JP2017042004A - 回転電機のコイル線接合方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、カシメ接合に用いる接合用治具を配置するスペースがステータによって制限されてしまうが、この接合用治具がステータに干渉しないように作業を行う必要があり、接合作業性が悪いという問題が生じていた。
そして、延長端部を有する折り曲げ端部を形成したら、バスバー支持治具を介してステータの軸方向端部にバスバーをセットする。バスバーをセットしたら、接合用治具を用いて、バスバーに折り曲げ端部を接合する。
バスバーに折り曲げ端部を接合したら、バスバー支持治具及び接合用治具を退避させてから延長端部を折りたたみ、バスバーをステータの軸方向端部に近接させた後、バスバーをステータに固定する。
そのため、バスバーに折り曲げ端部を接合する際、バスバーとステータ端部との間には、バスバー支持治具分の隙間があいた状態になり、ステータの軸方向端部から所定の距離を確保した位置でバスバーとコイル線とを接合することができる。
これにより、カシメ接合に用いる接合用治具を配置するスペースがステータによって制限されることがなくなり、この接合用治具の配置スペースが拡大され、作業性の向上を図ることができる。
まず、本発明のコイル線接合方法を適用した回転電機について説明する。
前記第1ボビン部材12a及び前記第2ボビン部材12bは、ほぼ対面同一に形成されている。そして、第1ボビン部材12aの開放接合縁12cと、第2ボビン部材12bの開放接合縁12dを、当接させつつ接合することによって一体化し、一つのボビン12を構成する。なお、一つのボビン12によって一つのティース11bを被覆する。
そして、コイル線13の一端部13b及び他端部13cは、いずれもボビン12に形成した挿通路12kを介してステータ径方向外側に引き出されており、それぞれバスバーアッシ20に接合される折り曲げ端部14を有している(図4参照)。なお、図4には、コイル線13の他端部13cのみを示すが、一端部13bについても同様の構成となっている。
ここで、U相バスバー21、V相バスバー22、W相バスバー23は、同一の形状を呈している。また、N相バスバー24は、U相バスバー21等とは同一形状ではないものの、基本的な形状はほぼ同一である。このため、V相バスバー22、W相バスバー23、及びN相バスバー24については、詳細な説明を省略し、U相バスバー21についてのみ詳細に説明する。
前記バスバー本体部31は、図6(a)に示すように、ステータ軸方向の寸法を抑制するため、ステータ軸方向の厚さH1よりも、ステータ径方向の幅H2の方が大きくなるように設定された鋼板である。このバスバー本体部31は、図5に示すように、ステータ11の外周に沿った円弧状に形成され、一端部31cと他端部31dとが対向している。なお、N相バスバー24では、このバスバー本体部31が切れ目のない円環状となっている。
そして、このバスバー本体部31の中間部には、外部からの受電用の配線を締結するためのボルト(不図示)を挿通する端子部31eが形成されている。この端子部31eは、ボルトを挿通するために、バスバー本体部31の中間部を、ステータ径方向の外側に向かってU字状に突出させつつ、ステータ軸方向とステータ径方向に沿って2回折り返すことで形成されている。なお、N相バスバー24には、端子部31eは形成されていない。
また、この溝部34のステータ11の周方向(Y方向、以下「ステータ周方向」という)の幅寸法W1(内径寸法)は、コイル線13の直径寸法Rとほぼ同じ大きさに設定されている。これにより、溝部34に挿入されたコイル線13は、ステータ周方向にがたつくことはほとんどない。
また、この絶縁紙25は、複数の円弧状の個片を環状に並べ、円環形状に形成されている。このとき、互いに隣接する個片の端部を重ね合い、隙間が空かないようにしている。
以下、図7〜図12に基づき、実施例1の回転電機のコイル線接合方法を説明する。
そして、コイル線13を引き出したら、図示しない治具を用いて一端部13bを約90°折り曲げ、コイル線13の先端をステータ軸方向外側へ向けることで、折り曲げ端部14を形成する。このとき、ステータ径方向外側に引き出すコイル線13の長さを、予め必要長HNに延長端部14aの長さを加えた長さ以上にしておくことで、折り曲げ端部14が延長端部14aを有することになる。
なお、図7では、一本のコイル線13の一端部13bのみを示しているが、全てのコイル線13の一端部13b及び他端部13cをそれぞれ折り曲げて、延長端部14aを有する折り曲げ端部14を形成する。
また、このときの延長端部14aの長さは、バスバーアッシ20に折り曲げ端部14を接合する際、バスバーアッシ20のコイル線接合部32と、ステータ11の軸方向端部との間に、後述する接合用治具である下型43を配置可能にする長さに設定する。
そして、インナーフレーム11dにステータ11を固定したら、作業台Sに突設されたセンタリング治具41をインナーフレーム11dの中心穴11eに挿入しつつ、ステータ11を作業台S上に載置する。
なお、インナーフレーム11dは、回転電機の外部からステータ11等を保護するモータケース(不図示)に対して、ステータ11の軸方向一端を固定支持する支持部材である。
前記コイル線押さえアーム42aは、一端にバスバーアッシ20が載置されるバスバー載置段差42cが形成された棒状部材であり、他端がセンタリング治具41の先端に形成された溝部41a内にスライド可能に嵌合している。このバスバー載置段差42cの先端部分には、コイル線13が入り込む凹部42dが形成されている。前記バスバー載置アーム42bは、一端にバスバーアッシ20が載置されるバスバー載置段差42eが形成された棒状部材であり、他端がセンタリング治具41の先端にネジNを介して回動可能に取りつけられている。
なお、バスバー載置段差42c,42eの立上り面42fは、いずれもバスバーアッシ20の内側に沿う円弧面となっている。
なお、コイル線押さえアーム42a及びバスバー載置アーム42b,42bの駆動は、例えば、エアシリンダーやモータ等の図示しないアクチュエータによって行う。
また、このバスバーアッシ20のセットは、図9F及び図9Gに示すように、各バスバー21〜24のコイル線接合部32に形成された溝部34に、それぞれコイル線13の折り曲げ端部14が挿入するように位置調整しながら行う。
この結果、折り曲げ端部14が溝部34から脱落することがなくなり、コイル線13がバスバーアッシ20に接合される。
続いて、図11Cに示すように、バスバー支持治具42のコイル線押さえアーム42aを、ステータ径方向内側に向けてスライド移動させ、凹部42dから折り曲げ端部14を外すと共に、バスバーアッシ20の下側からコイル線押さえアーム42aを退避させる。
そして、この「コイル線13の接合」→「各治具の退避」→「ステータ11及びバスバーアッシ20の回転」→「コイル線押さえアーム42aのスライド移動」の流れを繰り返し、全てのコイル線13の折り曲げ端部14と、バスバーアッシ20との接合を完了させる。
次に、このコイル線押さえアーム42a及び一対のバスバー載置アーム42b,42bをステータ11の上方(ステータ軸方向外側)に向けて移動させ、バスバー支持治具42を取り外す。
これにより、図11Eに示すように、バスバーアッシ20は、延長端部14aを有する折り曲げ端部14によって支持され、ステータ11の軸方向端部との間にバスバー支持治具42分の隙間があいた状態になる。
この結果、延長端部14aが折りたたまれ、バスバーアッシ20がステータ11の軸方向端部に近接する。
これにより、コイル線13のバスバーアッシ20への接合が完了する。
一般的に、回転電機では、ステータアッシ10の内側に配置されたロータ(不図示)が回転すると、このステータアッシ10及びロータを収納するケース(不図示)や、それを支持する支持部材(不図示)等が振動し、この振動がステータアッシ10に伝達されることが分かっている。そして、ステータアッシ10に振動が伝達されると、コイル線13を巻回したステータ11と、バスバーアッシ20とが相対的に移動することになる。そのため、コイル線13の一端部13bや他端部13cを、バスバーアッシ20に対して適切に接合しなければ、コイル線13とバスバーアッシ20との接合が外れてしまうおそれがあった。
一方、図9E及び図9Fに示すように、ステータ11にバスバーアッシ20をセットする際、ステータ11とバスバーアッシ20の間にバスバー支持治具42を介装する。
これにより、下型43を差し込むスペースがステータ11によって制限されることがなくなり、下型43がステータ11やインナーフレーム11dと干渉しにくくなる。この結果、折り曲げ端部14とコイル線接合部32との接合時の作業性の向上を図ることができる。
そのため、バスバーアッシ20とステータ11の間に下型43の挿入スペースを確保することができ、図10A〜図10Dに示すように、バスバーアッシ20に折り曲げ端部14を接合する際、バスバーアッシ20とステータ11との間に、下型43を確実に挿入することができる。また、折り曲げ端部14の無駄な延長を抑制することができ、この延長端部14aを円滑に折りたたむことができる。
これに対し、実施例1では、折り曲げ端部14が有する延長端部14aを折り曲げることで、バスバーアッシ20をステータ11の軸方向端部に近接させ、その後、バスバーアッシ20をステータ11に固定する。
これにより、延長端部14aが邪魔にならず、折り曲げ端部14の長さを必要長HNに抑えることができ、ステータアッシ10の軸方向寸法を適切な大きさにすることができる。
そのため、延長端部14aを、急な角度に折れ曲げたり、他の折り曲げ端部14やバスバー21〜24に接触させたりすることなく、円滑に折り曲げることができる。すなわち、コイル線13の電気的な性能を確保しつつ、折り曲げ端部14の長さを必要長HNに抑えることができる。
実施例1の回転電機のコイル線接合方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記バスバー(バスバーアッシ20)に接合する前記コイル線13の端部(一端部13b、他端部13c)を、前記ステータ11の径方向外側に引き出してから前記ステータ11の軸方向に沿って折り曲げ、前記ステータ11の軸方向に沿った折り曲げ端部14を形成する際、該折り曲げ端部14に、バスバー接合時の折り曲げ端部全長を接合に必要な必要長HNを超える長さにする延長端部14aを設け、
前記延長端部14aを有する折り曲げ端部14を形成したら、前記バスバー(バスバーアッシ20)を、バスバー支持治具42を介して前記ステータ11の軸方向端部にセットし、
前記バスバー(バスバーアッシ20)をセットしたら、接合用治具(下型43、上型44)を用いて、前記バスバー(バスバーアッシ20)に前記折り曲げ端部14を接合し、
前記バスバー(バスバーアッシ20)に前記折り曲げ端部14を接合したら、前記バスバー支持治具42及び前記接合用治具(下型43、上型44)を退避させてから、前記延長端部14aを折りたたんでバスバー(バスバーアッシ20)を前記ステータ11の軸方向端部に近接させ、
前記バスバー(バスバーアッシ20)を前記ステータ11の軸方向端部に近接させたら、前記バスバー(バスバーアッシ20)を前記ステータ11に固定する構成とした。
これにより、バスバー(バスバーアッシ20)にコイル線13を接合する際の作業性の向上を図ることができる。
これにより、(1)の効果に加え、バスバー(バスバーアッシ20)とステータ11の間に接合用治具(下型43)の挿入スペースを確保すると共に、折り曲げ端部14の無駄な延長を抑制することができる。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、延長端部14aを円滑に折り曲げることができ、コイル線13の電気的な性能を確保しつつ、折り曲げ端部14の長さを必要長HNに抑えることができる。
前記折り曲げ端部14を前記溝部34に挿入した状態で、前記接合用治具(下型43、上型44)によって前記溝部34の周囲を押圧して前記バスバー(バスバーアッシ20)を押しつぶし、前記溝部34の開口寸法W3を前記折り曲げ端部14の直径寸法Rよりも狭くする構成とした。
これにより、折り曲げ端部14を変形させることなくバスバー(バスバーアッシ20)に接合することができ、コイル線13の断線や接合不良を防止することができる。
11 ステータ
11a ステータ本体部
11b ティース
11c ステータコア
12 ボビン
13 コイル線
14 折り曲げ端部
14a 延長端部
20 バスバーアッシ
21 U相バスバー
22 V相バスバー
23 W相バスバー
24 N相バスバー
25 絶縁紙
31 バスバー本体部
32 コイル線接合部
33 凸形状部
34 溝部
34a 開口端部
35 コイル線押さえ部
Claims (4)
- 円筒状のステータの各ティースに巻回された複数のコイル線のうち、同一相のコイル線をバスバーに電気的に接合する回転電機のコイル線接合方法において、
前記バスバーに接合する前記コイル線の端部を、前記ステータの径方向外側に引き出してから前記ステータの軸方向に沿って折り曲げ、前記ステータの軸方向に沿った折り曲げ端部を形成する際、該折り曲げ端部に、バスバー接合時の折り曲げ端部全長を接合に必要な必要長を超える長さにする延長端部を設け、
前記延長端部を有する折り曲げ端部を形成したら、前記バスバーを、バスバー支持治具を介して前記ステータの軸方向端部にセットし、
前記バスバーをセットしたら、接合用治具を用いて、前記バスバーに前記折り曲げ端部を接合し、
前記バスバーに前記折り曲げ端部を接合したら、前記バスバー支持治具及び前記接合用治具を退避させてから、前記延長端部を折りたたんでバスバーを前記ステータの軸方向端部に近接させ、
前記バスバーを前記ステータの軸方向端部に近接させたら、前記バスバーを前記ステータに固定する
ことを特徴とする回転電機のコイル線接合方法。 - 請求項1に記載された回転電機のコイル線接合方法において、
前記延長端部の長さを、前記バスバーと前記ステータの軸方向端部との間に、前記接合用治具を配置可能にする長さに設定する
ことを特徴とする回転電機のコイル線接合方法。 - 請求項1又は請求項2に記載された回転電機のコイル線接合方法において、
前記延長端部を折りたたむとき、前記バスバーをステータ周方向に回転させて前記延長端部を捻りながら、前記バスバーを前記ステータの軸方向端部に押し付ける
ことを特徴とする回転電機のコイル線接合方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された回転電機のコイル線接合方法において、
前記バスバーに前記折り曲げ端部を接合するとき、前記バスバーの周面に形成されると共に前記ステータの径方向外側に向かって開放した溝部に前記折り曲げ端部を挿入し、
前記折り曲げ端部を前記溝部に挿入した状態で、前記接合用治具によって前記溝部の周囲を押圧して前記バスバーを押しつぶし、前記溝部の開口寸法を前記折り曲げ端部の直径寸法よりも狭くする
ことを特徴する回転電機のコイル線接合方法。
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