JP2017048706A - 車両用駆動制御装置及び車両用駆動制御装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】路面が断続的に低μ路になる場合であっても、運転者が低μ路で行う制動動作に応じて、油圧で支持されるバリエータの動力伝達部で滑りが発生する事態を改善可能な車両用駆動制御装置及び車両用駆動制御装置の制御方法を提供する。【解決手段】車両用駆動制御装置100は、オイルポンプ10と、バリエータ20と、コントローラ12と、を備える。コントローラ12は、エンジン1の自動停止条件が成立した場合にエンジン1を自動停止する。また、コントローラ12は、走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合に、エンジン1の停止指令が運転者の操作によって発せられるまでの間、エンジン1の自動停止条件の成立に基づき行われるエンジン1の自動停止を禁止する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用駆動制御装置及び車両用駆動制御装置の制御方法に関する。
エンジンにより駆動されるオイルポンプを油圧源として、ベルト式無段変速機に油圧を供給する車両が知られている。このような車両では、走行中にエンジンを自動停止させる場合がある。この場合、低摩擦係数の路面である低μ路で次のような事態が発生し得る。
すなわち、低μ路では、運転者が制動動作を行うと、駆動輪の回転速度が急低下し、場合によっては駆動輪がロックする。これにより、駆動輪からベルト式無段変速機に大きなトルクが入力される。そして、この際にエンジンを自動停止すると、オイルポンプも停止する。結果、入力トルクに対して十分なベルト挟持力を発生させるだけの油圧を得ることができなくなり、ベルトの滑りが発生し得る。
特許文献1には、エンジンの自動停止中に走行路面が低μ路であると推定された場合に、エンジンの自動停止を禁止することで、ベルト式無段変速機のベルト滑りを防止する技術が開示されている。
特許文献1の技術では、走行路面が低μ路でない場合には、エンジンの自動停止を許可する。このため、次のような走行シーンでベルトの滑りが発生する虞がある。
ここで、路面には、日蔭の影響や路面の凹凸の影響などで、雨上がりに水たまりや凍結がところどころにできる場合がある。このような路面を走行する場合、走行路面は、低μ路から高μ路に切り替わった後、さらに低μ路に切り替わることになる。
特許文献1の技術では、このような場合に最初の低μ路でエンジンの自動停止を禁止するが、その後、走行路面が高μ路になるとエンジンの自動停止を許可するので、エンジンが自動停止される。このため、車両が次の低μ路に進入する際には、オイルポンプは停止したままの状態になる。
この状態でブレーキペダルの踏み込みや踏み増しなどが行われた場合、これに応じて発生するベルト式無段変速機への入力トルクに対して十分なベルト挟持力を得ることはできない。このため、特許文献1の技術では、このような場合にベルトの滑りが発生する虞がある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、路面が断続的に低μ路になる場合であっても、運転者が低μ路で行う制動動作に応じて、油圧で支持されるバリエータの動力伝達部で滑りが発生する事態を改善可能な車両用駆動制御装置及び車両用駆動制御装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明のある態様の車両用駆動制御装置は、車両の走行用駆動源により駆動されてオイルを吐出するオイルポンプと、前記オイルポンプが吐出するオイルを制御することで変速比が変更され、且つ前記走行駆動源から前記車両の駆動輪に動力を伝達する動力伝達経路に設けられるバリエータと、前記走行用駆動源の自動停止条件が成立した場合に、前記走行用駆動源を自動停止する制御部と、走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合に、前記走行用駆動源の停止指令が運転者の操作によって発せられるまでの間、前記自動停止条件の成立に基づき行われる前記走行用駆動源の自動停止を禁止する自動停止禁止部と、を備える。
本発明の別の態様によれば、車両の走行用駆動源により駆動されてオイルを吐出するオイルポンプと、前記オイルポンプが吐出するオイルを制御することで変速比が変更され且つ前記走行駆動源から前記車両の駆動輪に動力を伝達する動力伝達経路に設けられるバリエータと、を備える車両用駆動制御装置の制御方法であって、前記走行用駆動源の自動停止条件が成立した場合に、前記走行用駆動源を自動停止することと、走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合に、前記走行用駆動源の停止指令が運転者の操作によって発せられるまでの間、前記自動停止条件の成立に基づき行われる前記走行用駆動源の自動停止を禁止することと、を含む車両用駆動制御装置の制御方法が提供される。
これらの態様によれば、走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合には、走行路面が低μ路から高μ路に切り替わった場合でも、走行用駆動源の停止指令が運転者の操作によって発せられるまでの間、走行用駆動源は停止されない。このため、走行路面がさらに高μ路から低μ路に切り替わった場合でも、オイルポンプをそのまま駆動させておくことができる。したがって、断続的に訪れる低μ路への進入時にブレーキペダルの踏み込みや踏み増しなどが行われた場合でも、これに応じて発生するバリエータへの入力トルクに対して、動力伝達部を支持するのに十分な油圧支持力を得ることができる。
このため、これらの態様によれば、路面が断続的に低μ路になる場合であっても、運転者が低μ路で行う制動動作に応じて、油圧で支持されるバリエータの動力伝達部で滑りが発生する事態を改善することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、車両用駆動制御装置100を含む車両の要部を示す図である。車両は、エンジン1と、トルクコンバータ2と、バリエータ20と、副変速機構30と、車軸部4と、駆動輪5と、を備える。以下では、車両用駆動制御装置100を単に駆動制御装置100と称す。
図1は、車両用駆動制御装置100を含む車両の要部を示す図である。車両は、エンジン1と、トルクコンバータ2と、バリエータ20と、副変速機構30と、車軸部4と、駆動輪5と、を備える。以下では、車両用駆動制御装置100を単に駆動制御装置100と称す。
エンジン1は、車両の走行用駆動源を構成する。トルクコンバータ2は、流体を介して動力を伝達する。トルクコンバータ2では、ロックアップクラッチ2aを締結することで、動力伝達効率を高めることができる。バリエータ20と副変速機構30とは、入力された回転速度を変速比に応じた回転速度で出力する。車軸部4は、減速ギヤや差動装置や駆動車軸を有して構成される。エンジン1の動力は、トルクコンバータ2、バリエータ20、副変速機構30及び車軸部4を介して駆動輪5に伝達される。
バリエータ20は無段変速機構であり、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、ベルト23と、を備える。以下では、プライマリをPRIと称し、セカンダリをSECと称す。
PRIプーリ21は、固定プーリ21aと、可動プーリ21bと、PRI室21cと、を有する。PRIプーリ21では、PRI室21cにPRI圧が供給される。
SECプーリ22は、固定プーリ22aと、可動プーリ22bと、SEC室22cと、を有する。SECプーリ22では、SEC室22cにSEC圧が供給される。
ベルト23は、PRIプーリ21の固定プーリ21aと可動プーリ21bとにより形成されるV字形状をなすシーブ面と、SECプーリ22の固定プーリ22aと可動プーリ22bとにより形成されるV字形状をなすシーブ面に巻き掛けられる。
ベルト23は、バリエータ20において油圧によって支持される動力伝達部を構成する。ベルト23は、PRI室21cに供給されるPRI圧やSEC室22cに供給されるSEC圧によって発生する油圧支持力であるベルト挟持力で支持される。
バリエータ20は、PRIプーリ21とSECプーリ22との溝幅をそれぞれ変更することでベルト23の巻掛け径を変更して変速を行うベルト式無段変速機構を構成している。
このようなバリエータ20では、PRI圧を制御することにより、可動プーリ21bが作動し、PRIプーリ21の溝幅が変更される。また、SEC圧を制御することにより、可動プーリ22bが作動し、SECプーリ22の溝幅が変更される。
PRI圧及びSEC圧は、ライン圧PLを元圧として油圧制御回路11で生成される。PRI圧及びSEC圧のうち一方には、ライン圧PLが適用されてもよい。この場合、バリエータ20を片調圧方式のバリエータとして構成することができる。
副変速機構30は有段変速機構であり、前進2段、後進1段の変速段を有する。副変速機構30は、前進用変速段として、1速と、1速よりも変速比が小さい2速を有する。副変速機構30は、エンジン1から駆動輪5に至るまでの動力伝達経路において、バリエータ20の出力側に直列に設けられる。
副変速機構30は、バリエータ20に直接接続されてもよく、ギヤ列など他の構成を介してバリエータ20に間接的に接続されてもよい。副変速機構30は、前進3段以上の多段の変速段を有していてもよい。
副変速機構30はバリエータ20とともに、自動変速機構3を構成する。バリエータ20と副変速機構30とは構造上、個別の変速機構として構成されてもよい。
車両は、オイルポンプ10と、油圧制御回路11と、コントローラ12と、をさらに備える。
オイルポンプ10は、エンジン1により駆動されてオイルを吐出する。バリエータ20や副変速機構30には、オイルポンプ10を油圧源として油圧が供給される。
油圧制御回路11は、オイルポンプ10が吐出したオイルの圧力すなわち油圧を調整してバリエータ20や副変速機構30の各部位に伝達する。油圧制御回路11では例えば、ライン圧PLやPRI圧やSEC圧の調整が行われる。
コントローラ12は、電子制御装置であり、油圧制御回路11を制御する。コントローラ12には、回転センサ41や、回転センサ42や、回転センサ43の出力信号が入力される。
回転センサ41は、バリエータ20の入力側の回転速度を検出するためのバリエータ入力側回転センサである。回転センサ42は、バリエータ20の出力側の回転速度を検出するためのバリエータ出力側回転センサである。回転センサ42は具体的には、バリエータ20の出力側且つ副変速機構30の入力側の回転速度を検出する。回転センサ43は、副変速機構30の出力側の回転速度を検出するための副変速機構出力側回転センサである。
バリエータ20の入力側の回転速度は具体的には、バリエータ20の入力軸の回転速度である。バリエータ20の入力側の回転速度は、前述の動力伝達経路において、例えばギヤ列をバリエータ20との間に挟んだ位置の回転速度であってもよい。バリエータ20の出力側の回転速度や、副変速機構30の出力側の回転速度についても同様である。
コントローラ12には、さらにこのほかアクセル開度センサ44や、インヒビタスイッチ45や、エンジン回転センサ46や、油温センサ47や、IGSW48などの出力信号が入力される。
アクセル開度センサ44は、アクセルペダルの操作量を表すアクセル開度APOを検出する。インヒビタスイッチ45は、セレクトレバーの位置を検出する。エンジン回転センサ46は、エンジン1の回転速度Neを検出する。油温センサ47は、自動変速機構3の油温を検出する。IGSW48は、イグニッションスイッチであり、運転者がエンジン1の始動指令や停止指令を行うのに用いられる。運転者によるエンジン1の始動指令や停止指令は、釦など他の操作部を介して行われてもよい。コントローラ12は、回転センサ43の出力信号に基づき車速VSPを検出することができる。
コントローラ12は、これらの信号に基づき変速制御信号を生成し、生成した変速制御信号を油圧制御回路11に出力する。油圧制御回路11は、コントローラ12からの変速制御信号に基づき、ライン圧やPRI圧やSEC圧を制御したり、油圧経路の切り換えを行ったりする。
これにより、油圧制御回路11からバリエータ20や副変速機構30の各部位に変速制御信号に応じた油圧の伝達が行われる。結果、バリエータ20や副変速機構30の変速比が、変速制御信号に応じた変速比すなわち目標変速比に変更される。このように、バリエータ20や副変速機構30の変速比は、オイルポンプ10が吐出するオイルを制御することで変更される。
駆動制御装置100は、エンジン1から駆動輪5への動力の伝達を制御するための装置であり、トルクコンバータ2やバリエータ20や副変速機構30のほか、オイルポンプ10や、油圧制御回路11や、コントローラ12や、回転センサ41、回転センサ42及び回転センサ43を有して構成されている。
本実施形態では、コントローラ12は、バリエータ20や副変速機構30の変速制御のほか、以下で説明するようにエンジン1の自動停止や再始動を行う。エンジン1の自動停止や再始動は例えば、エンジン制御を行うためのエンジン用コントローラで行われてもよい。この場合、駆動制御装置100は、エンジン用コントローラや、変速制御やエンジン制御を統合するための統合コントローラをさらに有して構成されていると把握することができる。
次に、コントローラ12が行う制御の一例を図2から図4に示すフローチャートを用いて説明する。図2では、エンジン1の自動停止の禁止制御及びエンジン1の再始動の禁止制御の一例を示す。図3では、エンジン1の自動停止制御の一例を示す。図4では、エンジン1の再始動制御の一例を示す。図2、図3及び図4に示す処理は例えば、一連の処理として微小時間毎に繰り返し実行することができる。
ステップS1で、コントローラ12は、車両が走行中であるか否かを判定する。このような判定は例えば、車速VSPがゼロよりも大きいか否かを判定することで行うことができる。ステップS1で肯定判定であれば、処理はステップS2に進む。
ステップS2で、コントローラ12は、走行路面が低μ路であるか否かを判定する。ステップS2で、コントローラ12は、走行路面が低μ路であることを検出或いは推定した場合に、走行路面が低μ路であると判定する。
走行路面が低μ路であることは例えば、車載カメラによって凍結路面やウェット路面を検出することや、ワイパーが作動していることで検出或いは推定することができる。走行路面が低μ路であることは、外気温やエンジン1の吸入空気温度や自動変速機構3の油温が例えば0℃など所定値よりも低いことや、自動変速機構3の油温上昇率が所定値よりも低いことなどによって検出或いは推定されてもよい。走行路面が低μ路であることは、公知技術のほか適宜の技術で検出或いは推定されてよい。
ステップS2で肯定判定であれば、処理はステップS3に進む。ステップS3で、コントローラ12は、走行路面が低μ路であることを検出或いは推定したことを示すフラグをONにする。
ステップS4で、コントローラ12は、エンジン1が自動停止されているか否かを判定する。エンジン1が自動停止されているか否かは例えば、後述するようにエンジン1の自動停止条件が成立しており、且つエンジン1の自動停止の禁止が解除されているか否かで判定することができる。
ステップS4で肯定判定であれば、処理はステップS5に進む。この場合、コントローラ12は、エンジン1の再始動を禁止する。したがって、エンジン1を自動停止した状態で、走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合には、エンジン1の再始動は禁止される。
ステップS5の後には、処理はステップS6に進む。ステップS2又はステップS4で否定判定であった場合も同様である。ステップS6で、コントローラ12は、フラグがONであるか否かを判定する。ステップS6で否定判定であれば、本フローチャートの処理は一旦終了する。ステップS6で肯定判定であれば、処理はステップS7に進む。
ステップS7で、コントローラ12は、IGSW48がONであるか否かを判定する。ステップS7で肯定判定であれば、処理はステップS8に進む。この場合、コントローラ12は、エンジン1の自動停止を禁止する。
エンジン1の自動停止自体は、エンジン1の自動停止条件が成立した場合に行われる。このため、コントローラ12は、エンジン1の自動停止を禁止することで、エンジン1の自動停止条件が成立している場合でも、エンジン1が自動停止されないようにする。ステップS8の後には、本フローチャートの処理は一旦終了する。
運転者の操作によってIGSW48がONからOFFになった場合、運転者の操作によってエンジン1の停止指令が発せされ、ステップS7で否定判定される。ステップS7で否定判定であれば、処理はステップS9に進む。
ステップS9で、コントローラ12は、エンジン1の自動停止の禁止を解除する。したがって、ステップS8で禁止したエンジン1の自動停止は、運転者の操作によりエンジン1の停止指令が発生されるまでの間、禁止される。エンジン1の自動停止の禁止を解除することで、エンジン1の自動停止は許可される。
ステップS10で、コントローラ12は、フラグをOFFにする。ステップS10の後には、本フローチャートの処理は一旦終了する。
ステップS1で否定判定であれば、処理はステップS15に進む。ステップS15で、コントローラ12は、エンジン1の再始動の禁止を解除する。したがって、ステップS5で禁止したエンジン1の再始動は、車両が停止するまでの間、禁止される。エンジン1の再始動の禁止を解除することで、エンジン1の再始動は許可される。ステップS15の後には、本フローチャートの処理は一旦終了する。
コントローラ12は、図2に示すようにエンジン1の自動停止の禁止制御及びエンジン1の再始動の禁止制御を行った上で、図3に示すエンジン1の自動停止制御と、図4に示すエンジン1の再始動制御とを行う。図4に示すエンジン1の再始動制御は、図3に示すエンジン1の自動停止制御を行った後に行うことができる。
図3に示すように、コントローラ12は、ステップS21でエンジン1の自動停止条件が成立したか否かを判定する。エンジン1の自動停止条件については後述する。ステップS21で肯定判定であれば、処理はステップS22に進む。この場合、コントローラ12は、エンジン1の自動停止の禁止が解除されているか否かを判定する。そして、ステップS22で肯定判定であれば、コントローラ12は、ステップS23でエンジン1を自動停止する。
したがって、コントローラ12は、エンジン1の自動停止条件が成立しており、且つエンジン1の自動停止の禁止が解除されている場合にエンジン1を自動停止する。ステップS21又はステップS22で否定判定の場合、図2に示すフローチャートの処理を再び行った上で、本フローチャートの処理が再び行われる。
図4に示すように、コントローラ12は、ステップS31でエンジン1の再始動条件が成立したか否かを判定する。エンジン1の再始動条件は例えば、エンジン1の自動停止条件が成立し、これに応じてエンジン1を自動停止した状態で、その自動停止条件が不成立になった場合に成立する条件とすることができる。
ステップS31で肯定判定であれば、処理はステップS32に進む。この場合、コントローラ12は、エンジン1の再始動の禁止が解除されているか否かを判定する。そして、ステップS32で肯定判定であれば、コントローラ12は、ステップS33でエンジン1を再始動する。
したがって、コントローラ12は、エンジン1の再始動条件が成立しており、且つエンジン1の再始動の禁止が解除されている場合にエンジン1を再始動する。ステップS31又はステップS32で否定判定の場合には、図2に示すフローチャートの処理を再び行った上で、本フローチャートの処理が再び行われる。
ところで、エンジン1の自動停止条件には例えば、車両減速中にエンジン1を自動停止するコーストストップの実行条件を適用することができる。
コーストストップの実行条件は例えば、アクセルペダルが踏み込まれていないことや、ブレーキペダルが踏み込まれていることや、車速VSPがゼロよりも大きく所定値よりも低いことを含む。所定値は、車速VSPが低車速であるか否かを判断するための値であり、実験等によって予め設定することができる。コーストストップの実行条件はさらに例えば、副変速機構30の変速段が2速であることを含む。
コーストストップの実行条件が成立した場合には、コーストストップによってエンジン1が自動停止される。コーストストップでは、エンジン1を自動停止する際にさらに、ロックアップクラッチ2aを解放する。ロックアップクラッチ2aを解放することで、前述の動力伝達経路のうちエンジン1及びバリエータ20間の部分で動力伝達が解除される。動力伝達が解除された状態は、トルクコンバータ2で流体を介して動力を伝達可能な状態、したがってスリップ状態など差回転を生じさせながら動力を伝達する状態を含む。
このように行われるコーストストップによれば、エンジン1を自動停止した場合に、上述のように動力伝達が解除された状態でエンジン1が停止した状態となる。このため、駆動輪5が急制動されることを回避しつつ、燃費向上を図ることができる。
エンジン1の自動停止条件には例えば、コーストストップ、車両走行中にエンジン1を自動停止して惰性走行を行う惰性走行制御であるセイリングストップ、及び車両が停止した状態でエンジン1を自動停止するアイドルストップのうち少なくともいずれかの実行条件が適用されてもよい。
セイリングストップの実行条件は例えば、ブレーキペダル及びアクセルペダルが踏み込まれていないことや、車速VSPが所定値よりも高いことを含む。所定値は、惰性走行である程度走行し続けることが可能な程度に車速VSPが高いか否かを判断するための値であり、実験等によって予め設定することができる。セイリングストップの実行条件はさらに例えば、副変速機構30の変速段が2速であることを含む。
アイドルストップの実行条件は例えば、車速VSPがゼロであることや、ブレーキペダルが踏み込まれていることや、アクセルペダルが踏み込まれていないことを含む。また、アイドルストップの実行条件は例えば、副変速機構30の変速段が1速であること、したがって2−1変速が完了したことや、バリエータ20の変速比が最Low変速比であることや、セレクトレバーによる選択レンジが許可レンジであることを含む。アイドルストップの実行条件では、このほか例えばエンジン1の水温や、自動変速機構3の油温や、路面勾配を考慮することができる。
セイリングストップやアイドルストップによってエンジン1を自動停止する場合も、燃費向上が図られる。セイリングストップやアイドルストップを行う場合も、エンジン1を自動停止する際に、或いは予めロックアップクラッチ2aを解放することで、前述のようにエンジン1及びバリエータ20間で動力伝達が解除された状態にすることができる。
次に駆動制御装置100の主な作用効果について説明する。駆動制御装置100は、オイルポンプ10と、バリエータ20と、コントローラ12と、を備える。コントローラ12は、エンジン1の自動停止条件が成立した場合に、エンジン1を自動停止する制御部として構成される。また、コントローラ12は、走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合に、エンジン1の停止指令が運転者の操作によって発せられるまでの間、自動停止条件の成立に基づき行われるエンジン1の自動停止を禁止する自動停止禁止部として構成される。
このような構成の駆動制御装置100によれば、走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合には、走行路面が低μ路から高μ路に切り替わった場合でも、エンジン1の停止指令が運転者の操作によって発せられるまでの間、エンジン1は停止されない。このため、走行路面がさらに高μ路から低μ路に切り替わった場合でも、オイルポンプ10をそのまま駆動させておくことができる。したがって、断続的に訪れる低μ路への進入時にブレーキペダルの踏み込みや踏み増しなどが行われた場合でも、これに応じて発生するバリエータ20への入力トルクに対して、ベルト23を支持するのに十分なベルト挟持力を得ることができる。
このため、このような構成の駆動制御装置100によれば、走行路面が断続的に低μ路になる場合であっても、運転者が低μ路で行う制動動作に応じてベルト23で滑りが発生する事態を改善することができる(請求項1、5に対応する効果)。
エンジン1を自動停止した状態で走行路面が低μ路に切り替わった場合、エンジン1を再始動しオイルポンプ10を駆動することが考えられる。ブレーキペダルの踏み込みや踏み増しなどが行われた場合に、これに応じてバリエータ20に大きなトルクが入力される結果、ベルト23で滑りが発生する可能性があるためである。
ところが、車両走行中にエンジン1を自動停止するコーストストップやセイリングストップ中には、車両が惰性走行を含む減速走行を行うので、駆動輪5からバリエータ20にトルクが入力される。そして、この状態でエンジン1を再始動すると、駆動輪5から入力されるトルクとは回転方向が逆向きのトルクが、エンジン1からバリエータ20に入力される。結果、バリエータ20への入力トルクが大きくなることで、ベルト23で滑りが発生し得る。
このような事情に鑑み、駆動制御装置100では、コントローラ12はさらに、エンジン1を自動停止した状態で走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合に、エンジン1の再始動を禁止する再始動禁止部として構成される。
このような構成の駆動制御装置100によれば、駆動輪5から入力されるトルクとは回転方向が逆向きのトルクが、エンジン1からバリエータ20に入力される結果、ベルト23で滑りが発生することを防止することができる(請求項2に対応する効果)。
駆動制御装置100では、再始動禁止部としてのコントローラ12は、車両が停止した場合に、エンジン1の再始動の禁止を解除する。
このような構成の駆動制御装置100によれば、駆動輪5からバリエータ20にトルクが入力されない分、エンジン1の再始動時にバリエータ20に入力されるトルクを抑制することができる。このため、エンジン1の再始動時にバリエータ20に入力されるトルクに起因したベルト23で滑りが発生することを防止したり抑制したりすることができる。
また、このような構成の駆動制御装置100によれば、その後の車両の発進に備えて、エンジン1を始動させた状態で待機させることができる。また、エンジン1を再始動させることで、その後の車両の発進に備えて、バリエータ20や発進クラッチで必要とされる油圧を確保することもできる。このため、このような構成の駆動制御装置100によれば、車両の発進応答性を向上させることもできる(請求項3に対応する効果)。
(第2実施形態)
本実施形態では、制御部としてのコントローラ12はさらに、以下で説明するように構成される。この点以外、本実施形態にかかる駆動制御装置100は、第1実施形態にかかる駆動制御装置100と同様に構成される。
本実施形態では、制御部としてのコントローラ12はさらに、以下で説明するように構成される。この点以外、本実施形態にかかる駆動制御装置100は、第1実施形態にかかる駆動制御装置100と同様に構成される。
図5は、本実施形態においてコントローラ12が行う禁止制御の一例をフローチャートで示す図である。図5に示すフローチャートは、ステップS11及びステップS13が追加されている点以外、図2に示すフローチャートと同じである。このため、ここではステップS11及びステップS13について主に説明する。
ステップS1で否定判定であった場合、コントローラ12は、ステップS11でエンジン1の自動停止の禁止を解除し、ステップS13でフラグをOFFにする。ステップS13の後には、処理はステップS15に進む。
すなわち、本実施形態にかかる駆動制御装置100では、自動停止禁止部としてのコントローラ12はさらに、エンジン1の停止指令が運転者の操作によって発せられる前であっても、車両が停止した場合には、エンジン1の自動停止の禁止を解除するように構成される。
これは、車両が停止した場合には、駆動輪5からバリエータ20にトルクが入力されなくなるので、エンジン1を停止しオイルポンプ10を停止しても、ベルト23で滑りが発生しないためである。
このような構成の駆動制御装置100によればさらに、停車している場合にエンジン1を自動停止することができるので、その分燃費向上を図ることができる(請求項4に対応する効果)。
コントローラ12は例えば、次のような場合にもエンジン1の自動停止の禁止を解除するように構成されてよい。
すなわち、コントローラ12は、走行路面が低μ路でなくなったことが検出或いは推定された場合に、低μ路が出現しないと判断されるときには、エンジン1の停止指令が運転者の操作によって発せられる前であっても、エンジン1の自動停止の禁止を解除するように構成されてもよい。
低μ路が出現しないと判断されるときは例えば、低μ路であることが検出或いは推定されない走行時間が所定時間に達した場合や、低μ路であることが検出或いは推定されない走行距離が所定距離に達した場合とすることができる。所定時間や所定距離は、実験等に基づき予め設定することができる。
低μ路が出現しないと判断されるときは例えば、運転者による制動操作に見合った減速度が発生している減速シーンの回数が所定回数よりも多く検出された場合であってもよい。運転者による制動操作に見合った減速度が発生する場合には、走行路面が低μ路でないと判断することができるためである。
運転者による制動操作に見合った減速度が発生しているか否かは例えば、減速度の大きさが所定値よりも大きいか否かで判定することができる。所定値は例えば、ブレーキ踏力に応じて予め設定しておくことができる。所定回数は、実験等に基づき予め設定することができる。
このような場合にも、エンジン1を自動停止する機会が増加する分、燃費向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、走行路面が低μ路でないことは、エンジン1の自動停止条件に含まれてもよい。これにより、走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合に、エンジン1の自動停止条件を成立させないことで、エンジン1の自動停止を禁止することもできる。
この場合、自動停止禁止部としてのコントローラ12は、エンジン1の自動停止条件が不成立であり、且つ走行路面が低μ路であると検出或いは推定されたことが自動停止条件の不成立の要因に含まれる場合に、その後、自動停止条件が成立した場合であっても、エンジン1の停止指令が運転者の操作によって発せられるまでの間、エンジン1の自動停止を禁止するように構成されればよい。
このようにコントローラ12を構成した場合でも、走行路面が断続的に低μ路になる場合に、運転者が低μ路で行う制動動作に応じてバリエータ20でベルト23の滑りが発生する事態を改善することができる。
上述した実施形態では、走行用駆動源がエンジン1である場合について説明した。しかしながら、走行用駆動源は例えば、モータや、エンジン1及びモータであってもよい。
上述した実施形態では、バリエータ20がベルト式無段変速機構である場合について説明した。しかしながら、バリエータ20は例えば、トロイダル型無段変速機構であってもよい。
1 エンジン(走行用駆動源)
5 駆動輪
10 オイルポンプ
11 油圧制御回路
12 コントローラ(制御部、自動停止禁止部、再始動禁止部)
20 バリエータ
30 副変速機構
100 駆動制御装置
5 駆動輪
10 オイルポンプ
11 油圧制御回路
12 コントローラ(制御部、自動停止禁止部、再始動禁止部)
20 バリエータ
30 副変速機構
100 駆動制御装置
Claims (5)
- 車両の走行用駆動源により駆動されてオイルを吐出するオイルポンプと、
前記オイルポンプが吐出するオイルを制御することで変速比が変更され、且つ前記走行駆動源から前記車両の駆動輪に動力を伝達する動力伝達経路に設けられるバリエータと、
前記走行用駆動源の自動停止条件が成立した場合に、前記走行用駆動源を自動停止する制御部と、
走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合に、前記走行用駆動源の停止指令が運転者の操作によって発せられるまでの間、前記自動停止条件の成立に基づき行われる前記走行用駆動源の自動停止を禁止する自動停止禁止部と、
を備えることを特徴とする車両用駆動制御装置。 - 請求項1に記載の車両用駆動制御装置であって、
前記走行用駆動源を自動停止した状態で、走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合に、前記走行用駆動源の再始動を禁止する再始動禁止部をさらに備える、
ことを特徴とする車両用駆動制御装置。 - 請求項2に記載の車両用駆動制御装置であって、
前記再始動禁止部は、前記車両が停止した場合に、前記走行用駆動源の再始動の禁止を解除する、
ことを特徴とする車両用駆動制御装置。 - 請求項1から3いずれか1項に記載の車両用駆動制御装置であって、
前記自動停止禁止部はさらに、前記走行用駆動源の停止指令が運転者の操作によって発せられる前であっても、前記車両が停止した場合には、前記走行用駆動源の自動停止の禁止を解除する、
ことを特徴とする車両用駆動制御装置。 - 車両の走行用駆動源により駆動されてオイルを吐出するオイルポンプと、前記オイルポンプが吐出するオイルを制御することで変速比が変更され且つ前記走行駆動源から前記車両の駆動輪に動力を伝達する動力伝達経路に設けられるバリエータと、を備える車両用駆動制御装置の制御方法であって、
前記走行用駆動源の自動停止条件が成立した場合に、前記走行用駆動源を自動停止することと、
走行路面が低μ路であると検出或いは推定された場合に、前記走行用駆動源の停止指令が運転者の操作によって発せられるまでの間、前記自動停止条件の成立に基づき行われる前記走行用駆動源の自動停止を禁止することと、
を含むことを特徴とする車両用駆動制御装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015171696A JP2017048706A (ja) | 2015-09-01 | 2015-09-01 | 車両用駆動制御装置及び車両用駆動制御装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015171696A JP2017048706A (ja) | 2015-09-01 | 2015-09-01 | 車両用駆動制御装置及び車両用駆動制御装置の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017048706A true JP2017048706A (ja) | 2017-03-09 |
Family
ID=58280905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015171696A Pending JP2017048706A (ja) | 2015-09-01 | 2015-09-01 | 車両用駆動制御装置及び車両用駆動制御装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017048706A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024011802A1 (zh) * | 2022-07-15 | 2024-01-18 | 烟台杰瑞石油装备技术有限公司 | 液压***及其故障诊断方法 |
-
2015
- 2015-09-01 JP JP2015171696A patent/JP2017048706A/ja active Pending
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