JP2017044325A - オイル供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】オイル使用装置にオイルを循環させつつ供給するときに、オイル中への気泡の混入を確実に防止することができるオイル供給システムを提供する。【解決手段】潤滑油供給システム2は、歯車装置1を収容する装置収容室3と、潤滑油を貯留する潤滑油貯槽14と、潤滑油貯槽14内の潤滑油を装置収容室3に圧送する油圧ポンプ19と、油圧ポンプ19から吐出された潤滑油を装置収容室3に案内する潤滑油案内通路21と、装置収容室3内の潤滑油を潤滑油貯槽14に還流させる潤滑油還流通路15と、潤滑油貯槽14内の潤滑油を油圧ポンプ19に導入する潤滑油導入通路22と、装置収容室3と潤滑油貯槽14を排気する真空ポンプ28とを有する。装置収容室3と潤滑油還流通路15の接続部は潤滑油貯槽14より高い位置に配置され、潤滑油貯槽14と潤滑油導入通路22の接続部は油圧ポンプ19の油室25より高い位置に配置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、潤滑油等のオイルで濡らされ又はオイルに浸漬されるオイル使用装置に、オイルを循環させつつ供給するオイル供給システムに関するものである。
一般に、オイル貯槽内のオイルを油圧ポンプによりオイル使用装置に供給した後、オイル貯槽に還流させて循環使用するようにしたオイル供給システムでは、必然的に循環するオイルに気泡が混入する。そして、このように循環するオイルに気泡が混入すると、キャビテーションによる油圧ポンプの破損、油圧ポンプ内での気泡の断熱圧縮によるオイルの温度の上昇、油圧ポンプ及びオイル通路の振動、あるいは騒音の発生などといった不具合が発生する。さらに、オイルが酸化により劣化するので、比較的頻繁にオイルを交換する必要がある。そこで、循環するオイルが油圧ポンプに吸入される前に、オイル中の気泡を浮上させて空気中に放出する気泡除去手段が種々提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、オイルに混入する気泡は微細である一方、オイルは一般に粘度が高いので、オイル中における気泡の上昇速度ないしは浮上速度は小さく、気泡除去手段によりオイル中の気泡を大気中に放出させるにはかなりの滞留時間を必要とする。このため、気泡除去手段内に滞留するオイルの量が多くなり、オイル供給システムは大量のオイルを保持する必要があるといった問題がある。また、オイル中のとくに微細な気泡を除去するのは非常に困難であるといった問題がある。さらには、オイルの流れ方向に関して気泡除去手段より上流側の部分では、オイル中に気泡が混入しているので、オイルの酸化を十分に防止することができない、といった問題がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、オイルで濡らされ又はオイルに浸漬されるオイル使用装置にオイルを循環させつつ供給するときに、オイル中への気泡の混入を確実に防止することができるオイル供給システムを提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る、オイル(例えば、潤滑油、作動油等)で濡らされ又はオイルに浸漬されるオイル使用装置にオイルを循環・供給するオイル供給システムは、密閉構造の装置収容室と、密閉構造のオイル貯槽と、油圧ポンプと、オイル案内通路(オイル輸送通路)と、オイル還流通路と、オイル導入通路と、真空源(例えば、真空ポンプ)とを備えている。
ここで、密閉構造の装置収容室は、その内部にオイル使用装置を収容している。オイル貯槽は、オイル使用装置に供給するオイルを貯留する。油圧ポンプは、オイル貯槽内に貯留されたオイルを装置収容室に供給(圧送)する。オイル案内通路は、油圧ポンプのオイル吐出口と装置収容室とに接続され、油圧ポンプから吐出されたオイルを装置収容室に案内(輸送)する。オイル還流通路は、装置収容室とオイル貯槽とに接続され、装置収容室内に滞留しているオイルをオイル貯槽に還流させる。オイル導入通路は、オイル貯槽と油圧ポンプのオイル吸入口とに接続され、オイル貯槽内に貯留されたオイルを油圧ポンプに導入する。真空源は、装置収容室内の空気とオイル貯槽内の空気とを排気通路を介して吸引・排気する。
このオイル供給システムにおいて、装置収容室とオイル還流通路の接続部(連通部)は、オイル貯槽の上端部より高い位置に配置されている。また、オイル貯槽とオイル導入通路の接続部(連通部)は、油圧ポンプの上端部又は油圧ポンプの油室の上端部より高い位置に配置されている。
本発明に係るオイル供給システムにおいて、オイル使用装置としては、例えば、複数の歯車(ギヤ)が噛み合い、歯車の噛み合い部が潤滑油(オイル)で潤滑される歯車装置などが挙げられる。具体的には、入力シャフトのトルクを減速又は増速して出力シャフトに出力する減速装置又は増速装置などが挙げられる。この場合、装置収容室内に、オイル案内通路に接続され歯車装置に潤滑油を散布し又は流下させる潤滑油供給器(ノズル等)が配設されているのが好ましい。
本発明に係るオイル供給システムにおいては、真空源によって、装置収容室内の空気とオイル貯槽内の空気とが吸引・排気され、オイル供給システム内のオイルが流通する部分は、すべて実質的に真空状態に保持される。したがって、オイル供給システム内の空間部ないしは該空間部内のオイル中には空気ないしは気泡が存在しないので、従来のこの種のオイル供給システムのようにオイル中の気泡を除去するための気泡除去手段を設ける必要がない。このため、オイル中への気泡の混入に起因する不具合は何も発生しない。よって、オイルで濡らされ又はオイルに浸漬されるオイル使用装置にオイルを循環させつつ供給するときに、オイル中への気泡の混入を確実に防止することができ、かつオイルの酸化による劣化を確実に防止することができる。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、図1又は図2に示す実施形態では、本発明の具体的な適用例として、潤滑油を循環させつつ歯車装置に供給する潤滑油供給システムについて説明を行うが、本発明はこのような潤滑油供給システムに限定されるわけではなく、オイル(例えば、潤滑油、作動油等)で濡らされ又はオイルに浸漬されるオイル使用装置にオイルを循環させつつ供給する種々のオイル供給システムに幅広く適用することができるものである。
図1に示すように、潤滑油(オイル)を循環させつつ歯車装置1(オイル使用装置)に供給する潤滑油供給システム2(以下、略して「システム2」という。)には、歯車装置1を収容する密閉構造の装置収容室3が設けられている。歯車装置1には、入力シャフト4のトルク(回転)が入力側ベベルギヤ対5を介して入力される入力ギヤ6と、出力側ベベルギヤ対7を介して出力シャフト8にトルク(回転)を出力する出力ギヤ9とが設けられている。
歯車装置1においては、入力ギヤ6と出力ギヤ9とが互いに噛み合い、入力シャフト4のトルクが、入力ギヤ6の歯数と出力ギヤ9の歯数に応じて減速又は増速され、出力シャフト8に出力されるようになっている。入力シャフト4及び出力シャフト8は、それぞれ、装置収容室3の側壁に設けられた入力側軸受10及び出力側軸受11によって回転自在に支持され、装置収容室3の内部から外部にわたって伸びている。なお、入力シャフト4と入力側軸受10の摺接部と、出力シャフト8と出力側軸受11の摺接部は、それぞれ、シール機構(図示せず)により厳密にシール(封止)されている。
装置収容室3内には、入力側ベベルギヤ対5と、出力側ベベルギヤ対7と、入力ギヤ6と出力ギヤ9の噛み合い部とに潤滑油を散布もしくは噴射し又は流下させるための複数のノズル12を備えた潤滑油供給器13が配設されている。これにより、入力側ベベルギヤ対5の噛み合い部、出力側ベベルギヤ対7の噛み合い部、及び入力ギヤ6と出力ギヤ9の噛み合い部は、潤滑油供給器13から供給される潤滑油によって常時濡らされ、潤滑される。そして、装置収容室3の下部ないしは底部近傍部には、歯車装置1から流下ないしは滴下した潤滑油が滞留している。なお、入力ギヤ6及び出力ギヤ9を、これらの回転速度が比較的小さいときには、装置収容室3内に滞留している潤滑油に浸漬することにより、入力ギヤ6と出力ギヤ9の噛み合い部を潤滑するようにしてもよい。
システム2には、歯車装置1に供給する潤滑油を貯留する密閉構造の潤滑油貯槽14と、装置収容室3内に滞留している潤滑油を潤滑油貯槽14に還流させるための潤滑油還流通路15とが設けられている。潤滑油還流通路15の一方の端部は、装置収容室3の下部ないしは底部近傍部に設けられた潤滑油排出ポート16に接続され、潤滑油還流通路15は装置収容室3内の空間部と連通している。潤滑油還流通路15の他方の端部は、潤滑油貯槽14の上部ないしは上半部に設けられた潤滑油還流ポート17に接続され、潤滑油還流通路15は潤滑油貯槽14内の空間部と連通している。
また、システム2には、潤滑油貯槽14内に貯留されている潤滑油を、装置収容室3内に配置された潤滑油供給器13に圧送ないしは輸送するために、電動機18(モータ)によって駆動される油圧ポンプ19と、油圧ポンプ19の潤滑油吐出口20から吐出された潤滑油を潤滑油供給器13に案内ないしは輸送する潤滑油案内通路21と、潤滑油貯槽14内に貯留されている潤滑油を油圧ポンプ19に導入するための潤滑油導入通路22とが設けられている。潤滑油導入通路22の一方の端部は、潤滑油貯槽14の下部ないしは底部近傍部に設けられた潤滑油供給ポート23に接続され、潤滑油導入通路22は潤滑油貯槽14内の空間部と連通している。潤滑油導入通路22の他方の端部は、油圧ポンプ19の潤滑油吸入口24に接続され、潤滑油導入通路22は油圧ポンプ19の油室25と連通している。
油圧ポンプ19は、とくには限定されるものではなく、潤滑すべき歯車装置1の大きさ等に応じて潤滑油を適切な吐出圧(例えば、0.5〜1.0MPa)及び吐出量(1〜10L/分)で吐出することができれば、どのようなものでもよい。例えば、ラジアル形又はアキシャル形のプランジャポンプ(ピストンポンプ)、ベーンポンプ、ギヤポンプ、ねじポンプなどを用いることができる。
ここで、上下方向に関して、装置収容室3の潤滑油排出ポート16の位置、すなわち装置収容室3と潤滑油還流通路15の接続部(連通部)の位置は、潤滑油貯槽14の上端部より高い位置に設定されている(例えば、該接続部と潤滑油貯槽上端部との高低差が0.2〜2.0m)。また、上下方向に関して、潤滑油貯槽14の潤滑油供給ポート23の位置、すなわち潤滑油貯槽14と潤滑油導入通路22の接続部(連通部)の位置は、油圧ポンプ19の上端部又はその油室25の上端部より高い位置に設定されている(例えば、該接続部と油圧ポンプ上端部又は油室上端部との高低差が0.05〜0.2m)。
さらに、システム2には、それぞれ、第1排気通路26及び第2排気通路27を介して装置収容室3内の空気と、潤滑油貯槽14内の空気とを吸引・排気する真空ポンプ28(真空源)が設けられている。第1排気通路26の一方の端部は装置収容室3の天井部に設けられた第1排気ポート29に接続され、他方の端部は真空ポンプ28の空気吸込口30に接続されている。また、第2排気通路27の一方の端部は潤滑油貯槽14の天井部に設けられた第2排気ポート31に接続され、他方の端部は真空ポンプ28の空気吸込口30に接続されている。そして、第1排気通路26及び第2排気通路27には、それぞれ、これらを開閉する第1排気通路開閉弁32及び第2排気通路開閉弁33が介設されている。
真空ポンプ28は、装置収容室3内及び潤滑油貯槽14内をほぼ真空状態(例えば、1〜100Pa)に維持することができれば、どのようなものを用いてもよいが、機械式真空ポンプ、例えばピストン真空ポンプ、メカニカルブースタポンプ、ルーツ真空ポンプなどを用いるのが実用的である。
装置収容室3及び潤滑油貯槽14には、それぞれ、必要に応じて適宜に(例えば、システム2の稼働停止時、メンテナンス時等)、その内部の空間部を大気に開放するための第1大気開放ポート34及び第2大気開放ポート35が設けられている。第1大気開放ポート34には、先端が大気に開放された第1大気開放通路36が接続され、この第1大気開放通路36に第1大気開放通路開閉弁37が介設されている。他方、第2大気開放ポート35には、先端が大気に開放された第2大気開放通路38が接続され、この第2大気開放通路38に第2大気開放通路開閉弁39が介設されている。
また、装置収容室3及び潤滑油貯槽14には、それぞれ、その内部の圧力(真空度)を検出する第1圧力計40及び第2圧力計41が設けられている。なお、潤滑油貯槽14の天井部には、該潤滑油貯槽14内に潤滑油を供給し又は除去するための注油口42が設けられている。この注油口42は、シールキャップ43により厳密に封止されている。なお、シールキャップ43は、容易に注油口42に対して着脱することができる。
かくして、歯車装置1及びシステム2の稼働時には、第1排気通路開閉弁32及び第2排気通路開閉弁33が開かれる一方、真空ポンプ28が運転される。このとき、装置収容室3内の空気及び潤滑油貯槽14内の空気は、いずれも真空ポンプ28によって吸引・排気され、装置収容室3内及び潤滑油貯槽14内はほぼ真空状態(例えば、1〜100Pa)となる。なお、真空ポンプ28が吸引・排気した空気は、排気口44から大気中に放出される。
前記のとおり、装置収容室3及び潤滑油貯槽14は密閉構造であるが、例えば入力側軸受10と入力シャフト4の摺接部、出力側軸受11と出力シャフト8の摺接部、あるいは注油口42とシールキャップ43の当接部等から若干の空気が漏れ込むおそれがあるので、真空ポンプ28は常時運転するのが好ましい。しかしながら、第1圧力計40及び第2圧力計41によって検出される装置収容室3内及び潤滑油貯槽14内の圧力が、予め設定された基準値(例えば、10Pa)以下であるときには、第1排気通路開閉弁32及び第2排気通路開閉弁33を閉じて、真空ポンプ28の運転を停止するようにしてもよい。この場合、第1排気通路開閉弁32、第2排気通路開閉弁33及び真空ポンプ28は、第1圧力計40及び第2圧力計41の検出値に基づいて自動制御するのが好ましい。
このように装置収容室3内及び潤滑油貯槽14内がほぼ真空となった状態で、潤滑油貯槽14から潤滑油導入通路22を介して油圧ポンプ19の油室25に導入された潤滑油は、油圧ポンプ19によって、潤滑油案内通路21を介して潤滑油供給器13に圧送ないしは輸送され、歯車装置1に供給される。歯車装置1を潤滑した潤滑油は重力により流下ないしは滴下して、装置収容室3の下部ないしは底部近傍に滞留する。このように滞留している潤滑油は、潤滑油還流通路15を介して、重力により潤滑油貯槽14に還流する。すなわち、潤滑油は、潤滑油貯槽14と装置収容室3とを経由する環状の潤滑油経路(以下「環状潤滑油経路」という。)を循環ないしは周回する。
このとき、装置収容室3内及び潤滑油貯槽14内はいずれもほぼ真空状態となっているので、装置収容室3内の潤滑油の上面及び潤滑油貯槽14内の潤滑油の上面には大気圧が作用しない。一方、装置収容室3の潤滑油排出ポート16の上下方向の位置、すなわち装置収容室3と潤滑油還流通路15の接続部(連通部)の上下方向の位置は、潤滑油貯槽14の上端部より高い位置に設定されている。このため、潤滑油貯槽14内に貯留された潤滑油の液位の高低にかかわらず、装置収容室3内に滞留している潤滑油は、重力の作用により潤滑油還流通路15内を流下して潤滑油貯槽14に流入する。
また、潤滑油貯槽14内はほぼ真空状態となっている一方、油圧ポンプ19の油室25は大気に対して閉じられているので、潤滑油貯槽14から油室25までの潤滑油経路には、大気圧は作用しない。また、少なくとも油圧ポンプ19の運転時には、油圧ポンプ19の種類にかかわらず、油室25より潤滑油吐出口20側の油路の潤滑油の圧力は、潤滑油導入通路22内の潤滑油には作用しない。他方、潤滑油貯槽14の潤滑油供給ポート23の上下方向の位置、すなわち潤滑油貯槽14と潤滑油導入通路22の接続部(連通部)の上下方向の位置は、油圧ポンプ19又はその油室25の上端部より高い位置に設定されている。このため、潤滑油貯槽14内に貯留されている潤滑油は、重力の作用により潤滑油導入通路22内を流下して、油圧ポンプ19の油室25に流入する。
要するに、装置収容室3と潤滑油貯槽14と油圧ポンプ19とが、前記のとおりの高低差を備えるように配置されているので、ほぼ真空状態のシステム2内の環状潤滑油経路内において、装置収容室3内に滞留している潤滑油は、実質的に重力の作用のみにより、潤滑油貯槽14を経由して、油圧ポンプ19の油室25に供給される。
油圧ポンプ19の油室25内の潤滑油は、油圧ポンプ19の加圧部材により加圧されて潤滑油吐出口20から吐出され、潤滑油案内通路21を介して潤滑油供給器13に圧送ないしは輸送される。油圧ポンプ19の加圧部材は、例えば油圧ポンプ19がプランジャポンプの場合はプランジャであり、ギヤポンプの場合はギヤであり、回転式ポンプの場合は回転翼(インペラ)である。なお、潤滑油吐出口20の近傍において潤滑油案内通路21には、潤滑油の逆流を阻止する逆止弁45が介設されている。
ところで、図1に示すシステム2では、潤滑油貯槽14内の潤滑油の液位が比較的低いとき、例えば潤滑油の液位が潤滑油供給ポート23のすぐ上の位置まで下がったときには、潤滑油導入通路22を介して、潤滑油貯槽14から油圧ポンプ19の潤滑油吸入口24に流れる潤滑油の流速が小さくなり、油圧ポンプ19による潤滑油の吐出が円滑に行われなくなる可能性がある。すなわち、前記のとおり潤滑油貯槽14内の潤滑油の上面には大気圧がかからないので、油圧ポンプ19は大気圧を利用して潤滑油を吸引することはできず、潤滑油は実質的にその液位差ないしは重力のみによって油圧ポンプ19に導入されるからである。
そこで、図2に示すように、油圧ポンプ19を潤滑油貯槽14よりある程度低い位置に配置し、潤滑油貯槽14から油圧ポンプ19への潤滑油の導入を促進するようにしてもよい。例えば、油圧ポンプ19の設置面(基盤)を、潤滑油貯槽14の設置面(基盤)より0.5〜1m程度低くして、潤滑油貯槽14と油圧ポンプ19の間における潤滑油の液位差を大きくするようにしてもよい。
システム2の稼動時においては、真空ポンプ28によって、装置収容室3内及び潤滑油貯槽14内の空気が吸引・排気され、システム2内の環状潤滑油経路内はほぼ真空状態に維持される。このように、システム2の稼動時には、実質的にはシステム2の環状潤滑油経路に空気が存在しないので、潤滑油中にそもそも気泡が生じない。したがって、従来のオイル供給システムのような潤滑油(オイル)中の気泡を除去するための気泡除去手段を設ける必要がない。このため、潤滑油中への気泡の混入に起因する前記のような不具合は何も発生しない。よって、潤滑油を循環使用しつつ歯車装置1に供給するときに、潤滑油中への気泡の混入を確実に防止することができ、かつ潤滑油の酸化による劣化を確実に防止することができる。
1 歯車装置、2 潤滑油供給システム、3 装置収容室、4 入力シャフト、5 入力側ベベルギヤ対、6 入力ギヤ、7 出力側ベベルギヤ対、8 出力シャフト、9 出力ギヤ、10 入力側軸受、11 出力側軸受、12 ノズル、13 潤滑油供給器、14 潤滑油貯槽、15 潤滑油還流通路、16 潤滑油排出ポート、17 潤滑油還流ポート、18 電動機、19 油圧ポンプ、20 潤滑油吐出口、21 潤滑油案内通路、22 潤滑油導入通路、23 潤滑油供給ポート、24 潤滑油吸入口、25 油室、26 第1排気通路、27 第2排気通路、28 真空ポンプ、29 第1排気ポート、30 空気吸込口、31 第2排気ポート、32 第1排気通路開閉弁、33 第2排気通路開閉弁、34 第1大気開放ポート、35 第2大気開放ポート、36 第1大気開放通路、37 第1大気開放通路開閉弁、38 第2大気開放通路、39 第2大気開放通路開閉弁、40 第1圧力計、41 第2圧力計、42 注油口、43 シールキャップ、44 排気口、45 逆止弁。
Claims (3)
- オイル使用装置にオイルを供給するオイル供給システムであって、
前記オイル使用装置を収容する密閉構造の装置収容室と、
前記オイル使用装置に供給するオイルを貯留する密閉構造のオイル貯槽と、
前記オイル貯槽内に貯留されたオイルを前記装置収容室に供給する油圧ポンプと、
前記油圧ポンプのオイル吐出口と前記装置収容室とに接続され、前記油圧ポンプから吐出されたオイルを前記装置収容室に案内するオイル案内通路と、
前記装置収容室と前記オイル貯槽とに接続され、前記装置収容室内に滞留しているオイルを前記オイル貯槽に還流させるオイル還流通路と、
前記オイル貯槽と前記油圧ポンプのオイル吸入口とに接続され、前記オイル貯槽内に貯留されたオイルを前記油圧ポンプに導入するオイル導入通路と、
前記装置収容室内の空気と前記オイル貯槽内の空気とを排気通路を介して排気する真空源とを備えていて、
前記装置収容室と前記オイル還流通路の接続部は、前記オイル貯槽の上端部より高い位置に配置され、
前記オイル貯槽と前記オイル導入通路の接続部は、前記油圧ポンプの上端部又は該油圧ポンプの油室より高い位置に配置されていることを特徴とするオイル供給システム。 - 前記オイル使用装置は、複数の歯車が噛み合う歯車装置であり、
前記オイルは潤滑油であり、
前記装置収容室内に、前記オイル案内通路に接続され前記歯車装置に潤滑油を散布し又は流下させる潤滑油供給器が配設されていることを特徴とする、請求項1に記載のオイル供給システム。 - 前記歯車装置は、入力シャフトのトルクを減速又は増速して出力シャフトに出力する減速装置又は増速装置であることを特徴とする、請求項2に記載のオイル供給システム。
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CN114382871A (zh) * | 2021-12-22 | 2022-04-22 | 淮阴工学院 | 一种重载尼曼型蜗杆齿轮减速机温控自适应润滑装置 |
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2015
- 2015-08-24 JP JP2015177945A patent/JP2017044325A/ja active Pending
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CN114382871A (zh) * | 2021-12-22 | 2022-04-22 | 淮阴工学院 | 一种重载尼曼型蜗杆齿轮减速机温控自适应润滑装置 |
CN114382871B (zh) * | 2021-12-22 | 2024-03-26 | 淮阴工学院 | 一种重载尼曼型蜗杆齿轮减速机温控自适应润滑装置 |
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