JP2017043982A - 地下構造物、及び、地下構造物の構築方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、このランプ部の構築に際して、前述の特許文献1〜3及び非特許文献1に開示の曲線鋼管の設置手法を既設の地下道路トンネルに適用しようとすると、当該地下道路トンネル内に前述の推進装置を設置する必要があるので、当該地下道路トンネル内での車両の通行を制限する必要があった。
図1は、本発明の第1実施形態における地下構造物の概略構成を示す。詳しくは、図1(a)は地下構造物の上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。尚、本実施形態では、地下構造物の構築方法の一例として、既設の地下道路トンネルの途中にランプ部を設ける例を挙げて以下説明するが、本発明に係る地下構造物の構築方法はこれに限らない。また、地下構造物は、ランプ部を構成するものに限らない。また、説明の便宜上、図1(a)に示すように前後左右を規定して、以下説明する。
本線トンネル2はシールドトンネルであり、円筒状の覆工体4(後述する図2(b)参照)を含んで構成される。覆工体4は、図示しない円弧状のセグメントがトンネル周方向及びトンネル軸方向に連結されることで構築される。尚、本線トンネル2の覆工体4内には、床版5と、床版5を支持する支持部材6とが設けられている。車両などは床版5上を走行可能である。
尚、本実施形態では、本線トンネル2及びランプトンネル3の断面形状が円形状であるが、断面形状はこれに限らず、例えば、楕円形状、又は、矩形形状であってもよい。
底部コンクリート41と覆工コンクリート13の底部とによって囲まれる空間内44には、例えば、地下構造物1の施工時に発生する掘削土砂が埋め戻される。
床版43と、支持コンクリート42と、底部コンクリート41とにより区画される空間45は、例えば避難通路として用いられ得る。
ここで、床版43の上面と、本線トンネル2の床版5の上面と、ランプトンネル3の床版(図示せず)の上面とは車両などの通行が可能なように連続している。
次に、図3(a)及び(b)に示すように、後述する横坑23,24の構築予定場所を含むように地盤を凍結させることにより、凍土からなる凍結改良体25,26を造成する。ここで、凍結改良体25,26の造成については、周知の凍結工法が用いられ得る。尚、本実施形態では、凍結改良体25が本線トンネル2の右側にオーバーラップするように造成され、かつ、凍結改良体26がランプトンネル3の左側にオーバーラップするように造成されている。
横坑23は、本線トンネル2の右側に形成されており、その内部空間が、本線トンネル2の内部空間と連通している。尚、本実施形態では、横坑23は矩形箱状をなしているが、横坑23の形状はこれに限らない。ここで、横坑23は、導坑21を構築するために用いられるシールド掘進機(図示せず)の発進基地として機能し得る。
このようにして、既設の本線トンネル2の周囲に(すなわち、本線トンネル2の外側に)、本線トンネル2に並んで延びるように(すなわち、本線トンネル2に並行するように)、導坑21,22が地盤内に構築される。
ここで、横坑23,24は、本発明の「分岐部」として機能し得るものであり、導坑21,22を構築するに先立って構築されるものである。また、横坑23,24を構築するに先立って、横坑23,24の構築予定場所を含むように凍結改良体25,26が造成される。
図10は、本線トンネル2の軸方向に並ぶ複数の曲線鋼管31の上部断面図に対応するものであり、曲線鋼管31、凍結管37、及び凍土層35を示している。
また、本実施形態では、導坑21,22間に曲線鋼管31,32を架け渡して環状の構造体30が構築されており、構造体30によって本線トンネル2の周囲が囲まれている。尚、ランプトンネル3が本線トンネル2に隣接している場所においては、構造体30によって本線トンネル2及びランプトンネル3の周囲が囲まれている。
土砂51の掘削の進行が構造体30の上下方向中央部まで進行すると、図8(b)に示すように、側壁コンクリート13aを打設する。ここで、側壁コンクリート13aは、前述の覆工コンクリート13の一部を構成するものである。尚、導坑21,22のうち、側壁コンクリート13aが打設される部分を構成するセグメントについては、側壁コンクリート13aの打設に先立って撤去される。すなわち、導坑21,22の一部が側壁コンクリート13aの打設に先立って除去される。
また、導坑21,22の内部空間21a,22aに、それぞれ、モルタルなどの充填材を充填する。
以上のようにして、図1(a)及び(b)に示す地下構造物1が構築される。
図1〜図10に示した第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、前述の地下構造物1の構築方法において、凍土層35,36を形成する(図7(a)参照)に先立って、曲線鋼管31,32の周辺地山の地下水の流れを抑制する地下水流抑制改良体55を造成する。
また、前述の第1及び第2実施形態では、曲線鋼管31,32の断面形状が円形状であるが、断面形状はこれに限らず、例えば、楕円形状、又は、矩形形状であってもよい。
2 本線トンネル
3 ランプトンネル
4 覆工体
5 床版
6 支持部材
7 覆工体
9 シールド掘進機
11,12 褄壁コンクリート
13 覆工コンクリート
13a 側壁コンクリート
13b アーチコンクリート
13c インバートコンクリート
20,21,22 導坑
21a,22a 内部空間
21b,22b 先端部
23,24 横坑
25,26 凍結改良体
30 構造体
31,32 曲線鋼管
33 掘削機
35,36 凍土層
37 凍結管
38 接続部材
41 底部コンクリート
42 支持コンクリート
43 床版
44,45 空間
51 土砂
52 空間
53 領域
55 地下水流抑制改良体
56 領域
Claims (16)
- 既設のトンネルに並んで延びるように、複数の導坑を地盤内に構築することと、
地盤内における前記導坑間に鋼管を架け渡すことと、
を含む、地下構造物の構築方法。 - 前記導坑は前記トンネルから分岐している、請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記導坑を構築するに先立って、前記トンネルから前記導坑への分岐部を構築することを更に含む、請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記分岐部を構築するに先立って、前記分岐部の構築予定場所を含むように凍結改良体を造成することを更に含む、請求項3に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記導坑間に鋼管を架け渡すことは、複数の鋼管が前記トンネルの軸方向に互いに間隔を空けて並ぶように、各鋼管を前記導坑間に架け渡すことを含む、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
- 前記トンネルの軸方向に並ぶ前記複数の鋼管の周辺地山を凍結させて凍土層を形成することを更に含む、請求項5に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記凍土層を形成するに先立って、前記周辺地山の地下水の流れを抑制する地下水流抑制改良体を造成することを更に含む、請求項6に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記導坑間に架け渡された前記鋼管内にコンクリートを充填することを更に含む、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
- 前記導坑間に前記鋼管を架け渡して環状の構造体を構築し、前記構造体によって前記トンネルの周囲を囲むことを更に含む、請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
- 複数の前記構造体が前記トンネルの軸方向に互いに間隔を空けて並んでいる、請求項9に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記構造体と前記トンネルとの間の土砂を掘削して前記構造体と前記トンネルとの間に空間を形成すること更に含む、請求項9又は請求項10に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記トンネルの周壁の少なくとも一部を除去することにより、前記空間と前記トンネル内の空間とを連通させることを更に含む、請求項11に記載の地下構造物の構築方法。
- 既設のトンネルと、
前記トンネルに並んで延びるように地盤内に構築された複数の導坑と、
地盤内における前記導坑間に鋼管を架け渡して構築され、かつ、前記トンネルの周囲を囲む環状の構造体と、
を備え、
前記構造体と前記トンネルとの間に空間を有する、地下構造物。 - 前記空間は、前記トンネルの横断面で見て、前記トンネル内の空間と連通している、請求項13に記載の地下構造物。
- 前記空間は、前記トンネルの横断面で見て、前記トンネル内の空間と連通していない、請求項13に記載の地下構造物。
- 複数の前記構造体が前記トンネルの軸方向に互いに間隔を空けて並んでいる、請求項13〜請求項15のいずれか1つに記載の地下構造物。
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