JP2017048314A - 組成物及び成形体 - Google Patents

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修吾 前田
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明彦 大久保
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Abstract

【課題】繊維とマトリックス樹脂との接着性に優れ、耐衝撃性や曲げ強度などの機械的強度にも優れた成形体が得られる組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る組成物は、共役ジエン系重合体(A)と、繊維(B)と、熱可塑性樹脂(C)と、を含有し、前記熱可塑性樹脂(C)100質量部に対して前記繊維(B)を10質量部以上100質量部以下含有し、前記共役ジエン系重合体(A)がアミノ基を有し、前記繊維(B)の繊維長が3mm以上50mm以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維を含有する組成物、及び該組成物を成形して得られる成形体に関する。
繊維強化樹脂(FRP)は、ガラス繊維、炭素繊維等の補強繊維を樹脂で固めた材料であり、機械的強度、耐熱性、成形加工性等に優れた複合材料である。そのため、FRPは、航空、宇宙用途、車両用途、建材用途、スポーツ用途等の広範な分野における材料として利用されている。
中でも炭素繊維強化樹脂(CFRP)は、高強度に加えて軽量という特徴を有している。樹脂としては、熱硬化性のエポキシ樹脂を用いて炭素繊維を補強したものが主流であり、例えば航空機の構造材等に採用されている。一方、熱可塑性樹脂を用いたFRPは、上記の特性に加えて成形サイクル短縮が可能、またリサイクルが可能であるという特徴を有するため近年注目されている。
このような熱可塑性樹脂を用いたCFRPにおいては、炭素長繊維を張力下に引き揃えながら熱可塑性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂ロッド(ストランド)を得た後、それを任意の長さに切断して得られる炭素長繊維強化樹脂ペレットを用いることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開平05−112657号公報
しかしながら、上記の炭素長繊維強化樹脂ペレットは、炭素繊維とマトリックス樹脂との密着性が不十分な場合があり、曲げ強度などの機械的物性の向上の点でも不十分な場合があった。そのため、このような炭素長繊維強化樹脂ペレットは、曲げ荷重などの負荷が印加された場合、炭素繊維とマトリックス樹脂との界面から亀裂が発生することがあった。このようにして発生した亀裂が炭素繊維とマトリックス樹脂との他の界面に伝播することにより、さらに亀裂を誘発し、最終的に成形体を横断して全体破壊に至ることがあった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、前記課題の少なくとも一部を解決することで、繊維とマトリックス樹脂との接着性に優れ、耐衝撃性や曲げ強度などの機械的強度にも優れた成形体が得られる組成物を提供する。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る組成物の一態様は、
共役ジエン系重合体(A)と、繊維(B)と、熱可塑性樹脂(C)と、を含有し、
前記熱可塑性樹脂(C)100質量部に対して前記繊維(B)を10質量部以上100質量部以下含有し、
前記共役ジエン系重合体(A)がアミノ基を有し、
前記繊維(B)の繊維長が3mm以上50mm以下であることを特徴とする。
[適用例2]
適用例1の組成物において、
前記共役ジエン系重合体(A)の含有割合が、前記熱可塑性樹脂(C)100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の組成物において、
前記繊維(B)が炭素繊維であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の組成物において、
前記熱可塑性樹脂(C)がオレフィン系樹脂であることができる。
[適用例5]
本発明に係る成形体の一態様は、
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の組成物を成形して得られることを特徴とする。
本発明に係る組成物によれば、繊維とマトリックス樹脂との接着性に優れ、耐衝撃性や曲げ強度などの機械的強度にも優れた成形体が得られる。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。
なお、本明細書中では、共役ジエン系重合体(A)を「(A)成分」、繊維(B)を「(B)成分」、熱可塑性樹脂(C)を「(C)成分」と略して用いることがある。
1.組成物
一般的に、FRP成形体は曲げ荷重などの負荷が印加された場合、繊維とマトリックス樹脂との接着性が不十分となりやすく、繊維とマトリックス樹脂との界面から亀裂が発生しやすい。このようにして発生した亀裂が繊維とマトリックス樹脂との他の界面に伝播することにより、さらに亀裂を誘発し、最終的に成形体を横断して全体破壊に至る。
このようなメカニズムによる亀裂発生を抑制するためには、繊維とマトリックス樹脂との界面の接着性を高める必要がある。これを実現すべく、本実施形態に係る組成物は、共役ジエン系重合体(A)と、繊維長が3mm以上50mm以下の繊維(B)と、熱可塑性樹脂(C)と、を含有し、マトリックス樹脂である(C)成分100質量部に対して(B)成分を10質量部以上100質量部以下含有し、さらに前記(A)成分がアミノ基を有するという構成を採る。以下、本実施形態に係る組成物に含まれる各成分について説明する。
1.1.共役ジエン系重合体(A)
本実施形態に係る組成物は、共役ジエン系重合体(A)を含む。(A)成分は、本実施形態に係る成形体において(B)成分と(C)成分とを強固に接着させることにより、曲
げ荷重などの負荷が印加された場合の(B)成分と(C)成分の界面から亀裂の発生を抑制し、成形体の曲げ強度、落錘衝撃強度等の機械的強度を向上させると考えられる。
本実施形態で使用される(A)成分は、アミノ基を有する。アミノ基を重合体に付与する方法は特に限定されず、アミノ基を有する単量体を重合させることにより(A)成分を得る方法等が例示される。なお、本明細書において「アミノ基」とは、1級アミノ基(−NH)、2級アミノ基(−NHR、ただしRは炭化水素基)及び3級アミノ基(−NRR’、ただしR、R’は炭化水素基)のうちいずれか一つを指し、前記のアミノ基は保護基によって保護されていてもよい。
(A)成分の一分子鎖あたりのアミノ基量は、好ましくは1個以上、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。製造時のポリマーのゲル化を防止するためには、一分子鎖あたりのアミノ基量は、好ましくは100個以下、より好ましくは50個以下である。(A)成分中のアミノ基量の定量方法は特に限定されないが、IR法、NMR法、アミン滴定法等により求めることができる。アミノ基量が前記範囲であると、(B)成分との接着性がより強固となり、本実施形態に係る組成物を成形することにより得られる成形体の機械的強度がより向上すると考えられる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法におけるポリスチレン換算による(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3万〜200万、より好ましくは4万〜100万、特に好ましくは5万〜50万である。また、(A)成分の、JIS K7210に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg)は、好ましくは0.1〜100g/10min、より好ましくは0.2〜50g/10min、特に好ましくは0.3〜30g/10minである。
(A)成分は、共役ジエンに由来する繰り返し単位のみから構成されてもよいが、必要に応じて共役ジエン以外の単量体に由来する繰り返し単位を有していてもよい。(A)成分は、同一の単量体が繰り返し単位を形成するブロック型の重合体であってもよく、互いに異なる単量体が無作為に重合されるランダム型の重合体を形成していてもよい。(A)成分と(C)成分との相容性を高め、(B)成分と(C)成分をより強固に接着させるためには、(A)成分はブロック共重合体であることが好ましい。特に、得られる成形体の耐候性及び機械的強度を向上させる観点では、(A)成分は水素添加された重合体であることが好ましい。以下、共役ジエン系重合体(A)について詳述する。
1.1.1.共役ジエン
(A)成分は、共役ジエンに由来する繰り返し単位を含む。共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、ファルネセン及びクロロプレン等を挙げることができる。機械的強度や耐寒性に優れた成形体を得るために、共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン又はイソプレンを含むことが好ましい。
1.1.2.共役ジエン以外の単量体
(A)成分は、共役ジエン以外の化合物に由来する繰り返し単位を含むものであってもよい。このような化合物としては、芳香族アルケニル化合物が好ましい。芳香族アルケニル化合物の中でも、機械的強度、耐熱性、及び耐寒性に優れた成形体を作製するために、下記一般式(1)で示される不飽和単量体がより好ましい。
Figure 2017048314
(一般式(1)中、Rは単結合あるいは炭素数1〜3の2価の炭化水素基、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、又はいずれか一方が前記トリアルキルシリル基、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基、Rは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基又はアルキリデン基、Rは水素原子あるいはメチル基、nは0〜3の整数を示す。)
芳香族アルケニル化合物の具体例としては、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、1−ビニルナフタリン、2−ビニルナフタリン、2−ビニルアントラセン、9−ビニルアントラセン、p−ビニルベンジルプロピルエーテル、p−ビニルベンジルブチルエーテル、p−ビニルベンジルヘキシルエーテル、p−ビニルベンジルペンチルエーテル、m−N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、p−N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、p−N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、o−ビニルベンジルジメチルアミン、p−ビニルベンジルジメチルアミン、p−ビニルベンジルジエチルアミン、p−ビニルベンジルジ(n−プロピル)アミン、p−ビニルベンジルジ(n−ブチル)アミン、ビニルピリジン、2−ビニルビフェニル、4−ビニルビフェニル、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチル]スチレン、p−{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン、m−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノ)スチレン及びp−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノメチル)スチレン等を挙げることができる。これらの単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。機械的強度、耐熱性、及び耐寒性に優れた成形体を作製するために、共役ジエン以外の化合物としては、スチレン又はp−メチルスチレンを含むことが好ましい。
(A)成分が共役ジエンに由来する繰り返し単位と芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返しとを有する場合において、(A)成分の共役ジエンに由来する繰り返し単位と芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返し単位との質量比は、(A)成分のガラス転移点を適度に保ち、成形体の機械的強度や耐寒性を向上させるために、100:0〜20:80であることが好ましく、97:3〜40:60であることがより好ましい。
1.1.3.重合体ブロックの構成
(A)成分は、(C)成分との相容性を高め、(B)成分と(C)成分をより強固に接着させるために、ブロック共重合体であることが好ましい。さらに、下記A〜Dの重合体ブロックの中から選ばれた2種以上の重合体ブロックを含むブロック重合体であることがより好ましい。
Aブロック:芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返し単位量が80質量%以上である重合体ブロック。
Bブロック:共役ジエンに由来する繰り返し単位量が80質量%以上であって、かつ、ビニル結合含量が30モル%未満の重合体ブロック。
Cブロック:共役ジエンに由来する繰り返し単位量が80質量%以上であって、かつ、ビニル結合含量が30モル%以上90モル%以下の重合体ブロック。
Dブロック:共役ジエンに由来する繰り返しと芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返しとのランダム共重合体ブロックであって、上記A〜C以外の重合体ブロック。
(A)成分が上記Cブロックを含有することにより、(C)成分の一種であるオレフィン系樹脂との分子の絡み合い及び相容性が良好となるため、成形体の機械的強度をより向上させることができる。上記Cブロックのビニル結合含量は、より好ましくは50モル%以上90モル%以下であり、特に好ましくは60モル%以上90モル%以下である。オレフィン系樹脂との分子の絡み合い及び相容性を顕著に向上させるためには、上記Cブロックは水素添加されていることがより好ましい。
重合体ブロックが2種以上の化合物から形成された共重合体ブロックであるときは、ランダム型、又は芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返し単位若しくは共役ジエンに由来する繰り返し単位の含有量が重合体ブロック中で連続的に変化するテーパー型であってもよい。
なお、本発明における「ビニル結合含量」とは、水添前の重合体中に1,2結合、3,4結合及び1,4結合の結合様式で組み込まれている共役ジエンに由来する繰り返し単位のうち、1,2結合及び3,4結合で組み込まれている単位の合計割合(モル%基準)である。当該ビニル結合含量(1,2結合含量及び3,4結合含量)は、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって算出することができる。
上記A〜Dの重合体ブロックの中から選ばれた2種以上の重合体ブロックを含むブロック重合体としては、例えば、A−B、A−C、A−D、B−C、B−D、[A−B]x―Y、[A−C]x―Y、[A−D]x―Y、[B−C]x―Y、[B−D]x―Y、[B−A]x―Y、[C−A]x―Y、[D−A]x―Y、A−B−D、A−B−A、A−C−A、A−C−B、A−D−A、B−A−B、[A−B−D]x―Y、[A−B−A]x―Y、[A−C−A]x―Y、[A−C−B]x―Y、[A−D−A]x―Y、[B−A−B]x―Y、A−B−A−B、B−A−B−A、[A−B−A−B]x―Y、A−B−A−B−A、[A−B−A−B−A]x―Y、B−A−B−D、B−A−B−A、B−A−C−A、B−A−C−B、B−A−D−A、[C−A−B−D]x―Y、[C−A−B−A]x―Y、[C−A−C−A]x―Y、[C−A−C−B]x―Y、[C−A−D−A]x―Y、C−A−B−A−B、C−B−A−B−A、C−A−B−A−C、[C−A−B−A−B]x―Y、C−A−B−A−B−A、[C−A−B−A−B−A]x―Yが挙げられる(但し、xは2以上の整数であり、Yは連結基である。)。なお、上記構造例において、角括弧によって囲まれ、かつYを有する構造は、最もYに近い位置のブロックがYに直接結合することを示す。例えば、[A−C−B]x―Yにおいては、x個の[A−C−B]が重合体ブロックBによってYに直接結合することを示す。)
本実施形態に係る組成物をペレット形状にする場合は、共役ジエンブロック共重合体の外側のブロック成分として、Aブロック及びBブロックのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
(B)成分と(C)成分との接着性を向上させ、(A)成分と(C)成分の相容性の高
い組成物を得るために、上記のうちA−C−A、A−C−B、[B−C]x―Y、[A−C]x−Y、[A−D]x―Y、A−D−Aの構造を有することが好ましい。CブロックもしくはDブロックを有するブロック重合体は、(C)成分としてオレフィン系樹脂を用いた場合、当該樹脂との相容性に優れるため良好な界面補強効果を得ることができる点で好ましい。また、(B)成分との接着性を向上させるために、Aブロックにアミノ基を有することが好ましい。
連結基Yは、カップリング剤に由来する構造単位である。このようなカップリング剤としては、例えばメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジブロモエタン、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、テトラクロロゲルマニウム、ビス(トリクロロシリル)エタン等のハロゲン化合物;エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物;アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、ジメチルテレフタル酸、ジエチルテレフタル酸等のカルボニル化合物、ジビニルベンゼン等のポリビニル化合物;ポリイソシアネート等を挙げることができる。カップリング剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。カップリング反応において、反応温度は0〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。反応時間は1〜30分が好ましく、5〜20分がより好ましい。
1.1.4.水素添加
本実施形態に係る成形体の耐候性及び機械的強度を向上させるために、(A)成分は水素添加(以下、「水添」ともいう。)された重合体であることが好ましい。特に(C)成分としてオレフィン系樹脂を用いた場合、水素添加された重合体を(A)成分として使用することにより、(A)成分とオレフィン系樹脂との分子の絡み合い及び相容性を顕著に向上させ、(C)成分と(B)成分との接着性をより向上させることができる。
重合体の水素添加率(以下、「水添率」ともいう。)は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力又は反応時間等を変えることにより制御することができる。例えば20〜150℃、0.1〜10MPaの水素加圧下、水添触媒の存在下で行われる。水添率は、ビニル結合などの二重結合の60%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、95%以上が特に好ましい。重合反応後に水素添加を行い、その後変性剤を反応させてもよいし、あるいは、重合反応後に変性剤を反応させ、その後水素添加を行ってもよい。
水添触媒及び具体的な水素添加の方法としては、例えば特開平1−275605号公報、特開平5−271326号公報、特開平5−271325号公報、特開平5−222115号公報、特開平11−292924号公報、特開2000−37632号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭63−5401号公報、特開昭62−218403号公報、特開平7−90017号公報、特公昭43−19960号公報、特公昭47−40473号公報等に記載されている水添触媒や水素添加方法が挙げられる。
水素添加された重合体の重量平均分子量(Mw)は、3万〜200万であることが好ましく、4万〜100万であることがより好ましく、5万〜50万であることが特に好ましい。Mwが前記範囲であると、成形体の強度や寸法安定性を向上させることができる。また、Mwが前記範囲であると、本実施形態に係る組成物の溶液粘度や溶融粘度が適度となり、成形性をより向上させることができる。なお、「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
1.1.5.(A)成分の製造方法
(A)成分は、例えば特許第5402112号公報、特許第4840140号公報、国際公開第2003/029299号等に記載の方法に従って製造することができる。また
、(A)成分がブロック共重合体である場合、例えば、特許第3134504号公報、特許第3360411号公報、特許第3988495号公報、国際公開第2014/014052号等に記載の方法に従って製造することができる。具体的な(A)成分の製造方法としては、例えば下記(a)〜(c)の方法が挙げられる。なお、以下の方法によって得られた重合体を、必要に応じて上述の方法により水素添加することができる。
1.1.5.1.製造方法(a)
製造方法(a)は、共役ジエンを単独で、あるいは、共役ジエン及び芳香族アルケニル化合物を、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物のうち少なくとも一種の存在下で重合し、得られた重合体に変性剤を反応させる方法である。必要に応じて水素添加を行ってもよい。変性剤がアルコキシシリル基とアミノ基を有する化合物である場合、高い導入率で導入することができる。
変性剤を反応させる温度は、0〜120℃が好ましい。反応時間は、1〜30分が好ましい。重合体に対して反応させる変性剤の量は、10モル%以上が好ましい。
アミノ基を有する化合物としては、例えば、ハロゲン化アミン、アルコキシシリル基とアミノ基を有する下記一般式(2)、下記一般式(3)、又は下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
ハロゲン化アミンとしては、例えば、クロロメチルアミン、2−ブロモエチルアミン、3−ヨードプロピルアミン、エチルクロロメチルアミン、ビス(3−クロロプロピル)アミン、トリス(4−ブロモブチル)アミン、N−(3−クロロプロピル)モルホリン等の脂肪族ハロゲン化アミン類;2−クロロシクロヘキシルアミン、ビス(2−ブロモシクロヘキシル)アミン、N−メチル−2−クロロピペリジン、2−クロロシクロヘキシルジメチルアミン、2−クロロピロリジン、2−ブロモピペリジン、2−クロロモルホリン、4−クロロピロリン等の脂環式ハロゲン化アミン類;1−ブロモ−1−フェニルメチルアミン、1−クロロ−1−フェニルエチルアミン、ベンジル(3−ブロモプロピル)アミン、ベンジル−ビス(クロロメチル)アミン等の芳香環を含むハロゲン化アミン類、例えば、2−クロロメチルアニリン、N−クロロメチルアニリン、N−(2−ブロモエチル)アニリン、N−メチル−N−(3−ブロモプロピル)アニリン、4−クロロメチルピロール、3−ブロモメチルインドール、2−クロロメチルカルバゾール、2−(2−ブロモエチル)イミダゾール、3−(3−ブロモプロピル)ピラゾール、2−ブロモメチルナフチリジン、2−クロロメチルキナゾリン、2−ヨードメチルピリミジン等の芳香族ハロゲン化アミン類;1−クロロエチレンジアミン、ビス(2−アミノ−1−クロロエチル)アミン、2−ブロモヘキサメチレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N,N’N”N”−ペンタキス(クロロメチル)ジエチレントリアミン等の脂肪族ハロゲン化多価アミン類;2−クロロピペラジン、2−ブロモ−1,4,7−トリアザシクロノナン等の環状ハロゲン化多価アミン等が挙げられる。
<一般式(2)で表される化合物>
(4−m−n)Si(OR (2)
式(2)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。Rが複数ある場合は、各々のRは同一の基でも異なる基でもよい。Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基である。Rが複数ある場合は、各々のRは同一の基でも異なる基でもよい。
Xは式−A−X’(式中、Aは炭素数1〜20のアルキレン基であり、X’は少なくともN原子を含む基である)で表される基である。Xが複数ある場合は、各々のXは同一の
基でも異なる基でもよい。また、各々のXは独立の置換基であっても環状構造を形成していてもよい。m及びnは1〜3の整数である。m及びnの和は2〜4の整数である。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば特許第3988495号公報や国際公開第2014/014052号等に記載の化合物等を使用することができる。これらの中でも、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、3−モルホリノプロピルジメチルメトキシシラン、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルジメチルメトキシシラン等が好ましい。
<一般式(3)で表される化合物>
Figure 2017048314
前記一般式(3)中、R〜R11は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基を表し、R12及びR13は、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、mは1又は2の整数であり、nは1〜3の整数である。なお、一般式(3)で表される化合物において、炭素数1〜20のアルコキシ基の数の合計は4以上であることが好ましい。
前記一般式(3)で表される化合物としては、例えば国際公開第2003/029299号や国際公開第2014/014052号等に記載の化合物を使用することができる。
<一般式(4)で表される化合物>
Figure 2017048314
前記一般式(4)において、R14、R15は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基を表し、R19は炭素数1〜20のアルキレン基を表す。R16、R17及びR18は、各々独立に炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基であるか、又はそれらの2つは互いに結合してそれらが結合しているケイ素原子と一緒になって環を形成してもよい。mは1又は2の整数である。
前記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、1−トリメチルシリル−2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン及びこれらのジエトキシシリル化合物
に対応するジメトキシシリル化合物、メチルエトキシシリル化合物、エチルエトキシシリル化合物、メチルメトキシシリル化合物、エチルメトキシシリル化合物等が挙げられる。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物が挙げられる。これらの中でも有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、例えば、有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が挙げられる。
有機リチウム化合物としては、例えば、特許第3988495号公報や国際公開第2014/014052号等に記載の化合物等を使用することができる。これらの中でも、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、1,3−フェニレン−ビス−(3−メチル−1−フェニルペンチリデン)ビスリチウムが好ましい。
なお、有機アルカリ金属化合物は、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物であってもよい。このような化合物としては、例えば下記一般式(5)又は下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017048314
上記一般式(5)中、R20及びR21は双方が炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、又はいずれか一方が前記トリアルキルシリル基であって、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基を示す。R22は炭素数1〜20のアルキレン基又はアルキリデン基を示す。
Figure 2017048314
上記一般式(6)中、R23は、炭素数1〜20のアルキレン基又はアルキリデン基を示す。R24は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基を示す。
上記一般式(5)又は(6)で示される有機アルカリ金属化合物としては、特許第3988495号公報や国際公開第2014/014052号等に記載の化合物等を使用することができる。
有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物、有機バリウム化合物が挙げられる。有機アルカリ土類金属化合物の具体例としては、例えば、エチルブチルマグネシウム、ジ−n−ブチ
ルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、ジエトキシカルシウム、ジステアリン酸カルシウム、ジ−t−ブトキシストロンチウム、ジエトキシバリウム、ジイソプロポキシバリウム、ジエチルメルカプトバリウム、ジ−t−ブトキシバリウム、ジフェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ジステアリン酸バリウム、ジケチルバリウム等が挙げられる。
上記の有機アルカリ金属化合物や有機アルカリ土類金属化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、有機アルカリ金属化合物や有機アルカリ土類金属化合物の使用量は、共役ジエン及び他の単量体等の単量体の合計100質量部に対して0.02〜15質量が好ましい。
1.1.5.2.製造方法(b)
製造方法(b)は、共役ジエンと芳香族アルケニル化合物、又は共役ジエンと芳香族アルケニル化合物と他の単量体とを重合して得られた重合体に、少なくとも1つの有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物と、少なくとも1つの脂肪族アミン化合物との存在下で変性剤を反応させる方法である。有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物や変性剤としては、「1.1.5.1.製造方法(a)」で例示されたものが使用できる。
脂肪族アミン化合物としては、脂肪族3級アミンが好ましい。脂肪族3級アミンの例としては、エチレンジアミン誘導体、プロピレンジアミン誘導体又はポリエチレンイミンが挙げられる。これらの中でもエチレンジアミン誘導体が好ましく、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンがより好ましい。
製造方法(b)では、芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返し単位を含む重合体は、溶媒中で変性反応を行う。単離されたブロック共重合体を溶媒に溶解してもよいし、重合反応、又は水添反応の終了後の共重合体溶液をそのまま使用してもよい。
芳香族アルケニル化合物に対して、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物はモル比で0.01〜5倍量が好ましい。また、有機アルカリ金属化合物や有機アルカリ土類金属化合物に対して、脂肪族アミン化合物はモル比で0.8〜5倍量が好ましい。有機アルカリ金属化合物や有機アルカリ土類金属化合物に対して、変性剤はモル比で0.5〜2倍量が好ましい。
1段目の反応は共重合体溶液に、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物よりなる群から選択される少なくとも1種、脂肪族アミン化合物を混合する工程である。有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物よりなる群から選択される少なくとも1種と脂肪族アミン化合物の添加はどちらを先にしてもよく、また同時に添加してもよい。反応温度は20〜120℃が好ましい。反応時間は0〜120分が好ましい。2段目の反応は、1段目の反応溶液に変性剤を混合する工程である。反応温度は20〜120℃が好ましい。反応時間は0〜120分が好ましい。必要に応じて、2段目の反応後水素添加を行ってもよい。
1.1.5.3.製造方法(c)
製造方法(c)は、共役ジエンを単独で、あるいは、共役ジエン及び芳香族アルケニル化合物を、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物のうち少なくとも一種の存在下で重合し、得られた重合体を、過酸化物と変性剤とともに、溶液中又は押し出し機等の混練機中で変性剤を重合体に付加させる方法である。有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物や変性剤としては、「1.1.5.1.製造方法(a)」で例示されたものが使用できる。
過酸化物としては、特に限定されるものではなく、1,1−ジt−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジt−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等の有機過酸化物類等が挙げられる。これらの過酸化物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。過酸化物の使用割合は、変性剤1質量部に対して、0.001〜3質量部であることが好ましい。
上記の混合・加熱する方法としては、特に限定されるものではなく、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダー等のバッチ式溶融混練装置、一軸押出機、同方向回転型連続式二軸押出機、異方向回転型連続式二軸押出機等の連続式溶融混練装置を挙げることができる。加熱温度は、100〜300℃であることが好ましい。加熱時間は10〜900秒間であることが好ましい。
1.2.繊維(B)
一般的に、FRP成形体は曲げ荷重などの負荷が印加された場合、繊維とマトリックス樹脂との接着性が不十分となりやすく、繊維とマトリックス樹脂の界面から亀裂が発生しやすい。このようにして発生した亀裂が繊維とマトリックス樹脂の他の界面に伝播することにより、さらに亀裂を誘発し、最終的に成形体を横断して全体破壊に至ることがあった。ところが、(B)成分のような比較的長い繊維であっても、本願発明のように(A)成分を添加することにより(B)成分と(C)成分との接着性が向上し、曲げ強度及び耐衝撃性などの機械的特性を効果的に向上できることが明らかとなったのである。
本実施形態で用いられる(B)成分としては、繊維長が3mm以上50mm以下の繊維である。(B)成分の繊維長の下限値は、好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上である。(B)成分の繊維長の上限値は、好ましくは40mm以下、より好ましくは30mm以下である。上記のような比較的長い繊維を含有する組成物から得られるFRP成形体は、曲げ強度及び耐衝撃強度の両方をバランスよく向上させることができる。繊維長が3mm未満の繊維では、得られるFRP成形体の曲げ強度の向上及び耐衝撃強度の向上のいずれの点でも不十分となりやすい。一方、繊維長が50mmを超える繊維を含有する組成物では、成形機のホッパーでブロッキングするため好ましくない。
(B)成分の繊維径の下限値は、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、特に好ましくは10nm以上である。繊維径の上限値は、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下、特に好ましくは1mm以下である。
(B)成分の繊維長及び繊維径は、公知の方法により測定することができる。例えば、顕微鏡にて(B)成分を観察することにより、繊維長及び繊維径を測定することができる。また、FRP成形体中の(B)成分の繊維長及び繊維径は、成形品の高温灰化、溶剤による溶解、試薬による分解等の処理で採取される充填材残渣を、顕微鏡にて観察することにより測定することができる。
(B)成分の繊維長と繊維径との比(アスペクト比)は、400〜7500が好ましく、500〜6000がより好ましく、700〜4500が特に好ましい。アスペクト比が前記範囲であると、成形体の機械的特性をより向上させることができる。また、アスペクト比が前記範囲であると、成形体の変形や異方性の発生を防ぎ、良好な外観を得ることができる。
(B)成分としては、公知の材料を使用することができる。(B)成分は、例えば、アルミナ繊維、ガラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、ジルコニア繊維、セラミック繊維、ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、シリカ−アルミナ繊維、カオリン繊維、ボーキサイト繊維、カヤノイド繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、マグネシア繊維、チタン酸カリウムウィスパー等の無機繊維;ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリイミド系繊維、ポリビニルアルコール変性繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、アクリル繊維、炭素繊維、フェノール繊維、ナイロン繊維、セルロース(ナノ)繊維等の有機繊維;から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、炭素繊維が好ましい。
(B)成分は、必要に応じて表面を官能基で修飾してもよい。このような官能基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、アミド基、アミノ基、イソシアネート基、イミド基、ウレタン基、エーテル基、エポキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基及び酸無水物基等が挙げられる。
(B)成分に上記の官能基を導入する方法は特に限定されないが、(B)成分とサイジング剤とを直接反応させて導入する方法や、(B)成分にサイジング剤を塗布又は含浸したのち必要に応じてサイジング剤を固化する方法等が挙げられる。具体的には、特開2013−147763号公報等に記載の方法に基づいて作製することができる。
サイジング剤の種類としては、例えば、酸、酸無水物、アルコール、ハロゲン化試薬、イソシアナート、アルコキシシラン、オキシラン(エポキシ)等の環状エーテル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ変性ウレタン樹脂、アミン変性芳香族エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
(B)成分を繊維束にする際に使用するサイジング剤の量は特に制限はなく、例えば、(B)成分100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
以下、本実施形態で用いられる(B)成分として好適な炭素繊維について説明する。
炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル繊維を原料とするPAN系炭素繊維、石炭タールや石油ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維、ビスコースレーヨンや酢酸セルロースなどを原料とするセルロース系炭素繊維、炭化水素などを原料とする気相成長系炭素繊維、及びこれらの黒鉛化繊維などが好ましく挙げられる。なお、本発明における炭素繊維は、カーボンナノチューブ、グラフェンを繊維状に加工した形態も含む。これらの炭素繊維は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
1.3.熱可塑性樹脂(C)
本実施形態に係る組成物は、熱可塑性樹脂(C)を含有する。(C)成分としては、例えばオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂;アクリル系樹脂;ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12、半芳香族ポリアミド(ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T)、変性ポリアミド等のポリアミド;ポリカーボネート、ポリアセタール、フッ素樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステルエラストマー、ポリアリレート、液晶ポリマー(全芳香族系、半芳香族系)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドが例示され、これらから選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、オレフィン系樹脂が好ましい。
(C)成分の分子量は、重量平均分子量(Mw)で0.5万以上100万以下であることが好ましく、1万以上90万以下であることがより好ましく、2万以上80万以下であることが特に好ましい。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、1以上10以下が好ましく、2以上7以下がより好ましい。
以下、本実施形態において好適に用いられるオレフィン系樹脂について説明する。
オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独重合体;それらのα−オレフィンと、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセン等の炭素数2〜18程度の他のα−オレフィン等との二元あるいは三元の(共)重合体等が挙げられる。
オレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等のエチレン系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体等のプロピレン系樹脂;1−ブテン単独重合体、1−ブテン−エチレン共重合体、1−ブテン−プロピレン共重合体等の1−ブテン系樹脂;4−メチル−1−ペンテン単独重合体、4−メチル−1−ペンテン−エチレン共重合体等の4−メチル−1−ペンテン系樹脂などが挙げられる。
これらのオレフィン系樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂が好ましく、プロピレン系樹脂がより好ましく、エチレン−プロピレン共重合体及びプロピレン単独重合体が更に好ましく、プロピレン単独重合体が特に好ましい。特に(A)成分が、共役ジエンに由来する繰り返し単位量が80質量%以上であって、かつ、ビニル結合含量が30モル%以上90モル%以下の共役ジエン重合体ブロックを有するブロック重合体である場合、プロピレン系樹脂は当該(A)成分との相容性がとりわけ良好となる点で好ましい。この場合、上記の重合体ブロックのビニル結合含量は、50モル%以上90モル%以下がより好ましく、60モル%以上90モル%以下が特に好ましい。また、(A)成分が水素添加されると、プロピレン系樹脂との相容性や、分子の絡み合いが顕著に向上するため好ましい。
オレフィン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、成形体の機械的強度を向上させるために、0.5万以上100万以下であることが好ましく、1万以上90万以下であることがより好ましく、2万以上80万以下であることが特に好ましい。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1以上10以下が好ましく、2以上7以下がより好ましい。
また、オレフィン系樹脂は、結晶性ポリオレフィンと非晶性ポリオレフィンとを併用してもよい。非晶性ポリオレフィンとしては、例えば、アタクチックポリプロピレン、アタ
クチックポリ−1−ブテン等の単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、1−ブテンと他のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
1.4.その他の成分
本実施形態に係る組成物には、上記成分以外に、その他の添加剤として、老化防止剤、酸化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、防菌・防黴剤、防臭剤、導電性付与剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、難燃剤、制振剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離型剤等を配合することができる。
1.5.各成分の含有割合
本実施形態に係る組成物では、(A)成分の含有割合の下限値は、マトリックス樹脂である(C)成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。(A)成分の含有割合の上限値は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。(A)成分の含有割合が前記範囲にあることにより、(A)成分が(B)成分と(C)成分を強固に接着させることができる。その結果、曲げ荷重などの負荷が印加された場合の(B)成分と(C)成分との界面から亀裂の発生を抑制し、成形体の曲げ強度、ノッチなしシャルピー衝撃強度、落錘衝撃強度等の機械的強度を向上させると考えられる。
また、(B)成分の含有割合の下限値は、マトリックス樹脂である(C)成分100質量部に対して10質量部以上であり、好ましくは20質量部以上であり、さらに好ましくは25質量部以上である。(B)成分の含有割合の上限値は、マトリックス樹脂である(C)成分100質量部に対して100質量部以下、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下である。(B)成分の含有割合が前記範囲にあることにより、得られる成形体の耐衝撃性や曲げ強度、落錘衝撃強度を向上させることができる。
1.6.組成物の製造方法
本実施形態に係る組成物は、(A)成分、(C)成分、及び必要に応じてその他の成分を(B)成分に含浸させることにより製造することができる。含浸の方法は、特に限定されず、(A)成分及び(C)成分を混合した後、その混合物中に(B)成分を含浸させてもよい。また、(B)成分にサイジング剤としての(A)成分を塗布した後、(C)成分を含浸させてもよい。
1.6.1.サイジング剤としての(A)成分を使用する場合
(A)成分をサイジング剤として使用する場合、上述した(A)成分の製造方法により得られた共役ジエン系重合体の重合溶液をサイジング剤としてそのまま使用してもよい。また、該重合溶液から(A)成分を分離した後、(A)成分を溶媒に溶解させて溶液として使用したり、分散媒へ分散させてエマルジョン(ラテックス)として使用してもよい。(A)成分をサイジング剤としてあらかじめ(B)成分の表面へ塗布することにより、本実施形態に係る組成物中において、(B)成分と(C)成分の界面に(A)成分を偏在させることができる。その結果、(A)成分の使用量が少量であっても効果的に(B)成分と(C)成分との接着性を向上させることができる。その結果、成形体の機械的強度を飛躍的に向上させることができるため好ましい。
(A)成分を液状媒体に溶解させたものをサイジング剤として(B)成分へ塗布する場合、液状媒体としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール;塩化メ
チレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素等の炭化水素系の液状媒体を使用することができる。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素がより好ましい。本実施形態に係る組成物中の液状媒体の含有割合は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは100〜10000質量部、より好ましくは300〜5000質量部、特に好ましくは600〜3000質量部である。
(A)成分をエマルジョンとして液状媒体に分散させたものをサイジング剤として(B)成分へ塗布する場合、該サイジング剤は、公知の乳化方法により作製することができる。
乳化させる際には、必要に応じて界面活性剤を単独あるいは併用して添加してもよい。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性界面活性剤;ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、アラギン酸、リシン酸等の脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩;ロジン酸、不均化ロジン酸、水素化ロジン酸等の樹脂酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩;鎖状アルキル基あるいは環状アルキル基を有する長鎖脂肪酸エステルのヒドロキシアミンのアミン塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、ベンジルアンモニウムクロライド、トリデシルベンゼンヒドロキシエチルイミダゾールクロライド等のカチオン性界面活性剤;カプリルアルコール及びオクチルアルコールのような高級アルコールのリン酸エステル、ならびにソルビタンモノオレエートのようなオレイン酸とペンタエリスリトールのモノエステルが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性の界面活性剤を用いることもできる。液状媒体としては水を好適に使用することができる。
界面活性剤の使用割合は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは0.5〜20質量部である。界面活性剤の使用量が前記範囲にあると、エマルジョンの安定性がより良好となる傾向があるため好ましい。
エマルジョン中の(A)成分の平均粒子径は、好ましくは0.02〜100μm、より好ましくは0.1〜10μmであり、特に好ましくは0.5〜5μmである。エマルジョン中の(A)成分の平均粒子径が前記範囲であると、エマルジョンの粘度を取り扱いやすい範囲に制御でき、さらにエマルジョンを貯蔵した際に、気液界面の皮膜の生成を抑制することができる。エマルジョン中の(A)成分の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置を用いることにより測定することができる。このような粒度分布測定装置としては、例えば、マイクロトラックMT3000(日機装株式会社製)が挙げられる。
エマルジョン中、分散媒の使用割合は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは100〜10000質量部、より好ましくは300〜5000質量部、特に好ましくは600〜3000質量部である。
繊維用サイジング剤には、ラテックスの分野で通常配合される、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、架橋剤、キレート化剤、酸素捕捉剤、分散剤等の添加剤を配合することができる。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;炭酸ガス;アンモニア;トリメチルアンモニウム、トリエタノールアミンなどの有機アミン化合物が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属の水酸化物、炭酸ガス又はアンモニアが好ましく用いられる。
(A)成分をサイジング剤として(B)成分に塗布し、それを(C)成分と混合する場合、(A)成分を(B)成分に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えばスプレー法、ローラー浸漬法、ローラー転写法、ガイド給油法などを用いることができる。(B)成分は、単繊維でも繊維束としてもよいが、繊維束が好ましい。(A)成分を(B)成分に塗布した後、熱風、熱板、ローラー、赤外線ヒーターなどを使用して加熱してもよい。
1.6.2.組成物の製造条件
本実施形態に係る組成物は、連続繊維(ロービング)を引きながらマトリックス樹脂を繊維に含浸させる引き抜き成形法により製造することが好ましい。具体的には、混練押出機に(A)成分、(C)成分及び必要に応じて添加剤を加えた混合物を溶融状態でクロスヘッドダイに供給し、連続繊維(ロービング)をクロスヘッドダイを通して引きながら、マトリックス樹脂を含有する混合物を連続繊維に含浸させ、冷却装置で冷却後、引き抜き方向に対して略垂直方向に所望の長さに切断することにより得られる。なお、連続繊維は、予め上述の(A)成分またはそれ以外のサイジング剤を用いて繊維を束ねることにより繊維束(ストランド)の状態とすることができる。繊維束は、単糸数が1,000本(1K)から60,000本(60K)までそれぞれ用途に応じて適宜設定することができる。
引き抜き成形は、基本的には連続した強化繊維束を引きながら樹脂を含浸するものであり、上記クロスヘッドの中に繊維束を通しながら混練押出機等からクロスヘッドにマトリックス樹脂を供給し含浸する方法である。この方法以外の方法としては、マトリックス樹脂を含有する混合物のエマルジョン、サスペンジョンあるいは溶液を入れた含浸浴の中に繊維束を通し含浸する方法、マトリックス樹脂の粉末を繊維束に吹き付けるか粉末を入れた槽の中を繊維束を通し繊維に樹脂粉末を付着させたのちマトリックス樹脂を溶融し含浸する方法等が挙げられる。また、これらの引き抜き成形におけるマトリックス樹脂の含浸操作は1段で行うのが一般的であるが、これを2段以上に分けてもよく、さらに含浸方法を異にして行ってもかまわない。
溶融含浸物は、加熱反応後、押し出されてストランドとなり、切断可能な温度まで冷却され、ペレタイザー等で切断されてペレットとなる。したがって、このようにして得られたペレットの長さは、繊維(B)の繊維長と実質的に同じ長さとなる。ペレットの形状は特に制限されず、具体的には円柱状、角柱状、板状、さいころ状等が挙げられる。
(A)成分と(C)成分の混練は、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の従来公知の混練機及びそれらを組み合わせてなる混練機を用いることができる。混練にあたり、各成分を一括混練りする方法や、ある成分を混練りした後、残りの成分を添加して混練りする多段分割混練法を採用することができる。
なお、混練機として押出機を用いる場合、L/D(押出機のスクリューの有効長(L)とスクリューの直径(D)との比)は、10〜80が好ましい。混練用セグメントとしては、汎用のニーディングディスクセグメント、ロータセグメント、VCMT(VARIOUS Clearance Mixing Technology)ロータセグメント、ツイストニーディングセグメント、BMS(Backward Mixing Single flight screw)セグメント等が使用できる。
得られた混合物を単軸押出機又は二軸押出機に供給し、上記と同様の混練条件で再度溶融混練を行うことができる。例えば、上記混練機を用いて、(A)成分、(C)成分とその他の任意成分との混合物を上述した混練条件で溶融混練する工程を行い、必要に応じて前記工程を複数回繰り返して行ってもよい。
なお、溶融混練前には、ヘンシェルミキサー等を用いて原料成分の予備混合を行ってもよい。また、溶融混練の前又は後には、原料成分又は混練混合物を必要に応じて、除湿乾燥機、熱風乾燥機等を用いて乾燥させてもよい。この際、乾燥温度は50℃以上が好ましく、乾燥時間は2時間以上が好ましい。
2.成形体
本実施形態に係る成形体は、上述の組成物を成形して得られるものである。成形においてはペレットに含まれる繊維の折損が抑制できるような成形条件を選択することが好ましい。そのためには、一般的な成形方法及び成形装置では、材料を可塑化する際にスクリューの回転によって生じる剪断が大きく、繊維を折損させてしまう可能性がある。従って成形機メーカー各社の長繊維強化熱可塑性樹脂用に開発した可塑化システムを持つ成形機を用いることが好ましい。また、繊維長をできるだけ維持する成形条件としては、マトリックス樹脂に対して強化繊維を添加していない(非強化の)状態で成形する際の一般的可塑化温度より10〜30℃高めの温度設定とするなど、可塑化による剪断を低減することが望ましい。更に金型及び/又はダイの設計においては、特に限定されるものではないが、樹脂の流路はその断面を出来得る限り広く設計し、また樹脂流路の形状についても検討した上で、圧力損失の低減された設計を施すことが繊維長を保護する上で望ましい。
このように成形時においては繊維長を長くするよう条件をとることで、長繊維強化樹脂ペレットから成形される成形体中に分散される繊維強化樹脂成形体を達成できる。
成形方法としては、一般的な熱可塑性組成物の成形方法と同様の方法を適用することができるが、上述のゆえに可塑化による繊維の剪断を低減する条件を適宜選択することができ、例えば射出成形、押出成形、中空成形、発泡成形、プレス成形等の方法を採ることができる。また、(B)成分をシート状など所望の形状に成形しておき、溶融させた(A)成分と(C)成分の混合物を含浸させて成形体を作製することもできる。
本実施形態に係る成形体は、その特性を活かして例えば、自動車内装材、外板、バンパー等の自動車材料や家庭電気製品の筐体、家電部品、包装用資材、建築資材、土木資材、水産資材、その他工業用資材等として好適に用いられる。また、繊維として炭素繊維を用いた場合、樹脂中の炭素繊維の配向度を調整することにより電磁波吸収材として用いることもできる。
3.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。なお、本発明の組成物の物性の測定方法は以下の通りである。
3.1.重合体の物性値
(1)ビニル結合含量等
ビニル結合含量(1,2結合含量及び3,4結合含量)は、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって求めた。ただし、ビニル結合含量の単位は、モル%基準である。スチレン単位とp−メチルスチレン単位の合計含有量は、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)により、検量線を作成して求めた。ただし、スチレン単位の含有量の単位は、質量%基準で
ある。
(2)水添率
水添率は、四塩化炭素を溶媒として用い、400MHz、H−NMRスペクトルから算出した。
(3)重量平均分子量(Mw)
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製、HLC−8120)法により測定された、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
・展開溶媒:THF
・測定温度:40℃
・カラム:TSKgel GMHxl
(4)アミノ基量
アミノ基量は、重合体1分子鎖中のアミノ基(個)の含有量であり、下記式により表される。
・アミノ基量=(アミノ基(個)/重合体1分子鎖)
アミノ基量は、以下の手法で算出した。まず、Analy.Chem.564(1952)記載のアミン滴定法による定量によりアミノ基濃度(mol/g)を求めた。即ち、得られた重合体を精製後、有機溶剤に溶解し、指示薬としてメチルバイオレットを用い、溶液の色が紫から水色に変化するまでHClO/CHCOOHを滴定することにより、アミノ基量(mol/g)を求めた。このアミノ基量(mol/g)を元に、アミノ基量(mol/g)×分子量(g/mol)と計算を行うことにより、重合体1分子鎖中のアミノ基(個)の含有量を算出した。なお、分子量は、GPC法で求めたポリスチレン換算の数平均分子量から求めた。
3.2.組成物の成形、物性測定方法及び評価方法
(1)曲げ強度
東芝機械社製射出成形機「IS100GN」(型式名)において長繊維専用スクリューを用いて射出成形することにより、ISO多目的試験片(ISO3167で定義されたタイプA試験片)を作成した。試験はISO179に準じて、支点間距離64mm、試験速度2mm/minで行った。試験温度は23℃、単位は「MPa」である。曲げ強度が150MPa以上である場合を良好、150MPa未満を不良と判断した。
(2)ノッチなしシャルピー衝撃強度
東芝機械社製射出成形機「IS100GN」(型式名)において長繊維専用スクリューを用いて射出成形にすることにより、ISO多目的試験片を作成した。試験はISO178に準じて、ノッチを入れずに評価に供した。打撃アームには秤量4Jのハンマーを用いた。試験温度は23℃、単位は「kJ/m」である。ノッチなしシャルピー衝撃強度が25kJ/m以上である場合を良好、25kJ/m未満を不良と判断した。
(3)落錘衝撃強度
株式会社日本製鋼所製射出成形機「J35AD」(型式名)において長繊維専用スクリューを用いて、大きさが80mm×55mm×2.4mmの試験片を成形した後、島津製作所社製高速衝撃試験機「HITS−P10」(型式名)にセットし、落錘試験(重錘のポンチ先端直径:12.7mm、受け台穴径:43mm、試験速度:6.7m/秒、試験温度:23℃)に供し、JIS K7211−2に準じてパンクチャーエネルギー量を測定した。単位は「J」である。落錘衝撃強度が10J以上である場合を良好、10J未満である場合を不良と判断した。
(4)界面せん断強度
作製した共役ジエン系重合体(A)あるいは市販サイジング剤が付着した繊維を1本取り出し、複合材界面特性評価装置(東栄産業株式会社製、型番「HM410」)を用いてマイクロドロップレット法により界面せん断強度を評価した。具体的には、測定対象とする繊維を装置にセッティングし、溶融した表3に示す種類のそれぞれの熱可塑性樹脂(C)のドロップを繊維上に形成させ、室温で十分に冷却し、測定用の試料を得た。その後、再度測定試料を装置にセットし、ドロップを装置ブレードで挟み、装置上で0.12mm/分の速度で走行させ、繊維をドロップから引き抜く際の最大引き抜き荷重Fを測定し、下記式により界面せん断強度τを算出した。界面せん断強度が20MPa以上である場合を良好、20MPa未満である場合を良好と判断した。
τ=F/πDL
上記式において、
F:炭素繊維から熱可塑性樹脂が剥離する際に生じる最大応力(N)
D:1本の炭素繊維の直径(m)
L:繊維の軸方向における熱可塑性樹脂の直径(m)
をそれぞれ表す。
(5)ストランドの毛羽立ち
クロスヘッドダイから連続繊維を引き取る際に、目視によるストランドの毛羽立ち外観および毛羽立ちによる(B)成分の破断状況から、以下の基準で評価した。
・「3点」:ストランドから(B)成分が抜け出ておらず、(B)成分が破断しないことから良好と判断する。
・「2点」:ストランドから(B)成分が部分的に抜け出ているが、(B)成分は破断しないため、やや不良と判断する。
・「1点」:ストランドから(B)成分が全体的に抜け出ており、(B)成分が破断したため、不良と判断する。
(6)射出成形機ホッパー内でのブロッキング
株式会社日本製鋼所製射出成形機「J35AD」(型式名)にペレットを投入する際、ホッパー内でブロッキングの状態を確認した。
・「3点」:ホッパー内でブロッキングすることはなく、良好と判断する。
・「2点」:ホッパー内でブロッキングするが、棒で付けばブロッキングが崩れるため、やや不良と判断する。
・「1点」:ホッパー内でブロッキングし、棒で付いてもブロッキングが解消されず、不良と判断する。
3.3.水添触媒の製造
以下の方法により、水添触媒を製造した。
撹拌機、滴下漏斗を備えた1L容量の三つ口フラスコを乾燥窒素で置換し、無水テトラヒドロフラン200mL及びテトラヒドロフルフリルアルコール0.2モルを加えた。その後、n−ブチルリチウム(以下「n−BuLi」ともいう。)/シクロヘキサン溶液(0.2モル)を三つ口フラスコ中に15℃にて滴下して反応を行い、テトラヒドロフルフリルオキシリチウムのテトラヒドロフラン溶液を得た。
次に、撹拌機、滴下漏斗を備えた1L容量の三つ口フラスコを乾燥窒素で置換し、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド49.8g(0.2モル)及び無水テトラヒドロフラン250mLを加えた。そして、上記記載の方法により得られたテトラヒドロフルフリルオキシリチウムのテトラヒドロフラン溶液を室温撹拌下にて約1時間で滴下した。約2時間後、赤褐色液を濾過し、不溶部をジクロロメタンで洗浄した。
その後、ろ液及び洗浄液を合わせて減圧下にて溶媒を除去することにより、水添触媒[ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウム(テトラヒドロフルフリルオキシ)クロライド](「[クロロビス(2,4−シクロペンタジエニル)チタン(IV)テトラヒドロフルフリルアルコキシド]」ともいう。)を得た。なお、収率は95%であった。
3.4.共役ジエン系重合体(A)の合成
[合成例1]
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、p−メチルスチレン(750g)、及びn−ブチルリチウム(7.0g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として、1,3−ブタジエン(3,750g)を加え、断熱重合を行った。30分後、p−メチルスチレン(500g)を加え重合を行った。水素圧1.0MPaを保つようにして30分反応させて重合停止した。次いで、四塩化ケイ素(1.7g)を加え、15分後に上記水添触媒(5.4g)、及びジエチルアルミニウムクロライド(2.1g)を加え、水素圧1.0MPaを保つようにして1時間反応させた。反応後、反応液を70℃、常圧に戻して反応容器より抜き出し、重合体溶液を得た。脱溶媒槽に水と上記重合体溶液を加え(重合体溶液100質量部に対して、水200質量部の割合)、脱溶媒槽の液相の温度:95℃で、2時間スチームストリッピング(スチーム温度:190℃)により脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥を行うことで水添共役ジエンブロック共重合体(1−B)を得た。撹拌機を備えた7L容量のセパラブルフラスコを乾燥窒素で置換し、上記共役ジエンブロック共重合体(1−B)(500g)をシクロヘキサン(4,000g)に溶解させた。次いで、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを(13.8g)及びs−ブチルリチウム(7.6g)を加えて15分撹拌した後、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン(39.9g)を加え、30分間反応させた。ロータリーエバポレーターで溶剤を留去した後、60℃で18時間真空乾燥して変性水添共役ジエンブロック共重合体(1−D)を得た。
[合成例2、5〜7]
合成例1と同様の手法で、表1に示す成分と量を使用して水添共役ジエンブロック共重合体(2−D)、共役ジエン系重合体(5−D)、共役ジエン系重合体(6−D)および共役ジエン系重合体(7−D)を得た。
[合成例3]
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(750g)、及びn−ブチルリチウム(7.0g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として、1,3−ブタジエン(3,750g)を加え、断熱重合を行った。30分後、スチレン(500g)を加え、さらに重合を行い30分間反応させた。その後、合成例1と同様の方法により脱溶媒と乾燥を行うことで共役ジエンブロック共重合体である共役ジエン系重合体(3−A)を得た。
[合成例4]
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(750g)、及びn−ブチルリチウム(7.0g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として、1,3−ブタジエン(3,750g)を加え、断熱重合を行った。30分後、スチレン(500g)を加え重合を行った。水素圧1.0MPaを保つようにして30分反応させて重合停止した。次いで、四塩化ケイ素(1.7g)を加え、15分後に上記水添触媒(5.4g)、及びジエチルアルミニウムクロライド(2.1g)を加え、水素圧1.0MPaを保
つようにして1時間反応させた。反応後、反応液を70℃、常圧に戻して反応容器より抜き出し、重合体溶液を得た。その後、合成例1と同様の方法により脱溶媒と乾燥を行うことで水添共役ジエンブロック共重合体である共役ジエン系重合体(4−B)を得た。
得られた各共重合体の反応に用いた試薬及び分析結果を表1に併せて示した。
Figure 2017048314
3.5.成形体の作製(1)
実施例1〜7及び比較例1〜3では、以下の方法により作製されたペレットについて評
価した。
炭素繊維B−1(東レ社製、商品名「T700SC−12K−50C」)を通路が波状に加工されたクロスヘッドを通して、表2に示す炭素繊維ロービングを引きながら、表2に示す組成で作製した(A)成分と(C)成分の混合物をクロスヘッドに接続された押出機から供給して、溶融状態(260℃)で炭素繊維に含浸させた後、賦形ダイを通してストランドとして引き取り、裁断し、表2に示す組成のペレットを得た。
3.6.成形体の作製(2)
実施例8〜11及び比較例4〜7では、以下の方法により作製されたペレットについて評価した。
三角フラスコへ表3に示す共役ジエン系重合体(A)100g及びシクロヘキサン900gを投入し、室温で溶解させて共役ジエン系重合体(A)の溶液を作製した。その後、2Lガラスビーカーへ水350g、上記溶解液640g、花王社製エマルゲン147(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル)の25%水溶液を25.6g、第一工業製薬社製ネオゲンS−20F(商品名、ドデシルベンセンスルホン酸ナトリウム)の10%水溶液を3.2g順次投入し、特殊機化工業社製ホモミキサーMARKII(商品名)を用いて13,000rpmにて10分間撹拌した。その後、東京理化器械社製ロータリーエバポレーター N−11(商品名)に移液し、シクロヘキサンを脱溶させ、共役ジエン系重合体(A)の濃度が7%になるように調整した水系乳化分散液(サイジング剤)を得た。
炭素繊維B−0(アセトンでサイジング剤を除去した東レ社製の商品名「トレカ T700SC−12000−50C」)を、調整した水系乳化分散液(サイジング剤)を満たした処理浴に連続的に浸漬し、繊維(B)に所定量の共役ジエン系重合体(A)を付着させた。引き続き連続的に120℃のオーブンに5分間通して乾燥した。得られた共役ジエン系重合体(A)が付着した繊維(B)について、上述した界面せん断強度測定を行った。
さらに、このようにして作製した共役ジエン系重合体(A)が付着した繊維(B)を、通路を波状に加工したクロスヘッドを通して引きながら、表3に示す(C)成分をクロスヘッドに接続された押出機から供給して、溶融状態(260℃)で共役ジエン系重合体(A)が付着した繊維(B)に含浸させた後、賦形ダイを通してストランドとして引き取り、裁断し、表3に示す組成のペレットを作製した。
3.7.評価結果
表2〜表3に各実施例、各比較例の組成物の組成及び評価結果を示した。
Figure 2017048314
Figure 2017048314
表2〜表3において、(B)成分及び(C)成分の略称はそれぞれ下記の通りである。[繊維(B)]
・繊維(B−1):東レ社製、商品名「T700SC−12K−50C」
[熱可塑性樹脂(C)]
・PP:日本ポリプロ社製、ポリプロピレン「ノバテック MA1B」(商品名)
実施例1〜7によれば、(A)成分を含まない比較例1と比べて曲げ強度、ノッチなしシャルピー強度及び落錘衝撃強度の点で大幅に向上していることがわかった。また、実施例1〜7では、クロスヘッドダイから連続繊維を引き取る際、ストランドから(B)成分が抜け出ておらず、(B)成分が破断することもなかった。
比較例1によれば、(A)成分を含まないため、実施例に比べて曲げ強度、ノッチなしシャルピー強度及び落錘衝撃強度の点で劣っていることがわかった。
比較例2、3によれば、(A)成分がアミノ基を有しないため、得られた成形体において(B)成分と(C)成分を強固に接着させることができず、(A)成分を含まない比較例1と比べても曲げ強度、ノッチなしシャルピー強度、及び落錘衝撃強度がほとんど向上しないことがわかった。
実施例8〜11によれば、(A)成分を含まない比較例4と比べて、界面せん断強度、曲げ強度、曲げ強度、ノッチなしシャルピー強度及び落錘衝撃強度の点で大幅に向上していることがわかった。また、実施例8〜11では、クロスヘッドダイから連続繊維を引き取る際、ストランドから(B)成分が抜け出ておらず、(B)成分が破断することもなかった。さらに、実施例8〜11では、射出成形機ホッパー内でブロッキングすることもなかった。
比較例4によれば、(A)成分を含まないため、実施例に比べて界面せん断強度、曲げ強度、曲げ強度、ノッチなしシャルピー強度及び落錘衝撃強度の点で劣っていることがわかった。
比較例5、6、7によれば、(A)成分がアミノ基を有しないため、得られた成形体において(B)成分と(C)成分とを強固に接着させることができず、(A)成分を含まない比較例4と比べても曲げ強度及び落錘衝撃強度がほとんど向上しないことがわかった。
比較例7によれば、(B)成分の繊維長が60mmであったことにより、射出成形機内にペレットを投入する際、ホッパー内でブロッキングし、棒で付いてもブロッキングが解消されなかった。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を包含する。また本発明は、上記の実施形態で説明した構成の本質的でない部分を他の構成に置き換えた構成を包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成をも包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成をも包含する。

Claims (5)

  1. 共役ジエン系重合体(A)と、繊維(B)と、熱可塑性樹脂(C)と、を含有し、
    前記熱可塑性樹脂(C)100質量部に対して前記繊維(B)を10質量部以上100質量部以下含有し、
    前記共役ジエン系重合体(A)がアミノ基を有し、
    前記繊維(B)の繊維長が3mm以上50mm以下である、組成物。
  2. 前記共役ジエン系重合体(A)の含有割合が、前記熱可塑性樹脂(C)100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記繊維(B)が炭素繊維である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂(C)がオレフィン系樹脂である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の組成物を成形して得られる、成形体。
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