、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、アクリル系、高分子系等の消泡剤及び/またはレベリング剤のような公知慣用の添加剤類を、本発明の主旨を損ねない範囲で添加することができる。
しかし、これらの添加剤は上述した具体例に制限されるものではなく、本発明の目的、または効果を阻害しない範囲であらゆるものを添加することができる。
[アリルエステル樹脂組成物の硬化]
アリルエステル樹脂組成物を光及び/または熱を加えて硬化させることによって、透明性、耐熱性に優れた防汚性シート基材を得ることができる。
アリルエステル樹脂組成物を硬化させる際の条件等には特に制限はないが、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム等の透明プラスチックフィルム、金属シート、もしくはガラス板上に塗工し流延させた後、光硬化及び熱硬化、もしくは熱硬化を実施するのが好適である。
光硬化の場合、紫外線照射法が一般的であり、例えば紫外線ランプを使用して紫外線を発生させて照射することができる。紫外線ランプには、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、パルス型キセノンランプ、キセノン/水銀混合ランプ、低圧殺菌ランプ、無電極ランプ、LEDランプ等があり、いずれも使用することができる。これらの紫外線ランプの中でも、メタルハライドランプもしくは高圧水銀ランプが好ましい。照射条件はそれぞれのランプ条件によって異なるが、照射露光量が20〜5000mJ/cm2程度が好ましい。また、紫外線ランプには楕円型、放物線型、拡散型等の反射板を取り付け、冷却対策として熱カットフィルター等を装着するのが好ましい。また、硬化促進のために、予め30〜80℃に加温し、これに紫外線を照射してもよい。
熱硬化の場合、加熱方法は特に限定されないが、熱風オーブン、遠赤外線オーブン等の均一性に優れた加熱方法がよい。硬化温度は約100〜200℃、好ましくは120〜180℃である。硬化時間は、硬化方法により異なるが、熱風オーブンであれば0.5〜5時間、遠赤外線オーブンであれば0.5〜60分間が好ましい。
また、光重合開始剤を用いた紫外線硬化や、有機過酸化物やアゾ化合物を用いた熱硬化は、ラジカル反応であるため酸素による反応阻害を受けやすい。硬化反応時の酸素阻害を防止するため、硬化性組成物は、透明プラスチックフィルム、金属シート、もしくはガラス板上へ塗工、流延後、光硬化を実施する前に、硬化性組成物上へ透明カバーフィルムを施し、流延された硬化性組成物表面の酸素濃度を1%以下にすることが好ましい。透明カバーフィルムは、表面に空孔がなく、酸素透過率の小さいもので、かつ紫外線硬化や熱硬化時に発生する熱に耐えられるものを使用する必要がある。例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、アセテート樹脂、アクリル樹脂、フッ化ビニル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィンポリマー(ノルボルネン樹脂)等のフィルムであり、これらを単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。ただし、硬化後の硬化物との剥離が可能でなければならないため、これらの透明カバーフィルムの表面にシリコーン樹脂塗布、フッ素樹脂塗布等の易剥離処理が施されていてもよい。
本発明のアリルエステル樹脂組成物は液状であることから、公知の塗布装置を用いて所定の形状や形態となるように塗布、塗工等を行うことができる。塗布方式としては、グラビアコート、ロールコート、リバースコート、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ワイヤーバーコート、カーテンコート、スピナーコート等が挙げられる。なお、塗布、塗工、成形時のアリルエステル樹脂組成物の好ましい粘度範囲としては常温で100〜100,000mPa・sの範囲である。
[アリルエステル樹脂の構造]
アリルエステル樹脂は前述のようにアリルエステル樹脂組成物の硬化物である。アリルエステル樹脂組成物の主要成分であるアリルエステルオリゴマーは、式(4)のアリルエステルオリゴマーのように複数のアリル基を有する。硬化反応においてはこれらのアリル基が付加重合を行うこととなる。1分子中のアリル基が複数であるため、単純に線形の重合体とはならず、枝分かれ、分子間架橋などきわめて複雑な分子構造を有する架橋重合体(硬化物)が形成される。さらに反応性モノマーやその他の架橋剤(架橋性多官能モノマーなど)も併せて硬化させると、反応性モノマー重合体による橋架け構造や架橋剤による橋架け点なども加わり、その硬化物の構造はさらに複雑となり、化学式や構造式で表記することは実質的に不可能、非実際的である。
[アリルエステル樹脂シート]
前記アリルエステル樹脂組成物の硬化物からなるアリルエステル樹脂シートの厚さは、0.1〜1mmが好ましく、0.1〜0.8mmの範囲がより好ましく、0.1〜0.5mmの範囲がさらに好ましい。0.1mm以上であると落球特性などのガラス板の保護性能が良好であり、1mm以下であると製品コストを抑えることができる。
[防汚コート層]
防汚コート層を形成するために用いられる防汚コート剤はフッ素系化合物を含む。当該フッ素系化合物には含フッ素シラン化合物が好適である。特にパーフルオロポリエーテル基を分子主鎖に有し、Si原子に結合した加水分解可能な基を分子末端または末端部に有するパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物が好ましい。このパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物を含む防汚コート剤を基材に適用すると、Si原子に結合した加水分解可能な基が基材との間及び化合物間で反応することにより結合して、防汚コート層を形成し得る。このようなフッ素系化合物の具体例としては、ダイキン工業株式会社製オプツール(登録商標)DSX、信越化学工業株式会社製KY−164、株式会社フロロテクノロジー製フロロサーフ(登録商標)FG−5000、DON社製SH−HT、CEKO社製Top CleanSafe等が挙げられる。
フッ素系化合物を用いた防汚コート層の成膜方法としては乾式法と湿式方が挙げられる。乾式法としては真空蒸着法が好ましく、具体的には抵抗加熱式、電子ビーム式、高周波加熱式、イオンビーム式及び類似の方法が挙げられる。湿式法(ウエットコート法)の具体例としては浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、マイクロスプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング及び類似の方法が挙げられる。
湿式法の場合、必要に応じフッ素系化合物を揮発性溶媒に希釈してコーティングすることもできる。揮発性溶媒としては炭素数5〜12のパーフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン及びパーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン);ポリフルオロ芳香族炭化水素(例えば、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン);ポリフルオロ脂肪族炭化水素;ヒドロフルオロエーテル(HFE)(例えば、パーフルオロプロピルメチルエーテル(C37OCH3)、パーフルオロブチルメチルエーテル(C49OCH3)、パーフルオロブチルエチルエーテル(C49OC25)、パーフルオロヘキシルメチルエーテル(C25CF(OCH3)C37)等のアルキルパーフルオロアルキルエーテル(パーフルオロアルキル基及びアルキル基は直鎖または分枝状であってよい。))等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、または、2種以上の混合物として用いることができる。中でも、ヒドロフルオロエーテルが好ましく、パーフルオロブチルメチルエーテル(C49OCH3)及び/またはパーフルオロブチルエチルエーテル(C49OC25)が特に好ましい。上述の溶媒はウエットコーティング後、加熱及び/または減圧条件下においてアリルエステル樹脂シート表面から除去される。
湿式法ではアリルエステル樹脂シート表面にフッ素系化合物を定着させるために、加熱処理することが好ましい。その温度は好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは60〜120℃である。
乾式法の場合フッ素系化合物を多孔質セラミック、金属粉末炭素繊維等に含浸させて使用してもよい。
[プライマー層]
本発明の防汚性シートはアリルエステル樹脂シートと防汚コート層のフッ素系化合物との密着性を向上させる目的でプライマー層をアリルエステル樹脂シートと防汚コート層の間に設けることが好ましい。プライマー層は有機系のもの、無機系のものが使用できる。 有機系プライマーの具体例としてはアクリル樹脂系、硬化型アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系等が挙げられる。必要に応じシリカ等の微粒子を含有してもよい。有機系プライマー層の付与方法としてはコート法、転写法等が挙げられる。
無機系プライマーの例としてはSiO2、ZrO2、TiO2、炭素系化合物等が挙げられる。これらの無機物は、単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて(例えば混合物として)使用してよい。無機系プライマーの付与方法としては、真空蒸着法、CVD法等が挙げられる。
[前処理]
本発明の防汚性シートの製造において必要に応じ、プライマー処理、フッ素化合物の成膜の前に、アリルエステル樹脂シート表面にプラズマ処理(例えばコロナ放電)や、イオンビーム照射等の処理を施すことができる。これはシート表面に水酸基やカルボキシル着等の極性基を導入、または増加させることで、各層間の密着性を向上させる効果がある。
[粘着層]
本発明の防汚性シートは、スマートフォンやタブレット端末のディスプレイに貼り付けるため、前記アリルエステル樹脂シートの防汚コート層と反対側の面の少なくとも一部に粘着層が形成されていてもよい。前記アリルエステル樹脂シートの他方の面に粘着層を形成した防汚性シートは、スマートフォンやタブレットPCなどを含む各種のタッチパネル表示装置の保護フィルムとしても使用可能である。
粘着層は、慣用の透明な粘着剤で形成されている。粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、オレフィン系粘着剤(変性オレフィン系粘着剤等)、シリコーン系粘着剤等が例示できる。
ゴム系粘着剤としては、例えば、ゴム成分(天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等)と、粘着付与剤(テルペン樹脂、ロジン系樹脂、石油樹脂、変性オレフィン系樹脂等)との組み合わせなどが挙げられる。
アクリル系粘着剤としては、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸C2〜C10アルキルエステルを主成分とするアクリル系共重合体で構成された粘着剤を使用できる。アクリル系共重合体の共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)クリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等]、重合性ニトリル化合物[例えば、(メタ)アクリロニトリル等]、不飽和ジカルボン酸またはその誘導体(例えば、無水マレイン酸、イタコン酸等)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)、芳香族ビニル類(例えば、スチレン等)等が挙げられる。
オレフィン系粘着剤としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート−(無水)マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物等が挙げられる。
シリコーン系粘着剤としては、例えば、シリコーンゴム成分[一官能のR3SiO1/2(式中、Rは、メチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基等を示す。以下、同じ)と四官能のSiO2からなるMQレジン等]及びシリコーンレジン成分(二官能のR2SiO単独、または二官能のR2SiOと一官能のR3SiO1/2とを組み合わせたオイル状またはガム状成分等)を有機溶媒に溶解した粘着剤等を使用できる。前記シリコーンゴム成分は架橋されていてもよい。
これらの粘着剤のうち、光学特性やリワーク性などの点から、シリコーン系粘着剤が好ましい。
粘着層の厚みは、例えば、1〜150μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜70μm(特に25〜50μm)程度である。
[剥離フィルム]
保管、移送中に傷が入ったり、汚れやほこりが付着すること防止するため、本発明の防汚性シートは、その両面(防汚コート層、粘着層)を剥離フィルムで保護してもよい。すなわち、剥離フィルムA/防汚コート層/アリルエステル樹脂シート/粘着層/剥離フィルムBの構成としてもよい。この剥離フィルムは、本発明の防汚性シートを表示装置等へ貼付する際に剥がされる。
防汚コート層に貼り付ける剥離フィルムAとしては、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、ポリエチレンテレフタレート製などのフィルムに粘着剤を塗布したもの、あるいは自己粘着性のものが挙げられる。
粘着層に貼り付ける剥離フィルムBにはポリエチレン製、ポリプロピレン製、ポリエチレンテレフタレート製のものが使用できる。
一般に表示装置画面へ保護フィルムを貼付しようとする際、画面のサイズが大きかったり、形状が複雑な場合、保護フィルムを画面全体に一挙に貼ろうとしても、位置決めが難しく、貼り直しを繰り返す必要があり、粘着層と表示画面の間に埃が混入するなどの問題が生ずることがある。このような場合、剥離フィルム(剥離フィルムB)の一部を分割可能な構成とし、粘着層を一部のみ露出させ、保護フィルムの一部分のみを画面に貼り合わせ、仮止めすることにより、埃の付着を防ぎ、位置合わせの精度を上げることができる。
分割可能な剥離フィルムとしては、剥離フィルム自体が易引き裂き性を有するものを使用する場合と、剥離フィルムにさらに易引き裂き性を向上させるための加工を施したもの使用する場合が挙げられる。
分割可能な剥離フィルムの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートに一軸延伸を加え、引き裂き強度の異方性を付与した一軸延伸フィルムが使用できる。延伸方向に引き裂くことで、防汚シートの粘着層の一部のみを容易に露出させることができる。また、剥離フィルムとして、ポリエチレンフィルム成膜時に非晶性ポリオレフィンポリマー等の異種ポリマーを混合し、引き裂き加工性を向上させたフィルムも使用できる。この種のフィルムは異種ポリマーの添加量を変えることで引き裂きの強さを調整することが可能である。このような分割可能な剥離フィルムは単層でもよいが、必要に応じ複数のポリマーフィルムが積層された構造としてもよい。
易引き裂き性を向上させるための加工の具体例としては、剥離フィルムにスリット加工や押し痕を施す方法が挙げられる。スリット加工の具体例としては、刃物やレーザー等により剥離フィルムの粘着層とは反対側の表面に横断的な切れ目や溝(ハーフカット)あるいは押し痕を付与する方法が挙げられる。使用する剥離フィルムが一軸延伸フィルムの場合は、溝や押し痕はフィルムの延伸方向と同一の方向に設けることが好ましい。
以下、合成例、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載により限定されるものではない。
実施例及び比較例、記載のシートの全光線透過率、鉛筆硬度等は、以下の方法により測定した。
[全光線透過率]
全光線透過率は、日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH5000を使用し、JIS K−7361−1に準拠して測定した。
[Haze]
全光線透過率は、日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH5000を使用し、JIS K−7136に準拠して測定した。
[光学的等方性]
液晶ディスプレイの上にフィルムを置き、その上に偏光板をのせて虹ムラの有無を確認した。評価基準は以下の通りである。
○:虹ムラなし、
×:虹ムラあり。
[鉛筆硬度]
鉛筆硬度は株式会社安田精機製作所製電動鉛筆引っかき硬度試験機No.553−Mを使用し、JIS K5600−5−4に準拠し、測定した。
[防汚性]
防汚性は水接触角で評価した。接触角は協和界面科学株式会社製DropMasterDM−301を用いて測定した。
測定環境: 23℃±1℃、湿度50%±10%
解析法 : θ/2法
液滴量 : 3.0μL
評価基準:水接触角110°以上(防汚性が高い)、
水接触角100°以上110°未満(防汚性がある)、
水接触角100°未満(防汚性が低い)。
合成例1:
蒸留装置の付いた2リットルの三つ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル1625g、トリメチロールプロパン167g、ジブチル錫オキサイド0.8gを仕込み、窒素気流下、180℃で生成するアリルアルコールを系外に留去しながら加熱した。留去したアリルアルコールが約170gになったところで、反応系内を徐々に、4時間かけて6.6kPaまで減圧し、アリルアルコールの留出速度を速めた。留出がほとんどなくなったところで、圧力を0.5kPaとし、1時間反応させた後、室温まで冷却しアリルエステルオリゴマーAを得た。アリルエステルオリゴマーAの構造式を下記に示す。
Figure 2017052901
実施例1:
アリルエステルオリゴマーAを80質量部とトリメチロールプロパントリアクリレート20質量部、パーヘキシル(登録商標)I(日油株式会社製)1質量部、Irgacure(登録商標) TPO(BASF社製)0.5質量部を均一となるまで混合し、アリルエステル樹脂組成物Bを調製した。厚み100μmのPETフィルムの上に、樹脂組成物Bを硬化後の厚さが0.2mmとなるように塗布した。塗工液表面を厚み100μmのPET製カバーフィルムで覆い、紫外線照射装置(メタルハライドランプ)を用いて200mW/cm2、800mJ/cm2の条件で紫外線を照射させた後、150℃に設定した加熱炉に滞留時間が10分となるように投入した。加熱炉から取り出し、冷却後両面のPETフィルムを剥がし、アリルエステル樹脂シートCを得た。
得られたアリルエステル樹脂シートCの表面にプライマー層としてセコ(CEKO)社製炭素系プライマー「Nano primer」を真空蒸着により製膜した。次いでセコ(CEKO)社製フッ素系化合物「Top CleanSafe」を真空蒸着により製膜し、防汚性シートDを得た。
実施例2:
実施例1で得られたアリルエステル樹脂シートCにシラン系化合物を含有するプライマーコート剤PC−3B(株式会社フロロテクノロジー製)を塗布し、100℃で30分間加熱した。次いでフッ素系化合物を含む防汚コート剤FG5080−SH(株式会社フロロテクノロジー製)を塗布し、100℃で30分間加熱し防汚性シートEを得た。
比較例1:
撹拌装置を備えた容器に、第1成分としてイソボルニルメタクリレートとメチルメタクリレートとメタクリル酸からなるエチレン性不飽和二重結合含有アクリル共重合体を4.0質量部、有機溶媒としてメチルイソブチルケトン50.0質量部を仕込み、撹拌しながら、続いて、第2成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びペンタアクリレートの混合物75.0質量部ならびにペンタエリスリトールトリアクリレート及びテトラアクリレートの混合物25.0質量部、第3成分としてイソホロンジイソシアネーとペンタエリスリトールトリアクレートからなるポリエーテル骨格含有ウレタンアクリレート2.0質量部、反応性フッ素防汚剤(オプツールDAC:ダイキン工業株式会社製)4質量部、さらに有機溶媒としてイソプロピルアルコール118.0質量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5.0質量部及びα−ヒドロキシ−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル−1−フェニル)]}プロパン−1−オン1.0質量部を加えて防汚性ハードコート剤Fを得た。次いで室温(20℃)にて、防汚性ハードコート剤FをPET上(東レ株式会社製ルミラー(登録商標)(188μm厚)に乾燥膜厚が6μmになるように塗布し、80℃で1分間加熱して塗膜中の溶媒を乾燥除去した。その後、超高圧水銀灯(Fusion社製、Hバルブ型)で500mJ/cm2のエネルギーで空気環境下、照射及び露光して硬化させ、防汚性ハードコートフィルムGを得た。
比較例2:
防汚コートを施す前のアリルエステル樹脂シートCの特性評価を行った。
Figure 2017052901
本発明防汚性シートは硬度、防汚性、光学的等方性を高いレベルで兼備することから、特にスマートフォンやタブレットPC等の液晶保護用フィルムや加飾・飛散防止フィルム、また、機器本体を保護するケース、カバー、フリップケース、ジャケット等に使用される透明部材として有用である。

Claims (7)

  1. アリルエステル樹脂シートの少なくとも一面に、フッ素系化合物を含有する防汚コート層を有する防汚性シート。
  2. アリルエステル樹脂シートとフッ素系化合物を主成分とする防汚コート層との間にプライマー層を有する請求項1に記載の防汚性シート。
  3. 前記アリルエステル樹脂シートがアリルエステル樹脂組成物の硬化物であり、アリルエステル樹脂組成物が一般式(2)
    Figure 2017052901
    (式中、R3はアリル基またはメタリル基を表し、A2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表す。)で示される基を末端基として有し、かつ一般式(3)
    Figure 2017052901
    (式中、A3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって、さらに上記一般式(2)で示される基を末端基とし、上記一般式(3)で示される構造を構成単位とする分岐構造を有することができる。)で示される構造を構成単位として有するアリルエステルオリゴマーを含むものである請求項1または2に記載の防汚性シート。
  4. 前記アリルエステル樹脂シートの防汚コート層と反対側の面の少なくとも一部に粘着層が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の防汚性シート。
  5. 両表面に保護用の剥離フィルムが貼合されている請求項1〜4のいずれかに記載の防汚性シート。
  6. フッ素系化合物を含有する防汚コート剤をアリルエステル樹脂シート表面に真空蒸着して、防汚コート層を形成することを特徴とする防汚性シートの製造方法。
  7. フッ素系化合物を含有する防汚コート剤をアリルエステル樹脂シート表面にウエットコートして防汚コート層を形成することを特徴とする防汚性シートの製造方法。
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