JP2017046651A - 植物栽培用照明装置及びそれを用いた植物栽培方法 - Google Patents

植物栽培用照明装置及びそれを用いた植物栽培方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構造で、植物工場における人工光光源の電力コストを先行技術よりも大幅に低減できる植物栽培用照明装置を提供する。【解決手段】 基板の基準面12に配置された複数のLEDと、それらLEDの出射光ビームB1、B2、B3が所定の出射方向に所定の出射角度で出射されるように制御するレンズを備える。前記LED間の間隔と、出射光ビームB1、B2、B3の前記出射方向及び前記出射角度と、基準面12と仮想の照射面Pとの距離Lは、照射面P上で出射光ビームB1、B2、B3が部分的に重なり合って重なり領域50、51、53が形成されるように調整される。使用時には、出射光ビームB1、B2、B3が前記レンズを介して単一の栽培対象植物に向けて照射され、前記栽培対象植物の被照射部(葉集合領域)の芯部が前記重なり領域に包含されるようにする。【選択図】 図2

Description

本発明は、植物栽培用照明装置及びそれを用いた植物栽培方法に関し、さらに言えば、複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode, 以下、LEDという)と、それらLEDの出射光を所望の狭範囲に集める光学素子を備えた植物栽培用照明装置、及び、その植物栽培用照明装置の出射光を成育中の植物(例えばレタス等の葉野菜)に照射することにより、その植物の成長速度を促進することが可能な植物栽培方法に関する。これらは、完全人工光型の植物工場に好適に使用できるものである。
いわゆる「植物工場」とは、光、温度、二酸化炭素濃度などの内部環境が制御された閉鎖的または半閉鎖的な空間で植物を計画的に生産する栽培施設であり、(a)天候に左右されずに狭い土地で植物を大量生産できる、(b)無農薬、新鮮、清潔といった高付加価値の植物を安定供給できる、(c)食の安全・安心、健康志向に合致する、といった多くの利点がある。このため、近年、植物工場の設置が進んできているが、コスト上の問題と、栽培品目が一部のレタス類やハーブ類に限定される等の難点から、予測されたほどには普及していないのが現状である。
「植物工場」には、人工光と太陽光を併用する「太陽光・人工光併用型」と、人工光のみを使用する「完全人工光型」がある。
「太陽光・人工光併用型」は、太陽光を取り入れるように構成された空間(例えば温室)内に人工光を設置し、天候や季節に応じて人工光を補足的に利用しながら植物を計画的に栽培するものである。コストの問題は少ないが、土壌を使用することから、一般に無農薬栽培は困難であるという難点がある。人工光の光源としては、高圧ナトリウムランプが使用されるのが通常である。
他方、「完全人工光型」は、閉鎖空間内で人工光のみを利用して植物を計画的に栽培するものである。天候や季節や場所に依存せず、葉野菜の完全無農薬栽培が可能である等、利点は多い。しかし、現状では設置コストと運営コスト(特に人工光の電気代)の問題が大きく、採算に乗せるのは容易ではない。人工光の光源としては、蛍光灯が使用されるのが通常であり、一部ではLEDが使用されている。近年、LEDの低価格化・高性能化が著しいため、LEDを使用する場合が増えている。
ところで、野菜の栽培法には、温室などを用いず自然の気候条件や土壌の条件で植物を栽培する「露地栽培」、温室等の施設内で植物を栽培する「施設栽培」、固形培地を使用せずに、植物の成長に必要な養水分を液肥として与えながら植物を栽培する「水耕栽培」などがある。植物工場、特に「完全人工光型」の植物工場では、管理・運営の容易性等を考慮して「水耕栽培」が一般的に使用される。
野菜の栽培(生産)プロセスは、まず、適当な栽培容器に植物のタネを植える「播種」の段階から始まる。発芽後、一定の大きさに苗が成長すると、その苗を別の栽培容器に植え変える(「定植」)。次に、定植した苗を栽培室に移動して人工光を照射しながら一定の大きさまで成長させる(「育成」)。苗が所定の大きさに成長すると、成長した植物を「収穫」する。収穫された植物は、所定の包装が施されて「出荷」される。植物工場では、大略、このような五つの段階を経て植物の大量生産が実施される。これらの栽培段階のうちで、人工光の照射方法によって成果が大きく変わるのが「育成」の段階であり、照射する人工光をどのような色(波長)とするか、どのような強度で照射するか、といった点が鍵になる。
人工光の光源としては、従来、高圧ナトリウムランプや蛍光灯、LEDなどが使用されてきた。高圧ナトリウムランプは、高出力でワット(W)当たり単価が低いという利点があるが、熱放射が多いために植物に近接して照明することができないという難点がある。これに対し、蛍光灯とLEDは、熱放射が少ないため、植物に近接して照明することが可能であり、したがって照明効率の向上や多段栽培が可能となるという利点がある。蛍光灯はLEDよりも安価で取り扱いも容易であるが、寿命が短いために交換等の管理作業が面倒であるという難点がある。LEDは長寿命であり、交換作業が少なくなるのであるが、高価であるのが難点である。しかし、近年、LEDの低価格化、高性能化が進んでいるため、今後は人工光の光源としてLEDを使用するのが一般的になると予想されている。
また、日本における野菜を生産する植物工場の設置数は、2012年度では300を超えているが、そのうちの6割が赤字経営であり、3割が経営を維持するだけで手一杯で利益が出ておらず、わずか1割が黒字経営とのことである。2015年度は、植物工場の設置数が400に近くなると予測されているが、赤字倒産の植物工場も増えているようであり、その主たる原因は植物工場の管理・運用コスト、特に人工光光源の電力コスト(電気代)であると言われている。
現在の日本市場の動向を見ると、ここ数十年の間に米食が減り、代わりにパン食が増えているが、それに伴って野菜の摂取が習慣化し、野菜に対するニーズが高くなっていることが分かる。しかし、消費税の8%への増税(2014年)や東日本大震災(2011年)に伴う電力料金の値上げ等もあって、ここ数年の野菜の市場価格は値上がり傾向にある。このため、実際の野菜の販売量は、その想定ニーズに見合うだけの増加はしていない。また、現状では、植物工場で栽培された野菜は、露地栽培や施設栽培で栽培された野菜に比べてかなり高価であるため、市場では苦戦している。そこで、植物工場では、栽培コストを低減すると同時に、「植物工場製」ならではの新たな付加価値を創成してそれを広く消費者に訴えることが必要である。それらが可能になれば、植物工場の黒字経営はずっと容易になるはずである。
このように、既存の植物工場での最重要かつ最優先の課題は、人工光光源の電力コストの低減であり、その次の課題が付加価値の創成であると予想される。
人工光光源の最有力候補としてのLEDは、低価格化・高性能化が今後も進むと予想されるから、電力コスト低減の観点から見ると、今後の植物工場の人工光光源としてはLEDを使用するのが最適と考えられる。LEDは、蛍光灯に比べて長寿命であり、交換作業も少なくなるので、初期費用は高くなるが、維持・管理費用は低くなり、全体コストで考えると有利であるからである。また、光の色(波長)や強度の調整も、高圧ナトリウムランプや蛍光灯に比べて容易であるからである。
LEDを人工光光源として使用する場合、例えば、LEDの出射光の色(波長)をどのように設定するか、LEDの出射光をどのように成長中の植物に照射させるか、LEDから放出される熱をどのようにして放散させるか、といった点が重要である。この点については、例えば、植物の成長に重要な光の波長は、クロロフィルが吸収できる400〜700nmの波長領域のうち、赤(640〜680nm)と青(450〜480nm)の領域であること、また、光量(光量子束密度)や照射時間を調整することで植物の成長速度や形状、含有成分等を制御できること、等が知られている。また、この種の制御により、「植物工場製」の植物ならではの付加価値を創成する可能性があることも知られている。
本発明に関連する先行技術としては、例えば、特許文献1(特開2013−158317号公報)に開示された植物栽培装置がある。この植物栽培装置は、植物が成長するにつれてより広い受光範囲内に栽培架台が位置するように前記栽培架台の移動を制御することで、前記栽培架台上に載置された栽培パネルにLED装置から照射される光の照射効率を高め、もってエネルギーの有効利用を実現しようとするものである。この植物栽培装置では、個別光源としてのLEDからの出射光の照射範囲(受光範囲)を、植物の成長に合わせて、植物の存在する範囲とその近傍のみに限定するようにしているため、LED出射光の照射効率を高めることができる(請求項1、図1〜図3、段落0012、0020、0023〜0041を参照)。
本発明に関連する他の先行技術としては、特許文献2(特開2014−233231号公報)に開示された多段棚式植物育成装置がある。この多段棚式植物育成装置は、棚の下面側に設置された人工照明器が、ボックスと、前記ボックスの下面側に配置された発光体(例えば蛍光灯)と、前記ボックス内に設置された電源ユニットを有しており、前記電源ユニットが前記ボックスの底板に設置されていると共に、前記ボックスの天板からは離隔している。こうして、前記人工照明器の前記電源ユニットの熱が主として前記ボックスの前記底板から下方に放熱され、前記人工照明器の上側の棚に伝達する熱が少なくなるようにし、それによって前記棚の上を流れる養液と、前記棚上に載置された植物の根圏部とが前記人工照明器の熱で温まるのを防止して、植物を効率よく育成しようとするものである(請求項1、図1〜図9、段落0018〜0034を参照)。
本発明に関連するさらに他の先行技術としては、特許文献3(特開2014−079172号公報)に開示された人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板がある。この導光版は、複数のLEDを有する光源モジュールからの出射光を、前記導光版の側面から受けてその下面へ出射させるためのドットパターンをその上面に有していて、前記ドットパターンは、複数の円形の凹状ドットが等間隔に、かつ、前記導光版の上面の中央部と四隅部に近くなるに従い、前記円形の凹状ドットの直径が大きくなるように形成されている。こうすることで、前記導光版の下面全体にわたる光量子束密度を適切に制御し、広範囲にわたり可能な限り均一かつ高輝度な光照射を実現しようとするものである(請求項1、図1〜図8、段落0006〜0008を参照)。
本発明に関連するさらに他の先行技術としては、特許文献4(特開2014−045757号公報)に開示された植物育成装置がある。この植物育成装置は、制御可能な環境に置かれた植物に対して、複数の光源(例えば太陽、LED、特定波長光源)と電磁波源から選択した光及び電磁波の少なくとも一つを照射する手段と、環境情報及び植物の成長状況を感知するセンサと、前記センサで感知した前記環境の状態と前記植物の生長状況に合わせて、前記光及び電磁波の照射状況と環境条件の少なくとも一つを制御する手段とを備えており、それによって少ないエネルギーで植物の育成を促進して速く出荷できるようにするものである(請求項1、図1〜図5、段落0027、0030〜0043を参照)。
特開2013−158317号公報 特開2014−233231号公報 特開2014−079172号公報 特開2014−045757号公報
上述した特許文献1の植物栽培装置では、個別光源としてのLEDからの出射光の照射範囲(受光範囲)を、植物の成長に合わせて、植物の存在する範囲とその近傍のみに限定すると同時に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の三つのLEDの出射光を光学素子(レンズ)を用いて屈折させることで、植物の成長に合わせて、R、G、Bの各色の光量の混合比の変更と、側面視における照射角度の段階的拡大を行っている。したがって、確かにLEDの光エネルギーを有効利用することができるが、それに止まり、LED出射光の照射態様の調整による植物の成長速度の促進という点はまったく考慮されていない。よって、この植物栽培装置で可能な人工光光源の電力コスト低減には、限界がある。
上述した特許文献2の多段棚式植物育成装置では、人工照明器の電源ユニットの熱の放熱と、その人工照明器からの伝熱を調整することにより、棚の上を流れる養液と、その上に載置された植物の根圏部とが温まるのを防止することで、植物を効率よく育成しようとする。したがって、確かに植物の育成を効率化できるが、それに止まり、LEDそれ自体の光エネルギーの有効利用や、LED出射光の照射態様の調整による植物の成長速度の促進という点はまったく考慮されていない。よって、この多段棚式植物育成装置で可能な人工光光源の電力コスト低減にも、限界がある。
上述した特許文献3の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板は、光源モジュールを構成する複数のLEDの出射光を、その側面から受けてその下面へ出射させるためのドットパターンを工夫することで、広範囲にわたり可能な限り均一かつ高輝度な光照射を実現しようとする。したがって、確かにLEDの光エネルギーを有効利用することができるが、それに止まり、LEDそれ自体の光エネルギーの有効利用や、LED出射光の照射態様の調整による植物の成長速度の促進という点はまったく考慮されていない。よって、この導光板で可能な人工光光源の電力コスト低減にも、限界がある。
上述した特許文献4の植物育成装置は、複数の光源(例えば太陽、LED、特定波長光源)と電磁波源から選択した光及び電磁波の少なくとも一つを、環境情報及び植物の成長状況に合わせて植物に照射することで、少ないエネルギーで植物の育成を促進して速く出荷できるようにする。したがって、この植物育成装置では、確かに植物の育成速度の促進によって出荷を速くすることはできるが、それに止まり、LEDそれ自体の光エネルギーの有効利用や、LED出射光の照射態様の調整による植物の成長速度の促進という点はまったく考慮されていない。よって、この植物育成装置で可能な人工光光源の電力コスト低減にも、限界がある。
本発明は、以上述べたような事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、簡単な構造で、植物工場における人工光光源の電力コストを上記先行技術よりも大幅に低減することができる植物栽培用照明装置と、その照明装置を用いた植物栽培方法を提供することにある。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかになる。
(1)本発明の第1の観点によれば、植物栽培用照明装置が提供される。この植物栽培用照明装置は、
基準面を有する本体と、
前記基準面に所定間隔をあけて配置された複数のLEDと、
前記本体に設置された、複数の前記LEDの出射光のそれぞれが所定の出射方向に所定の出射角度で出射されるように制御する1または複数の光学素子とを備え、
複数の前記LED間の前記間隔と、複数の前記出射光の前記出射方向及び前記出射角度と、前記基準面から所定距離にある位置に想定した仮想の照射面の前記所定距離は、前記照射面上において複数の前記出射光が部分的に重なり合って1または複数の重なり領域が形成されるように調整されており、
使用時には、複数の前記出射光が1または複数の前記光学素子を介して単一の栽培対象植物に向けて照射されると共に、前記栽培対象植物の被照射部の芯部が1または複数の前記重なり領域に包含されることを特徴とするものである。
本発明の植物栽培用照明装置では、上述したような構成を有しているので、前記基準面から所定距離にある前記照射面上において、前記出射光が部分的に重なり合って形成される1または複数の前記重なり領域の光量(光量子束密度)は、前記出射光のそれぞれの光量(光量子束密度)よりも高くなる。そして、使用時には、複数の前記出射光が単一の栽培対象植物に向けて照射されると共に、前記栽培対象植物の被照射部の芯部が1または複数の前記重なり領域に包含される。このため、平面上に所定ピッチで配置された複数の栽培対象植物の全面に対して平均的に複数の前記出射光を照射する場合に比べて、複数の前記出射光の利用効率が向上する。
また、前記栽培対象植物の被照射部の芯部が1または複数の前記重なり領域に包含されるため、前記芯部に照射される前記出射光の光量が相対的に多くなる。このようにして、前記栽培対象植物の前記被照射部に照射される前記出射光の光量の分布を、前記芯部とそれ以外の部分との間で異ならせることで、前記栽培対象植物の成長速度を促進することができるため、前記栽培対象植物を栽培する際の毛作数を増加することが可能となる。例えば、一般的な10〜12毛作から25毛作程度に増加することができるようになる。したがって、当該照明装置を使用すると、上述した光量分布を持つ出射光を使用しない場合に比べて、前記栽培対象植物の栽培(生産)効率が大幅に向上する。
このように、本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置によれば、複数の前記LEDの前記出射光の利用効率の向上と、前記栽培対象植物の成長速度の促進(栽培効率の向上)との両面で、複数の前記LEDの駆動のために投入される電力の利用を効率化することができる。したがって、植物工場における人工光光源の電力コストを上記先行技術よりも大幅に低減することができる。
さらに、前記本体の基準面に複数の前記LEDを所定間隔をあけて配置し、複数の前記LEDの出射光が所定の出射方向に所定の出射角度で出射されると共に、前記照射面上において互いに部分的に重なり合うように、1または複数の前記光学素子を前記本体に設置するだけでよいので、本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置の構造は簡単である。
その結果、簡単な構造で、植物工場における人工光光源の電力コストを上記先行技術よりも大幅に低減する、という目的を達成することができる。
(2) 本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置の好ましい例では、複数の前記出射光がいずれも白色光とされる。この例では、前記出射光が存在する栽培環境で働く作業者の心理的負担が軽減されるという利点がある。
(3) 本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置の他の好ましい例では、複数の前記出射光が赤色光、青色光及び緑色光の少なくとも一つを含む。この例では、前記栽培対象植物の種類や追加すべき付加価値に応じて前記出射光の波長を選択するのが容易であるという利点がある。
(4) 本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置のさらに他の好ましい例では、複数の前記出射光の前記出射角が7°〜30°の範囲内の値に設定される。前記出射角をこの範囲に設定すると、1または複数の前記重なり領域を所望の態様で形成するのが容易になるという利点がある。
(5) 本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置のさらに他の好ましい例では、複数の前記出射光がいずれも、太陽光の連続スペクトルに近似した連続スペクトルを持つ白色光とされる。この例では、前記出射光が存在する栽培環境で働く作業者の心理的負担が軽減されると共に、栽培環境を太陽光下で栽培する場合のそれに近づけることができるという利点がある。
(6) 本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置のさらに他の好ましい例では、複数の前記LEDの出射光のそれぞれのビーム幅を調整するレンズユニットをさらに備える。この例では、前記出射光のそれぞれのビーム幅を調整することで、前記照射面の前記所定距離を変更することができるという利点がある。
(7) 本発明の第2の観点によれば、植物栽培方法が提供される。この植物栽培方法は、上述した本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置を使用する植物栽培方法であって、
前記照明装置と栽培対象植物を1対1で対応させ、
前記照明装置と前記栽培対象植物の相対位置を、前記栽培対象植物の被照射部の芯部が前記照明装置の1または複数の前記重なり領域に包含されるように設定し、
前記照明装置の複数の前記出射光を対応する前記栽培対象植物の前記被照射部に向けて照射することを特徴とするものである。
本発明の第2の観点による植物栽培方法では、上述した本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置と前記栽培対象植物を1対1で対応させ、前記照明装置と前記栽培対象植物の相対位置を、前記栽培対象植物の被照射部の芯部が前記照明装置の1または複数の前記重なり領域に包含されるように設定してから、複数の前記出射光を対応する前記栽培対象植物の前記被照射部に向けて照射する。このため、植物工場における人工光光源の電力コストを上記先行技術よりも大幅に低減しながら、植物工場で植物を大量生産することが可能である。
(8) 本発明の第2の観点による植物栽培方法の好ましい例では、複数の前記出射光を前記栽培対象植物の前記被照射部に向けて照射する際に、送風手段によって前記栽培対象植物に送風する。この例では、送風によって前記植物が成長中に根を強く張り、露地栽培の苗と同様に本葉がしっかりすることで、食べたときにシャキシャキ感が良くなる、食管が改善するという利点がある。
(9) 次に、本発明者が本発明をなすに至った経緯について説明する。
本発明者は、以下に述べるように、植物工場における人工光光源の電力コスト低減という上記課題を解決すべく鋭意研究に努めた結果、本発明をなすに至ったものである。すなわち、本発明者は、まず、培養土を用いた野菜(例えばレタス)の栽培法について試験を行うことにより、以下のような三つの知見を得た。
(a) 所定ピッチで一列に配置された栽培対象植物に直線的な人工光光源で人工光を照射する場合、必ずしもそれら栽培対象植物の列全体に平均的に照射する必要はなく、栽培対象植物毎に個別に1対1となるように照射すれば足りる。特に、栽培対象植物が発芽して間もない苗である場合は、苗の葉集合領域が非常に狭いので、隣接する苗と苗(例えば、苗が植えられた鉢と鉢)の間に照射された人工光は、光合成や形態形成に十分に利用されず無駄になるものが多い。
(b) 栽培対象植物毎に個別に1対1となるように人工光を照射する場合、その光量(光量子束密度)を増加すると、それに応じて栽培対象植物の成長速度が高まる(促進される)現象がある。
(c) 栽培対象植物毎に個別に1対1となるように人工光を照射する際に、栽培対象植物の葉集合領域の芯部の光量(光量子束密度)をそれ以外の部分(前記葉集合領域の周辺部)の光量よりも多くすると、前記芯部と前記周辺部の光量がほぼ同じ場合に比べて、栽培対象植物の成長速度がいっそう高まる(促進される)現象がある。
上述した知見(a)、(b)及び(c)は、次のような試験を行って得たものである。
開口部の直径が約150mmの鉢(栽培容器)にレタスの苗を植え、その鉢を複数個、150mmピッチで直線に沿って水平面上に一列に配置した。また、照明装置(人工光光源)として、14mm径の直管状の外部電極蛍光灯(External Electrode Fluorescent Lamp, EEFL)を、前記鉢の列の上方に所定間隔をあけて重なり合う(平行となる)ように水平に設置した。その間隔は、前記苗の葉先から40cmとした。前記EEFLの光量(光量子束密度)は、1万lxの照度に相当する値であった。
そして、この条件の下で、(イ)前記照明装置として上述したEEFLを1本使用した場合、(ロ)(イ)で使用したEEFLの外周に、150mmピッチで、100mm幅の黒色テープを巻き付け、発光領域を前記鉢の上方のみに制限したものを1本使用した場合、そして、(ハ)(ロ)で使用した黒色テープ付きEEFLを2本、隣接して平行に配置したものを使用した場合について、栽培試験を行った。その結果、(イ)の場合と(ロ)の場合のレタスの苗の成長速度は同じであった。これにより、前記EEFLの発光領域を限定して、前記苗(鉢)毎に1対1となるように制限した(ロ)の場合の方が、(イ)の場合よりも人工光を有効利用でき、したがって電力コストが下がることが判明した。これは、(ロ)の場合に使用した黒色テープ付きEEFLの駆動のために投入した電力の一部が利用されず、無駄になっているということを意味する。この結果から、上記の知見(a)が得られた。
また、(ハ)の場合には、(ロ)の場合の約2倍の光量(光量子束密度)が前記苗に照射されることになるので、それを反映して、(イ)及び(ロ)の場合よりも前記苗の成長速度が著しく増加した。
さらに、(イ)、(ロ)、(ハ)の各場合において、前記EEFLと前記鉢の間隔を40cmから、20cm、10cmと段階的に減少させたところ、各場合において前記苗の成長速度は段階的に増加し、結果として、前記EEFLの光量(光量子束密度)が最大の(ハ)の場合において、前記間隔を最少の10cmとしたときに、前記苗の成長速度が最大となった。これにより、試験をした範囲では、前記苗に照射される光の光量(光量子束密度)の増加に応じて、前記苗の成長速度が増加する傾向があることが判明した。
これらの結果から、上記の知見(b)が得られた。この知見(b)は、EEFLよりも遙かに光量(光量子束密度)が大きく且つレンズ等の光学素子で出射光の狭範囲化が容易なLEDを使用することで、換言すれば、高光量の点光源として機能させることが容易なLEDを使用することで、苗の成長速度の促進という現象はいっそう顕著になると予想される。
植物工場で栽培(生産)される植物には、葉野菜のように、複数の本葉が集まった葉集合領域を有しており、その葉集合領域にある本葉が食用になるものが多い。このような植物に対して個別に1対1となるように人工光を照射する場合、人工光を葉集合領域の芯部にできるだけ集中するようにする方が、人工光の照射効率の面からは有利である。そこで、葉集合領域の芯部の光量(光量子束密度)がそれ以外の部分(芯部の周辺部)の光量よりも多くなるような光量分布を持つ人工光を生成できれば、栽培対象植物の光合成や形態形成の活性化の面からは、より好ましいと推測される。この結果から、上記の知見(c)が得られた。この知見(c)も、レンズ等の光学素子を用いることで、EEFLよりも遙かに容易に出射光の光量分布を制御できるLEDを使用することで、苗の成長速度の促進という現象はいっそう顕著になると推測される。
上述した本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置と本発明の第2の観点による植物栽培方法は、いずれも、上述した知見(a)〜(c)に基づいてなされたものである。
本発明の第1の観点による植物栽培用照明装置によれば、簡単な構造で、植物工場における人工光光源の電力コストを上記先行技術よりも大幅に低減することができる。
本発明の第2の観点による植物栽培方法によれば、植物工場における人工光光源の電力コストを上記先行技術よりも大幅に低減しながら、植物工場で植物を大量生産することが可能である。また、植物工場の黒字経営を容易に実現することができる。
(a)は本発明の一実施形態に係る植物栽培用照明装置の構成を示す底面図、(b)はその側面図である。 図1に示された植物栽培用照明装置の三つのLEDユニットによる出射光ビームの照射面に対する照射状況を示す側面説明図である。 図1に示された植物栽培用照明装置の三つのLEDユニットによる出射光ビームの照射面上での照射状況(光量分布)を示す説明図である。 栽培対象植物としての葉野菜の一例を示す平面説明図である。 図1に示された植物栽培用照明装置の三つのLEDユニットによる出射光ビームを、図4の葉野菜の葉集合領域に照射した場合の光量分布を示す平面説明図である。 図1に示された植物栽培用照明装置に装着されるヒートシンクの一例を示す要部斜視図である。 栽培対象植物としての葉野菜の他の例を示す平面説明図である。 図1に示された植物栽培用照明装置の三つのLEDユニットによる出射光ビームを、図7の葉野菜の葉集合領域に照射した場合の光量分布を示す平面説明図である。 図1に示された植物栽培用照明装置を配置した照明装置用パネルと、図4に示された栽培容器を配置した栽培容器用パネルを用いて、多数の葉野菜を栽培する場合の構成例を示す概念図である。 本発明の他の実施形態に係る植物栽培用照明装置の構成を示す側面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(植物栽培用照明装置の構成)
本発明の一実施形態に係る植物栽培用照明装置1の全体構成を図1に示す。図1より明らかなように、この照明装置1は、円形の基板10と、基板10の一面に固定された三つのLEDユニット21、22、23とを備えている。基板10は、照明装置1の本体として機能するものであり、LEDユニット21、22、23が装着された平面を基準面12としている。基準面12とは反対の面には、シート状の熱伝達パッド30を介してヒートシンク40(図6を参照)が装着されるようになっている。基板10の中心には、ネジ孔11が貫通して形成されており、基準面12の側から所定のネジをネジ孔11に挿通してネジ込むことで、基準面12の反対側に配置されるヒートシンク40を接合・一体化するようになっている。
三つのLEDユニット21、22、23は、いずれも同じ構成を有しており、基板10の中心の周りに等間隔で、つまり、その中心の周りに120°毎に配置されている。隣接する二つのLEDユニット22、23の距離(配置間隔)と、隣接する二つのLEDユニット23、21の距離(配置間隔)と、隣接する二つのLEDユニット21、22の距離(配置間隔)は、いずれもdに設定されている。
LEDユニット21は、チップ状のLED21aと、そのLED21aに一体的に形成された円錐台状のレンズ21bとを備えている。LED21aは、レンズ21bの小径側の端部に、LED21aの中心軸とレンズ21bの中心軸がほぼ同軸となるように埋設されている。LED21aは、基板10の基準面12に固定されており、図示しない駆動回路から所定の駆動電流が供給されるようになっている。レンズ21bは、その小径側の端部が基板10の基準面12に固定されている。LED21aの出射光ビームB1の出射方向は、基準面12に直交する方向である。出射光ビームB1の出射角(立体角)θ1は、通常のLEDでは120°であり、広範囲に照射されるようになっているが、本実施形態では、その出射光ビームB1をレンズ21bによってもっと狭い範囲に、換言すれば、単一の栽培対象植物に照射するのに最適な範囲に狭めるようになっている。出射光ビームB1の出射角θ1は、例えば、7°〜30°の範囲内で最適な値に設定される。このように狭範囲化することにより、出射光ビームB1の単位面積当たりの光量が高まるため、栽培対象植物に出射光ビームB1の光エネルギーをきわめて高い効率で付与することが可能となる。
レンズ21bによって狭範囲化された出射光ビームB1は、図2に明瞭に示すように、細長い円錐状となる。したがって、基板10の基準面12から距離Lだけ離れた位置に、出射光ビームB1の出射方向に直交する(換言すれば、基準面12に直交する)平坦な照射面Pを想定すると、図3に示すように、仮想の照射面P上には、出射光ビームB1による円形の照射領域B11が形成される。照射領域B11の中心は、図3では、照射面P上の中心Cより真上に少しずれた位置にある。
LEDユニット22は、チップ状のLED22aと、そのLED22aに一体的に形成された円錐台状のレンズ22bとを備えている。LED22aは、レンズ22bの小径側の端部に、LED22aの中心軸とレンズ22bの中心軸がほぼ同軸となるように埋設されている。LED22aは、基板10の基準面12に固定されており、図示しない駆動回路から所定の駆動電流が供給されるようになっている。レンズ22bは、その小径側の端部が基板10の基準面12に固定されている。LED22aの出射光ビームB2の出射方向も、基準面12に直交する方向である。本実施形態では、出射光ビームB2の出射角θ2は、出射光ビームB1の出射角θ1に等しく設定されている(θ1=θ2)。これにより、出射光ビームB2の単位面積当たりの光量が高まるため、栽培対象植物に出射光ビームB2の光エネルギーをきわめて高い効率で付与することが可能となる。
レンズ22bによって狭範囲化された出射光ビームB2も、図2に明瞭に示すように、細長い円錐状となる。したがって、出射光ビームB2の出射方向に直交する照射面P上には、出射光ビームB2による円形の照射領域B21が形成される。照射領域B21の中心は、図3では、照射面P上の中心Cより右下に少しずれた位置にある。
LEDユニット23は、チップ状のLED23aと、そのLED23aに一体的に形成された円錐台状のレンズ23bとを備えている。LED23aは、レンズ23bの小径側の端部に、LED23aの中心軸とレンズ23bの中心軸がほぼ同軸となるように埋設されている。LED23aは、基板10の基準面12に固定されており、図示しない駆動回路から所定の駆動電流が供給されるようになっている。レンズ23bは、その小径側の端部が基板10の基準面12に固定されている。LED23aの出射光ビームB3の出射方向も、基準面12に直交する方向である。本実施形態では、出射光ビームB3の出射角θ2は、出射光ビームB1の出射角θ1と出射光ビームB2出射角θ2に等しく設定されている(θ1=θ2=θ3)。これにより、ビームB3の単位面積当たりの光量が高まるため、栽培対象植物に出射光ビームB3の光エネルギーをきわめて高い効率で付与することが可能となる。
レンズ23bによって狭範囲化された出射光ビームB3も、図2に明瞭に示すように、細長い円錐状となる。したがって、出射光ビームB3の出射方向に直交する照射面P上には、出射光ビームB3による円形の照射領域B31が形成される。照射領域B31の中心は、図3では、照射面P上の中心Cより左下に少しずれた位置にある。
図3に明瞭に示すように、照射面P上では、三つの出射光ビームB1、B2、B3は部分的に重なり合い、その重なり領域に出射光ビームB1、B2、B3のそれぞれよりも光量(光量子束密度)の高い領域が形成されるようになっている。より詳細に言うと、照射面Pの中心Cに重なる位置には、三つの出射光ビームB1、B2、B3(つまり照射領域B11、B21、B31)が重なり合った高光量領域50が形成される。高光量領域50の周囲には、二つの出射光ビームB1、B2(つまり照射領域B11、B21)が重なり合った中光量領域51と、二つの出射光ビームB2、B3(つまり照射領域B21、B31)が重なり合った中光量領域52と、二つの出射光ビームB3、B1(つまり照射領域B31、B11)が重なり合った中光量領域53が形成される。照射領域B21、B31と重なり合っていない照射領域B11の残存部分は、低光量領域54となっている。照射領域B31、B11と重なり合っていない照射領域B21の残存部分は、低光量領域55となっている。照射領域B11、B21と重なり合っていない照射領域B31の残存部分は、低光量領域56となっている。
本実施形態では、三つの出射光ビームB1、B2、B3の光量は等しく設定されているので、三つの出射光ビームB1、B2、B3が重なり合っている高光量領域50の光量(光量子束密度)は、出射光ビームB1、B2、B3単独の光量のほぼ3倍で、最大値である。二つの出射光ビームB1、B2が重なり合っている中光量領域51の光量(光量子束密度)は、出射光ビームB1、B2、B3単独の光量のほぼ2倍で、中間値である。二つの出射光ビームB2、B3が重なり合っている中光量領域52の光量(光量子束密度)も、出射光ビームB1、B2、B3単独の光量のほぼ2倍で、中間値である。二つの出射光ビームB3、B1が重なり合っている中光量領域53の光量(光量子束密度)も、出射光ビームB1、B2、B3単独の光量のほぼ2倍で、中間値である。低光量領域54、55、56の光量(光量子束密度)は、出射光ビームB1、B2、B3単独の光量に等しく、最小値である。
出射光ビームB1、B2、B3の出射角θ1、θ2、θ3は、本実施形態ではθ1=θ2=θ3であるから、例えば等しく17°に設定される。基板10の基準面12と照射面Pとの距離Lは、例えば350mmに設定される。LEDユニット21、22、23の間の距離(配置間隔)dは、図4に示すように、栽培対象植物への照射範囲、例えば葉野菜70の葉集合領域72の大きさ(直径)に応じて設定する。その結果、出射光ビームB1、B2、B3によって、照射面P上に、図3に示すような照射状況(光量分布)が形成される。なお、出射角θ1、θ2、θ3は互いに異ならせてもよい。
本発明の基礎となった上記知見(a)、(b)及び(c)を得るための試験で使用されたEEFLの光量(光量子束密度)は、1万lxの照度に相当する値であった。しかし、最近は、例えば7万〜8万lxの照度に相当する光量(光量子束密度)のLEDを入手することが容易であるから、栽培対象の植物の種類等に応じて最適な光量(光量子束密度)のLEDを選定すればよい。
LED21a、21b、21cの出射光ビームB1、B2、B3の波長は、栽培対象植物であるレタス等の葉野菜70の成長に適したものにすればよい。
図4に示すように、栽培対象植物である成長中の葉野菜70(例えばレタス)は、その根が鉢等の栽培容器60に植え込まれており、根から延びた茎の上端部に葉集合領域72を有している。葉集合領域72は、茎から成長した多数の本葉71が集合した領域であり、出射光ビームB1、B2、B3が集中的に照射される部分である。したがって、葉集合領域72が、出射光ビームB1、B2、B3の「被照射部」となる。葉集合領域72(すなわち被照射部)の平面視の中心には、芯部72aが形成されている。芯部72aは、葉集合領域72の中で本葉71の密度が最も高い部分と言うことができる。なお、本実施形態では、水耕栽培を行うことを想定しているので、栽培容器60には吸水性スポンジ等の培地(図示せず)が収容されており、葉野菜70の根はその培地の中に埋め込まれている。
照射面P上において図3に示すような照射状況(光量分布)を持つ出射光ビームB1、B2、B3を、図4に示すような葉野菜70の葉集合領域72に照射した場合、葉野菜70と光量分布の関係は図5のようになる。図5に示すように、葉集合領域72の芯部72aには、光量が最大である高光量領域50が合致しているので、芯部72aには最大光量が直接的に照射される。また、芯部72aの周囲には、光量が中間である中光量領域51、52、53が配置され、中光量領域51、52、53の間に光量が最小である低光量領域54、55、56が配置されるので、芯部72aの周辺部には中間光量と最小光量が直接的に照射される。葉集合領域72の芯部72aには、多数の本葉71が高密度で存在するので、出射光ビームB1、B2、B3による高い光エネルギーは、本葉71によって高い効率で吸収されて、光合成や形態形成に利用されると推測される。他方、芯部72aの周辺部では、芯部72aに比べて本葉71の密度が低いので、出射光ビームB1、B2、B3による中間または低い光エネルギーでも、かなりの効率で吸収されて、光合成や形態形成に利用されると推測される。さらに、本葉71で吸収されず反射・散乱された出射光ビームB1、B2、B3の一部も、葉集合領域72の表面以外の部分(内奥部)にある本葉71に吸収され、利用されると推測される。このようにして、出射光ビームB1、B2、B3に含まれる光エネルギーは、高い効率で吸収・利用されるので、葉野菜70の成長速度が促進され、以前より高い栽培効率で葉野菜70の栽培が可能となる。
図7は、葉野菜70の苗75の一例を示す。図4では、葉野菜70の苗75がかなり成長していて、葉集合領域72には多数の本葉71が存在する状態を示している。この状態では、出射光ビームB1、B2、B3の多くが本葉71に直接的に照射され、効率的に利用される可能性が大である。しかし、図7のような苗75の状態では、事情が異なる。
すなわち、まず、栽培容器60の内部にある培地80の中央位置に埋めた葉野菜70の種子が発芽すると、やがて茎74が上方に伸びてくる。そして、茎74の先端部に2枚の子葉73が形成された後、子葉73の間に新たに本葉71が形成されてくる。照明装置1からの出射光ビームB1、B2、B3の照射は、種子から発芽して子葉73が形成された頃、あるいは、子葉73と数枚の本葉71が形成された段階で開始するのが好ましい。子葉73のみが形成された段階、あるいは、子葉73と数枚の本葉71が形成された段階では、葉集合領域72には子葉73のみが包含され、あるいは、子葉73と数枚の本葉71のみが包含されるから、葉集合領域72は非常に狭い範囲に止まる。また、葉集合領域72の培地80からの距離(高さ)も、未だ小さい。しかし、この段階においても、葉集合領域72に照射面Pが重なるようにして出射光ビームB1、B2、B3を照射するようにすると、本葉71の成長促進に効果がある。
苗75の段階における出射光ビームB1、B2、B3の照射状況(光量分布)は、図8に示すようになる。図8に示すように、葉集合領域72の芯部72aには、光量が最大である高光量領域50が合致しているので、芯部72aには最大光量が直接的に照射される。また、芯部72aの周囲には、光量が中間である中光量領域51、52、53が配置され、中光量領域51、52、53の間に光量が最小である低光量領域54、55、56が配置されるので、芯部72aの周辺部には中間光量と最小光量が直接的に照射される。葉集合領域72の芯部72aには茎74が存在するにすぎないが、出射光ビームB1、B2、B3による高い光エネルギーは、茎74によって高い効率で吸収されて、光合成や形態形成に利用されると推測される。他方、芯部72aの周辺部では、数少ない子葉73と本葉71が存在するだけであるから、出射光ビームB1、B2、B3による中間または低い光エネルギーでも、かなりの効率で吸収されて、光合成や形態形成に利用されると推測される。さらに、子葉73や本葉71で吸収されず反射・散乱された出射光ビームB1、B2、B3の一部も、子葉73や本葉71の裏側から吸収され、利用されると推測される。このようにして、出射光ビームB1、B2、B3に含まれる光エネルギーは、高い効率で吸収・利用されるので、苗75の成長速度が促進され、以前より高い栽培効率で葉野菜70の栽培が可能となる。
栽培過程の全般を通じて苗75は徐々に成長するため、照明装置1の基板10の基準面12と照射面Pとの距離Lは、それに応じて徐々に減少する。その結果、距離Lを固定したままでは、葉野菜70に照射される出射光ビームB1、B2、B3による光量(光量子束密度)が徐々に増加して、栽培条件が設定したものから変動してしまう。そこで、栽培過程を通じてこの距離Lが一定に保持されるように、図示しない制御装置によって、照明装置1と栽培容器60のいずれか(または双方)を上下動させるのが好ましい。
また、苗75の成長に伴い、葉集合領域72の水平方向の大きさと垂直方向の大きさも徐々に増加する。そこで、出射光ビームB1、B2、B3の出射角度を微調整する等により、出射光ビームの照射領域B11、B21、B31の直径を変更するのが好ましい。
照明装置1に利用されるヒートシンク40の一例を図6に示す。このヒートシンク40は、矩形の平板の両端に設けた一対の屈曲片42により形成された基板装着部43と、基板装着部43に一体的に形成された複数の板状のフィン41とを備えている。ヒートシンク40は、基板10を基板装着部43に差し込み、ネジ(図示せず)で締め付けることで、照明装置1に一体化される。このような構成により、照明装置1(特にLED21a、21b、21c)により生じる発熱が、空気中に効率的に放射されるので、照明装置1を効果的に冷却することが可能となる。
LED21a、21b、21cにおいて生じる発熱は、ほとんどが基板10に伝達されるので、レンズ21b、22b、23bに伝達される熱はごく少量である。このため、基板10のLED21a、21b、21cとは反対側の面に装着したヒートシンク40によって大気中に放熱するように構成すれば、レンズ21b、22b、23bがこの熱によって悪影響を受ける恐れはない。
(植物栽培方法)
次に、上述した構成を持つ本実施形態の照明装置1を用いた植物栽培方法(照明装置1の使用方法)について説明する。ここでは、培養液を用いる水耕栽培について説明するが、照明装置1は培養土を用いる土壌栽培にも適用できることは言うまでもない。
栽培対象である成長中の植物は、図4に示すように、例えばレタスのような葉野菜70であるとし、図7に示すような葉野菜70の苗75が、栽培容器60内に収容された水耕栽培用培地に上向きに植え込まれているとする。水耕栽培用培地は、例えば、吸水性に優れたスポンジ等から形成されている。
まず、複数の照明装置1を、図9に示すような照明装置用パネル91上に、所定ピッチでマトリックス上に配置・固定する。他方、図9に示すような栽培容器用パネル92上に、複数の栽培容器60を配置・固定する。照明装置1の位置と栽培容器60の位置は、互いに1対1対応となるようにしておく。そして、温度、二酸化炭素濃度などの内部環境が制御された閉鎖的または半閉鎖的な栽培空間の内部において、照明装置用パネル91の直下に栽培対象用パネル92が位置するように、両者を所定間隔で配置する。この時、一つの照明装置1の出射光ビームB1、B2、B3が、対応する一つの栽培容器60に1対1対応で照射されるように、照明装置1と栽培容器60のレイアウトを決めておく。また、仮想の照射面Pが、栽培対象植物である葉野菜70の葉集合領域72(被照射部)の位置に来るようにし、また、葉集合領域72のほぼ全面にわたって、図3に示すような出射光ビームB1、B2、B3の照射状況(光量分布)が形成されるようにする。
こうして準備が完了すると、栽培対象用パネル92上の栽培容器60の内部に培養液を供給しながら、照明装置用パネル91上の各々の照明装置1から三つの出射光ビームB1、B2、B3を対応する栽培容器60に向けて1対1で照射し、栽培容器60内にある苗75の栽培を開始する。
すると、最初は、図8に示すように、茎74の先端部にある数枚の子葉73と本葉71からなる葉集合領域72に、照明装置1からの出射光ビームB1、B2、B3を照射させる。この時、出射光ビームB1、B2、B3の照射時間(つまりLEDユニット21、22、23の駆動時間または発光時間)と停止時間は、1日の昼と夜の長さに応じて、また、季節の変動に合わせてそれぞれ制御する。この照射時間と停止時間を短縮することで、苗75を栽培する際の毛作数を増加することが可能となる。例えば、LEDの発光時間と停止時間を適切に制御することで、1日を24時間ではなく、葉野菜70に、例えば16時間を1日と認識させることが可能である。こうすることで、容易に毛作数を大幅に増加して、例えば24〜25毛作にすることができる。これは、植物の生産効率の大幅アップにつながる。
出射光ビームB1、B2、B3の照射(LEDユニット21、22、23の駆動)と停止の繰り返しにより、苗75がもっと成長すると、既存の本葉71が拡大すると共に、新しい本葉71が生成されてくる。こうして、葉集合領域72の内部に多数の本葉71が存在する、図4に示すような半成長段階になる。
さらに、出射光ビームB1、B2、B3の照射(LEDユニット21、22、23の駆動)と停止を繰り返して、苗75がもっと成長し、葉集合領域72が所定の大きさに到達すると、葉集合領域72の本葉71を収穫する。
栽培過程の全般を通じて苗75は徐々に成長することを考慮し、栽培過程を通じて、照明装置1の基板10の基準面12と照射面Pとの距離L、つまり、照明装置用パネル91と栽培容器用パネル92との間隔が一定に保持されるように、図示しない制御装置によって、照明装置用パネル91と栽培容器用パネル92のいずれか(または双方)を上下動させるのが好ましい。
また、併せて、苗75の成長に伴い、葉集合領域72の水平方向の大きさと垂直方向の大きさも徐々に増加することを考慮して、出射光ビームB1、B2、B3の出射角度を微調整する機構を設けるのが好ましい。
この栽培方法は、レタス等の葉野菜の栽培に好適である。したがって、この栽培方法を実施する際には、栽培中の葉野菜70の苗75に送風機で風をほぼ水平方向に当てるのが好ましい。こうすることで、収穫した葉野菜70がシャキシャキとした食感となり、食感が改善されるという利点があるからである。
照明装置1では、EEFLに比べて大幅に消費電力が低いLED21a、21b、21cを使用しているため、LED21a、21b、21cを駆動するために投入する電力量は少なくて済む。さらに、LED21a、21b、21cの出射光ビームB1、B2、B3を集束して栽培対象植物の葉野菜70(の苗75)に照射するようにしているので、出射光ビームB1、B2、B3の利用効率が高まる。さらに、栽培する葉野菜70の成長速度も促進される。これら三つの理由により、簡単な構造で、植物工場における人工光光源の電力コストを上記先行技術よりも大幅に低減することができる。
例えば、駆動電流350mAのLEDを使用すれば、3万〜5万lxの照度に対応する光量(光量子束密度)が得られ、駆動電流700mAのLEDを使用すれば、5万〜7万lxの照度に対応する光量(光量子束密度)が得られるから、本実施形態に係る植物栽培用照明装置1に好適に利用できる。照明装置1を照明装置用パネル91上に配置する際には、例えば5〜6cmのピッチで配置すればよい。照明装置1をどのような条件で、どのような植物に対して使用すれば、所望の生産効率や所望の品質が得られるかは、公知の知見に基づいて試験を行って見出して行くことが必要である。
(得られる効果)
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る植物栽培用照明装置1は、上述したような構成を有しているので、基板10の基準面12から所定距離Lにある仮想の照射面P上において、出射光ビームB1、B2、B3が部分的に重なり合って形成される1または複数の重なり領域、すなわち高光量領域50と中光量領域51、52、53が形成される。高光量領域50と中光量領域51、52、53の光量(光量子束密度)は、出射光ビームB1、B2、B3のそれぞれの光量(光量子束密度)よりも高くなる。そして、使用時には、出射光ビームB1、B2、B3が単一の栽培対象植物である葉野菜70(の苗75)に向けて照射されると共に、葉野菜70の葉集合領域72(被照射部)の芯部72aが、高光量領域50と中光量領域51、52、53に包含される。このため、平面上に所定ピッチで配置された複数の葉野菜70の全面に対して平均的に出射光ビームB1、B2、B3を照射する場合に比べて、出射光ビームB1、B2、B3の利用効率が向上する。
また、葉野菜70の葉集合領域72の芯部72aが高光量領域50と中光量領域51、52、53に包含されるため、芯部72aに照射される出射光ビームB1、B2、B3の光量が芯部72a以外のそれに比べて相対的に多くなる。このようにして、葉野菜70の葉集合領域72に照射される出射光ビームB1、B2、B3の光量の分布を、芯部72aとそれ以外の部分との間で異ならせることで、葉野菜70の成長速度を促進することができるため、葉野菜70を栽培する際の毛作数を増加することが可能となる。例えば、一般的な10〜12毛作から25毛作程度に増加することができるようになる。したがって、本実施形態の照明装置1を使用すると、上述した光量分布を持つ出射光を使用しない場合に比べて、葉野菜70の栽培(生産)効率が大幅に向上する。
このように、本実施形態の照明装置によれば、LED21a、22a、23aの出射光ビームB1、B2、B3の利用効率の向上と、葉野菜70の成長速度の促進(栽培効率の向上)との両面で、LED21a、22a、23aの駆動のために投入される電力の利用を効率化することができる。したがって、植物工場における人工光光源の電力コストを上記先行技術よりも大幅に低減することができる。
さらに、基板10の基準面12にLED21a、22a、23aを所定間隔をあけて配置し、LED21a、22a、23aの出射光ビームB1、B2、B3が所定の出射方向に所定の出射角度で出射されると共に、照射面P上において部分的に重なり合うように、レンズ21b、22b、23bを基板10に設置するだけでよいので、照明装置1の構造は簡単である。
その結果、簡単な構造で、植物工場における人工光光源の電力コストを上記先行技術よりも大幅に低減する、という目的を達成することができる。
なお、本実施形態のように、LEDに1個のレンズを外付けすることで、一般的な植物工場で使用されているLED(レンズなし)の光量(光量子束密度)の、例えば4倍の光量が得られる。これは、逆に言えば、一般的な植物工場における光量を使用するのであれば、LEDの発光量を(1/4)にすることができることを意味するから、この点においても、それだけ電力コストを低下することにつながる。
(他の実施形態)
図10は、本発明の他の実施形態に係る植物栽培用照明装置1Aを示す。この照明装置1Aは、上述した図1の照明装置1にレンズユニット24を追加した構成を持つ。
レンズユニット24は、LED21a、22a、23aの出射光ビームB1、B2、B3のそれぞれのビーム幅を、対応するレンズ21b、22b、23bから出射された後に調整するためのものである。レンズユニット24の形状は、基板10より少し小さい円板状であって、三つのレンズ21b、22b、23のそれぞれと重なる位置にレンズ25、26、27が形成されている。つまり、三つのレンズ25、26、27が内蔵されているのである。レンズユニット24は、図10に示すように、LEDユニット21、22、23(基準面12)から少し距離をおいて設置される。
この照明装置1Aでは、基板10上のLEDユニット21、22、23に対してレンズユニット24を上下に変位させるだけで、換言すれば、レンズユニット24と基準面12の距離を変えるだけで、出射光ビームB1、B2、B3のそれぞれのビーム幅を容易に調整することができるので、基板10上のLEDユニット21、22、23の設置位置を変えることなく、必要に応じて、照射面Pの基板10の基準面12からの距離Lを変更することができる、という利点がある。
なお、レンズユニット24は、基板10と一体的に設置してもよいし、基板10とは別体としておいて、使用時に基板10上のLEDユニット21、22、23に近接して配置するようにしてもよい。
(変形例)
上述した実施形態は本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、3個の出射光ビームを重なり合わせているが、本発明はこれに限定されない。2個以上の出射光ビーム同士に重なり部分があれば足りる。例えば、2個の出射光ビームを重なり合わせてもよいし、4個の出射光ビームを重なり合わせてもよいし、5個以上の出射光ビームを重なり合わせてもよい。栽培対象の植物の照射対象領域(葉集合領域)の芯部に、重なり合った部分(重なり領域)の少なくとも一つを合致させればよく、出射光ビームの重なり合わせの態様は任意である。
また、上記実施形態では、レンズがLEDに外付けされているが、本発明はこれに限定されない。LEDの内部にレンズを埋め込んでもよいことは言うまでもない。この場合、基板上にはLEDのみが露出することになる。要は、複数のLEDが点光源として基板等の本体上に配置されていて、それら点光源の出射光が重なり合って、それら点光源単独の光量(光量子束密度)よりも高い光量(光量子束密度)を持つ領域が生成されるものであればよい。
LEDと共に使用するレンズの形状や数や材質は任意である。つまり、図1に示したように、LED毎に円錐台状のレンズを設けてもよいし、三つのLEDに対して単一のレンズを設けてもよい。LEDの出射光を狭範囲化できるものであれば、どのような形状や材質のレンズでもよいし、レンズ以外の光学素子も使用可能である。レンズ等の光学素子はガラスまたはプラスチックにより形成されるのが通常であるが、これら以外の材質でもよい。
LEDユニットは、LEDを1個含んでいてもよいし、複数個含んでいてもよい。つまり、シングルチップでもマルチチップでもよい。また、LEDユニットの内部にレンズ等の光学素子や蛍光体が内蔵されていてもよい。所望の波長(スペクトル)を持つ光を出射できるものであれば、その内部構成は任意である。
LEDの出射光の色(発光色)は、栽培対象植物の種類や、特定の含有成分の増加といった所望の目的等に応じて選定すればよい。白色光が好ましいが、白色光でなくてもよい。白色光の生成方法は任意であり、青色光LEDと蛍光体の組み合わせでもよいし、赤色光、青色光、緑色光の三つのLEDの組み合わせでもよいし、これら以外の組み合わせでもよい。植物の栽培の面だけを考えれば、発光色は赤色光でも青色光でも良いことになるが、植物工場内で作業をする場合の作業者の負荷を考えると、赤色光や青色光ではなく、LEDの出力光は白色光であるのが好ましい。特に、白色光の連続スペクトルは、太陽光の連続スペクトルに近似しているのが好ましい。
対象となる植物に照射するLED出射光の波長を調整する等により、ビタミン等の含有成分を増加させたりすることで、付加価値を創成することも可能となる。
図9では、1枚の照明装置用パネル91を1枚の栽培対象用パネル92上に配置してなる構成を1段としているが、上下方向に2段以上を重ねて多段式にしてもよいことは言うまでもない。
1、1A 植物栽培用照明装置
10 基板
11 ネジ孔
12 基準面
21、22、23 LEDユニット
21a、22a、23a LED
21b、22b、23b レンズ
24 レンズユニット
25,26、27 レンズ
30 熱伝達パッド
40 ヒートシンク
41 フィン
42 屈曲片
43 基板装着部
50 高光量領域
51、52、53 中光量領域
54、55、56 低光量領域
60 栽培容器
70 葉野菜
71 本葉
72 葉集合領域
72a 芯部
73 子葉
74 茎
75 苗
80 培地
91 照明装置用パネル
92 栽培容器用パネル
B1、B2、B3 出射光ビーム
B11、B21、B31 出射光ビームの照射領域
P 照射面

Claims (8)

  1. 基準面を有する本体と、
    前記基準面に所定間隔をあけて配置された複数のLEDと、
    前記本体に設置された、複数の前記LEDの出射光のそれぞれが所定の出射方向に所定の出射角度で出射されるように制御する1または複数の光学素子とを備え、
    複数の前記LED間の前記間隔と、複数の前記出射光の前記出射方向及び前記出射角度と、前記基準面から所定距離にある位置に想定した仮想の照射面の前記所定距離は、前記照射面上において複数の前記出射光が部分的に重なり合って1または複数の重なり領域が形成されるように調整されており、
    使用時には、複数の前記出射光が1または複数の前記光学素子を介して単一の栽培対象植物に向けて照射されると共に、前記栽培対象植物の被照射部の芯部が1または複数の前記重なり領域に包含されることを特徴とする植物栽培用照明装置。
  2. 複数の前記出射光がいずれも白色光とされている請求項1に記載の植物栽培用照明装置。
  3. 複数の前記出射光が赤色光、青色光及び緑色光の少なくとも一つを含んでいる請求項1に記載の植物栽培用照明装置。
  4. 複数の前記出射光の前記出射角が7°〜30°の範囲内の値に設定されている請求項1〜3のずれかに記載の植物栽培用照明装置。
  5. 複数の前記出射光がいずれも、太陽光の連続スペクトルに近似した連続スペクトルを持つ白色光とされている請求項1または4に記載の植物栽培用照明装置。
  6. 複数の前記LEDの出射光のそれぞれのビーム幅を調整するレンズユニットをさらに備えている請求項1〜5のいずれかに記載の植物栽培用照明装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載した植物栽培用照明装置を使用する植物栽培方法であって、
    前記照明装置と栽培対象植物を1対1で対応させ、
    前記照明装置と前記栽培対象植物の相対位置を、前記栽培対象植物の被照射部の芯部が前記照明装置の1または複数の前記重なり領域に包含されるように設定し、
    前記照明装置の複数の前記出射光を対応する前記栽培対象植物の前記被照射部に向けて照射することを特徴とする植物栽培方法。
  8. 複数の前記出射光を前記栽培対象植物の前記被照射部に向けて照射する際に、送風手段によって前記栽培対象植物に送風する請求項7に記載の植物栽培方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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