JP2017049399A - 加熱回転体及びこれを用いた定着装置 - Google Patents

加熱回転体及びこれを用いた定着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クラック発生時における異常発熱を、回転停止状態でも温度検知可能とすることで抑制できる加熱回転体及びこれを用いた定着装置を提供する。【解決手段】円筒状の基層と、前記基層よりも体積抵抗率が小さく、温度検知領域に複数本がかかるように、前記基層の上にらせん状に設けられる複数本の抵抗発熱体と、前記基層よりも体積抵抗率が小さく、前記複数本の抵抗発熱体と電気接続するように前記基層の長手方向の両端部において周方向に設けられる導電層と、を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、加熱回転体及びこれを用いた定着装置に関し、プリンタ、複写機等の画像形成装置に用いられる定着装置に好適なものである。
プリンタ、複写機等の画像形成装置の定着装置として、導電層を含むローラなどの加熱回転体に電力を給電して、ジュール発熱させることで高速立ち上げ・省エネルギー化を図った定着装置がある。具体的に、特許文献1には、耐熱樹脂中にカーボンフィラーを分散させた抵抗発熱層を有し、その上に絶縁の弾性層及び離型層を被覆した定着部材が開示されている。この定着装置においては、加熱回転体の一部である抵抗発熱層に直接給電することによって発熱するので、ウォームアップ時間を短縮化することができる。
特開2013−97315号公報
しかしながら、弾性層や離型層からなる絶縁層の強度は十分ではないため、機外から侵入した異物や記録材との摺擦により傷がつき、その傷が抵抗発熱層にまで及ぶ可能性がある。更には、ユーザーのジャム処理などにより、例えばピンセットやカッターなどで抵抗発熱層に傷をつけてしまう可能性がある。そのような場合、傷の端部周辺で局所的に電流密度が高まり、その部分が異常発熱してしまう可能性がある。
図18は、従来の抵抗発熱層を有する定着部材を用いた定着装置において、抵抗発熱層にクラックCが生じた時の、抵抗発熱層内を流れる電流がクラック端部付近に集中する様子を示した模式図である。加熱回転体としての定着フィルム1の長手方向の両端部の周りに導電層1bを設けて、そこに給電用の給電部材3a、3bを当接し、交流電源50により通電を行うことによって定着フィルム1を発熱させる。
符号4は、回転駆動を行い、定着フィルムと対向し、定着フィルムと共にニップ部(定着ニップ部)を形成する加圧ローラを表す。また、符号I1〜I4はある時点における抵抗発熱層内を流れる電流を表す。導電層1bを設けることで、定着フィルム1の抵抗発熱層内を電流が長手方向に均一に流れ、均一に発熱させることができる。
しかし、抵抗発熱層にクラックCが生じると、クラックCにより電流I2、I3の進行が遮られ、電流I2、I3がクラック部Cの端部周辺に回り込むため、端部周辺の領域A、領域Bにおける電流密度が一点に集中して高まり、そこで局所的な異常発熱を起こす。このような異常発熱をした部分は、通常の部分より温度が著しく高くなるため、定着フィルムに熱的なダメージを与えたり、画像不良を引き起こす場合がある。
このクラック発生時の異常発熱を防止するために、図19に示すように、周方向に分割した複数の抵抗発熱体を形成し、周方向にクラックが発生しても、部分的に電流密度が集中しない構成を採ることが考えられる。図19の抵抗発熱体1eは、絶縁の基層1a上に形成されている。
しかしながら、図19に示す構成では、クラック発生時に回転停止状態での温度検知が困難になるという新たな課題が発生する。これは、周方向のクラックにより抵抗発熱体が途切れた場合、断線した抵抗発熱体が形成されている長手方向全域が発熱しなくなり、この領域では長手方向領域に設けられる温度検知素子による温度検知ができないためである。一方、クラックが発生していない箇所では昇温するため、回転停止状態における異常高温を直ちに検出できない。これについて、図20でより具体的に説明する。
図20は、複数の抵抗発熱体を形成した図19に示す構成の定着フィルムにおいて、クラックが発生した状態を示す。図20で灰色に塗りつぶした領域は、クラックCにより抵抗発熱体が断線して、通電しても発熱しなくなった領域である。したがって、クラックCが発生した箇所の長手方向領域に温度検知素子がある場合には、昇温を検知することができない。
本発明の目的は、クラック発生時における異常発熱を、回転停止状態でも温度検知可能とすることで抑制できる加熱回転体及びこれを用いた定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る加熱回転体は、円筒状の基層と、前記基層よりも体積抵抗率が小さく、温度検知領域に複数本がかかるように、前記基層の上にらせん状に設けられる複数本の抵抗発熱体と、前記基層よりも体積抵抗率が小さく、前記複数本の抵抗発熱体と電気接続するように前記基層の長手方向の両端部において周方向に設けられる導電層と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る定着装置は、上記加熱回転体を有することを特徴とする。
本発明によれば、クラック発生時における異常発熱を、回転停止状態でも温度検知可能とすることで抑制できる。
第1の実施形態における定着フィルムの正面模式図 第1の実施形態における定着フィルムの断面模式図 第1の実施形態における定着フィルムの長手方向の断面模式図 第1の実施形態における抵抗発熱体の拡大図 第1の実施形態における定着装置の模式図 第1の実施形態における温度検知素子(サーミスタ)の模式図 第1の実施形態における温度検知領域と発熱領域の関係図 第1の実施形態におけるクラック発生時の発熱領域を示す図 第1の実施形態におけるフィルム寄り発生時の温度検知領域を示す図 第2の実施形態における定着ローラの模式図 第2の実施形態における定着ローラの断面模式図 第2の実施形態における抵抗発熱体の拡大図 第2の実施形態における定着装置の模式図 第2の実施形態における温度検知素子(サーモパイル)の模式図 第2の実施形態における温度検知領域と発熱領域の関係図 第3の実施形態における温度検知領域と発熱領域の関係図 第3の実施形態におけるフィルム寄り発生時の温度検知領域を示す図 抵抗発熱層を備える加熱回転体を用いた従来の定着装置 複数の抵抗発熱体を備える従来の定着フィルム クラック発生時における複数の抵抗発熱体を備える従来の定着フィルムの発熱分布を示す図
以下、本発明に係る加熱回転体及びこれを用いた定着装置を実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の加熱回転体および定着装置の説明において、長手方向とは、加熱回転体表面の円筒形状の母線方向を指す。また、周方向とは、加熱回転体表面の円筒形状の円周方向を指す。また、厚み方向とは、加熱回転体表面の円筒形状の半径方向を指す。
《第1の実施形態》
(定着装置)
本発明の第1の実施形態に係る加熱回転体を用いた定着装置について、図5を用いて説明する。図5(a)は長手方向中央部の断面図であり、図5(b)は長手方向に交差する記録材搬送方向から見た模式図である。
定着装置は、一般的な電子写真方式の画像形成方法により画像形成部で形成されたトナー像(トナー画像)をニップ部(定着ニップ部)で加熱定着するものである。図5(a)左側より、トナー像Tを担持した記録材Pが、不図示の搬送手段により搬送され、定着装置を通過することにより、トナー像Tが記録材上に加熱定着される。
本実施形態の定着装置は、加熱回転体としての筒状で可撓性の定着フィルム1と、定着フィルム1を保持するフィルムガイド2と、定着フィルム1を介して定着ニップ部(ニップ部)Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ4により構成されている。加圧ローラ4は、定着フィルムと対向し、定着フィルムと共にニップ部(定着ニップ部)を形成する対向部材として構成されている。
フィルムガイド2は、液晶ポリマー、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成され、長手方向両端部が装置フレームに保持された定着ステー5と係合する。そして、加圧手段としての加圧バネ(不図示)が、定着ステー5の長手方向両端部を加圧することによって、フィルムガイド2は加圧ローラ4側に加圧される。
定着ステー5は、長手方向両端に受けた加圧力をフィルムガイド2の長手方向に対して均一に伝えるため、鉄、ステンレス、ジンコート鋼板等の剛性のある材料を使用し、断面形状をコの字型にすることで剛性を高めている。これにより、フィルムガイド2の撓みを抑えた状態で、加圧ローラ4との間に長手方向に均一な所定の幅の定着ニップ部Nが形成される。また、フィルムガイド2には、温度検知素子6が設置されており、定着フィルム1内面(内周面)に当接している。温度検知素子6の検知温度に応じて、不図示のCPUにより定着フィルム1への通電が制御される。
本実施形態では、フィルムガイド2の材質として液晶ポリマーを用い、定着ステー5の材質としては、ジンコート鋼板を用いている。加圧ローラ4に印加される加圧力は160Nで、このとき約6mmの定着ニップ部Nを形成する。
加圧ローラ4は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金4aと、シリコーンゴム等の材質の弾性層4b、PFA等の材質の離型層4cから構成されている。加圧ローラ4の硬度は、定着性を満足する定着ニップ部Nの幅と耐久性を満足できるように、ASKER−C硬度計で9.8Nの荷重において、40°から70°の範囲が好ましい。
本実施形態では、φ11の鉄芯金にシリコーンゴム層を3.5tの厚みで形成し、その上に40μmの厚みの絶縁PFAチューブを被覆しており、硬度は56°、外径はφ18である。弾性層および離型層の長手長さは240mmである。
給電部材3a、3bは、交流電源50よりACケーブル7で配線されており、定着フィルム1の長手方向両端部の導電層1bの外周面に当接する。給電部材3a、3bとしては、金などの細い線束で形成したブラシや板状のバネまたはパッドなどが用いられる。本実施形態では、給電部材3a、3bとしてカーボンチップとステンレスの板状のバネを用いる。そして、この板状のバネの付勢力で、カーボンチップを導電層1bの外周面の剥き出し部に押し当てて、ACケーブル7を介して交流電源50より交流電圧を印加することで、定着フィルム1の抵抗発熱体1eへの給電を実現している。
本実施形態では、定着フィルム1の基層1aの両端部に導電層1bを設けているために、定着フィルム1が回転していても常に抵抗発熱体1eに給電することができる。また、電流は給電部材3a、3bから導電層1bを経由して、導電層1bに電気接続される後述の抵抗発熱体1e(図1)の周方向全体に均一に流れるため、同じ体積抵抗率を有する複数本の抵抗発熱体は全て均等に発熱する。
そして、図5(a)において、加圧ローラ4の駆動ギアに不図示の駆動機構部から回転力が伝達されて、加圧ローラ4が時計回り方向に所定の速度で回転駆動される。この加圧ローラの回転駆動に伴って、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ4と定着フィルム1との摩擦力で定着フィルム1に回転力が作用する。これにより、定着フィルム1の内面が、フィルムガイド2に密着して摺動しながら、フィルムガイド2の外回りを反時計回り方向に加圧ローラ4の回転に従動して、回転状態になる。
加圧ローラ4の回転による定着フィルム1の回転がなされ、定着フィルム1に対する通電がなされて定着フィルム1の温度が所定の温度に立ち上がって、温度検知素子6によって温度制御された状態になる。そして、未定着状態であるトナー像Tを載せた記録材Pが導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー画像担持面が定着フィルム1と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、定着フィルム1の熱により記録材Pが加熱され、記録材P上の未定着トナー画像Tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。
定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着フィルム1の面から曲率分離して排出し、不図示の排紙ローラ対により搬送される。
図6は、本実施形態における温度検知素子であるサーミスタ6を示したものである。図6(a)はサーミスタ6を正面から見た模式図、図6(b)はサーミスタ6を側面から見た断面模式図である。図6において、6aは感温素子(温度検知素子、サーミスタ素子)であり、導電性金属板でできたアーム6bと電気的に接続されている。アーム6bの一部を含めた感温素子6aの周囲は、絶縁耐熱フィルム6cにより囲まれている。また、アーム6bは、樹脂により形成されたハウジング6d内の配線(不図示)を通り、外部引き出し線6eと電気的に接続されている。
本実施形態では、絶縁耐熱フィルム6cとして東レ・デュポン社製のカプトン(登録商標)のタイプ100MTを使用した。カプトン100MTは、厚み25μmの絶縁性および耐熱性に優れたポリイミドシートであり、本実施形態では片面に粘着剤層を形成し2枚重ねて使用している。絶縁耐熱フィルム6cの粘着剤層が向かい合うようにA-A’部にて二つに折り返し、感温素子6aおよびアーム6bの一部を包むように貼り合わせた後、B-B’部にてアーム6bごと折り曲げている。
ハウジング6dはフィルムガイド2(図5(a))に固定されており、定着ステー5(図5(a))に設けられた切り欠き部よりアーム6bを突き出させ、感温部が定着フィルム1内面に接するように設置されている。定着フィルム1内面の動きが不安定になった状態においても、アーム6bが揺動することにより、感温部が定着フィルム1内面に常に接する状態に保たれる。本構成において、定着フィルム1内面に接触する絶縁耐熱フィルム6cの長手方向の幅L、周方向の幅Mがサーミスタ6の温度検知領域であり、本実施形態ではL=12mm、M=5mmとしている。
(定着フィルム)
以下、本実施形態の定着フィルム1の構成について、図1、図2、および図3を用いて詳細に説明する。本実施形態における定着フィルム1は、絶縁もしくは高抵抗の円筒状の基層に複数本(3本)の抵抗発熱体をらせん状に形成し、長手方向両端部は周方向にわたって導電層を形成することを特徴としている。
図1(a)は、正面方向(記録材搬送方向)から見た抵抗発熱体1eの配置を説明するための模式図、図1(b)は円筒状の基層にらせん状に巻きつけられる抵抗発熱体の展開図である。図1(b)に示すように、3本の抵抗発熱体(後述するh1、h2、h3)は互いに平行で等間隔(同一ピッチ)に直線状に設けられ、第1巻き分(第1周長)から第24巻き分(第24周長)まで周方向に延びている。そして、第1巻き分(第1周長)だけ筒状に巻きつけられると、周方向で元の位置(長手方向では長手方向にずれた位置)となる。
また、図2(a)は、図1のD1の線における長手方向端部の断面図であり、図2(b)は図1のD2の線における長手方向中央部の断面図である。図3は、図1のD3の線における長手方向の断面図である。
本実施形態の定着フィルム1に関し、基層1aは、定着フィルム1のねじれ強度、平滑性などの機械的特性を担うベース層で、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂でできている。本実施形態では、外径φ18、長手長さ240mm、厚み60μmのポリイミドの基層1aを用いた。
基層1aは絶縁であり、定着フィルム1外面から抵抗発熱体1eに給電するために、長手方向両端部で長手方向10mmの基層1a表面には、給電用の導電層1bとして、周方向全域に渡って銀ペーストが形成されている。本実施形態では、給電用の導電層1bとして、体積抵抗率4×10−5Ω・cmの銀ペーストを用いた。銀ペーストは、銀の微粒子をポリイミド樹脂中に溶剤を用いて分散させたものを塗布後に焼成したものである。
図1に示す抵抗発熱体1eは、基層1a上に形成され、長手方向両端部が導電層1bと電気的に繋がっている(電気接続されている)。本実施形態では、抵抗発熱体1eとして、体積抵抗率6×10−5Ω・cmの銀ペーストをスクリーン印刷で形成している。
ここで、図1の抵抗発熱体1eの拡大図である図4を用いて、より詳しく抵抗発熱体を説明する。図1に示す抵抗発熱体1eは、図4において夫々らせん状に形成(体積抵抗率6×10−5Ω・cmの銀ペーストを用いたスクリーン印刷で形成)した3本の抵抗発熱体h1、h2、h3と表わされている。夫々らせん状に形成した3本の抵抗発熱体h1、h2、h3は、厚み約10μmの線状で同じ体積抵抗率を有し、周方向に対する角度θは9°であり、長手方向に24回巻いたらせん形状となっている。
そして、1本の抵抗発熱体の全長はおよそ1370mm、夫々の抵抗発熱体の長手方向の幅Wは1.5mm、夫々の長手方向の間隔dは1.5mm、抵抗発熱体のピッチ(W+d)は3mm、発熱領域ピッチ(3W+2d)は7.5mmとしている。この状態で、基層1aに導電層1bを形成したときの長手方向における両導電層1bの間の抵抗値は、19.3Ωとなる。
図2、図3に示す弾性層1cは、熱伝導フィラーを分散した厚み170μmのシリコーンゴムから成る。また、離型層1dは、PFAのコーティング処理を施して15μm程度のPFA層としている。離型層1dとその内側の弾性層1cとは電気的に絶縁であり、図3に示すように定着フィルム1の抵抗発熱体形成部を長手方向において被覆する。一方、長手方向両端部では
弾性層1cと離型層1dを設けず、導電層1bの外周面は剥き出しになっている。
なお、本実施形態では、銀ペーストを印刷して導電層1bおよび抵抗発熱体1e(h1、h2、h3)を作成したが、金属メッキやスパッタなど他の手段によって導電層1bおよび抵抗発熱体1e(h1、h2、h3)を形成してもよい。
(本実施形態の作用)
図7は、本実施形態におけるサーミスタの温度検知領域と抵抗発熱体の発熱領域ピッチの関係を示した図である。長手方向におけるサーミスタ6の温度検知領域Lは12mm、長手方向における抵抗発熱体1eの発熱領域ピッチは7.5mmであり、温度検知領域の方が大きい。
ここで、定着フィルム1にクラックCが発生した場合を考える。図8は、図1の定着フィルム1にクラックCが発生して、抵抗発熱体3本のうち2本が断線した状態を表した正面模式図である。図8で、灰色に塗りつぶした領域は抵抗発熱体の断線により、通電しても発熱しなくなった領域である。
クラックCが発生して、例えば、図7の抵抗発熱体h1、h2が断線し、h3のみ発熱している状態でも、h3は温度検知領域内に存在しているため、回転停止状態であっても昇温を検知することが可能である。抵抗発熱体h3は温度検知領域における長手方向中央部に位置していないが、抵抗発熱体h3による発熱は、定着フィルム内面に接しているサーミスタ6の絶縁耐熱フィルム6cを介して、感温素子6aに伝熱する。
このとき、サーミスタ6で検知される昇温速度が通常時より遅くなるため、抵抗発熱体のいずれかが断線していると判断することができる。1本の抵抗発熱体のみ断線した場合も、同様の判断ができるのは言うまでもない。また、もし3本とも断線した場合には、定着フィルム全域が発熱しなくなるため、所定時間経過してもサーミスタ6の検知温度が上昇しない場合には、抵抗発熱体の全てが断線していると判断することができる。
さらに、定着フィルム1が左右(長手方向)に寄った場合でも、抵抗発熱体の発熱領域よりサーミスタ6の温度検知領域が広く、サーミスタ6は定着装置内で動かないフィルムガイド2に固定されているため、必ず温度検知領域内に全ての抵抗発熱体が含まれる。図9(a)は定着フィルム1が図中右側に寄った場合、図9(b)は定着フィルム1が図中左側に寄った場合のサーミスタ6の温度検知領域と抵抗発熱体の発熱領域の関係を示した図である。
図9の点線は、図7で示した定着フィルム1が記録材搬送中心位置にある場合の温度検知領域を示している。定着フィルム1は、片側最大で2mm動く場合があるが、左右いずれに寄った場合でもサーミスタ6の温度検知領域の中に、3本の抵抗発熱体h1〜h3が含まれている。したがって、定着フィルム1が片側に寄って記録材搬送中心位置からずれている状態においても、抵抗発熱体断線時の昇温を検知することが可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、抵抗発熱体をらせん状に複数本形成し、温度検知素子の温度検知領域に複数本の抵抗発熱体がかかる(存在する)ようにすることで、複数本の抵抗発熱体の一部が断線した場合でも温度検知が可能となる。しかも、回転停止状態でも異常高温を検出することができる。また、定着フィルムが長手方向に寄った場合でも、回転停止状態で温度検知領域内の抵抗発熱体の温度を検知することが可能である。
《第2の実施形態》
以下、本発明の第2の実施形態について、図10乃至図15を用いて説明する。第1の実施形態では加熱回転体として定着フィルム1を用いたが、本実施形態では加熱回転体として定着ローラを用いる。
(定着装置)
図13(a)は本実施形態における定着装置の主要部の断面模式図、図13(b)は定着装置の正面模式図である。本実施形態の定着装置は、加熱回転体としての定着ローラ10と、定着ローラ10と共に定着ニップ部Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ4により構成されている。
定着ローラ10と加圧ローラ4は不図示の加圧手段によって加圧され、加圧ローラ4の長手方向に均一な所定の幅の定着ニップ部Nが形成される。また、定着ローラ10の表面外側には、非接触の温度検知素子8が設置されており、定着ローラ10の温度を検出している。そして、温度検知素子8の検知温度に応じて、不図示のCPUにより定着ローラ10への通電が制御される。
給電部材3a、3bは、交流電源50よりACケーブル7で配線されており、定着ニップ部Nの対向部の長手方向両端部で定着ローラ10方向に押し当てられている。本実施形態では、給電部材3a、3bとして、金属黒鉛のカーボンブラシを用いた。このカーボンブラシにACケーブル7を介して交流電源50より交流電圧を印加することで、定着ローラ10の後述する抵抗発熱体10g(図10)への給電を行っている。給電部材3a、3bは、長手方向の幅6mm、搬送方向の幅6mmで定着ローラ10の導電層10dに各4Nの加圧力で押圧している。
そして、定着ローラ10に取り付けられた駆動ギアG(図13(b))に不図示の駆動機構部から回転力が伝達されて、定着ローラ10が反時計回り方向(図13(a))に所定の速度で回転駆動される。この定着ローラ10の回転駆動に伴って、定着ニップ部Nにおける定着ローラ10と加圧ローラ4との摩擦力で加圧ローラ4に回転力が作用する。これにより、加圧ローラ4が従動して回転状態になる。
定着ローラ10に対する通電がなされると、定着ローラ10の温度が所定の温度に立ち上がって、温度検知素子8によって温度制御された状態になる。そして、未定着状態であるトナー像Tを載せた記録材Pが導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー画像担持面が定着ローラ10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送され、定着動作が行われる。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは、定着ローラ10の面から曲率分離して排出し、不図示の排紙ローラ対により搬送される。
本実施形態では、定着ローラ表面にダメージを与えず、応答性や精度が良い温度検知素子8として、サーモパイル等の非接触式温度センサが用いられる。図14は、本実施形態における温度検知素子8としてサーモパイルを用いる場合のサーモパイルの構造を示したものである。
動作原理は、赤外線透過窓たるレンズ8aを透過した赤外線により、内部の感熱素子の温度を変化させ、温度に応じた出力を得るものである。温度検知素子8としてサーモパイルを用いる場合は、感熱素子が積層熱電対8bとなる。被測定物8cと積層熱電対8b間の赤外線の放射により、積層熱電対8bの温接点の温度が変化し、積層熱電対8bの冷接点との温度差に応じた電圧が生じる。冷接点の温度は、別の感熱素子、例えばサーミスタ8dを用いて測定し、冷接点の温度に、冷接点-温接点間の温度差を加えることで、被測定物8cの温度を得ることができる。
温度検知素子8としてのサーモパイルは、不図示の定着フレームに長手方向中央部で固定されており、定着ローラ10の表面と一定のギャップを保つように設置されている。図14の点線は本サーモパイルの視野角を示しており、図中に示したスポット径S(直径)が温度検知領域であり、本実施形態では、S=20mmである。
(定着ローラ)
以下、本実施形態の定着ローラ10について、詳しく説明する。図10(a)は定着ローラ10の正面模式図、図10(b)は図10(a)における線D4の断面模式図である。また、図11(a)は図10(a)における線D5の断面模式図、図11(b)は図10(a)における線D6の断面模式図である。
定着ローラ10は、回転軸となる芯金10aと、芯金10aの周りに同心一体にローラ状に形成したスポンジゴム層10b、その上に耐熱樹脂層10c、耐熱樹脂層10cの両端部10mmの外面に形成された給電用の導電層10dを有している。また、耐熱樹脂層10cの上に抵抗発熱体10gを有し、抵抗発熱体10gの長手方向両端部は、導電層10dと電気的に繋がっている(電気接続されている)。そして、長手方向両端部を除いて、耐熱樹脂層10cの上には、離型層10fおよびその内側に弾性層10eが長手方向に設けられている。
ここで、本実施形態における耐熱樹脂層10cは、第1の実施形態における基層1aに相当している。そして、本実施形態では、基層としての耐熱樹脂層10cの内側に芯金10a、ゴム層としてのスポンジゴム層10bを有している。
本実施形態では、ステンレス鋼製の外径11mmの芯金10aを用い、スポンジゴム層10bとして、ソリッドシリコーンゴムに樹脂バルーンと連泡剤を内包させ、連泡剤を気化させることにより樹脂バルーン同士を繋げた連泡スポンジゴムを用いた。耐熱樹脂層10cとしては、第1の実施形態1の定着フィルム1で用いた基層1aと同一の絶縁のポリイミドを用いた。また、給電用の導電層10dも第1の実施形態と同じ材料で同じ厚みとした。
弾性層10eおよび離型層10fも第1の実施形態と同じ材料で同じ厚みとし、定着ローラ10の外周面端部から抵抗発熱体10gに給電を行うため、長手端部10mmの領域は弾性層10eおよび離型層10fを形成していない。この導電層10dが露出している領域が、給電部材によって給電される接点領域である。
図12は、図10(a)の正面からみた抵抗発熱体10gの拡大図である。本実施形態では、抵抗発熱体10gとして、夫々らせん状に形成(体積抵抗率3.5×10−4Ω・cmの銀ペーストを用いたスクリーン印刷で形成)した6本の抵抗発熱体h1〜h6を用いる。
夫々らせん状に形成した3本の抵抗発熱体h1〜h6は、厚み約10μmの線状で同じ体積抵抗率を有し、周方向に対する角度θは21°であり、長手方向に10回巻いたらせん形状となっている。
そして、1本の抵抗発熱体の全長はおよそ610mm、夫々の抵抗発熱体の長手方向の幅Wは1.8mm、夫々の長手方向の間隔dは1.8mm、抵抗発熱体のピッチ(W+d)は3.6mm、発熱領域ピッチ(6W+5d)は19.8mmとしている。この状態で、基層1aに導電層1bを形成したときの長手方向における両導電層10dの間の抵抗値は、20Ωとなる。
本実施形態における定着ローラ10の外径は約18mmであり、定着ローラ10の硬度は、ASKER−C硬度計で5.9Nの荷重において、定着ニップ部Nの確保や耐久性などの観点から、30°〜70°の範囲が望ましい。本実施形態においては、52°にしている。また、第1の実施形態の基層1aと同様、耐熱樹脂層10cの長手方向長さは240mmとしている。
(本実施形態の作用)
図15は、本実施形態における温度検知素子8としてのサーモパイルの温度検知領域と抵抗発熱体の発熱領域ピッチの関係を示した図である。長手方向におけるサーモパイル8の温度検知領域Sは24mm、抵抗発熱体10gの発熱領域は19.8mmであり、温度検知領域の方が大きい。
定着ローラ10にクラックCが発生して、例えば、抵抗発熱体h1〜h5が断線し、h6のみ発熱している状態でも、図15に示したように、温度検知領域内に存在しているため、回転停止状態であっても昇温を検知することが可能である。このとき、第1の実施形態と同様に、通常状態よりも昇温速度が遅くなるため、抵抗発熱体のいずれかが断線していると判断することができる。1本の抵抗発熱体のみ断線した場合も、同様の判断ができるのは言うまでもない。
もし6本とも断線した場合には、定着ローラ10全域が発熱しなくなるため、所定時間経過してもサーモパイルの検知温度が上昇しない場合には、抵抗発熱体の全てが断線していると判断することができる。
さらに、定着ローラ10が左右に寄った場合においても、抵抗発熱体の発熱領域よりもサーモパイルの温度検知領域が広く、サーモパイルは定着装置内で定着フレームに固定しているため、必ず温度検知領域内に全ての抵抗発熱体が含まれている。定着ローラは、片側最大で2mm動く場合があるが、左右いずれに寄った場合でもサーミスタの温度検知領域の中に、6本の抵抗発熱体h1〜h6が含まれている。したがって、定着ローラが片側に寄って記録材搬送中心位置からずれている状態においても、抵抗発熱体断線時の昇温を検知することが可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、抵抗発熱体をらせん状に複数本形成し、温度検知素子の温度検知領域内に複数本の抵抗発熱体を存在させることにより、複数本の抵抗発熱体の一部が断線した場合でも温度検知が可能となる。しかも、回転停止状態でも異常高温を検出することができる。また、定着ローラが長手方向に寄った場合でも、回転停止状態で温度検知領域内の抵抗発熱体の温度を検知することが可能である。
なお、本実施形態では加圧部材として加圧ローラ4を用いたが、加圧部材として、例えば従動する加圧フィルムを用いた、加圧フィルムユニットなどを用いてもよい。
《第3の実施形態》
本実施形態では、第1の実施形態の定着装置において、定着フィルムにらせん状に形成する抵抗発熱体を第2の実施形態のように6本に増やし、温度検知素子としてサーミスタを2つ長手方向に離間させて用いる。その他の構成については、第1の実施形態と同様のため省略する。
複数の抵抗発熱体を備える構成において、長手方向両端部の導電層間の抵抗が同じ場合には、抵抗発熱体の本数が多いほど、抵抗発熱体1本当たりの電流量を減らすことができる。このため、抵抗発熱体が途中まで切れるようなクラックが発生した場合の異常発熱抑制効果が大きくなる。すなわち、3本の抵抗発熱体を形成した第1の実施形態の定着フィルムよりも、6本の抵抗発熱体を形成した本実施形態方が異常発熱量は少ない。
ここで、第2の実施形態のような6本の抵抗発熱体構成を用いようとする場合、長手方向の発熱領域ピッチが19.8mmとなり、第1の実施形態で用いた内接サーミスタの長手方向の温度検知領域12mmの中に、全ての発熱体を存在させることができない。そこで、本実施形態では、第1の実施形態で用いたサーミスタを長手方向に2箇所離間させて設置して、それぞれ3本ずつの抵抗発熱体の温度を検知する構成とした。
図16は、本実施形態の定着フィルム1の正面方向からみた抵抗発熱体の配置と、2つのサーミスタ11、12の温度検知領域を示す図である。抵抗発熱体h1、h2、h3の発熱領域がサーミスタ11の温度検知領域内、抵抗発熱体h4、h5、h6の発熱領域が、サーミスタ12の温度検知領域内に入るように設置している。
抵抗発熱体h1、h2、h3の長手方向の発熱領域ピッチは9mm、サーミスタ11の長手方向の温度検知領域は12mmである。同様に、抵抗発熱体h4、h5、h6の長手方向の発熱領域ピッチは9mm、サーミスタ12の長手方向の温度検知領域は12mmである。定着フィルムが寄った場合でも、2つのサーミスタの位置と間隔は変化しないため、全ての抵抗発熱体がサーミスタ11,12のいずれかの温度検知領域内に存在する。
図17(a)は、抵抗発熱体1本分、定着フィルム1が図中の右側に寄った場合、図17(b)は、抵抗発熱体1本分、定着フィルム1が図中の左側に寄った場合の温度検知領域を実線で示している。図17の点線は、定着フィルムが中心位置の場合の温度検知領域を示している。
図17(a)は、サーミスタ11で抵抗発熱体h6、h1、h2の温度を検知しており、サーミスタ12で抵抗発熱体h3、h4、h5の温度を検知している。図17(b)は、サーミスタ11で抵抗発熱体h2、h3、h4の温度を検知しており、サーミスタ12で抵抗発熱体h5、h6、h1の温度を検知している。すなわち、いずれの場合でも、全ての抵抗発熱体がサーミスタ11,12のいずれかの温度検知領域内に存在している。
なお、本実施形態ではサーミスタを2つ長手方向に離間させて用いる場合を示したが、3つ以上長手方向に離間させて用いても良い。また、サーモパイルを複数用いる構成であれば、温度検知領域を広く設定できるため、抵抗発熱体の本数をさらに増やしても全ての抵抗発熱体の温度を検知することが可能である。
以上説明したように、本実施形態では複数設けられる温度検知素子を用いることにより、抵抗発熱体の本数を多く形成することができる。これにより、抵抗発熱体1本当たりの電流量を減らすことができるため、クラックが発生した場合の異常発熱抑制効果がより大きくなる。また、定着フィルムが寄った場合でも回転停止状態で全ての抵抗発熱体の温度を検知することが可能である。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、らせん状に複数本設けられる抵抗発熱体は、長手方向に等間隔(同一ピッチ)に設けられたが、長手方向に非等間隔(非同一ピッチ)に設けられるものであっても良い。温度検知部材の温度検知領域に複数本がかかるように設けられれば良い。また、複数本設けられる抵抗発熱体は、3本以上がより好ましいが、2本であっても良い。
(変形例2)
上述した実施形態では基層を絶縁としたが、基層を高抵抗として、抵抗発熱体、導電層を基層よりも体積抵抗率が小さいものとして構成しても良い。
(変形例3)
上述した第1、第3の実施形態では、温度検知領域を長手方向としたが、温度検知領域を長手方向に交差する任意の方向としても良い。そして、第3の実施形態では、温度検知部材が互いに任意の方向に離間して複数設けられ、複数の抵抗発熱体の夫々が、温度検知部材のいずれかの温度検知領域にかかる(存在する)構成とすれば良い。
(変形例4)
上述した実施形態では、未定着トナー像をシートに定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限らず、画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶ)にも同様に適用可能である。
(変形例5)
上述した実施形態では、記録材として記録紙を説明したが、本発明における記録材は紙に限定されるものではない。一般に、記録材とは、画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の部材であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、光沢紙等が含まれる。なお、上述した実施形態では、便宜上、記録材(シート)Pの扱いを通紙、排紙、給紙、通紙部、非通紙部などの用語を用いて説明したが、これによって本発明における記録材が紙に限定されるものではない。
(変形例6)
上述した実施形態では、加圧体として定着回転体と共に回転する加圧用回転体を示したが、本発明はこれに限られず、加圧体として固定された平板状の加圧パッドに適用可能である。
1・・定着フィルム、1a・・基層、1b・・導電層、1e・・抵抗発熱体、10・・定着ローラ、10c・・耐熱樹脂層(基層)、10d・・導電層、10g・・抵抗発熱体

Claims (11)

  1. 円筒状の基層と、
    前記基層よりも体積抵抗率が小さく、温度検知領域に複数本がかかるように、前記基層の上にらせん状に設けられる複数本の抵抗発熱体と、
    前記基層よりも体積抵抗率が小さく、前記複数本の抵抗発熱体と電気接続するように前記基層の長手方向の両端部において周方向に設けられる導電層と、
    を有することを特徴とする加熱回転体。
  2. 前記複数本の抵抗発熱体は、3本以上であって同一ピッチで設けられることを特徴とする請求項1に記載の加熱回転体。
  3. 可撓性を有する定着フィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱回転体。
  4. 回転軸となる芯金と、前記芯金の上に形成されるゴム層と、を前記基層の内側に有する定着ローラであることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱回転体。
  5. 前記複数本の抵抗発熱体の外側に離型層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加熱回転体。
  6. 前記離型層の内側に弾性層を有することを特徴とする請求項5に記載の加熱回転体。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の加熱回転体と、
    前記加熱回転体に給電するための給電部材と、
    前記加熱回転体と対向し、前記加熱回転体と共にニップ部を形成する対向部材と、
    前記温度検知領域で前記加熱回転体の温度を検知する温度検知部材と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  8. 前記加熱回転体は可撓性を有する定着フィルムであり、
    前記温度検知部材は前記定着フィルムの内周面に接触することを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記回転体は、回転軸となる芯金と、前記芯金の上に形成されるゴム層と、を前記基層の内側に有する定着ローラであり、
    前記温度検知部材は前記定着ローラの外側に前記定着ローラと非接触で設けられることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  10. 前記温度検知部材が互いに離間して複数設けられることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 前記抵抗発熱体の夫々が、前記温度検知部材のいずれかの温度検知領域にかかることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
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