JP2017049327A - 感光性組成物、硬化膜の製造方法、液晶表示装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、およびタッチパネルの製造方法 - Google Patents

感光性組成物、硬化膜の製造方法、液晶表示装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、およびタッチパネルの製造方法 Download PDF

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豪 安藤
健太 山▲ざき▼
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健太 山▲ざき▼
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慶央 真崎
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Abstract

【課題】塗布性が良好で、硬化膜上に積層される上層との密着性に優れた硬化膜を製造できる感光性組成物を提供する。また、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、およびタッチパネルの製造方法を提供する。【解決手段】ポリシロキサン成分と、光酸発生剤と、溶剤と、下式S1で表される構造および下式S2で表される構造を有する化合物Sとを含む感光性組成物。式中、波線は化合物Sを構成する原子団との結合位置を表し、R1はアルキル基を表し、R2は水素原子またはアルキル基を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、Rfはフッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表し、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、R100は水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜12のアルキル基を表し、nは0〜30の整数を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性組成物に関する。さらに詳しくは、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの画像表示装置、タッチパネル、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品の平坦化膜、保護膜および層間絶縁膜等の形成に好適な、感光性組成物に関する。また、硬化膜の製造方法、液晶表示装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、およびタッチパネルの製造方法に関する。
液晶表示装置、および有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの画像表示装置、およびタッチパネルなどの入力装置には、多くの場合パターン形成された層間絶縁膜が設けられている。層間絶縁膜の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なく、しかも十分な平坦性が得られるといったことから、感光性組成物が広く使用されている。
上記装置における層間絶縁膜には、アクリル系樹脂を膜形成成分として用いることが試みられている。
また、近年、製造の効率化や画像表示装置の高性能化のために、従来よりも高い温度(例えば300℃程度)での熱処理や製膜を行う試みがなされている。そこで、層間絶縁膜にも従来よりも高い温度に対する耐性が求められている。このような高耐熱性の層間絶縁膜として、ポリシロキサンを用いることが検討されている(特許文献1〜3参照)。
特開2003−255546号公報 特開2013−92633号公報 特開2009−263522号公報
感光性組成物は、塗布性を高めるため、界面活性剤を使用することが多い。塗布性の観点から、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤を使用することが多い。ところが、フッ素系界面活性剤は、塗布後に塗膜の表面に偏在することがあった。感光性組成物を使用して製造した硬化膜を永久膜として使用する場合、硬化膜上に種々の層を積層することが多い。このとき、膜表面にフッ素系界面活性剤が偏在していると、硬化膜上に積層した上層と硬化膜との密着性が低下することがある。このため、硬化膜の表層にアッシング処理などを行って、フッ素系界面活性剤が偏在する膜表層を除去することがあった。このように、従来は、硬化膜に対してアッシング処理などの工程を必要とすることがあり、工程数がかさむことがあった。近年においては、工程数を削減して、工程の簡略化や製造コストを抑えることが望まれている。
また、本発明者らが、特許文献1〜3に開示された感光性組成物について検討したところ、感光性組成物の塗布性と、上層密着性とを両立できないことが分かった。
よって、本発明の目的は、塗布性が良好で、硬化膜上に積層される上層との密着性に優れた硬化膜を製造できる感光性組成物を提供することにある。また、硬化膜の製造方法、液晶表示装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、およびタッチパネルの製造方法を提供することにある。
かかる状況のもと、本発明者らが検討を行った結果、下式S1で表される構造および下式S2で表される構造を有する化合物Sを感光性組成物に含有させることで、塗布性が良好で、かつ、アッシングなどの工程を経ることなく、硬化膜上に積層される上層との密着性に優れた硬化膜を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下を提供する。
<1> 下記1および2の少なくとも一方を満たすポリシロキサン成分A、
1:カルボキシ基が酸分解性基で保護された基、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された基、および、シラノール基が酸分解性基で保護された基から選ばれる少なくとも1種の基を有する構成単位a1と、架橋性基を有する構成単位a2とを有するポリシロキサンを含むポリシロキサン成分、
2:カルボキシ基が酸分解性基で保護された基、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された基、および、シラノール基が酸分解性基で保護された基から選ばれる少なくとも1種の基を有する構成単位a1を有するポリシロキサンと、架橋性基を有する構成単位a2を有するポリシロキサンとを含むポリシロキサン成分、
pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤B、
溶剤C、ならびに、
下式S1で表される構造および下式S2で表される構造を有する化合物Sと、
を含む感光性組成物;
Figure 2017049327
式中、波線は、化合物Sを構成する原子団との結合位置を表し、
1はアルキル基を表し、
2は、水素原子またはアルキル基を表し、
1は、単結合または2価の連結基を表し、L1が2価の連結基を表す場合、R1はL1と結合して環を形成してもよく、
Rfは、フッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表し、
100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、
100は、水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
nは、0〜30の整数を表し、
nが0のとき、R100は、ヒドロキシ基を表し、
nが1のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
nが2〜30のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、複数のL100は同一であってもよく、異なってもよい。
<2> ポリシロキサン成分Aの100質量部に対して、化合物Sを0.001〜20質量部含有する、<1>に記載の感光性組成物。
<3> 化合物Sが、式S1で表される構造を側鎖に有する構成単位S1−1と、式S2で表される構造を側鎖に有する構成単位S2−1とを有する重合体である、<1>または<2>に記載の感光性組成物。
<4> 化合物Sが、下式S1−2で表される構成単位と、下式S2−2で表される構成単位とを有する重合体である、<1>〜<3>のいずれかに記載の感光性組成物;
Figure 2017049327
式中、R11は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
12はアルキル基を表し、
13は、水素原子またはアルキル基を表し、
10は、単結合または2価の連結基を表し、L10が2価の連結基を表す場合、R12はL10と結合して環を形成してもよく、
Rfは、フッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表し、
101は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
101は、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
n1は0〜30の整数を表し、
n1が0または1のとき、R101は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
n1が2〜30のとき、複数のL101は同一であってもよく、異なってもよい。
<5> 化合物Sが、下式S1−3で表される構成単位と、下式S2−3で表される構成単位とを有する重合体である、<1>〜<4>のいずれかに記載の感光性組成物;
Figure 2017049327
式中、R21は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
22は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、
23は、水素原子を表し、
20は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
Rf1は、炭素数3〜6のパーフルオロアルキル基を表し、
22は、L20と結合して環を形成してもよく、
201は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
201は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
n2は1〜20の整数を表し、n2が2〜20のとき、複数のL201は同一であってもよく、異なってもよい。
<6> 化合物Sは、構成単位S1−1と、構成単位S2−1とを、化合物Sの全構成単位の70質量%以上含有する重合体であり、かつ、構成単位S1−1と、構成単位S2−1との質量比が、構成単位S1−1:構成単位S2−1=5:95〜95:5である、<3>〜<5>のいずれかに記載の感光性組成物。
<7> 化合物Sの重量平均分子量が100〜100000である、<1>〜<6>のいずれかに記載の感光性組成物。
<8> 構成単位a1が、下記一般式a1−1で表される構成単位、および、下記一般式a1−2で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<7>のいずれかに記載の感光性組成物;
Figure 2017049327
一般式a1−1、および、一般式a1−2中、aは0または1を表し、R1AおよびR2Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R1AおよびR2Aの少なくとも一方は、アルキル基またはアリール基を表し、R3Aは、アルキル基またはアリール基を表し、R1AまたはR2Aと、R3Aとが連結して環状エーテルを形成してもよく、R4Aは、アルキル基、アリール基、または、アラルキル基を表し、L1Aは、単結合または2価の連結基を表し、L2Aは、単結合または2価の連結基を表し、Rxは、アルキル基またはハロゲン原子を表し、m1は、0〜4の整数を表す。
<9> ポリシロキサン成分が有する架橋性基が、環状エーテル、および、エチレン性不飽和結合を有する基から選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<8>のいずれかに記載の感光性組成物。
<10> ポリシロキサンは、カルボキシ基およびフェノール性水酸基から選ばれる少なくとも1種の基を有する構成単位をさらに含む、<1>〜<9>のいずれかに記載の感光性組成物。
<11> <1>〜<10>のいずれかに記載の感光性組成物を基板上に塗布する工程、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する工程、溶剤が除去された感光性組成物を活性光線により露光する工程、露光された感光性組成物を現像液により現像する工程、および、現像された感光性組成物を熱硬化する工程、を含む硬化膜の製造方法。
<12> <11>に記載の硬化膜の製造方法を含む、液晶表示装置の製造方法。
<13> <11>に記載の硬化膜の製造方法を含む、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
<14> <11>に記載の硬化膜の製造方法を含む、タッチパネルの製造方法。
塗布性が良好で、かつ、アッシングなどの工程を経ることなく、硬化膜上に積層される上層との密着性に優れた硬化膜を製造できる感光性組成物を提供することが可能になった。また、硬化膜の製造方法、硬化膜および装置を提供することが可能になった。
液晶表示装置の一例の構成概念図である。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例を示す概略図である。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、本明細書中において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」および「メタクリレート」を表し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」および「メタクリル」を表し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」および「メタクリロイル」を表す。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算値として定義される。
本発明の感光性組成物は、後述するポリシロキサン成分Aと、pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤Bと、溶剤Cと、後述する式S1で表される構造および式S2で表される構造を有する化合物Sと、含む。
本発明によれば、上記構成の感光性組成物を用いることで、塗布性が良好で、かつ、アッシングなどの工程を経ることなく、硬化膜上に積層される上層との密着性に優れた硬化膜を製造できる。本発明の効果発現のメカニズムは下記の様に推定される。
すなわち、後述する式S1で表される構造はフルオロアルキル基を有するため疎水性に優れ、式S2で表される構造は親水性基を有するため親水性に優れる。両者の構造を併せ持つ化合物Sは、界面活性剤として機能し、優れた塗布性を得ることが可能になったと推定される。また、化合物Sが有する式S1で表される構造は、フルオロアルキル基が、アセタール結合を介して結合しているため、加熱時などにアセタール結合が切れて、フルオロアルキル基部分が脱離して揮発しやすく、硬化膜の表層にフッ素が偏在し難いと考えられる。このため、アッシングなどの工程を経ることなく、硬化膜上に積層される上層との密着性に優れた硬化膜を製造することが可能になったと推定される。
また、化合物Sが有する式S1で表される構造は、フルオロアルキル基が、アセタール結合を介して結合しているため、スルホン酸などの酸の作用によりアセタール結合が切れて、フルオロアルキル基部分が脱離する。従って酸に晒された部分で撥液性が低下する。このため本発明の感光性組成物は、塗布性と上層密着とが優れることに加えて、アルカリ現像による現像残渣が無く、現像パターンのエッジのラフネスが小さいという優れた特性を有する。
本発明の感光性組成物は、化学増幅型ポジ型感光性組成物として好ましく用いることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
<ポリシロキサン成分A>
本発明の感光性組成物において、ポリシロキサン成分Aは、下記(1)および(2)の少なくとも一方を満たす。
(1):カルボキシ基が酸分解性基で保護された基、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された基、および、シラノール基が酸分解性基で保護された基から選ばれる少なくとも1種の基を有する構成単位a1と、架橋性基を有する構成単位a2とを有するポリシロキサンA1を含むポリシロキサン成分。
(2):カルボキシ基が酸分解性基で保護された基、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された基、および、シラノール基が酸分解性基で保護された基から選ばれる少なくとも1種の基を有する構成単位a1を有するポリシロキサンA2と、架橋性基を有する構成単位a2を有するポリシロキサンA3とを含むポリシロキサン成分。
ポリシロキサン成分Aは、特に述べない限り、上記ポリシロキサンに加え、必要に応じて添加される他のポリシロキサンを含めたものを意味する。
ポリシロキサン成分Aに含まれる構成単位a1と構成単位a2とのモル比は、構成単位a1:構成単位a2=10:90〜90:10が好ましく、80:20〜20:80がより好ましく、60:40〜30:70が更に好ましい。
上記(1)の態様では、少なくとも1種類のポリシロキサンA1を含み、ポリシロキサンA1が構成単位a1、および構成単位a2を有する態様である。構成単位a1や、構成単位a2は、それぞれ、2種類以上含んでいてもよい。また、後述する酸基を有する構成単位a3や、構成単位a4を含んでいてもよい。
ポリシロキサンA1の構成単位a1の割合は、感度の観点から、ポリシロキサンA1の全構成単位に対して、10〜90モル%が好ましい。下限は、15モル%以上が好ましく、20モル%以上が更に好ましい。上限は、80モル%以下が好ましく、60モル%以下が更に好ましい。
また、構成単位a2の割合は、硬化膜特性の観点から、ポリシロキサンA1の全構成単位に対して、10〜90モル%が好ましい。下限は、20モル%以上が好ましく、30モル%以上が更に好ましい。上限は、80モル%以下が好ましく、70モル%以下が更に好ましい。
また、構成単位a3の割合は、感度の観点から、ポリシロキサンA1の全構成単位に対して、0〜50モル%が好ましい。下限は、1モル%以上が好ましく、5モル%以上が更に好ましい。上限は、30モル%以下が好ましく、20モル%以下が更に好ましい。
また、構成単位a4の割合は、現像性、および、硬化膜特性の観点から、ポリシロキサンA1の全構成単位に対して、0〜40モル%が好ましい。下限は、1モル%以上が好ましく、5モル%以上が更に好ましい。上限は、30モル%以下が好ましく、20モル%以下が更に好ましい。
上記(2)の態様では、構成単位a1を有するポリシロキサンA2と、構成単位a2を有するポリシロキサンA3とを含む態様である。構成単位a1を含むポリシロキサンA2は、さらに、構成単位a2を含んでいても良い。同様に、構成単位a2を含むポリシロキサンA3は、構成単位a1を含んでいても良い。このような場合、(1)と(2)の両方を満たす態様となる。また、ポリシロキサンA2、ポリシロキサンA3は、後述する酸基を有する構成単位a3や他の構成単位a4を含んでいてもよい。
ポリシロキサンA2の構成単位a1の割合は、ポリシロキサンA2の全構成単位に対して、10〜90モル%が好ましい。下限は、30モル%以上が好ましく、40モル%以上が更に好ましい。上限は、90モル%以下が好ましく、80モル%以下が更に好ましい。また、構成単位a3の割合は、ポリシロキサンA2の全構成単位に対して、0〜50モル%が好ましい。下限は、1モル%以上が好ましく、5モル%以上が更に好ましい。上限は、30モル%以下が好ましく、20モル%以下が更に好ましい。また、構成単位a4の割合は、ポリシロキサンA2の全構成単位に対して、0〜40モル%が好ましい。下限は、1モル%以上が好ましく、5モル%以上が更に好ましい。上限は、30モル%以下が好ましく、20モル%以下が更に好ましい。
ポリシロキサンA3の構成単位a2の割合は、ポリシロキサンA3の全構成単位に対して、10〜90モル%が好ましい。下限は、30モル%以上が好ましく、50モル%以上が更に好ましい。上限は、90モル%以下が好ましく、80モル%以下が更に好ましい。また、構成単位a4の割合は、ポリシロキサンA3の全構成単位に対して、0〜40モル%が好ましい。下限は、1モル%以上が好ましく、5モル%以上が更に好ましい。上限は、30モル%以下が好ましく、20モル%以下が更に好ましい。
上記(2)の態様の場合には、構成単位a1を有するポリシロキサンA2と、構成単位a2を有するポリシロキサンA3との質量割合は、95:5〜5:95が好ましく、80:20〜20:80がより好ましく、70:30〜30:70がさらに好ましい。
本発明に用いるポリシロキサンの構造は、特に限定はない。直鎖状、環状、梯子状、網目状いずれでもよく、これらが相互に連結された構造でも良い。梯子状または、網目状の構造を含むことが硬化膜硬度の点で好ましい。
ポリシロキサン成分Aに含まれるポリシロキサンの重量平均分子量は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜50,000がより好ましい。上記範囲内であると、諸特性が良好である。数平均分子量と重量平均分子量の比(分散度)は、1.0〜5.0が好ましく1.5〜3.5がより好ましい。
<<構成単位a1>>
ポリシロキサン成分Aは、カルボキシ基が酸分解性基で保護された基、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された基、および、シラノール基が酸分解性基で保護された基から選ばれる少なくとも1種の基を有する構成単位a1を有するポリシロキサンを含む。以下、カルボキシ基、フェノール性水酸基およびシラノール基をあわせて酸基ともいう。
本発明において、「カルボキシ基が酸分解性基で保護された基」、「フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された基」、「シラノール基が酸分解性基で保護された基」とは、酸を触媒(または開始剤)として脱保護反応を起こし、上述した酸基と、再生された酸と、分解された構造とを生じる基を意味する。
酸基は、カルボキシ基またはフェノール性水酸基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。
酸分解性基は、酸により比較的分解し易い基(例えば、後述するエステル構造、テトラヒドロピラニルエステル基、または、テトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解し難い基(例えば、tert−ブチルエステル基等の第三級アルキル基、tert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。これらの基の中でも、アセタール基が好ましい。
すなわち、構成単位a1は、カルボキシ基がアセタール基で保護された保護カルボキシ基、または、フェノール性水酸基がアセタール基で保護された保護フェノール基を有することが好ましく、カルボキシ基がアセタール基で保護された保護カルボキシ基を有することがより好ましい。この態様によれば、感光性組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性、感光性組成物の保存安定性の観点から好ましい。シラノール基が酸分解性基で保護された基の含有量は、構成単位a1を含むポリシロキサンの全構成単位に対して、30モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、5モル%以下が更に好ましく、実質的に含有しないことが一層好ましい。実質的に含有しないとは、構成単位a1を含むポリシロキサンの全構成単位に対して、例えば、1モル%以下が好ましく、0.5モル%以下がより好ましく、含有しないことが一層好ましい。
構成単位a1は、下記一般式a1−1で表される構成単位、および/または、下記一般式a1−2で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2017049327
一般式a1−1、および、一般式a1−2中、aは0または1を表し、
1AおよびR2Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R1AおよびR2Aの少なくとも一方は、アルキル基またはアリール基を表し、R3Aは、アルキル基またはアリール基を表し、R1AまたはR2Aと、R3Aとが連結して環状エーテルを形成してもよく、
4Aは、アルキル基、アリール基、または、アラルキル基を表し、
1Aは、単結合または2価の連結基を表し、
2Aは、単結合または2価の連結基を表し、
xは、アルキル基またはハロゲン原子を表し、
m1は、0〜4の整数を表す。
1AおよびR2Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R1AおよびR2Aの少なくとも一方がアルキル基またはアリール基である。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルキル基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。また、アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖のアルキル基が好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のチオアルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)などが挙げられる。これらの置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。アリール基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したものが挙げられる。また、炭素数1〜10のアルキル基を置換基とすることもできる。
1AおよびR2Aは、それぞれ独立に、水素原子、または、アルキル基であることが好ましく、水素原子、または、メチル基であることがより好ましく、R1AおよびR2Aの一方がメチル基であり、他方が水素原子であることが特に好ましい。
3Aはアルキル基またはアリール基を表す。R3Aが表すアルキル基、およびアリール基は、R1AおよびR2Aにおけるアルキル基、アリール基と同義である。R3Aは、メチル基、エチル基またはプロピル基であることが好ましく、エチル基またはプロピル基がより好ましい。
3Aは、R1AまたはR2Aと連結して環状エーテルを形成してもよい。R1AまたはR2Aと連結して形成される環状エーテルとしては、3〜6員環の環状エーテルが好ましく、5〜6員環の環状エーテルがより好ましい。
4Aは、アルキル基、アリール基、または、アラルキル基を表す。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよい。また、アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。
アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。アリール基は、置換基を有していてもよい。
アラルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基の水素原子の一部が、炭素数6〜20のアリール基に置換されている基が好ましい。アラルキル基は、置換基を有していてもよい。アラルキル基を構成するアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。
アルキル基、アリール基、アラルキル基が有してもよい置換基としては、R1A、R2Aで説明した置換基と同様である。
4Aは、溶剤耐性や耐熱性の観点からメチル基、フェニル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基が好ましく、メチル基、フェニル基がより好ましい。
xは、アルキル基またはハロゲン原子を表す。アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
1AおよびL2Aは、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数1〜12のアルキレンオキサイド基、炭素数6〜12のアリーレン基などが挙げられる。アルキレンオキサイド基、および、アルキレンオキサイド基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、アルキレン基、アルキレンオキサイド基、アリーレン基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、R1A、R2Aで説明した置換基と同様である。また、カルボキシ基、フェノール基、ホスホニル基、スルホ基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基等の酸基を置換基として有していてもよい。
m1は、0〜4の整数を表し、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましく、0が最も好ましい。
構成単位a1を得るために使用できるシラン化合物の具体例としては、例えば、以下に示すシラン化合物が挙げられる。
Figure 2017049327
<<構成単位a2>>
ポリシロキサン成分Aは、架橋性基を有する構成単位a2を含むポリシロキサンを含む。本発明において、架橋性基とは、熱によって架橋反応を生じうる基を意味する。架橋性基は、1気圧における加熱処理の際の架橋反応の開始温度が100℃以上の基であれば特に限定はされない。架橋反応の開始温度は公知の手法を使って分析することができ、例えばDSC測定(Differential scanning calorimetry)を用いた手法によって分析することができる。
架橋性基としては、環状エーテル、エチレン性不飽和結合を有する基、アルコキシメチル基、メチロール基などが挙げられる。また、架橋性基は、連結基等を介して結合していてもよい。
環状エーテルとしては、エポキシ基、オキセタニル基が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、アリルオキシカルボニル基、メタリルオキシカルボニル基などが挙げられる。アルコキシメチル基としては、「−CH2OR」で表される基が挙げられる。Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、および、環状のいずれでもよいが、直鎖が好ましい。
架橋性基は、環状エーテル、エチレン性不飽和結合を有する基が好ましく、環状エーテルがより好ましく、エポキシ基またはオキセタニル基がさらに好ましく、エポキシ基が特に好ましい。環状エーテルは、未反応の酸基を消費して強固な硬化膜を形成できる。このため、硬化膜に未反応の酸基が残存し難くできるので、耐熱性、耐溶剤性、基材密着性などに優れた硬化膜を形成できる。
架橋性基の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。式中*は、他の基との連結部分を表す。
Figure 2017049327
構成単位a2は、1つの構成単位中に架橋性基を少なくとも1個有していればよく、1〜3個有していることが好ましく、1個がより好ましい。構成単位a2が架橋性基を複数有する場合は、すべて同一種類であってもよく、異なる種類であってもよい。架橋性基を複数含む場合は、同一の種類であることが好ましい。
構成単位a2としては、下記一般式a2’で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2017049327
一般式a2’中、aは0または1を表し、R5Aは、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、L3Aは、単結合、または、2価の連結基を表し、Xは架橋性基を表す。
構成単位a2は、硬化膜特性の観点から、下記一般式a2−1で表される構成単位、および/または、下記一般式a2−2で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2017049327
一般式a2−1、a2−2中、aは0または1を表し、R5Aは、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Ryは、アルキル基またはハロゲン原子を表し、L3Aは、単結合、または、2価の連結基を表し、nは、0または1を表し、m2は、nが0の場合は0〜2の整数を表し、nが1の場合は0〜3の整数を表し、m3は、0〜6の整数を表す。
5Aは、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。アルキル基、アリール基、アラルキル基としては、上述したa1−1及びa1−2のR4Aで説明した範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
3Aは、単結合、または、2価の連結基を表す。2価の連結基としては、a1−1のL1A及びa1−2のL2Aで説明した範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
yは、アルキル基またはハロゲン原子を表す。アルキル基、および、ハロゲン原子としては、上述したa1−2のRxで説明した範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
nは、0または1を表し、0が好ましい。
m2は、nが0の場合は0〜2の整数を表し、nが1の場合は0〜3の整数を表す。m2は0が好ましい。
m3は、0〜6の整数を表し、0が好ましい。
構成単位a2を得るために使用できるシラン化合物の具体例としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。また、以下に示すシラン化合物を用いることもできる。
Figure 2017049327
<<構成単位(a3)>>
ポリシロキサン成分Aが含むポリシロキサンは、酸基を有する構成単位a3を含んでいてもよい。構成単位a3は、構成単位a1および構成単位a2から選ばれる少なくとも一つの構成単位を有するポリシロキサンが含んでいてもよい。また、構成単位a1および構成単位a2を実質的に含まないポリシロキサンが含んでいてもよい。
具体的な酸基としては、カルボキシ基、ホスホニル基、スルホ基、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基が例示され、好ましい酸基としては、カルボキシ基、およびフェノール性水酸基が挙げられる。
酸基を有する構成単位a3としては、例えば、以下の一般式a3−1で表される構造、および/または、一般式a3−2で表される構造が好ましい具体例として挙げられる。
Figure 2017049327
一般式a3−1およびa3−2中、aは0または1を表し、R6Aは、アルキル基、アリール基、または、アラルキル基を表し、L4Aは、単結合または2価の連結基を表し、L5Aは、単結合または2価の連結基を表し、Rzは、アルキル基またはハロゲン原子を表し、m4は、0〜4の整数を表す。
6Aが表すアルキル基、アリール基、アラルキル基としては、上述したa1−1及びa1−2のR4Aで説明した範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
4が表す2価の連結基としては、a1−1のL1Aで説明した範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
5Aが表す2価の連結基としては、a1−2のL2Aで説明した範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
zが表すアルキル基、および、ハロゲン原子としては、上述したa1−2のRxで説明した範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
m4は、0〜4の整数を表し、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましく、0が最も好ましい。
構成単位a3を得るために使用できるシラン化合物としては、構成単位a1を得るために使用できるシラン化合物と同様のものを使用できる。
<<構成単位a4>>
ポリシロキサン成分Aは、上述した構成単位a1〜a3以外の構成単位a4を含むことができる。
構成単位a4としては、例えば、以下の一般式a4−1で表される構造が挙げられる。
Figure 2017049327
一般式a4−1中、aは0〜3の整数を表し、bは0〜3の整数を表す。ただし0≦a+b≦3である。R7AおよびR8Aは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、または、アラルキル基を表す。
7AおよびR8Aが表すアルキル基、アリール基およびアラルキル基としては、上述したa1−1及びa1−2のR4Aで説明した範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
構成単位a4を得るために使用できるシラン化合物としては、アルコキシシラン化合物、クロロシラン化合物などが挙られる。具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。また、以下に示すシラン化合物を用いることもできる。
Figure 2017049327
ポリシロキサン成分Aは、感光性組成物に含まれるポリシロキサン全量中、構成単位a1のモル数および構成単位a3のモル数の合計と、構成単位a2のモル数の比が、10:90〜90:10であることが好ましく30:70〜70:30であることがより好ましく、40:60〜60:40であることが更に好ましい。構成単位a1のモル数および構成単位a3のモル数の合計と、構成単位a2のモル数との比が上記範囲であれば、溶剤耐性に優れた硬化膜を形成できる。
ポリシロキサン成分Aに含まれるポリシロキサンは、ポリシロキサンの重合時に残ったシラノール基を含んでいてもよい。ポリシロキサン全量中のシラノール基の数は、ポリシロキサン中のSi原子数に対して0〜0.5倍が好ましく、0〜0.2倍が好ましく、0〜0.05倍が最も好ましい。シラノール基の数が上記範囲であれば、感光性組成物の保存安定性が良好である。なお、ここでいうポリシロキサン全量中のシラノール基の数とは、ポリシロキサン成分に含まるポリシロキサンが有するシラノール基の数の合計値を意味する。Si原子数についても同様である。
ポリシロキサンは、各構成単位に対応するシラン化合物や、オリゴシロキサンを混合および反応させることによって得られる。例えば対応するトリメトキシシランやジメトキシシランを加水分解、縮合させることによって得られる。加水分解、縮合は公知の方法、条件で適宜行うことができる。例えば、特開平10−324748号公報(特に0085段落〜0087段落)、特開2005−283991号公報(特に0052段落〜054段落)、特開2006ー276598号公報(特に0009段落〜0030段落)等に記載された手順や条件を参考にすることができる。
上述した構成単位a1の酸分解性基は、保護されたシラン化合物を用いて導入してもよいし、高分子反応で導入してもよい。
なお、特開平10−324748号公報(特に0085段落〜0087段落)に記載のように、(A)ポリシロキサンに、カルボキシ基を含む構成単位を導入する場合には、対応するカルボン酸のアルキルエステルを有するシランを用いてポリシロキサンを合成し、アルキルエステルを一般的な方法で加水分解してカルボキシ基を有する構成単位を得ることが好ましい。
また、ポリシロキサンに、カルボキシ基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を導入するには、カルボキシ基を有する構成を有するポリシロキサンを合成後、所謂高分子反応で酸分解性基を導入してカルボキシ基を保護することが好ましい。
また、ポリシロキサンに、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を導入するには、フェノール性水酸基を有するポリシロキサンを合成後、所謂高分子反応で、酸分解性基を導入してフェノール性水酸基を保護することが好ましい。
以下に、ポリシロキサン成分Aの好ましい実施形態を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
上述した(1)の態様において、構成単位a1および構成単位a2を有するポリシロキサンA1が、さらに、構成単位a3および/または構成単位a4を有する態様。
(第2の実施形態)
上述した(2)の態様において、構成単位a1を有するポリシロキサンA2が、さらに、構成単位a3および/または構成単位a4を有する態様。
(第3の実施形態)
上述した(2)の態様において、構成単位a2を有するポリシロキサンA3が、さらに、構成単位a3および/または構成単位a4を有する態様。
(第4の実施形態)
上記第1〜第3の実施形態のいずれかにおいて、少なくとも構成単位a3を含む態様。
(第5の実施形態)
上述した(1)および/または(2)の態様において、実質的に構成単位a1および構成単位a2を含まずに、構成単位a3および/または構成単位a4を有するポリシロキサンを有する態様。
(第6の実施形態)
上記第1〜第5の実施形態の2以上の組み合わせからなる形態。
実質的に構成単位a1および構成単位a2を含まずに、構成単位a3および/または構成単位a4を有するポリシロキサンを有する態様においては、構成単位a1および/または構成単位a2を有するポリシロキサンの合計量と、実質的に構成単位a1および構成単位a2を含まずに、構成単位a3および/または構成単位a4を有するポリシロキサンの合計量との質量割合は、99:1〜5:95が好ましく、97:3〜30:70がより好ましく、95:5〜50:50がさらに好ましい。
また、構成単位a1および/または構成単位a2を有するポリシロキサンの合計含有量は、ポリシロキサンの全含有量に対して60質量%以上が好ましく、70質量%以上が好ましく、90質量%以上が最も好ましい。
本発明の感光性組成物におけるポリシロキサン成分Aの含有量は、感光性組成物の全固形成分100質量部に対して、50質量部以上が好ましく、60質量部以上がより好ましく、70質量部以上が更に好ましい。上限は、例えば、99質量部以下がより好ましい。
<光酸発生剤B>
本発明の感光性組成物は、pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤Bを含有する。光酸発生剤Bとしては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましい。なお本発明において、pKaは、基本的に25℃の水中におけるpKaを指す。水中で測定できないものは、測定に適する溶剤に変更し測定したものを指す。具体的には、化学便覧等に記載のpKaが参考にできる。pKaが3以下の酸としては、スルホン酸またはホスホン酸であることが好ましく、スルホン酸であることがより好ましい。
光酸発生剤の例として、オニウム塩化合物、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、および、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、オニウム塩化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物が好ましく、オニウム塩化合物、オキシムスルホネート化合物が特に好ましい。光酸発生剤は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類、およびジアゾメタン化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0083〜0088に記載の化合物や、特開2011−105645号公報の段落番号0013〜0049に記載の化合物が例示でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
イミドスルホネート化合物の具体例としてはWO2011/087011号公報の段落番号0065〜0075に記載の化合物が例示でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
オニウム塩としては、ジアリールヨードニウム塩類やトリアリールスルホニウム塩類が好ましく例示できる。
ジアリールヨードニウム塩類としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナートが好ましく挙げられる。
トリアリールスルホニウム塩類としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、又は、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテートが好ましく挙げられる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記一般式(B1−1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示できる。
一般式(B1−1)
Figure 2017049327
一般式(B1−1)中、R21は、アルキル基またはアリール基を表す。波線は他の基との結合を表す。
一般式(B1−1)中、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、ハロゲン原子、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、環状のアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてもよい。
上記一般式(B1−1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、特開2014−238438号公報段落0108〜0133に記載のオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
イミドスルホネート系化合物としては、ナフタレンイミド系化合物が好ましく、国際公開WO11/087011号パンフレットの記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。本発明では特に、トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エンジカルボキシイミド、スクシンイミドトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホネート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドプロパンスルホネートが好ましく挙げられる。
本発明の感光性組成物において、光酸発生剤Bの含有量は、感光性組成物の全固形成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。下限は、例えば、0.2質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。上限は、例えば、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
<溶剤C>
本発明の感光性組成物は、溶剤Cを含有する。本発明の感光性組成物は、本発明の必須成分と、さらに後述の任意の成分を溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。溶剤Cとしては、必須成分および任意成分を溶解し、各成分と反応しないものが好ましい。
本発明において、溶剤Cとしては、公知の溶剤を用いることができる。例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類(例えばジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなど)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。また、特開2011−221494号公報の段落番号0174〜0178に記載の溶剤、特開2012−194290公報の段落番号0167〜0168に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。好ましい溶剤の具体例として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、1、3ーブチレングリコールジアセテートを挙げることができる。
本発明の感光性組成物における溶剤Cの含有量は、感光性組成物中の全成分100質量部に対し、50〜95質量部であることが好ましい。下限は、60質量部以上がより好ましい。上限は、90質量部以下がより好ましい。溶剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<化合物S>
本発明の感光性組成物は、下式S1で表される構造および下式S2で表される構造を有する化合物Sを含む。以下、S1で表される構造を構造S1ともいう。また、式S2で表される構造を構造S2ともいう。
Figure 2017049327
式中、波線は、化合物Sを構成する原子団との結合位置を表し、
1はアルキル基を表し、
2は、水素原子またはアルキル基を表し、
1は、単結合または2価の連結基を表し、L1が2価の連結基を表す場合、R1はL1と結合して環を形成してもよく、
Rfは、フッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表し、
100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、
100は、水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
nは、0〜30の整数を表し、
nが0のとき、R100は、ヒドロキシ基を表し、
nが1のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
nが2〜30のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、複数のL100は同一であってもよく、異なってもよい。
まず、構造S1について説明する。
式S1において、R1はアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましく、1または2が特に好ましく、1が最も好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐および環状のいずれでよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。
1が2価の連結基を表す場合、R1はL1と結合して環を形成してもよい。R1とL1とが結合して形成する環としては、例えば、テトラヒドロフラニル基およびテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
式S1において、R2は、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基は、R1で説明したアルキル基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。R2は、水素原子が好ましい。
式S1において、L1は、単結合または2価の連結基を表す。
2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基およびこれらを組み合わせてなる基が挙げられる。
アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。アルキレン基は、直鎖または環状が好ましく、直鎖がより好ましい。アルキレン基は、エーテル結合、エステル結合およびアミド結合から選ばれる1種以上の結合を介して連結していてもよく、これらの結合を有していなくてもよい。アルキレン基は、前述の結合を有さないことが好ましい。また、アルキレン基は、無置換であってもよく、置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。置換基としては、ハロゲン原子が例示できる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、フッ素原子が好ましい。
アリーレン基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。アリーレン基は、無置換であってもよく、置換基を有してもよい。無置換が好ましい。置換基としては、ハロゲン原子が例示できる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、フッ素原子が好ましい。
1は、単結合またはアルキレン基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。
式S1において、Rfは、フッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表す。フルオロアルキル基の炭素数は、1〜12が好ましい。下限は、3以上が好ましく、4以上がより好ましい。上限は、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下が更に好ましい。
Rfが表すフルオロアルキル基は、直鎖、分岐および環状のいずれでもよく、直鎖または環状が好ましく、直鎖がより好ましい。この態様によれば、塗布性を良好にできる。さらには、硬化膜上に積層される上層との密着性をより向上できる。
本発明において、Rfは、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。パーフルオロアルキル基の炭素数は、3〜6が好ましく、4〜6が更に好ましい。この態様によれば、塗布性を良好にできる。さらには、硬化膜上に積層される上層との密着性をより向上できる。
なお、本発明において、フルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換されたアルキル基を意味する。すなわち、フルオロアルキル基とは、フッ素原子を置換基として有するアルキル基である。また、パーフルオロアルキル基とは、フルオロアルキル基の一種であって、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子で置換されたアルキル基を意味する。
式S1において、L1とRfとの組み合わせの好ましい具体例としては、以下が挙げられる。CF3CH2CH2−、CF3CF2CH2CH2−、CF3(CF22CH2CH2−、CF3(CF23CH2CH2−、CF3(CF24CH2CH2−、CF3(CF25CH2CH2−、CF3(CF26CH2CH2−、CF3(CF27CH2CH2−、(CF33CCH2CH2−等が挙げられる。このなかでも、CF3(CF23CH2CH2−、CF3(CF24CH2CH2−、CF3(CF25CH2CH2−、(CF33CCH2CH2−が好ましく、CF3(CF25CH2CH2−が特に好ましい。
次に、構造S2について説明する。
式S2において、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、
100は、水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
nは、0〜30の整数を表す。
式S2において、L100が表すアルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましい。L100が表すアルキレン基は、直鎖、分岐が好ましく、分岐がより好ましい。L100が表すアルキレン基の分岐数は、1〜2が好ましく、1がより好ましい。L100が表すアルキレン基は、置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。
式S2において、R100が表すアルキル基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい。R100が表すアルキル基は、直鎖、分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。R100が表すアルキル基は、置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。
式S2において、nは、0〜30の整数を表す。下限は、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましい。上限は、20以下が好ましく、15以下がより好ましい。
なお、nは、0〜30の整数を表すが、本発明の感光性組成物は、化合物Sにおけるnが異なるものを複数含んでいてもよい。従って、本発明の感光性組成物に含まれる化合物Sの、nの平均値は整数にならない場合がある。本発明において、1つの化合物Sにおける、nは0〜30の整数を表すことが好ましい。
式S2において、nが0のとき、R100は、ヒドロキシ基を表し、
nが1のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
nが2〜30のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、複数のL100は同一であってもよく、異なってもよい。
この態様によれば、優れた親水性が得られ易い。特に、親水性向上の観点から、式S2は、以下の(1)〜(3)の態様が好ましく、(2)または(3)の態様がより好ましく、(3)の態様が更に好ましい。
(1)nが0で、R100がヒドロキシ基を表す構造。
(2)nが1で、L100が炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、R100が水素原子を表す構造
(3)nが2〜30で、L100が炭素数1〜12のアルキレン基で、R100が水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す構造。
化合物Sは、構造S1を1つのみ有していてもよく、2以上有してもよい。また、構造S1を2以上有する場合は、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
また、化合物Sは、構造S2を1つのみ有していてもよく、2以上有してもよい。また、構造S2を2以上有する場合は、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
本発明の感光性組成物は、化合物Sを、ポリシロキサン成分Aの100質量部に対して、0.001〜20質量部含有することが好ましい。下限は、0.005質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましい。上限は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましく、2質量部以下が特に好ましい。
本発明において、化合物Sは、低分子化合物であってもよく、重合体であってもよい。塗布性の観点から、化合物Sは重合体であることが好ましい。
(化合物Sが低分子化合物である場合)
化合物Sが低分子化合物である場合、化合物Sは、下記式S−100で表される化合物が好ましい。
Figure 2017049327
1はアルキル基を表し、
2は、水素原子またはアルキル基を表し、
1は、単結合または2価の連結基を表し、L1が2価の連結基を表す場合、R1はL1と結合して環を形成してもよく、
Rfは、フッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表し、
100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、
100は、水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
nは、0〜30の整数を表し、
nが0のとき、R100は、ヒドロキシ基を表し、
nが1のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
nが2〜30のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、複数のL100は同一であってもよく、異なってもよく、
Aは単結合または(p+q)価の連結基を表し、
pおよびqは、それぞれ独立に1以上の整数を表し、
Aは単結合が単結合の場合、pおよびqは、それぞれ1を表す。
式S−100において、R1、R2、L1、Rf、L100、R100およびnは、上述した式S1およびS2で説明した範囲と同義である。
式S−100において、Aは単結合または(p+q)価の連結基を表す。
(p+q)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれる。
(n+k)価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位または以下の構造単位が2以上組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
Figure 2017049327
式S−100において、pおよびqは、それぞれ独立に1以上の整数を表す。pとqの合計数の上限は、特に限定はないが、10以下とすることができ、6以下とすることもできる。下限は、2以上である。
化合物Sが低分子化合物である場合、化合物Sの分子量は、100〜1000が好ましい。下限は、120以上が好ましく、150以上がより好ましい。上限は、500以下が好ましく、400以下がより好ましい。なお、低分子化合物の分子量は、構造式から計算できる場合は、構造式から求めた理論値であり、構造式から計算できない場合は、後述する実施例に記載の方法に準拠したGPC測定によるポリスチレン換算値による重量平均分子量である。
低分子化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。なお、以下において、Rfaは、炭素数3〜8の直鎖または分岐のパーフルオロアルキル基を表す。Rfaは、炭素数4〜6の直鎖のパーフルオロアルキル基が好ましい。
Figure 2017049327
(化合物Sが重合体である場合)
化合物Sが重合体である場合、化合物Sは、構造S1を側鎖に有する構成単位S1−1と、構造S1を側鎖に有する構成単位S2−1とを有する重合体であることが好ましい。
構成単位S1−1および構成単位S2−1の主鎖構造は、アクリル系、スチレン系、シクロオレフィン系などが挙げられ、アクリル系が好ましい。アクリル系の主鎖構造としては、例えば、下記P1で表される構造が挙げられる。スチレン系の主鎖構造としては、例えば、下記P2で表される構造が挙げられる。シクロオレフィン系の主鎖構造としては、例えば、下記P3で表される構造が挙げられる。式中、R11は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、*は、側鎖との結合位置を表す。
Figure 2017049327
構成単位S1−1がアクリル系の主鎖構造である具体例としては、例えば、下記S1−2で表される構造が挙げられる。構成単位S1−1がスチレン系の主鎖構造である具体例としては、例えば、下記S1−100で表される構造が挙げられる。構成単位S1−1がシクロオレフィン系の主鎖構造である具体例としては、例えば、下記S1−200で表される構造が挙げられる。
また、構成単位S2−1がアクリル系の主鎖構造である具体例としては、例えば、下記S2−2で表される構造が挙げられる。構成単位S2−1がスチレン系の主鎖構造である具体例としては、例えば、下記S2−100で表される構造が挙げられる。構成単位S2−1がシクロオレフィン系の主鎖構造である具体例としては、例えば、下記S2−200で表される構造が挙げられる。
Figure 2017049327
式S1−1、S1−100およびS1−200において、
11は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R12はアルキル基を表し、
13は、水素原子またはアルキル基を表し、
10は、単結合または2価の連結基を表し、L10が2価の連結基を表す場合、R12はL10と結合して環を形成してもよく、
Rfは、フッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表す。
式S2−2において、
101は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
101は、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
n1は0〜30の整数を表し、
n1が0または1のとき、R101は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
n1が2〜30のとき、複数のL101は同一であってもよく、異なってもよい。
式S2−100およびS2−200において、
110は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、
110は、水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
n10は、0〜30の整数を表し、
n10が0のとき、R110は、ヒドロキシ基を表し、
n10が1のとき、L110は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、R110は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
n10が2〜30のとき、L110は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、R110は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、複数のL110は同一であってもよく、異なってもよい。
本発明において、化合物Sは、構成単位S1−1、構成単位S2−1以外の構成単位(他の構成単位)を更に有してもよい。
他の構成単位としては、例えば、架橋性基を有する構成単位などが挙げられる。架橋性基を有する構成単位の態様としては、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基)で表される基およびエチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む構成単位が挙げられる。架橋性基は、エポキシ基、オキセタニル基、および、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基)で表される基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、エポキシ基及び/又はオキセタニル基がより好ましい。
他の構成単位の含有量は、重合体の全構成単位に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。下限は、例えば1質量%とすることもできる。また、他の構成単位を実質的に含有しないこともできる。他の構成単位を実質的に含有しないとは、重合体の全構成単位に対して、他の構成単位の含有量が0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、他の構成単位を含有しないことが一層好ましい。
本発明において、化合物Sは、下式S1−2で表される構成単位(以下、構成単位S1−2ともいう)と、下式S2−2で表される構成単位(以下、構成単位S2−2ともいう)とを有する重合体であることが好ましい。
Figure 2017049327
式中、R11は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
12はアルキル基を表し、
13は、水素原子またはアルキル基を表し、
10は、単結合または2価の連結基を表し、L10が2価の連結基を表す場合、R12はL10と結合して環を形成してもよく、
Rfは、フッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表し、
101は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
101は、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
n1は0〜30の整数を表し、
n1が0または1のとき、R101は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
n1が2〜30のとき、複数のL101は同一であってもよく、異なってもよい。
式S1−2において、R12、R13、L10およびRfは、上述した式S1で説明したR1、R2、L1およびRfと同義である。
式S1−2および式S2−2において、R11は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、水素原子またはメチル基が好ましい。
式S2−2において、L101は、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐が好ましく、分岐がより好ましい。アルキレン基の分岐数は、1〜2が好ましく、1がより好ましい。アルキレン基は、置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。
式S2−2において、R101は、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。R101が表すアルキル基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい。R101が表すアルキル基は、直鎖、分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。R101が表すアルキル基は、置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。R101は、水素原子であることが好ましい。
n1は、0〜30の整数を表す。下限は、1以上が好ましい。上限は、20以下が好ましく、15以下がより好ましい。n1が0または1のとき、R101は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、n1が2〜30のとき、複数のL101は同一であってもよい。
なお、n1は、0〜30の整数を表すが、本発明の感光性組成物は、化合物Sにおけるn1が異なるものを複数含んでいてもよい。従って、本発明の感光性組成物に含まれる化合物Sの、n1の平均値は整数にならない場合がある。
本発明において、化合物Sは、構成単位S1−1と、構成単位S2−1の含有量の合計が、化合物Sの全構成単位の70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。上記範囲であれば、塗布性が良好で、硬化膜上に積層される上層との密着性に優れた硬化膜を形成しやすい。また、構成単位S1−1と、構成単位S2−1との質量比は、構成単位S1−1:構成単位S2−1=5:95〜95:5であることが好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、15:85〜85:15がより好ましい。
本発明において、化合物Sは、構成単位S1−1と、構成単位S2−1とを、化合物Sの全構成単位の60モル%以上有することが好ましく、70モル%以上含有することがより好ましく、80モル%以上含有することが更に好ましい。上記範囲であれば、塗布性が良好で、硬化膜上に積層される上層との密着性に優れた硬化膜を形成しやすい。また、構成単位S1−1と、構成単位S2−1とのモル比は、構成単位S1−1:構成単位S2−1=95:5〜5:95であることが好ましく、80:20〜10:90がより好ましく、70:30〜10:90がより好ましい。
本発明において、化合物Sは、構成単位S2−2として、n1が0で表される構造と、n1が1以上で表される構造とをそれぞれ1種類以上有してもよい。
すなわち、化合物Sは、上記構成単位S1−2と、下式S2−2−1で表される構成単位(構成単位S2−2−1ともいう)、下式S2−2−2で表される構成単位(構成単位S2−2−2ともいう)、および、下式S2−2−3で表される構成単位(構成単位S2−2−3ともいう)から選ばれる少なくとも一種の構成単位とを有する重合体であってもよい。
なかでも、構成単位S1−2と、構成単位S2−2−1及び/又は構成単位S2−2−2を有する重合体が好ましい。
重合体の全構成単位中における、構成単位S2−2−1と構成単位S2−2−2との合計含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、40質量%以上が特に好ましい。上限は、例えば、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。
また、重合体の全構成単位中における、構成単位S2−2−1の含有量は、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、40質量%以上が特に好ましい。上限は、例えば、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。
また、重合体の全構成単位中における、構成単位S2−2−2の含有量は、重合体の全構成単位に対して、1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
また、重合体の全構成単位中における、構成単位S2−2−3の含有量は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が特に好ましい。また、構成単位S2−2−3を実質的に含有しないことも好ましい。構成単位S2−2−3を実質的に含有しないとは、重合体の全構成単位に対して、構成単位S2−2−3の含有量が0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、構成単位S2−2−3を含有しないことが一層好ましい。この態様によれば、優れた塗布性が得られ易い。
Figure 2017049327
式中、R11は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
101は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
102は、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
103は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、
n1aは1〜30の整数を表し、
n1aが1のとき、R102は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
n1aが2〜30のとき、複数のL101は同一であってもよく、異なってもよい。
11、L101およびR102は、S2−2のR11、L101およびR101と同義である。
103が表すアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。アルキル基は、置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。
本発明において、化合物Sは、下式S1−3で表される構成単位(以下、構成単位S1−3ともいう)と、下式S2−3で表される構成単位(以下、構成単位S2−3ともいう)とを有する重合体であることが好ましい。
Figure 2017049327
式中、R21は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
22は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、
23は、水素原子を表し、
20は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
Rf1は、炭素数3〜6のパーフルオロアルキル基を表し、
22は、L20と結合して環を形成してもよく、
201は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
201は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
n2は1〜20の整数を表し、n2が2〜20のとき、複数のL201は同一であってもよく、異なってもよい。
式S1−3および式S2−3において、R21は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、水素原子またはメチル基が好ましい。
式S1−3において、R22は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R23は、水素原子を表す。R22が表すアルキル基の炭素数は、1または2が好ましく、1がより好ましい。
22は、L20と結合して環を形成してもよい。R22とL20とが結合して形成する環としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基およびテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
式S1−3において、L20は、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がより好ましい。アルキレン基は、直鎖または環状が好ましく、直鎖がより好ましい。アルキレン基は、エーテル結合、エステル結合およびアミド結合から選ばれる1種以上の結合を有してもよく、これらの結合を有していなくてもよい。アルキレン基は、前述の結合を有さないことが好ましい。また、アルキレン基は、無置換であってもよく、置換基を有してもよい。無置換が好ましい。
式S1−3において、Rf1は、炭素数3〜6のパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基の炭素数は、3〜6が好ましく、4〜6が更に好ましい。パーフルオロアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または環状が好ましく、直鎖がより好ましい。
式S2−3において、L201が表すアルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましい。L201が表すアルキレン基は、直鎖、分岐が好ましく、分岐がより好ましい。L201が表すアルキレン基の分岐数は、1〜2が好ましく、1がより好ましい。L201が表すアルキレン基は、置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。
式S2−3において、R201が表すアルキル基の炭素数は、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい。R201が表すアルキル基は、直鎖、分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。R201が表すアルキル基は、置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。R201は、水素原子が好ましい。
式S2−3において、n2は1〜20の整数を表す。下限は、2以上が好ましく、3以上が更に好ましい。上限は、15以下が好ましい。なお、n2は、1〜20の整数を表すが、本発明の感光性組成物は、化合物Sにおけるn2が異なるものを複数含んでいてもよい。従って、本発明の感光性組成物に含まれる化合物Sの、n2の平均値は整数にならない場合がある。本発明において、1つの化合物Sにおける、n2は1〜20の整数を表すことが好ましい。
本発明において、化合物Sは、構成単位S1−3および構成単位S2−3の他に、上記構造S2−2−2及び/又は上記構造S2−2−3を更に有してもよい。他の構成単位は、構成単位S2−2−2が好ましい。この態様によれば、塗布性および上層との密着性をより良好にできる。
構成単位S2−2−2の含有量は、重合体の全構成単位に対して、1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
構成単位S2−2−3の含有量は、重合体の全構成単位に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が特に好ましい。また、重合体は、構成単位S2−2−3を実質的に含有しないことも好ましい。構成単位S2−2−3を実質的に含有しないとは、重合体の全構成単位に対して、構成単位S2−2−3の含有量は0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、構成単位S2−2−3を含有しないことが一層好ましい。この態様によれば、優れた塗布性が得られ易い。
本発明において、化合物Sが重合体である場合、化合物Sの重量平均分子量は、100〜100000が好ましい。下限は、300以上が好ましく、1000以上がより好ましい。上限は、30000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、5000以下が特に好ましい。化合物Sの分子量が上記範囲であると、塗布性が良好である。
化合物Sの分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.2〜3.0がより好ましい。
化合物Sの具体例としては、例えば以下に示す構造および、後述する実施例に示す構造が挙げられる。以下において、Rは水素原子またはメチル基を表し、n100は、1〜20の整数を表し、Rfbは、炭素数3〜8の直鎖または分岐のパーフルオロアルキル基を表す。n100は、2〜20の整数が好ましい。Rfbは、炭素数4〜6の直鎖のパーフルオロアルキル基が好ましい。
Figure 2017049327
<アルコキシシラン化合物>
本発明の感光性組成物は、ポリシロキサン成分A以外の成分として、更に、アルコキシシラン化合物を含有してもよい。アルコキシシラン化合物は、エポキシ基、エチレン性不飽和基、クロロ基で置換されたアルキル基およびメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1種とアルコキシシラン構造とを有する化合物が好ましい。このような化合物を配合することにより、感度をより向上させることができるとともに、感光性組成物の硬化時の基板との密着性をさらに向上させることができる。なお、本発明において、アルコキシシラン化合物は、ポリシロキサン成分Aとは異なる化合物である。
アルコキシシラン化合物は1種類のみ含んでいても良いし、2種以上含んでいても良い。
アルコキシシラン化合物の分子量は特に定めるものではないが、1000未満であることが好ましく、500以下であることがより好ましい。アルコキシシラン化合物の分子量の下限値については、特に定めるものではないが、100以上が好ましく、200以上がより好ましい。1分子中のケイ素原子の数は1個又は2個が好ましく、1個がより好ましい。
アルコキシシラン化合物の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。
市販品としては、信越シリコーン(株)製のKBM−403、KBM−5103、KBM−303、KBM−803が例示される。
本発明の感光性組成物が、アルコキシシラン化合物を含有する場合、アルコキシシラン化合物の含有量は、感光性組成物の全固形分中の0.05〜10質量%が好ましい。下限は、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。上限は、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が特に好ましい。
<架橋性基を有する化合物>
本発明の感光性組成物は、架橋性基を有する化合物(以下、「架橋剤」ともいう)を含有してもよい。架橋剤を含有することにより、より強硬な硬化膜を得ることができる。本発明において、架橋剤の分子量は、200〜1,000が好ましい。
架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限は無い。例えば、分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物、アルコキシメチル基含有化合物、エチレン性不飽和基を有する化合物等が挙げられる。分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物およびアルコキシメチル基含有化合物が好ましく、分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物およびアルコキシメチル基含有化合物がより好ましく、分子内に2個以上のエポキシ基および/またはオキセタニル基を有する化合物がさらに好ましい。分子内に2個以上のエポキシ基および/またはオキセタニル基を有する化合物を配合すると、特に耐熱性に優れた硬化膜が得られ易い。架橋剤の詳細については、特開2014−238438号公報の段落0138〜0147の記載、国際公開第2015/087831号の段落0082〜0104の記載、国際公開第2015/087829号の段落0120〜0144の記載を参照でき、この内容は本願明細書に組み込まれることとする。
分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらは市販品として入手できる。例えば、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、JER152、JER157S70、JER157S65、JER806、JER828、JER1007(三菱化学(株)製)など、特開2011−221494号公報の段落番号0189に記載の市販品などが挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物は、特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。
なお、本発明におけるブロックイソシアネート基とは、熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であり、例えば、ブロック剤とイソシアネート基とを反応させイソシアネート基を保護した基が好ましく例示できる。また、上記ブロックイソシアネート基は、90℃〜250℃の熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であることが好ましい。
ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族または芳香族のポリイソシアネートであってよい。骨格の具体例については、特開2014−238438号公報段落0144の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
ブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。ブロック剤の具体例としては、特開2014−238438号公報段落0146の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
アルコキシメチル基含有化合物としては、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリル及びアルコキシメチル化尿素等が好ましい。これらは、それぞれメチロール化メラミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化グリコールウリル、又は、メチロール化尿素のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、アウトガスの発生量の観点から、メトキシメチル基が特に好ましい。これらの化合物のうち、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましい化合物として挙げられ、透明性の観点から、アルコキシメチル化グリコールウリルが特に好ましい。
エチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基を含む化合物が好ましい。(メタ)アクリロイル基を含む化合物は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルからなる群から選択される化合物が挙げられる。エチレン性不飽和基を有する化合物は、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物(2官能(メタ)アクリレート)が好ましく、3個以上有する化合物(3官能以上の(メタ)アクリレート)がより好ましい。2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明の感光性組成物が架橋剤を含有する場合、架橋剤の含有量は、ポリシロキサン成分Aの100質量部に対し、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.1〜30質量部であることがより好ましく、0.5〜25質量部であることがさらに好ましい。この範囲で添加することにより、機械的強度および耐溶剤性に優れた硬化膜が得られる。架橋剤は1種類のみ含んでいても良いし、2種類以上含んでいても良い。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<塩基性化合物>
本発明の感光性組成物は、塩基性化合物を含有してもよい。塩基性化合物としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0204〜0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。具体的には、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、トリフェニルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセン、などが挙げられる。塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性組成物が塩基性化合物を含有する場合、塩基性化合物の含有量は、感光性組成物中の全固形成分100質量部に対し、0.001〜3質量部であることが好ましく、0.005〜1質量部であることがより好ましい。塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の感光性組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、または、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点からフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落番号0026〜0031に記載の化合物、特開2011−227106号公報の段落番号0106〜0116に記載の化合物を挙げる事ができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、アデカスタブLA−52、アデカスタブLA−81、アデカスタブAO−412S、アデカスタブPEP−36(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1035、イルガノックス1098、チヌビン144(以上、BASF製)を挙げる事ができる。
酸化防止剤の含有量は、感光性組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、透明性に優れた膜を形成しやすい。更には、パターン形成時の感度も良好となる。
<その他の成分>
本発明の感光性組成物は、必要に応じて増感剤(例えば、9,10−ジブトキシアントラセンなど)、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、酸増殖剤、現像促進剤、紫外線吸収剤、増粘剤、有機または無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を、それぞれ独立に1種または2種以上、加えることができる。また、添加剤として、トリメリット酸を用いることもできる。また、上記化合物S以外の界面活性剤をさらに含むことができる。
これらの化合物としては、例えば特開2012−88459号公報の段落番号0201〜0224の記載の化合物、特開2014−238438号公報に記載の化合物を使用することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、特開2012−8223号公報の段落番号0120〜0121に記載の熱ラジカル発生剤、WO2011/136074A1に記載の窒素含有化合物および熱酸発生剤も用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<感光性組成物の調製方法>
本発明の感光性組成物は、各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して調製することができる。調製した感光性組成物は、例えば孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用することもできる。フィルターの孔径は、目的とする純度等に応じて適宜調節でき、0.2μmの他に、0.05μm、0.1μm、0.3μm、0.5μmなどを例示することができる。
本発明の感光性組成物は、目的に応じて固形分濃度、粘度、表面張力を調整できる。
スリットコートする場合は、感光性組成物の固形分濃度は2〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、4〜20質量%が更に好ましい。スリットコートする場合の粘度は1〜40mPa・sが好ましく、2〜25mPa・sがより好ましく、3〜20mPa・sが最も好ましい。
感光性組成物の表面張力は、塗布性の観点から10〜100mN/mが好ましく、15〜80mN/mが好ましく、20〜50mN/mが最も好ましい。なお、本発明において、粘度は、25℃での値である。
<感光性組成物の保管方法>
本発明の感光性組成物は、例えば10℃以上30℃以下の温度で保存することもできる。また、0℃以上10℃℃未満、好ましくは0℃以上5℃未満の温度で保存することもできる。また、0℃未満、好ましくは−5℃以下、さらに好ましくは−20℃以下、より好ましくは−20〜−40℃の温度で保存することもできる。長期の保存安定性を確保したい場合には、所謂冷凍保管(好ましくは−5℃以下、さらに好ましくは−20℃以下、より好ましくは−20〜−40℃)が好ましい。
<硬化膜の製造方法>
本発明の硬化膜の製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を含むことが好ましい。
(1)本発明の感光性組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布された感光性組成物から溶剤を除去する工程、
(3)溶剤が除去された感光性組成物を活性光線により露光する工程、
(4)露光された感光性組成物を現像液により現像する工程、
(5)現像された感光性組成物を熱硬化(ポストベーク)する工程。
以下に各工程を順に説明する。
(1)の工程では、本発明の感光性組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜(感光性組成物層)を形成することが好ましい。
(1)の工程では、基板に感光性組成物を塗布する前に、基板に対してアルカリ洗浄やプラズマ洗浄などの洗浄を行ってもよい。また、洗浄後の基板に対してヘキサメチルジシラザンなどで基板表面を処理してもよい。ヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチルジシラザン蒸気中に基板を晒しておく方法等が挙げられる。
基板としては、無機基板、樹脂基板、樹脂複合材料基板などが挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス基板、石英基板、シリコン基板、シリコンナイトライド基板、および、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂基板としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル、マレイミドーオレフィン、セルロース、エピスルフィド化合物等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。樹脂基板を用いる場合、所謂ロールtoロールのプロセスを用いることができる。
これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、最終製品の形態によって、例えば薄膜トランジスター(TFT)素子のような多層積層構造が形成されていてもよい。
基板の大きさは特に限定されない。生産性、塗布性の観点から基板の面積は10000mm2以上10000000mm2以下が好ましい。例えば300mm×400mm角の大きさ、1000mm×1100mmの大きさを例示することができる。
基板への感光性組成物の塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法等の方法を用いることができる。
スリットコート法の場合には基板とスリットダイとの相対移動速度を50〜120mm/secとすることが好ましい。大型基板に効率よく塗布でき、生産性に優れる点で、スリットコートが好ましい。大型基板とは300000mm2以上10000000mm2以下の面積の基板のことをいう。
感光性組成物を塗布したときの湿潤膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができる。例えば、0.5〜10μmが好ましい。
基板に本発明の感光性組成物を塗布する前に、特開2009−145395号公報に記載されているような、所謂プリウェット法を適用することも可能である。
(2)の工程では、感光性組成物を塗布して形成した上記の湿潤膜から、減圧(バキューム)および/または加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥膜を形成させる。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。温度と時間が上記範囲である場合、パターンの密着性がより良好で、且つ残渣もより低減できる傾向にある。乾燥膜の膜厚は、用途に応じて選択でき、特に限定されない。溶剤除去の容易さの観点から0.01〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.1〜5.0μmが最も好ましい。
(3)の工程では、乾燥膜を設けた基板に所定のパターンの活性光線を照射する。この工程では、露光部において、カルボキシ基やフェノール性水酸基等の酸基、またはシラノール基が生成し、露光部における現像液への溶解性が向上する。すなわち、活性光線の照射によって、光酸発生剤が分解して酸が発生する。そして、発生した酸の触媒作用により、塗膜成分中に含まれる酸分解性基が加水分解して、酸基が生成する。
活性光線の光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、発光ダイオード(LED)光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。露光量は好ましくは1〜500mJ/cm2である。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。また、いわゆる超解像技術を用いた露光をすることもできる。超解像技術としては、複数回露光する多重露光や、位相シフトマスクを用いる方法、輪帯照明法などが挙げられる。これら超解像技術を用いることでより高精細なパターン形成が可能となり、好ましい。
酸触媒の生成した領域において、上記の加水分解反応を加速させるために、露光後加熱処理(PEB)を行うことができる。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシ基、フェノール性水酸基の生成を促進させることができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。
(4)の工程では、遊離したカルボキシ基やフェノール性水酸基等の酸基を有する重合体を、現像液を用いて現像する。現像液に溶解しやすい、露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物の水溶液が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、国際公開第2015/087829号の段落0171に記載の化合物が挙げられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が好ましい。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等の何れでもよい。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げる事ができる。
(5)の工程では、得られたポジ画像を加熱することにより、酸分解性基を熱分解してカルボキシ基、フェノール性水酸基を生成させ、架橋性基、架橋剤等と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。また、シラノール基を縮合反応させ、硬化膜を形成することもできる。
この加熱は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180〜400℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜90分間、オーブンならば30〜120分間、加熱処理をすることが好ましい。このように架橋反応を進行させることにより、耐熱性、硬度等により優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
ポストベークの前に、比較的低温でベークを行った後にポストベークすることもできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜180℃で1〜60分加熱した後に、200℃以上の高温でポストベークすることが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱する事もできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより未露光部分に存在する光酸発生剤から酸を発生させ、架橋を促進する触媒として機能させることができ、膜の硬化反応を促進することができる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、100〜3,000mJ/cm2が好ましく、100〜500mJ/cm2が特に好ましい。
本発明の感光性組成物より得られた硬化膜は、永久膜として使用することができるが、ドライエッチングレジストとして使用することもできる。
<硬化膜>
本発明の硬化膜は、上述した本発明の感光性組成物を硬化して得られた硬化膜である。本発明の硬化膜は、層間絶縁膜として好適に用いることができる。
本発明の硬化膜は、上層の密着性に優れている。このため、基板上に上述の(1)〜(5)の方法で所定のパターンの硬化膜を形成した後、この硬化膜の上にさらに本発明の感光性組成物を塗布し、上述の(1)〜(5)の方法で重ねて所定のパターンの硬化膜を形成するのに好適である。このように本発明の感光性組成物を積層してパターンを形成することで、より複雑なパターン(例えば、凹凸があるパターン)を形成することができる。なお、(1)〜(5)の工程を3回以上繰り返してさらに複雑なパターンを形成することもできる。
層間絶縁膜をこのような積層構造体で形成することで、開口率向上、種々の機能複合化などを達成することができる。
<液晶表示装置およびその製造方法>
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有する。また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、本発明の硬化膜の製造方法を含む。
本発明の液晶表示装置としては、本発明の感光性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFT(thin film transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン、酸化物半導体等が挙げられる。酸化物半導体としては所謂IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素から構成される半導体)を例示することができる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。液晶表示装置については、国際公開第2015/087829号の段落00176の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
また、図1に記載の液晶表示装置も挙げられる。図1は、特開2007−328210号公報の図1に記載の液晶表示装置である。
図1において、符号SUB1は、ガラス基板であり、複数の走査信号線と、複数の走査信号線に交差する複数の映像信号線とを有している。各交点近傍には、TFT(薄膜トランジスタ)を有している。
ガラス基板SUB1の上には、下から順に下地膜UC、半導体膜PS、ゲート絶縁膜GI、TFTのゲート電極GT、第1の層間絶縁膜IN1が形成されている。第1の層間絶縁膜IN1の上には、TFTのドレイン電極SD1と、TFTのソース電極SD2とが形成されている。
ドレイン電極SD1は、ゲート絶縁膜GI及び第1の層間絶縁膜IN1に形成されたコンタクトホールを介してTFTのドレイン領域に接続されている。ソース電極SD2は、ゲート絶縁膜GI及び第1の層間絶縁膜IN1に形成されたコンタクトホールを介してTFTのソース領域に接続されている。
ドレイン電極SD1及びソース電極SD2の上には、第2の層間絶縁膜IN2が形成されている。第2の層間絶縁膜IN2の上には、有機絶縁膜PASが形成されている。有機絶縁膜PASは、本発明の感光性組成物を用いて形成できる。
有機絶縁膜PASの上には、対向電極CT及び反射膜RALが形成されている。
対向電極CT及び反射膜RALの上には、第3の層間絶縁膜IN3が形成されている。第3の層間絶縁膜IN3の上には、画素電極PXが形成されている。画素電極PXは、第2の層間絶縁膜IN2及び第3の層間絶縁膜IN3に形成されたコンタクトホールを介してTFTのソース電極SD2と接続されている。
なお、第1の層間絶縁膜IN1、第2の層間絶縁膜IN2、第3の層間絶縁膜IN3も本発明の感光性組成物を用いて形成することができる。
図1に示す液晶表示装置の詳細については、特開2007−328210号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
<有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法>
本発明の有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置は、本発明の硬化膜を有する。また、本発明の有機EL表示装置の製造方法は、本発明の硬化膜の製造方法を含む。
本発明の有機EL表示装置としては、本発明の感光性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の有機EL表示装置を挙げることができる。有機EL表示装置については、国際公開第2015/087829号の段落00177の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
有機EL表示装置の他の態様として、特開2012−203121号公報の図1に記載の画素分離膜(19)や平坦化膜(17)を本発明の感光性組成物を用いて形成することができる。また、特開2013−196919号公報の図1に記載の高抵抗層(18)や画素間絶縁膜(16)や層間絶縁膜(14)や層間絶縁膜(12c)を本発明の感光性組成物を用いて形成することができる。
本発明の感光性組成物は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの隔壁形成に用いることもできる。MEMSデバイスとしては、例えばSAW(Surface Acoustic Wave)フィルター、BAW(Bulk Acoustic Wave)フィルター、ジャイロセンサー、ディスプレイ用マイクロシャッター、イメージセンサー、電子ペーパー、インクジェットヘッド、バイオチップ、封止剤等の部品が挙げられる。より具体的な例は、特表2007−522531、特開2008−250200、特開2009−263544等に例示されている。
本発明の感光性組成物は、例えば特開2011−107476号公報の図2に記載のバンク層(16)および平坦化膜(57)、特開2010−9793号公報の図4(a)に記載の隔壁(12)および平坦化膜(102)、特開2010−27591号公報の図10に記載のバンク層(221)および第3層間絶縁膜(216b)、特開2009−128577号公報の図4(a)に記載の第2層間絶縁膜(125)および第3層間絶縁膜(126)、特開2010−182638号公報の図3に記載の平坦化膜(12)および画素分離絶縁膜(14)などの形成に用いることもできる。この他、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバコネクタのマイクロレンズにも好適に用いることができる。
<タッチパネル、タッチパネル表示装置およびその製造方法>
本発明のタッチパネルは、絶縁層及び/又は保護層の、全部又は一部が本発明の感光性組成物の硬化物からなるタッチパネルである。また、本発明のタッチパネルは、透明基板、電極及び絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。また、本発明のタッチパネルおよびタッチパネル表示装置の製造方法は、本発明の硬化膜の製造方法を含む。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。また、本発明のタッチパネル表示装置は、タッチパネル又は表示装置の絶縁層及び/又は保護層の全部又は一部が本発明の感光性組成物の硬化物からなるタッチパネル表示装置であってもよい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。
タッチパネル表示装置としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013−168125号公報の図19)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch on Lens)型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6、WO2013/141056号公報の図1、特許5673782号公報の図2)、各種アウトセル型(いわゆる、GG方式、G1方式・G2方式、GFF方式、GF2方式、GF1方式、G1F方式など)を挙げることができる。
また、タッチパネルとしては、特開2015−103102号公報の段落0288〜0296の記載および、図7〜9を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれることとする。
静電容量方式のタッチパネルおよび静電容量方式のタッチパネルを構成要素として備えるタッチパネル表示装置は、「最新タッチパネル技術」(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、「タッチパネルの技術と開発」シーエムシー出版(2004,12)、「FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック」、「Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292」等に開示されている構成を適用することができる。
図2は、タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。
本発明の硬化膜は、図2における、各層の間における保護膜に適用することが好適であり、また、タッチパネルの検出電極間を隔てる層間絶縁膜に適用することも好適である。なお、タッチパネルの検出電極としては、透明電極(ITO(Indium Tin Oxide)及びIZO(Indium Zinc Oxide)など)及び金属電極(銀、銅、モリブデン、チタン、アルミニウムなど、並びに、それらの積層体及び合金など)、又は、これらの積層体であることが好ましい。
図2において、110は画素基板を、140は液晶層を、120は対向基板を、130はセンサ部をそれぞれ示している。画素基板110は、図2の下側から順に、偏光板111、透明基板112、共通電極113、絶縁層114、画素電極115、配向膜116を有している。対向基板120は、図2の下側から順に、配向膜121、カラーフィルター122、透明基板123を有している。センサ部130は、位相差フィルム124、接着層126、偏光板127をそれぞれ有している。また、図2中、125は、センサ用検出電極である。本発明の硬化膜は、画素基板部分の絶縁層(114)(層間絶縁膜ともいう。)や各種保護膜(図示せず)、画素基板部分の各種保護膜(図示せず)、対向基板部分の各種保護膜(図示せず)、センサ部分の各種保護膜(図示せず)等に使用できる。
更に、スタティック駆動方式の液晶表示装置でも、本発明を適用することで意匠性の高いパターンを表示させることも可能である。例として、特開2001−125086号公報に記載されているようなポリマーネットワーク型液晶の絶縁膜として本発明を適用することができる。
また、図3は、タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の他の一例の構成概念図である。薄膜トランジスタ(TFT)440が具備された薄膜トランジスタ表示板に相当する下部表示板200、下部表示板200と対向して下部表示板200と対向する面に複数のカラーフィルター330が具備されたカラーフィルター表示板に相当する上部表示板300、及び、下部表示板200と上部表示板300の間に形成された液晶層400を含む。液晶層400は液晶分子(図示せず)を含む。
下部表示板200は、第1絶縁基板210、第1絶縁基板210の上に配置する薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタ(TFT)の上面に形成された絶縁膜280、及び絶縁膜280の上に配置する画素電極290を含む。薄膜トランジスタ(TFT)は、ゲート電極220、ゲート電極220を覆うゲート絶縁膜240、半導体層250、オーミックコンタクト層260、262、ソース電極270、及び、ドレイン電極272を含むことができる。絶縁膜280には薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極272が露出するようにコンタクトホール282が形成されている。
上部表示板300は、第2絶縁基板310の一面の上に配置して、マトリックス状に配列された遮光部材320、第2絶縁基板310の上に配置するカラーフィルター330、及び、遮光部材320及びカラーフィルター330の上に配置する配向膜350、及び、配向膜350の上に配置し、下部表示板200の画素電極290と対応して、液晶層400に電圧を印加する共通電極370を含む。
図3に示す液晶表示装置において、第2絶縁基板310の他の一面にはタッチセンシング電極410、絶縁膜420、タッチ駆動電極430、及び、保護膜600を配置する。この液晶表示装置においては、上部表示板300を形成する時に、タッチスクリーンの構成要素であるセンシング電極410、絶縁膜420、及び、タッチ駆動電極430などを共に形成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。また、NMRは、核磁気共鳴の略称である。
<重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定>
MwおよびMnは、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
カラムの種類:TSK gel Super(東ソー)
展開溶媒:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流量(サンプル注入量):10μl
装置名: HLC−8220GPC(東ソー)
検量線ベース樹脂:ポリスチレン
<ポリシロキサンの合成例>
(A1−1の合成) 酸分解性基で保護されたカルボキシ基と、エポキシ基とを有するポリシロキサンの合成
3−トリクロロシリル−1−シクロヘキシルカルボン酸メチルエステル12.4g(0.045mol)、グリシドキシプロピルトリクロロシラン11.2g(0.045mol)、メチルトリクロロシラン0.745g(0.005mol)、フェニルトリクロロシラン1.06g(0.005mol)をトルエン150gに溶解し、水300g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。滴下終了後、反応混合物より酸性水層を分離し、次いで水1Lで有機層を水洗し、水層が中性になってからさらに2回水洗を行った。有機層をエバポレーターにより溶媒留去した。その濃縮液を60℃で5時間加熱し、重合した。
重合物にテトラヒドロフラン800gを加えて溶解したものを、10%水酸化ナトリウム溶液1,000gへ滴下し、40℃で3時間加熱し、メチルエステル基を加水分解した。塩酸で酸性にしてポリマーを晶出し、濾過、乾燥を行いA1−1前駆体(A1−1のカルボキシ基がテトラヒドロフラニル保護されていないポリマー)を得た。
得られたA1−1前駆体の100gを、テトラヒドロフラン400mLに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらジヒドロフラン30gをテトラヒドロフラン30gに溶解させた溶液を滴下した。
30分反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和した反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン300mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、乾燥してA1−1を得た。A1−1は、テトラヒドロフラニル基で保護されたカルボキシ基と、カルボキシ基と、エポキシ基と、メチル基と、フェニル基とをそれぞれ側鎖に有するポリシロキサンであった。
1H−NMRによる分析により、A1−1においては、カルボキシ基の78モル%がテトラヒドロフラニル化されたことが分かった。
A1−1の合成に使用したシラン化合物の種類及びモル比を以下に示す。
Figure 2017049327
(A1−2の合成) 酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基と、エポキシ基とを有するポリシロキサンの合成
4−ヒドロキシベンジルトリメトキシシラン114.2g(0.5モル)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン94.5g(0.4モル)、メチルトリメトキシシラン6.8g(0.05モル)、フェニルトリメトキシシラン9.9g(0.05モル)、DAA(ジアセトンアルコール)250gを、三口フラスコに仕込み、室温で攪拌しながら、水54gにリン酸0.176g(仕込みシラン化合物に対して0.1質量%)を溶かしたリン酸水溶液を、30分かけて添加した。その後、三口フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、60℃で5時間反応させた。
反応中に副生成物であるメタノールが留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液を多量の水に注いでポリマーを析出させ、ろ過、乾燥してA1−2前駆体を得た。
得られたA1―2前駆体の100gを、テトラヒドロフラン400mLに溶解させ、触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加後、20℃で撹拌しながらエチルビニルエーテル30gをテトラヒドロフラン30gに溶解させた溶液を滴下した。
30分反応させた後、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和した反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン300mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、乾燥してA1−2を得た。
GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は5000であった。
1H−NMRによる分析において、A1−2においては、フェノール性水酸基の水素原子の70モル%がエトキシエチル化されたことが確認された。
A1−2の合成に使用したシラン化合物の種類及びモル比を以下に示す。
Figure 2017049327
(A1―3の合成) 酸分解性基で保護されたシラノール基と、エポキシ基とを有するポリシロキサンの合成
フェニルトリメトキシシラン89.2g(0.45モル)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン110.9g(0.45モル)、メタノール360gを三つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら10℃以下に氷冷した。滴下ロートに0.1mol/Lの酢酸水溶液90gを仕込み、氷冷しながら滴下したところ、発熱を伴い加水分解縮合反応が進行した。内温を室温まで上昇させ、2時間撹拌熟成した後、エステルアダプターを設置し、加熱常圧にてメタノール留去を行った。内温がメタノールの沸点を超えるまで留去を続けることによって、白濁粘ちょうなポリシロキサン溶液を得た。この時、捕捉したメタノール量は382gであった。このポリシロキサン溶液に酢酸エチル300gを添加し、溶解した溶液を純水にて2回水洗を行った。このポリシロキサン溶液をロータリーエバポレーターにて濃縮することにより、無色透明のポリシロキサン溶液を233g(固形分濃度62.2質量%)得た。
得られたポリシロキサン溶液80.4gを酢酸エチル溶液からテトラヒドロフラン溶液(固形分濃度20質量%)に溶媒置換した後、三つ口フラスコに仕込み、メタンスルホン酸1.0g(0.01モル)を添加した。
次に、10℃以下に氷冷し撹拌しながら、エチル−1−プロペニルエーテル19.4g(0.23モル)を滴下ロートにて内温を10℃以下に保ちながら滴下した。滴下後室温にて2時間反応させた後、トリエチルアミン1.0g(0.01モル)を添加し反応を終了した。反応液を1Lナスフラスコに移し、常温減圧下ロータリーエバポレーターにてテトラヒドロフランを留去し、メチルイソブチルケトン300g及び0.01mol/L酢酸水溶液250mLを添加し反応液を水洗浄した。この洗浄操作を合計3回繰り返した後、有機層を分離、ロータリーエバポレーターにて濃縮して、シラノール基がアセタール保護されたポリシロキサンA1−3を49.0g得た。
1H−NMRによる分析において、A1ー4においては、シラノール基の32.5モル%がアセタール化されたことが確認された。
(A1−4の合成) 酸分解性基で保護されたカルボキシ基と、エポキシ基とを有するポリシロキサンの合成
シラン化合物を、以下に示す化合物及びモル比で使用し、保護基の種類と量を調整した以外はA1−1と同様にして、下記シラン化合物を混合、反応させ、高分子反応で保護基を導入し、A1ー4を合成した。
1H−NMRによる分析において、A1ー4においては、カルボキシ基の78モル%がテトラヒドロフラニル化されたことが確認された。
Figure 2017049327
(A1−5合成) 酸分解性基で保護されたカルボキシ基と、エポキシ基とを有するポリシロキサンの合成
シラン化合物を、以下に示す化合物及びモル比で使用し、保護基をエトキシエチル基に変更して量を調整した以外はA1−1と同様にして、下記シラン化合物を混合、反応させ、高分子反応で保護基を導入し、A1−5を合成した。
1H−NMRによる分析において、A1−5においては、カルボキシ基の70モル%がエトキシエチル化されたことが確認された。
Figure 2017049327
(A1−6合成) 酸分解性基で保護されたカルボキシ基と、エポキシ基とを有するポリシロキサンの合成
シラン化合物を、以下に示す化合物及びモル比で使用し、保護基の種類と量を調整した以外は、A1-1と同様にして、下記シラン化合物を混合、反応させ、高分子反応で保護基を導入し、A1−5を合成した。
1H−NMRによる分析において、A1−5においては、カルボキシ基の82モル%がテトラヒドロフラニル化されたことが確認された。
Figure 2017049327
(A1−7合成) 酸分解性基で保護されたカルボキシ基と、エポキシ基とを有するポリシロキサンの合成
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル100質量部を仕込み、続いて、メチルトリメトキシシランの1.36質量部と、フェニルトリメトキシシランの1.98質量部と、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物の10.4質量部と、グリシドキシプロピルトリメトキシシランの9.44質量部とを仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。
溶液温度が60℃に到達後、リン酸0.1質量部、イオン交換水9質量部を仕込み、75℃になるまで加熱し、2時間保持した。45℃に冷却後、脱水剤としてオルト蟻酸メチル20質量部を加え、1時間攪拌した。さらに、溶液温度を40℃にし、温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水および加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、A1−7前駆体を得た。A1−7前駆体は、重量平均分子量(Mw)が4000であり、分散度(Mw/Mn(数平均分子量))が2.0であった。
A1−7前駆体のFT−IR(フーリエ変換型赤外分光)分析を行った結果、2500cm−1〜3000cm-1付近のカルボキシル基由来のOH基によるブロードな吸収帯を確認したことから、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸由来のコハク酸残基が加水分解し、カルボキシル基を有していることを確認した。
次いで、得られたA1−7前駆体溶液に、エチルビニルエーテルを40質量部加え、室温で3時間撹拌した。再沈殿、ろ過、乾燥することでA1−7を得た。1H−NMRによる分析において、A1−7においては、カルボキシ基の約60モル%がテトラヒドロフラニル化されたことが確認された。
Figure 2017049327
(A2−1の合成) 酸分解性基で保護されたカルボキシ基を有するポリシロキサンの合成
シラン化合物を、以下に示す化合物及びモル比で使用し、保護基の種類と量を調整した以外はA1−1と同様にして下記シラン化合物を混合、反応させてA2−1前駆体を得た(カルボキシ基がテトラヒドロフランで保護される前のポリシロキサン)。
A2−1前駆体に対し、高分子反応で保護基を導入して、A2−1を合成した。1H−NMRによる分析において、A2−1においては、カルボキシ基の90モル%がテトラヒドロフラニル化されたことが確認された。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は5000であった。
Figure 2017049327
(A2−2の合成) 酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有するポリシロキサンの合成
シラン化合物を、以下に示す化合物及びモル比で使用し、保護基の種類と量を調整した以外はA1−2と同様にして、下記シラン化合物を混合、反応させ、高分子反応で保護基を導入し、A2−2を合成した。1H−NMRによる分析において、A2−2においては、フェノール性水酸基の水素原子の85モル%がエトキシエチル化されたことが確認された。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は6000であった。
Figure 2017049327
(A2―3の合成) 酸分解性基で保護されたシラノール基を有するポリシロキサンの合成
フェニルトリメトキシシラン99.1g(0.5モル)、ジメチルジメトキシシラン60.1g(0.5モル)、メタノール277gを三口フラスコに仕込み、撹拌しながら10℃以下に氷冷した。滴下ロートに0.1mol/Lのメタンスルホン酸水溶液84gを仕込み、氷冷しながら滴下したところ、発熱を伴い加水分解縮合反応が進行した。内温を室温まで上昇させ、2時間撹拌熟成した後、エステルアダプターを設置し、加熱常圧にてメタノール留去を行った。内温がメタノールの沸点を超えるまで留去を続けることによって、白濁粘ちょうなポリシロキサン溶液を得た。この時、捕捉したメタノール量は280gであった。このポリシロキサン溶液に酢酸エチル200gを添加し、溶解した溶液を純水にて2回水洗を行った。このポリシロキサン溶液をロータリーエバポレーターにて濃縮することにより、無色透明のポリシロキサン溶液を185g(固形分濃度60.5質量%)得た。このポリシロキサンのGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は3800であった。
得られたポリシロキサン82.6gを酢酸エチル溶液からテトラヒドロフラン溶液(シロキサン濃度20質量%)に溶媒置換した後、三つ口フラスコに仕込み、メタンスルホン酸1.0g(0.01モル)を添加した。
次に、10℃以下に氷冷し撹拌しながら、3,4−ジヒドロー2H−ピラン23.6g(0.28モル)を滴下ロートにて内温を10℃以下に保ちながら滴下した。滴下後室温にて2時間反応させた後、トリエチルアミン1.0g(0.01モル)を添加し反応を終了した。反応液をナスフラスコに移し、常温減圧下ロータリーエバポレーターにてテトラヒドロフランを留去し、メチルイソブチルケトン300g及び0.01mol/L酢酸水溶液250mLを添加し反応液を水洗浄した。この洗浄操作を合計3回繰り返した後、有機層を分離、ロータリーエバポレーターにて濃縮して、無色透明のアセタール化ポリシロキサンA2―3を48.4g得た。
1H−NMRによる分析において、A2−3においては、シラノール基の61.5モル%がアセタール化されていることが確認された。
(A2−4合成)酸分解性基で保護されたカルボキシ基を有するポリシロキサンの合成
シラン化合物を、以下に示す化合物及びモル比で使用し、保護基をエトキシエチル基に変更して量を調整した以外はA1−1と同様にして、下記シラン化合物を混合、反応させ、高分子反応で保護基を導入し、A2−4を合成した。1H−NMRによる分析において、A2−4は、カルボキシ基の85モル%がエトキシエチル化されたことが確認された。
Figure 2017049327
(A3−1の合成) カルボキシ基とエポキシ基とを有するポリシロキサンの合成
シラン化合物を、以下に示す化合物及びモル比で使用し、ジヒドロフランによる保護反応を行わない以外はA1−1と同様にして下記シラン化合物を混合、反応、脱エチルさせ、カルボキシ基とエポキシ基とを有するポリシロキサンA3−1を合成した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は5000であった。
Figure 2017049327
(A3−2の合成) フェノール性水酸基とエポキシ基とを有するポリシロキサンの合成
シラン化合物を、以下に示す化合物及びモル比で使用し、保護基導入を行わないこと以外はA1−2と同様にして、下記シラン化合物を混合、反応させ、A3−2を合成した。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は6000であった。
Figure 2017049327
(A3−3の合成) カルボキシ基とオキセタニル基とを有するポリシロキサンの合成
シラン化合物を、以下に示す化合物及びモル比で使用し、保護基導入を行わないこと以外はA1−1と同様にして、下記シラン化合物を混合、反応させ、A3−3を合成した。
GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は6000であった。
Figure 2017049327
<化合物Sの合成例>
(S−1の合成)
撹拌機、温度計、窒素導入口を備えた4つ口フラスコに、メタクリル酸56.0g(0.65mol)、硫酸0.13g、トルエン111gを入れた。窒素雰囲気下、23℃に液温を保ち、撹拌しつつ、2−(パーフルオロヘキシル)エチルビニルエーテル(CHEMINOX FAVE−6、ユニマテック(株)製、下記構造(A))50.7g(0.13mol)を2時間かけて添加し、添加終了後、さらに4.5時間撹拌した。反応液を10質量%炭酸ナトリウム水溶液345g中に添加し、撹拌した。有機層を分離し、10質量%炭酸ナトリウム水溶液110gで3回、純水112gで2回洗浄した後、減圧濃縮した。濃縮液をさらに減圧蒸留にて精製することにより、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(下記構造(B))を得た。
次に、撹拌機、温度計、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(MEDG)を33g導入し、65℃に昇温した。
次に、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(下記構造(B))の2.0gと、ヘキサブチレングリコールメタクリレート(下記構造(C))の8.0gと、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名「V−65」)0.40gと、MEDGの68gとを混合した溶液を、前述の65℃に昇温したセパラブルフラスコ内に6時間かけて滴下した。滴下後2時間熟成した。
得られた反応液をヘプタン700gに滴下し、沈殿したポリマーをヌッチェにて回収した。
得られたポリマーを減圧下で乾燥し、目的とするS−1を得た。S−1の重量平均分子量(Mw)は1900、分散度(Mw/Mn)は1.74であった。
Figure 2017049327
(S−2〜S−33の合成)
下記表に記載のポリマーができるように原料を適宜変更したこと以外は、S−1と同様にしてS−2〜S−33を合成した。
Figure 2017049327
<感光性組成物の調製>
下記表に示す材料を混合、撹拌、溶解して溶液とし、孔径0.4μmのポリエチレン製フィルターでろ過し、更に孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、感光性組成物を得た。表中の特に単位を付していない数値は質量部である。
なお、ポリシロキサンは、固形分が表記載の量となるように添加した。すなわち、固形で得た場合はその固形分を表記載の量添加し、溶液で得た場合は固形分が表記載の量になるようにその溶液を添加した。
実施例および比較例に用いた各化合物を示す略号の詳細は、以下の通りである。
(ポリシロキサン)
上記のA1−1〜A1−6、A2−1〜A2−4、A3−1〜A3−3を用いた。
(化合物S)
上記に示すS−1〜S−33を用いた。
(光酸発生剤)
B−1:下記に示す構造(PAG−103、BASF製、pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤)
Figure 2017049327
B−2:下記に示す構造(PAI−101、みどり化学(株)製、pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤)、Meはメチル基を表す。
Figure 2017049327
B−3:下記に示す構造(pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤)
Figure 2017049327
B−4:下記に示す構造(Tsはトシル基を表す、pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤)
Figure 2017049327
B−5:下記に示す構造(pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤)
Figure 2017049327
B−6:下記に示す構造(GSID−26−1、トリアリールスルホニウム塩(BASF製)、pKa3以下の酸を発生する光酸発生剤)
Figure 2017049327
(溶剤)
C−1:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
C−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
C−3:γ-ブチロラクトン
C−4:1、3ーブチレングリコールジアクリレート
(塩基性化合物)
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
TPI:トリフェニルイミダゾール
(アルコキシシラン化合物)
KBM−403:KBM−403、信越シリコーン(株)製
KBM−303:KBM−303、信越シリコーン(株)製
KBE−403:KBE−403、信越シリコーン(株)製
KBM−5103:KBM−5103、信越シリコーン(株)製
(その他成分)
DPHA:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製、架橋剤)
JER:JER157S60(三菱化学(株)製、架橋剤)
AO−60:アデカスタブAO−60((株)ADEKA製)
TA:トリメリット酸
DBA:9,10−ジブトキシアントラセン
S’−1:下記構造(構成単位S’−1−1:構成単位S’−1−2=20:80(質量比)、Mw=2600)
Figure 2017049327
S’−2:下記構造(構成単位S’−2−1:構成単位S’−2−2=20:80(質量比)、Mw=2600)
Figure 2017049327
<評価>
(塗布性)
HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を施した1,500mm×1,800mmのCr蒸着ガラス基板(ガラスはEAGLE2000、コーニング社)上に、各感光性組成物をスリットダイにより塗布速度100mm/sec、塗布ギャップ100μmの条件で塗布流速を調整しながら乾燥膜厚2.0μmとなるように塗布し、減圧乾燥チャンバーにて到達真空度0.05kPa(0.4Torr)となるように真空乾燥した。この乾燥した基板をホットプレートにて95℃、120秒で乾燥させた後、暗所にてNaランプ、白色灯及びグリーンランプを使用して観察し塗布スジ、乾燥ムラを以下の基準で評価した。
1〜4が実用範囲である。
1:塗布スジおよび塗布ムラがない。
2:塗布スジはないが、塗布ムラが僅かにある。
3:塗布スジが基板周辺部のみ僅かにあり、かつ、塗布ムラが僅かにある。
4:塗布スジが基板中央部に僅かにあり、かつ、塗布ムラが僅かにある。
5:塗布スジ及び又は塗布ムラが、基板全面にある。
(上層との密着性)
塗布性評価と同様に作製した基板を、FHD−5(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の21%水溶液にて覆い60秒静止した。静止後純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した後自然乾燥させた。更に乾燥後の基板を、230℃にて60分間加熱した後、100mm×100mmサイズに切り出した。上記小片となった基板をアルバック(株)製ITO(Indium Tin Oxide)スパッタ装置SME−200Eを用いて、スパッタ温度23℃、膜厚50nmとなるようにITOを成膜し、220℃、30分間加熱した。得られたITO付き基板上にてJIS K5600−5−6:1999に従って2mm間隔に切れ目を入れてクロスカット試験を行いITOの密着性を評価した。1〜4が実用範囲である。
1:硬化膜表面から剥がれたITO膜の合計面積が3%未満
2:硬化膜表面から剥がれたITO膜の合計面積が3%以上8%未満
3:硬化膜表面から剥がれたITO膜の合計面積が8%以上15%未満
4:硬化膜表面から剥がれたITO膜の合計面積が15%以上25%未満
5:硬化膜表面から剥がれたITO膜の合計面積が25%以上
<耐熱性>
塗布性評価と同様に作製した基板を、FHD−5(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の21質量%水溶液(現像液)にて覆い60秒静止した。静止後純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した後自然乾燥させた。更に基板を窒素雰囲気下、230℃にて60分間加熱処理を行い、硬化膜の膜厚(t0)を測定した。更に耐熱試験として、得られた硬化膜を、窒素雰囲気下にて、オーブンで320℃、60分加熱した。加熱後の硬化膜の膜厚(t1)を測定した。耐熱試験前後での膜厚変化率を以下の式より算出した。以下の評価基準で、AおよびBが実用範囲である。
膜厚変化率(%)=(|t0−t1|/t0)×100
A:膜厚変化率5%未満
B:膜厚変化率5%以上10%未満
C:膜厚変化率10%以上
<パターン形成性>
各実施例の感光性組成物について、塗布性評価と同様に作製した基板を、MPA−7800+(キャノン(株)製)を用いて6μmホールパターンを露光した。次いでFHD−5(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の21質量%水溶液(現像液)にて覆い、23℃で60秒静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流し、自然乾燥させた。更に乾燥後の基板を230℃にて60分間加熱した後、パターンの形状を光学顕微鏡(倍率300倍)、走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率5000倍)にて観察した。残渣無く良好な解像性を有し、きれいなホールパターン形状であることを確認した。なお、各感光性組成物に対する露光量は下記の方法で求めた。
各感光性組成物について、塗布性評価と同様に作製した基板を、キヤノン(株)製 MPA 5500CF(高圧水銀灯)を用いて、6μmのホールパターンを有するマスクを介して露光した。そして、露光後の感光性組成物を、FHD−5(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の21質量%水溶液(現像液)にて23℃で60秒間現像した後、超純水で20秒リンスした。これらの操作により6μmのホールを解像する時の最適i線露光量(Eopt)を求め、露光量とした。
Figure 2017049327
Figure 2017049327
Figure 2017049327
Figure 2017049327
Figure 2017049327
上記表に示す通り、実施例は、塗布性が良好で、得られた硬化膜は、上層との密着性に優れていた。更には、耐熱性およびパターン形成性も優れていた。
一方、比較例は、塗布性、および、上層との密着性の少なくとも一方が劣るものであった。
<表示装置の作製>
(実施例1001)
特開2012−203121号公報の図1に記載の表示装置を、画素分離膜(19)及び平坦化膜(17)を実施例1の感光性組成物を用いて作製したこと以外は、特開2012−203121号公報に従って作製した。表示特性に優れる表示装置であった。
(実施例1002〜1098)
実施例1001において、実施例1の感光性組成物を、実施例2〜98の感光性組成物に換えたこと以外は、実施例1001と同様にして表示装置を作製した。表示特性に優れる表示装置であった。
(実施例2001)
特開2013−196919号公報の図1に記載表示装置を、画素間絶縁膜(16)及び層間絶縁膜(14)を実施例1の感光性組成物を用いて作製したこと以外は、特開2013−196919号公報に従って作製した。表示特性に優れる表示装置であった。
(実施例2002〜2098)
実施例2001において、実施例1の感光性組成物を、実施例2〜98の感光性組成物に換えたこと以外は、実施例2001と同様にして表示装置を作製した。表示特性に優れる表示装置であった。
(実施例3001)
特開2007−328210号公報の図1に記載の液晶表示装置を、有機絶縁膜PASを実施例1の感光性組成物を用いて作製したこと以外は、特開2007−328210号公報に従って作製した。表示特性に優れる表示装置であった。
(実施例3002〜3098)
実施例3001において、実施例1の感光性組成物を、実施例2〜98の感光性組成物に換えたこと以外は、実施例3001と同様にして表示装置を作製した。表示特性に優れる表示装置であった。
110:画素基板、111:偏光板、112:透明基板、113:共通電極、114:絶縁層、115:画素電極、116:配向膜、120:対向基板、121:配向膜、122:カラーフィルター、123:透明基板、124:位相差フィルム、126:接着層、127:偏光板、130:センサ部、200:下部表示板、210:絶縁基板、220:ゲート電極、240:ゲート絶縁膜、250:半導体層、260:オーミックコンタクト層、270:ソース電極、272:ドレイン電極、280:絶縁膜、282:コンタクトホール、290:画素電極、300:上部表示板、310:絶縁基板、320:遮光部材、330:カラーフィルター、350:配向膜、370:共通電極、400:液晶層、410:センシング電極、420:絶縁膜、430:タッチ駆動電極、600:保護膜、CT:対向電極、GI:ゲート絶縁膜、GT:ゲート電極、IN1:第1の層間絶縁膜、IN2:第2の層間絶縁膜、IN3:第3の層間絶縁膜、PAS:有機絶縁膜、PS:半導体膜、PX:画素電極、RAL:反射膜、SD1:ドレイン電極、SD2:ソース電極、SUB1:ガラス基板、UC:下地膜

Claims (14)

  1. 下記1および2の少なくとも一方を満たすポリシロキサン成分A、
    1:カルボキシ基が酸分解性基で保護された基、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された基、および、シラノール基が酸分解性基で保護された基から選ばれる少なくとも1種の基を有する構成単位a1と、架橋性基を有する構成単位a2とを有するポリシロキサンを含むポリシロキサン成分、
    2:カルボキシ基が酸分解性基で保護された基、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された基、および、シラノール基が酸分解性基で保護された基から選ばれる少なくとも1種の基を有する構成単位a1を有するポリシロキサンと、架橋性基を有する構成単位a2を有するポリシロキサンとを含むポリシロキサン成分、
    pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤B、
    溶剤C、ならびに、
    下式S1で表される構造および下式S2で表される構造を有する化合物Sと、
    を含む感光性組成物;
    Figure 2017049327
    式中、波線は、化合物Sを構成する原子団との結合位置を表し、
    1はアルキル基を表し、
    2は、水素原子またはアルキル基を表し、
    1は、単結合または2価の連結基を表し、L1が2価の連結基を表す場合、R1はL1と結合して環を形成してもよく、
    Rfは、フッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表し、
    100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、
    100は、水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
    nは、0〜30の整数を表し、
    nが0のとき、R100は、ヒドロキシ基を表し、
    nが1のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基またはカルボニル基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    nが2〜30のとき、L100は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、R100は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、複数のL100は同一であってもよく、異なってもよい。
  2. 前記ポリシロキサン成分Aの100質量部に対して、前記化合物Sを0.001〜20質量部含有する、請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 前記化合物Sが、前記式S1で表される構造を側鎖に有する構成単位S1−1と、前記式S2で表される構造を側鎖に有する構成単位S2−1とを有する重合体である、請求項1または2に記載の感光性組成物。
  4. 前記化合物Sが、下式S1−2で表される構成単位と、下式S2−2で表される構成単位とを有する重合体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性組成物;
    Figure 2017049327
    式中、R11は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
    12はアルキル基を表し、
    13は、水素原子またはアルキル基を表し、
    10は、単結合または2価の連結基を表し、L10が2価の連結基を表す場合、R12はL10と結合して環を形成してもよく、
    Rfは、フッ素原子を3以上有するフルオロアルキル基を表し、
    101は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
    101は、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
    n1は0〜30の整数を表し、
    n1が0または1のとき、R101は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    n1が2〜30のとき、複数のL101は同一であってもよく、異なってもよい。
  5. 前記化合物Sが、下式S1−3で表される構成単位と、下式S2−3で表される構成単位とを有する重合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性組成物;
    Figure 2017049327
    式中、R21は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
    22は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、
    23は、水素原子を表し、
    20は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
    Rf1は、炭素数3〜6のパーフルオロアルキル基を表し、
    22は、L20と結合して環を形成してもよく、
    201は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、
    201は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    n2は1〜20の整数を表し、n2が2〜20のとき、複数のL201は同一であってもよく、異なってもよい。
  6. 前記化合物Sは、前記構成単位S1−1と、前記構成単位S2−1とを、化合物Sの全構成単位の70質量%以上含有する重合体であり、かつ、前記構成単位S1−1と、前記構成単位S2−1との質量比が、構成単位S1−1:構成単位S2−1=5:95〜95:5である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  7. 前記化合物Sの重量平均分子量が100〜100000である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  8. 前記構成単位a1が、下記一般式a1−1で表される構成単位、および、下記一般式a1−2で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性組成物;
    Figure 2017049327
    一般式a1−1、および、一般式a1−2中、aは0または1を表し、
    1AおよびR2Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R1AおよびR2Aの少なくとも一方は、アルキル基またはアリール基を表し、R3Aは、アルキル基またはアリール基を表し、R1AまたはR2Aと、R3Aとが連結して環状エーテルを形成してもよく、
    4Aは、アルキル基、アリール基、または、アラルキル基を表し、
    1Aは、単結合または2価の連結基を表し、
    2Aは、単結合または2価の連結基を表し、
    xは、アルキル基またはハロゲン原子を表し、
    m1は、0〜4の整数を表す。
  9. 前記ポリシロキサン成分が有する架橋性基が、環状エーテル、および、エチレン性不飽和結合を有する基から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  10. 前記ポリシロキサンは、カルボキシ基およびフェノール性水酸基から選ばれる少なくとも1種の基を有する構成単位をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性組成物を基板上に塗布する工程、
    塗布された感光性組成物から溶剤を除去する工程、
    溶剤が除去された感光性組成物を活性光線により露光する工程、
    露光された感光性組成物を現像液により現像する工程、および、
    現像された感光性組成物を熱硬化する工程、
    を含む硬化膜の製造方法。
  12. 請求項11に記載の硬化膜の製造方法を含む、液晶表示装置の製造方法。
  13. 請求項11に記載の硬化膜の製造方法を含む、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  14. 請求項11に記載の硬化膜の製造方法を含む、タッチパネルの製造方法。
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