JP2017043527A - 光ファイバの線引張力測定方法および線引張力測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバ素線を製造する際に、光ファイバの強度を劣化させることなく、被覆形成前の光ファイバ裸線にかかる線引張力を精度よく測定できる光ファイバの線引張力測定方法および線引張力測定装置を提供する。
【解決手段】光ファイバ母材2を溶融紡糸して光ファイバ裸線3を形成し、光ファイバ裸線3に被覆層を設けることによって光ファイバ素線5を製造するにあたり、紡糸から被覆層の形成までの間で、方向変換器20を用いて、流体によって光ファイバ裸線3を浮上させつつ光ファイバ裸線3の方向を変換し、方向変換器20における光ファイバ裸線3の浮上位置を検出し、予め測定された光ファイバ裸線3の線引張力と光ファイバ裸線3の浮上位置との相関に基づいて、前記浮上位置の検出値から線引張力を導出する。
【選択図】図1
【解決手段】光ファイバ母材2を溶融紡糸して光ファイバ裸線3を形成し、光ファイバ裸線3に被覆層を設けることによって光ファイバ素線5を製造するにあたり、紡糸から被覆層の形成までの間で、方向変換器20を用いて、流体によって光ファイバ裸線3を浮上させつつ光ファイバ裸線3の方向を変換し、方向変換器20における光ファイバ裸線3の浮上位置を検出し、予め測定された光ファイバ裸線3の線引張力と光ファイバ裸線3の浮上位置との相関に基づいて、前記浮上位置の検出値から線引張力を導出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ファイバの線引張力測定方法および線引張力測定装置に関する。
光ファイバ素線の製造工程には、母材を加熱炉により溶融して引取り、ガラス部の周囲に樹脂を塗布・硬化させたのちに巻取る、線引工程がある。線引工程において、光ファイバの特性を左右する重要なパラメータとして線引張力が挙げられる。
これは、引取りによって光ファイバに印加される引張張力に相当し、同じ光ファイバ母材より線引きされた光ファイバ素線においても、線引張力を変化させることで光学特性が変化することが広く知られている。
したがって、安定的に光ファイバ素線を製造するためには線引張力を一定に制御することが求められる。また、線引張力により光学特性が変化することを利用して、線引張力を変化させることで母材段階での長手方向の光学特性変動を小さくする手法も提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
これは、引取りによって光ファイバに印加される引張張力に相当し、同じ光ファイバ母材より線引きされた光ファイバ素線においても、線引張力を変化させることで光学特性が変化することが広く知られている。
したがって、安定的に光ファイバ素線を製造するためには線引張力を一定に制御することが求められる。また、線引張力により光学特性が変化することを利用して、線引張力を変化させることで母材段階での長手方向の光学特性変動を小さくする手法も提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
線引張力を制御するためには、そのときの線引張力を正確に把握する必要がある。ガラス部の光学特性に影響を与えているのはガラス部に印加される張力であることから、光ファイバのガラス部にかかる張力を正確に把握する必要がある。さらにいえば、制御を行うにあたっては、良品部全長にわたって連続的にガラス部にかかる張力を把握したい要請があるといえる。
しかしながら、特許文献2に以下のように記載されているとおり、正確かつ連続的にガラス部にかかる線引張力を測定することは困難であった(段落0020参照)。
「線引張力測定装置22には、一般的に接触式張力計が用いられることが多い。接触式張力計は、安価であり、測定精度が高いという利点がある一方、ガラスファイバ3に傷をつけることになるので、一般的に良好部を製造している間は、張力を測定することができない。接触式張力計以外にも、ガラスファイバ3の側方から円偏光の光を照射し、偏光状態の変化から、ガラスファイバ3に生じている線引張力の大きさを測定する方法もあるが、接触式張力計に比べ高価であり、測定精度も落ちる。このため、線引張力を直接測定する代わりに、以下で述べる被覆後張力を測定し、この被覆後張力から線引張力を求めることが多い」。
しかしながら、特許文献2に以下のように記載されているとおり、正確かつ連続的にガラス部にかかる線引張力を測定することは困難であった(段落0020参照)。
「線引張力測定装置22には、一般的に接触式張力計が用いられることが多い。接触式張力計は、安価であり、測定精度が高いという利点がある一方、ガラスファイバ3に傷をつけることになるので、一般的に良好部を製造している間は、張力を測定することができない。接触式張力計以外にも、ガラスファイバ3の側方から円偏光の光を照射し、偏光状態の変化から、ガラスファイバ3に生じている線引張力の大きさを測定する方法もあるが、接触式張力計に比べ高価であり、測定精度も落ちる。このため、線引張力を直接測定する代わりに、以下で述べる被覆後張力を測定し、この被覆後張力から線引張力を求めることが多い」。
被覆形成後の光ファイバに加えられる張力(被覆後張力)にはコーティング装置で発生するコーティング負担張力が含まれており、このコーティング負担張力は、さまざまな条件により変動することが知られている。例えば、コーティング装置の構成、被覆材の種類・温度等を変更した場合、線引速度を変更した場合などに、コーティング負担張力が大きく変化するため、これらの条件を変更した場合は、被覆後張力とガラス部にかかる線引張力の相関関係も変化してしまう。そのため、直にガラス部にかかる線引張力を測定したい要請は常にあったといえる。
本発明の一態様は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光ファイバ素線を製造する際に、光ファイバの強度を劣化させることなく、被覆形成前の光ファイバ裸線にかかる線引張力を精度よく測定できる光ファイバの線引張力測定方法および線引張力測定装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、光ファイバ素線を製造する際に、線引張力を測定する方法であって、光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成し、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けることによって光ファイバ素線を製造するにあたり、前記紡糸から前記被覆層の形成までの間で、方向変換器を用いて、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換し、前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出し、予め測定された前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関に基づいて、前記浮上位置の検出値から線引張力を導出する、線引張力測定方法を提供する。
前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関は、前記光ファイバ素線の製造に先だって取得したデータに基づいて把握されることが好ましい。
本発明の一態様は、前記光ファイバ裸線の外径を測定し、この外径の測定値に基づいて、前記線引張力と前記浮上位置との相関を補正することもできる。
前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関は、前記光ファイバ素線の製造に先だって取得したデータに基づいて把握されることが好ましい。
本発明の一態様は、前記光ファイバ裸線の外径を測定し、この外径の測定値に基づいて、前記線引張力と前記浮上位置との相関を補正することもできる。
本発明の一態様は、光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸部と、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けるコーティング部と、前記紡糸部から前記コーティング部までの間で、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換する方向変換器と、を備えた光ファイバ素線の製造装置に用いられる光ファイバの線引張力測定装置であって、前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の検出値から線引張力を導出する本体部とを備え、前記本体部は、予め測定された前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関に基づいて、前記浮上位置の検出値から線引張力を導出する、線引張力測定装置を提供する。
前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関は、前記光ファイバ素線の製造に先だって取得したデータに基づいて把握されることが好ましい。
本発明の一態様は、前記光ファイバ裸線の外径を測定する外径測定部をさらに備え、前記本体部において、前記外径測定部で得られた外径の測定値に基づいて、前記線引張力と前記浮上位置との相関を補正することができる。
前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関は、前記光ファイバ素線の製造に先だって取得したデータに基づいて把握されることが好ましい。
本発明の一態様は、前記光ファイバ裸線の外径を測定する外径測定部をさらに備え、前記本体部において、前記外径測定部で得られた外径の測定値に基づいて、前記線引張力と前記浮上位置との相関を補正することができる。
本発明の一態様は、光ファイバ素線を製造する際に、線引張力を測定する方法であって、光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成し、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けることによって光ファイバ素線を製造するにあたり、前記紡糸から前記被覆層の形成までの間で、方向変換器を用いて、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換し、前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出し、前記浮上位置の検出値に基づいて、前記浮上位置が一定となるように前記方向変換器における前記流体の流量を調整し、予め測定された前記光ファイバ裸線の線引張力と前記流体の流量との相関に基づいて、前記流体の流量から線引張力を導出する、線引張力測定方法を提供する。
本発明の一態様は、光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸部と、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けるコーティング部と、前記紡糸部から前記コーティング部までの間で、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換する方向変換器と、を備えた光ファイバ素線の製造装置に用いられる光ファイバの線引張力測定装置であって、前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出する位置検出部と、前記浮上位置が一定となるように前記方向変換器における前記流体の流量を調整する流量調整器と、前記流体の流量から線引張力を導出する本体部とを備え、前記本体部は、予め測定された前記光ファイバ裸線の線引張力と前記流体の流量との相関に基づいて、前記流体の流量から線引張力を導出する、線引張力測定装置を提供する。
本発明の一態様によれば、予め測定された線引張力と光ファイバ裸線の浮上位置との相関に基づいて、位置検出部の検出値から線引張力を導出する。位置検出部の検出値は、光ファイバ裸線の浮上量に応じた値となるため、ガラス部(光ファイバ裸線)にかかる線引張力を精度よく測定できる。
また、位置検出部の検出値から線引張力を導出するため、光ファイバ素線の製造工程において、光ファイバ裸線の長さ方向に連続的に線引張力を測定できる。そのため、この測定値に基づいて製造条件を制御する場合には、即応性の点で有利となる。また、張力異常が生じた場合にその異常の原因箇所を特定しやすくなるため、修復が容易となる。
この線引張力測定方法では、光ファイバ裸線に接触せずに線引張力を測定できるため、接触式張力計を用いた場合と異なり、光ファイバ裸線が傷つくことはなく、光ファイバ裸線の強度劣化が起きることはない。よって、強度劣化を原因とする断線および歩留まり悪化を防ぐことができる。
さらに、この線引張力測定方法では、光ファイバ素線の製造工程において、装置構成が複雑化したり製造条件の制約が生じることはないため、光ファイバ素線の製造にあたって不利は生じない。
また、位置検出部の検出値から線引張力を導出するため、光ファイバ素線の製造工程において、光ファイバ裸線の長さ方向に連続的に線引張力を測定できる。そのため、この測定値に基づいて製造条件を制御する場合には、即応性の点で有利となる。また、張力異常が生じた場合にその異常の原因箇所を特定しやすくなるため、修復が容易となる。
この線引張力測定方法では、光ファイバ裸線に接触せずに線引張力を測定できるため、接触式張力計を用いた場合と異なり、光ファイバ裸線が傷つくことはなく、光ファイバ裸線の強度劣化が起きることはない。よって、強度劣化を原因とする断線および歩留まり悪化を防ぐことができる。
さらに、この線引張力測定方法では、光ファイバ素線の製造工程において、装置構成が複雑化したり製造条件の制約が生じることはないため、光ファイバ素線の製造にあたって不利は生じない。
図1は、本発明に係る光ファイバの線引張力測定方法の第1実施形態を実施可能な光ファイバ素線の製造装置の一例の概略構成を示す模式図である。以下、線引き方向に基づいて各構成の位置関係を表す場合がある。例えば、上流側とは線引き方向の上流側であり、下流側とは線引き方向の下流側である。
図1に示す製造装置1は、紡糸部10と、方向変換器20(20A,20B,20C)(非接触保持機構)と、張力測定部30(線引張力測定装置)と、第1コーティング部40と、第1硬化部50と、第2コーティング部60と、第2硬化部70と、スパン装置80と、ターンプーリ90とを備えている。
図示しないが、ターンプーリ90の下流側には、光ファイバ素線5を巻き取る巻取り機が設けられている。
図示しないが、ターンプーリ90の下流側には、光ファイバ素線5を巻き取る巻取り機が設けられている。
紡糸部10は、加熱炉11を備えており、加熱炉11によって光ファイバ母材2を加熱して溶融紡糸することによって光ファイバ裸線3を形成する。
方向変換器20は、光ファイバ裸線3の方向を変換する。製造装置1では3つの方向変換器20が用いられる。これらの方向変換器20を、線引き方向の上流側から下流側に、それぞれ第1〜第3方向変換器20A〜20Cという。
第1方向変換器20Aは、光ファイバ母材2から鉛直下向きに引き出された光ファイバ裸線3を、90°の方向変換により水平に向ける。
光ファイバ母材2から第1方向変換器20Aまでの光ファイバ裸線3の鉛直下向きの経路を第一の経路L1といい、第1方向変換器20Aから第2方向変換器20Bまでの光ファイバ裸線3の水平の経路を第二の経路L2という。
第一の経路L1と第二の経路L2とを含む面をP1という。X方向は、面P1内において第二の経路L2に沿う方向であり、Y方向は、面P1に垂直な方向である。
第1方向変換器20Aは、光ファイバ母材2から鉛直下向きに引き出された光ファイバ裸線3を、90°の方向変換により水平に向ける。
光ファイバ母材2から第1方向変換器20Aまでの光ファイバ裸線3の鉛直下向きの経路を第一の経路L1といい、第1方向変換器20Aから第2方向変換器20Bまでの光ファイバ裸線3の水平の経路を第二の経路L2という。
第一の経路L1と第二の経路L2とを含む面をP1という。X方向は、面P1内において第二の経路L2に沿う方向であり、Y方向は、面P1に垂直な方向である。
第2方向変換器20Bは、光ファイバ裸線3を、180°の方向変換により、第二の経路L2とは反対の方向に向ける。
第3方向変換器20Cは、光ファイバ裸線3を、90°の方向変換により、鉛直下向きとする。
第2方向変換器20Bから第3方向変換器20Cまでの光ファイバ裸線3の水平の経路を第三の経路L3といい、第3方向変換器20Cからの鉛直下向きの光ファイバ裸線3の経路を第四の経路L4という。
第3方向変換器20Cは、光ファイバ裸線3を、90°の方向変換により、鉛直下向きとする。
第2方向変換器20Bから第3方向変換器20Cまでの光ファイバ裸線3の水平の経路を第三の経路L3といい、第3方向変換器20Cからの鉛直下向きの光ファイバ裸線3の経路を第四の経路L4という。
以下、方向変換器20の構造について詳しく説明する。
図3は、第1方向変換器20A(以下、単に方向変換器20Aということがある。)を示す図である。方向変換器20Aは、平面視円形とされ、外周面20aに全周長にわたってガイド溝21が形成されている。
方向変換器20Aは、中心軸方向(図3の紙面に垂直な方向)をY方向に一致させるとともに、径方向D1(図2参照)を面P1(図1参照)に沿う方向に向けた姿勢で設置される。なお、外周面20aに沿う方向を周方向という。
図3は、第1方向変換器20A(以下、単に方向変換器20Aということがある。)を示す図である。方向変換器20Aは、平面視円形とされ、外周面20aに全周長にわたってガイド溝21が形成されている。
方向変換器20Aは、中心軸方向(図3の紙面に垂直な方向)をY方向に一致させるとともに、径方向D1(図2参照)を面P1(図1参照)に沿う方向に向けた姿勢で設置される。なお、外周面20aに沿う方向を周方向という。
図2に示すように、ガイド溝21の底部には、ガイド溝21に沿って配線された光ファイバ裸線3を浮上させる流体(例えば空気)の吹出し口22がガイド溝21に沿って形成されている。吹出し口22は、ガイド溝21のうち、少なくとも光ファイバ裸線3が通る範囲の全長にわたって形成することができる。
方向変換器20Aは、方向変換器20Aの内部に確保された空間(流体溜部25)内の流体を、吹出し口22を通してガイド溝21内に放出できる。
方向変換器20Aには、外部から流体溜部25に流体を導入する導入路26(図3参照)が接続されている。
方向変換器20Aは、例えば、流体を外部から導入路26を通して流体溜部25に導入し、吹出し口22を通してガイド溝21内に放出させることができる。ガイド溝21に吹出される流体の流量は、方向変換器20Aへの流体の導入流量に等しい。
方向変換器20Aには、外部から流体溜部25に流体を導入する導入路26(図3参照)が接続されている。
方向変換器20Aは、例えば、流体を外部から導入路26を通して流体溜部25に導入し、吹出し口22を通してガイド溝21内に放出させることができる。ガイド溝21に吹出される流体の流量は、方向変換器20Aへの流体の導入流量に等しい。
図2に示すように、ガイド溝21は、径方向外方に行くほど内側面21c,21cの間隔(Y方向寸法)が徐々に大きくなるように、径方向D1に対して傾斜して形成されていることが好ましい。2つの内側面21c,21cは、径方向D1に対する傾斜角度θ1が互いに等しいことが好ましい。
図3に示す方向変換器20Aでは、光ファイバ裸線3は、入線部23からガイド溝21に入り、出線部24でガイド溝21から出る。出線部24は、入線部23から周方向に約90°周方向にずれた位置にあるため、光ファイバ裸線3は、90°の方向変換がなされる。
図4は、第2方向変換器20B(以下、単に方向変換器20Bということがある。)を示す図である。方向変換器20Bは、平面視円形とされ、外周面20aに全周長にわたってガイド溝31が形成されている。方向変換器20Bは、光ファイバ裸線3の向きを180°変換することができる。
方向変換器20Bは、中心軸方向をY方向に一致させるとともに、径方向D1(図2参照)を面P1(図1参照)に沿う方向に向けた姿勢で設置される。
方向変換器20Bは、中心軸方向をY方向に一致させるとともに、径方向D1(図2参照)を面P1(図1参照)に沿う方向に向けた姿勢で設置される。
ガイド溝31の底部には、光ファイバ裸線3を浮上させる流体の吹出し口32がガイド溝31に沿って形成されている。吹出し口32は、ガイド溝31のうち、少なくとも光ファイバ裸線3が通る範囲の全長にわたって形成することができる。
ガイド溝31の断面形状はガイド溝21の断面形状(図2参照)と同じである。流体を吹出し口32を通してガイド溝31内に放出する構造は、図2に示す構造と同様の構造を採用することができる。
ガイド溝31の断面形状はガイド溝21の断面形状(図2参照)と同じである。流体を吹出し口32を通してガイド溝31内に放出する構造は、図2に示す構造と同様の構造を採用することができる。
方向変換器20Bは、方向変換器20Bの内部に確保された空間(流体溜部25)内の流体を、吹出し口32を通してガイド溝21内に放出できる。
方向変換器20Bには、外部から流体溜部25に流体を導入する導入路26(図4参照)が接続されている。
方向変換器20Bは、例えば、流体を外部から導入路26を通して流体溜部25に導入し、吹出し口32を通してガイド溝31内に放出させることができる。ガイド溝31に吹出される流体の流量は、方向変換器20Bへの流体の導入流量に等しい。
方向変換器20Bには、外部から流体溜部25に流体を導入する導入路26(図4参照)が接続されている。
方向変換器20Bは、例えば、流体を外部から導入路26を通して流体溜部25に導入し、吹出し口32を通してガイド溝31内に放出させることができる。ガイド溝31に吹出される流体の流量は、方向変換器20Bへの流体の導入流量に等しい。
方向変換器20Bでは、光ファイバ裸線3は、入線部33からガイド溝31に入り、入線部33に対して周方向に約180℃ずれた位置にある出線部34でガイド溝31から出ることによって、180°の方向変換がなされる。
図5は、第3方向変換器20C(以下、単に方向変換器20Cということがある。)を示す図である。方向変換器20Cは、図3に示す方向変換器20Aと同様の構成である。
方向変換器20Cでは、光ファイバ裸線3は、入線部43からガイド溝21に入り、出線部44でガイド溝21から出ることによって、90°の方向変換がなされる。
方向変換器20Cでは、光ファイバ裸線3は、入線部43からガイド溝21に入り、出線部44でガイド溝21から出ることによって、90°の方向変換がなされる。
張力測定部30は、光ファイバ裸線3の位置を検出する位置検出部35と、位置検出部35で検出された光ファイバ裸線3の位置に基づいて線引張力を測定する測定部本体36(本体部)とを有する。
位置検出部35は、第3方向変換器20Cの下流側に設けられ、第四の経路L4の光ファイバ裸線3の位置を検出する。
位置検出部35としては、例えばレーザ方式(光学式)の位置センサを使用できる。レーザ方式の位置センサは、例えば、光源(レーザ光源)から光ファイバ裸線3に向けて照射された光を、前記光源と対向して設置された検知器で受光し、その光に基づいて光ファイバ裸線3の位置を検出することができる。
位置検出部35は、第3方向変換器20Cの下流側に設けられ、第四の経路L4の光ファイバ裸線3の位置を検出する。
位置検出部35としては、例えばレーザ方式(光学式)の位置センサを使用できる。レーザ方式の位置センサは、例えば、光源(レーザ光源)から光ファイバ裸線3に向けて照射された光を、前記光源と対向して設置された検知器で受光し、その光に基づいて光ファイバ裸線3の位置を検出することができる。
測定部本体36は、後述するように、予め測定された線引張力と光ファイバ裸線3の位置との相関に基づいて、光ファイバ裸線3の線引張力を測定することができる。測定部本体36は、測定値を表示する液晶パネルなどの表示部を備えていてもよい。
第1コーティング部40は、光ファイバ裸線3の外周面に、ウレタンアクリレート系の樹脂などの被覆材を塗布(コーティング)して一次被覆層とする。一次被覆層に用いられる被覆材は、例えば紫外線硬化樹脂である。
第1硬化部50は、例えば1または複数のUVランプを備え、紫外線照射によって一次被覆層を硬化させる。
第1硬化部50は、例えば1または複数のUVランプを備え、紫外線照射によって一次被覆層を硬化させる。
第2コーティング部60は、一次被覆層の外周面に、ウレタンアクリレート系の樹脂などの被覆材を塗布(コーティング)して二次被覆層とする。これによって、光ファイバ素線中間体4を得る。二次被覆層は、一次被覆層よりヤング率が高いことが好ましい。二次被覆層に用いられる被覆材は、例えば紫外線硬化樹脂である。
第2硬化部70は、1または複数のUVランプ70aを備え、紫外線照射によって二次被覆層を硬化させる。これによって、光ファイバ素線5を得る。第2硬化部70は、例えば、光ファイバ素線中間体4が通過する空間を挟んで設けられた複数対のUVランプ70aを有する。
なお、光ファイバ裸線3の外周面に形成する被覆材は、2層構造に限らず、1層構造でもよいし、3層以上の構造でもよい。
なお、光ファイバ裸線3の外周面に形成する被覆材は、2層構造に限らず、1層構造でもよいし、3層以上の構造でもよい。
スパン装置80は、光ファイバ素線5にねじりを加えることができる。
ターンプーリ90は、光ファイバ素線5を引き取るとともに光ファイバ素線5の向きを変え、巻き取り機(図示略)に導くことができる。
ターンプーリ90は、光ファイバ素線5を引き取るとともに光ファイバ素線5の向きを変え、巻き取り機(図示略)に導くことができる。
次に、製造装置1を用いて光ファイバ素線5を製造する場合を例として、本発明に係る光ファイバの線引張力測定方法の第1実施形態を説明する。
(紡糸工程)
紡糸部10において、光ファイバ母材2を加熱して溶融紡糸して光ファイバ裸線3を形成する。
(紡糸工程)
紡糸部10において、光ファイバ母材2を加熱して溶融紡糸して光ファイバ裸線3を形成する。
(方向変換器による方向変換)
光ファイバ母材2から鉛直下向き(第一の経路L1)に引き出された光ファイバ裸線3は、第1方向変換器20Aにおける90°の方向変換により、水平(第二の経路L2)に向けられる。
光ファイバ裸線3は、第2方向変換器20Bにおける180°の方向変換により、第二の経路L2とは反対の方向(第三の経路L3)に向けられ、第3方向変換器20Cにおける90°の方向変換により鉛直下向き(第四の経路L4)となる。
光ファイバ母材2から鉛直下向き(第一の経路L1)に引き出された光ファイバ裸線3は、第1方向変換器20Aにおける90°の方向変換により、水平(第二の経路L2)に向けられる。
光ファイバ裸線3は、第2方向変換器20Bにおける180°の方向変換により、第二の経路L2とは反対の方向(第三の経路L3)に向けられ、第3方向変換器20Cにおける90°の方向変換により鉛直下向き(第四の経路L4)となる。
方向変換器20A〜20Cでは、流体溜部25内の流体を、吹出し口22,32を通してガイド溝21,31内に放出することによって、光ファイバ裸線3を浮上させることができる。詳細には、放出された流体により、図2に示すように、ガイド溝21の深部21dと浅部21eとの圧力差が大きくなるため、光ファイバ裸線3に、径方向外方の力が作用することによって、光ファイバ裸線3は浮上する。
光ファイバが流体により浮上する原理については、次の説明が可能である。
流体の流路に遮蔽物があると、その遮蔽物は流体から力を受ける。流路を限定された流体は、運動量保存則とエネルギ一保存則を満たしながら遮蔽物に力を加える。例えば、流路面積が徐々に広がる三角錐形状の流路の中に錘を浮上させる場合、錘の前後で発生する圧力差が位置によって変化する。これにより、流体から錘が受ける浮力と錘の荷重が釣り合った位置で錘は静止することができる。錘の荷重が一定の場合、浮上位置(より正確には流路と錘により限定された流路面積)と流量には明確な正の相関が存在する。この現象はフローメータの原理として広く一般に利用されている。
流体の流路に遮蔽物があると、その遮蔽物は流体から力を受ける。流路を限定された流体は、運動量保存則とエネルギ一保存則を満たしながら遮蔽物に力を加える。例えば、流路面積が徐々に広がる三角錐形状の流路の中に錘を浮上させる場合、錘の前後で発生する圧力差が位置によって変化する。これにより、流体から錘が受ける浮力と錘の荷重が釣り合った位置で錘は静止することができる。錘の荷重が一定の場合、浮上位置(より正確には流路と錘により限定された流路面積)と流量には明確な正の相関が存在する。この現象はフローメータの原理として広く一般に利用されている。
フローメータの原理は、逆説的には、流体の流量が一定の場合に錘の浮上位置と錘の荷重との間に相関が生まれることを示している。そのため、本発明者は、一定流量の流体を流した三角錐形状の流路に錘を浮上させることで、浮上位置から錘の荷重を測定できると考えた。本発明者は、さらに、前述の相関は断面V字状のガイド溝に線条体を浮上させる場合も同様に生じるから、断面V字状のガイド溝に一定流量の流体を流し、そこに線条体を浮上させることで線条体の荷重を測定することができると考えた。
この考えに基づいて検討を重ねた結果、長さ方向に湾曲した、断面V字状のガイド溝に一定流量の流体を流してガイド溝内の線条体を浮上させるとき、線条体にかかる引張荷重が流体から線条体が得る浮力と釣り合うことがわかった。この知見に基づいて、本発明者は、線条体の浮上位置に基づいて、線条体にかかる引張荷重を測定できることを見出した。
また、一定流量の流体から物体が受ける力は、力を受ける面の形状に依存する。通常の光ファイバ線引き工程では引取り速度を連続的に変化させることで光ファイバ外径を一定に保つような制御方法を用いるのが一般的であるため、光ファイバは、無限に長い円柱とみなすことができる。よって、光ファイバは、連続的な荷重測定に好適な線条体であるといえる。
光ファイバは質量が非常に小さいため、重力の大きさが引張張力の大きさよりも非常に小さいことから、重力の影響を無視できる。このことも、光ファイバが張力測定に好適な要因の一つである。
また、一定流量の流体から物体が受ける力は、力を受ける面の形状に依存する。通常の光ファイバ線引き工程では引取り速度を連続的に変化させることで光ファイバ外径を一定に保つような制御方法を用いるのが一般的であるため、光ファイバは、無限に長い円柱とみなすことができる。よって、光ファイバは、連続的な荷重測定に好適な線条体であるといえる。
光ファイバは質量が非常に小さいため、重力の大きさが引張張力の大きさよりも非常に小さいことから、重力の影響を無視できる。このことも、光ファイバが張力測定に好適な要因の一つである。
(第1コーティング工程)
第1コーティング部40において、光ファイバ裸線3の外周面に、ウレタンアクリレート系の樹脂などの被覆材を塗布(コーティング)して一次被覆層とする。
第1コーティング部40において、光ファイバ裸線3の外周面に、ウレタンアクリレート系の樹脂などの被覆材を塗布(コーティング)して一次被覆層とする。
(第1硬化工程)
第1硬化部50において、例えばUVランプによる紫外線照射などによって、一次被覆層を硬化させる。
第1硬化部50において、例えばUVランプによる紫外線照射などによって、一次被覆層を硬化させる。
(第2コーティング工程)
第2コーティング部60において、一次被覆層の外周面に、ウレタンアクリレート系の樹脂などの被覆材を塗布(コーティング)して二次被覆層とする。これによって、光ファイバ素線中間体4を得る。
第2コーティング部60において、一次被覆層の外周面に、ウレタンアクリレート系の樹脂などの被覆材を塗布(コーティング)して二次被覆層とする。これによって、光ファイバ素線中間体4を得る。
(第2硬化工程)
第2硬化部70おいて、例えばUVランプによる紫外線照射などによって、二次被覆層を硬化させる。これによって、光ファイバ素線5を得る。
第2硬化部70おいて、例えばUVランプによる紫外線照射などによって、二次被覆層を硬化させる。これによって、光ファイバ素線5を得る。
(スパン工程)
光ファイバ素線5は、必要に応じて、スパン装置80によってねじりを加えることができる。
光ファイバ素線5は、必要に応じて、スパン装置80によってねじりを加えることができる。
(引取り工程)
光ファイバ素線5は、ターンプーリ90によって引き取られるとともに向きを変えられ、巻き取り機(図示略)により巻き取られる。
光ファイバ素線5は、ターンプーリ90によって引き取られるとともに向きを変えられ、巻き取り機(図示略)により巻き取られる。
以下、本実施形態の線引張力の測定方法について詳しく説明する。
方向変換器20(20A,20B,20C)における光ファイバ裸線3の浮上量は、ガイド溝21で吹出される流体から受ける力、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力、などの影響を受ける。通常、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力が高いほど浮上量は小さくなり、線引張力が低いほど浮上量は大きくなる。
例えば、第3方向変換器20Cにおいて、線引張力が高いと、光ファイバ裸線3が方向変換器20Cに近づく方向の力が大きくなるため、光ファイバ裸線3の浮上量は小さくなる。
一方、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力が低いと、光ファイバ裸線3が方向変換器20Cに近づく方向の力は小さくなるため、流体から受ける力によって、光ファイバ裸線3の浮上量は大きくなる。
方向変換器20(20A,20B,20C)における光ファイバ裸線3の浮上量は、ガイド溝21で吹出される流体から受ける力、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力、などの影響を受ける。通常、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力が高いほど浮上量は小さくなり、線引張力が低いほど浮上量は大きくなる。
例えば、第3方向変換器20Cにおいて、線引張力が高いと、光ファイバ裸線3が方向変換器20Cに近づく方向の力が大きくなるため、光ファイバ裸線3の浮上量は小さくなる。
一方、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力が低いと、光ファイバ裸線3が方向変換器20Cに近づく方向の力は小さくなるため、流体から受ける力によって、光ファイバ裸線3の浮上量は大きくなる。
第3方向変換器20C(図5参照)における光ファイバ裸線3の浮上量が増減すると、第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置が変化する。
例えば、第3方向変換器20Cにおける光ファイバ裸線3の浮上量が減少すると、第四の経路L4の光ファイバ裸線3は、第3方向変換器20Cに近づく方向に移動するため、X方向の位置は、図1および図5における右寄りとなる。
一方、光ファイバ裸線3の浮上量が増加すると、第四の経路L4の光ファイバ裸線3は、第3方向変換器20Cから離れる方向に移動するため、X方向の位置は、図1および図5における左寄りとなる。
この実施形態の線引張力測定方法では、光ファイバ裸線3の浮上量が増減することによって第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置が変化することを利用する。
例えば、第3方向変換器20Cにおける光ファイバ裸線3の浮上量が減少すると、第四の経路L4の光ファイバ裸線3は、第3方向変換器20Cに近づく方向に移動するため、X方向の位置は、図1および図5における右寄りとなる。
一方、光ファイバ裸線3の浮上量が増加すると、第四の経路L4の光ファイバ裸線3は、第3方向変換器20Cから離れる方向に移動するため、X方向の位置は、図1および図5における左寄りとなる。
この実施形態の線引張力測定方法では、光ファイバ裸線3の浮上量が増減することによって第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置が変化することを利用する。
前述のように、位置検出部35は、第四の経路L4の光ファイバ裸線3の位置を検出することができる。
第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置は、第3方向変換器20Cにおける光ファイバ裸線3の浮上量に応じた位置となるため、位置検出部35によって第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置を検出すれば、方向変換器20Cにおける光ファイバ裸線3の浮上量(浮上位置)を把握できる。
第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置は、第3方向変換器20Cにおける光ファイバ裸線3の浮上量に応じた位置となるため、位置検出部35によって第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置を検出すれば、方向変換器20Cにおける光ファイバ裸線3の浮上量(浮上位置)を把握できる。
この線引張力測定方法では、予備試験により、線引張力が異なる複数の条件、および、方向変換器20(20A,20B,20C)への流体の導入流量が異なる複数の条件で、第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置を位置検出部35によって検出しておくのが好ましい。
これによって、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力と、第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置との相関が、方向変換器20における流体の流量と関連付けて把握される。
これによって、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力と、第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置との相関が、方向変換器20における流体の流量と関連付けて把握される。
図6は、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力と、第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置(相対浮上位置)との相関を、方向変換器20における流体の流量と関連付けて整理したグラフの一例である。相対浮上位置は、例えば、方向変換器20Cのガイド溝21の底部からの径方向の高さ位置である。予備試験における線引張力の測定には、例えば、ロードセル、接触式張力計などを使用できる。なお、1gfは約9.81×10−3Nである。
張力測定部30の測定部本体36には、予め測定された、線引張力と光ファイバ裸線3の位置との相関に関するデータ(例えば図6に示すデータ)が入力されており、このデータを用いて、位置検出部35の検出値から線引張力を導出する。例えば、位置検出部35の検出値を図6と照合することで、線引張力を導出できる。
位置検出部35の検出値は、光ファイバ裸線3の浮上量に応じた値となるため、ガラス部(光ファイバ裸線3)にかかる線引張力を精度よく測定できる。
また、位置検出部35の検出値から線引張力を導出するため、光ファイバ素線5の製造工程において、光ファイバ裸線3の長さ方向に連続的に線引張力を測定できる。そのため、この測定値に基づいて製造条件を制御する場合には、即応性の点で有利となる。また、張力異常が生じた場合にその異常の原因箇所を特定しやすくなるため、修復が容易となる。
位置検出部35の検出値は、光ファイバ裸線3の浮上量に応じた値となるため、ガラス部(光ファイバ裸線3)にかかる線引張力を精度よく測定できる。
また、位置検出部35の検出値から線引張力を導出するため、光ファイバ素線5の製造工程において、光ファイバ裸線3の長さ方向に連続的に線引張力を測定できる。そのため、この測定値に基づいて製造条件を制御する場合には、即応性の点で有利となる。また、張力異常が生じた場合にその異常の原因箇所を特定しやすくなるため、修復が容易となる。
この線引張力測定方法では、光ファイバ裸線3に接触せずに線引張力を測定できる。そのため、接触式張力計を用いた場合と異なり、光ファイバ裸線3が傷つくことはなく、光ファイバ裸線3の強度劣化が起きることはない。よって、強度劣化を原因とする断線および歩留まり悪化を防ぐことができる。
さらに、この線引張力測定方法では、光ファイバ素線5の製造工程において、装置構成が複雑化したり製造条件の制約が生じることはないため、光ファイバ素線5の製造にあたって不利は生じない。
さらに、この線引張力測定方法では、光ファイバ素線5の製造工程において、装置構成が複雑化したり製造条件の制約が生じることはないため、光ファイバ素線5の製造にあたって不利は生じない。
光ファイバ素線5の製造においては、線引張力の測定値に基づいて、例えば、加熱炉11における供給電力を調整し、加熱炉11での光ファイバ母材2の加熱温度を制御することによって、ガラス部(光ファイバ裸線3)にかかる線引張力を一定範囲に保つことができる。制御方法としては、PID制御などのフィードバック制御が好ましい。
なお、制御対象は、線引速度、コーティング部40,60における樹脂の供給圧力、加熱炉11への光ファイバ母材2の進入速度などであってもよい。
なお、制御対象は、線引速度、コーティング部40,60における樹脂の供給圧力、加熱炉11への光ファイバ母材2の進入速度などであってもよい。
図7は、本発明に係る光ファイバの線引張力測定方法の第2実施形態を実施可能な光ファイバ素線の製造装置の一例の概略構成を示す模式図である。以下、図1に示す第1実施形態の製造装置1と同じ構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図7に示す製造装置1Aでは、2つの方向変換器20が用いられる。これらの方向変換器20を、それぞれ第1および第2方向変換器20A,20Dという。
図7に示す製造装置1Aでは、2つの方向変換器20が用いられる。これらの方向変換器20を、それぞれ第1および第2方向変換器20A,20Dという。
第2方向変換器20Dは、光ファイバ裸線3を、90°の方向変換により鉛直下向きとする。第2方向変換器20Dからの鉛直下向きの光ファイバ裸線3の経路を第三の経路L5という。
位置検出部35は、第2方向変換器20Dの下流側に設けられ、第三の経路L5の光ファイバ裸線3の位置を検出する。
位置検出部35は、第2方向変換器20Dの下流側に設けられ、第三の経路L5の光ファイバ裸線3の位置を検出する。
製造装置1Aを用いて光ファイバ素線5を製造する際には、予め測定された線引張力と光ファイバ裸線3の位置との相関に基づいて、位置検出部35の検出値から線引張力を測定できる。
この線引張力測定方法では、第1実施形態の線引張力測定方法と同様に、ガラス部(光ファイバ裸線3)にかかる線引張力を精度よく測定できる。また、光ファイバ裸線3の長さ方向に連続的に線引張力を測定できる。
また、光ファイバ裸線3が傷つくことがないため、光ファイバ裸線3の強度劣化が起こらず、強度劣化を原因とする断線および歩留まり悪化を防ぐことができる。
さらに、装置構成が複雑化したり、製造条件の制約が生じることがないため、光ファイバ素線5の製造にあたって不利が生じない。
また、光ファイバ裸線3が傷つくことがないため、光ファイバ裸線3の強度劣化が起こらず、強度劣化を原因とする断線および歩留まり悪化を防ぐことができる。
さらに、装置構成が複雑化したり、製造条件の制約が生じることがないため、光ファイバ素線5の製造にあたって不利が生じない。
光ファイバ裸線3の外径が変動すると、方向変換器20における浮上量が変化する可能性があるため、光ファイバ裸線3の外径を測定してもよい。
図8は、本発明に係る光ファイバの線引張力測定方法の第3実施形態を実施可能な光ファイバ素線の製造装置の一例の概略構成を示す模式図である。
図8に示す製造装置1Bでは、位置検出部35の下流側(位置検出部35と第1コーティング部40との間)に、外径測定部100が設けられている。
外径測定部100としては、例えば、光源と検知器とを備えた光学式の測定装置を使用できる。この測定装置は、例えば、光ファイバ裸線3の側方位置に設置された光源(レーザ光源など)から光を照射し、前記光源と対向して設置された検知器で前方散乱光を受光し、そのパターンまたは強度を解析することにより光ファイバ裸線3の外径を測定する。
図8は、本発明に係る光ファイバの線引張力測定方法の第3実施形態を実施可能な光ファイバ素線の製造装置の一例の概略構成を示す模式図である。
図8に示す製造装置1Bでは、位置検出部35の下流側(位置検出部35と第1コーティング部40との間)に、外径測定部100が設けられている。
外径測定部100としては、例えば、光源と検知器とを備えた光学式の測定装置を使用できる。この測定装置は、例えば、光ファイバ裸線3の側方位置に設置された光源(レーザ光源など)から光を照射し、前記光源と対向して設置された検知器で前方散乱光を受光し、そのパターンまたは強度を解析することにより光ファイバ裸線3の外径を測定する。
光ファイバ裸線3の外径を測定する場合には、外径測定部100からの測定信号を張力測定部30の測定部本体36に送り、線引張力と光ファイバ裸線3の位置との相関に関するデータ(例えば図6に示すデータ)を補正することができる。
流体から物体が受ける力は、力を受ける物体の面の大きさに影響されるため、例えば、光ファイバ裸線3の外径が大きくなると、線引張力が一定でも浮上量は大きくなる。一方、光ファイバ裸線3の外径が小さくなると、線引張力が一定でも浮上量は小さくなる。光ファイバ裸線3の外径の変化を原因とする浮上量の変動を考慮して、線引張力と光ファイバ裸線3の位置との相関に関するデータを補正する場合には、この変動の影響を打ち消すように前記データを補正すればよい。
このように、光ファイバ裸線3の外径の測定値に基づいて前記データを補正することによって、光ファイバ裸線3の外径が変動した場合でも、精度の高い線引張力の測定が可能となる。
このように、光ファイバ裸線3の外径の測定値に基づいて前記データを補正することによって、光ファイバ裸線3の外径が変動した場合でも、精度の高い線引張力の測定が可能となる。
図9は、本発明に係る光ファイバの線引張力測定方法の第4実施形態を実施可能な光ファイバ素線の製造装置の一例の概略構成を示す模式図である。
図9に示す製造装置1Cは、制御部110と、流量調整器120とを備えている点で、図1に示す製造装置1と異なる。
制御部110は、位置検出部35からの検出信号に基づいて、流量調整器120を用いて、方向変換器20(例えば方向変換器20C)への流体の導入流量を制御することで、方向変換器20における光ファイバ裸線3の浮上量を調整することができる。流量調整器120としては、マスフローコントローラ(MFC)等が使用できる。
図9に示す製造装置1Cは、制御部110と、流量調整器120とを備えている点で、図1に示す製造装置1と異なる。
制御部110は、位置検出部35からの検出信号に基づいて、流量調整器120を用いて、方向変換器20(例えば方向変換器20C)への流体の導入流量を制御することで、方向変換器20における光ファイバ裸線3の浮上量を調整することができる。流量調整器120としては、マスフローコントローラ(MFC)等が使用できる。
位置検出部35は、第四の経路L4の光ファイバ裸線3の位置情報に基づいて、検出信号を制御部110に出力する。この検出信号は、例えば、方向変換器20におけるガイド溝21内の光ファイバ裸線3の位置に応じた信号である。
制御部110は、検出信号に基づいて、流量調整器120を用いて、方向変換器20への流体の導入流量を制御する。これによって、方向変換器20において、吹出し口22からガイド溝21に放出される流体の流速を制御し、光ファイバ裸線3の浮上量を調整することができる。
制御部110は、検出信号に基づいて、流量調整器120を用いて、方向変換器20への流体の導入流量を制御する。これによって、方向変換器20において、吹出し口22からガイド溝21に放出される流体の流速を制御し、光ファイバ裸線3の浮上量を調整することができる。
例えば、光ファイバ裸線3の浮上量が小さくなることで、第四の経路L4の光ファイバ裸線3が方向変換器20Cに近づく方向に変位すると、制御部110は、方向変換器20Cへの流体の導入流量を大きくする。これによって、方向変換器20Cにおいて、吹出し口22からガイド溝21に放出される流体の流速が大きくなり、光ファイバ裸線3の浮上量が回復する。
一方、光ファイバ裸線3の浮上量が大きくなることで、第四の経路L4の光ファイバ裸線3が方向変換器20Cから離れる方向に変位すると、制御部110は、方向変換器20Cへの流体の導入流量を小さくする。これによって、方向変換器20Cにおいて、吹出し口22からガイド溝21に放出される流体の流速が小さくなり、光ファイバ裸線3の浮上量が抑制される。
このようにして、光ファイバ裸線3の浮上位置を一定に保つことができる。
制御方法としては、PID制御などのフィードバック制御を採用すると、流体の流量の制御を応答性よく行うことができる。
一方、光ファイバ裸線3の浮上量が大きくなることで、第四の経路L4の光ファイバ裸線3が方向変換器20Cから離れる方向に変位すると、制御部110は、方向変換器20Cへの流体の導入流量を小さくする。これによって、方向変換器20Cにおいて、吹出し口22からガイド溝21に放出される流体の流速が小さくなり、光ファイバ裸線3の浮上量が抑制される。
このようにして、光ファイバ裸線3の浮上位置を一定に保つことができる。
制御方法としては、PID制御などのフィードバック制御を採用すると、流体の流量の制御を応答性よく行うことができる。
この実施形態では、予備試験により、線引張力が異なる複数の条件、および、方向変換器20への流体の導入流量が異なる複数の条件で、第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置を位置検出部35によって検出しておく。これにより、光ファイバ裸線3の浮上位置を一定に保つことができるような方向変換器20への流体の導入流量と、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力との相関を把握する。
測定部本体36は、流体の導入流量と線引張力との相関を用いて、方向変換器20への流体の導入流量から線引張力を測定することができる。
測定部本体36は、流体の導入流量と線引張力との相関を用いて、方向変換器20への流体の導入流量から線引張力を測定することができる。
以上、本発明の光ファイバの線引張力測定方法および線引張力測定装置について説明してきたが、本発明は前記の例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
図1に示す製造装置1では第3方向変換器20Cの下流側に位置検出部35を設け、図7に示す製造装置1Aでは第2方向変換器20Dの下流側に位置検出部35を設けたが、位置検出部の位置は、これらの例に限定されない。
例えば、図1に示す製造装置1において、方向変換器20A,20B,20Cのうち1または2以上の下流側にそれぞれ位置検出部を設けてもよい。
方向変換器20Aの下流側(方向変換器20Aと方向変換器20Bとの間)に位置検出部を設ける場合には、方向変換器20Aにおける光ファイバ裸線3の浮上量を検出できる。方向変換器20Bの下流側(方向変換器20Bと方向変換器20Cとの間)に位置検出部を設ける場合には、方向変換器20Bにおける光ファイバ裸線3の浮上量を検出できる。
また、方向変換器20における方向変換は、紡糸工程の後、第1コーティング工程の前のいずれかの位置で行うことができる。方向変換器20の設置位置は、紡糸部10の下流側であり、かつ第1コーティング部40の上流側であれば、いずれの位置であってもよい。
方向変換器20の数は、1または複数であってよい。
図1に示す製造装置1では第3方向変換器20Cの下流側に位置検出部35を設け、図7に示す製造装置1Aでは第2方向変換器20Dの下流側に位置検出部35を設けたが、位置検出部の位置は、これらの例に限定されない。
例えば、図1に示す製造装置1において、方向変換器20A,20B,20Cのうち1または2以上の下流側にそれぞれ位置検出部を設けてもよい。
方向変換器20Aの下流側(方向変換器20Aと方向変換器20Bとの間)に位置検出部を設ける場合には、方向変換器20Aにおける光ファイバ裸線3の浮上量を検出できる。方向変換器20Bの下流側(方向変換器20Bと方向変換器20Cとの間)に位置検出部を設ける場合には、方向変換器20Bにおける光ファイバ裸線3の浮上量を検出できる。
また、方向変換器20における方向変換は、紡糸工程の後、第1コーティング工程の前のいずれかの位置で行うことができる。方向変換器20の設置位置は、紡糸部10の下流側であり、かつ第1コーティング部40の上流側であれば、いずれの位置であってもよい。
方向変換器20の数は、1または複数であってよい。
[実施例1]
図1に示す製造装置1を作製した。
方向変換器20(20A,20B,20C)における光ファイバ裸線3の浮上旋回半径は、約62.5mmとした。
図2に示すように、方向変換器20A,20Cのガイド溝21の内側面21cの、径方向Rに対する傾斜角度θはそれぞれ0.5°とした。ガイド溝21の底における幅は50μmとした。方向変換器20Bのガイド溝31にはガイド溝21と同様の構造を採用した。
方向変換器20A〜20Cに導入される流体は、除湿した空気であり、その温度は室温(約24℃)とした。
空気の導入流量は、方向変換器20A,20Cについてそれぞれ100リットル/分とし、方向変換器20Bについて200リットル/分とした。
図1に示す製造装置1を作製した。
方向変換器20(20A,20B,20C)における光ファイバ裸線3の浮上旋回半径は、約62.5mmとした。
図2に示すように、方向変換器20A,20Cのガイド溝21の内側面21cの、径方向Rに対する傾斜角度θはそれぞれ0.5°とした。ガイド溝21の底における幅は50μmとした。方向変換器20Bのガイド溝31にはガイド溝21と同様の構造を採用した。
方向変換器20A〜20Cに導入される流体は、除湿した空気であり、その温度は室温(約24℃)とした。
空気の導入流量は、方向変換器20A,20Cについてそれぞれ100リットル/分とし、方向変換器20Bについて200リットル/分とした。
紡糸部10において光ファイバ母材2を溶融紡糸して光ファイバ裸線3(外径125μm)を得た。
光ファイバ母材2から鉛直下向き(第一の経路L1)に引き出された光ファイバ裸線3を、第1方向変換器20Aによって水平(第二の経路L2)に方向変換し、次いで、第2方向変換器20Bにおける180°の方向変換により、第二の経路L2とは反対の方向(第三の経路L3)に向け、第3方向変換器20Cにおける90°の方向変換により鉛直下向き(第四の経路L4)とした。
第1コーティング部40で光ファイバ裸線3の外周面に紫外線硬化樹脂からなる一次被覆層を形成し、第1硬化部50で紫外線を照射して一次被覆層を硬化させ、第2コーティング部60で一次被覆層の外周面に紫外線硬化樹脂からなる二次被覆層を形成し、第2硬化部70で紫外線を照射して二次被覆層を硬化させて光ファイバ素線5(外径250μm)を得た。
光ファイバ素線5は、スパン装置80、ターンプーリ90を経て巻き取り機(図示略)により巻き取った。線引速度は1000m/minとした。
光ファイバ母材2から鉛直下向き(第一の経路L1)に引き出された光ファイバ裸線3を、第1方向変換器20Aによって水平(第二の経路L2)に方向変換し、次いで、第2方向変換器20Bにおける180°の方向変換により、第二の経路L2とは反対の方向(第三の経路L3)に向け、第3方向変換器20Cにおける90°の方向変換により鉛直下向き(第四の経路L4)とした。
第1コーティング部40で光ファイバ裸線3の外周面に紫外線硬化樹脂からなる一次被覆層を形成し、第1硬化部50で紫外線を照射して一次被覆層を硬化させ、第2コーティング部60で一次被覆層の外周面に紫外線硬化樹脂からなる二次被覆層を形成し、第2硬化部70で紫外線を照射して二次被覆層を硬化させて光ファイバ素線5(外径250μm)を得た。
光ファイバ素線5は、スパン装置80、ターンプーリ90を経て巻き取り機(図示略)により巻き取った。線引速度は1000m/minとした。
図6は、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力と、第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置(相対浮上位置)との相関を、方向変換器20における流体の流量と関連付けて整理したグラフである。このグラフは、光ファイバ素線5の製造に先だって取得したデータに基づいて作成した。相対浮上位置は、方向変換器20Cのガイド溝21の底部からの径方向の高さ位置である。
図6に示された線引張力と光ファイバ裸線3の位置との関係に基づいて、位置検出部35の検出値から、光ファイバ裸線3にかかる線引張力を導出した。例えば、流体(空気)の流量を120L/minとした場合に、位置検出部35で検出された光ファイバ裸線3の位置(相対浮上位置)は、8.2mmである。図6より、光ファイバ裸線3には約20gfの張力がかかっていることがわかる。
そのままの条件で長さ約600kmの光ファイバ素線5を製造した後、この光ファイバ素線5を、1.1%伸び歪の荷重をかけながら巻き返したところ、断線は起きなかった。このことから、光ファイバ裸線3の強度劣化が起こっていないことが確認できた。
そのままの条件で長さ約600kmの光ファイバ素線5を製造した後、この光ファイバ素線5を、1.1%伸び歪の荷重をかけながら巻き返したところ、断線は起きなかった。このことから、光ファイバ裸線3の強度劣化が起こっていないことが確認できた。
1,1A…光ファイバ素線の製造装置、2…光ファイバ母材、3…光ファイバ裸線、5…光ファイバ素線、10…紡糸部、20,20A〜20D…方向変換器、21,31…ガイド溝、22,32…吹出し口、30…張力測定部(線引張力測定装置)、35…位置検出部、36…測定部本体(本体部)、40…第1コーティング部、60…第2コーティング部。
Claims (8)
- 光ファイバ素線を製造する際に、線引張力を測定する方法であって、
光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成し、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けることによって光ファイバ素線を製造するにあたり、前記紡糸から前記被覆層の形成までの間で、方向変換器を用いて、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換し、
前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出し、
予め測定された前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関に基づいて、前記浮上位置の検出値から線引張力を導出する、線引張力測定方法。 - 前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関は、前記光ファイバ素線の製造に先だって取得したデータに基づいて把握される、請求項1に記載の線引張力測定方法。
- 前記光ファイバ裸線の外径を測定し、この外径の測定値に基づいて、前記線引張力と前記浮上位置との相関を補正する、請求項1または2に記載の線引張力測定方法。
- 光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸部と、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けるコーティング部と、前記紡糸部から前記コーティング部までの間で、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換する方向変換器と、を備えた光ファイバ素線の製造装置に用いられる光ファイバの線引張力測定装置であって、
前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部の検出値から線引張力を導出する本体部とを備え、
前記本体部は、予め測定された前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関に基づいて、前記浮上位置の検出値から線引張力を導出する、線引張力測定装置。 - 前記光ファイバ裸線の線引張力と前記光ファイバ裸線の浮上位置との相関は、前記光ファイバ素線の製造に先だって取得したデータに基づいて把握される、請求項4に記載の線引張力測定装置。
- 前記光ファイバ裸線の外径を測定する外径測定部をさらに備え、
前記本体部において、前記外径測定部で得られた外径の測定値に基づいて、前記線引張力と前記浮上位置との相関を補正する、請求項4または5に記載の線引張力測定装置。 - 光ファイバ素線を製造する際に、線引張力を測定する方法であって、
光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成し、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けることによって光ファイバ素線を製造するにあたり、前記紡糸から前記被覆層の形成までの間で、方向変換器を用いて、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換し、
前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出し、前記浮上位置の検出値に基づいて、前記浮上位置が一定となるように前記方向変換器における前記流体の流量を調整し、
予め測定された前記光ファイバ裸線の線引張力と前記流体の流量との相関に基づいて、前記流体の流量から線引張力を導出する、線引張力測定方法。 - 光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸部と、前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けるコーティング部と、前記紡糸部から前記コーティング部までの間で、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換する方向変換器と、を備えた光ファイバ素線の製造装置に用いられる光ファイバの線引張力測定装置であって、
前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出する位置検出部と、前記浮上位置が一定となるように前記方向変換器における前記流体の流量を調整する流量調整器と、前記流体の流量から線引張力を導出する本体部とを備え、
前記本体部は、予め測定された前記光ファイバ裸線の線引張力と前記流体の流量との相関に基づいて、前記流体の流量から線引張力を導出する、線引張力測定装置。
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